JP2019085740A - 桝形構造物の改修方法および補修ブロック - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、特許文献1に開示されている切断機を使用した場合は、切断刃物が円形状であることから、桝形の側面の4隅に切断できない場所が残存するため、そのまま桝形構造物の上部分を取り除くことができないという問題がある。この場合、桝形構造物の上部分はハツリ作業で取り除く必要があり、従来のハツリ作業の作業時間と労力は大きくは変わらない。加えて、特許文献1に開示されている切断機は、装置が大きく、比較的小規模の桝形構造物には適さないという問題がある。
第2発明の桝形構造物の改修方法は、第1発明において、前記分割工程における、前記くさびの差込みは油圧作動機構により行われることを特徴とする。
第3発明の桝形構造物の改修方法は、第1発明または第2発明において、前記補修ブロックの前記下部分の上面に対向する面には、前記切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられていることを特徴とする。
第4発明の桝形構造物の改修方法は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記切断刃物は、前記桝形構造物の外側に筐体部が設けられている切断装置に備えられ、前記切断装置には、前記桝形構造物の矩形開口部の各辺に沿って動作可能な支持部と、該支持部から揺動可能に設けられ、前記切断刃物を回転自在に保持する回転支持部と、を備えられていることを特徴とする。
第5発明の桝形構造物の改修方法は、第4発明において、前記支持部には、前記回転支持部をねじ構造により上下に動作させる上下動作機構が設けられ、前記ねじ構造の軸心が、前記回転支持部の揺動運動の中心と一致していることを特徴とする。
第6発明の補修ブロックは、第1発明の桝形構造物の改修方法に使用される補修ブロックであって、分割された後の前記桝形構造物の前記下部分に載せられる補修ブロックであり、前記補修ブロックの前記下部分の上面に対向する面には、前記切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられていることを特徴とする。
また、切断刃物による切込が入っているので、桝形構造物の下部分の上面の大部分が平坦面となっており、補修ブロックを容易に固定することができる。
第2発明によれば、分割工程におけるくさびの差込みが油圧作動機構による機械力により行われることにより、桝形構造物を上部分と下部分とに分割する分割工程の作業時間を低減できる。
第3発明によれば、補修ブロックの、桝形構造物の下部分の上面に対向する面には、切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられていることにより、切断残存部分を除去加工する必要がなくなり、ブロック固定工程の作業時間を低減できる。
第4発明によれば、切断装置が、矩形開口部の各辺に沿って動作可能な支持部と、この支持部から揺動可能に設けられ、切断刃物を回転自在に保持する回転支持部とを備えていることにより、回転支持部の動作の自由度が上がり、切込工程の作業時間を低減できる。
第5発明によれば、上下動作機構のねじ構造の軸心が、回転支持部の揺動運動の中心と一致していることにより、支持部の構造をコンパクトにでき、切断装置全体をコンパクトにできる。これにより省スペースでの作業が容易になる。
第6発明によれば、補修ブロックの下部分の上面に対向する面には、切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられていることにより、この補修ブロックを用いることで、切込工程後の桝形構造物の下部分の均し作業の時間を短縮することができ、作業後のブロック固定工程の作業時間を低減できる。
本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法は、側溝に沿って、一定間隔で設けられている桝形構造物10を改修する方法に関するものである。本実施形態では、桝形構造物の改修方法は以下のような工程から構成されている。
(a)切込工程
(b)分割工程
(c)除去工程
(d)ブロック固定工程
最初に、本実施形態の桝形構造物の改修方法の前段階である準備段階を含めて以下各工程を、図面を用いて説明する。
図2には、本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法の前段階である準備工程を示す。図2は、図10(B)と同じく、図10(A)のI−I矢視で示す桝形構造物10の断面図である。本実施形態に係る桝形構造物の改修方法の施工者は、円板形状の切断刃物14を有する切断装置30を用意する。この切断装置30については、好適なものを後述するが、切断刃物14が、地中に埋設されているコンクリート構造物である桝形構造物10の内側面を水平方向に切断できるものであれば特に限定されない。
図3には、本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法の切込工程の説明図を示す。図3は、図10(A)のI−I矢視で示す桝形構造物10の断面図である。施工者は、切断刃物14を用いて、桝形構造物10の内側から桝形構造物10の内側面に水平方向に切込を入れる。すなわち切断刃物14を、図3の紙面に向かって左側に動作させ、桝形構造物10の鉛直部分を切断できるだけの切込を入れる。その後図3の紙面における奥行き方向または手前方向に切断刃物14を移動させ、桝形構造物10を上から見たときの辺の1つ全体に亘る切込を入れる。
図4には、本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法の分割工程の説明図を示す。図4は、図10(A)のI−I矢視で示す桝形構造物10の断面図である。施工者は、切込工程で設けられた切込にくさび15の先端を差込む。くさび15は、桝形構造物10の対向する鉛直面のそれぞれに差し込まれる。そして、このくさび15を桝形構造物10の外側に向けてそれぞれ動作させることで、桝形構造物10は、地中にそのまま残存させる下部分12と、グレーチングがはめ込まれる上部分11とに分割される。
図5には、本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法の除去工程を示す。図5(A)は、除去工程を終えた直後の桝形構造物10の平面図であり、図5(B)は、除去工程を終えた直後の桝形構造物10の図10(A)のI−I矢視で示す断面図である。除去工程では、分割工程で分割された、桝形構造物10の上部分11を除去する。この除去作業は、例えば上部分11に吊り金具を取り付け、クレーンで引き上げることで行われる。除去工程後の、下部分12の上面の4隅には、図5のドットで表した切断残存部分12aが残存している。
図1には、本発明の第1実施形態に係る桝形構造物の改修方法により改修した後の桝形構造物10の説明図を示す。図1は、図10(A)のI−I矢視で示す断面図である。また、図1には、桝形構造物10の一部の拡大図を示している。加えて、図6には、補修ブロック13の説明図を示す。図6(A)は補修ブロック13の平面図、図6(B)は、正面方向からの断面図、図6(C)は底面図である。
図7は切断装置30の正面図、図8は平面図、図9は側面図である。図面は必要に応じて、断面を記載しているところがある。また図8では、ハンドル56を省略している。
10A 桝形構造物(改修後)
11 上部分
12 下部分
12a 切断残存部分
13 補修ブロック
13a 切欠き部
14 切断刃物
15 くさび
30 切断装置
31 基礎部
32 支持部
33 回転支持部
34 上下動作機構
Claims (6)
- 地中に埋設されている桝形構造物の内側面に、切断刃物により水平方向に切込を入れる切込工程と、
前記切込にくさびを差込み、前記桝形構造物を、上部分と下部分とに分割する分割工程と、
前記上部分を除去する除去工程と、
前記下部分の上に補修ブロックを固定するブロック固定工程と、を包含する、
ことを特徴とする桝形構造物の改修方法。 - 前記分割工程における、前記くさびの差込みは油圧作動機構により行われる、
ことを特徴とする請求項1記載の桝形構造物の改修方法。 - 前記補修ブロックの前記下部分の上面に対向する面には、
前記切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の桝形構造物の改修方法。 - 前記切断刃物は、前記桝形構造物の外側に基礎部が設けられている切断装置に備えられ、
前記切断装置には、
前記桝形構造物の矩形開口部の各辺に沿って動作可能な支持部と、
該支持部から揺動可能に設けられ、前記切断刃物を回転自在に保持する回転支持部と、を備えられている
ことを特徴とする請求項1から3記載の桝形構造物の改修方法。 - 前記支持部には、
前記回転支持部をねじ構造により上下に動作させる上下動作機構が設けられ、
前記ねじ構造の軸心が、前記回転支持部の揺動運動の中心と一致している、
ことを特徴とする請求項4記載の桝形構造物の改修方法。 - 請求項1記載の桝形構造物の改修方法に使用される補修ブロックであって、
分割された後の前記桝形構造物の前記下部分に載せられる補修ブロックであり、
前記補修ブロックの前記下部分の上面に対向する面には、
前記切断刃物の切断残存部分に対応する切欠き部が設けられている、
ことを特徴とする補修ブロック。
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