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JP2018170322A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】素体におけるクラックの発生が確実に抑制されている電子部品を提供する。
【解決手段】積層貫通コンデンサC1は、直方体形状を呈している素体3と、外部電極6とを備えている。素体3は、実装面とされる主面3aと、主面3aと隣り合う側面3cとを有している。外部電極6は、側面3cに配置されている電極部6cを有している。電極部6cは、領域6cと、領域6cよりも主面3a寄りに位置している領域6cと、を有している。領域6cは、側面3c上に形成されている第一電極層E1と、第一電極層E1上に形成されているめっき層と、を有している。領域6cは、側面3c上に形成されている第一電極層E1と、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2と、第二電極層E2上に形成されている第三電極層E3及び第四電極層E4と、を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品に関する。
直方体形状を呈しており、実装面とされる主面と、主面と隣り合う側面と、を有している素体と、側面に配置されている電極部を有する外部電極と、を備えている電子部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された電子部品では、電極部が、側面上に形成されている焼結金属層と、焼結金属層上に形成されているめっき層と、を有している第一領域と、側面上に形成されている焼結金属層と、焼結金属層上に形成されている導電性樹脂層と、導電性樹脂層上に形成されているめっき層と、を有し、かつ、第一領域よりも主面寄りに位置している第二領域と、を有している。
特開2004−296936号公報
本発明の一つの態様は、素体におけるクラックの発生が確実に抑制されている電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らの調査研究の結果、以下の事項が判明した。電子部品が電子機器にはんだ実装されている場合、電子機器から電子部品に作用する外力が、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレットから外部電極を通して素体に応力として作用することがある。このとき、応力は、焼結金属層の端縁に集中する傾向があるため、当該端縁が起点となって、素体にクラックが発生するおそれがある。応力は、特に、側面に直交する方向から見たときの焼結金属層の主面側の端部領域の端縁に集中する傾向がある。
本発明の一つの態様に係る電子部品は、直方体形状を呈しており、実装面とされる主面と、主面と隣り合う側面と、を有している素体と、側面に配置されている電極部を有する外部電極と、を備え、電極部は、側面上に形成されている焼結金属層と、焼結金属層上に形成されているめっき層と、を有している第一領域と、側面上に形成されている焼結金属層と、焼結金属層上と側面上とわたって形成されている導電性樹脂層と、導電性樹脂層上に形成されているめっき層と、を有し、かつ、第一領域よりも主面寄りに位置している第二領域と、を有している。
本発明の一つの態様に係る電子部品では、第一領域よりも主面寄りに位置している第二領域が、焼結金属層上と側面上とわたって形成されている導電性樹脂層を有しているので、第二領域が有している焼結金属層の端縁が、導電性樹脂層により覆われる。このため、はんだフィレットを通して電子部品に外力が作用する場合でも、第二領域が有している焼結金属層の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、クラックが素体に発生するのが確実に抑制される。
特許文献1に記載された電子部品では、第二領域が有している焼結金属層の端縁が、導電性樹脂層により覆われていない。このため、第二領域が有している焼結金属層の端縁に応力が集中し易く、当該端縁がクラックの起点となるおそれがある。
第二領域は、導電性樹脂層が焼結金属層上に形成されている第一部分と、導電性樹脂層が側面上に形成されている第二部分と、を有しており、第二部分の幅は、主面から離れるにしたがって連続的に小さくなっていてもよい。
めっき層には、めっき層の形成過程で、内部応力が生じる。めっき層の平面視での形状が角を有している場合、当該角で内部応力が集中する傾向がある。このため、めっき層の上記角では、めっき層又はめっき層の下に位置している導電性樹脂層が剥がれるおそれがある。
導電性樹脂層と素体との接合強度は、導電性樹脂層と焼結金属層との接合強度よりも小さい。したがって、導電性樹脂層が側面上に形成されている第二領域の第二部分では、第一部分に比して、導電性樹脂層が側面から剥がれ易い。
第二部分の幅が、主面から離れるにしたがって連続的に小さくなっている場合、第二部分の平面視での形状が角を有することはない。このため、めっき層には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。この結果、第二部分での、めっき層及び導電性樹脂層の剥がれの発生が抑制される。
側面に直交する方向から見たとき、第二部分の端縁は、湾曲していてもよい。この場合でも、第二部分の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分が有しているめっき層には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分での、めっき層及び導電性樹脂層の剥がれの発生が抑制される。
側面に直交する方向から見たとき、第二領域の端縁は、略円弧状であってもよい。この場合でも、第二部分の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分が有しているめっき層には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分での、めっき層及び導電性樹脂層の剥がれの発生が抑制される。
本発明の一つの態様によれば、素体におけるクラックの発生が確実に抑制されている電子部品を提供することができる。
第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの側面図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの端面図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの実装構造を説明するための図である。 第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの実装構造を説明するための図である。 第1実施形態の変形例に係る積層貫通コンデンサの平面図である。 第1実施形態の変形例に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサの平面図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサの平面図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。 第2実施形態に係る積層コンデンサが備えている外部電極の断面構成を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサC1の構成を説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの平面図である。図3は、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの側面図である。図4は、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの端面図である。図5、図6、及び図7は、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。第1実施形態では、電子部品として積層貫通コンデンサC1を例に説明する。
積層貫通コンデンサC1は、図1に示されるように、素体3と、素体3の外表面に配置されている一対の外部電極5及び一つの外部電極6と、を有している。一対の外部電極5は、互いに離間している。一対の外部電極5及び外部電極6は、それぞれ離間している。一対の外部電極5は、たとえば、信号用端子電極として機能し、外部電極6は、たとえば、接地用端子電極として機能する。
素体3は、直方体形状を呈している。素体3は、互いに対向している長方形状の一対の主面3a,3bと、互いに対向している長方形状の一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有している。一対の主面3a,3bが対向している方向が第一方向D1であり、一対の側面3cが対向している方向が第二方向D2であり、一対の端面3eが対向している方向が第三方向D3である。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。
第一方向D1は、各主面3a,3bに直交する方向であり、第二方向D2と直交している。第三方向D3は、各主面3a,3bと各側面3cとに平行な方向であり、第一方向D1と第二方向D2とに直交している。第二方向D2は、各側面3cに直交する方向であり、第三方向D3は、各端面3eに直交する方向である。第1実施形態では、素体3の第三方向D3での長さは、素体3の第一方向D1での長さより大きく、かつ、素体3の第二方向D2での長さより大きい。第三方向D3が、素体3の長手方向である。
一対の側面3cは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の側面3cは、第三方向D3にも延在している。一対の端面3eは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の端面3eは、第二方向D2にも延在している。
素体3は、外表面として、一対の稜線部3gと、一対の稜線部3hと、四つの稜線部3iと、一対の稜線部3jと、一対の稜線部3kと、を有している。稜線部3gは、端面3eと主面3aとの間に位置している。稜線部3hは、端面3eと主面3bとの間に位置している。稜線部3iは、端面3eと側面3cとの間に位置している。稜線部3jは、主面3aと側面3cとの間に位置している。稜線部3kは、主面3bと側面3cとの間に位置している。本実施形態では、各稜線部3g,3h,3i,3j,3kは、湾曲するように丸められており、素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。
端面3eと主面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと主面3bとは、稜線部3hを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。主面3aと側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。主面3bと側面3cとは、稜線部3kを介して、間接的に隣り合っている。
素体3は、一対の主面3a,3bが対向している方向(第一方向D1)に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1と一致する。各誘電体層は、たとえば誘電体材料(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2と一致していてもよい。
積層貫通コンデンサC1は、電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)に、はんだ実装される。積層貫通コンデンサC1では、主面3aが、電子機器と対向する実装面とされる。
積層貫通コンデンサC1は、図5、図6、及び図7に示されるように、内部導体として、それぞれ複数の内部電極7,9を備えている。内部電極7,9は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料として、卑金属(たとえば、Ni又はCuなど)が用いられる。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。第1実施形態では、内部電極7,9は、Niからなる。
内部電極7と内部電極9とは、第一方向D1において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第一方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2である場合、内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置される。内部電極7の端部は、一対の端面3eに露出している。内部電極9の端部は、一対の側面3cに露出している。
外部電極5は、素体3における端面3e側に、すなわち素体3の第三方向D3での端部にそれぞれ配置されている。外部電極5は、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている電極部5aと、稜線部3h上に配置されている電極部5bと、各稜線部3i上に配置されている電極部5cと、対応する端面3eに配置されている電極部5eを有している。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有している。
外部電極5は、一つの主面3a、及び一つの端面3eの五つの面、並びに、稜線部3g,3h,3i,3jに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5b,5c,5e同士は、接続されており、電気的に接続されている。本実施形態では、外部電極5は、主面3b上に意図的に形成されていない。
端面3eに配置されている電極部5eは、内部電極7の端面3eに露出した端部をすべて覆っている。内部電極7は、電極部5eと直接的に接続されている。内部電極7は、一対の外部電極5と電気的に接続されている。
外部電極5は、図5、図6、及び図7に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極5の最外層を構成している。各電極部5a,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。電極部5bは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
電極部5aの第一電極層E1は、稜線部3g上に配置されており、主面3a上には配置されていない。主面3aは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び主面3a上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5aの第二電極層E2は、主面3aと接している。電極部5aは、稜線部3g上では四層構造を有しており、主面3a上では三層構造を有している。
電極部5bの第一電極層E1は、稜線部3h上に配置されており、主面3b上には配置されていない。主面3bは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5bは、第二電極層E2を有していない。電極部5bは、三層構造である。
電極部5cの第一電極層E1は、稜線部3i上に配置されており、側面3c上には配置されていない。側面3cは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3cと接している。
電極部5cは、領域5cと領域5cとを有している。領域5cは、領域5cよりも主面3a寄りに位置している。領域5cは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、第二電極層E2を有していない。領域5cは、三層構造である。領域5cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、稜線部3i上では四層構造を有しており、側面3c上では三層構造を有している。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されており、端面3eの全体が第一電極層E1に覆われている。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。
電極部5eは、領域5eと領域5eとを有している。領域5eは、領域5eよりも主面3a寄りに位置している。領域5eは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5eは、第二電極層E2を有していない。領域5eは、三層構造である。領域5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。すなわち、領域5eは、四層構造である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
外部電極6は、素体3の第三方向D3での中央部分に配置されており、第三方向D3で見て、一対の外部電極5の間に位置している。外部電極6は、主面3a上に配置されている電極部6aと、側面3c上及び稜線部3j,3k上に配置されている一対の電極部6cを有している。外部電極6は、主面3a及び一対の側面3cの三つの面、並びに、稜線部3j,3kに形成されている。互いに隣り合う電極部6a,6c同士は、接続されており、電気的に接続されている。本実施形態では、外部電極6は、主面3b上に意図的に形成されていない。
電極部6aは、主面3a上を第二方向D2に延在している。電極部6cは、内部電極9の側面3cに露出した端部をすべて覆っている。内部電極9は、各電極部6cと直接的に接続されている。内部電極9は、外部電極6と電気的に接続されている。
外部電極6も、図5、図6、及び図7に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極6の最外層を構成している。電極部6aは、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。各電極部6cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
電極部6aの第二電極層E2は、主面3a上に配置されている。電極部6aは、第一電極層E1を有していない。電極部5aの第二電極層E2は、主面3aと接している。電極部5aは、三層構造を有している。
電極部6cの第一電極層E1は、側面3c上及び稜線部3j,3k上に配置されている。電極部6cの第二電極層E2は、第一電極層E1上、側面3c上、及び稜線部3j上に配置されており、第一電極層E1の一部が第二電極層E2で覆われている。電極部6cの第二電極層E2は、側面3c及び稜線部3jと接している。
電極部6cは、領域6cと領域6cとを有している。領域6cは、領域6cよりも主面3a寄りに位置している。領域6cは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域6cは、第二電極層E2を有していない。領域6cは、三層構造である。領域6cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域6cは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域6cは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
領域6cは、第二電極層E2が第一電極層E1上に形成されている第一部分6c2−1と、第二電極層E2が側面3c上に形成されている一対の第二部分6c2−2と、を有している。第一部分6c2−1は、四層構造である。各第二部分6c2−2は、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。各第二部分6c2−2は、三層構造である。第一部分6c2−1と一対の第二部分6c2−2とは、一体的に形成されている。第一部分6c2−1は、第三方向D3で、一対の第二部分6c2−2の間に位置している。第二部分6c2−2は、第二方向D2から見て、第一部分6c2−1の両側に位置している。
第一電極層E1は、導電性ペーストを焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粉末)が焼結して形成された焼結金属層である。本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層である。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層であってもよい。このように、第一電極層E1は、卑金属を含んでいる。導電性ペーストには、Cu又はNiからなる粉末に、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を混合したものが用いられている。
第二電極層E2は、導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、導電性樹脂層である。導電性樹脂には、樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂など)に導電性材料(たとえば、金属粉末など)及び有機溶媒などを混合したものが用いられる。金属粉末としては、たとえば、Ag粉末又はCu粉末などが用いられる。熱硬化性樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂などが用いられる。
第三電極層E3は、めっき法により形成されている。本実施形態では、第三電極層E3は、Niめっきにより形成されたNiめっき層である。第三電極層E3は、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層であってもよい。このように、第三電極層E3は、Ni、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。
第四電極層E4も、めっき法により形成されている。本実施形態では、第四電極層E4は、Snめっきにより形成されたSnめっき層である。第四電極層E4は、Cuめっき層又はAuめっき層であってもよい。このように、第四電極層E4は、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。
外部電極5の第一電極層E1は、端面3e及び稜線部3g,3h,3iを覆うように形成されている。外部電極5の第一電極層E1は、一対の主面3a,3b及び一対の側面3cに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、外部電極5の第一電極層E1が意図せず主面3a,3b及び側面3cに形成されていてもよい。
外部電極5の第二電極層E2は、第一電極層E1上、主面3a上、及び一対の側面3c上に形成されている。外部電極5の第二電極層E2は、外部電極5の第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、外部電極5の第二電極層E2は、外部電極5の第一電極層E1の一部の領域(電極部5a、電極部5cの領域5c、及び電極部5eの領域5eに対応する領域)を覆うように形成されている。外部電極5の第二電極層E2は、稜線部3jを覆うように形成されている。外部電極5の第一電極層E1は、外部電極5の第二電極層E2を形成するための下地金属層でもある。外部電極5の第二電極層E2は、外部電極5の第一電極層E1上に形成された導電性樹脂層である。
外部電極5の第三電極層E3は、外部電極5の第二電極層E2上と、外部電極5の第一電極層E1(外部電極5の第二電極層E2から露出している部分)上とに形成されている。外部電極5の第四電極層E4は、第三電極層E3上に形成されている。第三電極層E3と第四電極層E4とは、第二電極層E2に形成されるめっき層を構成している。すなわち、本実施形態では、第二電極層E2に形成されるめっき層は、二層構造を有している。
各電極部5a,5b,5c,5eが有している第一電極層E1は、一体的に形成されている。各電極部5a,5c,5eが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
外部電極5では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5aの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われている。すなわち、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5aの第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出していない。
外部電極5では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域5cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁が第一電極層E1の端縁と交差している。外部電極5では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3b側の端部領域(領域5cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。領域5cは、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有している。
外部電極5では、第三方向D3から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域5eが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁が第一電極層E1上に位置している。外部電極5では、第三方向D3から見たとき、第一電極層E1の主面3b側の端部領域(領域5eが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。
第三方向D3での領域5cの幅W1は、図3に示されるように、主面3a(電極部5a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。すなわち、第一方向D1での領域5cの幅は、端面3e(電極部5e)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域5cは、略扇形状を呈している。
外部電極6の第一電極層E1は、側面3c及び稜線部3j,3kを覆うように形成されている。外部電極6の第一電極層E1は、一対の主面3a,3bに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、外部電極6の第一電極層E1が意図せず主面3a,3bに形成されていてもよい。
外部電極6の第二電極層E2は、外部電極6の第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、外部電極6の第二電極層E2は、外部電極6の第一電極層E1の一部の領域(電極部6cの領域6cに対応する領域)を覆うように形成されている。外部電極6の第二電極層E2は、主面3aの一部の領域、側面3cの一部の領域、及び稜線部3jの一部の領域を覆うようにも形成されている。
外部電極6の第三電極層E3は、外部電極6の第二電極層E2上と、外部電極6の第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。外部電極6の第四電極層E4は、外部電極6の第三電極層E3上にめっき法により形成されている。
各電極部6a,6cが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部6a,6cが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部6a,6cが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
外部電極6では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部6cの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われている。すなわち、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部6cの第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出していない。
外部電極6では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域6cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁が第一電極層E1の端縁と交差している。外部電極6では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3b側の端部領域(領域6cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。領域6cは、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有している。
第三方向D3での領域6cの幅W3は、図3に示されるように、主面3a(電極部6a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域6cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域6cは、略半円形状を呈している。
第三方向D3での各第二部分6c2−2の幅W5も、図3に示されるように、主面3a(電極部6a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。第二方向D2から見たとき、各第二部分6c2−2の端縁は、湾曲している。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、各第二部分6c2−2の端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、各第二部分6c2−2は、略扇形状を呈している。一方の第二部分6c2−2の幅W5と、他方の第二部分6c2−2の幅W5とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
以上のように、第1実施形態では、領域6cよりも主面3a寄りに位置している領域6cが、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有しているので、領域6cが有している第一電極層E1の端縁が、第二電極層E2により覆われる。このため、はんだフィレットを通して積層貫通コンデンサC1に外力が作用する場合でも、領域6cが有している第一電極層E1の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、積層貫通コンデンサC1では、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、外部電極6だけでなく、外部電極5に関しても、領域5cよりも主面3a寄りに位置している領域5cが、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有しているので、領域5cが有している第一電極層E1の端縁が、第二電極層E2により覆われる。このため、領域5cが有している第一電極層E1の端縁に応力が集中し難い。この結果、積層貫通コンデンサC1では、クラックが素体3に発生するのがより一層確実に抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5a,6aの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われているので、電極部5a,6aの第一電極層E1の端縁に応力が集中し難い。このため、積層貫通コンデンサC1では、クラックが素体3に発生するのがより一層確実に抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、領域6cは、第二電極層E2が第一電極層E1上に形成されている第一部分6c2−1と、第二電極層E2が側面3c上に形成されている第二部分6c2−2と、を有している。第二部分6c2−2の幅W5は、主面3a(電極部6a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。
第三電極層E3及び第四電極層E4には、各電極層E3,E4の形成過程で、内部応力が生じる。第三電極層E3及び第四電極層E4の平面視での形状が角を有している場合、当該角で内部応力が集中する傾向があるため、上記角では、電極層E3,E4又は電極層E3,E4の下に位置している第二電極層E2が剥がれるおそれがある。
第二電極層E2と素体3(側面3c)との接合強度は、第二電極層E2と第一電極層E1との接合強度よりも小さい。したがって、第二電極層E2が側面3c上に形成されている第二部分6c2−2では、第一部分6c2−1に比して、第二電極層E2が側面3cから剥がれ易い。
第二部分6c2−2の幅W5が、主面3aから離れるにしたがって連続的に小さくなっている場合、第二部分6c2−2の平面視での形状が角を有することはない。このため、第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。この結果、第二部分6c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、外部電極6だけでなく、外部電極5に関しても、領域5cの幅W1が、主面3aから離れるにしたがって連続的に小さくなっている。このため、側面3c上に位置している部分を有している領域5cの平面視での形状も、角を有することはない。したがって、領域5cでの、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生も抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、第二方向D2から見たとき、第二部分6c2−2の端縁は、湾曲している。この場合でも、第二部分6c2−2の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分6c2−2が有している第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分6c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
積層貫通コンデンサC1では、第二方向D2から見たとき、領域6cの端縁は、略円弧状である。この場合でも、第二部分6c2−2の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分6c2−2が有している第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分6c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
続いて、図8及び図9を参照して、積層貫通コンデンサC1の実装構造を説明する。図8及び図9は、第1実施形態に係る積層貫通コンデンサの実装構造を説明するための図である。
図8及び図9に示されるように、電子部品装置ECDは、積層貫通コンデンサC1と、電子機器EDと、を備えている。電子機器EDは、たとえば、回路基板又は電子部品である。
積層貫通コンデンサC1は、電子機器EDにはんだ実装されている。電子機器EDは、主面EDaと、複数のパッド電極PE1,PE2,PE3とを有している。各パッド電極PE1,PE2,PE3は、主面EDaに配置されている。複数のパッド電極PE1,PE2,PE3は、互いに離間している。積層貫通コンデンサC1は、実装面である主面3aと主面EDaとが対向するように、電子機器EDに配置されている。
積層貫通コンデンサC1がはんだ実装される場合、溶融したはんだが外部電極5,6(第四電極層E4)を濡れ上がる。濡れ上がったはんだが固化することにより、外部電極5,6にはんだフィレットSFが形成される。対応する外部電極5,6とパッド電極PE1,PE2,PE3とは、はんだフィレットSFを介して連結されている。
はんだフィレットSFは、電極部5e,6cの領域5e,6cと領域5e,6cとに形成されている。すなわち、領域5e,6cだけでなく、第二電極層E2を有していない領域5e,6cが、はんだフィレットSFを介してパッド電極PE1,PE2,PE3と連結されている。図示は省略するが、はんだフィレットSFは、電極部5cの領域5cと領域5cとにも形成されている。
電子部品装置ECDでは、上述したように、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制されている。
次に、図10及び図11を参照して、第1実施形態の変形例に係る積層貫通コンデンサC2の構成を説明する。図10は、本変形例に係る積層貫通コンデンサの平面図である。図11は、本変形例に係る積層貫通コンデンサの断面構成を説明するための図である。
積層貫通コンデンサC2は、積層貫通コンデンサC1と同様に、素体3と、一対の外部電極5と、それぞれ複数の内部電極7,9(不図示)と、を備えている。積層貫通コンデンサC2は、一対の外部電極6を備えている。すなわち、積層貫通コンデンサC2は、外部電極6の数が積層貫通コンデンサC1と相違している。
各外部電極6は、図11に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極6の最外層を構成している。電極部6aは、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。各電極部6cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
一方の外部電極6の電極部6aと、他方の外部電極6の電極部6aとは、第二方向D2で離間している。本変形例でも、各外部電極6では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部6cの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われている。すなわち、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部6cの第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出していない。
(第2実施形態)
図12〜図15を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサC3の構成を説明する。図12及び図13は、第2実施形態に係る積層コンデンサの平面図である。図14は、第2実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。図15は、外部電極の断面構成を説明するための図である。第2実施形態では、電子部品として積層コンデンサC3を例に説明する。
積層コンデンサC3は、図12〜図14に示されるように、素体3と、複数の外部電極16と、複数の内部電極(不図示)を有している。複数の外部電極16は、素体3の外表面に配置されており、互いに離間している。本実施形態では、積層コンデンサC3は、四つの外部電極16を有している。外部電極16の数は、四つに限られない。
各外部電極16は、外部電極6と同様に、主面3a上に配置されている電極部16aと、側面3c上及び稜線部3j,3k上に配置されている一対の電極部16cを有している。外部電極16は、主面3a及び一対の側面3cの三つの面、並びに、稜線部3j,3kに形成されている。互いに隣り合う電極部16aと電極部16cとは、接続されており、電気的に接続されている。本実施形態でも、外部電極16は、主面3b上に意図的に形成されていない。
電極部16cは、対応する内部電極の側面3cに露出した端部をすべて覆っている。電極部16cは、対応する内部電極と直接的に接続されている。外部電極16は、対応する内部電極と電気的に接続されている。
外部電極16も、図15に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極16の最外層を構成している。
外部電極16の第一電極層E1は、側面3c及び稜線部3j,3kを覆うように形成されている。外部電極16の第一電極層E1は、一対の主面3a,3bに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、外部電極16の第一電極層E1が意図せず主面3a,3bに形成されていてもよい。
外部電極16の第二電極層E2は、外部電極16の第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、外部電極16の第二電極層E2は、外部電極16の第一電極層E1の一部の領域(電極部16cの領域16cに対応する領域)を覆うように形成されている。外部電極16の第二電極層E2は、主面3aの一部の領域、側面3cの一部の領域、及び稜線部3jの一部の領域を覆うようにも形成されている。
外部電極16の第三電極層E3は、外部電極16の第二電極層E2上と、外部電極16の第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とにめっき法により形成されている。外部電極16の第四電極層E4は、外部電極16の第三電極層E3上にめっき法により形成されている。
各電極部16a,16cが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部16a,16cが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部16a,16cが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
外部電極16では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部16cの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われている。すなわち、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部16cの第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出していない。
外部電極16では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3a側の端部領域(領域16cが有する第一電極層E1)が第二電極層E2で覆われていると共に、第二電極層E2の端縁が第一電極層E1の端縁と交差している。外部電極16では、第二方向D2から見たとき、第一電極層E1の主面3b側の端部領域(領域16cが有する第一電極層E1)は、第二電極層E2から露出している。領域16cは、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有している。
領域16cは、第二電極層E2が第一電極層E1上に形成されている第一部分16c2−1と、第二電極層E2が側面3c上に形成されている一対の第二部分16c2−2と、を有している。第一部分16c2−1は、四層構造である。各第二部分16c2−2は、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。各第二部分16c2−2は、三層構造である。第一部分16c2−1と一対の第二部分16c2−2とは、一体的に形成されている。第一部分16c2−1は、第三方向D3で、一対の第二部分16c2−2の間に位置している。第二部分16c2−2は、第二方向D2から見て、第一部分16c2−1の両側に位置している。
第三方向D3での領域16cの幅W13は、図14に示されるように、主面3a(電極部16a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域16cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域16cは、略半円形状を呈している。
第三方向D3での各第二部分16c2−2の幅W15も、図14に示されるように、主面3a(電極部16a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっている。第二方向D2から見たとき、各第二部分16c2−2の端縁は、湾曲している。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、各第二部分16c2−2の端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、各第二部分16c2−2は、略扇形状を呈している。一方の第二部分6c2−2の幅W15と、他方の第二部分6c2−2の幅W15とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
積層コンデンサC3も、電子機器に、はんだ実装される。積層コンデンサC3では、主面3aが、電子機器と対向する実装面とされる。
以上のように、第2実施形態では、領域16cよりも主面3a寄りに位置している領域16cが、第一電極層E1上と側面3c上とわたって形成されている第二電極層E2を有しているので、領域16cが有している第一電極層E1の端縁が、第二電極層E2により覆われる。このため、はんだフィレットを通して積層貫通コンデンサC1に外力が作用する場合でも、領域16cが有している第一電極層E1の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、積層コンデンサC3では、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
積層コンデンサC3では、第一方向D1から見たとき、第一電極層E1(電極部5a,6aの第一電極層E1)の全体が第二電極層E2で覆われているので、電極部5a,6aの第一電極層E1の端縁に応力が集中し難い。このため、積層コンデンサC3では、クラックが素体3に発生するのがより一層確実に抑制される。
積層コンデンサC3では、領域16cは、第二電極層E2が第一電極層E1上に形成されている第一部分16c2−1と、第二電極層E2が側面3c上に形成されている第二部分16c2−2と、を有している。第二部分16c2−2の幅W15は、主面3a(電極部16a)から離れるにしたがって連続的に小さくなっているので、第二部分16c2−2の平面視での形状が角を有することはない。このため、第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。この結果、第二部分16c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
積層コンデンサC3では、第二方向D2から見たとき、第二部分16c2−2の端縁は、湾曲している。この場合でも、第二部分16c2−2の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分16c2−2が有している第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分16c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
積層コンデンサC3では、第二方向D2から見たとき、領域16cの端縁は、略円弧状である。この場合でも、第二部分16c2−2の平面視での形状が角を有することはないため、第二部分16c2−2が有している第三電極層E3及び第四電極層E4には、内部応力が集中する箇所が生じ難い。したがって、第二部分16c2−2での、第三電極層E3及び第四電極層E4、並びに、第二電極層E2の剥がれの発生が抑制される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、電子部品として積層貫通コンデンサC1,C2及び積層コンデンサC3を例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層貫通コンデンサ及び積層コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
3…素体、3a…主面、3c…側面、6,16…外部電極、6a,6c,16a,16c…電極部、6c,6c,16c,16c…電極部の領域、6c2−1,16c2−1…第一部分、6c2−2,16c2−2…第二部分、C1,C2…積層貫通コンデンサ、C3…積層コンデンサ、D2…第二方向、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E3…第三電極層、E4…第四電極層、W5,W15…第二部分の幅。

Claims (4)

  1. 直方体形状を呈しており、実装面とされる主面と、前記主面と隣り合う側面と、を有している素体と、
    前記側面に配置されている電極部を有する外部電極と、を備え、
    前記電極部は、
    前記側面上に形成されている焼結金属層と、前記焼結金属層上に形成されているめっき層と、を有している第一領域と、
    前記側面上に形成されている焼結金属層と、前記焼結金属層上と前記側面上とわたって形成されている導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に形成されているめっき層と、を有し、かつ、前記第一領域よりも前記主面寄りに位置している第二領域と、を有している、電子部品。
  2. 前記第二領域は、前記導電性樹脂層が前記焼結金属層上に形成されている第一部分と、前記導電性樹脂層が前記側面上に形成されている第二部分と、を有しており、
    前記第二部分の幅は、前記主面から離れるにしたがって連続的に小さくなっている、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記側面に直交する前記方向から見たとき、前記第二部分の端縁は、湾曲している、請求項2に記載の電子部品。
  4. 前記側面に直交する前記方向から見たとき、前記第二領域の端縁は、略円弧状である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品。
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