JP2018146436A - 振動診断システム、振動診断方法及びパラメータ設定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の第一実施形態による振動診断装置について図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第一実施形態における振動診断処理の概略図である。
タービン1は、回転軸3を中心として回転する。軸受台2A、2Bは、回転軸3を支持している。軸受台2A、2Bには、それぞれ軸受(図示せず)が設けられている。軸受台2A、2Bは、この軸受を介して回転軸3を支持することで回転軸3が回転可能となっている。回転軸3の軸受台2Aと軸受台2Bの位置にはそれぞれ、回転軸3の振動を計測する振動センサ4Aと振動センサ4Bが設けられている。また、例えば、タービン1の低圧側には、温度センサ5、圧力センサ6が設けられている。振動センサ4A,4B、温度センサ5、圧力センサ6は、振動診断装置10と接続されている。振動センサ4A、4Bは、タービン1の回転に伴って生じる振動を計測し、その計測結果を、振動診断装置10へ出力する。温度センサ5、圧力センサ6は、それぞれ、タービン1の圧力、温度を計測し、その計測結果を、振動診断装置10へ出力する。なお、温度センサ5、圧力センサ6は、タービン1の内部へ設けられていてもよい。振動診断装置10は、振動センサ4A,4Bが計測した振動データ(振動波形の時刻歴領域データ)を取得し、システム同定によって、タービン1の振動の状態を推定する。振動診断装置10は、推定した振動の状態に基づいて、オンラインでリアルタイムにタービン1の振動の状態を診断する。
図2は、本発明に係る第一実施形態における振動診断装置の一例を示すブロック図である。
振動診断装置10は、データ取得部11と、データ分析部12と、振動状態診断部13と、記憶部14と、入出力部15と、制御部16とを備える。
データ取得部11は、タービン1の運転中に振動センサ4A,4B、温度センサ5、圧力センサ6が計測した計測データを取得する。
データ分析部12は、データ取得部11が取得した計測データを分析して、タービン1の振動状態を分析する。例えば、データ分析部12は、時刻歴領域データと、所定のシステム同定用のモデルとに基づいて、タービン1の振動モードなどを推定する。システム同定用のモデルとは、例えば、タービン1の振動の時刻歴領域データなどを入力すると、タービン1の固有振動数、減衰定数、振動モードなどを出力するよう予め調整されたARMA(Autoregressive moving average)モデルである。データ分析部12が用いるシステム同定用モデルは、これ以外にも、ARX(Auto-Regressive with eXogenous)、AR(Auto Regressive)、MA(Moving Average)など各種手法を用いて作成されたモデルであってもよい。また、例えば、データ分析部12は、振動センサ4A,4Bが計測した振動波形の時刻歴領域データから、FFT(Fast Fourier Transform)等を行って周波数領域データを算出し、周波数領域データをシステム同定用に入力し、タービン1の固有振動数等を推定してもよい。
記憶部14は、振動状態診断部13が振動状態の診断に用いるための過去の計測データや、タービン1の正常な振動状態を示す振動特性(振動モードなど)の情報、振動状態が異常ではないかどうか、または異常予兆を示す事象が生じていないかどうかなどを判定するための閾値など、タービン1の振動状態の診断に用いる参照用データを記憶する。本実施形態では、診断に用いる参照データに振動データだけでなく、振動特性(固有振動数、減衰、振動モード)が含まれる。参照データの種類が増えることで、対象機器の運転状態を推定した結果は、より信憑性が高くなる。また、記憶部14は、データ取得部11が取得した各センサが計測した計測値を記憶する。
入出力部15は、オペレータによる振動診断装置10への指示情報等の入力操作を受け付ける。また、入出力部15は、表示装置への振動状態の診断結果の出力などを行う。
制御部16は、振動診断装置10の起動、停止、処理実行などの各種制御を行う。
前提として、タービン1は運転中であって、振動センサ4A,4Bは、タービン1の回転軸3の振動を計測し、その計測値を振動診断装置10へ出力する。なお、振動センサ4A,4Bによる計測値が、タービン1の振動の時刻歴領域データ(時系列の波形データ)である。同様に、温度センサ5は、計測した温度の計測値、圧力センサ6は、計測した圧力の計測値を振動診断装置10へ出力する。振動診断装置10では、データ取得部11が、これらの計測データを取得し(ステップS11)、記憶部14に記録する。
次にデータ分析部12は、記憶部14から振動の時刻歴領域データを読み出して、システム同定を行う(ステップS12)。より具体的には、データ分析部12は、タービン1の振動の時刻歴領域データもしくは、時刻歴領域データからフーリエ変換などを行って算出した周波数領域データを、システム同定用モデルに入力し、タービン1の固有振動数(卓越周波数)、減衰定数、振動モードなどを推定する。データ分析部12は、時刻歴領域データ、もしくは周波数領域データ、固有振動数、減衰定数、振動モードの各情報を、振動状態診断部13へ出力する。
診断の結果が正常の場合(ステップS14;Yes)、またはステップS15の処理を実行後、制御部16は、診断処理を継続するか否かを判定する(ステップS16)。例えば、ユーザが診断処理の停止命令を、入出力部15を介して振動診断装置10へ入力した場合、制御部16は、診断処理を終了すると判定する。診断処理を終了すると判定した場合(ステップS16;Yes)、制御部16は、データ分析部12や振動状態診断部13による診断処理を停止する。この場合、本フローチャートを終了する。診断処理を継続する場合(ステップS16;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。
以下、本発明の第二実施形態による振動診断装置について図4〜図7を参照して説明する。
以下、第二実施形態に係る振動診断装置10Aについて説明を行う。第一実施形態で振動状態の推定に用いるシステム同定用モデルは、パラメータ設定が、その推定精度に大きく影響することが知られている。そのため、システム同定モデルを適用してリアルタイムに振動状態を推定する前に、設定するパラメータの妥当性について検討し、適切なパラメータを設定することが重要である。第二実施形態に係る振動診断装置10Aは、第一実施形態の振動診断装置10の機能に加え、システム同定用モデルのパラメータ設定を行う機能を備えている。
本発明の第二実施形態に係る構成のうち、第一実施形態に係る振動診断装置10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。図示するように振動診断装置10Aは、データ取得部11と、データ分析部12と、振動状態診断部13と、記憶部14と、入出力部15と、制御部16と、第1システム同定用モデルパラメータ設定部17とを備える。
第1システム同定用モデルパラメータ設定部17は、タービン1の回転動作に応じた振動の挙動を模擬する解析モデルを有している。第1システム同定用モデルパラメータ設定部17は、この解析モデルを用いて、データ分析部12がシステム同定に用いるモデル(システム同定用モデル)を作成する。第1システム同定用モデルパラメータ設定部17は、解析モデル最適化部17A、実機模擬部17B、パラメータ設定部17Cを備えている。
解析モデル最適化部17Aは、タービン1の解析モデルに対して、タービン1の振動の計測データを適用して、解析モデルを最適化する。
実機模擬部17Bは、最適化された解析モデルによってタービン1の振動を模擬する。
パラメータ設定部17Cは、実機模擬部17Bによる模擬結果を用いて、システム同定用モデルのパラメータを調整し、適切なパラメータを設定する。
図5は、本発明に係る第二実施形態におけるシステム同定用モデルのパラメータ設定方法を説明する図である。
まず、解析モデル最適化部17Aは、データ取得部11が取得したタービン1の振動データ(時刻歴領域データ)を用いて、解析モデルがタービン1の動作を精度良く模擬するよう解析モデルを最適化する。次に実機模擬部17Bは、最適化された解析モデルにタービン1の動作を模擬させる。最後にパラメータ設定部17Cは、その模擬結果(振動の時刻歴領域データ、周波数領域データ、固有振動数、減衰定数、振動モード)を用いて、システム同定用モデル(例えばARMAモデル)のパラメータ設定を行う。
類似していない場合、解析モデル最適化部17Aは、モデル100Aにおける加振位置を変化させて、ランダム外力やアンバランス力の入力設定、計測ノイズ設定を再度行い、実機模擬部17Bが解析モデルによる振動の模擬(時刻歴領域データなどの算出)を行い、上記の判定を繰り返す。解析モデル最適化部17Aは、このようにして、解析モデルが、タービン1の振動をより精緻に模擬するように解析モデルの最適化を行う。
まず、実機模擬部17Bが所定の回転速度でモデル100Aを運転したときの振動の模擬を行い、最適化された解析モデルが、その場合の振動の時刻歴領域データ、固有振動数、減衰定数、振動モードを算出する。パラメータ設定部17Cは、これらのシミュレーション結果値を取得して、システム同定用モデルのパラメータ設定処理を行う。ここで、システム同定用モデルの一例を示す。
図6にシステム同定用モデルの一例として、ARMAモデルの模式図を示す。入力e(n)は、タービン1に入力される外力を仮定したランダム波形である。一方、出力y(n)は、解析モデルによる時刻歴領域データである。e(n)とy(n)に対して決定されるαi、βiからARMAモデルが定まり、固有振動数、減衰定数、振動モードが算出される。また、ARMAモデルは、以下の式(1)で表すことができる。
以上で、第1システム同定用モデルパラメータ設定部17によるシステム同定用モデルのパラメータ設定処理が完了する。システム同定用モデルのパラメータ設定処理が完了すると、振動診断装置10Aは、設定したシステム同定用モデルパラメータを用いて、第一実施形態と同様にタービン1の振動の診断処理をリアルタイムに行う。
図7に本発明に係る第二実施形態におけるシステム同定用モデルのパラメータ設定処理の一例を示すフローチャートである。
前提として、第1システム同定用モデルパラメータ設定部17は、予めタービン1に基づく物理モデルを含む解析モデル、パラメータが設定されていない状態のシステム同定用モデルを有しているとする。
まず、データ取得部11が、振動センサ4A,4Bが計測したタービン1の計測データを取得する(ステップS21)。データ取得部11は、計測データを記憶部14に記録する。
次に解析モデル最適化部17Aが、実際に計測された計測データを用いて、解析モデルが算出する振動に関して、タービン1と同様の挙動を示すように解析モデルを最適化する(ステップS22)。具体的な処理については図5を用いて説明したとおりである。解析モデルが最適化されると、実機模擬部17Bが、解析モデルを用いて、タービン1の定格運転時(タービン1の診断対象となる運転状態。例えば部分負荷で運転する場合は、その負荷での運転時)の振動を模擬する。そして、実機模擬部17Bは、定格運転時のタービン1の振動の時刻歴領域データ、固有振動数、減衰定数、振動モードを算出する。また、実機模擬部17Bは、時刻歴領域データからフーリエ変換などを行って周波数領域データを算出してもよい。実機模擬部17Bは、算出したこれらの情報を記憶部14に記録する。
なお、図6にてARMAモデルを例示したが、システム同定用モデルは、これに限定されない、例えば、他のARモデル、ARXモデルなどであっても良く、確率的部分空間同定法などの他の手法でもよい。
また、上記例では、1台の振動診断装置10Aが、第1システム同定用モデルパラメータ設定部17を備える構成としたが、第1システム同定用モデルパラメータ設定部17は、別のコンピュータ装置(パラメータ設定用装置)に実装し、パラメータ設定用装置で、予めシステム同定用モデルのパラメータの設定を行い、データ分析部12にパラメータ設定済みのシステム同定用モデルを実装するようにしてもよい。
以下、本発明の第三実施形態による振動診断装置について図8〜図10を参照して説明する。
以下、第三実施形態に係る振動診断装置10Bについて説明を行う。第三実施形態に係る振動診断装置10Bは、第二実施形態の振動診断装置10Aと同様に、システム同定用モデルのパラメータ設定を行う機能を備えている。ただし、振動診断装置10Bは、振動診断装置10Aとは異なる方法でパラメータ設定を行う。
本発明の第三実施形態に係る構成のうち、第一実施形態に係る振動診断装置10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。図示するように振動診断装置10Cは、データ取得部11と、データ分析部12と、振動状態診断部13と、記憶部14と、入出力部15と、制御部16と、第2システム同定用モデルパラメータ設定部18とを備える。
第2システム同定用モデルパラメータ設定部18は、タービン1の回転速度変化中に計測された振動データから算出された固有振動数、減衰定数、振動モードに基づいて、データ分析部12がシステム同定に用いるパラメータを設定する。第2システム同定用モデルパラメータ設定部18は、振動特性推定部18A、パラメータ設定部18Bを備えている。
振動特性推定部18Aは、タービン1の回転速度の変化中に計測した振動データに基づいて、前記機器の振動特性を推定する。
パラメータ設定部18Bは、タービン1が診断対象となる運転中(例えば、定格運転中)に計測された振動データに基づいて、システム同定用モデルが推定する振動特性と、振動特性推定部18Aが推定した振動特性とが等しくなるように、システム同定用モデルの各種パラメータを設定する。なお、等しくなるようにとは、完全に一致することに限定されず、2つの振動特性の差が、所定の所要範囲内に収まることを意味する。
図9は、本発明に係る第三実施形態におけるシステム同定用モデルのパラメータ設定方法を説明する図である。
本実施形態では、まず、振動特性推定部18Aが、データ取得部11が取得した回転速度変化中のタービン1の振動データを用いて、タービン1の固有振動数と減衰定数と振動モードを推定する。これは、回転速度の変化中の計測データからは固有振動数などを精度よく推定しやすいことを利用している。なお、回転速度の変化中の計測データとは、例えば、タービン1の起動中(回転速度が上昇している間)に計測された振動データや、タービン1が停止する間(回転速度が下降している間)に計測された振動データのことである。次にパラメータ設定部18Bは、振動特性推定部18Aが推定したタービン1の固有振動数などを正しい値として、システム同定用モデル(例えばARMAモデル)のパラメータ設定を行う。
ところで、タービン1は、その固有振動数に対応する回転速度においては、大きな振幅で振動するはずである。この性質を利用し、振動特性推定部18Aは、回転速度上昇中の実機で計測した振動データを基に、固有振動数、減衰定数、振動モードを推定する。振動特性推定部18Aは、推定した振動特性(固有振動数、減衰定数、振動モード)を、記憶部14に記録する。
本実施形態では、タービン1の起動後、定格運転(あるいは、振動の診断対象とする運転状態が部分負荷での運転であれば、その運転状態)に至ったら、パラメータ設定部18Bは、その運転状態のときに振動センサ4A,4Bが計測した振動データ(時刻歴領域データ)と、振動特性推定部18Aが推定した固有振動数などを用いて各パラメータの値を調整する。
以上で、第2システム同定用モデルパラメータ設定部18によるシステム同定用モデルのパラメータ設定処理が完了する。システム同定用モデルのパラメータ設定処理が完了すると、振動診断装置10Bは、作成したシステム同定用モデルを用いて、第一実施形態と同様にタービン1の振動の診断処理をリアルタイムに行う。
図10は、本発明に係る第三実施形態におけるシステム同定用モデルのパラメータ設定処理の一例を示すフローチャートである。
前提として、第2システム同定用モデルパラメータ設定部18は、予めパラメータが設定されていない状態のシステム同定用モデルを有している。また、タービン1を起動して、システム同定用モデルのパラメータ設定を行い、続いて定格負荷運転時に振動診断処理を行う場合を例に説明を行う。
まず、データ取得部11が、振動センサ4A,4Bが計測したタービン1の起動時(回転速度上昇時)の計測データを取得する(ステップS31)。データ取得部11は、計測データを記憶部14に記録する。
次に振動特性推定部18Aが、回転速度の上昇時に実際に計測された計測データを用いて、タービン1の振動特性(固有振動数、減衰定数、振動モード)を推定する(ステップS32)。具体的な処理については図9を用いて説明したとおりである。振動特性推定部18Aは、推定した振動特性のデータを記憶部14に記録する。
以下、本発明の第四実施形態による振動診断装置について図11〜図12を参照して説明する。
以下、第四実施形態に係る振動診断装置10Cについて説明を行う。第四実施形態に係る振動診断装置10Cは、参照データとして、過去の計測データや正常時の振動モードだけでなく、損傷発生時の各種データを保持する。本実施形態では、損傷発生時のデータ(損傷モード)で正常時のデータを補完することで、想定される多種多様な異常兆候の診断や、損傷位置の推定を可能とする。
本発明の第四実施形態に係る構成のうち、第一実施形態に係る振動診断装置10を構成する機能部と同じものには同じ符号を付し、それぞれの説明を省略する。図示するように振動診断装置10Cは、データ取得部11と、データ分析部12と、振動状態診断部13と、記憶部14と、入出力部15と、制御部16と、損傷状態推定部19とを備える。
損傷状態推定部19は、振動データまたは振動特性(固有振動数など)に対応付けて記憶部14に予め記録された損傷情報に基づいて、機器の振動が示す損傷状態を推定する。損傷情報とは、タービン1と同種のタービンで過去に実際に生じた損傷や、タービン1の振動データなどを解析して得られる発生の可能性がある損傷から得られる損傷の内容や損傷の発生箇所などのことである。記憶部14には、実際に生じた損傷の損傷情報(損傷の種類、内容、程度、発生箇所など)と、そのときに計測された振動データやその振動データを解析することによって得られた振動モード、固有振動数、減衰定数が対応付けて記録されている。さらに、損傷情報と対応付けて損傷発生時のタービン1の温度や圧力などの環境情報が記録されていてもよい。また、記憶部14には、例えば、解析上で再現した損傷の損傷情報と、そのときの振動データ、振動モード、圧力、温度などの損傷を再現する条件が対応付けて記録されている。損傷状態推定部19は、記憶部14に記録されたこれらの損傷情報に基づいて、どのような振動モードが生じた場合にどのような損傷が生じるか、あるいはどのような振動データが計測されたときにどのような損傷が生じ得るかなどを推定する。
図12は、本発明に係る第四実施形態における振動診断処理の一例を示すフローチャートである。図3と重複する処理については簡単に説明を行う。
まず、データ取得部11が、振動センサ4A,4B、温度センサ5、圧力センサ6が計測した計測値を取得し(ステップS11)、記憶部14に記録する。次にデータ分析部12は、記憶部14から振動データを読み出して、システム同定を行う(ステップS12)。データ分析部12は、システム同定によって得られた振動特性、時刻歴領域データ、周波数領域データの各情報を振動状態診断部13へ出力する。
診断の結果が正常の場合(ステップS14;Yes)、またはステップS15´の処理を実行後、制御部16は、診断処理を継続するか否かを判定する(ステップS16)。診断処理を終了すると判定した場合(ステップS16;No)、制御部16は、診断処理を停止する。この場合、本フローチャートを終了する。診断処理を継続する場合(ステップS16;Yes)、ステップS11からの処理を繰り返す。
また、振動診断装置10,10A,10B,10Cは、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
2A、2B・・・軸受台
3・・・回転軸
10,10A,10B,10C・・・振動診断装置
11・・・データ取得部
12・・・データ分析部
13・・・振動状態診断部
14・・・記憶部
15・・・出力部
16・・・制御部
17・・・第1システム同定用モデルパラメータ設定部
17A・・・解析モデル最適化部
17B・・・実機模擬部
17C・・・パラメータ設定部
18・・・第2システム同定用モデルパラメータ設定部
18A・・・振動特性推定部
18B・・・パラメータ設定部
19・・・損傷状態推定部
Claims (10)
- 機器の運転中に計測した計測データを取得するデータ取得部と
前記取得した計測データに基づいて、システム同定を行うことによりリアルタイムに機器の振動特性を推定するデータ分析部と、
前記計測データに含まれる前記機器の振動の計測データおよび前記推定した振動特性に基づいて、前記機器の振動を診断する状態診断部と、
を備える振動診断システム。 - 前記状態診断部は、前記機器の振動の計測データおよび前記推定した振動特性に加え、前記機器の運転に関する環境情報を用いて、前記機器の振動状態を診断する、
請求項1に記載の振動診断システム。 - 前記システム同定において用いられるシステム同定用モデルを作成するモデル作成部、をさらに備え、
前記モデル作成部は、前記システム同定用モデルにおけるパラメータの設定を、前記データ取得部が取得した計測データを用いて行う、
請求項1または請求項2に記載の振動診断システム。 - 前記モデル作成部は、
予め作成された前記機器の解析モデルによって前記機器の振動を模擬する模擬部と、
前記模擬部による模擬結果を用いて、前記システム同定用モデルのパラメータを設定するパラメータ設定部と、
を備える請求項3に記載の振動診断システム。 - 前記モデル作成部は、
前記解析モデルが模擬する前記機器の振動が、前記計測データに含まれる振動データと類似するように前記解析モデルを最適化する解析モデル最適化部、
をさらに備える請求項4に記載の振動診断システム。 - 前記モデル作成部は、
前記機器が動作速度を変化させながら運転しているときに計測された振動データに基づいて、前記機器の振動特性を推定する振動特性推定部と、
前記機器が診断対象となる運転状態で運転しているときに計測された振動データに基づいて、前記システム同定用モデルが推定する振動特性と、前記振動特性推定部が推定した振動特性とが等しくなるように、前記システム同定用モデルのパラメータを設定するパラメータ設定部と、
を備える請求項3に記載の振動診断システム。 - 前記計測データまたは前記振動特性に対応付けて記録された損傷情報に基づいて、前記機器の振動が示す損傷状態を推定する損傷状態推定部、
をさらに備える請求項1から請求項6の何れか1項に記載の振動診断システム。 - 機器の運転中に計測した計測データを取得するステップと、
前記取得した計測データに基づいて、システム同定を行うことによりリアルタイムに機器の振動特性を推定するステップと、
前記計測データに含まれる前記機器の振動の計測データおよび前記推定した振動特性に基づいて、前記機器の振動を診断するステップと、
を備える振動診断方法。 - 機器の振動を模擬する解析モデルに対して、前記機器に関する振動データの計測値を適用して、前記解析モデルが模擬する前記機器の振動が、前記振動データと類似するように前記解析モデルを最適化するステップと、
前記最適化した解析モデルによって、前記機器の振動を模擬するステップと、
前記模擬の結果を用いて、前記機器の振動特性を同定するシステム同定用モデルのパラメータを設定するステップと、
を備えるパラメータ設定方法。 - 機器が動作速度を変化させながら運転しているときに計測された振動データに基づいて、前記機器の振動特性を推定するステップと、
前記機器が診断対象となる運転状態で運転しているときに計測された振動データに基づいて、前記機器の振動特性を同定するシステム同定用モデルが推定する振動特性と、前記振動特性を推定するステップにて推定した振動特性とが等しくなるように、前記システム同定用モデルのパラメータを設定するパラメータ設定ステップと、
を備えるパラメータ設定方法。
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