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JP2018091362A - 変速装置 - Google Patents

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JP2018091362A
JP2018091362A JP2016232965A JP2016232965A JP2018091362A JP 2018091362 A JP2018091362 A JP 2018091362A JP 2016232965 A JP2016232965 A JP 2016232965A JP 2016232965 A JP2016232965 A JP 2016232965A JP 2018091362 A JP2018091362 A JP 2018091362A
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圭 花田
Kei Hanada
圭 花田
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Abstract

【課題】動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる変速装置を提供すること。【解決手段】変速装置101は、エンジン2の動力が発進デバイス4を介して伝達される入力軸5と、無段変速機構10と、駆動輪に動力を伝達する出力軸6と、を変速機ケース7に備える。変速装置101は、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチ31を備えている。また、前進用ブレーキ21が連結状態のときの第1遊星歯車機構50におけるサンギヤ51からリングギヤ54への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、無段変速機構を備える変速装置に関する。
従来、この種の変速装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のものは、トロイダル型バリエータと遊星歯車機構とを備えており、遊星歯車機構においてサンギヤからリングギヤに動力を伝達して減速を行う変速モードと、遊星歯車機構においてリングギヤからサンギヤに動力を伝達して増速を行う変速モードと、を切替えるようになっている。
特開2006−97777号公報
特許文献1に記載のものは、トロイダル型バリエータからなる無段変速機構に、減速機構および増速機構として機能する遊星歯車機構を組み合わせることで、複数の変速モードを実現し、変速比幅を拡大できる。
しかしながら、特許文献1に記載の変速装置は、高速走行等の巡航時に遊星歯車機構を動力が通過するため、遊星歯車機構での動力損失により動力伝達効率が悪化するおそれがある。一方、トロイダル型無段変速機構は、一般的に変速比1.0付近の動力伝達効率は良いが、最大変速比付近での動力伝達効率は良くない。特許文献1に記載のものは、高速走行等の巡航時にトロイダル型無段変速機構で最大変速比(最大増速比)を用いるため、動力伝達効率が悪化するおそれがある。動力伝達効率が悪化すると燃費の悪化を引き起こしてしまう。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる変速装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、入力部材と、出力部材と、前記入力部材の回転を無段階に変速して前記出力部材に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、駆動輪に動力を伝達する出力軸と、を変速機ケースに備える変速装置であって、サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第1遊星歯車機構と、サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第2遊星歯車機構と、を備え、前記入力軸は前記入力部材と前記第2遊星歯車機構の前記サンギヤとに連結され、前記出力部材は前記第1遊星歯車機構の前記サンギヤに連結され、前記出力軸は前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、前記第1遊星歯車機構の前記リングギヤは前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、前記第1遊星歯車機構の前記キャリアと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える前進用ブレーキと、前記第2遊星歯車機構の前記リングギヤと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える後退用ブレーキと、前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸と前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチと、を備え、前記前進用ブレーキが連結状態のときの前記第1遊星歯車機構における前記サンギヤから前記リングギヤへの減速比は、前記無段変速機構の最大増速比と一致するように設定されていることを特徴とする。
上記の本発明によれば、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる。
図1は、本発明の第1実施例に係る変速装置を搭載した車両の構成図である。 図2は、本発明の第2実施例に係る変速装置を搭載した車両の構成図である。 図3は、本発明の第3実施例に係る変速装置を搭載した車両の構成図である。 図4は、本発明の第1実施例に係る変速装置の前進モード時の遊星歯車機構の共線図である。 図5は、本発明の第1実施例に係る変速装置の後退モード時の遊星歯車機構の共線図である。 図6は、本発明の第3実施例に係る変速装置の前進モード時のギヤ比を示す図である。 図7は、本発明の第1実施例に係る変速装置の無段変速機構の減速比と損失エネルギとの対応関係を説明する効率特性図である。
本発明の一実施の形態に係る変速装置は、駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、入力部材と、出力部材と、入力部材の回転を無段階に変速して出力部材に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、駆動輪に動力を伝達する出力軸と、を変速機ケースに備える変速装置であって、サンギヤと、サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤとリングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤと第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第1遊星歯車機構と、サンギヤと、サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤとリングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤと第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第2遊星歯車機構と、を備え、入力軸は入力部材と第2遊星歯車機構のサンギヤとに連結され、出力部材は第1遊星歯車機構のサンギヤに連結され、出力軸は第2遊星歯車機構のキャリアに連結され、第1遊星歯車機構のリングギヤは第2遊星歯車機構のキャリアに連結され、第1遊星歯車機構のキャリアと変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える前進用ブレーキと、第2遊星歯車機構のリングギヤと変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える後退用ブレーキと、入力軸と出力軸との間に設けられ、入力軸と出力軸とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチと、を備え、前進用ブレーキが連結状態のときの第1遊星歯車機構におけるサンギヤからリングギヤへの減速比は、無段変速機構の最大増速比と一致するように設定されていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る変速装置は、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる。
以下、本発明に係る変速装置の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の変速装置を説明する図である。
まず、構成を説明する。図1において、自動車等の車両1には、駆動源としてのエンジン2と、変速装置101と、ディファレンシャル装置85および左右の駆動輪90L、90Rとが搭載されており、エンジン2の動力が変速装置101で変速された後、駆動輪90L、90Rを駆動して走行する。
いる。
車両1は、エンジン2のクランク軸3と変速装置101との間に発進デバイス4を備えている。発進デバイス4は、トルクコンバータやクラッチなどからなり、この発進デバイス4を介してエンジン2の出力がクランク軸3から変速装置101に伝達される。なお、図1は、発進デバイス4がトルクコンバータからなる例を表しているが、発進デバイス4はクラッチであってもよい。
ディファレンシャル装置85は、変速装置101と噛合うファイナルギヤ85Aを備えており、このファイナルギヤ85Aから入力された動力を左右の駆動輪90L、90Rに差動回転可能に伝達する。
変速装置101は、エンジン2の動力が発進デバイス4を介して伝達される入力軸5と、駆動輪90L、90Rに動力を伝達する出力軸6と、無段変速機構10と、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構50と、ダブルピニオン式の第2遊星歯車機構55とを、変速機ケース7に備えている。
変速装置101には、エンジン2および発進デバイス4に近い側から順に、無段変速機構10、第1遊星歯車機構50、第2遊星歯車機構55が設けられている。
無段変速機構10は、入力部材11と、出力部材12と、入力部材11の回転を無段階に変速して出力部材12に伝達する転動部材13とを備えている。
転動部材13は、入力部材11と出力部材12とにオイル被膜を介して接触しており、入力部材11と出力部材12との間で転動し、オイル被膜を介してトルクを伝達する。無段変速機構10は、トラクションドライブ式無段変速機構として構成されている。
転動部材13の回転軸13Aは、図示しないレバーにより支持されており、このレバーをアクチュエータで操作することで回転軸13Aの傾斜角度が変更される。なお、入力部材11と出力部材12とは同方向に回転する。
無段変速機構10は、転動部材13の回転軸13Aの傾斜角度を変化させることで、入力部材11の回転を、入力部材11の回転に対して出力部材12の回転が減速する減速状態から、入力部材11の回転に対して出力部材12の回転が増速する増速状態に無段階に変速して、出力部材12に伝達する。図1では、最大減速状態での回転軸13Aの角度を実線で示し、最大増速状態での回転軸13Aの角度を破線で示している。
第1遊星歯車機構50は、サンギヤ51と、サンギヤ51の外周に配置されるリングギヤ54と、サンギヤ51と噛合う複数の第1ピニオンギヤ52Aと、第1ピニオンギヤ52Aとリングギヤ54とに噛合う複数の第2ピニオンギヤ52Bと、第1ピニオンギヤ52Aと第2ピニオンギヤ52Bとを回転自在に支持するキャリア53とを備えている。
第2遊星歯車機構55は、サンギヤ56と、サンギヤ56の外周に配置されるリングギヤ59と、サンギヤ56と噛合う複数の第1ピニオンギヤ57Aと、第1ピニオンギヤ57Aとリングギヤ59とに噛合う複数の第2ピニオンギヤ57Bと、第1ピニオンギヤ57Aと第2ピニオンギヤ57Bとを回転自在に支持するキャリア58とを備えている。
本実施例では、入力軸5は入力部材11と第2遊星歯車機構55のサンギヤ56とに連結されている。出力部材12は第1遊星歯車機構50のサンギヤ51に連結されている。出力軸6は第2遊星歯車機構55のキャリア58に連結されている。また、第1遊星歯車機構50のリングギヤ54は第2遊星歯車機構55のキャリア58に連結されている。
変速装置101は、前進用ブレーキ21と後退用ブレーキ22と直結用クラッチ31とを備えている。前進用ブレーキ21は、第1遊星歯車機構50のキャリア53と変速機ケース7とを連結状態または解放状態に切替える。後退用ブレーキ22は、第2遊星歯車機構55のリングギヤ59と変速機ケース7とを連結状態または解放状態に切替える。
直結用クラッチ31は、入力軸5と出力軸6との間に設けられ、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える。前進用ブレーキ21、後退用ブレーキ22および直結用クラッチ31は、例えば湿式多板式ブレーキからなる。
本実施例では、前進用ブレーキ21が連結状態のときの第1遊星歯車機構50におけるサンギヤ56からリングギヤ59への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。例えば、無段変速機構10の最大増速比が2である場合、第1遊星歯車機構50におけるサンギヤ56からリングギヤ59への減速比も2に設定される。ここで、「一致」とは厳密に一致することのみに限定されず、略一致することも含む。
次に、作用を説明する。変速装置101において、前進用ブレーキ21、後退用ブレーキ22、直結用クラッチ31の全てを解放状態とすることで、動力伝達はされず、車両1は停止状態にされる。
車両停止状状態から前進用ブレーキ21により第1遊星歯車機構50のキャリア53を変速機ケース7に連結状態にし、後退用ブレーキ22、直結用クラッチ31を解放状態にすることで、入力軸5の動力は、無段変速機構10の入力部材11に伝達され、変速されて出力部材12に伝達される。その後、第1遊星歯車機構50のサンギヤ51に伝達されて、第1ピニオンギヤ52A、第2ピニオンギヤ52Bを経由して、リングギヤ54に減速されて伝達される。
リングギヤ54に伝達された動力は、第2遊星歯車機構55のキャリア58を介して出力軸6に伝達され、出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、無段変速モードの動力伝達経路が形成される。無段変速モードにおいて、車両1は、入力軸5の動力を無段変速機構10で無段階に変速して、さらに第1遊星歯車機構50で変速し、前進方向に走行する。
一方、車両停止状態から後退用ブレーキ22により第2遊星歯車機構55のリングギヤ59を変速機ケース7に連結状態にし、前進用ブレーキ21、直結用クラッチ31は解放状態にすることで、入力軸5の動力は、無段変速機構10および第1遊星歯車機構50を経由することなく、第2遊星歯車機構55のサンギヤ56に伝達される。
サンギヤ56に伝達された動力は、リングギヤ59が変速機ケース7に固定されているため、第1ピニオンギヤ57A、第2ピニオンギヤ57Bを経由して、入力軸5の回転方向と逆方向になってキャリア58に伝達される。キャリア58に伝達された動力は出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、後退モードの動力伝達経路が形成される。駆動輪90L、90Rは、前進走行時とは逆方向に回転する。後退モードにおいて、車両1は、入力軸5の動力を第2遊星歯車機構55に入力して逆転し、後退方向に走行する。
また、本実施例では、無段変速モードでの走行中に前進用ブレーキ21を解放して直結用クラッチ31を連結することで、入力軸5と出力軸6とを直結する直結モードの動力伝達経路が形成され、車両が前進方向に走行する。この直結モードにおいて、入力軸5の動力は、無段変速機構10および第1遊星歯車機構50を経由することなく、出力軸6に直接伝達される。また、直結モードでは、入力軸5の動力により無段変速機構10および第1遊星歯車機構50において連れ回りが発生する。ここで、無段変速モードおよび直結モードは、車両1が前進方向に走行する走行モードであり、これらを総称して前進モードともいう。
図4は前進モード時の第1歯車機構50の共線図である。第1遊星歯車機構50はダブルピニオン式の遊星歯車機構であるため、左から順にS軸、R軸、C軸が配列され、それぞれ第1遊星歯車機構50のサンギヤ51、リングギヤ54、キャリア53の回転数を示している。
また、図4の共線図には、無段変速機構10の入力部材11および出力部材12の回転数を表すため、左から順に入力部材軸と出力部材軸が配列される。出力部材12はサンギヤ51と連結しているため、出力部材軸とS軸は同一軸で表される。
変速装置101において、入力軸5は入力部材11と連結し、出力軸6はキャリア58を介してリングギヤ54と連結しているため、この共線図では、入力軸5の動力は無段変速機構10において入力部材11から出力部材12に無段階に変速して伝達されて、S軸上に表される。第1遊星歯車機構50において、S軸に伝達された動力は減速され、R軸から出力軸6に伝達される。
この共線図において、入力部材11の回転数がa点のとき、無段変速機構10で変速された出力部材12の回転数は、S軸上で、最大減速状態でのb点と最大増速状態でのd点の間で変速される。
無段変速モード時は、前進用ブレーキ21により、キャリア53が変速機ケース7に連結されるため、C軸の回転数がg点(回転数0)に固定される。これにより、無段変速機構10が最大減速状態のときは、S軸の回転数がb点となり、直線Aの共線図が成立するため、R軸の回転数がc点となる。また、無段変速機構10が最大増速状態のときは、S軸の回転数がd点となり、直線Bの共線図が成立するため、R軸の回転数がe点となる。
ここで、本実施例では、第1遊星歯車機構50におけるサンギヤ51からリングギヤ54への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致する減速比に設定されている。このため、入力軸5の動力(a点)は、無段変速機構10において最大増速比で増速(d点)された後、第1遊星歯車機構50において減速(e点)される。よって、a点とe点とが一致する回転数となる。
したがって、無段変速機構10が最大増速比のときに、無段変速機構10の最大増速比と第1遊星歯車機構50の減速比とが掛け合わされた結果、変速装置101の変速比は1となる。
無段変速モードで直線Bの共線図が成立している状態では、R軸の回転数がe点にありa点と同じであるため、入力軸5と出力軸6の回転数は一致するため、直結用クラッチ31をスムーズに連結できる。
無段変速モードで直線Bの共線図が成立している状態から、直結用クラッチ31を連結して、前進用ブレーキ21を解放すると直結モードが成立する。直結モード時は、直結用クラッチ31によって入力軸5と出力軸6が連結されているため、R軸の回転数が入力部材軸のa点と同じ回転数であるe点に固定される。
直結モードにおいて、無段変速機構10を最大増速比から最大減速比に変更すると、R軸の回転数がe点に保たれたまま、S軸の回転数がd点から減速してb点となり、直線Cの共線図が成立する。このとき、前進用ブレーキ21が解放されているため、C軸の回転数がg点からf点まで増加する。
直結モードでは、入力軸5が出力軸6に直結されたことで変速装置101全体の変速比が1.0となり、高い動力伝達効率で前進運転ができる。直結モードにおいて、無段変速機構10は空転しており、空転による動力損失が発生するが、無段変速機構10の特性によっては増速状態での動力損失が大きくなる。このため、直結モード時に無段変速機構10を最大減速比とし、S軸の回転数をb点とすることで、動力損失を低減でき、動力伝達効率を向上できる。
一方、直結モードにおいてS軸の回転数をb点とした場合、C軸の回転数がf点となり、解放状態の前進用ブレーキ21において、回転側(キャリア53側)と固定側(変速機ケース7側)との間で大きな差回転が発生する。このため、無段変速機構10を最大減速比とした場合、前進用ブレーキ21において引き摺り等による動力損失が増大することがあり得る。
図7は、無段変速機構10の減速比を変化させたときの、無段変速機構10における損失エネルギと、前進用ブレーキ21における損失エネルギとを示している。
この図7から分かるように、無段変速機構10の減速比が大きいほど、無段変速機構10の損失エネルギは小さくなり、前進用ブレーキ21の損失エネルギは大きくなる。そして、これらの損失エネルギの合計は、下方に凸の曲線を描くように変化し、ある減速比において最低値(以下、最良効率点という)となる。したがって、この最良効率点で無段変速機構10の減速比を動作させることで、変速装置101全体の動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
図5は後退モード時の第2遊星歯車機構55の共線図である。第2遊星歯車機構55はダブルピニオン式の遊星歯車機構であるため、左から順にS軸、R軸、C軸が配列され、それぞれ第2遊星歯車機構55のサンギヤ56、リングギヤ59、キャリア58の回転数を示している。
変速装置101において、入力軸5はサンギヤ56と連結し、出力軸6はキャリア58と連結しているため、この共線図では、入力軸5の回転はS軸上に表され、出力軸6の回転はC軸上に表される。後退モードにおいて、後退用ブレーキ22により、リングギヤ59が変速機ケース7に連結されるため、R軸の回転数は0に固定される。入力軸5の動力は、S軸に入力され、図5の共線図が成立するため、逆方向の回転となってC軸から出力軸6に出力される。
このように本実施例の変速装置101によれば、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチ31を備えている。
このため、前進時に直結用クラッチ31を連結して直結モードで巡航することで、エンジン2から入力軸5に伝達された動力は、無段変速機構10、第1遊星歯車機構50および第2遊星歯車機構55の何れも経由せずに出力軸6に伝達されるので、動力伝達効率を向上できる。
また、前進用ブレーキ21が連結状態のときの第1遊星歯車機構50におけるサンギヤ51からリングギヤ54への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
このため、前進時に無段変速モードで走行する際は、無段変速機構10を最大増速比に設定することで、無段変速機構10の変速比と第1遊星歯車機構50の変速比とが掛け合わされた結果、変速装置101全体の変速比は1.0となる。
そして、無段変速機構10を最大増速比に設定した状態では、入力軸5と出力軸6の回転数が一致しているので、直結用クラッチ31を連結または解放する際の変速ショックを低減できる。したがって、無段変速モードと直結モードとを切替える際の変速ショックを低減できる。この結果、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる。
また、本実施例の変速装置101において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は最大減速比になるように設定されてもよい。
これにより、無段変速機構10での動力損失を最小にできる。このため、前進用ブレーキ21で動力損失が発生しない、または動力損失が極めて小さい場合、変速装置101全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
また、本実施例の変速装置101において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は、前進用ブレーキ21の引き摺り等による動力損失と無段変速機構10の動力損失との合計値が最小となるように設定されてもよい。
これにより、変速装置101全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
次に、本発明に係る変速装置の第2実施例について、図面を用いて説明する。図2は、本発明の第2実施例の変速装置を説明する図である。第1実施例と同様の部材は、同一符号を付して説明を省略する。
図2において、変速装置102は、第1実施例のダブルピニオン式の第1遊星歯車機構50に代わって、シングルピニオン式の第1遊星歯車機構40を備えている。
変速装置102には、エンジン2および発進デバイス4に近い側から順に、無段変速機構10、第1遊星歯車機構40、第2遊星歯車機構55が設けられている。
遊星歯車機構40は、サンギヤ41と、サンギヤ41の外周に配置されるリングギヤ44と、サンギヤ41とリングギヤ44とに噛合う複数のピニオンギヤ42と、複数のピニオンギヤ42を回転自在に支持するキャリア43とを備えている。
本実施例では、入力軸5は入力部材11と第2遊星歯車機構55のサンギヤ56とに連結されている。出力部材12は第1遊星歯車機構40のサンギヤ41に連結されている。出力軸6は第2遊星歯車機構55のキャリア58に連結されている。また、第1遊星歯車機構40のキャリア43は第2遊星歯車機構55のキャリア58に連結されている。
変速装置102は、前進用ブレーキ23と後退用ブレーキ24と直結用クラッチ31とを備えている。前進用ブレーキ23は、第1遊星歯車機構40のリングギヤ44と変速機ケース7とを連結状態または解放状態に切替える。後退用ブレーキ24は、第2遊星歯車機構55のリングギヤ59と変速機ケース7とを連結状態または解放状態に切替える。
直結用クラッチ31は、入力軸5と出力軸6との間に設けられ、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える。
本実施例では、前進用ブレーキ23が連結状態のときの第1遊星歯車機構40におけるサンギヤ41からリングギヤ44への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
次に、作用を説明する。変速装置102において、前進用ブレーキ23、後退用ブレーキ24、直結用クラッチ31の全てを解放状態とすることで、動力伝達はされず、車両1は停止状態にされる。
車両停止状態から前進用ブレーキ23により第1遊星歯車機構40のリングギヤ44と変速機ケース7とを連結状態にし、後退用ブレーキ24、直結用クラッチ31は解放状態にすることで、入力軸5の動力は、無段変速機構10の入力部材11に伝達され、変速されて出力部材12に伝達される。その後、第1遊星歯車機構40の、サンギヤ41に伝達されて、ピニオンギヤ42を経由して、キャリア43に減速されて伝達される。キャリア43に伝達された動力は、第2遊星歯車機構55のキャリア58を介して出力軸6に伝達され、出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、車両1は、無段変速機構10で無段階に変速された動力を第1遊星歯車機構40でさらに変速する無段変速モードで、前進方向に走行する。
一方、車両停止状態から後退用ブレーキ24により第2遊星歯車機構55のリングギヤ59を変速機ケース7に連結状態にし、後退用ブレーキ24、直結用クラッチ31は解放状態にすることで、入力軸5の動力は、無段変速機構10および第1遊星歯車機構50を経由することなく、第2遊星歯車機構55のサンギヤ56に伝達される。
サンギヤ56に伝達された動力は、リングギヤ59が変速機ケース7に固定されているため、第1ピニオンギヤ57A、第2ピニオンギヤ57Bを経由して、入力軸5の回転方向と逆方向になってキャリア58に伝達される。キャリア58に伝達された動力は出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、駆動輪90L、90Rは前進走行時とは逆方向に回転し、車両1は、入力軸5の動力を第2遊星歯車機構55に入力して逆転する後退モードで、後退方向に走行する。
また、本実施例では、無段変速モードでの走行中に前進用ブレーキ21を解放して直結用クラッチ31を連結することで、入力軸5と出力軸6とを直結する直結モードが形成され、車両が前進方向に走行する。ここで、無段変速モードおよび直結モードは、車両1が前進方向に走行するモードであり、これらを総称して前進モードともいう。
このように本実施例の変速装置102によれば、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチ31を備えている。このため、前進時に直結用クラッチ31を連結して直結モードで巡航することで、エンジン2から入力軸5に伝達された動力は、無段変速機構10、第1遊星歯車機構40および第2遊星歯車機構55の何れも経由せずに出力軸6に伝達されるので、動力伝達効率を向上できる。
また、前進用ブレーキ23が連結状態のときの第1遊星歯車機構40におけるサンギヤ41からキャリア43への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
このため、前進時に無段変速モードで走行する際は、無段変速機構10を最大増速比に設定することで、無段変速機構10の変速比と第1遊星歯車機構40の変速比とが掛け合わされた結果、変速装置102全体の変速比は1.0となる。
そして、無段変速機構10を最大増速比に設定した状態では、入力軸5と出力軸6の回転数が一致しているので、直結用クラッチ31を連結または解放する際の変速ショックを低減できる。
したがって、無段変速モードと直結モードとを切替える際の変速ショックを低減できる。この結果、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる。
また、本実施例の変速装置102において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は最大減速比になるように設定されてもよい。
これにより、無段変速機構10での動力損失を最小にできる。このため、前進用ブレーキ23で動力損失が発生しない、または動力損失が極めて小さい場合、変速装置102全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
また、本実施例の変速装置102において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は、前進用ブレーキ23の引き摺り等による動力損失と無段変速機構10の動力損失との合計値が最小となるように設定されてもよい。
これにより、変速装置102全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
次に、本発明に係る変速装置の第3実施例について、図面を用いて説明する。図3は、本発明の第3実施例の変速装置を説明する図である。第1実施例、第2実施例と同様の部材は、同一符号を付して説明を省略する。
図3において、変速装置103は、出力部材12と一体回転する出力ギヤ71と、出力軸6に遊転自在に設けられた前進従動ギヤ72および後退従動ギヤ73と、を備えている。出力ギヤ71は、入力軸5の外周側に同軸配置されている。前進従動ギヤ72および後退従動ギヤ73は、出力軸6の外周側に同軸配置されている。
また、変速装置103は、出力ギヤ71と噛合うカウンタギヤ61と、前進従動ギヤ72と噛合う前進駆動ギヤ62と、後退駆動ギヤ63と、を有するカウンタ軸60を備えている。
また、変速装置103は、後退従動ギヤ73および後退駆動ギヤ63と噛合う後退アイドラギヤ83を有する後退アイドラ軸80を備えている。カウンタ軸60および後退アイドラ軸80は出力軸と平行に配置されている。
また、変速装置103は、前進従動ギヤ72と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える前進用クラッチ25と、後退従動ギヤ73と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える後退用クラッチ26と、入力軸5と出力軸6との間に設けられ、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチ31と、を備えている。
変速装置103には、エンジン2および発進デバイス4に近い側から順に、出力ギヤ71、直結用クラッチ31、前進従動ギヤ72、前進用クラッチ25、後退用クラッチ26、後退従動ギヤ73が設けられている。前進用クラッチ25および後退用クラッチ26は、出力軸6上に配置されている。
本実施例では、出力ギヤ71からカウンタギヤ61および前進駆動ギヤ62を経た前進従動ギヤ72への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
次に、作用を説明する。変速装置103において、前進用クラッチ25、後退用クラッチ26、直結用クラッチ31の全てを解放状態とすることで、車両1は停止状態にされる。
車両停止状態から前進用クラッチ25により前進従動ギヤ72と出力軸6とを連結状態にし、後退用クラッチ26、直結用クラッチ31は解放状態にすることで、入力軸5の動力は、無段変速機構10において、入力部材11に伝達し、変速されて出力部材12に伝達する。その後、出力ギヤ71とカウンタギヤ61との噛み合いにより減速された後、前進駆動ギヤ62と前進従動ギヤ72との噛み合いにより更に減速される。そして、前進従動ギヤ72の動力は、前進用クラッチ25を介して出力軸6に伝達され、出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、車両1は、無段変速機構10で無段階に変速された動力をカウンタ軸60によりさらに変速する無段変速モードで、前進方向に走行する。
一方、車両停止状態から後退用クラッチ26により後退従動ギヤ73と出力軸6とを連結状態にし、後退用ブレーキ24、直結用クラッチ31は解放状態にすることで、出力部材12の動力は、出力ギヤ71とカウンタギヤ61との噛み合いにより減速された後、後退駆動ギヤ63と後退アイドラギヤ83と後退従動ギヤ73との噛み合いにより更に減速される。そして、後退従動ギヤ73の動力は、後退用クラッチ26を介して出力軸6に伝達され、出力軸6からディファレンシャル装置85を経て駆動輪90L、90Rに伝達される。
これにより、駆動輪90L、90Rは前進走行時とは逆方向に回転し、車両1は、出力部材12の動力をカウンタ軸60および後退アイドラ軸80を経て逆転する後退モードで、後退方向に走行する。
また、本実施例では、無段変速モードでの走行中に前進用クラッチ25を解放して直結用クラッチ31を連結することで、入力軸5と出力軸6とを直結する直結モードが形成され、車両が前進方向に走行する。ここで、無段変速モードおよび直結モードは、車両1が前進方向に走行するモードであり、これらを総称して前進モードともいう。
図6は、前進モード時の出力部材12から出力軸6への変速比を示す図である。また、図6には、無段変速機構10の入力部材11および出力部材12の回転数が重ねて表されている。
この図では、エンジン2の動力は無段変速機構10において入力部材11から出力部材12に無段階に変速して伝達される。そして、出力部材12の動力は、カウンタ軸60を介して減速されて出力軸6に伝達される。
この図において、入力部材11の回転数がa点のとき、無段変速機構10で変速された出力部材12の回転数は、出力部材12上で、最大減速状態でのb点と最大増速状態でのd点の間で変速される。
また、無段変速機構10が最大減速状態のときは出力軸6の回転数はc点となり、無段変速機構10が最大増速状態のときは出力軸6の回転数はe点となる。また、出力部材12から出力軸6への変速比は一定であるため、b点とc点を結ぶ直線の傾きと、d点とe点とを結ぶ直線の傾きとが同じになる。
ここで、本実施例では、出力ギヤ71からカウンタギヤ61および前進駆動ギヤ62を経た前進従動ギヤ72への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
このため、無段変速機構10が最大増速比のとき、入力部材11の動力は、無段変速機構10において最大増速比で増速された後、この最大増速比と一致する減速比で、出力ギヤ71からカウンタギヤ61および前進駆動ギヤ62を経て減速され、前進従動ギヤ72へ伝達される。したがって、無段変速機構10の最大増速比とカウンタ軸60の減速比とが掛け合わされた結果、変速装置103の変速比は1となる。
このため、無段変速モードにおいて無段変速機構10で最大増速比に設定されている状態では、出力軸6の回転数がe点にあり入力軸5と出力軸6の回転数が一致しているため、直結用クラッチ31をスムーズに連結できる。
そして、この状態から直結用クラッチ31を連結すると直結モードが成立する。直結モード時は、直結用クラッチ31が連結されているため、入力軸5と出力軸6との回転数が一致しているので、エンジン2の回転数が変速されることなく出力軸6から出力される。
直結モードでは、入力軸5が出力軸6に直結されたことで変速装置103全体の変速比が1.0となり、高い動力伝達効率で前進運転ができる。直結モードにおいて、無段変速機構10は空転しており、空転による動力損失が発生するが、無段変速機構10の特性によっては増速状態での動力損失が大きくなる。このため、直結モード時に無段変速機構10を最大減速比とすることで、動力損失を低減でき、動力伝達効率を向上できる。
一方、直結モードでは、解放状態の前進用クラッチ25において大きな差回転が発生する。この差回転は、出力軸6のe点からc点を減じた差分に相当する。無段変速機構10を最大減速比とした場合、前進用クラッチ25において引き摺り等による動力損失が増大することがあり得る。
したがって、本実施例においても、無段変速機構10の減速比を変化させたときの、無段変速機構10における損失エネルギと、前進用クラッチ25における損失エネルギとの間には、図7と同様の関係が成立する。
すなわち、無段変速機構10の減速比が大きいほど、無段変速機構10の損失エネルギは小さくなり、前進用クラッチ25の損失エネルギは大きくなる。そして、これらの損失エネルギの合計は、下方に凸の曲線を描くように変化し、ある減速比において最低値(以下、最良効率点という)となる。
したがって、この最良効率点で無段変速機構10の減速比を動作させることで、変速装置103全体の動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
本実施例の変速装置103によれば、入力軸5と出力軸6とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチ31を備えている。
このため、前進時に直結用クラッチ31を連結して直結モードで巡航することで、エンジン2から入力軸5に伝達された動力は、無段変速機構10、カウンタ軸60および後退アイドラ軸80の何れも経由せずに出力軸6に伝達されるので、動力伝達効率を向上できる。
また、出力ギヤ71からカウンタギヤ61および前進駆動ギヤ62を経た前進従動ギヤ72への減速比は、無段変速機構10の最大増速比と一致するように設定されている。
このため、前進時に無段変速モードで走行する際は、無段変速機構10を最大増速比に設定することで、変速装置103全体の変速比は1.0となる。そして、無段変速機構10を最大増速比に設定した状態では、入力軸5と出力軸6の回転数が等しいので、直結用クラッチ31を連結または解放する際の変速ショックを低減できる。
したがって、無段変速モードと直結モードとを切替える際の変速ショックを低減できる。この結果、動力伝達効率を向上でき、変速ショックを低減できる。
また、本実施例の変速装置103において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は最大減速比になるように設定されてもよい。
これにより、無段変速機構10での動力損失を最小にできる。このため、前進用クラッチ25で動力損失が発生しない、または動力損失が極めて小さい場合、変速装置103全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
また、本実施例の変速装置103において、直結用クラッチ31により入力軸5と出力軸6とが連結状態に切替えられているとき、無段変速機構10の変速比は、前進用クラッチ25の引き摺り等による動力損失と無段変速機構10の動力損失との合計値が最小となるように設定されてもよい。
これにより、変速装置103全体では、動力損失を最小にでき、動力伝達効率を最大にできる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
2...エンジン(駆動源)、4...発進デバイス、5...入力軸、6...出力軸、7...変速機ケース、10...無段変速機構、11...入力部材、12...出力部材、13...転動部材、21,23...前進用ブレーキ、22,24...後退用ブレーキ、25...前進用クラッチ、26...後退用クラッチ、31...直結用クラッチ、40...第1遊星歯車機構、41...サンギヤ、42...ピニオンギヤ、43...キャリア、44...リングギヤ、50...第1遊星歯車機構、51...サンギヤ、52A...第1ピニオンギヤ、52B...第2ピニオンギヤ、53...キャリア、54...リングギヤ、55...第2遊星歯車機構、56...サンギヤ、57A...第1ピニオンギヤ、57B...第2ピニオンギヤ、58...キャリア、59...リングギヤ、60...カウンタ軸、61...カウンタギヤ、62...前進駆動ギヤ、63...後退駆動ギヤ、71...出力ギヤ、72...前進従動ギヤ、73...後退従動ギヤ、80...後退アイドラ軸、83...後退アイドラギヤ、101,102,103...変速装置

Claims (5)

  1. 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
    入力部材と、出力部材と、前記入力部材の回転を無段階に変速して前記出力部材に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、
    駆動輪に動力を伝達する出力軸と、を変速機ケースに備える変速装置であって、
    サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第1遊星歯車機構と、
    サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第2遊星歯車機構と、を備え、
    前記入力軸は前記入力部材と前記第2遊星歯車機構の前記サンギヤとに連結され、
    前記出力部材は前記第1遊星歯車機構の前記サンギヤに連結され、
    前記出力軸は前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、
    前記第1遊星歯車機構の前記リングギヤは前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、
    前記第1遊星歯車機構の前記キャリアと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える前進用ブレーキと、
    前記第2遊星歯車機構の前記リングギヤと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える後退用ブレーキと、
    前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸と前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチと、を備え、
    前記前進用ブレーキが連結状態のときの前記第1遊星歯車機構における前記サンギヤから前記リングギヤへの減速比は、前記無段変速機構の最大増速比と一致するように設定されていることを特徴とする変速装置。
  2. 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
    入力部材と、出力部材と、前記入力部材の回転を無段階に変速して前記出力部材に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、
    駆動輪に動力を伝達する出力軸と、を変速機ケースに備える変速装置であって、
    サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数のピニオンギヤと、複数の前記ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリアとを有する第1遊星歯車機構と、
    サンギヤと、前記サンギヤの外周に配置されるリングギヤと、前記サンギヤと噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤと前記第2ピニオンギヤとを回転自在に支持するキャリアとを有する第2遊星歯車機構と、を備え、
    前記入力軸は前記入力部材と前記第2遊星歯車機構の前記サンギヤとに連結され、
    前記出力部材は前記第1遊星歯車機構の前記サンギヤに連結され、
    前記出力軸は前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、
    前記第1遊星歯車機構の前記キャリアは前記第2遊星歯車機構の前記キャリアに連結され、
    前記第1遊星歯車機構の前記リングギヤと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える前進用ブレーキと、
    前記第2遊星歯車機構の前記リングギヤと前記変速機ケースとを連結状態または解放状態に切替える後退用ブレーキと、
    前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸と前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチと、を備え、
    前記前進用ブレーキが連結状態のときの前記第1遊星歯車機構における前記サンギヤから前記キャリアへの減速比は、前記無段変速機構の最大増速比と一致するように設定されていることを特徴とする変速装置。
  3. 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
    入力部材と、出力部材と、前記入力部材の回転を無段階に変速して前記出力部材に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、
    駆動輪に動力を伝達する出力軸と、を変速機ケースに備える変速装置であって、
    前記出力部材と一体回転する出力ギヤと、
    前記出力軸に遊転自在に設けられた前進従動ギヤおよび後退従動ギヤと、
    前記出力ギヤと噛合うカウンタギヤと、前記前進従動ギヤと噛合う前進駆動ギヤと、後退駆動ギヤと、を有するカウンタ軸と、
    前記後退従動ギヤおよび前記後退駆動ギヤと噛合う後退アイドラギヤを有する後退アイドラ軸と、
    前記前進従動ギヤと前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える前進用クラッチと、
    前記後退従動ギヤと前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える後退用クラッチと、
    前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸と前記出力軸とを連結状態または解放状態に切替える直結用クラッチと、を備え、
    前記出力ギヤから前記カウンタギヤおよび前記前進駆動ギヤを経た前記前進従動ギヤへの減速比は、前記無段変速機構の最大増速比と一致するように設定されていることを特徴とする変速装置。
  4. 前記直結用クラッチにより前記入力軸と前記出力軸とが連結状態に切替えられているとき、前記無段変速機構の変速比は最大減速比になるように設定されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の変速装置。
  5. 前記直結用クラッチにより前記入力軸と前記出力軸とが連結状態に切替えられているとき、前記無段変速機構の変速比は、前記前進用ブレーキまたは前進用クラッチの動力損失と前記無段変速機構の動力損失との合計値が最小となるように設定されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の変速装置。
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