JP2015031312A - 動力伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】無段変速機における動力の伝達効率の向上を図ることができる、動力伝達機構を提供する。【解決手段】エンジン2とCVT入力軸34との間には、動力伝達機構5が介裝されている。動力伝達機構5は、遊星歯車機構51を備えている。エンジン2が発生する動力は、E/G出力軸21から遊星歯車機構51のキャリア55を介してサンギヤ53に伝達され、サンギヤ53および無段変速機3のCVT入力軸34を回転させる。リングギヤ56の回転数の変更により、キャリア55からサンギヤ53に伝達される動力を変速することができる。よって、エンジン2を燃焼効率が高い回転数で動作させつつ、そのE/G出力軸21の回転数を無段変速機3に適した回転数に変更してCVT入力軸34に伝達することにより、無段変速機3における動力の伝達効率の向上を図ることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、動力を伝達する動力伝達機構に関する。
自動車などの車両には、エンジンの動力を変速して車輪に伝達するために、ギヤ式有段変速機または無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されている。
CVTは、変速比を連続的に変化させることができる変速機である。車両用として、種々の方式のCVTが実用化されているが、自動車では、2つの可変径プーリに金属ベルトを巻き掛けた金属ベルト式CVTが主流である。
CVTでは、自動車の走行状況に応じた最適な変速比での変速が可能であり、スムーズな走りを実現することができる。しかも、有段変速機による変速時に生じる変速ショックがない。また、エンジンを高効率な回転域(最小燃費率領域)で動作させることができ、それによる低燃費化を図ることができるという長所がある。
しかしながら、CVTは、ギヤ式有段変速機よりも動力の伝達効率が悪いという短所を有している。たとえば、金属ベルト式CVTでは、油圧により、可変径プーリが金属ベルトに押圧され、金属ベルトと可変径プーリとの摩擦力により、入力軸(プライマリプーリ)から出力軸(セカンダリプーリ)に動力が伝達される。そのため、金属ベルトと可変径プーリとのスリップによる伝達ロスが生じる。また、金属ベルト式CVTでは、油圧を発生させることによる損失もある。
CVTにおける動力の伝達効率は、入力軸の回転数、入力軸に入力される動力(トルク)の大きさおよび変速比に依存する。たとえば、入力軸の回転数とトルクとの乗算値が一定であれば、回転数が高く、トルクが低いほど、動力の伝達効率が低下する。そのため、高回転低負荷下での走行時(高速走行時)は、CVTにおける動力の伝達効率がとくに悪い。
本発明の目的は、無段変速機における動力の伝達効率の向上を図ることができる、動力伝達機構を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る動力伝達機構は、エンジンおよび無段変速機を搭載した車両に用いられ、エンジンと無段変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、第1回転要素、エンジンの出力軸が連結される第2回転要素および無段変速機の入力軸が連結される第3回転要素を有する遊星歯車機構と、第1回転要素に連結され、第1回転要素の回転数を変更して、第2回転要素から第3回転要素に伝達される動力を変速する回転数変更手段とを含む。
この構成によれば、エンジンが発生する動力は、エンジンの出力軸から第2回転要素を介して第3回転要素に伝達され、第3回転要素および無段変速機の入力軸を回転させる。第1回転要素の回転数の変更により、第2回転要素から第3回転要素に伝達される動力を変速することができる。よって、エンジンを燃焼効率が高い回転数で動作させつつ、そのエンジンの出力軸の回転数を無段変速機に適した回転数に変更して無段変速機の入力軸に伝達することにより、無段変速機における動力の伝達効率の向上を図ることができる。その結果、車両の走行燃費を向上させることができる。
また、第2回転要素の回転数に対する第1回転要素の回転数の高低により、第3回転要素の回転方向を反転させることができる。そして、第3回転要素の回転方向の反転により、車両の前進および後進を切り替えることができる。そのため、無段変速機を搭載した車両に必須であった前後進切換機構を不要とすることができ、車両のコストを低減することができる。
遊星歯車機構には、車両の前進/後進を切り換えるための前後進切替機構が組み込まれていてもよい。
回転数変更手段は、モータジェネレータであってもよい。
モータジェネレータは、モータとして駆動されてもよいし、ジェネレータ(発電機)として駆動されてもよい。たとえば、車両の加速時に、モータジェネレータがモータとして駆動されることにより、モータジェネレータからの動力が第1回転要素に伝達され、その動力により、エンジンをアシストすることができる。また、車両の減速時に、モータジェネレータがジェネレータとして駆動されることにより、第1回転要素の回転を電力に回生することができる。よって、ドライバビリティおよび燃費を向上させることができる。
第2回転要素には、エンジンの出力軸がトルクコンバータまたは無段変速機の入力軸の停止時に切断されるクラッチを介して連結されており、モータジェネレータと第1回転要素との間で、動力を伝達/遮断するための第1クラッチ機構と、モータジェネレータとエンジンの出力軸との間で、トルクコンバータまたはクラッチを迂回して、動力を伝達/遮断するための第2クラッチ機構とをさらに含んでいてもよい。
エンジンが停止し、第1クラッチ機構により、モータジェネレータと第1回転要素との間での動力の伝達が遮断された状態で、第2クラッチ機構により、モータジェネレータからの動力がエンジンの出力軸に伝達されることにより、エンジンの出力軸を回転させて、エンジンを始動させることができる。すなわち、モータジェネレータをエンジンのスタータとして機能させることができる。そのため、スタータを不要とすることができ、車両のコストを低減することができる。
本発明によれば、エンジンの出力軸から無段変速機の入力軸に伝達される動力を変速することができる。そのため、エンジンを燃焼効率が高い回転数で動作させつつ、そのエンジンの出力軸の回転数を無段変速機に適した回転数に変更して無段変速機の入力軸に伝達することにより、無段変速機における動力の伝達効率の向上を図ることができる。その結果、車両の走行燃費を向上させることができる。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達機構5が組み込まれた車両1の駆動系統の構成を概念的に示す図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を動力源とする自動車である。車両1は、無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)3を搭載している。
無段変速機3は、たとえば、金属ベルト式CVTであり、可変径プーリであるプライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32と、プライマリプーリ31とセカンダリプーリ32とに巻き掛けられた金属ベルト33とを備えている。プライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32の中心には、それぞれCVT入力軸34およびCVT出力軸35が相対回転不能に直結されている。
なお、本明細書において、軸やギヤなどの2つの回転体が直接接続されることはもちろん、2つの回転体との間に別の回転体が介在されていても、それらの回転体が共通の回転軸線を中心に一体回転する場合には、そのような接続も実質的な直結であるとして、「直結」の概念に含まれる。
CVT入力軸34に入力される動力(CVT入力軸34の回転)は、プライマリプーリ31、金属ベルト33およびセカンダリプーリ32を介して、プライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32の溝幅(径)に応じた変速比で変速されて、CVT出力軸35に伝達される。CVT出力軸35に伝達された動力は、ファイナルギヤおよびディファレンシャルギヤ(図示せず)を介して、ディファレンシャルギヤから左右に延びるドライブシャフト(図示せず)に伝達される。これにより、左右のドライブシャフトが回転し、各ドライブシャフトに連結された駆動輪(図示せず)が回転する。
エンジン2の出力軸21(以下、「E/G出力軸21」という。)とCVT入力軸34とは、同一の回転軸線上に配置されている。E/G出力軸21とCVT入力軸34との間には、前後進切換機構4および動力伝達機構5が介裝されている。
前後進切換機構4は、遊星歯車機構41、前進クラッチ42および後進ブレーキ43を備えている。
遊星歯車機構41は、サンギヤ44、複数のプラネタリギヤ45、キャリア46およびリングギヤ47を含む。
サンギヤ44は、E/G出力軸21と一体回転可能に設けられている。
複数のプラネタリギヤ45は、サンギヤ44の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ45は、サンギヤ44と噛合している。
キャリア46は、各プラネタリギヤ45を回転可能に保持し、E/G出力軸21(サンギヤ44)と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
リングギヤ47は、複数のプラネタリギヤ45の周囲を一括して取り囲む円環状をなし、E/G出力軸21(サンギヤ44)と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。リングギヤ47の内周面には、ギヤ歯が形成されており、このギヤ歯は、各プラネタリギヤ45と噛合している。
前進クラッチ42は、E/G出力軸21とキャリア46との間に介裝されている。前進クラッチ42が継合されると、E/G出力軸21とキャリア46とが連結されて、それらが一体的に回転可能になる。前進クラッチ42が切断されると、E/G出力軸21とキャリア46とが分離されて、それらが個別に回転可能になる。
後進ブレーキ43は、作動状態(オン)でキャリア46の回転を停止させ、解放状態(オフ)でキャリア46の回転を許容する。
動力伝達機構5は、遊星歯車機構51およびモータジェネレータ52を備えている。
遊星歯車機構51は、サンギヤ53、複数のプラネタリギヤ54、キャリア55およびリングギヤ56を含む。
サンギヤ53の中心には、CVT入力軸34が相対回転不能に直結されている。
複数のプラネタリギヤ54は、サンギヤ53の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ54は、サンギヤ53と噛合している。
キャリア55は、各プラネタリギヤ54を回転可能に保持している。また、キャリア55は、E/G出力軸21と同一軸線上を延びる連結軸57を介して、遊星歯車機構41のリングギヤ47と連結されており、連結軸57を中心として、リングギヤ47とともに一体回転可能に設けられている。
リングギヤ56は、複数のプラネタリギヤ54の周囲を一括して取り囲む円環状をなし、サンギヤ53およびキャリア55と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。リングギヤ56の内周面および外周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ56の内周面のギヤ歯は、各プラネタリギヤ54と噛合している。
モータジェネレータ52は、モータおよびジェネレータ(発電機)の両方の機能を有している。モータジェネレータ52は、その回転軸58(以下、「M/G軸58」という。)がE/G出力軸21と平行に延びるように配置されている。M/G軸58には、M/Gギヤ59が相対回転不能に保持されている。M/Gギヤ59は、リングギヤ56の外周面のギヤ歯と噛合している。
また、車両1は、オイルポンプ6を搭載している。オイルポンプ6のポンプ軸は、連結軸57と同軸に設けられている。これにより、連結軸57が回転すると、オイルポンプ6のポンプ軸が回転し(オイルポンプ6が作動し)、オイルポンプ6が油圧を発生する。オイルポンプ6が発生する油圧は、無段変速機3のプライマリプーリ31およびセカンダリプーリ32が金属ベルト33を押圧するための油圧として、また、前進クラッチ42および後進ブレーキ43の作動油圧として用いられる。
図2は、動力伝達機構5のサンギヤ53(CVT入力軸34)、キャリア55(E/G出力軸21)およびリングギヤ56(M/G軸58)の回転数の関係を示す共線図である。
車両1の前進時には、前進クラッチ42が継合され、後進ブレーキ43が解放される。そのため、エンジン2が発生する動力により、前後進切換機構4のサンギヤ44およびキャリア46が一体となって回転する。このとき、プラネタリギヤ45が自転せずに公転し、プラネタリギヤ45からリングギヤ47に動力が入力され、リングギヤ47、連結軸57および動力伝達機構5のキャリア55がE/G出力軸21(サンギヤ44)と同方向に回転する。
リングギヤ56がキャリア55と同方向に同じ回転数で回転しているときには、サンギヤ53がキャリア55およびリングギヤ56と一体的にE/G出力軸21と同方向に回転する。また、サンギヤ53とともに、CVT入力軸34がE/G出力軸21と同方向に回転する。CVT入力軸34がE/G出力軸21と同方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ31、金属ベルト33およびセカンダリプーリ32を介してCVT出力軸35に伝達され、CVT出力軸35がE/G出力軸21と同方向に回転する。このとき、駆動輪は、車両1の前進方向に回転する。
たとえば、図2に実線で示されるように、エンジン2の回転数(E/G回転数)、つまりキャリア55の回転数が一定のまま、リングギヤ56の回転数がキャリア55の回転数よりも上げられると、キャリア55の回転がリングギヤ56の回転よりも遅れるので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ54がキャリア55およびリングギヤ56と同方向に回転する。このプラネタリギヤ54の回転方向は、サンギヤ53の回転方向と逆方向である。そのため、サンギヤ53の回転数が低下し、CVT入力軸34の回転数が低下する。
逆に、図2に破線で示されるように、エンジン2の回転数が一定のまま、リングギヤ56の回転数がキャリア55の回転数よりも下げられると、キャリア55の回転がリングギヤ56の回転よりも進むので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ54がキャリア55およびリングギヤ56と逆方向に回転する。このプラネタリギヤ54の回転方向は、サンギヤ53の回転方向と同方向である。そのため、サンギヤ53の回転数が上昇し、CVT入力軸34の回転数が上昇する。
リングギヤ56の回転数は、モータジェネレータ52の制御によって変更することができる。すなわち、モータジェネレータ52をモータまたはジェネレータとして制御して、M/G軸58の回転数を変更することにより、リングギヤ56の回転数を変更することができる。
なお、遊星歯車機構51において、サンギヤ53とプラネタリギヤ54とのギヤ比および/またはプラネタリギヤ54とリングギヤ56とのギヤ比を変更することにより、リングギヤ56の回転数の増減に対するサンギヤ53の回転数の増減の割合、すなわち、図2に示される共線図における直線の傾きを変更することができる。
図3は、車両1の後進時における動力伝達機構5のサンギヤ53(CVT入力軸34)、キャリア55(E/G出力軸21)およびリングギヤ56の回転数(M/G軸58)の関係を示す共線図である。
モータジェネレータ52の回転数が上げられて、リングギヤ56の回転数が所定回転数以上に上昇すると、図3に示されるように、サンギヤ53の回転方向が逆転し、サンギヤ53およびCVT入力軸34がE/G出力軸21と逆方向に回転する。CVT入力軸34がE/G出力軸21と逆方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ31、金属ベルト33およびセカンダリプーリ32を介してCVT出力軸35に伝達され、CVT出力軸35がE/G出力軸21と逆方向に回転する。そのため、駆動輪が車両1の後進方向に回転し、車両1が後進する。
また、車両1では、モータジェネレータ52をエンジン2のスタータとして機能させることができる。すなわち、エンジン2の始動の際には、前進クラッチ42が切断され、遊星歯車機構41のサンギヤ44がキャリア46と分離して回転可能な状態にされる。また、後進ブレーキ43が作動されて、キャリア46が制動される。この状態で、モータジェネレータ52が制御され、モータジェネレータ52がモータとして駆動される。モータジェネレータ52が発生する動力により、M/G軸58が回転し、その回転がM/Gギヤ59を介して遊星歯車機構51のリングギヤ56に伝達される。このとき、車両1が停車中であり、CVT入力軸34が停止し、サンギヤ53が停止しているので、リングギヤ56が回転すると、リングギヤ56から各プラネタリギヤ54に動力が入力され、プラネタリギヤ54が自転しながらサンギヤ53の周囲を公転する。プラネタリギヤ54の公転に伴って、キャリア55、連結軸57および遊星歯車機構41のリングギヤ47が回転する。連結軸57の回転により、オイルポンプ6が作動するので、オイルポンプ6が発生する油圧により、前進クラッチ42および後進ブレーキ43を良好に作動させることができる。また、キャリア46が制動されているので、リングギヤ47が回転すると、リングギヤ47から各プラネタリギヤ45に入力される動力により、各プラネタリギヤ45がサンギヤ44の周方向における位置を変えずに自転する。プラネタリギヤ45の自転により、プラネタリギヤ45からサンギヤ44に動力が入力され、その動力により、サンギヤ44およびE/G出力軸21が回転する。このE/G出力軸21の回転により、エンジン2のクランキングが達成される。
以上のように、エンジン2が発生する動力は、E/G出力軸21から遊星歯車機構51のキャリア55を介してサンギヤ53に伝達され、サンギヤ53および無段変速機3のCVT入力軸34を回転させる。リングギヤ56の回転数の変更により、キャリア55からサンギヤ53に伝達される動力を変速することができる。よって、エンジン2を燃焼効率が高い回転数で動作させつつ、そのE/G出力軸21の回転数を無段変速機3に適した回転数に変更してCVT入力軸34に伝達することにより、無段変速機3における動力の伝達効率の向上を図ることができる。その結果、車両1の走行燃費を向上させることができる。
また、キャリア55の回転数に対するリングギヤ56の回転数の高低により、サンギヤ53の回転方向を反転させることができる。そして、サンギヤ53の回転方向の反転により、前後進切換機構4を使用しないで、車両1の前進および後進を切り替えることができる。そのため、前後進切換機構4を省略することができ、車両1のコストを低減することができる。
また、前進クラッチ42が継合され、後進ブレーキ43が解放された状態において、エンジン2を停止させ、モータジェネレータ52をモータとして駆動することにより、モータジェネレータ52が発生する動力のみにより、車両1を後進させることができる。車両1の後進時に、エンジン2を停止させることができるので、燃費を向上させることができる。
もちろん、前述したように、車両1の後進時に、エンジン2を動作させてもよく、この場合、モータジェネレータ52が発生する動力にエンジン2が発生する動力が加わるので、車両1の後進力が増大する。よって、車両1の後進による登坂時などに、十分な後進力を発揮することができる。
さらに、ギヤの入れ替えなどを行わずに、車両1の前進/後進を切り替えることができるので、ギヤの入れ替えによるショックの発生がない。また、ギヤの入れ替えにより、車両1の前進/後進を切り替える構成と比較して、その前進/後進の切り替えの応答性に優れている。
リングギヤ56の回転数を変更するために、モータジェネレータ52が備えられている。モータジェネレータ52は、モータとして駆動されてもよいし、ジェネレータとして駆動されてもよい。モータジェネレータ52がジェネレータとして駆動されるときに、モータジェネレータ52で発生する電力は、バッテリ(図示せず)に蓄えられて、補機類の駆動に使用される。車両1の加速時に、モータジェネレータ52がモータとして駆動されることにより、モータジェネレータ52からの動力がリングギヤ56に伝達され、その動力により、エンジン2をアシストすることができる。また、車両1の減速時に、モータジェネレータ52がジェネレータとして駆動されることにより、リングギヤ56の回転を電力に回生することができる。よって、ドライバビリティおよび燃費を向上させることができる。
また、モータジェネレータ52をエンジン2のスタータとして機能させることができる。そのため、スタータを不要とすることができ、車両1のコストをさらに低減することができる。
さらに、モータジェネレータ52からの動力がリングギヤ56に入力される構成では、モータジェネレータ52からの動力がサンギヤ53またはキャリア55に入力される構成と異なり、遊星歯車機構51が配置されているスペース外にモータジェネレータ52を配置することができる。そのため、遊星歯車機構51(遊星歯車機構51が配置されるスペース)を小型化することができる。また、モータジェネレータ52の配置の自由度が高く、モータジェネレータ52が配置されるスペースを確保しやすい。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る動力伝達機構105が組み込まれた車両101の駆動系統の構成を概念的に示す図である。
車両101は、エンジン102を動力源とする自動車である。車両101は、無段変速機103を搭載している。
無段変速機103は、たとえば、金属ベルト式CVTであり、可変径プーリであるプライマリプーリ131およびセカンダリプーリ132と、プライマリプーリ131とセカンダリプーリ132とに巻き掛けられた金属ベルト133とを備えている。プライマリプーリ131およびセカンダリプーリ132の中心には、それぞれCVT入力軸134およびCVT出力軸135が相対回転不能に直結されている。
CVT入力軸134に入力される動力(CVT入力軸134の回転)は、プライマリプーリ131、金属ベルト133およびセカンダリプーリ132を介して、プライマリプーリ131およびセカンダリプーリ132の溝幅(径)に応じた変速比で変速されて、CVT出力軸135に伝達される。CVT出力軸135に伝達された動力は、ファイナルギヤおよびディファレンシャルギヤ(図示せず)を介して、ディファレンシャルギヤから左右に延びるドライブシャフト(図示せず)に伝達される。これにより、左右のドライブシャフトが回転し、各ドライブシャフトに連結された駆動輪(図示せず)が回転する。
エンジン102とCVT入力軸134との間には、トルクコンバータ104および動力伝達機構105が介裝されている。
トルクコンバータ104の入力軸は、エンジン102の出力軸121(以下、「E/G出力軸121」という。)と直結されている。
動力伝達機構105は、遊星歯車機構151、モータジェネレータ152、第1クラッチ機構153および第2クラッチ機構154を備えている。
遊星歯車機構151は、サンギヤ155、複数のプラネタリギヤ156、キャリア157およびリングギヤ158を含む。
サンギヤ155は、E/G出力軸121と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。サンギヤ155の回転中心には、CVT入力軸134が相対回転不能に直結されている。
複数のプラネタリギヤ156は、サンギヤ155の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ156は、サンギヤ155と噛合している。
キャリア157は、各プラネタリギヤ156を回転可能に保持している。キャリア157には、トルクコンバータ104の出力軸が直結されており、キャリア157は、トルクコンバータ104の出力軸を中心に、トルクコンバータ104の出力軸と一体回転可能に設けられている。
リングギヤ158は、複数のプラネタリギヤ156の周囲を一括して取り囲む円環状をなし、サンギヤ155およびキャリア157と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。リングギヤ158の内周面および外周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ158の内周面のギヤ歯は、各プラネタリギヤ156と噛合している。
モータジェネレータ152は、モータおよびジェネレータ(発電機)の両方の機能を有している。モータジェネレータ152の回転軸159(以下、「M/G軸159」という。)は、モータジェネレータ152の両側に延出しており、モータジェネレータ152は、M/G軸159がE/G出力軸121と平行に延びるように配置されている。
第1クラッチ機構153は、サンギヤ160、複数のプラネタリギヤ161、キャリア162、リングギヤ163および直結クラッチ164を含む。
サンギヤ160は、M/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。サンギヤ160の回転中心には、モータジェネレータ152から一方側に延出するM/G軸159が相対回転不能に直結されている。
複数のプラネタリギヤ161は、サンギヤ160の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ161は、サンギヤ160と噛合している。
キャリア162は、各プラネタリギヤ161を回転可能に保持している。キャリア162は、M/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
リングギヤ163は、複数のプラネタリギヤ161の周囲を一括して取り囲む円環状をなし、サンギヤ160およびキャリア162と同一の回転軸線、つまりM/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。リングギヤ163の内周面および外周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ163の内周面のギヤ歯は、各プラネタリギヤ161と噛合している。リングギヤ163の外周面のギヤ歯は、遊星歯車機構151のリングギヤ158の外周面のギヤ歯と噛合している。
直結クラッチ164は、M/G軸159とキャリア162との間に介裝されている。直結クラッチ164が継合されると、M/G軸159とキャリア162とが直結されて、それらが一体的に回転可能になる。直結クラッチ164が切断されると、M/G軸159とキャリア162とが分離されて、それらが個別に回転可能になる。
第2クラッチ機構154は、サンギヤ165、複数のプラネタリギヤ166、キャリア167、リングギヤ168、フライホイール169およびブレーキ170を含む。
サンギヤ165は、M/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。サンギヤ165の回転中心には、モータジェネレータ152から他方側(第1クラッチ機構153側と反対側)に延出するM/G軸159が相対回転不能に直結されている。
複数のプラネタリギヤ166は、サンギヤ165の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ166は、サンギヤ165と噛合している。
キャリア167は、各プラネタリギヤ166を回転可能に保持している。キャリア167は、M/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
リングギヤ168は、複数のプラネタリギヤ166の周囲を一括して取り囲む円環状をなし、サンギヤ165およびキャリア167と同一の回転軸線、つまりM/G軸159と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。リングギヤ168の内周面および外周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ168の内周面のギヤ歯は、各プラネタリギヤ166と噛合している。
フライホイール169は、E/G出力軸121に保持されている。フライホイール169の外周には、ギヤ歯(アウタリングギヤ)が形成されている。このギヤ歯には、リングギヤ168の外周面のギヤ歯が噛合している。
ブレーキ170は、作動状態(オン)でキャリア167の回転を停止させ、解放状態(オフ)でキャリア167の回転を許容するブレーキである。
また、車両101は、オイルポンプ106を搭載している。オイルポンプ106のポンプ軸は、トルクコンバータ104の出力軸と同軸に設けられている。これにより、トルクコンバータ104の出力軸が回転すると、オイルポンプ106のポンプ軸が回転し、オイルポンプ106が油圧を発生する。オイルポンプ106が発生する油圧は、たとえば、無段変速機103のプライマリプーリ131およびセカンダリプーリ132が金属ベルト133を押圧するための油圧として用いられる。
エンジン102が発生する動力は、トルクコンバータ104で増幅されて、トルクコンバータ104の出力軸に伝達される。この動力により、トルクコンバータ104の出力軸および遊星歯車機構151のキャリア157がE/G出力軸121と同方向に回転する。
車両101の前進時には、直結クラッチ164が継合され、ブレーキ170が解放される。そのため、モータジェネレータ152が発生する動力により、M/G軸159とともに、第1クラッチ機構153のサンギヤ160およびキャリア162が一体となって回転する。このとき、プラネタリギヤ161が自転せずに公転し、プラネタリギヤ161からリングギヤ163に動力が入力され、リングギヤ163が回転する。リングギヤ163の回転は、遊星歯車機構151のリングギヤ158に伝達され、リングギヤ158を回転させる。
このとき、モータジェネレータ152が発生する動力により、M/G軸159とともに、第2クラッチ機構154のサンギヤ165が回転する。そして、サンギヤ165の回転に伴って、各プラネタリギヤ166が回転するが、ブレーキ170が解放されているので、キャリア167が回転し、サンギヤ165の回転はリングギヤ168に伝達されない。
リングギヤ158がキャリア157と同方向に同じ回転数で回転しているときには、サンギヤ155がキャリア157およびリングギヤ158と一体的にE/G出力軸121と同方向に回転する。また、サンギヤ155とともに、CVT入力軸134がE/G出力軸121と同方向に回転する。CVT入力軸134がE/G出力軸121と同方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ131、金属ベルト133およびセカンダリプーリ132を介してCVT出力軸135に伝達され、CVT出力軸135がE/G出力軸121と同方向に回転する。このとき、駆動輪は、車両101の前進方向に回転する。
リングギヤ158の回転数がキャリア157の回転数よりも上げられると、キャリア157の回転がリングギヤ158の回転よりも遅れるので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ156がキャリア157およびリングギヤ158と同方向に回転する。このプラネタリギヤ156の回転方向は、サンギヤ155の回転方向と逆方向である。そのため、サンギヤ155の回転数が低下し、CVT入力軸134の回転数が低下する。
逆に、リングギヤ158の回転数がキャリア157の回転数よりも下げられると、キャリア157の回転がリングギヤ158の回転よりも進むので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ156がキャリア157およびリングギヤ158と逆方向に回転する。このプラネタリギヤ156の回転方向は、サンギヤ155の回転方向と同方向である。そのため、サンギヤ155の回転数が上昇し、CVT入力軸134の回転数が上昇する。
モータジェネレータ152の回転数が上げられて、リングギヤ158の回転数が所定回転数以上に上昇すると、サンギヤ155の回転方向が逆転し、サンギヤ155およびCVT入力軸134がE/G出力軸121と逆方向に回転する。CVT入力軸134がE/G出力軸121と逆方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ131、金属ベルト133およびセカンダリプーリ132を介してCVT出力軸135に伝達され、CVT出力軸135がE/G出力軸121と逆方向に回転する。そのため、駆動輪が車両101の後進方向に回転し、車両101が後進する。
リングギヤ158の回転数は、モータジェネレータ152の制御によって変更することができる。すなわち、モータジェネレータ152をモータまたはジェネレータとして制御して、第1クラッチ機構153のリングギヤ163の回転数を変更することにより、リングギヤ158の回転数を変更することができる。
なお、遊星歯車機構151において、サンギヤ155とプラネタリギヤ156とのギヤ比および/またはプラネタリギヤ156とリングギヤ158とのギヤ比を変更することにより、リングギヤ158の回転数の増減に対するサンギヤ155の回転数の増減の割合を変更することができる。
また、エンジン102の始動の際には、ブレーキ170が作動され、直結クラッチ164が切断される。そして、モータジェネレータ152が制御され、モータジェネレータ152がモータとして駆動される。モータジェネレータ152が発生する動力により、M/G軸159とともに、第2クラッチ機構154のサンギヤ165が回転する。キャリア167が制動されているので、サンギヤ165の回転に伴って、各プラネタリギヤ166が自転し、各プラネタリギヤ166からリングギヤ168に動力が伝達される。リングギヤ168が回転すると、その回転がフライホイール169を介してE/G出力軸121に伝達され、E/G出力軸21が回転し、エンジン102のクランキングが達成される。
このとき、モータジェネレータ152が発生する動力により、M/G軸159とともに、第1クラッチ機構153のサンギヤ160が回転する。そして、サンギヤ160の回転に伴って、各プラネタリギヤ161が回転するが、直結クラッチ164が切断されているので、キャリア162が回転し、サンギヤ160の回転はリングギヤ163に伝達されない。
よって、図4に示される構成においても、図1に示される構成と同様の作用効果を奏することができる。
なお、図5に示されるように、図4に示される第1クラッチ機構153に代えて、第1連結ギヤ171および第1クラッチ172を含む構成の第1クラッチ機構173が設けられ、第2クラッチ機構154に代えて、第2連結ギヤ174および第2クラッチ175を含む構成の第2クラッチ機構176が設けられてもよい。
第1連結ギヤ171の回転中心には、モータジェネレータ152から一方側に延出するM/G軸159が相対回転不能に直結されている。第1連結ギヤ171は、遊星歯車機構151のリングギヤ158の外周面のギヤ歯と噛合している。
第1クラッチ172は、モータジェネレータ152から一方側に延出するM/G軸159の途中部に介装されている。
第2連結ギヤ174の回転中心には、モータジェネレータ152から他方側に延出するM/G軸159が相対回転不能に直結されている。第2連結ギヤ174は、E/G出力軸121に保持されたフライホイール169の外周面のギヤ歯(アウタリングギヤ)と噛合している。
第2クラッチ175は、モータジェネレータ152から他方側に延出するM/G軸159の途中部に介装されている。
そして、図5に示される構成において、車両101の前進時には、第1クラッチ172が継合されて、第2クラッチ175が切断され、エンジン102の始動の際には、第2クラッチ175が継合されて、第1クラッチ172が切断されることにより、図4に示される構成と同様の作用効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係る動力伝達機構204が組み込まれた車両201の駆動系統の構成を概念的に示す図である。
車両201は、エンジン202を動力源とする自動車である。車両201は、無段変速機203を搭載している。
無段変速機203は、たとえば、金属ベルト式CVTであり、可変径プーリであるプライマリプーリ231およびセカンダリプーリ232と、プライマリプーリ231とセカンダリプーリ232とに巻き掛けられた金属ベルト233とを備えている。プライマリプーリ231およびセカンダリプーリ232の中心には、それぞれCVT入力軸234およびCVT出力軸235が相対回転不能に直結されている。
CVT入力軸234に入力される動力(CVT入力軸234の回転)は、プライマリプーリ231、金属ベルト233およびセカンダリプーリ232を介して、プライマリプーリ231およびセカンダリプーリ232の溝幅(径)に応じた変速比で変速されて、CVT出力軸235に伝達される。CVT出力軸235に伝達された動力は、ファイナルギヤおよびディファレンシャルギヤ(図示せず)を介して、ディファレンシャルギヤから左右に延びるドライブシャフト(図示せず)に伝達される。これにより、左右のドライブシャフトが回転し、各ドライブシャフトに連結された駆動輪(図示せず)が回転する。
エンジン202の出力軸221(以下、「E/G出力軸221」という。)とCVT入力軸234との間には、動力伝達機構204が介裝されている。
動力伝達機構204は、遊星歯車機構241およびモータジェネレータ242を備えている。
遊星歯車機構241は、サンギヤ244、複数のプラネタリギヤ245、キャリア246、リングギヤ247および前後進切替機構248を含む。
サンギヤ244の中心には、E/G出力軸221が相対回転不能に直結されている。
複数のプラネタリギヤ245は、サンギヤ244の周囲に等角度間隔で配置されている。各プラネタリギヤ245は、サンギヤ244と噛合している。
キャリア246は、各プラネタリギヤ245を回転可能に保持し、サンギヤ244(E/G出力軸221)と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。
リングギヤ247は、CVT入力軸234と一体回転可能に設けられている。リングギヤ247は、複数のプラネタリギヤ245の周囲を一括して取り囲む内周面を有し、その内周面には、ギヤ歯が形成されている。リングギヤ247の内周面のギヤ歯は、各プラネタリギヤ245と噛合している。
前後進切換機構248は、作動状態(オン)でキャリア246の回転を停止させ、解放状態(オフ)でキャリア246の回転を許容するブレーキである。
モータジェネレータ242は、モータおよびジェネレータ(発電機)の両方の機能を有している。モータジェネレータ242は、その回転軸251(以下、「M/G軸251」)がE/G出力軸221と平行に延びるように配置されている。M/G軸251には、M/Gギヤ252が相対回転不能に保持されている。遊星歯車機構241のキャリア246には、キャリア246の回転軸線を中心とするリング状のギヤ253が保持されている。M/Gギヤ252は、ギヤ253と噛合している。
車両201の前進時には、エンジン202が発生する動力により、E/G出力軸221およびサンギヤ244が一体的に回転する。また、車両201の前進時には、前後進切換機構(ブレーキ)248が解放される。
キャリア246がサンギヤ244と同方向に同じ回転数で回転しているときには、キャリア246がサンギヤ244と一体的にE/G出力軸221と同方向に回転する。このとき、各プラネタリギヤ245が自転せず、キャリア246の回転は、プラネタリギヤ245からリングギヤ247に伝達され、リングギヤ247を同方向に回転させる。これにより、リングギヤ247およびCVT入力軸234がE/G出力軸221と同方向に回転する。CVT入力軸234がE/G出力軸221と同方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ231、金属ベルト233およびセカンダリプーリ232を介してCVT出力軸235に伝達され、CVT出力軸235がE/G出力軸221と同方向に回転する。このとき、駆動輪は、車両201の前進方向に回転する。
エンジン202の回転数、つまりサンギヤ244の回転数が一定のまま、キャリア246の回転数がサンギヤ244の回転数よりも上げられると、キャリア246の回転がサンギヤ244の回転よりも進むので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ245がキャリア246およびリングギヤ247と同方向に回転する。そのため、リングギヤ247の回転数が上昇し、CVT入力軸235の回転数が上昇する。
逆に、エンジン202の回転数が一定のまま、キャリア246の回転数がサンギヤ244の回転数よりも下げられると、キャリア246の回転がサンギヤ244の回転よりも遅れるので、その相対的な回転速度の差により、各プラネタリギヤ245がキャリア246およびリングギヤ247と逆方向に回転する。そのため、リングギヤ247の回転数が低下し、CVT入力軸235の回転数が低下する。
キャリア246の回転数は、モータジェネレータ242の制御によって変更することができる。すなわち、モータジェネレータ242をモータまたはジェネレータとして制御して、M/G軸251およびM/Gギヤ252の回転数を変更することにより、キャリア246の回転数を変更することができる。
なお、遊星歯車機構241において、プラネタリギヤ245とリングギヤ247とのギヤ比を変更することにより、キャリア246の回転数の増減に対するリングギヤ247の回転数の増減の割合を変更することができる。
車両201の後進時には、前後進切換機構(ブレーキ)248が作動されて、キャリア246が制動される。そのため、エンジン202が発生する動力により、E/G出力軸221およびサンギヤ244が一体的に回転すると、各プラネタリギヤ245がサンギヤ244の周方向における位置を変えずにサンギヤ244と逆方向に自転する。プラネタリギヤ245の自転により、プラネタリギヤ245からリングギヤ247に動力が伝達され、その動力により、リングギヤ247およびCVT入力軸234がサンギヤ244(E/G出力軸221)と逆方向に回転する。CVT入力軸234がE/G出力軸221と逆方向に回転すると、その回転がプライマリプーリ231、金属ベルト233およびセカンダリプーリ232を介してCVT出力軸235に伝達され、CVT出力軸235がE/G出力軸221と逆方向に回転する。そのため、駆動輪は、車両201の後進方向に回転する。
このように、図6に示される構成では、前後進切換機構(ブレーキ)248の作動/解放の切換えにより、車両201の前進/後進を切り換えることができる。また、エンジン2が発生する動力のみにより、車両201を後進させることができ、車両201の後進に、モータジェネレータ242の動力が不要である。よって、モータジェネレータ242として、高出力なものを必要とせず、モータジェネレータ242の小型化および低コスト化を図ることができる。また、モータジェネレータ242に電力を供給するバッテリの充電状態にかかわらず、車両201を良好に後進させることができる。
また、キャリア246の回転数の変更により、サンギヤ244からリングギヤ247に伝達される動力を変速することができる。よって、エンジン202を燃焼効率が高い回転数で動作させつつ、そのE/G出力軸221の回転数を無段変速機203に適した回転数に変更してCVT入力軸234に伝達することにより、無段変速機203における動力の伝達効率の向上を図ることができる。その結果、車両201の走行燃費を向上させることができる。
さらに、遊星歯車機構241にモータジェネレータ242および前後進切換機構(ブレーキ)248を組み込むことにより、車両201の前後進を切り換える機能と、無段変速器203に入力される動力の回転数を変速する機能とを両立させることができる。
また、モータジェネレータ242をキャリア246の内側に配置して、モータジェネレータ242をサンギヤ244とE/G出力軸221の方向に重ねて配置することができる。これにより、遊星歯車機構241のサンギヤ244の径方向におけるサイズを増大させずに、モータジェネレータ242を遊星歯車機構241に組み込むことができる。
なお、無段変速機203およびブレーキ249などの作動油圧は、オイルポンプ(図示せず)によって発生されるとよい。オイルポンプのポンプ軸は、たとえば、E/G出力軸221と同軸に設けられる。
<変形例>
本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、第1実施形態において、オイルポンプ6のポンプ軸が連結軸57と同軸に設けられている構成を取り上げた。しかしながら、これに限らず、オイルポンプ6のポンプ軸は、M/G軸58と同軸に設けられてもよいし、連結軸57またはM/G軸58とギヤ機構を介して連結されてもよい。
また、第2実施形態では、第1クラッチ機構153は、サンギヤ160、複数のプラネタリギヤ161、キャリア162、リングギヤ163および直結クラッチ164を含む構成としたが、これに限らず、遊星歯車機構151のリングギヤ158の外周面のギヤ歯と噛合するギヤで構成されてもよい。
これと同様に、第2クラッチ機構154において、サンギヤ165、複数のプラネタリギヤ166、キャリア167、リングギヤ168およびブレーキ170に代えて、フライホイール169と噛合するギヤが設けられてもよい。
また、第2実施形態において、トルクコンバータ104に代えて、車両101の前進および更新時に継合されて、車両101の停車時(CVT入力軸134の停止時)に切断されるクラッチが設けられてもよい。
また、無段変速機3,103,203は、金属ベルト式無段変速機に限らず、ゴムベルト式無段変速機、チェーン式無段変速機、トロイダル無段変速機など、金属ベルト式以外の型式の無段変速機であってもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 車両
2 エンジン
3 無段変速機
5 動力伝達機構
21 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
34 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
51 遊星歯車機構
52 モータジェネレータ(回転数変更手段)
53 サンギヤ(第3回転要素)
55 キャリア(第2回転要素)
56 リングギヤ(第1回転要素)
101 車両
102 エンジン
103 無段変速機
104 トルクコンバータ
105 動力伝達機構
121 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
134 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
151 遊星歯車機構
152 モータジェネレータ(回転数変更手段)
153 第1クラッチ機構
154 第2クラッチ機構
155 サンギヤ(第3回転要素)
157 キャリア(第2回転要素)
158 リングギヤ(第1回転要素)
169 フライホイール(第2クラッチ機構)
173 第1クラッチ機構
176 第2クラッチ機構
201 車両
202 エンジン
203 無段変速機
204 動力伝達機構
221 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
234 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
241 遊星歯車機構
242 モータジェネレータ(回転数変更手段)
244 サンギヤ(第2回転要素)
246 キャリア(第1回転要素)
247 リングギヤ(第3回転要素)
248 前後進切換機構
2 エンジン
3 無段変速機
5 動力伝達機構
21 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
34 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
51 遊星歯車機構
52 モータジェネレータ(回転数変更手段)
53 サンギヤ(第3回転要素)
55 キャリア(第2回転要素)
56 リングギヤ(第1回転要素)
101 車両
102 エンジン
103 無段変速機
104 トルクコンバータ
105 動力伝達機構
121 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
134 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
151 遊星歯車機構
152 モータジェネレータ(回転数変更手段)
153 第1クラッチ機構
154 第2クラッチ機構
155 サンギヤ(第3回転要素)
157 キャリア(第2回転要素)
158 リングギヤ(第1回転要素)
169 フライホイール(第2クラッチ機構)
173 第1クラッチ機構
176 第2クラッチ機構
201 車両
202 エンジン
203 無段変速機
204 動力伝達機構
221 E/G出力軸(エンジンの出力軸)
234 CVT入力軸(無段変速機の入力軸)
241 遊星歯車機構
242 モータジェネレータ(回転数変更手段)
244 サンギヤ(第2回転要素)
246 キャリア(第1回転要素)
247 リングギヤ(第3回転要素)
248 前後進切換機構
Claims (4)
- エンジンおよび無段変速機を搭載した車両に用いられ、前記エンジンと前記無段変速機との間で動力を伝達する動力伝達機構であって、
第1回転要素、前記エンジンの出力軸が連結される第2回転要素および前記無段変速機の入力軸が連結される第3回転要素を有する遊星歯車機構と、
前記第1回転要素に連結され、前記第1回転要素の回転数を変更して、前記第2回転要素から前記第3回転要素に伝達される動力を変速する回転数変更手段とを含む、動力伝達機構。 - 前記遊星歯車機構は、前記車両の前進/後進を切り換えるための前後進切替機構を含む、請求項1に記載の動力伝達機構。
- 前記回転数変更手段は、モータジェネレータである、請求項1または2に記載の動力伝達機構。
- 前記第2回転要素には、前記エンジンの前記出力軸がトルクコンバータまたは前記無段変速機の前記入力軸の停止時に切断されるクラッチを介して連結されており、
前記モータジェネレータと前記第1回転要素との間で、動力を伝達/遮断するための第1クラッチ機構と、
前記モータジェネレータと前記エンジンの前記出力軸との間で、前記トルクコンバータまたは前記クラッチを迂回して、動力を伝達/遮断するための第2クラッチ機構とをさらに含む、請求項3に記載の動力伝達機構。
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-
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- 2013-07-31 JP JP2013159545A patent/JP2015031312A/ja active Pending
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