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JP2017163039A - インプリント装置、及び物品の製造方法 - Google Patents

インプリント装置、及び物品の製造方法 Download PDF

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JP2017163039A JP2016047365A JP2016047365A JP2017163039A JP 2017163039 A JP2017163039 A JP 2017163039A JP 2016047365 A JP2016047365 A JP 2016047365A JP 2016047365 A JP2016047365 A JP 2016047365A JP 2017163039 A JP2017163039 A JP 2017163039A
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Takahiro Toyoshima
隆裕 豊島
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Abstract

【課題】より正確なパターン形成の点で有利なインプリント装置を提供すること。【解決手段】インプリント装置は、基板のショット領域にインプリント材を配置する配置部と、インプリント位置における型とショット領域に配置されたインプリント材との間に第1気体を供給する第1供給部と、インプリントを行う処理空間とインプリント材を配置する配置作業空間とを仕切るようなガスカーテンを形成するための気体を供給する第2供給部とを有する。第2供給部は、ガスカーテンを形成するための気体として、第1気体とそれと異なる第2気体と含む、複数の気体から選択される気体を供給可能に構成される。制御部は、基板の移動経路における位置に応じて、第2供給部により供給されるガスカーテンを形成するための気体の選択を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、インプリント装置、及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイス等の物品を製造するためのリソグラフィ技術の一つとして、インプリント技術が実用化されつつある。インプリント装置では、型(モールド)を基板上のインプリント材に接触させることでパターンを形成するため、従来の露光装置に比べて原理的にパターン欠陥が生じやすく、この欠陥の低減が課題となっている。 具体的には、型(モールド)と基板上のインプリント材とを接触させるとき、その間にある大気中の酸素の影響でインプリント材の硬化反応が進行し難くなり、これにより転写されるパターンに欠陥が生じうる。この解決策として、残留ガスがインプリント材やモールドに溶解、拡散、または透過して消滅するまで待機する方法もあるが、その待機に要する時間のために、生産性が低下してしまう。
特許文献1は、インプリント雰囲気に透過性ガスを使用し、インプリント材やモールドに残留した透過性ガスを溶解または拡散させることで、残留ガスを素早く減少させるインプリント装置を開示している。また、特許文献2は、インプリント雰囲気にモールドとインプリント材とが接触する際の圧力上昇により、凝縮する凝縮性ガスを使用したインプリント装置を開示している。この凝縮性ガスは、残留時には液化して、気体時に比べて体積が数百分の一にまで小さくなるので、残留ガスのパターン形成への影響を抑えることができる。
また、パーティクル対策として、モールドの外周部から基板に向けてエアカーテンを形成することが考えられる。エアカーテンを形成することにより、装置内を浮遊するパーティクルがノズルに囲まれた空間内には侵入できなくなる。これにより、インプリント装置内全域のパーティクル量を減らさなくても、モールドと基板上のインプリント材との接触が行われる位置であるインプリント位置にパーティクルが侵入することを抑制することができる。
特許文献3は、機能性ガスが流れる第1の気流とエアカーテン気流が流れる第2の気流とを形成する構成を開示している。特許文献3は、エアカーテン気流と機能性ガスとの混合による機能性ガスの濃度低下を阻止する目的で、更に、第1の気流と第2の気流との間に第3の気流を介在させる構成を開示している。
特表2007−509769号公報 特開2004−103817号公報 特開2014−056854号公報
しかし、特許文献3のような構成においては、基板がインプリント位置に向かう際の移動に伴って、エアカーテン気流(第2の気流)や第3の気流をインプリント空間内に巻き込むおそれがある。
本発明は、より正確なパターン形成の点で有利なインプリント装置を提供することを例示的目的とする。
本発明の一側面によれば、型を基板の上のインプリント材に接触させて前記基板の上にパターンを形成するインプリント装置であって、
前記基板のショット領域に前記インプリント材を配置する配置部と、
前記接触が行われるインプリント位置と前記配置部による配置が行われる配置位置との間の移動経路に沿って前記基板を移動させる移動機構と、
前記型と前記配置部との間に設けられた第1供給口から、前記インプリント位置における前記型と前記ショット領域に配置された前記インプリント材との間に第1気体を供給する第1供給部と、
前記第1供給口と前記配置部との間に設けられた第2供給口から、前記インプリント位置と前記第1供給口とを含む処理空間と前記配置位置を含む配置作業空間とを仕切るようなガスカーテンを形成するための気体を供給する第2供給部であって、前記ガスカーテンを形成するための気体として、前記第1気体と前記第1気体とは異なる第2気体とを含む、複数の気体から選択される気体を供給可能に構成された第2供給部と、
前記基板の前記移動経路における位置に応じて、前記第2供給部により供給される前記ガスカーテンを形成するための気体の選択を制御する制御部と、
を有することを特徴とするインプリント装置が提供される。
本発明によれば、例えば、より正確なパターン形成の点で有利なインプリント装置を提供することができる。
実施形態におけるインプリント装置の構成図。 実施形態におけるエアカーテン用ガスの切り替え制御を説明する図。 実施形態におけるエアカーテン用ガスの切り替え制御を説明する図。 第2実施形態における第2供給口の構成を説明する図。 実施形態におけるインプリント処理に係る制御フローを示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
<第1実施形態>
図1を参照して第1実施形態のインプリント装置について説明する。インプリント装置10は、半導体デバイスなどの物品の製造に使用され、被処理基板上のインプリント材と型(モールド)とを接触させてインプリント材を硬化させることで基板上にパターンを形成する装置である。本実施形態では、紫外線の照射によってインプリント材を硬化させる光硬化法を採用するが、これに限定されるものではなく、例えば入熱によってインプリント材を硬化させる熱硬化法を採用することもできる。インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
インプリント装置10は、パターン面を有するモールド11を保持するヘッド12を備える。ヘッド12は、構造体18によって支持され、不図示の駆動源と制御部50によって、モールド11と基板13上のインプリント材との接触(押型)及び引き離し(離型)のために基板13とモールド11とが近づいたり離れたりする方向に駆動することができる。インプリント装置10は、インプリント材21−2を硬化させるための紫外線を照射するために、紫外光源16と照明光学系17を備えている。
基板ステージ14は、基板13を保持し、ステージ定盤19上を移動可能である。インプリント装置10は、基板13のショット領域にインプリント材21−2を配置(塗布または供給)する配置部20(ディスペンサ)を備える。配置部20は、インプリント材21−1を吐出(供給)するノズルを含む。基板ステージ14は、ステージ定盤19上を移動することで基板を移動させる移動機構14aを含む。移動機構14aにより、インプリント位置とインプリント材の配置位置との間の移動経路に沿って基板を移動させることができる。ここで、インプリント位置とは、モールド11と基板13上のインプリント材との接触が行われる位置をいう。また、インプリント材の配置位置とは、配置部20によるインプリント材の配置が行われる位置であり、例えばインプリント材を吐出するノズルと対向する位置である。移動機構14aは、インプリントを実行するに際して、基板13を配置位置に移動させて、配置部20によりインプリント材21−2が配置される。
インプリント装置10は、基板13にインプリント材21−2が配置されてからインプリント材21−2が硬化されるまでの一連のインプリント処理を制御する制御部50を備えている。なお、インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、光硬化法を採用する場合には例えば電磁波が、熱硬化法を採用する場合には例えば熱が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合性化合物と光重合開始剤とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコーターやスリットコーターにより基板上に膜状に付与される。或いは液体噴射ヘッドにより、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。また、ノズルから吐出されるインプリント材の量や基板上の分布も、基板上に形成されるインプリント材の所望の厚さや、形成されるパターンの密度などにより適宜決定される。
移動機構14aは、制御部50による制御の下、基板13上の、インプリント材21−2が配置されたショット領域がインプリント位置に来るよう、基板13を搬送する。このとき、基板ステージ14の位置が計測部15により計測され、不図示の制御機構及びアライメント機構によって基板ステージ14の位置合わせが行われる。なお、計測部15は、例えばレーザー干渉計あるいはエンコーダーでありうる。制御部50は、ヘッド12を駆動させて、ショット領域上のインプリント材21−2にモールド11のパターン面を接触させ、その状態で紫外線を照射してインプリント材21−2を硬化させる。なお、熱硬化法を採用する場合には、モールド保持部に内蔵されたヒーターなどの熱源が使用される。
これら一連のインプリント処理により、基板13上のショット領域にモールド11のパターンが転写される。
インプリント処理において、モールド11と基板13上のインプリント材とを接触させるとき、その間にある大気中の酸素の影響でインプリント材の硬化反応が進行し難くなり、これにより転写されるパターンに不具合が生じうる。そこで本実施形態では、モールド11と配置部20との間に設けられた第1供給口22から、インプリント位置におけるモールド11とショット領域上のインプリント材21−2との間にパージガス23(第1気体)を供給して、インプリントを行う。ここで、パージガス23には、充填性の観点から拡散性やインプリント材に対する溶解性に優れ、モールドとインプリント材との接触時にモールドを透過する透過性気体を採用しうる。あるいはパージガス23として、モールドと基板上のインプリント材との接触時におけるモールドとインプリント材との間の空間の圧力上昇により液化する凝縮性気体を採用することもできる。モールドとインプリント材との接触時、インプリント材やモールドに残留した気体が、透過性気体の場合は溶解または拡散し、凝縮性気体の場合はインプリントによる圧力上昇により液化して、気体時に比べて体積が数百分の一にまで小さくなる。これにより、残留ガスのパターン形成への影響を抑えられる。透過性気体としては具体的には、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、水素、キセノン、ペンタフルオロプロパン等が採用されうる。ただし、透過性気体として可燃性の水素を使用する場合には、インプリント装置内に防爆システムを別途設置し、火気に注意した構成とする必要がある。また、凝縮性気体としては具体的には、ペンタフルオロプロパンを代表とするハイドロフルオロカーボンや、ハイドロフルオロエーテル等のうちから選択される1つのガス、あるいはそれらの混合ガスが採用されうる。このようなパージガス23は、第1供給口22に連通する第1タンク31に貯蔵される。これら第1供給口22及び第1タンク31によって、パージガス23をモールドとショット領域上のインプリント材との間の隙間に供給する第1供給部が構成される。
また、基板上のショット領域にパーティクルが付着していると、そのショット領域にパターン欠陥が生じる可能性がある。また、パーティクルが付着したショット領域にインプリントを行うと、モールド11が破損する可能性もある。そこで、インプリント装置10の内部は、パーティクル除去機能を持つULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等を通過させ清浄にしたガスをファンで送風することで、パーティクル濃度を低減している。しかし、これらの対処を行っても、搬送される基板13に付着したパーティクルがインプリント装置内に侵入することや、インプリント装置内にある駆動部から、発塵することもある。
そこで本実施形態では、更なる施策として、インプリント位置と第1供給口22とを含む処理空間を画定するようなガスカーテンを形成する気体を供給する第2供給部を設ける。具体的には、第1供給口22と配置部20との間に第2供給口24が設けられる。この第2供給口24から、上記処理空間と配置部20によるインプリント剤の配置位置を含む配置作業空間とを仕切るようなガスカーテンを形成するための気体が供給される。
また、本実施形態では、第2供給口24は、モールド11及びヘッド12及び第1供給口22を取り囲むように複数設けられ、そこからエアカーテン用ガス25を、基板13や基板ステージ14に吹き付ける。このエアカーテン用ガス25の気流はガスカーテン(エアカーテン)を形成し、装置内を浮遊するパーティクルはこのエアカーテンに囲まれた処理空間内へは侵入できなくなる。これにより、インプリント装置内全域のパーティクル量を減らさなくても、インプリント位置へのパーティクルの侵入を抑制することができる。更には、基板13に付着するパーティクルも低減することができる。このため、装置の空調システムを肥大化することなく、基板13に付着するパーティクルを低減することができる。
エアカーテン用ガス25は、パーティクルが少ない気体であればよく、例えばクリーンドライエア(以下「CDA」と略記する。)でよい。または、必要に応じて、パーティクル除去フィルタを通過させたCDAであってもよい。また、本実施形態では、第2供給口24からは、エアカーテン用ガス25として、パージガス23とパージガス23とは異なる上記のようなCDA(第2気体)とを含む、複数の気体から選択される気体を供給可能に構成されている。具体的には、パージガス23を貯蔵する第1タンク31と、CDAを貯蔵する第2タンク32とが、切替弁33を介して第2供給口24に通じており、これらによって第2供給部が構成されている。切替弁33は、制御部50による制御の下、供給元のタンクを切り替えることができる。
以下、図2及び図3を参照して、制御部50によるエアカーテン用ガスの切り替え制御について説明する。図2(a)、図3(a)は従来例の場合を示し、図2(b)、図3(b)は本実施形態の場合を示している。図3(a)、図3(b)は、図2(a)、図2(b)と同様の時間経過を表す平面図であり、第2供給口24が、モールド11や第1供給口22を取り囲むように複数設けられている。図2において、第2供給口24からはエアカーテン用ガスが噴射されており、ガスカーテンが形成される。このガスカーテンによって、インプリント位置と第1供給口22とを含む処理空間41と、配置部20によるインプリント材の配置位置を含む配置作業空間42とに仕切られている。図2において、基板上のショット領域26が配置部20の下に位置しており、配置部20によりインプリント材21−1がショット領域26に配置される。その後、基板は、矢印43で示される移動経路に沿って搬送され、第2供給口24の下を通過して、モールド11の下のインプリント位置まで搬送される。
このとき、基板ステージ14の駆動に伴って、インプリント位置から見て配置部20側にある第2供給口24から供給されたエアカーテン用ガス25が、ショット領域上のインプリント材21−2とモールド11の間に引き込まれる可能性がある。そうなった場合には、ショット領域上のインプリント材21−2とモールド11との間にある、第1供給口22から供給されたパージガス23の濃度が低下する。このため、インプリント材21−2がモールド11の凹パターンに充填しきれなくなり、パターン欠陥が生じる可能性が高まる。この対応策として、第1供給口22から供給するパージガス23を多量に供給することで濃度を低下させない方法も考えられるが、コストが増加することになる。
そこで、制御部50は、基板13の移動経路における位置に応じて基板13の移動に応じて)、第2供給口24から供給される、ガスカーテンを形成するための気体の切り替えを制御する。本実施形態では例えば、制御部50は、インプリント材の配置が開始されてから基板搬送によりショット領域が第2供給口24に対する位置に到達するまでの間における所定のタイミングで、ガスカーテンを形成する気体を、CDAからパージガスに切り替える。この様子が、図2(b)に示されている。
図3(b)には、ショット領域26が第2供給口24に対する位置(第2供給口24からのガスがかかる位置)に到達する直前の位置で、第2供給口24から供給するガスがCDAからパージガスに切り替えられていることが示されている。従来例を示す図3(a)ではそのような切り替えは行われず、継続してCDAが供給される。このように本実施形態では、基板ステージ14の駆動に伴ってショット領域上のインプリント材21−2とモールド11との間に引き込まれる可能性のある第2供給口24からのガスを、CDAからパージガス23に切り替える。そのため、インプリント材21−2とモールド11との間に存在するパージガス23の濃度は低下することはない。これにより、インプリント材がモールドの凹パターンに充填しきれないことによりパターン欠陥が生じることを効果的に防止できる。
図5に、本実施形態におけるインプリント処理に係る制御部50による制御フローを示す。このインプリント処理を実行するにあたり、第1供給口22からはパージガスが供給され、第2供給口24からはエアカーテン用ガス25が供給される。なお、パージガスの供給は常時行われてもよいし、パージガス節約のため、モールド11と基板13上のインプリント材との接触の前後のタイミングでのみ行われるよう制御されてもよい。
まず、基板ステージ14を駆動して基板上のショット領域を配置位置に移動させた後、配置部20により、ショット領域にインプリント材を配置する(S1)。このとき、第2供給口24からはエアカーテン用ガス25としてCDAが供給されている。次に、制御部50は、切替弁33を制御して、第2供給口24から供給されるエアカーテン用ガス25を、CDAからパージガスに切り替える(S2)。なお、このガスの切り替えのタイミングについては後ほど説明する。
次に、基板ステージ14を駆動して、インプリント材が配置されたショット領域をインプリント位置に移動させる(S3)。その後、制御部50は、切替弁33を制御して、第2供給口24から供給されるエアカーテン用ガス25を、パージガスからCDAに戻す(S4)。なお、このガスの切り替えのタイミングについても後ほど説明する。
その後、モールド11と基板13のショット領域上のインプリント材との接触(S5)、インプリント材硬化のための露光(S6)、及び離型(S7)が実行される。離型完了後、全ショットについての処理が終了したか否かを判断する(S8)。ここでまだ残りのショットがある場合には、次のショット領域に対するインプリントのために処理はS1に戻る。全ショットについての処理が終了したところで、本処理は終了となる。
ここで、ステップS2において、第2供給口24から供給されるエアカーテン用ガス25をCDAからパージガス23に切り替えるタイミングについて説明する。上記したように、本実施形態では例えば、インプリント材の配置が開始されてから基板搬送によりショット領域が第2供給口24に対する位置に到達するまでの間における所定のタイミングで、エアカーテン用気体をCDAからパージガスに切り替える。基本的な考え方としては、ステップS5でモールドとインプリント材との接触が行われる際に、ショット領域上のインプリント材21−2とモールド11との間に引き込まれる可能性のあるエアカーテン用ガス25がパージガス23に切り替わっていればよい。したがって、ショット領域26が第2供給口24の下を通過し始めるまでに第2供給口24から供給されるガスをパージガス23に切り替えればよい。換言すると、上記「所定のタイミング」とは、移動機構14aによる基板の移動によってショット領域26がガスカーテンを横切る直前の時点であればよい。あるいは、ステップS1において基板13にインプリント材を配置している時点や配置し終わった時点で切り替えてもよい。すなわち、上記「所定のタイミング」とは、配置部20によるインプリント材の配置の実行中の時点、あるいは、配置部20によるインプリント材の配置が終了した時点であってもよい。さらには、前のショット領域の離型終了後かつ現在のショット領域へのインプリント材の配置前に、CDAからパージガスに切り替えてもよい。
次に、ステップS4において、第2供給口24から供給されるエアカーテン用ガス25をパージガスからCDAに戻すタイミングについて説明する。基本的な考え方としては、ステップS5でモールドとインプリント材との接触が行われる際、ショット領域上のインプリント材21−2とモールド11との間に、エアカーテン用ガス25が引き込まれなければよい。したがって、ショット領域26がモールド11の下(インプリント位置)に移動した直後にパージガス23からCDAに戻してもよい。あるいはモールドとインプリント材との接触中にパージガス23からCDAに戻すようにしてもよい。あるいは、ステップS5におけるモールドとインプリント材との接触完了後で、ステップS6のインプリント材硬化のための露光実行前のタイミングで、パージガス23からCDAに戻してもよい。
ステップS3において、制御部50は、ショット領域が配置作業空間42から処理空間41に移動する間、すなわち、ショット領域がガスカーテンを横切る間、第2供給口24から供給されるパージガス23の供給量又は流速を減少させるように制御してもよい。そうすることで、ショット領域上のインプリント材の揮発及び乾燥の少なくともいずれかが防止される。
以上説明した構成によれば、基板の移動に伴うガスカーテンの気体巻き込みを低減できる。これにより、基板へのパーティクル付着の可能性が低下するとともに、インプリント材とモールドとの間に供給されるパージガスの濃度低下を抑えることができ、パターン欠陥の発生を抑制することができる。これは従来のインプリント装置では両立し得ない課題を解決できたことを意味する。本実施形態によれば、従来のインプリント装置の課題が解決され、より正確なパターン形成を実現することができる。
<第2実施形態>
上述の実施形態においては、第2供給口24がモールド11や第1供給口22を取り囲むように複数設けられている例を示した。ところで、上述の実施形態において、全期間でエアカーテン用ガスにパージガスを使用するのではなく、所定期間中のみパージガスを使用するようにしたのは、パージガスのコストを考慮したからである。さらに言えば、パージガスを節約するという観点からは、複数の第2供給口の全てにおいてパージガスを使用する必要もない。そこで以下の第2実施形態では、複数の第2供給口のうちの一部のみでエアカーテン用ガスにパージガスを使用する構成例を説明する。
本実施形態におけるインプリント装置の概略構成は第1実施形態と同様なので、図1を援用する。図4において、モールド11及び第1供給口22を取り囲むように複数の第2供給口24が設けられている。複数の第2供給口24のそれぞれは、例えば吐出ノズルにより構成されうる。ここで、複数の第2供給口24は、第1部分供給口241と第2部分供給口242とを含む。第1部分供給口241は、複数の第2供給口24のうち配置部20に最も近い位置にある一部の供給口であり、基板13が移動経路に沿って第2供給口24の下を通過する際にショット領域26の上方に位置する。本実施形態において、第2部分供給口242は、複数の第2供給口24のうち第1部分供給口241以外の供給口である。そして、複数の第2供給口24のうち第1部分供給口241のみ、エアカーテン用ガスとしてCDA又はパージガスが選択的に供給されるように構成されている。
ここで、ショット領域へのインプリント材の配置が開始されてからショット領域が第1部分供給口241の下の位置に到達するまでの間における所定のタイミングで、第1部分供給口241からのエアカーテン用ガスをCDAからパージガスに切り替える。このように、複数の第2供給口24の全てからパージガスが供給されることはないので、パージガスの使用量を削減することができる。
また、第1部分供給口241は、平面視で基板の移動経路の方向(配置部20からインプリント位置に向かう方向。例えばX軸方向)と直交する方向に関して配置部20におけるインプリント材の吐出部の幅aより大きい幅bとなる個数の供給口からなる。このことが、図4における拡大図に示されている。よって、ショット領域26の上方を通過する第1部分供給口241は、ショット領域26よりも大きい。
また、第2部分供給口242のうち、インプリント位置から見て、配置部20と反対側にある部分から供給されるエアカーテン用ガスは、基板ステージ14の駆動に伴い基板上のインプリント材21−2とモールド11との間に引き込まれることはない。したがって、第1部分供給口241が複数の第2供給口24のうちの半数を超える必要はない。本実施形態において、第1部分供給口241は、複数の第2供給口24のうち、配置部20に最も近い供給口と、その左右に隣接する所定個数の供給口とを含む、半数以下の供給口からなる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板上のインプリント材に上記インプリント装置を用いてパターン形成を行う工程(インプリント処理を基板に行う工程)と、かかる工程でパターンを形成された基板(インプリント処理を行われた基板)を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
10:インプリント装置、14:基板ステージ、14a:移動機構、20:配置部、22:第1供給口、24:第2供給口、31:第1タンク、32:第2タンク、33:切替弁

Claims (13)

  1. 型を基板の上のインプリント材に接触させて前記基板の上にパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記基板のショット領域に前記インプリント材を配置する配置部と、
    前記接触が行われるインプリント位置と前記配置部による配置が行われる配置位置との間の移動経路に沿って前記基板を移動させる移動機構と、
    前記型と前記配置部との間に設けられた第1供給口から、前記インプリント位置における前記型と前記ショット領域に配置された前記インプリント材との間に第1気体を供給する第1供給部と、
    前記第1供給口と前記配置部との間に設けられた第2供給口から、前記インプリント位置と前記第1供給口とを含む処理空間と前記配置位置を含む配置作業空間とを仕切るようなガスカーテンを形成するための気体を供給する第2供給部であって、前記ガスカーテンを形成するための気体として、前記第1気体と前記第1気体とは異なる第2気体とを含む、複数の気体から選択される気体を供給可能に構成された第2供給部と、
    前記基板の前記移動経路における位置に応じて、前記第2供給部により供給される前記ガスカーテンを形成するための気体の選択を制御する制御部と、
    を有することを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記制御部は、前記配置部により前記ショット領域への前記インプリント材の配置が開始されてから前記移動機構による前記基板の移動によって前記ショット領域が前記第2供給口に対する位置に到達するまでの間における所定のタイミングで、前記ガスカーテンを形成するための気体を、前記第2気体から前記第1気体に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記所定のタイミングは、前記配置部による前記インプリント材の配置の実行中の時点であることを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  4. 前記所定のタイミングは、前記配置部による前記インプリント材の配置が終了した時点であることを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御部は、更に、前記移動機構による前記基板の移動によって前記ショット領域が前記インプリント位置に移動した後のタイミングで、前記ガスカーテンを形成するための気体を、前記第1気体から前記第2気体に切り替えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記制御部は、更に、前記移動機構による前記基板の移動によって前記ショット領域が前記インプリント位置に移動した後、前記接触の実行中に、前記ガスカーテンを形成するための気体を、前記第1気体から前記第2気体に切り替えることを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。
  7. 前記制御部は、更に、前記移動機構による前記基板の移動によって前記ショット領域が前記ガスカーテンを横切る間、前記第2供給口から供給される前記第1気体の供給量又は流速を低減させることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記第1気体は、前記接触により前記型を透過する透過性気体、及び、前記接触により液化する凝縮性気体の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記第2気体は、クリーンドライエアであることを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。
  10. 前記第2供給口は、前記型及び前記第1供給口を取り囲むように複数設けられ、
    前記複数の第2供給口のうちの前記配置部に近い一部の供給口からのみ、前記第1気体又は前記第2気体が選択的に供給されるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  11. 前記一部の供給口は、平面視で前記移動経路の方向と直交する方向に関して前記配置部における前記インプリント材の吐出部の幅より大きい幅となる個数の供給口からなることを特徴とする請求項10に記載のインプリント装置。
  12. 前記一部の供給口は、前記複数の第2供給口のうち、前記配置部に最も近い供給口と、その左右に隣接する所定個数の供給口とを含む、半数以下の供給口からなることを特徴とする請求項11に記載のインプリント装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いてパターン形成を基板に行う工程と、
    前記工程で前記パターン形成を行われた前記基板を処理する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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