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JP2016020430A - 防汚塗料組成物、防汚膜、防汚膜の製造方法および防汚基材 - Google Patents

防汚塗料組成物、防汚膜、防汚膜の製造方法および防汚基材 Download PDF

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JP2016020430A JP2014144372A JP2014144372A JP2016020430A JP 2016020430 A JP2016020430 A JP 2016020430A JP 2014144372 A JP2014144372 A JP 2014144372A JP 2014144372 A JP2014144372 A JP 2014144372A JP 2016020430 A JP2016020430 A JP 2016020430A
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Abstract

【解決手段】(A)1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、(C)金属硬化触媒、(D)銅または亜鉛の酸化物、(E)アルコールを含有し、(E)アルコールの含有比率が1〜20重量%であることを特徴とする防汚塗料組成物。
【効果】本発明の防汚塗料組成物は硬化性に優れており、海中防汚用途の基材に対する施工に求められる速乾性を有する。その上、本発明の防汚塗料組成物は、触媒活性調整剤として銅または亜鉛の酸化物に対して高い反応性を有するβ−ジケトン化合物を使用せず、かわりにアルコールを使用することにより、銅または亜鉛の酸化物による防汚機能を保持しながら、高い硬化性と相反する傾向にある組成物調製後の可使時間についても長い時間を確保することができるため施工性に優れている。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた防汚性能を付与する防汚膜を形成することができ、かつ十分な可使時間を確保することができる防汚塗料組成物に関する。
オルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物から形成される防汚塗膜は、船舶、水中構造物、漁網、漁具等への水棲生物の付着を防止するために広く用いられている。オルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物から形成した塗膜は、その低表面自由エネルギー、低弾性率などの特性により、フジツボ、イガイなどのマクロ生物の付着や定着を防止する。さらに、細菌分泌物の被膜であるスライムの付着を防止するなど、ミクロ生物に対しても高い防汚性能が要求されている。このような需要向けに、防汚塗料組成物に生理活性を有する亜酸化銅などの防汚剤を追加配合する手法が検討されている。
しかしながら、防汚剤成分は有効な生理活性を示す一方で、オルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物の樹脂、架橋剤、硬化触媒、添加剤といった主構成成分との反応性が高いため、塗料物性等への弊害を理由に、実用上は配合に制約を受ける場合が多いという課題があった。その例の一つとして、当該分野において施工に要求される塗膜速乾性、塗料調製後の可使時間の確保のため、オルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物は、金属硬化触媒と、触媒活性調整剤となるβ−ジケトン化合物とを組合せて用いられることが一般的であるが、金属硬化触媒とβ−ジケトン化合物とを含む防汚塗料組成物に、防汚剤として有用な亜酸化銅などの金属酸化物を添加すると、金属酸化物とβ−ジケトン化合物との高い反応性に起因して、塗料調製後の可使時間が短くなるという問題が発生する。
特許文献1には、オルガノポリシロキサン、3−イソチオゾロン類から選択される殺生物剤を含有するシリコーン・コーティングシステムが記載されている。このコーティングシステムは、3−イソチオゾロン類から選択される殺生物剤を含む接着層と、殺生物剤を含んでも含まなくてもよいオルガノポリシロキサン系塗膜からなる放出層の2層を実質的に必要とする積層システムである。しかし、オルガノポリシロキサン系塗料組成物に3−イソチオゾロン類を配合した場合、実際には塗膜形成過程で3−イソチオゾロン類に起因する表面異常や付着不良が発生するため、3−イソチオゾロン類の配合は難しいという問題がある。
特許文献2には、ポリシロキサンを基材としたバインダー系、親水性−変性ポリシロキサン、および殺生物剤を含む付着抑制塗料組成物が記載されている。この塗料組成物は全て含錫硬化触媒および2,4−ペンタンジオンを含んでおり、金属酸化物を添加することはできない。
特許文献3には、(A)アルコキシシリル基を末端に有するポリジメチルシロキサン、(B)アルコキシシランの部分加水分解縮合物、(C)有機チタン系触媒、(D)脂肪族炭化水素系溶剤またはエステル系溶剤、(E)アルコール系溶剤からなる撥水コーティング用シリコーン組成物が記載されている。
特許文献4には、(A)アルコキシ基およびポリオキシエチレン鎖を有するオルガノポリシロキサン、(B)シラノール基またはアルコキシシリル基を末端に有するシリコーン樹脂、(C)縮合反応促進触媒、(D)アルコール、ケトン、およびエーテルから選択される溶剤を含む引火点20℃以上の希釈剤を含有するコーティング用組成物が記載されている。
特許文献5には、(A)水酸基または加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンを、(B)融点30℃以上のアミンをアルコール類等の有機溶剤に溶解させてなる溶液、(C)架橋剤、(D)硬化触媒を含む室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が記載されている。
特許文献6には、ポリシロキサン等を含むシリコーン油とアルコール等を含む溶剤からなる疎水性表面処理組成物が記載されている。本文献に記載されている組成物は海中防汚用途に十分な性能を有する組成は示していない。
特許文献3〜6に記載されている組成物は、良好な速乾性、貯蔵安定性を有する等の長所が示されているが、海中防汚用途で求められる高度の防汚性の発揮は期待できない。
特許文献7には、(A)高分岐度オルガノポリシロキサン(シリコーンレジン)、(B)アルコール系溶剤、(C)炭化水素系溶剤および/またはジメチルシリコーン、(D)アルコキシシランおよび/またはシランカップリング剤、(E)縮合反応用触媒からなる撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物が記載されている。本文献に記載されているようなシリコーンレジン系組成物から形成される塗膜は海中防汚用途に適したゴム弾性を有していない。
特表平10−501272号公報 特表2013−515122号公報 特開2002−356651号公報 特開2004−256586号公報 特開2008−81663号公報 特表2006−502837号公報 特開2007−8967号公報
本発明は、かかる従来技術に伴う問題を解決するためのものであり、亜酸化銅などの金属酸化物系防汚剤を配合することで高度な防汚性を有する防汚膜を形成することができ、かつ良好な硬化性および可使時間を有するオルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した問題点を解決すべく鋭意検討を進めた結果、
(A)1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
(C)金属硬化触媒、
(D)銅または亜鉛の酸化物、
(E)アルコール、
を含有し、(E)アルコールの含有比率が1〜20重量%であることを特徴とする防汚塗料組成物を用いることで、予期せぬ高い効果が得られ、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記防汚塗料組成物に含まれる銅または亜鉛の酸化物(D)としては亜酸化銅が好ましい。
上記防汚塗料組成物に含まれるアルコール(E)としては炭素数が5以下のアルコールが好ましく、さらにはN−ブタノールであることが好ましい。
上記防汚塗料組成物に含まれる金属硬化触媒(C)としてはスズ硬化触媒が好ましい。
上記防汚塗料組成物に含まれる1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)は、下記一般式[I]で表されるものであることが好ましい。
Figure 2016020430
(式中、R2はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基を示し、
rは1〜3の整数であり、
sは10〜10,000の整数である。)
上記防汚塗料組成物はさらに、(F)下記一般式[II]で表される(A)以外のオルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。
Figure 2016020430
(式中、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基;または末端が炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基もしくは縮合反応性基をケイ素上にもつシリル基により封止されていてもよい炭素原子数2〜100のポリオキシアルキレン基であり、uは1〜10,000の整数である。)
上記防汚塗料組成物はさらに、(G)成分(D)以外の防汚剤を含有することが好ましい。
前記防汚塗料組成物を調製するためのキットであって、前記(A)オルガノポリシロキサンを含む主剤コンポーネントおよび前記(C)金属硬化触媒を含む硬化剤コンポーネントを備えた防汚塗料組成物調製用キットを提供することができる。
また、本発明に係る防汚膜は、上記の防汚塗料組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明に係る防汚膜の製造方法は、前記防汚塗料組成物を塗布して防汚膜を得ること特徴とする。
本発明に係る防汚基材は、基材を上記の防汚膜で被覆してなることを特徴とする。
前記基材は、船舶、水中構造物、漁具の何れかであることが好ましい。
本発明に係る基材の防汚方法は、基材を上記の防汚膜で被覆することを特徴とする。
本発明に係る防汚基材の製造方法は、上記の防汚塗料組成物を基材に塗布もしくは含浸させる工程と、該工程により前記基材に塗布され、もしくは含浸した前記防汚塗料組成物を硬化させる工程とを備えるか、または前記防汚塗料組成物から塗膜を形成し、この塗膜を硬化させて貼付用の防汚膜を作る工程と、前記防汚膜を基材に貼付する工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高度な防汚性を有する防汚膜を形成することができ、かつ良好な硬化性および可使時間を有するオルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物が得られる。
本発明の防汚塗料組成物は硬化性に優れており、海中防汚用途の基材に対する施工に求められる速乾性を有する。その上、本発明の防汚塗料組成物は、触媒活性調整剤として銅または亜鉛の酸化物に対して高い反応性を有するβ−ジケトン化合物を使用せず、かわりにアルコールを使用することにより、銅または亜鉛の酸化物による防汚機能を保持しながら、高い硬化性と相反する傾向にある組成物調製後の可使時間についても長い時間を確保することができるため施工性に優れている。
さらに、本発明の防汚塗料組成物は汎用的に用いられるジケトン化合物を含有しないため、貯蔵時に包装缶の腐食が発生せず、塗装時の臭気も低減できるという効果がある。
さらに本発明の防汚塗料組成物は防汚剤として銅または亜鉛の酸化物を用いるため、有機系の防汚剤を使用する組成物と比較して海中での防汚剤の変質が少なく、長期間高い防汚性を発揮する防汚膜を得ることができる。
−防汚塗料組成物−
本発明に係る防汚塗料組成物は、
(A)1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
(C)金属硬化触媒、
(D)銅または亜鉛の酸化物、
(E)アルコール、
を含有し、(E)アルコールの含有比率が1〜20重量%である。
以下、各成分について順に説明する。
<(A)1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン>
1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)は、具体的には下記一般式[I]で表される化合物が好適である。
Figure 2016020430
上記一般式[I]中、R2はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基である。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、たとえば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基およびシクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリール基としては、たとえば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、たとえば、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基としては、たとえば、前記アルキル基に含まれる水素原子の一部または全部をフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換して形成される基が挙げられる。
2は、好ましくはメチル基である。
上記一般式[I]中、rは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
上記一般式[I]中、sは10〜10,000の整数であり、好ましくは100〜1,000である。
1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が好ましくは500〜1,000,000であり、より好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜50,000である。また、23℃における粘度が、好ましくは20〜100,000mPa・s、より好ましくは100〜10,000mPa・s、さらに好ましくは500〜5,000mPa・sである。重量平均分子量および粘度がこの範囲にあると、防汚塗料組成物の製造作業性、スプレー霧化性、塗膜硬化性、形成された塗膜の強度に優れる点で好ましい。
1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)は、防汚塗料組成物中に、通常20〜90重量%、好ましくは50〜70重量%の量で含まれる。また、オルガノポリシロキサン(A)は、防汚塗料組成物に含まれる固形分の重量に対して、通常30〜95重量%、好ましくは60〜90重量%の量で含まれる。オルガノポリシロキサン(A)の含有量がこの範囲にあると、良好な塗膜強度、ゴム弾性を発揮する塗膜を形成することができ、長期間防汚性を発揮する防汚膜を得ることができる。
こうした1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)は、市販されているものを使用することができる。例えば、「DMS−S35」(GELEST社製品)などが挙げられる。
<(B)1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物>
前記1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシランは、下記一般式[III]で表される化合物であることが好ましい。前記1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシランの部分加水分解縮合物は、下記一般式[III]で表される化合物の部分加水分解縮合物であることが好ましい。
Figure 2016020430
上記一般式[III]中、R4は独立に炭素原子数1〜6の炭化水素基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などの直鎖状もしくは分枝状アルキル基、シクロヘキシル基などの環状アルキル基、ビニル基などのアルケニル基、またはフェニル基などのアリール基であり、好ましくはメチル基、エチル基である。
上記一般式[III]において、Yは、独立に加水分解性基であり、例えば、アルコキシ基、オキシム基、アセチルオキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、イミノキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基等が挙げられ、好ましくはアルコキシ基またはオキシム基である。
アルコキシ基としては、総炭素数が1〜10のものが好ましく、また炭素原子間の1箇所以上に酸素原子が介在していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等が挙げられる。
オキシム基としては、総炭素数が1〜10のものが好ましく、たとえば、ジメチルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、メチルイソプロピルケトオキシムなどが挙げられる。
アセチルオキシ基としては、総炭素数が1〜10の脂肪族系または総炭素数6〜12の芳香族系のものが好ましく、たとえば、アセトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
アシロキシ基としては、式:RCOO−(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基)で示される脂肪族系または芳香族系のものが好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、炭素数3〜10のものが好ましく、例えば、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等が挙げられる。
イミノキシ基(=N−OH;オキシイミノ基、ケトオキシム基とも言う。)としては、炭素数3〜10程度のものが好ましく、例えば、ケトオキシム基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、シクロペンタノキシム基、シクロヘキサノキシム基等が挙げられる。
アミノ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。
アミド基としては、総炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等が挙げられる。
アミノオキシ基としては、総炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、N,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基等が挙げられる。
dは0〜2の整数であり、0が好ましい。
こうしたオルガノシランおよびその部分加水分解縮合物は、市販されたものを用いることができる。例えば、テトラエチルオルトシリケートとしては「エチルシリケート28」(コルコート社製)、「正珪酸エチル」(多摩化学工業(株)製)、テトラエチルオルトシリケートの部分加水分解縮合物としては「シリケート40」(多摩化学工業(株)製)、「TES40 WN」(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、アルキルトリアルコキシシランとしては「KBM−13」(信越化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記の1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(B)は、防汚塗料組成物中に、一般的に0.1〜50重量%の量で含有され、通常、1〜30重量%の量、好ましくは3〜15重量%の量で含有される。(B)成分の含有量がこの範囲にあると、防汚塗料組成物の硬化速度を適度に保持することができ、硬化させて得られる防汚膜が優れた強度、ゴム物性を発揮することができる。
<(C)金属硬化触媒>
金属硬化触媒(C)は、1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)、1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(B)のそれぞれの縮合反応あるいは前記(A)成分と(B)成分との縮合反応を促進するための触媒であり、塗膜の硬化反応を促進して塗装後に硬化膜をより早く得られるようにする。
金属硬化触媒(C)は、好ましくはスズ硬化触媒である。
金属硬化触媒(C)としては例えば、特開平4−106156号公報(特許第2522854号公報)に記載されているものを好適に使用できる。具体的には、ナフテン酸錫、オレイン酸錫等のカルボン酸錫類;ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫アセトアセトネート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジペントエート、ジブチル錫ジオクトエート、 ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ジブチル錫ビス(エチルマレート)およびジオクチル錫ビス(エチルマレート)等の錫化合物類;テトライソプロポキシチタン、テトラ−N−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチルグリコール等のチタン酸エステル類あるいはチタンキレート化合物;ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物類;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩類等が挙げられる。
こうした金属硬化触媒(C)は市販されているものを使用することができる。例えば、「NEOSTAN U−100」(日東化成(株)製)などが挙げられる。
金属硬化触媒(C)の含有量は、防汚塗料組成物中に、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下の量であり、該触媒を使用する場合の下限値は好ましくは0.001重量%、特に好ましくは0.01重量%である。金属硬化触媒(C)の含有量がこの範囲にあると塗膜硬化速度と組成物調製後の可使時間とのバランスが良い防汚塗料組成物となる。
<(D)銅または亜鉛の酸化物>
銅または亜鉛の酸化物(D)は、防汚塗料組成物から得られる防汚膜の防汚性を向上させる成分である。銅または亜鉛の酸化物(D)としては、亜酸化銅または酸化亜鉛であることが好ましく、亜酸化銅であることがさらに好ましい。また、亜酸化銅と酸化亜鉛を併用してもよい。
こうした亜酸化銅は市販されているものを使用することができる。例えば、「RedCopp97N Premium」、「LOLO TINT 97」(アメリカンケメットコーポレーション社製)、「亜酸化銅NC−803」(日進ケムコ(株)製)などが挙げられる。
銅または亜鉛の酸化物(D)の含有量は、防汚塗料組成物中において、通常1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%である。銅または亜鉛の酸化物(D)の含有量がこの範囲にあると本組成物から形成される防汚膜に高度な防汚性を付与することができる。
<(E)アルコール>
アルコール(E)は、本発明の防汚塗料組成物において、金属硬化触媒に対する触媒活性調整剤として汎用的に使用されているβ−ジケトン化合物の代替として使用される成分である。前述のとおり、金属硬化触媒とアセチルアセトン等のβ−ジケトン化合物とを含む防汚塗料組成物に、防汚剤として銅または亜鉛の酸化物などの金属酸化物を添加すると、金属酸化物とβ−ジケトン化合物との高い反応性に起因して、塗料調製後の可使時間が短くなるという問題が発生する。本発明の防汚塗料組成物においては、β−ジケトン化合物の代替としてアルコール(E)を含有することにより、金属硬化触媒に対する触媒活性調整機能を維持しながら、金属酸化物との反応を抑止することができ、その結果、塗料調製後の可使時間を十分に確保することができる。
アルコール(E)としては、エーテル基が鎖中に含まれていてもよい直鎖、分岐鎖、環状のアルコールを挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
アルコール(E)としては、炭素数5以下のアルコールが好ましく、特にN−ブタノールが好ましい。アルコール(E)が炭素数5以下のアルコール、特にN−ブタノールであると、塗料混合後の可使時間として長い時間が得られやすい。
アルコール(E)の含有量は、防汚塗料組成物中に1〜20重量%であり、好ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは4〜8重量%である。防汚塗料組成物にアルコール(E)が含有されていれば本発明の上記効果を得ることができるが、アルコール(E)の含有量が1重量%以上であると、特に塗料混合後の可使時間として長い時間が得られやすい。また、アルコール(E)の含有量が20重量%を超えると、防汚塗料組成物の粘度の過剰な低下により十分なタレ止め性を得ることが困難となる。
<任意成分>
本発明に係る防汚塗料組成物は、1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)、1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(B)、金属硬化触媒(C)、銅または亜鉛の酸化物(D)、アルコール(E)に加えて、オルガノポリシロキサン(A)以外のオルガノポリシロキサン(F)、成分(D)以外の防汚剤(G)、シリカ(H)、充填剤(I)、アルコール(E)以外の有機溶剤(J)、タレ止め,沈降防止剤(K)、シランカップリング剤(L)、その他の塗膜形成成分(M)、無機脱水剤(N)、難燃剤(O)、チクソトロピー性付与剤(P)、熱伝導改良剤(Q)等を含有していてもよい。
〔(F)オルガノポリシロキサン(A)以外のオルガノポリシロキサン〕
オルガノポリシロキサン(A)以外のオルガノポリシロキサン(F)は下記一般式[II]で表されるものであることが好ましい。
Figure 2016020430
上記一般式[II]中、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基;または、末端が炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基または縮合反応性基をケイ素上にもつシリル基により封止されていてもよい炭素原子数2〜100のポリオキシアルキレン基であり、メチル基およびフェニル基、またはメチル基およびポリオキシアルキレン基であることが好ましい。
前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基については、前記一般式[I]におけるこれらの基と同様である。
前記末端が炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基または縮合反応性基をケイ素上にもつシリル基により封止されていてもよい炭素原子数2〜100のポリオキシアルキレン基において、前記炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基または縮合反応性基は好ましくは一般式[III]において示した前記加水分解性基であり、さらに好ましくはオキシム基である。ポリオキシアルキレン基の炭素原子数が好ましくは12〜30であり、さらに好ましくは15〜21である。
上記一般式[II]中、uは1〜10,000の整数である。
上記一般式[II]中、R3がメチル基およびフェニル基であるオルガノポリシロキサン(F)としては、例えば、「KF−54」、「KF−56」、「KF−50」(信越化学工業(株)製)、「SH510」、「SH550」(東レダウコーニング(株)製)、「TSF431」(東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものが挙げられる。
上記一般式[II]中、R3がメチル基およびポリオキシアルキレン基であるオルガノポリシロキサン(F)としては、「FZ−2191」(アルキレングリコール変性シリコーンオイル、東レダウコーニング(株)製)、「FZ−2101」(アルキレングリコール変性シリコーンオイル、東レダウコーニング(株)製)、「X−22−4272」(末端水酸基封止/アルキレングリコール変性シリコーンオイル、信越化学工業(株)製)、「BY16−839」(脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、東レダウコーニング(株)製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
オルガノポリシロキサン(F)の含有量は、防汚塗料組成物中に、通常0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%である。オルガノポリシロキサン(F)の含有量がこの範囲であることで、防汚塗料組成物のチクソ性を適度に向上させることでタレ止め性を改善し厚膜塗装を可能にすることができ、さらに防汚膜の防汚性能を向上させることができる。
〔(G)成分(D)以外の防汚剤〕
成分(D)以外の防汚剤(G)は、有機系、無機系の何れであってもよい。
有機系防汚剤としては、例えば、下記一般式[IV]で表されるピリチオン塩化合物、テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメート系の化合物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、マンガン−2エチレンビスジチオカーバメート)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、2−(p−クロロフェニル)−3―シアノー4−ブロモー5−トリフルオロメチルピロール、(RS)−4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−3H−イミダゾール、4,5−ジクロローN−オクチルー4−イソチアゾリンー3−オン、ピリジントリフェニルボラン、p−イソプロピルピリジンメチルジフェニルボラン等を挙げることができ、下記一般式[IV]で表されるピリチオン塩化合物を含むことが好ましい。
Figure 2016020430
上記一般式[IV]中、R3はそれぞれ独立に水素原子、または炭素原子数1〜6のアルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基を示し、MはZn、Cu、Na、Mg、Ca、Ba、Fe、またはSrの金属原子を示し、nは金属Mの価数である。
無機系防汚剤としては、従来公知のものを使用できるが、この中でも銅、チオシアン酸銅が好ましい。
防汚剤(G)は、1種類を単独で用いてもよいし、複数の種類を組み合わせて用いてもよい。
成分(D)以外の防汚剤(G)を含有することによって、形成塗膜の水中防汚性をさらに向上させることができる。防汚剤(G)の含有量としては、防汚塗料組成物中に、0.1〜30重量%が好ましい。
〔(H)シリカ〕
シリカ(H)は、組成物の使用前に、前述の1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)または(A)以外のオルガノポリシロキサン(F)と混練されていてもよく、防汚塗料組成物における上記オルガノポリシロキサンを含有する各コンポーネントの調製前に、あらかじめオルガノポリシロキサンと混練されていてもよい。
シリカ(H)は、湿式法シリカ(水和シリカ)、乾式法シリカ(フュームドシリカ、無水シリカ)等の親水性シリカ(表面未処理シリカ)、および、疎水性湿式シリカ、疎水性フュームドシリカ等の表面処理された疎水性シリカを用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
湿式法シリカは、特に限定されないが、例えば、吸着水分含量4〜8%程度、嵩密度200〜300g/L、1次粒子径10〜30μm、比表面積(BET表面積)10m2/g以上のものを使用できる。
乾式法シリカは、特に限定されないが、例えば、水分含量が1.5%以下、嵩密度50〜100g/L、1次粒子径8〜20μm、比表面積10m2/g以上のものを使用できる。
疎水性フュームドシリカは、乾式法シリカをメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の有機珪素化合物で表面処理したものである。疎水性フュームドシリカの経時的な水分吸着は少なく、水分含量は通常0.3%以下、多くの場合0.1〜0.2%である。このような疎水性フュームドシリカとしては、特に限定されないが、例えば、1次粒子径5〜50μm、嵩密度50〜100g/L、比表面積10m2/g以上のものを使用できる。
なお、以下に述べるように、前述のオルガノポリシロキサンと共に熱処理することにより、シリカの表面に吸着している水分は物理的に低減、除去される。その結果、熱処理疎水性ヒュームドシリカの水分含量は通常、0.2%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05〜0.1%である。嵩密度等のその他の物性値は、熱処理前の上記疎水性シリカと同様のままである。
このようなシリカは市販されているものを用いることができる。例えば、日本アエロジル製「R974」、「RX200」などが挙げられる。
シリカ(H)を前述のオルガノポリシロキサンと混練して使用する場合、オルガノポリシロキサンとシリカとを予め加熱処理することにより形成される熱処理物、または、この熱処理物および加熱処理していないオルガノポリシロキサンの混合物を用いることが好ましい。シリカを、オルガノポリシロキサンの一部または全部と共にあらかじめ加熱処理することにより、両成分の親和性を向上させ、シリカの凝集を抑制するなどの効果が得られるためである。この加熱処理は、例えば、常圧下または減圧下に、100℃以上で配合成分の分解温度以下、好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは140〜200℃の温度で、通常3〜30時間程度加熱すればよい。
シリカは、前述のオルガノポリシロキサンの重量に対し、通常1〜100重量%、好ましくは2〜50重量%、更に好ましくは5〜30重量%の割合で含有される。シリカの含有量が上記の範囲内にあれば、防汚塗料組成物が好適なチクソトロピー性を示すことで、1回の塗装、特にスプレー塗装で所望の膜厚を得ることができ、さらに高い強度、硬度の塗膜が得られる。
上記のようなシリカを用いることにより、得られる防汚塗料組成物の調製または保管時の安定性が増し、流動性、チクソトロピー性が良好になり、垂直塗装面などに対しても充分な厚みの塗膜を少ない塗装回数で形成でき、さらに得られる塗膜の硬さ、引張強さ、伸び等の物性にバランス良く優れるなどの効果が得られる。
〔(I)充填剤〕
充填剤(I)としては、従来公知の有機系、無機系の各種顔料やその他充填剤を用いることができる。
有機系顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、紺青等が挙げられる。
無機系顔料としては、チタン白(酸化チタン)、ベンガラ、バライト粉、タルク、白亜、酸化鉄粉等のように中性で非反応性のもの;鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸性物質と反応性のもの(活性顔料)等が挙げられる。その他の充填剤は、けいそう土、アルミナ等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;その他、アスベスト、ガラス繊維、石英粉、水酸化アルミニウム、金粉、銀粉、表面処理炭酸カルシウム、ガラスバルーン等が挙げられる。また、これらの表面をシラン化合物で表面処理したものを用いてもよい。これらの充填剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、これらの充填剤は染料等の各種着色剤を含むこともできる。
充填剤(I)を防汚塗料組成物に含有させることによって塗膜の強度を向上させることができ、さらに下塗り塗膜を隠蔽することで、下塗り塗膜の紫外光による劣化を防止することができる。充填剤(I)の含有量は、防汚塗料組成物中に、0.1〜30重量%であることが好ましい。
〔(J)アルコール(E)以外の有機溶剤〕
本発明の防汚塗料組成物は、アルコール(E)以外の有機溶剤(J)を本発明の目的に反しない範囲内で含有することができる。
有機溶剤(J)としては、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、ケトン系、エステル系のものを用いることができ、好ましくは芳香族系炭化水素系である。
芳香族炭化水素系の有機溶剤としては例えば、トルエン、キシレン、スチレン、メシチレン、などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系の有機溶剤としては例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられる。
脂環族炭化水素系の有機溶剤としては例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
ケトン系の有機溶剤としては例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、炭酸ジメチルなどが挙げられる。
エステル系の有機溶剤としては例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
有機溶剤(J)の配合により防汚塗料組成物の粘度を低減し、塗装作業性を向上させることができる。
有機溶剤(J)の含有量は、防汚塗料組成物の粘度によって好ましい量が決定されるが、防汚塗料組成物中に、通常0〜50重量%である。含有量が多すぎる場合、タレ止め性の低下等の不具合が発生する。
〔(K)タレ止め、沈降防止剤〕
タレ止め、沈降防止剤(K)としては、有機粘土系ワックス(Al、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩等)、有機系ワックス(ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、アマイドワックス、ポリアマイドワックス、水添ヒマシ油ワックス等)、有機粘土系ワックスと有機系ワックスの混合物、合成微粉シリカ等が挙げられる。
タレ止め、沈降防止剤(K)は一般に市販されているものを用いることができる。例えば、楠本化成(株)製の「ディスパロン305」、「ディスパロン4200−20」等の他、「ディスパロンA630−20X」等の商品名で市販されているものを用いることができる。
タレ止め、沈降防止剤(K)の含有量は、防汚塗料組成物中に、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
〔(L)シランカップリング剤〕
シランカップリング剤(L)は、アルコキシシリル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、ヒドロシリル基、メルカプト基、イソシアネート基、(メタ)アクリル基等の基を1種または2種以上含有するシランカップリング剤が好ましく、特にアミノ基を有するものが好ましい。アミノ基を有するシランカップリング剤としては例えば、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−(2−アミノエチル)アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、他のシランカップリング剤として、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリエトキシシラン等を挙げることもできる。また、シランカップリング剤は、これらの複数のものの混合物を用いてもよい。
シランカップリング剤(L)の配合によって、下塗り塗膜または基材との付着をより強固にする、あるいは防汚塗料塗膜の強度を向上させることができる。シランカップリング剤(L)の含有量としては、防汚塗料組成物中に、0.01〜1重量%が好ましい。
〔(M)その他の塗膜形成成分〕
本発明の防汚塗料組成物は、主たる樹脂成分であるオルガノポリシロキサン以外の塗膜形成成分を、その他の塗膜形成成分(M)として、本発明の目的に反しない範囲内で含有することができる。
その他の塗膜形成成分(M)としては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂(ゴム)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、塩化ゴム(樹脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、トリアルキルシリルアクリレート(共)重合体(シリル系樹脂)、石油樹脂等の難水溶性あるいは非水溶性樹脂 が挙げられる。
〔(N)無機脱水剤〕
無機脱水剤(N)としては、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ等)、シリケート類等が挙げられ、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような無機脱水剤は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
無機脱水剤(N)は安定剤としても機能し、防汚塗料組成物がこの成分を含有することで、防汚塗料組成物中の水分による劣化を防止し、貯蔵安定性を一層向上させることができる。無機脱水剤(N)の含有量としては、防汚塗料組成物中に、0.1〜10重量%が好ましい。
〔(O)難燃剤〕
難燃剤(O)としては、酸化アンチモン、酸化パラフィンなどが挙げられる。
〔(P)チクソトロピー性付与剤〕
チクソトロピー性付与剤(P)としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びこれらの誘導体等が挙げられる。
〔(Q)熱伝導性改良剤〕
熱伝導改良剤(Q)としては、窒化ホウ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。
−防汚塗料組成物の調製方法−
本発明の防汚塗料組成物は、上記成分を混合することにより調製することができる。
(防汚塗料組成物のコンポーネント)
本発明に係る防汚塗料組成物は、1のコンポーネントからなる1液型の塗料として提供されても、2以上のコンポーネントからなる多液型の塗料として提供されてもよい。2以上のコンポーネントからなる多液型である場合、各コンポーネントを混合することにより本発明に係る防汚塗料組成物が調製される。
(多液型防汚塗料組成物/防汚塗料組成物調製用のキット)
本発明に係る防汚塗料組成物が2以上のコンポーネントからなる多液型の塗料として提供される場合、これらの各コンポーネント(各液)は、それぞれ1または複数の成分を含有しており、別個に包装された後、缶などの容器に入れられた状態で貯蔵保管される。塗装時にそれらのコンポーネントの内容物を混合・攪拌して防汚塗料組成物を調製する。すなわち、本発明は一側面において、本発明に係る防汚塗料組成物を調製するための、上記のようなコンポーネントからなるキットを提供する。
オルガノポリシロキサン系の防汚塗料組成物については、一般的に、当該防汚塗料組成物のバインダー樹脂の主体をなすオルガノポリシロキサンを含有するコンポーネントを「主剤」と称し、このオルガノポリシロキサンと反応して架橋構造の構築に用いられる化合物を含有するコンポーネントを「硬化剤」と称する。さらに、主剤コンポーネントおよび硬化剤コンポーネントに含まれる化合物のいずれとも反応して変質等が発生するために共存下での貯蔵が好ましくない化合物がある場合、「添加剤」等と称した追加コンポーネントとする。本発明に係る防汚塗料組成物(その調製用のキット)は、そのような主剤コンポーネント(X)および硬化剤コンポーネント(Y)からなる2液型の形態で製造される場合もあるし、主剤コンポーネント(X)、硬化剤コンポーネント(Y)および添加剤コンポーネント(Z)からなる3液型の形態で製造される場合もある。
本発明に係る防汚塗料組成物は、1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)、1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(B)、金属硬化触媒(C)、銅または亜鉛の酸化物(D)、アルコール(E)、およびその他任意成分により構成されるが、本発明に係る防汚塗料組成物を提供するキットの1つの実施形態の例として、主剤コンポーネント(X)に、1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン(A)、銅または亜鉛の酸化物(D)、アルコール(E)を含み、硬化剤コンポーネント(Y)に1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物(B)、金属硬化触媒(C)を含む態様が挙げられる。
その他の任意成分については、前述したような各コンポーネントに含まれる各成分との反応による変質の有無や、各成分の粘度、沈降性等の状況に合わせて、主剤コンポーネント(X)、硬化剤コンポーネント(Y)、添加剤コンポーネント(Z)に任意に配合してよい。
−防汚膜および防汚基材−
本発明に係る防汚膜は、前記防汚塗料組成物を硬化させて得られる。たとえば、前記防汚塗料組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を硬化させることにより防汚膜が得られる。
本発明により得られた防汚膜は、従来の防汚剤を含まないオルガノポリシロキサン系防汚塗料組成物から形成された防汚塗膜で得られるマクロ生物汚損への耐性をさらに向上させることができることに加えて、スライムなどのミクロ汚損も防止できるため、航行時の水流抵抗低減が強く求められる船舶などの高い防汚性が要求される用途に対して高い効果が得られる。
本発明に係る防汚基材は、基材を前記防汚膜で被覆してなる。防汚基材の製造は、例えば、防汚塗料組成物を基材に塗布または含浸させる工程と、該工程により基材に塗布されまたは含浸した防汚塗料組成物を硬化させる工程とを備えた方法や、防汚塗料組成物を硬化させて得られた防汚膜を基材に貼付ける工程を備えた方法によって行うことができる。
防汚塗料組成物を基材に塗布または含浸させる方法として、具体的には、防汚塗料組成物を十分に攪拌した後、基材にスプレーまたは他の手段により塗布または含浸させる方法が挙げられ、基材に塗布されまたは含浸した防汚塗料組成物を硬化させる方法として、具体的には、常温の大気中で0.5〜3日間程度放置ないし加熱下に強制送風して硬化させる方法が挙げられる。この方法により、基材が防汚膜で被覆されてなる防汚基材を作製することができる。
防汚塗料組成物を硬化させて得られた防汚膜を基材に貼付ける方法として、例えば特開2013−129724号等に記載の公知の技術を用いて、防汚塗料組成物を硬化させて得られた防汚膜を含むフィルムを基材に貼付ける方法が挙げられる。この方法により、基材が防汚膜で被覆されてなる防汚基材を作製することができる。
防汚膜の膜厚は、用途などに応じて所望の厚さで形成してよいが、防汚塗料組成物を、通常30〜400μm/回、好ましくは50〜300μm/回で、1回〜複数回塗布した後に硬化させ、硬化後の膜厚が例えば100〜1000μmとなるようにすれば、膜強度および防汚性能に優れた防汚膜となる。
防汚塗料組成物の塗装の際には、刷毛、ロール、スプレー、ディップコーター等、従来公知の塗装手段を広く用いることが可能であるが、本発明に係るオルガノポリシロキサン系の防汚塗料組成物は、スプレー塗装する上で好適な特性を有している。
本発明に係る防汚塗料組成物は、発電、港湾・土木建設、船舶(造船ないし修理)などの広範な産業分野において、海水または真水と接触する基材の表面を海生生物の付着から保護し、その基材の本来の機能を長期間に亘って維持するために利用することができる。そのような基材としては、例えば、船舶(船舶外板等)、漁業資材(ロープ、漁網、漁具、浮き子、ブイ等)、火力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、海水利用機器類(海水ポンプ等)、メガフロート、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等の各種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜などが挙げられる。
本発明に係る防汚塗料組成物は、基材に直接、塗布または含浸してもよい。原子力発電所の給排水口、メガフロート、船舶などの、素材が繊維強化プラスチック(FRP)、鋼鉄、木、アルミニウム合金などである基材に直接塗布する場合にも、本発明に係る防汚塗料組成物はこれらの基材(素材)表面への付着性が良好となるよう調製することができる。
また、本発明に係る防汚塗料組成物を塗布する対象の基材は、表面にすでに塗膜が形成されているものであってもよい。すなわち、本発明に係る防汚塗料組成物は、予め防錆剤、プライマーなどの下地材(下塗り)が塗布された船舶または水中構造物等の基材の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚塗料による塗装が行われている、あるいは本発明の防汚塗料組成物による塗装が行われている船舶、特にFRP船あるいは水中構造物等の基材の表面に、補修用として本発明の防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。本発明に係る防汚塗料組成物が直接接する塗膜の種類は特に限定されるものではないが、一般的なオルガノポリシロキサン系防汚塗料を塗布する場合と同様、たとえば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などを主成分とする塗料から形成されている塗膜が挙げられる。本発明に係る防汚塗料組成物は、そのような塗膜の表面への付着性が良好となるよう調製することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
−防汚塗料組成物の調製−
表1に、本実施例および比較例に用いた防汚塗料組成物の各成分の一般名称、製造販売元、および商品名等を示す。表1中に記載された重量平均分子量は、GPCによって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した。
Figure 2016020430
表2〜6に示した主剤コンポーネント(X)の各成分および硬化剤コンポーネント(Y)の各成分を、それぞれ表2〜6に示した配合量で、ディスパーサーを用いて均一になるよう充分に混合することにより主剤コンポーネント(X)および硬化剤コンポーネント(Y)を調製し、主剤コンポーネント(X)と硬化剤コンポーネント(Y)とを混合することにより実施例1〜10および比較例1〜7の防汚塗料組成物を調製した。表2〜6における主剤コンポーネント(X)および硬化剤コンポーネント(Y)の各成分に関する数値は重量部を表わす。
−評価方法−
上記のように調製された実施例1〜10および比較例1〜7の防汚塗料組成物およびそれらから形成された防汚膜について、以下に示す物性試験および防汚試験を行った。これらの結果は、表2〜6に記載されたとおりである。
<物性試験>
(塗膜硬化性)
JIS K 5600−1−1 4.3に準拠し、上記の各防汚塗料組成物を膜厚200μmとなるようガラス板上に塗布し、硬化乾燥に達するまでの時間を測定した。この時間により塗膜硬化性を評価した。
(可使時間)
防汚塗料組成物の主剤コンポーネント(X)および硬化剤コンポーネント(Y)の混合による防汚塗料組成物の調製後、各組成物内の成分の反応により組成物の粘度は経時的に上昇する。組成物の増粘により塗装作業性は低下していく。この塗装作業性が許容範囲内である時間は一般に可使時間(実用的なポットライフ)と称される。
可使時間の評価は以下のように行った。
23℃の温度条件下で、防汚塗料組成物の調製直後に粘度を測定し(初期粘度)、その後30分ごとに粘度測定を実施し、粘度の経時変化の値をグラフ上で直線で結び、その粘度が初期粘度の2倍を上回るまでの時間を10分ごとに判定し、初期粘度の2倍を上回る直前までの時間を可使時間とした。調製後10分経過時の測定において得られた粘度が初期粘度の2倍を上回っていた場合には表2〜6に「10分未満」と表記した。60分を超えても初期粘度の2倍を上回らなかった場合は「60分以上」と表記した。
粘度の測定は、B型粘度計(製造元:(株)東京計器、製品名:B型粘度計、型式:BM)を用いて、検出器回転速度60rpm条件で測定した。
このようにして計測した可使時間が30分以上であれば、その防汚塗料組成物の可使時間は良好といえる。
<防汚試験>
(試験板調製)
サンドブラスト板にエポキシ系防食塗料(商品名:バンノー500、中国塗料株式会社製)を100μm厚で塗布し、さらにその上にシリコーン系バインダー塗料(商品名:CMPバイオクリンタイコート、中国塗料株式会社製)を100μm厚で塗布した。この板のバインダー塗料膜上に、実施例1〜10および比較例2の各組成物を乾燥膜厚で200μmとなるよう塗装し、その塗膜を室温下1週間乾燥して硬化させることにより防汚膜を形成した。このようにして得られた試験板を静置防汚性および動的防汚性の試験に供した。なお、比較例1、3〜7については、組成物がゲル状塊となって、組成物を正常に塗装できなかったので、これらの試験は行わなかった。
(静置防汚性の試験方法)
上記試験板を広島県宮島湾にて海水に浸漬した状態で静置し、3ヶ月毎に試験板の防汚膜表面に占める付着生物が付着した領域の面積の比率を目視観察にて評価した。以下に示した評価点にて静置防汚性を評価した。
(動的防汚性の試験方法)
上記試験板を広島県呉沖にて海水に浸漬した。回転ローターを用いて15ノット程度となるよう水流を発生させ、その水流を試験板の防汚膜に当て、3ヶ月毎に試験板の防汚膜表面に占める水生生物が付着した領域の面積の比率を目視観察にて評価した。以下に示した評価点にて動的防汚性を評価した。
(評価点)
0 : 水生生物の付着なし
1 : 水生生物が部分的に付着
2 : 水生生物が全面に付着
Figure 2016020430
Figure 2016020430
Figure 2016020430
Figure 2016020430
Figure 2016020430
表2〜6に示された結果は、本発明による防汚塗料組成物が、塗料硬化性および塗料可使時間がバランスよく良好であり、長期にわたり高い防汚性を発揮できることを示している。

Claims (15)

  1. (A)1分子中に2以上のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1分子中に2以上の加水分解性基を有するオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
    (C)金属硬化触媒、
    (D)銅または亜鉛の酸化物、
    (E)アルコール、
    を含有し、(E)アルコールの含有比率が1〜20重量%であることを特徴とする防汚塗料組成物。
  2. 前記(D)酸化物が亜酸化銅である請求項1に記載の防汚塗料組成物。
  3. 前記(E)アルコールが炭素数5以下のアルコールである請求項1または2に記載の防汚塗料組成物。
  4. 前記(E)アルコールがN−ブタノールである請求項3に記載の防汚塗料組成物。
  5. 前記(C)金属硬化触媒がスズ硬化触媒である請求項1〜4のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
  6. 前記(A)オルガノポリシロキサンが下記一般式[I]で表される請求項1〜5のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
    Figure 2016020430
    (式中、R2はそれぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基を示し、
    rは1〜3の整数であり、
    sは10〜10,000の整数である。)
  7. さらに(F)下記一般式[II]で表される(A)以外のオルガノポリシロキサンを含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
    Figure 2016020430
    (式中、R3はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン化アルキル基;または末端が炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基もしくは縮合反応性基をケイ素上にもつシリル基により封止されていてもよい炭素原子数2〜100のポリオキシアルキレン基であり、uは1〜10,000の整数である。)
  8. さらに(G)成分(D)以外の防汚剤を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物を調製するためのキットであって、前記(A)オルガノポリシロキサンを含む主剤コンポーネントおよび前記(C)金属硬化触媒を含む硬化剤コンポーネントを備えた防汚塗料組成物調製用キット。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物を硬化させて得られることを特徴とする防汚膜。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物を塗布して防汚膜を得ることを特徴とする防汚膜の製造方法。
  12. 基材を請求項10に記載の防汚膜で被覆してなることを特徴とする防汚基材。
  13. 前記基材が、船舶、水中構造物および漁具の何れかである請求項12に記載の防汚基材。
  14. 基材を請求項10に記載の防汚膜で被覆することを特徴とする基材の防汚方法。
  15. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物を基材に塗布もしくは含浸させる工程と、該工程により前記基材に塗布され、もしくは含浸した前記防汚塗料組成物を硬化させる工程とを備えるか、または前記防汚塗料組成物から塗膜を形成し、この塗膜を硬化させて貼付用の防汚膜を作る工程と、前記防汚膜を基材に貼付する工程とを備えることを特徴とする防汚基材の製造方法。
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