JP2009215527A - 防汚塗料組成物、該塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する水中構築物、および該塗膜を形成する防汚処理方法 - Google Patents
防汚塗料組成物、該塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する水中構築物、および該塗膜を形成する防汚処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、養殖用または定置網用の漁網およびこれらに使用される浮き子、ロープなどの漁網用具(以下、これらを併せて魚網類という場合がある)、および発電所の冷却水導管などの水中構築物などに水棲汚損生物が付着するのを長期にわたって防止するための防汚塗料組成物、該塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する水中構築物、および該塗膜を形成する防汚処理方法に関する。
漁網、漁網用具などの水中構築物は、海水中に長期間設置されるため、防汚塗料組成物を塗布せずに使用すると、海藻類、フジツボ、セルプラ、コケムシ、軟体動物類などの種々の水棲汚損生物が付着し、海水の流れが悪くなり酸素欠乏で養殖魚が大量に死んだり、伝染病が発生し出荷できなくなったりし、大きな損害を受けることがある。
これらの水棲汚損生物の付着を防止するために、従来は有機錫化合物を用いた漁網用防汚塗料組成物が広く使用されてきたが、環境に対する配慮などから使用できなくなった。
そこで、有機錫化合物に替わる防汚塗料組成物として、種々の研究、提案がなされ、無機化合物や有機化合物を防汚薬剤として用い、これを天然樹脂系または合成樹脂系展着樹脂に配合した防汚塗料組成物が使用されてきている。しかし、これらは塗膜物性が悪く、防汚効果が持続する期間が短い等の問題がある。それらの問題を解決すべく、展着樹脂に薬剤の溶出コントロール剤として特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した防汚塗料組成物が提案されている(特許文献1〜4、8)。
これらの提案により、塗膜物性が良くなり多くの海域では防汚性能が改良されたが、フジツボやセルプラ等の動物類の活性が強い海域や、ヒドロ虫等の腔腸動物の活性が強い海域では、効果が充分ではなかった。
また、ヒドロ虫等の腔腸動物に対して優れた防汚塗料組成物として、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートと特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献5)。また、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物に対して優れた防汚塗料組成物として、亜酸化銅と特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献6)。更に、腔腸動物、フジツボ、海草に優れた防汚塗料組成物として、特定量のエチレンオキシ基と特定量のプロピレンオキシ基の両方を含有し、オキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサン(ポリエーテル変性シリコーン)を配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献7)。
しかし、これらの発明は、それぞれ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートはヒドロ虫等の腔腸動物に対して、亜酸化銅はフジツボやセルプラ等の動物類に対して、優れた防汚効果を発揮するが、これらの発明に使用されている分子構造のシリコーンオイルは、初期の防汚効果は良くなるものの防汚薬剤が早期に溶出してしまうため、長期間防汚効果を維持することが出来ないという問題がある。
そのため、塗膜物性が良く塗布時の作業性に優れ、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物の活性が強い海域において、設計通りに長期間防汚効果を発揮できる防汚塗料組成物の開発が切望されている。
特開平3−20370号公報 特開平4−142373号公報 特開平5−263022号公報 特開平5−320538号公報 特開平9−176576号公報 特開平9−176577号公報 特開2001−19848号公報 特開2002−265849号公報
そこで、有機錫化合物に替わる防汚塗料組成物として、種々の研究、提案がなされ、無機化合物や有機化合物を防汚薬剤として用い、これを天然樹脂系または合成樹脂系展着樹脂に配合した防汚塗料組成物が使用されてきている。しかし、これらは塗膜物性が悪く、防汚効果が持続する期間が短い等の問題がある。それらの問題を解決すべく、展着樹脂に薬剤の溶出コントロール剤として特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した防汚塗料組成物が提案されている(特許文献1〜4、8)。
これらの提案により、塗膜物性が良くなり多くの海域では防汚性能が改良されたが、フジツボやセルプラ等の動物類の活性が強い海域や、ヒドロ虫等の腔腸動物の活性が強い海域では、効果が充分ではなかった。
また、ヒドロ虫等の腔腸動物に対して優れた防汚塗料組成物として、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートと特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献5)。また、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物に対して優れた防汚塗料組成物として、亜酸化銅と特定のポリエーテル変性シリコーンオイルを配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献6)。更に、腔腸動物、フジツボ、海草に優れた防汚塗料組成物として、特定量のエチレンオキシ基と特定量のプロピレンオキシ基の両方を含有し、オキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサン(ポリエーテル変性シリコーン)を配合した水中防汚塗料組成物が提案されている(特許文献7)。
しかし、これらの発明は、それぞれ、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートはヒドロ虫等の腔腸動物に対して、亜酸化銅はフジツボやセルプラ等の動物類に対して、優れた防汚効果を発揮するが、これらの発明に使用されている分子構造のシリコーンオイルは、初期の防汚効果は良くなるものの防汚薬剤が早期に溶出してしまうため、長期間防汚効果を維持することが出来ないという問題がある。
そのため、塗膜物性が良く塗布時の作業性に優れ、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物の活性が強い海域において、設計通りに長期間防汚効果を発揮できる防汚塗料組成物の開発が切望されている。
本発明は、上記の点に鑑みて、溶出コントロール剤[A]、展着樹脂[B]及び防汚薬剤[C]を含有する防汚塗料組成物であり、塗膜物性および塗布時の作業性に優れ、かつ、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物の活性が強い海域において防汚効果を設計通りに長期間発揮する防汚塗料組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、一般式(I)のポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)を含有する溶出コントロール剤[A]、展着樹脂[B]、及び防汚薬剤[C]を含有する防汚塗料組成物が、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物の活性の強い海域において長期間すぐれた防汚効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はつぎの防汚塗料組成物、該塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する水中構築物、および該塗膜を形成する防汚処理方法を提供する。
(1)[A]一般式(I):
すなわち、本発明はつぎの防汚塗料組成物、該塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜、該塗膜を表面に有する水中構築物、および該塗膜を形成する防汚処理方法を提供する。
(1)[A]一般式(I):
(式中、XおよびYは1以上の整数である。R1およびR2はポリエーテル基を含有する有機基である。)
で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の1種または2種以上を含む溶出コントロール剤、
[B]展着樹脂、及び
[C]防汚薬剤を含むことを特徴とする防汚塗料組成物。
(2)ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の親水性親油性バランス(HLB)が0.5以上3未満である(1)に記載の防汚塗料組成物。
(3)溶出コントロール剤[A]として、更にポリオレフィン類(a−2)の1種又は2種以上を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の防汚塗料組成物。
(4)ポリオレフィン類(a−2)が、ポリブテン類、パラフィン類及びエチレン−α−オレフィン類の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(5)展着樹脂[B]が、ガラス転移温度−40〜40℃の(メタ)アクリル酸エステル共重合体である(1)〜(4)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(6)防汚薬剤[C]が、有機化合物及び無機化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(7)防汚薬剤[C]が、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、テトラエチルチウラムジスルフィド、亜酸化銅、銅粉、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートからなる群から選ばれた1種又は2種以上含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する防汚処理方法。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜。
(10)(9)に記載の防汚塗膜を表面に有する漁網、漁網用具及び水中構築物。
で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の1種または2種以上を含む溶出コントロール剤、
[B]展着樹脂、及び
[C]防汚薬剤を含むことを特徴とする防汚塗料組成物。
(2)ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の親水性親油性バランス(HLB)が0.5以上3未満である(1)に記載の防汚塗料組成物。
(3)溶出コントロール剤[A]として、更にポリオレフィン類(a−2)の1種又は2種以上を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の防汚塗料組成物。
(4)ポリオレフィン類(a−2)が、ポリブテン類、パラフィン類及びエチレン−α−オレフィン類の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(5)展着樹脂[B]が、ガラス転移温度−40〜40℃の(メタ)アクリル酸エステル共重合体である(1)〜(4)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(6)防汚薬剤[C]が、有機化合物及び無機化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(7)防汚薬剤[C]が、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、テトラエチルチウラムジスルフィド、亜酸化銅、銅粉、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートからなる群から選ばれた1種又は2種以上含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する防汚処理方法。
(9)(1)〜(7)のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜。
(10)(9)に記載の防汚塗膜を表面に有する漁網、漁網用具及び水中構築物。
本発明の溶出コントロール剤[A]、展着樹脂[B]及び防汚薬剤[C]を含む防汚塗料組成物は、漁網等の水中構築物に塗布時の物性が良好で作業性が良く、且つ、フジツボやセルプラ等の動物類やヒドロ虫等の腔腸動物の活性の強い海域において、特に長期間優れた防汚効果を発揮する。
防汚塗料組成物
<溶出コントロール剤[A]>
本発明に用いられる溶出コントロール剤[A]としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)、ポリオレフィン類(a−2)等が用いられる。
<溶出コントロール剤[A]>
本発明に用いられる溶出コントロール剤[A]としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)、ポリオレフィン類(a−2)等が用いられる。
≪変性シリコーンオイル(a−1)≫
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]として、一般式(I):
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]として、一般式(I):
(式中、XおよびYは1以上の整数である。R1およびR2はポリエーテル基を含有する有機基である。)
で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)を含有する。
で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)を含有する。
Xは、1以上の整数であり、好ましくは1〜300の整数である。
Yは、1以上の整数であり、好ましくは1〜500の整数である。
Yは、1以上の整数であり、好ましくは1〜500の整数である。
R1で示されるポリエーテル基を含有する有機基としては、例えば、一般式(II):
(式中、R3は水素原子または炭素数が1〜12のアルキル基を示し、pは0〜12の整数、qは1以上の整数、rは0以上の整数である)
で表されるポリエーテル基含有有機基が挙げられる。
で表されるポリエーテル基含有有機基が挙げられる。
R3で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
pは、0〜12の整数であり、好ましくは0〜6の整数である。
qは、1以上の整数であり、好ましくは1〜50の整数である。
rは、0以上の整数であり、好ましくは0〜10の整数である。
qは、1以上の整数であり、好ましくは1〜50の整数である。
rは、0以上の整数であり、好ましくは0〜10の整数である。
R2で示されるポリエーテル基を含有する有機基としては、例えば、一般式(III):
(式中、sおよびvは0〜12の整数、tは1以上の整数、uは0以上の整数、Aは酸素原子または単結合である。)
で表されるポリエーテル基含有有機基が挙げられる。
で表されるポリエーテル基含有有機基が挙げられる。
sおよびvは、0〜12の整数であり、好ましくは0〜6の整数である。
tは、1以上の整数であり、好ましくは1〜50の整数である。
uは、0以上の整数であり、好ましくは0〜10の整数である。
tは、1以上の整数であり、好ましくは1〜50の整数である。
uは、0以上の整数であり、好ましくは0〜10の整数である。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の具体例としては、東レダウコーニング(株)のFZ−2203(HLB=1)、FZ−2207(HLB=3)、FZ−2208(HLB=7)が挙げられ、東レダウコーニング(株)のFZ2203が特に好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の親水性親油性バランス(HLB)は、防汚効果を長期間維持させる観点から、0.1〜10未満が好ましく、0.5〜3未満がさらに好ましく、0.5〜2未満の範囲内が特に好ましい。
親水性親油性バランス(HLB)は、以下の式で計算され、HLBの数値が大きいほど親水性が大きいことを表す。HLBは0〜20の範囲内で表される。
HLB=変性シリコーンオイル中のオキシアルキレン基の重量%÷5
HLB=変性シリコーンオイル中のオキシアルキレン基の重量%÷5
本発明の防汚塗料組成物における上記ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の含有量は限定的ではないが、防汚塗料組成物中の展着樹脂[B]100重量部に対して、通常0.5〜50重量部であり、好ましくは、0.5〜20重量部である。0.5重量部未満の場合は、防汚薬剤の溶出量が少なく防汚効果が弱くなり汚損生物が付着しやすくなり、50重量部を超えると防汚薬剤の溶出量が多くなり防汚効果が長期間維持することが出来ない場合があるためである。
≪ポリオレフィン類(a−2)≫
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]として、前記ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)と併用して、更にポリオレフィン類(a−2)の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]として、前記ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)と併用して、更にポリオレフィン類(a−2)の1種又は2種以上を用いることができる。
ポリオレフィン類(a−2)としては、一般式(IV):
(式中、R4はアルキル基、e、f及びgは全て1以上の整数)で表わされるエチレン・α−オレフィン共重合体やポリブテン類等が挙げられる。
R4で示されるアルキル基としては、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルなどが挙げられ、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がさらに好ましい。
eは、1以上の整数であり、好ましくは1〜100の整数である。
fは、1以上の整数であり、好ましくは1〜100の整数である。
gは、1以上の整数であり、好ましくは1〜1000の整数である。
fは、1以上の整数であり、好ましくは1〜100の整数である。
gは、1以上の整数であり、好ましくは1〜1000の整数である。
一般式(IV)で表わされるエチレン・α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
一般式(IV)で表わされるエチレン・α−オレフィン共重合体の具体例としては、例えば、三井化学株式会社製のルーカントHC−10、ルーカントHC−20、ルーカントHC−40、ルーカントHC−100、ルーカントHC−150、ルーカントHC−600、ルーカントHC−2000などがあげられる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種又は2種以上で用いられる。また、これらのエチレン・α−オレフィン共重合体は、単独で用いてもよいし、ポリブテン類と組み合わせて用いてもよい。
ポリブテン類としては、例えば、日本石油化学(株)製のポリブテンLV−7、ポリブテンLV−10、ポリブテンLV−25、ポリブテンLV−50、ポリブテンLV−100、ポリブテンHV−35、ポリブテンHV−100、ポリブテンHV−300、ポリブテンHV−1900、出光石油化学(株)製のポリブテン0N、ポリブテン0H、ポリブテン5H、ポリブテン10H、ポリブテン300H、ポリブテン2000H、ポリブテン0R、ポリブテン15R、ポリブテン35R、ポリブテン100R、ポリブテン350R、日本油脂(株)製のポリビスOSH、などが挙げられ、好ましくは、ポリブテン0N、ポリブテン0H、ポリビスOSHである。これらのポリブテン類は、1種又は2種以上で用いられる。
本発明の防汚塗料組成物におけるポリオレフィン類(a−2)の含有量は限定的ではないが、防汚塗料組成物中のポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)100重量部に対して、通常1〜500重量部であり、好ましくは、50〜300重量部である。ポリオレフィン類の使用量が500重量部を超えると、塗膜が軟弱となり実用に耐えなくなることがある。
<展着樹脂[B]>
本発明に用いられる展着樹脂[B]としては、合成樹脂および/または天然樹脂が用いられる。
本発明に用いられる展着樹脂[B]としては、合成樹脂および/または天然樹脂が用いられる。
合成樹脂としては、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アルキルビニルエーテル共重合体、塩化ビニル樹脂などのビニル樹脂系、アルキッド樹脂系、(メタ)アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、合成ゴム系、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
天然樹脂としては、ウッドロジン、ガムロジン、変性ロジン、ロジン金属塩及びロジンエステルなどが挙げられる。
上記展着樹脂[B]のうち、特に(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
上記展着樹脂[B]のガラス転移温度は、−60℃〜+60℃が好ましく、更に好ましくは−40℃〜+40℃である。ガラス転移温度が、−60℃未満であると塗膜が軟弱で使用に耐えられず、+60℃超であると塗膜が脆く剥がれ易くなるからである。
上記展着樹脂[B]の数平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、更に好ましくは10,000〜50,000である。数平均分子量が1,000未満であると防汚塗料組成物の粘度が上がらないため、漁網等の水中構築物への付着率が少なくなり、その結果、防汚効果が長期間持続出来なくなり、100,000超であると防汚塗料組成物の粘度が高くなり過ぎ、取り扱いが困難となるからである。
これらの展着樹脂[B]は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの展着樹脂[B]は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の防汚塗料組成物における展着樹脂[B]の含有量は限定的ではないが、防汚塗料組成物100重量部に対して、通常1〜50重量部であり、好ましくは、5〜20重量部である。1重量部未満では、漁網等の水中構築物への付着力が弱く、長期間防汚効果を維持することが出来ない。また、50重量部超では、漁網等の水中構築物への付着力は強くなるが、展着樹脂が多すぎるため、防汚薬剤の溶出量が少なく防汚効果が悪くなってしまうからである。
<防汚薬剤[C]>
本発明に使用される防汚薬剤[C]としては、海棲汚損生物に対して殺傷又は忌避作用を有する化合物であればよく、特に限定されない。例えば、以下の有機化合物及び無機化合物が挙げられる。
本発明に使用される防汚薬剤[C]としては、海棲汚損生物に対して殺傷又は忌避作用を有する化合物であればよく、特に限定されない。例えば、以下の有機化合物及び無機化合物が挙げられる。
有機化合物としては、例えば、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ジンクエチレンビスジチオカーバメート、ビス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、ピリジン・トリフェニルボラン、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、4−イソプロピル−ジフェニルメチル、4−フェニルピリジル−ジフェニルボラン、2,4,6−トリクロロマレイミド、n−(2,6ジエチルフェニル)2,3ジクロロマレイミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、クロロメチル−n−オクチルジスルフィド、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン、3,4−ジクロロフェニル−N−N−ジメチルウレア、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−p−トリルスルファミド、N−ジクロロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−フェニルスルファミド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、等が挙げられる。
上記有機化合物のうち、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、テトラエチルチウラムジスルフィド、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、が特に好ましく、1種または2種以上併用してもよい。
上記有機化合物のうち、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、テトラエチルチウラムジスルフィド、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート、が特に好ましく、1種または2種以上併用してもよい。
無機化合物としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン酸銅、キュプロニッケル、銅粉等が挙げられ、亜酸化銅、銅粉が特に好ましく、1種または2種以上併用してもよい。
上記防汚薬剤[C]のうち、溶剤又は水に不溶の防汚薬剤については、分散性の問題から平均粒径10μm以下のものが好ましく、特に3μm以下のものが好ましい。これらの平均粒径は、日機装(株)社製粒度分布計、機種マイクロトラックMT3300EXII(測定原理レーザー回析・散乱法)により測定することができる。
本発明の防汚塗料組成物における防汚薬剤[C]の含有量は限定的ではないが、防汚塗料組成物中の展着樹脂[B]100重量部に対して、通常1〜100重量部であり、好ましくは10〜50重量部である。防汚薬剤の使用量が1重量部未満では防汚性が充分でなく、一方、100重量部超では塗工性能、塗膜物性が劣化する傾向がある。
<その他の成分>
本発明の防汚塗料組成物は、沈降防止剤、タレ止め剤、可塑剤、界面活性剤、染料、顔料、有機溶剤、水等を、本発明の目的を損なわない範囲で任意の配合割合で含有させることができる。
本発明の防汚塗料組成物は、沈降防止剤、タレ止め剤、可塑剤、界面活性剤、染料、顔料、有機溶剤、水等を、本発明の目的を損なわない範囲で任意の配合割合で含有させることができる。
本発明に任意に用いられる沈降防止剤・タレ止め剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、水添ひまし油ワックス系、ポリアマイドワックス系、アマイドワックス系、酸化ポリエチレン系ワックスなどが挙げられ、好ましくは、水添ひまし油ワックス、ポリアマイドワックス、アマイドワックス、酸化ポリエチレン系ワックスである。これらの沈降防止剤・タレ止め剤は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に任意に用いられる可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル、パラフィン類、ワセリン類、ジアルキルスルフィド化合物などが挙げられる。
フタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸エステルとしては、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、リン酸エステルとしては、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチルなどが挙げられる。
パラフィン類としては、たとえば、n−パラフィン(日本石油化学(株)製など)、固形パラフィン(日本精蝋(株)製など)、流動パラフィン(松村石油(株)製のスモイルP−100、スモイルP−150など)、塩素化パラフィン(東ソー(株)製のA−40、A−50、A−70、A−145、A−150、A−265、A−270など)などが挙げられる。
ワセリン類としては、たとえば、白色ワセリン、黄色ワセリン(安藤パラケミー(株)製など)が挙げられる。
ジアルキルスルフィド化合物としては、ジ−tert−ブチルデカスルフィド、ジペンチルテトラスルフィド、ジペンチルペンタスルフィド、ジペンチルデカスルフィド、ジオクチルテトラスルフィド、ジオクチルペンタスルフィド、ジノニルテトラスルフィド、ジノニルペンタスルフィド、ジ−tert−ノニルテトラスルフィド、ジ−tert−ノニルペンタスルフィド、ジデシルテトラスルフィド、ジドデシルテトラスルフィド、ジオクタデシルテトラスルフィド、ジノナデシルテトラスルフィドなどが挙げられる。
本発明に任意に用いられる可塑剤として好ましいものは、リン酸トリクレジル、黄色ワセリン及びジ−tert−ノニルペンタスルフィドが挙げられ、これらの可塑剤は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
防汚塗料組成物の製造法、防汚塗膜の形成法、防汚塗膜、および塗装物
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]、展着樹脂[B]、防汚薬剤[C]やその他添加物を、有機溶剤又は水に溶解又は混合分散して製造することができる。各成分の混合方法および各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序および添加順序も種々の方法で行うことができる。
本発明の防汚塗料組成物は、溶出コントロール剤[A]、展着樹脂[B]、防汚薬剤[C]やその他添加物を、有機溶剤又は水に溶解又は混合分散して製造することができる。各成分の混合方法および各種添加剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序および添加順序も種々の方法で行うことができる。
本発明は、本発明の防汚塗料組成物を、漁網具等の水中構築物に塗布することにより、水棲汚損生物の付着を防止するなどの優れた防汚性能を発揮させる漁網具等の水中構築物の防汚処理方法を提供することができる。
本発明の防汚塗料組成物の漁網具等の水中構築物への塗布方法は、たとえば浸漬塗装、吹きつけ塗装などの種々の塗装方法を適用することができるが、浸漬塗装が好ましい。付着量は、漁網の場合であれば、漁網重量の1〜20重量%の範囲が好ましい。
以下に、実施例等をあげて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。
実施例1〜20及び比較例1〜9
表1〜表3に記載の成分を表1〜表3に記載の割合(重量%)で混合することにより、実施例1〜20及び比較例1〜9の防汚塗料組成物を得た。
商品名「FZ2203」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「FZ2207」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「FZ2208」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「KF−353」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製)
商品名「KF−6020」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製)
商品名「ポリブテン0N」:ポリブテン(日本油脂(株)製)
商品名「ポリブテンLV−50」:ポリブテン(日本石油(株)製)
商品名「ルーカントHC−40」:エチレン・α−オレフィン共重合体(Mn=1600、三井化学(株)製)
商品名「ルーカントHC−100」:エチレン・α−オレフィン共重合体(Mn=2500、三井化学(株)製)
商品名「ニットールCL」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約100,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールC」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約300,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールHN」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約230,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールD」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分50%、Tg=約20℃、Mw=約50,000、日東化成(株)製)
商品名「NC301」:亜酸化銅(平均粒径3μm、日進ケムコ(株)製)
銅粉:銅粉試薬(平均粒径3μm、Ardrich(株)製)
商品名「ディスパロンA603−20X」:ポリアマイド系ワックス(楠本化成(株)製)
商品名「ディスパロン6900−20X」:ポリアマイド系ワックス(楠本化成(株)製)
商品名「ディスパロンFA−62」:アクリル系重合物とシリコーンとの混合物(固形分35%、楠本化成(株)製)
実施例1〜20及び比較例1〜9
表1〜表3に記載の成分を表1〜表3に記載の割合(重量%)で混合することにより、実施例1〜20及び比較例1〜9の防汚塗料組成物を得た。
商品名「FZ2203」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「FZ2207」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「FZ2208」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製)
商品名「KF−353」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製)
商品名「KF−6020」:ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業(株)製)
商品名「ポリブテン0N」:ポリブテン(日本油脂(株)製)
商品名「ポリブテンLV−50」:ポリブテン(日本石油(株)製)
商品名「ルーカントHC−40」:エチレン・α−オレフィン共重合体(Mn=1600、三井化学(株)製)
商品名「ルーカントHC−100」:エチレン・α−オレフィン共重合体(Mn=2500、三井化学(株)製)
商品名「ニットールCL」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約100,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールC」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約300,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールHN」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分40%、Tg=約20℃、Mw=約230,000、日東化成(株)製)
商品名「ニットールD」:アクリル樹脂キシレン溶液(固形分50%、Tg=約20℃、Mw=約50,000、日東化成(株)製)
商品名「NC301」:亜酸化銅(平均粒径3μm、日進ケムコ(株)製)
銅粉:銅粉試薬(平均粒径3μm、Ardrich(株)製)
商品名「ディスパロンA603−20X」:ポリアマイド系ワックス(楠本化成(株)製)
商品名「ディスパロン6900−20X」:ポリアマイド系ワックス(楠本化成(株)製)
商品名「ディスパロンFA−62」:アクリル系重合物とシリコーンとの混合物(固形分35%、楠本化成(株)製)
試験例1(防汚効果確認試験:フジツボ・セルプラ活性海域)
表1〜2記載の実施例1〜14及び比較例1〜6で得られた各防汚塗料組成物を、ポリエチレン製の漁網(400デニール、40本、8節)に、浸漬塗布し2日間室温で乾燥した。このように防汚塗料組成物を塗布し乾燥させた漁網を40×60cmのSUSの枠に固定し、フジツボやセルプラ等の動物類の活性の強い海域である三重県尾鷲の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を8ヶ月間にわたって定期的に観測した。その結果を表4および表5に示す。表中の数字は水棲汚損生物汚損生物の付着面積(%)を表す。
表1〜2記載の実施例1〜14及び比較例1〜6で得られた各防汚塗料組成物を、ポリエチレン製の漁網(400デニール、40本、8節)に、浸漬塗布し2日間室温で乾燥した。このように防汚塗料組成物を塗布し乾燥させた漁網を40×60cmのSUSの枠に固定し、フジツボやセルプラ等の動物類の活性の強い海域である三重県尾鷲の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を8ヶ月間にわたって定期的に観測した。その結果を表4および表5に示す。表中の数字は水棲汚損生物汚損生物の付着面積(%)を表す。
試験例2(防汚効果確認試験:ヒドロ虫活性海域)
表3記載の実施例15〜20及び比較例7〜9で得られた各防汚塗料組成物を、ポリエチレン製の漁網(400デニール、40本、8節)に、浸漬塗布し2日間室温で乾燥した。このように防汚塗料組成物を塗布し乾燥させた漁網を40×60cmのSUSの枠に固定し、ヒドロ虫等の腔腸動物の活性の強い海域である和歌山県浦神の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を8ヶ月間にわたって定期的に観測した。その結果を表6に示す。表中の数字は水棲汚損生物汚損生物の付着面積(%)を表す。
表3記載の実施例15〜20及び比較例7〜9で得られた各防汚塗料組成物を、ポリエチレン製の漁網(400デニール、40本、8節)に、浸漬塗布し2日間室温で乾燥した。このように防汚塗料組成物を塗布し乾燥させた漁網を40×60cmのSUSの枠に固定し、ヒドロ虫等の腔腸動物の活性の強い海域である和歌山県浦神の筏にて海中から水深約1mに垂下浸漬し、その防汚性能を8ヶ月間にわたって定期的に観測した。その結果を表6に示す。表中の数字は水棲汚損生物汚損生物の付着面積(%)を表す。
表4〜6から明らかなように、本発明の変性シリコーンオイルを用いた実施例1〜20の防汚塗料組成物と他のシリコーンオイルを使用した比較例1〜9の防汚塗料組成物とでは、動物性汚損生物に対する防汚性能の比較で防汚効果持続時間に差があり、本発明の変性シリコーンオイルを使用した防汚塗料組成物が長期間にわたり優れた防汚効果を発揮していることがわかる。
Claims (10)
- ポリエーテル変性シリコーンオイル(a−1)の親水性親油性バランス(HLB)が0.5以上3未満である請求項1に記載の防汚塗料組成物。
- 溶出コントロール剤[A]として、更にポリオレフィン類(a−2)の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の防汚塗料組成物。
- ポリオレフィン類(a−2)が、ポリブテン類、パラフィン類及びエチレン−α−オレフィン類の群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
- 展着樹脂[B]が、ガラス転移温度−40〜40℃の(メタ)アクリル酸エステル共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
- 防汚薬剤[C]が、有機化合物及び無機化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
- 防汚薬剤[C]が、n−オクタデシルアミン・トリフェニルボラン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン・トリフェニルボラン、テトラエチルチウラムジスルフィド、亜酸化銅、銅粉、2−メルカプトピリジンN−オキシド銅、2−メルカプトピリジンN−オキシド亜鉛、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメートからなる群から選ばれた1種又は2種以上含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防汚塗料組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて被塗膜形成物の表面に防汚塗膜を形成する防汚処理方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の防汚塗料組成物を用いて形成される防汚塗膜。
- 請求項9に記載の防汚塗膜を表面に有する漁網、漁網用具及び水中構築物。
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- 2008-03-11 JP JP2008100839A patent/JP2009215527A/ja active Pending
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