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JP2017088653A - 塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材および防汚基材の製造方法 - Google Patents

塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材および防汚基材の製造方法 Download PDF

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JP2017088653A
JP2017088653A JP2015216465A JP2015216465A JP2017088653A JP 2017088653 A JP2017088653 A JP 2017088653A JP 2015216465 A JP2015216465 A JP 2015216465A JP 2015216465 A JP2015216465 A JP 2015216465A JP 2017088653 A JP2017088653 A JP 2017088653A
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organopolysiloxane
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antifouling
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JP2015216465A
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幸夫 小園
Yukio Kozono
幸夫 小園
聡一郎 谷野
Soichiro Yano
聡一郎 谷野
田中 秀幸
Hideyuki Tanaka
秀幸 田中
順治 仁井本
Junji Niimoto
順治 仁井本
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

【課題】海中でマクロ汚損のみならずスライムの付着に対しても良好な防汚性を長期間維持する塗膜を形成するための塗料組成物を提供すること。
【解決手段】オルガノポリシロキサン系成分(1)およびオルガノポリシロキサン系成分(2)から選ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサン系成分を含有し、成分(1)は、式[I]:Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-a(Xは加水分解性基である。)で示される基を1分子中に少なくとも1つ有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサンおよびオルガノポリシロキサン系成分(B)を含有し、成分(B)は、分子鎖の両末端に水酸基等を有するオルガノポリシロキサン等であり、成分(2)は、前記式[I]で示される基を1分子中に少なくとも1つ有し、分子鎖の両末端に水酸基等を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等である塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、防汚塗膜、防汚基材および防汚基材の製造方法に関し、より詳細には、特に海中での基材の防汚に適した塗料組成物、防汚塗膜等に関する。
硬化性オルガノポリシロキサン系組成物から形成される防汚塗膜は、従来の金属アクリル化合物、シリルエステル化合物をはじめとする加水分解性樹脂系組成物から形成される防汚塗膜と比較して、薄く、長期にわたり安定して高い防汚性能を発揮し、塗膜構成成分の海中への溶出による環境汚染が少ない、という点で有用である。
このような防汚塗膜として、たとえば特許文献1(特許第5189773号明細書)には、エポキシ樹脂系防食塗膜の表面上に直接、防汚性能に優れたオルガノポリシロキサン系防汚塗膜を積層させて得られる硬化オルガノポリシロキサン系防汚複合塗膜が開示されている。前記オルガノポリシロキサン系防汚塗膜は、1分子中に少なくとも2個の縮合反応性基を有するオルガノポリシロキサン(a1)、シリカ(a2)、前記オルガノポリシロキサン(a1)と縮合反応可能な官能基を有するオルガノシランおよび/またはその部分加水分解物(b1)、および所定の一般式で表されるスズ化合物(ac)を少なくとも含有する、2液型または3液型の硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含有する防汚塗料組成物から形成される。
特許文献2(特許第2522854号明細書)には、(A)分子鎖両末端がシラノール基または加水分解性基で封鎖されたオルガノポリシロキサン、(B)R1 aSiX4-a〔R1は1価炭化水素基を表し、Xは加水分解性基を表し、aは0または1である。〕で示されるオルガノシランまたはその部分加水分解物、(C)1分子に式SiR2OSiR3 b3-b〔R2は2価炭化水素基を表し、R3は1価炭化水素基を表し、Yは加水分解性基を表し、bは0、1または2である。〕で示される基を少なくとも1個含むオルガノポリシロキサンを主剤とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。
特許文献3(特許第2503986号明細書)には、(A)反応硬化形シリコーン樹脂、ならびに(B)(A)との反応および自己反応性を有さない極性基含有シリコーン樹脂を含有する無毒性防汚塗料組成物が開示されている。
特許文献4(特許第4952952号明細書)には、(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基および/または加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサン、(B)分子中にケイ素原子を有するアルキレンオキサイド化合物、(C)シリカ、(D)加水分解性基を1分子中に2個以上有するシランおよび/またはその部分加水分解縮合物を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。
特許文献5(特許第5432124号明細書)には、水中環境において物理的に基材の汚損を阻止する方法であって、(i)コポリマー鎖上に位置する少なくとも2個の反応基Xを有する硬化性ポリ有機シロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーと、(ii)有機ケイ素架橋剤および/または触媒とを含むコーティング組成物を、前記環境への曝露前に基材に形成するステップを含む方法が開示されている。
特許文献6(特表2014−524949号公報)には、ポリシロキサンを基材としたバインダー母材を含有する硬化塗膜であって、前記バインダー母材がその一部として含有される側鎖としてグラフト化された親水性オリゴマー/ポリマー部分(ペンダント親水性基)を有する硬化塗膜が開示されている。
特許第5189773号明細書 特許第2522854号明細書 特許第2503986号明細書 特許第4952952号明細書 特許第5432124号明細書 特表2014−524949号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたオルガノポリシロキサン系防汚塗膜は、フジツボ、ヒラコケムシなどのマクロ汚損に対しては優れた付着防止効果があるものの、スライムの付着は徐々に進行するという問題がある。
特許文献2に記載の組成物は、前記(C)成分は防汚性に有効なポリエーテル構造を有さず、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンを含有する組成物に比べて防汚性能は劣り、防汚性にさらなる改善の余地がある。
特許文献3に記載の組成物から形成される塗膜は、極性基含有シリコーン樹脂(B)が塗膜表面へブリードすることにより防汚性能を発揮するが、樹脂(B)は、非反応性の樹脂であるため、樹脂(A)から形成される塗膜に化学的に結合していない。樹脂(B)を塗膜表面へブリードさせることを目的として、樹脂(B)の樹脂(A)との相溶性を低くすると、塗膜は、塗膜形成時や水中浸漬後の早期に樹脂(B)が急速にブリードするため長期防汚性に劣る、長期にブリードさせるため樹脂(B)を多量に用いると塗膜の強度が低下する、などの問題がある。
特許文献4〜5に記載の組成物から形成される塗膜および特許文献6に記載の塗膜は、いずれもアルキレンオキサイド等の特定の親水性基によって硬化塗膜に親水性を与えることで防汚性を向上させたものであるが、前記親水性基は塗膜内に固定化されたまま塗膜表面へブリードしないため、大幅な防汚性の向上はなく、改善の余地がある。
本発明は、このような従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、海中で、マクロ汚損のみならずスライムの付着に対しても良好な防汚性を長期間維持し、強度が高く、耐スクラッチ性(引掻き傷などに対する耐性)が高い塗膜、およびそのような塗膜を形成するための塗料組成物等を提供することを目的としている。
本発明者らは、鋭意検討した結果、(A)1分子中に下記式[I]:
Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-a ・・・[I]
〔式中の符号の説明は後述する。〕
で示される基を少なくとも1個を含むポリエーテル変性オルガノポリシロキサンを含む塗料組成物から、海中での基材の防汚に有効なポリエーテル成分が取り込まれた硬化塗膜が形成されること、この塗膜においては、塗膜が海中で加水分解されてSi(CH2)lO(R2O)m(R3O)nHで示される基を少なくとも1個含むポリエーテル変性オルガノポリシロキサンが表面にブリードしていくという現象は徐々に進行するため、この塗膜により良好な防汚性が長期間維持されること、ならびにこの塗膜は強度が高く耐スクラッチ性が高いことを見い出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
オルガノポリシロキサン系成分(1)およびオルガノポリシロキサン系成分(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサン系成分(X)を含有し、
前記オルガノポリシロキサン系成分(1)は、下記式[I]:
Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-a ・・・[I]
〔式[I]中、lは0〜10の整数であり、
2およびR3は炭素数2または3のアルキレン基であり、互いに同一でも異なっていても良く、
mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+nは2〜30であり、
1は非置換または置換の炭化水素基であり、
Xは加水分解性基であり、
aは0、1または2である。〕
で示される基を1分子中に少なくとも1つ有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)、およびオルガノポリシロキサン系成分(B)を含有し、
該オルガノポリシロキサン系成分(B)は、分子鎖の両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン(ただし、前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)を除く。)(b1)、または該オルガノポリシロキサン(b1)とシリカとの混合物であり、
前記オルガノポリシロキサン系成分(2)は、前記式[I]で示される基を1分子中に少なくとも1つ有し、分子鎖の両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)、または該ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)とシリカとの混合物である
塗料組成物。
[2]
前記オルガノポリシロキサン系成分(1)を含有する前記[1]に記載の塗料組成物。
[3]
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)の重量と前記オルガノポリシロキサン成分(B)量との比((A)の重量/(B)の重量)が、50/1〜1/50である前記[1]または[2]に記載の塗料組成物。
[4]
前記オルガノポリシロキサン(b1)の重合度が5〜2000である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の塗料組成物。
[5]
前記オルガノポリシロキサン系成分(2)を含有する前記[1]に記載の塗料組成物。
[6]
下記式[II]:
4 bSiX4-b ・・・[II]
〔R4は非置換または置換の炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、bは0または1である。〕
で示されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物(C)をさらに含む前記[1]〜[5]のいずれかに記載の塗料組成物。
[7]
硬化触媒(D)をさらに含む前記[1]〜[6]のいずれかに記載の塗料組成物。
[8]
前記式[I]における前記加水分解性基Xがオキシム基である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の塗料組成物。
[9]
非反応性シリコーンオイル(E)をさらに含む前記[1]〜[8]のいずれかに記載の塗料組成物。
[10]
防汚塗料組成物である前記[1]〜[9]のいずれかに記載の塗料組成物。
[11]
防汚剤(F)をさらに含有する前記[10]に記載の塗料組成物。
[12]
前記[10]または[11]に記載の塗料組成物から形成された防汚塗膜。
[13]
オルガノポリシロキサン系マトリックスを含んでなる防汚塗膜であって、該マトリックスが、下記式[I’]で表される基を含む加水分解性のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基:
Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)n ・・・[I’]
〔式[I’]中、(R3O)nは前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基中のポリシロキサン骨格以外のポリシロキサン骨格中のケイ素原子と結合しており、
lは0〜10の整数であり、
2およびR3は炭素数2または3のアルキレン基であり、互いに同一でも異なっていても良く、
mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+nは2〜30である。〕
を有する防汚塗膜。
[14]
前記[10]または[11]に記載の塗料組成物からなる膜を硬化させる工程を含む防汚塗膜の製造方法。
[15]
基材と、該基材を覆う前記[12]または[13]に記載の防汚塗膜とを有する防汚塗膜付基材。
[16]
前記基材が、水中構造物、船舶または漁具である前記[15]に記載の防汚塗膜付基材。
[17]
基材の表面に前記[10]または[11]に記載の塗料組成物の膜を形成し、該膜を硬化させる工程を含む防汚塗膜付基材の製造方法。
本発明に係る塗料組成物は、低粘度でポットライフ(可使時間)が長く、スプレー塗装後の塗膜状態が良好であり、船舶の水流摩擦抵抗低減に有効な塗膜平滑性を維持しながら厚膜に塗装できる垂れ止め性を発揮できる。本発明に係る塗料組成物によれば、海中で良好な防汚性を長期間維持し、強度が高く、耐スクラッチ性が高い塗膜を形成することができる。
また、本発明に係る塗膜は、海中で良好な防汚性を長期間維持し、強度が高く、耐スクラッチ性が高い。
図1は、実施例における塗膜強度の測定方法の概略を示す。
以下、本発明に係る塗料組成物等をさらに詳細に説明する。
[塗料組成物]
本発明に係る塗料組成物は、オルガノポリシロキサン系成分(1)およびオルガノポリシロキサン系成分(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサン系成分(X)を含有する。
(オルガノポリシロキサン系成分(1))
前記オルガノポリシロキサン系成分(1)は、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)およびオルガノポリシロキサン系成分(B)を含有する組成物である。
<(A)ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン>
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)は、下記式[I]:
Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-a ・・・[I]
〔式[I]中、lは0〜10の整数であり、
2およびR3は炭素数2または3のアルキレン基であり、互いに同一でも異なっていても良く、
mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+nは2〜30であり、
1は非置換または置換の炭化水素基であり、
Xは加水分解性基であり、
aは0、1または2である。〕
で示される基を1分子中に少なくとも1個含むオルガノポリシロキサンである。
前記式[I]において、R1としては炭素数1〜6のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などの直鎖状または分枝状のアルキル基;シクロヘキシル基などの環状アルキル基;ビニル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基が好ましく、メチル基およびビニル基がより好ましい。
前記式[I]において、加水分解性基であるXとしては、例えば、オキシム基、アセチルオキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基が挙げられ、中でもオキシム基が好ましい。
オキシム基(RR’C=NO、RHC=NO(RおよびR’は炭化水素基である。))としては、総炭素数が2〜10のものが好ましく、例えば、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基、メチルイソプロピルケトオキシム基、シクロペンタノンオキシム基、シクロヘキサノンオキシム基が挙げられる。
アセチルオキシ基としては、総炭素数が1〜10の脂肪族系または炭素数6〜12の芳香族系のものが好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基としては、総炭素数が1〜10のものが好ましく、また炭素原子間に1箇所以上酸素原子が介在していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基が挙げられる。
アシロキシ基としては、式:RCOO(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族基)で示される脂肪族系または芳香族系のものが好ましく、例えば、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、炭素数3〜10のものが好ましく、例えば、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基が挙げられる。
アミド基としては、総炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基が挙げられる。
アミノオキシ基としては、総炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、N,N−ジメチルアミノオキシ基、N,N−ジエチルアミノオキシ基が挙げられる。
2およびR3としての炭素数2または3のアルキレン基は、CH2CH2、CH2CH2CH2またはCH2C(CH3)Hである。
lは0〜10、好ましくは2〜4である。
m+nは2〜30、好ましくは4〜16である。
前記式[I]において、左端のSiは好ましくは前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)のポリシロキサン骨格中のケイ素原子である。
前記式[I]で表される基の具体例としては、
Si(CH2)3O((CH2)2O)9SiCH3(MEKO)2(「MEKO」はメチルエチルケトオキシム基を示す。以下も同様である。)、
Si(CH2)3O((CH2)3O)12SiCH3(MEKO)2
Si(CH2)3O((CH2)2O)9Si(CH=CH2)(MEKO)2
Si(CH2)3O((CH2)2O)9SiC65(MEKO)2
Si(CH2)3O((CH2)2O)15SiCH3(MEKO)2
Si(CH2)3O((CH2)2O)12((CH2)3O)4SiCH3(MEKO)2
Si(CH2)3O((CH2)2O)4SiCH3(MEKO)2
などが挙げられる。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)としては、たとえば以下の式(a1)または(a2)で表されるものが挙げられる。
式(a1)および(a2)において、Wは、それぞれ独立に(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-aを表す。
Rは、それぞれ独立に炭化水素基を表し、該炭化水素基としては、たとえば炭素数1〜6のアルキル基、ビニル基およびフェニル基が挙げられ、製造が容易であることなどから、メチル基およびエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
pは0以上の整数を表し、qは1以上、好ましくは2〜10の整数を表す。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)の重合度(式(a1)〜(a2)においては、p+qの値)は2〜100であり、好ましくは5〜50である。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)のB型粘度計によって測定される25℃における粘度は、通常20〜5000mPa・s程度、好ましくは30〜3000mPa・sである。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)の下記式により計算されるHLBEO+PO(親水性親油性バランス)は、好ましくは2〜10である。
HLBEO+PO=[(ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)中のエチレンオキシ単位およびプロピレンオキシ単位の合計量(重量%))/5]
HLBEO+POが上記範囲にあると、成分(A)の親水性が高いため、本発明に係る塗料から形成される塗膜から、Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nHで示される基(R2、R3、l、mおよびnの意味は前述のとおりである。)を少なくとも1個を含むポリエーテル変性オルガノポリシロキサンが長期間、適度に溶出するため、この塗膜は長期防汚性に優れる。
(ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)の製造方法)
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)は、たとえば特許公報第2522854号に記載の方法を参照して、具体的には、Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nHで表される基を有するオルガノポリシロキサンと、R1 aSiX4-aで示されるオルガノシランとを反応させることにより、製造することができる。
<(B)オルガノポリシロキサン系成分>
オルガノポリシロキサン系成分(B)は、両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン(ただし、前記成分(A)を除く。)(b1)、または該オルガノポリシロキサン(b1)とシリカとの混合物である。
前記オルガノポリシロキサン(b1)としては、下記式[III]で示される構造を有し、重合度が5〜2000であるものが好ましい。
〔式[III]において、Rは独立に炭素原子数1〜6の官能基であり、Xは独立に水酸基または加水分解性基であり、aは独立に1〜3の整数であり、nは5〜2000である。〕
Rとしては、炭素原子数1〜6の炭化水素基が挙げられ、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖状もしくは分岐状の、またはシクロヘキシル基等の環状のアルキル基等が挙げられ、その中ではメチル基が好ましい。
Xの具体例および好ましい態様は、前記式[I]の中のXと同様である。
前記式[III]で表されるオルガノポリシロキサンの重合度(すなわち、式[III]におけるnの値)は、好ましくは100〜1000である。
前記オルガノポリシロキサン(b1)のB型粘度計によって測定される25℃における粘度は、通常10〜1,000,000mPa・s程度、好ましくは50〜200,000mPa・sである。
前記オルガノポリシロキサン(b1)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(シリカ)
前記オルガノポリシロキサン系成分(B)としては、オルガノポリシロキサン(b1)とシリカ(より具体的には、シリカ粒子)との混合物も挙げられる。該混合物は、各種成分を混合して本発明に係る組成物を調製する前に、予めオルガノポリシロキサン(b1)とシリカとを混合することによって調製することができる。シリカを凝集させずに前記オルガノポリシロキサン(b1)中に分散させる観点からは、混練機を用いて両成分を混練して混合物を調製することが好ましい。
シリカとしては、湿式法シリカ(水和シリカ)、乾式法シリカ(フュームドシリカ、無水シリカ)等の親水性シリカ(表面未処理シリカ)、および、疎水性湿式シリカ、疎水性フュームドシリカ等の表面処理された疎水性シリカを用いることができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
湿式法シリカとしては、特に限定されないが、例えば、吸着水分含量4〜8%程度、嵩密度200〜300g/L、1次粒子径10〜30μm、比表面積(BET表面積)10m2/g以上のものを使用できる。
乾式法シリカとしては、特に限定されないが、例えば、水分含量が1.5%以下、嵩密度50〜100g/L、1次粒子径8〜20μm、比表面積10m2/g以上のものを使用できる。
疎水性フュームドシリカは、乾式法シリカをメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の有機珪素化合物で表面処理したものである。疎水性フュームドシリカの経時的な水分吸着は少なく、水分含量は、通常0.3%以下、多くの場合0.1〜0.2%である。このような疎水性フュームドシリカとしては、特に限定されないが、例えば、1次粒子径5〜50μm、嵩密度50〜100g/L、比表面積10m2/g以上のものを使用できる。
なお、以下に述べるように、シリカを前記オルガノポリシロキサン(b1)と共に熱処理することにより、シリカの表面に吸着している水分は物理的に低減、除去される。その結果、たとえば熱処理された疎水性ヒュームドシリカの水分含量は、通常0.2%以下、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05〜0.1%である。嵩密度等のその他の物性値は、熱処理前の上記疎水性シリカと同様のままである。
このようなシリカとしては、市販されているものを用いることができ、例えば、日本アエロジル製「R974」、「RX200」などが挙げられる。
前記のオルガノポリシロキサン(b1)とシリカとの混合物としては、オルガノポリシロキサン(b1)とシリカとを加熱しながら混合する(好ましくは、混練機を用いて混練する)ことにより得られる熱処理物、または、この熱処理物と加熱処理していないオルガノポリシロキサンとの混合物が好ましい。各種成分を混合して本発明に係る組成物を調製する前に、シリカを、前記オルガノポリシロキサン(b1)の一部または全部と共にあらかじめ加熱処理することにより、両成分の親和性を向上させ、本発明に係る塗料組成物中でのシリカの凝集を抑制するなどの効果が得られるためである。この加熱処理は、例えば、常圧下または減圧下に、100℃以上で配合成分の分解温度以下、好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは140〜200℃の温度で、通常3〜30時間程度行われる。
シリカは、前記オルガノポリシロキサン(B)の重量を100重量部とすると、通常1〜100重量部、好ましくは2〜50重量部、更に好ましくは5〜30重量部の割合で用いられる。シリカの含有量が上記の範囲内にあれば、本発明に係る塗料組成物が好適なチクソトロピー性を示すので、この塗料組成物を用いての1回の塗装、特にスプレー塗装で、所望の膜厚を有し、高い強度および硬度を有する塗膜が得られる。
上記のようなシリカを用いることにより、本発明に係る塗料組成物の調製または保管時の安定性が増し、流動性、チクソトロピー性が良好になり、本発明に係る塗料組成物を用いて垂直塗装面などに対しても充分な厚みの塗膜を少ない塗装回数で形成でき、さらに得られる塗膜の硬さ、引張強さ、伸び等の物性にバランス良く優れるなどの効果が得られる。
本発明に係る塗料組成物に含まれる前記成分(A)および前記成分(B)の割合は、これらの成分の重量比(成分(A)の重量/成分(B)の重量)で50/1〜1/50であり、好ましくは1/1〜1/50であり、より好ましくは1/2〜1/20である。割合がこの範囲にあると、前記成分(A)と前記成分(B)との相溶性が良好であるため塗料組成物から平滑な塗膜を形成することができ、且つこの塗膜が良好な防汚性を長期間維持することが可能となる。
(オルガノポリシロキサン系成分(2))
前記オルガノポリシロキサン系成分(2)は、前記式[I]で示される基を1分子中に少なくとも1つ有し、分子鎖の両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)、または該ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)とシリカとの混合物である。なお、本発明に係る塗料組成物は、含まれる成分が前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)のみである場合も、便宜上「組成物」と称するものとする。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)の重合度は、好ましくは2〜1000である。
前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)としては、たとえば上記式(a1)または(a2)において、分子鎖の両末端のRを(一末端当たり少なくとも1つのRを)水酸基および/または加水分解性基で置き換えた構造を有するもの、および上記式[III]において、少なくとも1つのRを上記式[I]で示される基に置き換えた構造を有するものが挙げられる。
前記オルガノポリシロキサン成分(X)としては、塗装作業性及び塗膜の平滑性の観点からは前記オルガノポリシロキサン系成分(1)が好ましい。
(任意成分)
本発明に係る塗料組成物は、任意に、オルガノシラン等(C)、硬化触媒(D)、非反応性シリコーンオイル(E)、防汚剤(F)、顔料(G)、タレ止め・沈降防止剤(H)、シランカップリング剤(I)、他の塗膜形成成分(J)、無機脱水剤(K)、溶剤(L)等をさらに含んでいてもよい。
<(C)オルガノシラン等>
本発明に係る塗料組成物は、下記式[II]:
4 bSiX4-b ・・・[II]
〔R4は非置換または置換の炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、bは0または1である。〕
で示されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物(C)(以下「成分(C)」ともいう。)を含んでいてもよい。成分(C)は、成分(A)及び成分(B)を架橋させる架橋剤としての機能、あるいは顔料と樹脂との親和性を向上させる機能を有する。
成分(C)を含む本発明に係る塗料組成物を用いると、架橋密度が高く、そのため強度、特に耐スクラッチ性(引っ掻き傷に対する耐性)の高い塗膜を形成することができる。
4としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基などの直鎖状、および分枝状アルキル基;シクロヘキシル基などの環状アルキル基;ビニル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基が挙げられ、メチル基およびエチル基が好ましい。
Xの具体例および好ましい態様は、前記式[I]の中のXと同様である。
前記成分(C)としては、たとえば、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、フェニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、プロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、3−クロロプロピルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジメチルケトキシム)シラン、メチルトリ(ジエチルケトキシム)シラン、メチルトリ(メチルイソプロピルケトキシム)シラン、トリ(シクロへキサノキシム)シラン等およびこれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
前記成分(C)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記成分(C)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して、通常0.1〜50重量部であり、前記成分(C)を架橋剤として用いる場合であれば、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。
<(D)硬化触媒>
本発明に係る塗料組成物が硬化触媒(D)を含むと、該塗料組成物から形成される塗膜の硬化が促進され、硬化塗膜をより速く形成することができる。
前記硬化触媒(D)としては、たとえば、特許第2522854号に記載されているものを好適に使用でき、具体的には、ナフテン酸錫、オレイン酸錫等のカルボン酸錫類;
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫アセトアセトネート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジペントエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)錫、ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ジブチル錫ビス(エチルマレート)およびジオクチル錫ビス(エチルマレート)等の錫化合物類;
テトライソプロポキシチタン、テトラn-ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチルグリコール等のチタン酸エステル類またはチタンキレート化合物;
ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルトおよびアルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物類;
3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−β(アモノエチル)γ−アモノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン類;
ヘキシルアミン、リン酸ドデシルドデシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミンおよびジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物またはその塩類;
ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩;
酢酸カリウム、酢酸ナトリウムおよび臭酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩類;
テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシランおよびテトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン類
等が挙げられる。
前記硬化触媒(D)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒(D)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.001〜2.0重量部、さらに好ましくは0.01〜1.0重量部である。
また、前記硬化触媒(D)による塗膜の硬化促進の程度を調製する触媒調整剤を、前記硬化触媒(D)と共に用いてもよい。
前記触媒調整剤の例としては、アセチルアセトン、アルコールが挙げられ、その割合は硬化触媒(D)100重量部に対して好ましくは10〜10,000重量部である。
<(E)非反応性シリコーンオイル>
本発明に係る塗料組成物が非反応性シリコーンオイル(E)を含有すると、塗料組成物のチクソ性を適度に向上させることで垂れ止め性を改善し厚膜塗装を可能にすることができ、さらに防汚塗膜の防汚性能を向上させることができる。
「非反応性」とは、自己縮合性ならびに前記オルガノポリシロキサン系成分(X)との反応性を有さないという意味である。
前記非反応性シリコーンオイル(E)としては、海水または淡水中で、該非反応性シリコーンオイル(E)を含む本発明に係る塗料組成物から形成された塗膜からブリードアウトするものが望ましく、たとえばフェニル変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン(ポリシロキサンの側鎖、末端が全てメチル基であるもの)が挙げられる。
フェニル変性オルガノポリシロキサンとしては、例えば、「KF−54」、「KF−56」、「KF−50」(信越化学工業社製品)、「SH510」、「SH550」(東レダウコーニング社製)、「TSF431」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等の商品名で上市されているものが挙げられる。
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンとしては、例えば、「KF−6011」、「KF−6016」(信越化学工業社製品)、「SH8400」、「FZ−2208」(東レダウコーニング社製)、「TSF−4440」、「TSF−4446」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等の商品名で上市されているものが挙げられる。
ジメチルポリシロキサン(ポリシロキサンの側鎖、末端が全てメチル基であるもの)としては、例えば、「KF−96」(信越化学工業社製品)、「TSF−451」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)が挙げられる。
前記非反応性シリコーンオイル(E)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記非反応性シリコーンオイル(E)の25℃における粘度は、通常20〜30,000mPa・s、好ましくは50〜3,000mPa・sである。
前記非反応性シリコーンオイル(E)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは3〜30重量部である。
<(F)防汚剤>
本発明に係る塗料組成物が防汚塗料組成物として用いられる場合には、該塗料組成物は、防汚剤(F)をさらに含有していてもよい。
本発明に係る塗料組成物が防汚塗料組成物として用いられる場合に防汚剤(F)を含有すると、該防汚塗料組成物から形成される塗膜による海中での防汚性を、さらに向上させることができる。
前記防汚剤(F)は、無機系、有機系の何れの防汚剤であってもよい。
無機系防汚剤としては、銅、無機銅化合物(例:亜酸化銅)、ピリチオン系金属塩(例:亜鉛ピリチオン、銅ピリチオン)が好ましい。
有機防汚剤としては、テトラメチルチウラムジサルファイド、カーバメート系化合物(例:ジンクジメチルジチオカーバメート、エチレンビス(ジチオカルバミド酸)マンガン(II))、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチル−N’−3(3,4−ジクロロフェニル)尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)イソチアゾリン、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピル−S−トリアジン等を挙げることができる。
前記防汚剤(F)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記防汚剤(F)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.1〜60重量部、さらに好ましくは3〜20重量部であり、前記[I]式中の(CH2)lO(R2O)m(R3O)nで表される部分構造の100重量部に対して好ましくは1〜1000重量部、さらに好ましくは10〜100重量部である。
<(G)顔料>
本発明に係る塗料組成物が顔料(G)を含むと、該塗料組成物から形成される塗膜の強度を高めることができる。また、該塗膜が下塗り塗膜上に設けられる場合であれば、下塗り塗膜の紫外光による劣化を防止することができる。
前記顔料(G)は、従来公知の無機系、有機系の何れの顔料であってもよい。
無機系顔料としては、たとえばカーボンブラック、チタン白、ベンガラ、バライト粉、タンカル、タルク、白亜、酸化鉄粉等のように中性で非反応性のもの、亜鉛華(ZnO、酸化亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸性物質と反応性のもの(活性顔料)が挙げられる。
有機系顔料としては、たとえばフタロシアニンブルー、紺青等が挙げられる。
なお、本発明に係る塗料組成物は、顔料(G)に替えてまたは顔料(G)と共に染料などの各種着色剤を含んでいてもよい。
前記顔料(G)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記顔料(G)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.1〜30重量部である。
<(H)タレ止め・沈降防止剤>
本発明に係る塗料組成物がタレ止め・沈降防止剤(H)を含むと、塗料組成物中での顔料成分等の沈降を防止することができる。
前記タレ止め・沈降防止剤(H)としては、たとえばAl、Ca、Znのステアレート、有機ベントナイト、レシチン、アルキルスルホン酸塩、ポリエチレンワックス、アマイドワックス、水素添加ヒマシ油ワックス、酸化ポリエチレンワックス、アマイドワックス/酸化ポリエチレンワックス複合系等が挙げられる。市販品であれば、楠本化成(株)製の「ディスパロン305」、「ディスパロン4200-20」、「ディスパロンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げられる。
前記タレ止め・沈降防止剤(H)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記タレ止め・沈降防止剤(H)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。
<(I)シランカップリング剤>
本発明に係る塗料組成物がシランカップリング剤(I)を含むと、該塗料組成物から形成される塗膜と、下塗り塗膜あるいは基材との付着をより強固にすることができる。
前記シランカップリング剤(I)としては、たとえば3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−(2−アミノエチル)アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリエトキシシランが挙げられる。前記シランカップリング剤(I)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤(I)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.01〜1重量部である。
<(J)他の塗膜形成成分>
本発明に係る塗料組成物が前記オルガノポリシロキサン系成分(X)以外の塗膜形成成分である他の塗膜形成成分(J)を含むと、該塗料組成物から形成される塗膜の強度を向上させることができる。
前記他の塗膜形成成分(J)としては、たとえばアクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂(ゴム)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、塩化ゴム(樹脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、トリアルキルシリルアクリレート(共)重合体(シリル系樹脂)、石油樹脂等の難あるいは非水溶性樹脂が挙げられる。前記他の塗膜形成成分(J)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記他の塗膜形成成分(J)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.1〜30重量部である。
<(K)無機脱水剤>
本発明に係る塗料組成物が無機脱水剤(K)を含むと、該塗料が保存中に水分により劣化することを防ぐことができる。
前記無機脱水剤(K)としては、無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(モレキュラーシーブ(商品名)等)、シリケート類等が挙げられ、無水石膏、モレキュラーシーブ(商品名)が好ましい。前記無機脱水剤(K)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記無機脱水剤(K)の割合は、前記オルガノポリシロキサン系成分(X)100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
<(L)溶剤>
本発明に係る塗料組成物が溶剤(L)を含むと、該塗料の粘度を調整し、塗工性を調整することができる。
前記溶剤(L)としては、脂肪族系、芳香族系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アルコール系などの、従来公知の溶剤を用いることができる。芳香族系溶剤としては、たとえば、キシレン、トルエンが挙げられ、ケトン系溶剤としては、たとえば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられ、エーテル系溶剤としては、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが挙げられ、アルコール系溶剤としては、たとえば、イソプロピルアルコールが挙げられる。前記溶剤(L)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記塗料組成物中の前記溶剤(L)の割合は0重量%以上であり、その上限は、塗料の垂れ止め性の低下等を防ぐ観点からは好ましくは50重量%である。
<塗料組成物>
本発明に係る塗料組成物は、前記各成分を混合することにより製造することができる。混合方法としては、従来公知の混合方法を採用することができる。
本発明に係る塗料組成物は、一液型の塗料組成物であってもよく、互いに接触しないように収容された複数の液を塗装の際に混合して調製される多液型の塗料組成物であってもよい。多液型の塗料組成物の調製に用いられる複数の液の組み合わせとしては、たとえば前記成分(A)および前記成分(C)を含む第1液と、前記成分(B)を含む第2液との組み合わせ、および前記成分(A)を含む第1液と、前記成分(B)を含む第2液と、前記成分(C)を含む第3液との組み合わせが挙げられる。
本発明に係る塗料組成物の粘度(23℃で、ストーマー粘度計により測定される粘度)は、通常120KU以下、好ましくは100KU以下である。
本発明に係る塗料組成物から形成される塗膜は、海中で良好な防汚性を発揮するため、本発明に係る塗料組成物は防汚塗料組成物として使用することができる。
[防汚塗膜等]
本発明に係る防汚塗膜は、オルガノポリシロキサン系マトリックスを含んでなる防汚塗膜であって、該マトリックスは、下記式[I’]で表される基を含む加水分解性のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基:
Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)n ・・・[I’]
〔式[I’]中、(R3O)nは前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基中のポリシロキサン骨格以外のポリシロキサン骨格中のケイ素原子と結合しており、
l、R2、R3、mおよびnは、それぞれ上述した式[I]中のl、R2、R3、mおよびnと同様である。〕
を有する。
式[I’]中のSiは、好ましくは前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基のポリシロキサン骨格中のケイ素原子である。
この加水分解性のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基は、前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)から、式[I]においてSiR1 a3-aで表される部分を除去したものに相当する。
また、本発明に係る防汚塗膜付基材は、基材と、該基材の表面に設けられた本発明に係る防汚塗膜とを有することを特徴としている。
前記防汚塗膜は海中で加水分解されてSi(CH2)lO(R2O)m(R3O)nHで示される基を含むポリエーテル変性オルガノポリシロキサンが表面に徐々にブリードしていくため、この塗膜により良好な防汚性が長期間維持される。
本発明に係る防汚塗膜および防汚塗膜付基材は、従来公知の製造方法において、塗料組成物として本発明に係る塗料組成物を用いることによって、形成することができる。したがって、本発明に係る防汚塗膜には、前記オルガノポリシロキサン系マトリックスの他、本発明に係る塗料組成物に含まれることのある成分であるシリカ、非反応性シリコーンオイル(E)、防汚剤(F)、顔料(G)、タレ止め・沈降防止剤(H)、シランカップリング剤(I)、他の塗膜形成成分(J)、無機脱水剤(K)等が含まれていても良い。
本発明に係る防汚塗膜ないし防汚塗膜付基材は、たとえば、本発明に係る塗料組成物を、基材の表面に塗装し、たとえば大気中で常温下または加熱下で0.5〜3日程度放置して硬化させることにより得ることができる。
塗装方法としては、刷毛、ロール、スプレー、ディップコーター等、従来公知の塗装手段を広く用いることが可能であるが、本発明に係る塗料組成物は、スプレー塗装する上で、好適な特性を有している。
本発明に係る塗料組成物の塗装から硬化までの操作1回あたりに形成される塗膜の厚さは、防汚塗膜の用途などに応じて適宜設定され、たとえば30〜400μmである。
本発明に係る防汚塗膜の厚さは、防汚塗膜の用途などに応じて適宜設定され、たとえば150〜1000μmである。
前記基材としては、特に限定されないが、好ましくは、海水または淡水に接触する基材が挙げられ、たとえば、各種発電所(火力、原子力)の給排水口や、湾岸道路、海底トンネル、港湾設備または運河・水路等の各種海洋・河川土木工事において使用される汚泥拡散防止膜等の水中構造物、FRP船等の船舶(特に船舶の喫水部から船底部分)、漁業資材(ロープ、魚網等の漁具、浮き子またはブイなど)が挙げられる。
前記防汚塗膜が設けられる前記基材の表面には、防食塗膜等の塗膜(下塗り層)が形成されていてもよい。
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、各測定条件は以下の通りである。
(1)塗装後の塗膜状態
1000mm×1000mm×1mm(厚)の大きさのブリキ板を垂直に立てかけた状態で、その表面に、各塗料組成物を用いて、ウェット膜厚が400μmとなるように、エアレススプレー塗装を行い、塗装後の乾燥塗膜について、目視で塗膜状態(クレーター有無、レベリング性)を評価した。
(2)粘度(スプレー塗装作業性の評価)
各塗料組成物の粘度を、23℃の温度条件下でストーマー粘度計を用いて測定した。
3液型組成の塗料組成物については、3液を混合した直後、混合30分後、60分後に測定を行い、混合60分後の粘度のみ以下の基準で評価した。
1液型組成の塗料組成物については、該塗料組成物の製造直後にのみ測定を行った。
スプレー塗装作業性の評価基準は以下のとおりである。
粘度が100KU未満・・・良好
粘度が100KU以上・・・不良
(3)たるみ性(サグテスト)
水平な台の上で、JIS−K5551 7.9に示されるボックス型のサグテスターを用いて塗料組成物をブリキ板に塗布して塗膜を形成し、ウェットフィルムゲージで膜厚を測定した後、直ちにサグテスターの軌道線が水平になるようにブリキ板を垂直に立て、8時間後に膜のたるみ性を調べた。塗膜から流れ出た塗料の量が、塗膜の水平方向の幅を基準として50%以上の領域で1.5mm以下であった塗膜のうち、膜厚が最大の塗膜の膜厚を、タレ限界膜厚とした。
タレ限界膜厚が250μm以上の塗膜であれば、実用上問題ない。
(4)塗膜相溶性
前記(3)たるみ性の評価に用いた塗膜を乾燥させ、塗膜の分離傾向を目視で観察した。
(5)塗膜強度(耐スクラッチ試験)
(試験板作製)
70mm×150mm×1.6mmの大きさのサンドブラスト板上に、下から順に、エポキシ系防食塗料(商品名:バンノー500、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、ポリウレタン系塗料(商品名:CMPバイオクリンSG、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、シリコーン系バインダー(商品名:CMPバイオクリンタイコート、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、実施例または比較例の塗料組成物を乾燥膜厚が200μmとなるように1回塗布し、試験板を作製した。
(測定方法)
測定装置として、高精度引掻き試験機「スクラッチテスター KK-01」(ASTM D7027-05、ISO9252準拠、製造元:カトーテック(株))を使用し、概略図(図1)のとおり、チップの先端を、試験板の、実施例または比較例の塗料組成物から形成された塗膜の表面に接触させつつ、水平方向に移動させながら、塗膜に対するチップによる荷重を徐々に増加させていき、塗膜が破断した時点の荷重を測定した。
測定条件は以下のとおりであった。
荷重:1Nから10Nまで増加させた。
チップの形状:Φ1mm、球形チップ
チップの移動速度:100mm/秒
チップの移動距離:100mm
破断した時点の荷重が4N以上の塗膜であれば、実用上問題はない。
(6)オイル溶出量
152mm×50mm×4mmの大きさのガラス板にシリコーン系バインダー(商品名:CMPバイオクリンタイコート、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、23℃、50%RHの条件下で1週間乾燥させた後、ガラス板およびバインダーの合計重量を測定した。
その後、バインダーの塗膜の表面に、実施例または比較例の塗料組成物を乾燥膜厚が200μmとなるように1回塗布し、23℃、相対湿度50%の条件下で1週間乾燥させて防汚塗膜を形成し、試験板を作製した。次いで、試験板の重量を測定し、ガラス板およびバインダーの合計重量を差し引いて、防汚塗膜の初期重量を算出した。
次に、試験板を、23℃の天然海水に浸漬して、15ノットの周速で回転させた。
浸漬開始から2ヶ月毎に、試験板を引き上げ乾燥させた後に、試験板の重量からガラス板およびバインダーの合計重量を差し引いて防汚塗膜の重量を算出して、防汚塗膜の初期重量からの減少分をオイル溶出量とみなした。
下記式で示される重量減少率(%)により、各防汚塗膜を比較した。
重量減少率(%)=オイル溶出量(g)/防汚塗膜の初期重量(g)×100
重量測定後の試験板は再び浸漬した。この測定は、浸漬開始から6ヶ月後まで3回実施した。
(7)防汚性
(試験板の作製)
サンドブラスト板上に、下から順に、エポキシ系防食塗料(商品名:バンノー500、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、ポリウレタン系バインダー塗料(商品名:CMPバイオクリンSG、中国塗料株式会社製)を乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、実施例および比較例の塗料組成物を、乾燥膜厚が200μmとなるように1回塗布し、室温で7日間乾燥させて、試験板を作製した。
(静置防汚性)
前記試験板を広島県宮島湾にて静置浸漬して、3ヶ月毎に試験板表面への水性生物の付着状況を目視で観察し、以下の基準で静置防汚性を評価した。
(動的防汚性)
前記試験板を広島県呉沖に浸漬し、回転ローターを用いて周速15ノット程度となるよう回転させ、6ヶ月毎に試験板表面への水性生物の付着状況を目視で観察し、以下の基準で静置防汚性を評価した。
評価点
0 水生生物の付着が認められない。
1 スライム付着僅か(部分的)
2 スライム付着が中程度、またはマクロ汚損が僅か
3 スライム付着が著しい、またはマクロ汚損が中程度
4 全体にマクロ汚損が認められる(下地は見える)。
5 全体にマクロ汚損が著しい(下地が見えない)。
※マクロ汚損:アオサ、クロノリなどの藻類、セルプラ、フジツボなどの動物種による汚損
また、試験終了後の試験板に付着していた水生生物の種類を確認した。
(塗料組成物の製造)
[原料の準備]
塗料組成物の製造に使用した原料の詳細を、表1および2に示す。
[実施例1]
15.0重量部のシリカ含有オルガノポリシロキサン(B−1)、45.0重量部のオルガノポリシロキサン(B−2)、8.0重量部の赤色顔料、および溶剤として9.0重量部のキシレンを室温で混合撹拌して主剤成分を調製した。2.5重量部のオルガノシラン部分加水分解物(C)、0.3重量部のスズ触媒、触媒の効果を調整する触媒調整剤として5.0重量部のアセチルアセトン、および溶剤として2.2重量部のキシレンを室温で混合撹拌して硬化剤成分を調製した。さらに、5.0重量部のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A−1)、および溶剤として8.0重量部のキシレンを室温で混合撹拌して添加剤成分を調製した。
前記主剤成分、前記硬化剤成分、および前記添加剤成分を室温で混合撹拌して3液型の塗料組成物を製造した。
この塗料組成物の組成、およびこの塗料組成物から形成される塗膜の評価結果を、表3に示す。
[実施例2−17、比較例1−9]
原料および配合量(単位:重量部)を表3の記載のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、塗料組成物を製造した。
各塗料組成物の組成、および各塗料組成物から形成される塗膜の評価結果を、表3に示す。
[実施例18]
48.0重量部のシリカ含有オルガノポリシロキサン(B−3)、15.0重量部のシリカ含有オルガノポリシロキサン(B−4)、0.5重量部のオルガノシラン部分加水分解物(C)、3.0重量部のメチル末端オルガノポリシロキサン、8.0重量部の赤色顔料、オルガノポリシロキサン(B−2)、8.0重量部の赤色顔料、10.0重量部のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A−1)、および溶剤として20.5重量部のキシレンを室温で同時に混合して1液型の塗料組成物を製造した。
この塗料組成物の組成、およびこの塗料組成物から形成される塗膜の評価結果を、表4に示す。
[実施例19−24、比較例10−11]
原料および配合量(単位:重量部)を表4の記載のように変更したこと以外は実施例18と同様にして、塗料組成物を製造した。
各塗料組成物の組成、および各塗料組成物から形成される塗膜の評価結果を、表4に示す。

Claims (17)

  1. オルガノポリシロキサン系成分(1)およびオルガノポリシロキサン系成分(2)からなる群から選ばれる少なくとも1種のオルガノポリシロキサン系成分(X)を含有し、
    前記オルガノポリシロキサン系成分(1)は、下記式[I]:
    Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)nSiR1 a3-a ・・・[I]
    〔式[I]中、lは0〜10の整数であり、
    2およびR3は炭素数2または3のアルキレン基であり、互いに同一でも異なっていても良く、
    mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+nは2〜30であり、
    1は非置換または置換の炭化水素基であり、
    Xは加水分解性基であり、
    aは0、1または2である。〕
    で示される基を1分子中に少なくとも1つ有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)、およびオルガノポリシロキサン系成分(B)を含有し、
    該オルガノポリシロキサン系成分(B)は、分子鎖の両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するオルガノポリシロキサン(ただし、前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)を除く。)(b1)、または該オルガノポリシロキサン(b1)とシリカとの混合物であり、
    前記オルガノポリシロキサン系成分(2)は、前記式[I]で示される基を1分子中に少なくとも1つ有し、分子鎖の両末端に水酸基および/または加水分解性基を有するポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)、または該ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(Ab1)とシリカとの混合物である
    塗料組成物。
  2. 前記オルガノポリシロキサン系成分(1)を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン(A)の重量と前記オルガノポリシロキサン成分(B)量との比((A)の重量/(B)の重量)が、50/1〜1/50である請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 前記オルガノポリシロキサン(b1)の重合度が5〜2000である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  5. 前記オルガノポリシロキサン系成分(2)を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  6. 下記式[II]:
    4 bSiX4-b ・・・[II]
    〔R4は非置換または置換の炭化水素基であり、Xは加水分解性基であり、bは0または1である。〕
    で示されるオルガノシランまたはその部分加水分解縮合物(C)をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  7. 硬化触媒(D)をさらに含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  8. 前記式[I]における前記加水分解性基Xがオキシム基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  9. 非反応性シリコーンオイル(E)をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  10. 防汚塗料組成物である請求項1〜9のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  11. 防汚剤(F)をさらに含有する請求項10に記載の塗料組成物。
  12. 請求項10または11に記載の塗料組成物から形成された防汚塗膜。
  13. オルガノポリシロキサン系マトリックスを含んでなる防汚塗膜であって、該マトリックスが、下記式[I’]で表される基を含む加水分解性のポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基:
    Si(CH2)lO(R2O)m(R3O)n ・・・[I’]
    〔式[I’]中、(R3O)nは前記ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン基中のポリシロキサン骨格以外のポリシロキサン骨格中のケイ素原子と結合しており、
    lは0〜10の整数であり、
    2およびR3は炭素数2または3のアルキレン基であり、互いに同一でも異なっていても良く、
    mは0以上の整数であり、nは0以上の整数であり、m+nは2〜30である。〕
    を有する防汚塗膜。
  14. 請求項10または11に記載の塗料組成物からなる膜を硬化させる工程を含む防汚塗膜の製造方法。
  15. 基材と、該基材を覆う請求項12または13に記載の防汚塗膜とを有する防汚塗膜付基材。
  16. 前記基材が、水中構造物、船舶または漁具である請求項15に記載の防汚塗膜付基材。
  17. 基材の表面に請求項10または11に記載の塗料組成物の膜を形成し、該膜を硬化させる工程を含む防汚塗膜付基材の製造方法。
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