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JP2007008967A - 撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物 Download PDF

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JP2007008967A
JP2007008967A JP2001033877A JP2001033877A JP2007008967A JP 2007008967 A JP2007008967 A JP 2007008967A JP 2001033877 A JP2001033877 A JP 2001033877A JP 2001033877 A JP2001033877 A JP 2001033877A JP 2007008967 A JP2007008967 A JP 2007008967A
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Abstract

【課題】保存安定性に優れ、かつ、硬化後は撥水性に優れた高硬度のコーティング皮膜を形成する撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)式:(R2SiO2/2w(RSiO3/2x(SiO4/2y(O1/21z[式中、Rは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜6の飽和炭化水素基である。wは0以上0.2以下の数であり、xは0.4以上0.9以下の数であり、yは0.1以上0.6以下の数であり、zは0.1以上0.5以下の数であり、かつ、(w+x+y)=1である。]で表される平均構成単位を有するオルガノポリシロキサン、(B)アルコール系溶剤、(C)炭化水素系溶剤および/または式:Me3SiO(Me2SiO)nSiMe3(式中、Meはメチル基を表し、nは0または1である。)で表されるジメチルシリコーン、(D)アルコキシシランおよび/またはシランカップリング剤、(E)縮合反応用触媒からなることを特徴とする撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物に関し、詳しくは、硬化後に撥水性に優れた高硬度のコーティング皮膜を形成する撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬化性のシリコーンレジン組成物は、各種無機材料の表面に撥水性や耐水性を付与するコーティング剤として汎用されている。このようなコーティング用シリコーンレジン組成物には、主に、式:CH3SiO3/2で示されるシロキサン単位(以下、T単位という)からなるポリメチルシルセスキオキサンや、式:(CH3) 2SiO2/2で示されるシロキサン単位(以下、D単位という)とT単
位から構成されるメチルシリコーンレジンが使用されている。しかしながら、これらのシリコーンレジンをベースにしたコーティング剤は、皮膜の硬さが十分ではないという欠点があった。一方、高硬度の皮膜を形成するものとして、コロイド状シリカを配合したコーティング剤(特開平2−8273号公報参照)が提案されている。しかしながら、このものは保存安定性が不十分であり、さらなる改良が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、保存安定性に優れ、かつ、硬化後は撥水性に優れた高硬度のコーティング皮膜を形成する撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)式:
(R2SiO2/2w(RSiO3/2x(SiO4/2y(O1/21z
[式中、Rは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜6の飽和炭化水素基である。wは0以上0.2以下の数であり、xは0.4以上0.9以下の数であり、yは0.1以上0.6以下の数であり、zは0.1以上0.5以下の数であり、かつ、(w+x+y)=1である。]で表される平均構成単位を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)アルコール系溶剤 20〜150重量部、
(C)炭化水素系溶剤、および/または、式:Me3SiO(Me2SiO)nSiMe3(式中、Meはメチル基を表し、nは0または1である。)で表されるジメチルシリコーン 100〜1000重量部、
(D)アルコキシシランおよび/またはシランカップリング剤1〜100重量部、
(E)縮合反応用触媒 0.1〜20重量部、
からなることを特徴とする撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、式:
(R2SiO2/2w(RSiO3/2x(SiO4/2y(O1/21z
で表される平均構成単位を有するシリコーンレジンである。上式中、Rは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,5−ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール基が挙げられる。中でもメチル基が好ましい。R1は水素原子または炭素原子数1〜6の飽和炭化水素基である。飽和炭化水素基としては、メチル基,エチル基,プロピル基などのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基やエチル基が好ましい。wは0以上0.2以下の数であり、xは0.4以上0.9以下の数であり、yは0.1以上0.6以下の数であり、zは0.1以上0.5以下の数であり、かつ、(w+x+y)=1である。特に、xは0.6以上0.9以下であることが好ましい。
【0007】
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンは、例えば、式:R2Si(OR12で表されるジオルガノジアルコキシシランと、式:RSi(OR13で表されるオルガノトリアルコキシシランと、式:Si(OR14で表されるテトラアルコキシシランとを加水分解縮合することにより製造できる。ジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシラン,ジメチルジイソプロポキシシランが例示される。オルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,メチルトリイソプロポキシシラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエトキシシランが例示される。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトライソプロポキシシランが例示される。尚、テトラアルコキシシランの代わりに、その部分加水分解物を用いてもよい。このような部分加水分解物は、例えば、「シリケート40」や「シリケート45」という商品名で、多摩化学工業株式会社から市販されている。また、テトラアルコキシシランの一部ないし全部を、コロイダルシリカに代えてもよい。コロイダルシリカとしては、水分散のコロイダルシリカや有機溶剤に分散させたコロイダルシリカが挙げられるが、水分散タイプよりも、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール分散のコロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカの平均粒径は5〜100μmであることが好ましい。特に、平均粒径が20μm以下のコロイダルシリカと、平均粒径が20μmより大きいコロイダルシリカを併用するのが好ましく、その混合比率は、平均粒径が20μmより大きいコロイダルシリカが20〜95重量%であるのが好ましい。コロイダルシリカを使用する場合には、コロイダルシリカの存在下でオルガノトリアルコキシシランおよびジオルガノジアルコキシシランを加水分解する方法が挙げられるが、まずコロイダルシリカにオルガノトリアルコキシシランおよびジオルガノジアルコキシシランを添加し、次いで、適時水を加えて加熱縮合反応を進行させるのが好ましい。
【0008】
(B)成分のアルコール系溶剤は、(A)成分のオルガノポリシロキサンの分散性と保存安定性を向上させるための希釈溶剤であり、メタノール,エタノール,イソプロパノール,ブタノール,イソブタノールが例示される。これらのアルコール系溶剤は、少量の水分を含んでいてもよい。(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して、20〜150重量部であり、50〜140重量部が好ましい。これは、20重量部未満であると(A)成分の分散安定性が不十分であり、150重量部を超えると塗布時に白化してコーティング性が低下することがあるためである。
【0009】
(C)成分の炭化水素系溶剤および式:Me3SiO(Me2SiO)nSiMe3で表されるジメチルシリコーンは、コーティング性を向上させる希釈溶剤である。上式中、Meはメチル基を表し、nは0または1である。炭化水素系溶剤としては、トルエン,キシレンなどの芳香族系炭化水素;ヘキサン,オクタン,ヘプタン,リグロイン等の脂肪族系炭化水素;クロロホルム,塩化メチレン,四塩化炭素,クロロベンゼン等の塩化炭化水素溶剤が例示され、これらの1種または2種以上の混合溶剤が使用できる。この炭化水素系溶剤とジメチルシリコーンは併用することが好ましく、その混合比率(重量)は、95:5〜40:60の範囲であることが好ましい。(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して100〜1000重量部である。これは、100重量部未満であるとコーティング塗膜の平滑性が低下するためである。
【0010】
(D)成分のアルコキシシランおよびシランカップリング剤は、本発明のコーティング塗膜の密着性を向上させる成分である。アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,メチルトリイソプロポキシシラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシランが例示される。また、シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン,3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン,3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン,3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のアミノシランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。これらのアルコキシシランとシランカップリング剤は併用してもよく、その混合比率(重量)は、100:0〜10:90の範囲であることが好ましい。(D)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して1〜100重量部である。これは、1重量部未満であると本発明組成物の密着性が向上せず、100重量部を超えるとコーティング塗膜の硬化性が低下するためである。
【0011】
(E)成分の縮合反応用触媒は従来公知のシリコーン樹脂の縮合触媒でよく、例えば、ジブチルスズジアセテ−ト,ジブチルスズジオクテ−ト,ジブチルスズジラウレート,ジブチルスズジマレート,ジオクチルスズジラウレート,ジオクチルスズジマレート,オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート,イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート,ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート,テトラアルキルチタネートなどの有機チタネート化合物;テトラブチルジルコネート,テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム,テトライソブチルジルコネート,ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム,ナフテン酸ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム,トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;ナフテン酸亜鉛,ナフテン酸コバルト,オクチル酸コバルトなどの有機金属触媒;ジエタノ−ルアミン,トリエタノ−ルアミン等の有機ケイ素化合物を含まないアミン系触媒などが挙げられる。(E)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜20重量部であり、1〜10重量部であることが好ましい。これは、0.1重量部未満であると本発明組成物の硬化性が低下し、20重量部を超えると保存安定性が低下するためである。
【0012】
本発明組成物は上記(A)成分〜(E)成分からなるものであるが、塗工性を向上させるために、さらに(F)ポリオキシアルキレン変性シリコーンを加えるのが好ましい。このポリオキシアルキレン変性シリコーンは、分子鎖末端または側鎖に、ポリオキシエチレン基またはオキシエチレン基とオキシプロピレン基がブロック結合もしくはランダム結合したポリオキシアルキレン基を有する直鎖状のシロキサンである。ポリオキシアルキレン基以外のケイ素原子に結合する基はメチル基が好ましく、またその一部がフェニル基などの他の炭化水素基で置換されていてもよい。このポリオキシアルキレン変性シリコーンの25℃における粘度は、100〜100,000mPa/sの範囲であることが好ましい。(F)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜20重量部である。これは、0.1重量部未満であると本成分の添加効果が見られず、20重量部を超えると本発明組成物の保存安定性が低下するためである。
【0013】
さらに本発明組成物には、必要に応じて、(B)成分および(C)成分以外の有機溶剤,着色顔料,防錆顔料などの顔料類,抗菌剤,防汚剤などを適宜配合することができる。(B)成分および(C)成分以外の有機溶剤としては、メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤などが挙げられる。
【0014】
以上のような本発明の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物は、保存安定性、塗工性に優れ、かつ、各種基材表面に塗工して加熱処理することにより、撥水性に優れ、鉛筆硬度が少なくとも5H以上の硬質皮膜を形成するという特徴を有する。適用される基材としては、ガラス、セラミック、金属(例えば、鉄、ステンレススチール、アルミ)などの無機基材や、プラスチック、木材などの有機基材が例示される。基材の形状は、板、ブロック、フィルム、粉末が例示される。中でも、鉄粉、フェライトなどの無機粉末の撥水性コーティング剤として好適であり、特に、キャリアを使用する静電像現像用のキャリア核粒子の撥水性コーティング剤として有用である。コーティング方法としては、スプレーコーティング,ロールコーティング,ディップコーティングが挙げられる。コーティング後の加熱温度は、通常、50〜350℃である。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中、部とあるのは重量部であり、粘度は25℃における測定値である。
【0016】
【実施例1】
フラスコに、ジメチルジメトキシシラン20g、メチルトリメトキシシラン180g、メタノール分散のコロイダルシリカ(平均粒子径13μm、シリカ固形分30重量%)80gを加えて混合し、さらに水36gを加えて混合した。次いで、これを加熱還流下で2時間攪拌した。その後、冷却して、ポリメチルシロキサン132gのメタノール溶液315gを得た。ガスクロマトグラフィー分析の結果、このメタノール溶液中にメチルトリメトキシシランは検出されなかった。また、29Si−NMR分析および13C−NMR分析より、得られたポリメチルシロキサンは、式:
[(CH32SiO2/2]0.09(CH3SiO3/20.7(SiO4/20.21(O1/2CH30.16
で示される平均構成単位を有する分岐状のポリメチルシロキサンであることが判明した。
このポリメチルシロキサンのメタノール溶液239部(ポリメチルシロキサン量は100部)に、トルエン230部、ヘキサメチルジシロキサン79部、メチルトリメトキシシラン12部、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン1部およびジブチルスズジラウレート4部を加えて混合し、コーティング用シリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物は透明な溶液であり、これをスライドガラス板に流し塗りしたところ、均一な塗膜が得られた。また、この塗膜を温度200℃に設定したオーブン中に30分間入れて加熱した。放冷後、塗膜の鉛筆硬度を測定したところ、8Hであった。また、塗膜の水に対する接触角は100°であった。
【0017】
【実施例2】
フラスコに、メチルトリメトキシシラン200gと、メタノール分散のコロイダルシリカ(平均粒子径13μm、シリカ固形分30重量%)80gを加えて混合し、さらに水36gを加えて混合した。次いで、これを加熱還流下で2時間攪拌した。その後、冷却して、ポリメチルシロキサン132gのメタノール溶液315gを得た。ガスクロマトグラフィー分析の結果、このメタノール溶液中にメチルトリメトキシシランは検出されなかった。また、29Si−NMR分析および13C−NMR分析より、得られたポリメチルシロキサンは、式:
(CH3SiO3/20.77(SiO4/20.23(O1/2CH30.17
で示される平均構成単位を有する分岐状のポリメチルシロキサンであることが判明した。
このポリメチルシロキサンのメタノール溶液239部(ポリメチルシロキサン量は100部)に、トルエン235部、ヘキサメチルジシロキサン80部、メチルトリメトキシシラン13部およびジブチルスズジラウレート4部を加えて混合し、コーティング用シリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物は透明な溶液であり、25℃における比重は0.91であり、粘度は1.2mm2/sであり、屈折率は1.426であった。この溶液をスライドガラス板に流し塗りしたところ、均一な塗膜が得られた。また、この塗膜を温度200℃に設定したオーブン中に30分間入れて加熱した。放冷後、塗膜の鉛筆硬度を測定したところ、8Hであった。また、塗膜の水に対する接触角は99°であった。
【0018】
【実施例3】
フラスコに、メチルトリメトキシシラン200g、平均粒子径23μmのメタノール分散のコロイダルシリカ(シリカ固形分40重量%)55gと、平均粒子径10μmのメタノール分散のコロイダルシリカ(シリカ固形分25重量%)8gを加えて混合し、さらに水36gを加えて混合した。次いでこれを、加熱還流下で2時間攪拌した。その後、冷却して、ポリメチルシロキサン132gのメタノール溶液298gを得た。ガスクロマトグラフィー分析の結果、このメタノール溶液中にメチルトリメトキシシランは検出されなかった。また、29Si−NMR分析および13C−NMR分析より、得られたポリメチルシロキサンは、式:
(CH3SiO3/20.77(SiO4/20.23(O1/2CH30.17
で示される平均構成単位を有する分岐状のポリメチルシロキサンであることが判明した。
このポリメチルシロキサンのメタノール溶液226部(ポリメチルシロキサン量は100部)に、トルエン235部、ヘキサメチルジシロキサン75部、メチルトリメトキシシラン12部およびジブチルスズジラウレート3.5部を加えて混合し、コーティング用シリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物は透明な溶液であり、25℃での比重は0.91であった。この溶液をスライドガラス板に流し塗りしたところ、均一な塗膜が得られた。また、この塗膜を温度200℃に設定したオーブン中に30分間入れて加熱した。放冷後、塗膜の鉛筆硬度を測定したところ、9Hであった。また、塗膜の水に対する接触角は100°であった。
【0019】
【実施例4】
フラスコに、メチルトリメトキシシラン180g、テトラエトキシシランの部分加水分解物(粘度3mm2/s、比重1.05、SiO2含有量40重量%)15g、メタノール分散のコロイダルシリカ(平均粒子径13μm、シリカ固形分30重量%)60g、ジメチルジメトキシシラン20gを加えて混合し、さらに水36gを加えて混合した。次いでこれを、加熱還流下で2時間攪拌を行った。その後、冷却して、ポリメチルシロキサン132gのメタノール溶液310gを得た。ガスクロマトグラフィー分析の結果、このメタノール溶液中にメチルトリメトキシシランは検出されなかった。また、29Si−NMR分析および13C−NMR分析より、得られたポリメチルシロキサンは、式:
[(CH32SiO2/2]0.09(CH3SiO3/2)0.7(SiO4/2)0.21(O1/2CH3)0 .16
で示される平均構成単位を有する分岐状のポリメチルシロキサンであることが判明した。
このポリメチルシロキサンのメタノール溶液239部(ポリメチルシロキサン量は100部)に、トルエン230部、ヘキサメチルジシロキサン77部、メチルトリメトキシシラン12部、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン1部、ポリオキシエチレン変性ジメチルシロキサン(ポリオキシエチレン鎖の含有量47重量%,粘度270mm2/s,比重1.03)2部およびジブチルスズジラウレート4部を加えて混合し、コーティング用シリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物は透明な溶液であり、これをスライドガラス板に流し塗りしたところ、均一な塗膜が得られた。また、この塗膜を温度200℃に設定したオーブン中に30分間入れて加熱した。放冷後、塗膜の鉛筆硬度を測定したところ、7Hであった。また、塗膜の水に対する接触角は102°であった。
【0020】
【比較例1】
実施例1において、メタノール分散のコロイダルシリカ(平均粒子径13μm、シリカ固形分30重量%)を配合しなかった以外は実施例1と同様にして、ポリメチルシロキサン108gのメタノール溶液235gを得た。このポリメチルシロキサンは、29Si−NMR分析および13C−NMR分析の結果、式:
[(CH32SiO2/2]0.11(CH3SiO3/2)0.89(O1/2CH3)0.28
で示される平均構成単位を有する分岐状のポリメチルシロキサンであることが判明した。
このポリメチルシロキサンのメタノール溶液217部(ポリメチルシロキサン量は100部)に、トルエン230部、ヘキサメチルジシロキサン79部、メチルトリメトキシシラン12部、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン1部およびジブチルスズジラウレート4部を加えて混合し、コーティング用シリコーン樹脂組成物を得た。
得られた組成物は透明な溶液であり、これをスライドガラス板に流し塗りしたところ、均一な塗膜が得られた。また、この塗膜を温度200℃に設定したオーブン中に30分間入れて加熱した。放冷後、塗膜の鉛筆硬度を測定したところ3Hであり、本発明組成物の塗膜に比べて硬度が不十分であることが判明した。また、塗膜の水に対する接触角は100°であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明組成物は上記(A)成分〜(E)成分からなり、硬化後は撥水性に優れた高硬度の塗膜を形成するという特徴を有する。

Claims (6)

  1. (A)式:
    (R2SiO2/2w(RSiO3/2x(SiO4/2y(O1/21z
    [式中、Rは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜6の飽和炭化水素基である。wは0以上0.2以下の数であり、xは0.4以上0.9以下の数であり、yは0.1以上0.6以下の数であり、zは0.1以上0.5以下の数であり、かつ、(w+x+y)=1である。]で表される平均構成単位を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、
    (B)アルコール系溶剤 20〜150重量部、
    (C)炭化水素系溶剤、および/または、式:Me3SiO(Me2SiO)nSiMe3(式中、Meはメチル基を表し、nは0または1である。)で表されるジメチルシリコーン 100〜1000重量部、
    (D)アルコキシシランおよび/またはシランカップリング剤
    1〜100重量部、
    (E)縮合反応用触媒 0.1〜20重量部、
    からなることを特徴とする、撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
  2. (A)成分中の(SiO4/2)単位が、コロイダルシリカに由来するものである、請求項1に記載の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
  3. (A)成分のオルガノポリシロキサンが、コロイダルシリカの存在下にオルガノトリアルコキシシランを加水分解縮合することにより得られたものである、請求項2に記載の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
  4. (A)成分のオルガノポリシロキサンが、コロイダルシリカの存在下にオルガノトリアルコキシシランとジオルガノジアルコキシシランを加水分解縮合することにより得られたものである、請求項2に記載の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
  5. 平均粒径が20μmより大きいコロイダルシリカと、平均粒径が20μm以下のコロイダルシリカを併用することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
  6. さらに(F)ポリオキシアルキレン変性シリコーンを、0.1〜20重量部配合することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の撥水コーティング用シリコーン樹脂組成物。
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