JP2016096770A - 散布機用噴管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】散布機用噴管10Dであって、直線状の主流路21が形成された本管部20と、二つの噴出口41,42が上下方向に並設された分岐部30と、を備えている。分岐部30には、主流路21から両噴出口41,42に通じる二つの分岐流路51,52が上下方向に並設され、両分岐流路51,52の中心軸線L2,L3は、主流路21の中心軸線L1に対して傾斜している。上側の分岐流路51の中心軸線L2は、主流路21の中心軸線L1に対して上向きに傾斜し、下側の分岐流路52の中心軸線L3は、主流路21の中心軸線L1に対して下向きに傾斜している。
【選択図】図3
Description
本発明の散布用噴管では、最上部の噴出口から散布された粒状物は遠い領域に散布され、最下部の噴出口から散布された粒状物は近い領域に散布される。このとき、各分岐流路を通過する空気流の圧力差が少ないため、最上部の噴出口の散布領域と、最下部の噴出口の散布領域とを連続させることができる。
したがって、本発明の散布機用噴管では、噴管の先端部に対して遠い領域から近い領域に亘って粒状物を均等に散布することができるため、粒状物を広範囲に均一に散布することができる。
また、前記した散布機用噴管において、前記各分岐流路の内周面の分岐開始位置に形成された案内面を、前記主流路の中心軸線に対して5度以上20度以下の範囲で傾斜させることが望ましい。
この構成では、各噴出口から排出される空気流の圧力を合わせた圧力が、本管部の主流路を通過する空気流の圧力と略同じになるため、粒状物を散布するときのエネルギ損失を防ぐことができる。
また、前記した散布用噴管において、前記各分岐流路の中心軸線の交点が、前記主流路の中心軸線に対して上下方向にずれていることが望ましい。
これらの構成では、分岐開始位置に接触する粒状物の量が低減されるため、粒状物の損傷を抑制することができる。
また、空気流は主流路から分岐開始位置をスムーズに通過するため、空気流が分岐開始位置を通過するときに流速が低下するのを抑制することができる。
まず、本実施形態の噴管が用いられる散布機の全体構成について説明した後に、本実施形態の噴管について説明する。
散布機1は、送風機2と、送風機2のファンを回転させるエンジン3と、多数の粒状物が貯留されるタンク4と、を主に備え、送風機2の吐出口2aには、吐出パイプ2bが連結されている。本実施形態では、吐出パイプ2bに四本の噴管10A〜10Dが直線状に連結されている。
散布機1は、背負いフレーム(図示せず)に搭載されることで、作業者が背負った状態で搬送可能となっている。作業者は根元側の噴管10Aを手に持って、各噴管10A〜10Dから粒状物を周辺領域に散布するように構成されている。
吐出パイプ2b側から一本目、二本目および三本目の噴管10A〜10Cは、直線状に形成されている。各噴管10A〜10Cの周壁部には先端側に向けて斜め下方に開口した排出穴23が形成されている。
本管部20の基端部には、噴管10B(図1参照)の先端部に着脱自在な連結部22が形成されている。
本管部20の軸方向の中央部よりも基端側の周壁部の下部には、排出穴23が形成されている。排出穴23は、先端側に向けて斜め下向きに開口している。
また、下側の分岐流路52の中心軸線L3が主流路21の中心軸線L1に対して15度の角度Cで下向きに傾斜している。
このように、本実施形態の噴管10Dでは、両分岐流路51,52の中心軸線L2,L2が主流路21の中心軸線L1に対して上向きおよび下向きに同じ角度で傾斜している。
なお、両分岐流路51,52の中心軸線L2,L3は、主流路21の中心軸線L1に対して5度以上20度以下の範囲の角度で傾斜していることが望ましい。
また、下側の分岐流路52の内周面において、分岐開始位置Pに接している案内面S2(分岐開始位置Pから噴出口42に向けて延びている領域)は、主流路21の中心軸線L1に対して15度の角度で下向きに傾斜している。
また、両分岐流路51,52の中心軸線L2,L3の交点Bは、主流路21の中心軸線L1に対して下方にずれている。
上側の噴出口41の開口面積は、下側の噴出口42の開口面積よりも大きく形成されている。
本実施形態の噴管10Dでは、上側の噴出口42の直径が下側の噴出口42の直径に対して約1.5倍の大きさに形成されている。すなわち、上側の噴出口42の開口面積が下側の噴出口42の開口面積に対して約2.25倍の大きさに形成されている。
上側の噴出口42の直径は、下側の噴出口42の直径に対して1.2倍から2.0倍の大きさに形成することが望ましい。すなわち、上側の噴出口42の開口面積は、下側の噴出口42の開口面積に対して1.4倍から4.0倍の大きさに形成することが望ましい。
なお、上側の噴出口42の直径を下側の噴出口42の直径に対して1.5倍の大きさに形成し、上側の噴出口42の開口面積を下側の噴出口42の開口面積に対して2.25倍の大きさに形成することが特に望ましい。
本実施形態の噴管10Dでは、上側の噴出口41の開口面積が、本管部20と分岐部30との境界位置Aの開口面積の約68%の大きさに形成されている。また、下側の噴出口42の開口面積が、本管部20と分岐部30との境界位置Aの開口面積の約31%の大きさに形成されている。
すなわち、本実施形態の噴管10Dでは、上下の噴出口41,42の開口面積を合わせた面積が、本管部20と分岐部30との境界位置Aの開口面積の約99%の大きさに形成されている。
なお、両噴出口41,42の開口面積を合わせた面積は、本管部20と分岐部30との境界位置Aの開口面積の95%以上105%以下の大きさであることが望ましい。
このとき、両分岐流路51,52の内周面の分岐開始位置Pは、主流路21の中心軸線L1よりも下方に配置されるとともに、両分岐流路51,52の中心軸線L2,L3の交点Bが主流路21の中心軸線L1よりも下方に配置されている。
これにより、分岐開始位置Pに接触する粒状物の量が低減されるため、粒状物の損傷を抑制することができる。また、空気流は主流路21から分岐開始位置Pをスムーズに通過するため、空気流が分岐開始位置Pを通過するときに流速が低下するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、各噴管10A〜10Dの中心軸線を水平線に対して約30度上向きに傾斜させた状態で粒状物を散布するように設定されている。
したがって、噴管10Dの先端部に対して遠い領域から近い領域に亘って粒状物を均等に散布することができるため、粒状物を広範囲に均一に散布することができる。
また、噴管10Dでは、上下二つの噴出口41,42を有しており、分岐の数を抑えつつ粒状物を広範囲に均一に散布することができる。
このように、主流路21に対して両分岐流路51,52および分岐開始位置Pの案内面S1,S2が大きく傾斜するのを防ぐことで、噴管10D内を空気流がスムーズに通過する。そして、両分岐流路51,52の分岐開始位置Pに粒状物が強く衝突するのを防ぎつつ、両分岐流路51,52の内周面に沿って、粒状物の流通方向および流通速度を変化させることができる。したがって、粒状物の損傷を防ぎつつ、粒状物をより効果的に広範囲に均一に散布することができる。
例えば、本実施形態では、図3に示すように、上下の分岐流路51,52の中心軸線L2,L3が主流路21の中心軸線L1に対してそれぞれ15度の角度で傾斜しているが、その角度は限定されるものではない。
このように、三つ以上の分岐流路を形成した場合でも、主流路21に対して全ての分岐流路を傾斜させることで、粒状物を広範囲に均一に散布することができる。
また、本実施形態では、上下の分岐流路51,52の中心軸線L2,L3の交点Bが、主流路21の中心軸線L1に対して下方にずれているが、分岐流路51,52の中心軸線L2,L3の交点Bを主流路21の中心軸線L1に対して上方にずらしてもよい。
2 送風機
2a 吐出口
2b 吐出パイプ
3 エンジン
4 タンク
10A〜10D 噴管
20 本管部
21 主流路
22 連結部
23 排出穴
30 分岐部
31 連結流路
41 上側の噴出口
42 下側の噴出口
51 上側の分岐流路
52 下側の分岐流路
A 境界位置
P 分岐開始位置
P1 弾性部材
S1,S2 案内面
Claims (10)
- 粒状物を散布するための散布機に用いられる散布機用噴管であって、
直線状の主流路が形成された本管部と、
複数の噴出口が上下方向に並設された分岐部と、を備え、
前記分岐部には、
前記主流路から前記各噴出口に通じる複数の分岐流路が上下方向に並設され、
前記各分岐流路の中心軸線は、前記主流路の中心軸線に対して傾斜しており、
最上部の前記分岐流路の中心軸線は、前記主流路の中心軸線に対して上向きに傾斜し、
最下部の前記分岐流路の中心軸線は、前記主流路の中心軸線に対して下向きに傾斜していることを特徴とする散布機用噴管。 - 前記分岐部には、
上下二つの前記噴出口が形成されているとともに、
前記主流路から前記両噴出口に通じる二つの前記分岐流路が上下方向に並設されていることを特徴とする請求項1に記載の散布機用噴管。 - 最上部の前記噴出口の開口面積は、他の前記噴出口の開口面積よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の中心軸線は、前記主流路の中心軸線に対して5度以上20度以下の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の中心軸線は、前記主流路の中心軸線に対して上向きおよび下向きに同じ角度で傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の内周面の分岐開始位置に形成された案内面は、前記主流路の中心軸線に対して5度以上20度以下の範囲で傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各噴出口の開口面積を合わせた面積は、前記本管部と前記分岐部との境界位置における前記散布機用噴管の開口面積の95%以上105%以下の大きさであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の内周面の分岐開始位置が、前記主流路の中心軸線に対して上下方向にずれていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の中心軸線の交点が、前記主流路の中心軸線に対して上下方向にずれていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
- 前記各分岐流路の内周面の分岐開始位置に弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の散布機用噴管。
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