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JP2016088254A - 車両用テールゲートのシール構造 - Google Patents

車両用テールゲートのシール構造 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構成で、フランジ部先端とウェザストリップ間の境界部の隙間から水が車内側に侵入するのを抑制できる車両用テールゲートのシール構造を提供する。【解決手段】本発明は、テールゲート開口部3と、テールゲート開口部の下側領域を閉じる下ゲート9b、テールゲート開口部の上側領域を閉じる上ゲート9a、下ゲートの上端部に設けられウェザストリップ5と当接されるフランジ部13、上ゲートの下端部に設けられ下ゲートのフランジ部に車外側から重なり合う重合部15、重合部のフランジ部と対向する面に設けたセンタウェザストリップ17を備え、センタウェザストリップは、フランジ部先端とウェザストリップの境界部kを跨いでフランジ部とウェザストリップの両者に当接されるサイドシール21を有し、サイドシールのシール面21aのうち、境界部を跨いでウェザストリップと当接される当接域23より少なくとも車外側の部位に、境界部の側方近傍を通るよう上下方向に延びるリブ部25が設けられる。【選択図】図7

Description

本発明は、車両後部のテールゲート開口部をシールする車両用テールゲートのシール構造に関する。
車体後部にテールゲート開口部をもつ自動車(車両)には、上下二分割式のテールゲート、具体的には上ゲートと下ゲートを用いて、テールゲート開口部の上側領域だけを開放させたり、上側領域と下側領域、すなわちテールゲート開口部の全体を開放させたりするものがある。
ところで、こうしたテールゲートの多くは、下ゲートの上端部にフランジ部を形成し、上ゲートの下端部に上記フランジ部の外側と重なり合う重合部を形成して、ゲート間の気密性を確保している。
そのため、こうしたテールゲートのシールには、テールゲート開口部の開口縁部の全周にウェザストリップを設け、上・下ゲートを閉じると、フランジ部および上・下ゲートの内面とウェザストリップとが当接するシール構造と、重なり合う部分の境界部、具体的にはウェザストリップに当接するフランジ部と重合部との間をシールするシール構造とを併用している。
ところで、このフランジ部と重合部間をシールするシール構造の多くは、重合部のフランジ部と対応する面にセンタウェザストリップを設ける構造が用いられている。これにはセンタウェザストリップの両端側に、上ゲートの車幅方向の両側において上下方向に延びるサイドシールを設けることが行われている。具体的にはサイドシールには、フランジ部の先端とテールゲート開口部のウェザストリップとの境界部を跨いで当該フランジ部とウェザストリップとの両者に当接されるシール面を有した構造が用いられている。
ところが、テールゲートは、下ゲートを閉じてから、上ゲートを閉じないと、テールゲート開口部が閉じられない構造である。そのため、下ゲートを閉じて、フランジ部をウェザストリップ部分へ押し付けると、フランジ部の先端部付近のウェザストリップ部分に変形が生じる。具体的には弯曲する。その後、上ゲートを閉じ、サイドシールのシール面がフランジ部、ウェザストリップ部分に渡り押し付けられても、フランジ部の厚み分だけ変形量に違いが出るため、フランジ部の先端とウェザストリップとの境界部で段差状の変形(弯曲)が生じる。そのため、境界部には、ウェザストリップとサイドシールとの間に隙間が生じることが多い。
このため、上・下ゲートをもつ自動車では、降雨時や洗車時などの際(テールゲート:閉状態)、ウェザストリップの車外側を伝わり流下する水、いわゆる伝い水が、フランジ部先端を伝わり、上・下ゲートの境界部に生じている隙間を通じ、車内へ侵入する問題がある。
この伝い水の侵入を防ぐため、従来では、車内へ侵入した伝い水を車外へ導く構造が用いられている。多くは、特許文献1に開示されているように車内側にポケット部を形成して、車内へ侵入した伝い水をポケット部に一旦、集溜してから、同ポケット部から徐々に車外へ排出する構造が用いられる。
特開平9−132036号公報
ところが、車内に侵入した伝い水を車外へ排出するには、伝い水を車内側から隔てるために、上記のようにポケット部を形成するなどの構造が求められる。このため、構造が複雑になりやすい。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で、フランジ部の先端とウェザストリップとの間の境界部の隙間から水が車内側に侵入するのを抑制できる車両用テールゲートのシール構造を提供する。
本発明の態様は、ウェザストリップを開口縁部の全周に有するテールゲート開口部と、テールゲート開口部の上下部に回動可能に設けられ、テールゲート開口部の下側領域を閉じる下ゲートおよび同下ゲートを閉じた後からテールゲート開口部の上側領域を閉じる上ゲートと、下ゲートの上端部に設けられ、当該下ゲートが閉じられた状態でウェザストリップと当接されるフランジ部と、上ゲートの下端部に設けられ、上ゲートが閉じられた状態で下ゲートのフランジ部に車外側から重なり合う重合部と、重合部のフランジ部と対向する面に設けられ、フランジ部との間をシールするセンタウェザストリップとを備える車両用テールゲートのシール構造であって、センタウェザストリップは、上ゲートの車幅方向の両側において上下方向に延び、フランジ部の先端とウェザストリップとの境界部を跨いでフランジ部とウェザストリップとの両者に当接されるサイドシールを有し、サイドシールのシール面のうち、境界部を跨いでウェザストリップと当接される当接域より少なくとも車外側の部位には、上ゲートが閉じられた状態で、境界部の側方近傍を通るように上下方向に延びるリブ部が設けられるものとした。
本発明によれば、上ゲートが閉じられた状態で、下ゲートのフランジ部先端とテールゲート開口部のウェザストリップとの境界部を跨いでサイドシールが当接され、ウェザストリップに沿って境界部の車外側にリブ部が配置されるので、リブ部によってウェザストリップを伝って流れてきた伝い水が境界部側に流れ込むのが遮られるとともに積極的に下方側に誘導されて車外に排水される。つまり、車内側への侵入は、隙間へ水が侵入する前の段階で抑えられる。
したがって、下ゲートのフランジ部先端とテールゲート開口部のウェザストリップ部分との境界部に隙間が存在していたとしても、簡単な構成で、隙間から車内側に水が侵入することを抑制することができる。
本発明の一実施形態の後部に上下二分割式のテールゲートをもつ車両を示す斜視図。 同テールゲートを開いたときを示す斜視図。 閉じたテールゲートを車内側から見たときの斜視図。 同テールゲートをなす上ゲート、下ゲートをそれぞれ示す斜視図。 図3中のA−A線に沿う断面図。 図3中のB−B線に沿うウェザストリップ、フランジ部、サイドシールが重なった部分の断面図。 同ウェザストリップ、フランジ部、サイドシールが重なり合う部分を拡大して示す斜視図。 図7中の矢視Cから見たサイドシールの正面図。 伝い水の状況を説明する、図7中の矢視Dから見たサイドシールの裏面図。 図9中のE−E線に沿うウェザストリップとサイドシールとが当接する部位の断面図。
以下、本発明を図1から図10に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1および図2は、本発明を適用した車両、例えばワゴン車の後部を示していて、図中1は車体、3は同車体1の後部端に設けられたテールゲート開口部、5は同テールゲート開口部3の開口縁部の全周に渡り設けられたオープニングウェザストリップ(本願のウェザストリップに相当:以下、単にウェザストリップという)を示している。ウェザストリップ5は、先端にリップ部5a(図7,図10)をもつ。
7は、テールゲート開口部3を開閉するテールゲートを示している。このテールゲート7は、上下二分割式の構造となっている。すなわちテールゲート7は、上端側を支点に回動する上ゲート9aと、下端側を支点に回動する下ゲート9bとの組み合わせから構成され、上ゲート9aにてテールゲート開口部3の上側領域が開閉され、下ゲート9bにてテールゲート開口部3の下側領域が開閉される。具体的には上・下ゲート9a,9bは、いずれもアウタパネルとインナパネルを組み合わせた閉断面のパネル構造体から構成される。
このうち上ゲート9aは、上部と両側部(車幅方向)の三辺にウェザストリップ受け座11a(図3,4に一部だけ図示)を有し、下ゲート9bは、下部と両側部(車幅方向)の三辺にウェザストリップ受け座11b(一部だけ図示)を有している。そして、上ゲート9aの上端側は、ヒンジ(図示しない)を介して、車体1の後端の上部に上下方向に回動可能に支持され、下ゲート9bの下端側は、ヒンジ(図示しない)を介して、車体1の後端の下部に上下方向に回動可能に支持される。ちなみに、12aは上ゲート9aを支持するガスシリンダを示し、12bは下ゲート9bを支持する索状部材を示す(いずれも図2)。
また下ゲート9bの上端部には、上方へ突き出るフランジ部13(本願のフランジ部に相当)が車幅方向に渡り形成されている。上ゲート9aの下端部には、フランジ部13の外面全体に車外側から重なり合う重合部15が形成されている。
これにより、テールゲート開口部3の全体は、下ゲート9bを閉操作した後、上ゲート9aを閉操作することにより閉じられる。そして、下ゲート9bが閉じられると、ウェザストリップ5の先端部と、下ゲート9bのフランジ部13の内面(車内側の面)とが当接する。また上ゲート9aが閉じられると、重合部15が車外側からフランジ部13と重なり合い、ウェザストリップ5の先端部と上ゲート9aのウェザストリップ受け座11aとが当接する(シール構造)。
また重合部15の前面(フランジ部13と対向する側の面)には、図2〜図4に示されるようにフランジ部13との間をシールするためのセンタウェザストリップ17が設けられている。このセンタウェザストリップ17の各部の構造が図5〜図10に渡り示されている。
センタウェザストリップ17は、図4にも示されるように重合部15の車幅方向に延びるメインウェザストリップ19と、同メインウェザストリップ19の両端部に一体に形成されて、重合部15の車幅方向両側で上下方向に延びるサイドウェザストリップ21とを有している。サイドウェザストリップ21は、本願のサイドシールに相当する。同サイドウェザストリップ21は、メインウェザストリップ19と別体でも構わない。
メインウェザストリップ19は、中空のゴム部材で形成され、上・下リッド9a、9bが閉じられた状態で、下リッド9bのフランジ13の外面(車外側の面)に当接する(重なる)よう構成されている。
一方、サイドウェザストリップ21は、ウェザストリップ5の位置に対応して、メインウェザストリップ19の車幅方向(長手方向)両端部から上ゲート9aの上部へ向かって突き出るように形成されており、上・下リッド9a、9bが閉じられた状態でフランジ部13の外面とウェザストリップ5とにわたって当接する(重なる)よう構成されている。つまり、サイドウェザストリップ21は、ウェザストリップ5とフランジ部13とが重なった状態下で、フランジ部13の先端とウェザストリップ5との間の境界部kをシールする部材である(図6)。このサイドウェザストリップ21は、境界部kを跨いで、フランジ部13の外面部分と、フランジ部13より上方でウェザストリップ5の境界部k近傍の部分とに当接可能に形成されている。サイドウェザストリップ21は、例えば中空に形成された扁平な帯形のゴム部材で形成される。そして、サイドウェザストリップ21は、その後面(車外側の面)が重合部15に取り付けられている。このサイドウェザストリップ21の前面(車内側の面)にはウェザストリップ5やフランジ部13の外面と重なり合う平坦なシール面21aを有している(図6,図7,図10)。また、サイドウェザストリップ21は、重合部15や上ゲート9aの断面形状に合わせて上方へ向かうにしたがい徐々に厚みが薄くなるよう形成されており、最後にシール面21aとウェザストリップ受け座11aとが連なる形状にしてある。
そして、上ゲート9aが閉じられると、サイドウェザストリップ21のシール面21aが境界部k上に当接する(シール構造)。つまり、サイドウェザストリップ21により、境界部kのシールが行われ、上ゲート9aおよび下ゲート9bとウェザストリップ5とがなすシールとの併用により、テールゲート開口部3の気密性が確保されるようにしている。
ここで、テールゲート7は、下ゲート9bを閉じてから、上ゲート9aを閉じる構造なので、図6に示されるように上・下ゲート9a、9bを閉じると、下ゲート9bのフランジ部13が上ゲート9aの重合部15とウェザストリップ5との間に挟まれてウェザストリップ5に押し付けられる。ウェザストリップ5は、上ゲート9aのウェザストリップ受け座11aに当接される部分と下ゲート9bのフランジ部13に当接される部分とで、フランジ部13の板厚の分だけ変形量に違いが出るため、フランジ部13の先端部付近(境界部k)で段差状の変形(弯曲)が生じる。そのため、上・下ゲート9a,9bを閉じた状態では、フランジ部13の先端部付近の境界部kには、下ゲート9bと上ゲート9aとの間、すなわちウェザストリップ5とサイドウェザストリップ21との間に隙間sが生じることがある。
このため、降雨時や洗車時などにおいては(テールゲート:閉状態)、ウェザストリップ5の車外側を伝わり流下する水、いわゆる伝い水が、上・下ゲート9a,9b間の境界部kに生じている隙間sを通じて、車体1の車内へ侵入するおそれがある。
上記サイドウェザストリップ21には、この伝い水の隙間sへの侵入を抑える対策が施されている。この対策には、リブ構造が用いられている。図7〜図10には、このリブ構造の詳細な構造が示されている。
リブ構造には、図7および図8に示されるようにサイドウェザストリップ21のシール面21aのうち、境界部kを跨いでウェザストリップ5先端のリップ部5aと当接する当接域23(シール部分:図7,10)を挟んで車外側のシール面部分22aと車内側のシール面部分22bに、伝い水対策用の複数のリブ部25、29、33を突設した構造が用いられている。
まず、サイドウェザストリップ21のシール面21aの当接域23より車外側のシール面部分22aには、リブ25がサイドウェザストリップの突出方向に沿って延設されている。具体的にはリブ部25は、例えばゴム製の先端が狭まる断面三角形状の突条(リブ)で形成される。この弾性を有したリブ部25が、上・下リッド9a、9bが閉じられた状態で、当接域23より車外側、すなわちウェザストリップ5より車外側でウェザストリップ5に沿って境界部kの側方近傍を通り上下方向に延びるように設けられる。リブ部25の上側の端部は、境界部kから上側(閉じた上ゲート9aの上方向)の所定位置まで直線状に延びている。リブ部25の下側の端部は、境界部kから下側(閉じた上ゲート9aの下方向)へ所定量、延びている。そして、リブ部25の下端側の部分には、車外側へ向かって斜め下方へ曲がる円弧形の曲成部27が形成されている。
これにより、上ゲート9aが閉じられると、リブ部25は、ウェザストリップ5のリップ部5aの車外側で上下方向に延びるよう配置され、境界部kに存する隙間sを車外側から遮るように塞ぐとともに伝い水を誘導し車外へ排水する堰を形成する。このリブ部25にて、ウェザストリップ5を伝って上方から流れてくる伝い水が境界部k側に流れ込むのを遮るとともに意図的に車外側へ誘導し、境界部kに生じた隙間Sから車内側へ伝い水が侵入することを抑制している。なお、リブ25に導かれた伝い水は、そのまま車外に排水される。
また車外側のシール面部分22aと当接域23を挟んだ反対側となる車内側のシール面部分22bには、潜り水対策用のリブ部29とリブ部33とが設けられている。
リブ部29は、リブ部25を越え、シール面21aとウェザストリップ5との間を潜り、車内側へ流れ出る水、いわゆる潜り水の侵入を抑えるものである。
リブ部29も、リブ部25と同様、ゴム製の先端が狭まる断面三角形状の突条(リブ)からで形成される。さらに述べると、弾性を有するリブ部29は、上・下リッド9a、9bが閉じられた状態で、ウェザストリップ5より車内側でウェザストリップ5に沿って境界部kの側方近傍を通り上下方向に延びている。リブ部29の上側の端部は、リブ部25と同様、境界部kから上側(閉じた上ゲート9aの上方向)の所定位置まで直線状に延びている。リブ部29の下側の端部は、境界部kから下側(閉じた上ゲート9aの下方向)へ所定量、延びている。そして、リブ部29の下端側の部分には、車外側へ向かい斜め方向に曲がる円弧形の曲成部31が形成される。
これにより、上ゲート9aが閉じられると、リブ部25とウェザストリップ5のリップ部5aを挟んだ反対側にも同様にリブ部29が配置される。そして、このリブ部29が車内側において堰をなす。このリブ部29にて、ウェザストリップ5とサイドウェザストリップ21間を潜り、フランジ部13の先端沿いに伝わる潜り水を受け止めて、車外側へ排水されるようにしている。
さらに車内側のシール面部分22bの同リブ部29より車内側の地点には、滲み水対策用のリブ部33が設けられている。このリブ部33は、リブ部29の先端部を乗り越え、車内側に滲み出す水、いわゆる滲み水の侵入を抑えるものである。
同リブ部33は、リブ部29より車幅方向の車内側で、リブ部29の形状にならい、リブ部29と同様の形状の突条(リブ)を配置して形成される。そして、リブ部33が、リブ29より車内側で堰をなし、リブ部29から滲む滲み水が受け止めて、車外側へ排水されるようにしている。
こうした室内側における複数条のリブ部29,33により、リブ部25を助けて、車外側から車内側へ侵入する水の対策を十分なものとしている。ちなみに、リブ部33の下端側にも、円弧形の曲成部35は形成されている。
なお、サイドウェザストリップ21内には、ウェザストリップ5とシール面21aとのシール性を高めるために、ウェザストリップ5の反力を受けるための突条部37が設けられている(図12)。
こうしたリブ部25,29,33の作用について説明すると、今、テールゲート7が、下ゲート9b、上ゲート9aの順で閉じられているとする(テールゲート開口部:全閉)。
すると、下ゲート9bの下部および両側、さらにはフランジ部13の両側は、テールゲート開口部3のウェザストリップ5に当接される。上ゲート9aの上部および両側は、テールゲート開口部3のウェザストリップ5に当接される。さらに上ゲート9aの重合部15は、下ゲート9bのフランジ部13と重なり合う。そして、センタウェザストリップ17の重合部15の中央側に有るメインウェザストリップ19は、図5に示されるようにフランジ部13の外面(中央側)と当接する。一方、重合部15の側部(車幅方向)で上下に延びるサイドウェザストリップ21は、図6に示されるようにフランジ部13の先端部とウェザストリップ5の境界部kを跨いでフランジ部13からウェザストリップ5に亘って当接(弾接)する。この当接により、ウェザストリップ5に沿って境界部kの車外側にリブ部25が配置され、リブ部25のフランジ部13と当接する部位は、変形、具体的には図7中の二点鎖線や図10中の二点鎖線に示されるように頂部側が潰れて車幅方向に拡がるように変形する。これにより、境界部kに隙間sが生じていたとしても、変形したリブ部25で、同隙間sの開口を側方から遮り塞いだ状態とされる。またリブ部25の下端側(曲成部27)は、フランジ部13の外面とサイドウェザストリップ21のシール面21aとの間で車幅方向の車外側に向かって傾斜される。
これにより、降雨などにより、ウェザストリップ5の車外側を水が伝わり流下しても、同伝い水は、フランジ部13の先端部を伝って車内側へ流れるのをリブ部25で遮られ、図9中の破線の矢印aに示されるようにウェザストリップ5とサイドウェザストリップ21とが当接している位置から、リブ部25に沿って下方へ誘導される。そして、リブ部25の下端側の曲成部27に沿ってウェザストリップ5から離れる車外方向へ向けて排水される。
したがって、車体1やウェザストリップ5を伝わってきた伝い水は、フランジ部先端とウェザストリップ5との間の境界部kの隙間sへ水が侵入する前の段階でリブ部25によって遮られるので、隙間sへの伝い水の侵入を抑制することができる。そのうえ、リブ部25の下端側に曲成部27を形成したことにより、伝い水は、ウェザストリップ5から遠ざかる方向へ積極的に誘導されて排水されるので、排水した水が車内側へ戻るようなことはない。
一方、リブ部29,33も、上ゲート9aが閉じられると、リブ部25とはウェザストリップ5を挟んだ反対側で、境界部kの側方に配置される。そして、下側のリブ部29,33のフランジ部13と当接される部位が、フランジ部13の外面とサイドウェザストリップ21のシール面21aとの間に挟み込まれる。これにより、ウェザストリップ5のリップ部5aを越えてきた水を堰き止め、車内側への侵入をより確実に防ぐことができる。例えば洗車等の高圧水により、圧力水が横方向(車外側から)から加わり図9中の破線の矢印bに示されるようにリブ部25を乗り越え、当接するウェザストリップ5とシール面21aとの間を潜り、車内側へ侵入することがあっても、まずリブ部29で潜り水を受け止めて、車外へ排水することができる。さらに、図9中の破線の矢印cに示されるようにリブ部29を乗り越えて車内側へ水が滲み出すような場合には、リブ部33で滲み水を堰き止めて、車外へ排水することができる。つまり、ウェザストリップ5と当接する当接域23より車内側では、リブ部29とリブ部33との複数リブにより、侵入に対する対策を、完璧に近いまでにすることができる。
以上説明したように、本実施形態のようにサイドウェザストリップ21のウェザストリップ5に当接される当接域23の両側(車内・外側方向)にリブ部25およびリブ部29,33を設けることによって、一層、高い水の侵入防止効果が確保できる。
なお、上述した各実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば上述した実施形態では、ウェザストリップの両側にリブ部を設ける構造を採用したが、車外側だけにリブ部を設けるだけでもよく、少なくも車外側にリブ部があればよい。
1 車体
3 テールゲート開口部
5 オープニングウェザストリップ(ウェザストリップ)
9a 上ゲート
9b 下ゲート
13 フランジ部
15 重合部
17 センタウェザストリップ
21 サイドウェザストリップ(サイドシール)
21a シール面
23 当接域
25,29,33 リブ部
27,31,35 曲成部
k 境界部

Claims (4)

  1. ウェザストリップを開口縁部の全周に有するテールゲート開口部と、
    前記テールゲート開口部の上下部に回動可能に設けられ、前記テールゲート開口部の下側領域を閉じる下ゲートおよび同下ゲートを閉じた後から前記テールゲート開口部の上側領域を閉じる上ゲートと、
    前記下ゲートの上端部に設けられ、当該下ゲートが閉じられた状態で前記ウェザストリップと当接されるフランジ部と、
    前記上ゲートの下端部に設けられ、前記上ゲートが閉じられた状態で前記下ゲートのフランジ部に車外側から重なり合う重合部と、
    前記重合部の前記フランジ部と対向する面に設けられ、前記フランジ部との間をシールするセンタウェザストリップと、
    を備える車両用テールゲートのシール構造であって、
    前記センタウェザストリップは、前記上ゲートの車幅方向の両側において上下方向に延び、前記フランジ部の先端と前記ウェザストリップとの境界部を跨いで前記フランジ部と前記ウェザストリップとの両者に当接されるサイドシールを有し、
    前記サイドシールのシール面のうち、前記境界部を跨いで前記ウェザストリップと当接される当接域より少なくとも車外側の部位には、前記上ゲートが閉じられた状態で、前記境界部の側方近傍を通るように上下方向に延びるリブ部が設けられている
    ことを特徴とする車両用テールゲートのシール構造。
  2. 前記リブ部は、前記サイドシールのシール面のうち、前記当接域を挟んで車外側および車内側の両側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用テールゲートのシール構造。
  3. 前記車内側に配置されるリブ部は、複数条のリブでなることを特徴とする請求項2に記載の車両用テールゲートのシール構造。
  4. 前記リブ部の下端側の部位には、車幅方向車外側へ向かって斜め下方へ曲がる曲成部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用テールゲートのシール構造。
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