JP5717784B2 - ウェザストリップ構造 - Google Patents
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Description
この種のウェザストリップは、ドアパネルの上端部に取り付けられた本体部と、本体部からガラスに向けて延在するモール部と、本体部のうちモール部の下方に形成され、ガラスに向けて延在するとともに、ガラスに摺接するリップシール部と、を備えている。
このような場合に、リップシール部が、ガラスの昇降動作に倣って本体部との接続部分(付根部)を起点にして傾動することで、ガラスとドアパネルとの間のシールが維持されるようになっている。
この構成によれば、リップシール部が車幅方向の外側に向けて傾動した場合に、凸部に当接することで、リップシール部のそれ以上の傾動が規制され、リップシール部がモール部の下方空間に嵌り込むのを抑制できると考えられる。
また、リップシール部を凸部に当接させる必要がないので、凸部の近接方向に沿う長さを長くする必要がない。そのため、凸部のコンパクト化が可能になり、軽量化及び低コスト化が可能になる。
また、リップシール部及びモール部のうち、近接方向に位置する端部同士が当接することで、リップシール部の近接方向に位置する端部がモール部よりも上方に突出しないため、リップシール部がモール部に隠れた状態となる。これにより、意匠性を向上させることができる。
さらに、本体部のうち、第3付根部側がクリップに当接しているので、本体部のがたつきを規制して、本体部をアウタパネルに強固に保持できる。
図1は、車両の右側に配置されるフロントサイドドア1(以下、単にドア1という)を車幅方向の外側から見た側面図であり、図2は図1のA矢視図である。
図1、図2に示すように、ドア1は、図示しない車体のドア開口部を開閉可能に取り付けられたものであって、車幅方向に沿って重ね合わされたドアアウタパネル(ドアパネル)11及びドアインナパネル12(図3参照)を有するドア本体2と、ドア本体2に車幅方向の内側から取り付けられたドアライニング3と、ドア本体2の上端縁とともに窓開口部4aを画成する窓枠部4と、ドア本体2に対して昇降可能とされ、窓開口部4aを開閉するガラス5と、を備えている。
図2〜図4に示すように、ドアアウタパネル11は、プレス加工等により形成されたものであって、その外面がドア1の外側意匠面を構成するとともに、上下方向の中央部に向かうに従い車幅方向の外側に向けて膨出する湾曲形状とされている。ドアアウタパネル11の上端部には、車幅方向の内側に向けて突設された肩部13が形成され、この肩部13における車幅方向の内側端部から上方に向けてアウタ側フランジ部14が立設されている。アウタ側フランジ部14は、ヘミング加工等によって180度折り畳まれた状態で形成されている。
図1に示すように、窓枠部4は、ドア本体2の前後両端部から上方に向けて立設する縦桟部21,22と、これら縦桟部21,22の上端部同士を架け渡す横桟部23と、を備え、これら縦桟部21,22及び横桟部23とドア本体2の上端縁とにより矩形状の窓開口部4aが画成されている。
図3、図4に示すように、上述した各パネル11,12のフランジ部14,15には、各パネル11,12とガラス5との間をシールするウェザストリップ(インナ側ウェザストリップ31及びアウタ側ウェザストリップ41)が取り付けられている。なお、以下の説明では、車幅方向のうち、ガラス5に近接する方向を単に近接方向、ガラス5から離間する方向を単に離間方向として説明する。
ストリップ係止部45は、クリップ本体43の外壁部46に形成された第1係止部48と、内壁部47に形成された第2係止部49と、を備えている。
第1係止部48は、外壁部46のうち、前後方向の両端部が離間方向に切り起こされるようにして形成されている。一方、第2係止部49は、内壁部47のうち、前後方向の両端部から近接方向に向けて突設されており、上方に向けて開口するフック形状とされている。
アウタ側ウェザストリップ41は、アウタ側フランジ部14を上方から覆う本体部51を備えている。
本体部51は、金属等からなる芯材51aの外面が樹脂材料等からなる表皮材51bにより被覆されてなり、下方に向けて開口する断面U字状とされている。具体的に、本体部51は、アウタ側フランジ部14に対して離間方向に位置する外壁部52と、アウタ側フランジ部14に対して近接方向に位置する内壁部(側壁部)53と、アウタ側フランジ部14の上方に配置され、外壁部52及び内壁部53の上端部同士を連結する上壁部54と、を有している。
モール部58のうち、付根部(以下、単にモール付根部(第1付根部)という)は内壁部53よりも離間方向に位置し、先端部(以下、単にモール先端部)は内壁部53よりも接近方向に位置している。また、上壁部54のうち、モール付根部と、内壁部53との境界部分に位置する角部と、の間には、離間方向に向けて窪む凹部59が形成されている。これにより、モール部58は、モール付根部からモール先端部にかけて上下方向に沿う厚さがほぼ均一になっている。
図3〜図5に示すように、第1縦壁部61は、クリップ本体43に近接方向から当接している。第1縦壁部61の上端部には、近接方向に向かうに従い上方に向けて傾斜する凸部64が突設されている。この凸部64は、本体部51に接続された付根部(以下、単に凸付根部(第3付根部)という)から先端部(以下、単に凸先端部という)にかけて上下方向に沿う厚さがほぼ均一になっている。なお、図5に示すように、凸部64の厚さDは、近接方向に沿う長さTに比べて薄く形成されている。
また、図3、図4に示すように、凸部64の凸付根部は、上述したモール部58のモール付根部よりも近接方向に位置し、後述するリップシール部65のリップ付根部よりも離間方向に位置している。
各リップシール部65,66は、上述したインナ側ウェザストリップ31のリップシール部33と同様に、断面視で楕円形状とされている。各リップシール部65,66は、リップ付根部(第1付根部)から近接方向に向かうに従い上方に向けて傾斜した状態で本体部51に接続されている。そして、各リップシール部65,66において、近接方向に位置する面は、それぞれ摺接部材67,68を介して離間方向からガラス5に摺接している。これにより、リップシール部65,66は、ガラス5の昇降動作に倣ってリップ付根部を起点にして傾動可能とされている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態のドア1では、図示しない駆動手段の動作によってガラス5が昇降することで、窓開口部4aが開閉されるようになっている。このとき、各ウェザストリップ31,41のリップシール部33,65,66が、ガラス5の昇降動作に倣って傾動することで、ガラス5と各ドアパネル11,12との間がシールされた状態でガラス5が昇降する。これにより、ガラス5と各ドアパネルとの間を通ってドア本体2内に水や塵埃等が進入するのを防止できる。
特に、昇降動作に伴いガラス5が車幅方向に変位した場合であっても、ガラス5とリップシール部33,65,66との摩擦が増加するのを抑え、ガラス5の昇降動作が阻害されるのを抑制した上で、ガラス5と各ドアパネル11,12との間のシールが維持される。
ここで、図6に示すように、例えばガラス5の閉動作の際や、閉位置に収まる瞬間等、ガラス5が車幅方向の外側に変位した場合、アウタ側ウェザストリップ41のリップシール部65,66は車幅方向の外側に向けて傾動することになる。この場合、リップシール部65,66のうち、上側リップシール部65は、凸部64と離間した状態で先にモール部58のモール先端部に当接することで、車幅方向の外側への傾動が規制される。これにより、上側リップシール部65がモール部58の下方空間に嵌り込むのを抑制できる。
この構成によれば、上側リップシール部65の傾動をモール部58により規制することで、上側リップシール部65がモール部58の下方空間に嵌り込むのを抑制できる。また、上側リップシール部65がモール部58に当接した状態において、上側リップシール部65と凸部64とが離間しているので、凸部64の弾性力によってガラス5の昇降動作が阻害されることもない。
また、上側リップシール部65を凸部64に当接させる必要がないので、凸部64の車幅方向に沿う長さを長くする必要がない。そのため、凸部64のコンパクト化が可能になり、軽量化及び低コスト化が可能になる。
このとき、本実施形態では、本体部51において、第2縦壁部63がクリップ本体43(内壁部47)に対して離間しているので、本体部51内にクリップ42を進入させ易くなっている。また、本体部51に形成された傾斜部62が、クリップ42を本体部51内の上部(第1縦壁部61側)に案内するためのガイドとして機能する。これにより、アウタ側ウェザストリップ41の取付作業が容易になる。
また、モール部58のうち、モール先端部は内壁部53よりも接近方向に位置し、かつ上壁部54のうち、モール付根部と、内壁部53との境界部分に位置する角部と、の間には、離間方向に向けて窪む凹部59が形成されているので、モール付根部の厚さを抑制できる。これにより、低コスト化及び軽量化を図るとともに、モール部58のひけも抑制できる。
さらに、凸部64が近接方向に向かうに従い上方に向けて傾斜しているため、例えば凸部64が近接方向に沿って水平に延在する状態や、下向きに傾斜している状態に比べて凸部64における近接方向に位置する面と、上側リップシール部65における離間方向に位置する面と、のなす角度(凸部64と上側リップシール部65との接触角)を縮小できる。これにより、凸部64と上側リップシール部65との当接時において、凸部64を撓み変形させ易くすることができ、凸部64によりガラス5の昇降動作が阻害されるのを確実に抑制できる。
例えば、上述した実施形態では、本発明のウェザストリップ構造をアウタ側ウェザストリップ41に適用した場合について説明したが、これに限らず、インナ側ウェザストリップ31に適用することも可能である。
また、上述した実施形態では、アウタ側ウェザストリップ41において、本体部51にリップシール部65,66が2つ形成された構成について説明したが、これに限らず、1つでも3つ以上形成しても構わない。
Claims (6)
- ガラスを有するドアのウエストラインに取り付けられるウェザストリップ構造であって、
ドアパネルのうち、前記ウエストライン上に位置する上端部を覆う本体部と、
前記本体部から前記ガラスに近接する近接方向に向けて延在するモール部と、
前記本体部のうち、前記モール部の下方に形成され、前記近接方向に向けて延在するとともに、前記ガラスに摺接するリップシール部と、
前記本体部のうち、前記モール部が前記本体部に接続される第1付根部、及び前記リップシール部が前記本体部に接続される第2付根部の間に形成され、前記近接方向に向けて延在する凸部と、を備え、
前記リップシール部は、前記第2付根部周りに傾動することで、前記凸部と離間した状態で、前記近接方向に位置する端部が前記モール部の前記近接方向に位置する端部に当接可能とされ、
前記リップシール部の前記近接方向に位置する端部は、前記モール部の前記近接方向に位置する端部に当接した状態において、前記モール部よりも上方に突出しないように構成されていることを特徴とするウェザストリップ構造。 - 前記第2付根部は、前記凸部のうち前記本体部に接続される第3付根部よりも前記近接方向に位置しており、
前記凸部は、前記第3付根部から前記近接方向に位置する端部までの長さが、上下方向に沿う厚さに比べて長くなっていることを特徴とする請求項1記載のウェザストリップ構造。 - 前記ドアパネルの上端部には、フランジ部が立設されるとともに、前記フランジ部にクリップを介して前記本体部が取り付けられ、
前記本体部は、前記クリップを覆う断面U字状とされるとともに、前記第2付根部と前記第3付根部との間に、前記第3付根部から前記第2付根部に向かうに従い前記近接方向に向けて傾斜する傾斜部を有し、
前記本体部のうち、前記傾斜部に対して前記第3付根部側が前記クリップに当接し、
前記第2付根部側が前記クリップから離間していることを特徴とする請求項2記載のウェザストリップ構造。 - 前記本体部は、前記ドアパネルの上端部上に配置されて前記モール部が形成された上壁部と、
前記上壁部の前記近接方向に位置し、前記上壁部に対して傾斜して延在するとともに、前記リップシール部が形成された側壁部と、を有していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のウェザストリップ構造。 - 前記モール部のうち、前記近接方向に位置する端部は前記側壁部よりも前記近接方向に配置され、
前記上壁部のうち、前記第1付根部に位置する部分には、前記ガラスから離間する離間方向に向けて窪む凹部が形成されていることを特徴とする請求項4記載のウェザストリップ構造。 - 前記凸部は、前記近接方向に向かうに従い上方に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のウェザストリップ構造。
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