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JP2015139536A - ステント - Google Patents

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JP2015139536A JP2014013702A JP2014013702A JP2015139536A JP 2015139536 A JP2015139536 A JP 2015139536A JP 2014013702 A JP2014013702 A JP 2014013702A JP 2014013702 A JP2014013702 A JP 2014013702A JP 2015139536 A JP2015139536 A JP 2015139536A
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Abstract

【課題】シースに挿入する際に、複数の掛合部が互いに重なり合うことがなく十分に縮径できるステントを提供すること。【解決手段】線材Wを波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させ、波形の屈曲部同士の掛合部を形成して筒状の網目パターンとしたステントであり、掛合部を頂点とする略平行四辺形状の第1網目10が、平行四辺形の短辺を共有しながら複数連結されてなる第1網目連結部10Cと、第1網目10の形状である平行四辺形の長辺を、その底辺として共有する、掛合部を頂点とする略台形状の第2網目20が、底辺に隣り合う台形の脚を共有しながら複数連結されてなる第2網目連結部20Cとが交互に配列された展開網目パターンを有しており、3個を超える掛合部が同一の軸方向位置に形成されていない。【選択図】 図4A

Description

本発明は、体内の管状器官に留置することにより、当該管状器官の狭窄および閉塞などを防止するステントに関する。
消化管や血管などの生体内の管状器官が狭窄・閉塞した場合に、当該部位にステントを留置して管腔を拡張・保持するステント留置術が知られている。
ステントの留置術では、縮径状態のステントが挿入されたシースを管状器官に導入して目的部位(患部)に到達させた後、シースのみを抜去することにより、目的部位においてステントを拡張させて留置する。
ここに、管状器官に留置されるステントは、線材を波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させ、波形の屈曲部同士が掛合された掛合部を形成して網目状に編むことにより形成された筒状体からなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−160708号公報
(1)上記特許文献1に記載したような従来のステントにおいては、波形の屈曲部同士を掛合してなる複数の掛合部が、当該ステントの全長にわたり、同一の軸方向位置において周方向に配列されているので、このステントを縮径させるときに、周方向に配列されている複数の掛合部が互いに干渉して(重なり合って)、当該軸方向位置におけるステント径を十分に縮小することができないという問題がある。
(2)また、特許文献1に記載したような従来のステントにおいては、複数の掛合部が、当該ステントの全周にわたり、同一の周方向位置において軸方向に配列されているので、体内の管状器官の形状に沿ってこのステントを曲げようとすると、曲げられたときに内側に位置する複数の掛合部が互いに干渉して曲げ剛性が増大し(曲がりにくくなり)、また、復元力によって直線状に戻りやすくなり、その際に、管状器官の内壁に損傷を与えるおそれがある。
(3)更に、特許文献1に記載したような従来のステントにおいては、網目形状が、その対角線が軸方向および周方向に延びるひし形であるために、このステントをシースに挿入して縮径させるときに、ひし形の網目が閉じる(当該網目において周方向に離間していた掛合部同士が当接する)ことによって、ステントの長さが大きく変化する。このため、縮径状態のステントが挿入されているシースを目的部位に到達させた後、このシースを抜去してステントを拡張させたときに、拡張後のステントの長さが予想外に短くなり(いわゆるショートニングが顕著に起こり)、当該ステントを正確に留置できなくなる。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、シースに挿入する際に、複数の掛合部が互いに干渉することがなく、十分に縮径することができるステントを提供することにある。
本発明の第2の目的は、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、管状器官の内壁に損傷を与えないステントを提供することにある。
本発明の第3の目的は、縮径および拡径に伴う長さの変化が小さく、シースに挿入された縮径状態から、シースを抜去して拡張させても、その長さが極端に短くなることのないステントを提供することにある。
(1)本発明のステントは、線材を波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させ、波形の屈曲部同士が掛合された掛合部を形成して筒状の網目パターンを形成したステントであって、
筒状の網目パターンを展開したときに、
軸方向に配列された複数の段の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら周方向に3個以上配列形成され、
共有された前記頂点に係る前記掛合部が2つ以上の軸方向位置に分割配置され、同一の軸方向位置に配置されている前記掛合部が3個以下であることを特徴とする。
上記のような構成のステントによれば、これをシースに挿入して縮径させる際に、同一の軸方向位置に配置されている掛合部が3個以下と少ないために、これらが互いに干渉して縮径を妨げることがない。この結果、ステント径を十分に縮小することができる。
(2)本発明のステントにおいて、筒状の網目パターンを展開したときに、
周方向に配列された複数の列の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら軸方向に2N個または2N−1個(但し、Nは整数である)配列形成され、
対向する2つの周方向位置に配置されているものを除いて、共有された前記頂点に係る2N−1個または2N個の前記掛合部が2つ以上の周方向位置に分割配置され、同一の周方向位置にN個を超える掛合部が配置されていないことが好ましい。
このような構成のステントによれば、対向する2つの周方向位置に配置されている掛合部を除いて、同じ列における2N−1個または2N個の掛合部が全て同一の周方向位置に配置されず、互いに周方向にずれた状態で配置され、同一の周方向位置に配置されている掛合部がN個以下であるので、その曲げ剛性を十分に低くすることができる。これにより、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、また、曲げられた部分が直線状に戻ろうとして管状器官の内壁に損傷を与えることもない。
(3)本発明のステントにおいて、筒状の網目パターンを展開したときに、
前記掛合部を頂点とする略平行四辺形(ひし形を除く)状の網目であって前記平行四辺形の2本の対角線が何れもステントの軸方向に対して平行でも垂直でもない第1網目が、前記平行四辺形の短辺および長辺の一方を共有しながら複数連結されてなる第1網目連結部と、
前記第1網目の形状である前記平行四辺形の長辺および短辺の他方を、その底辺として共有する、前記掛合部を頂点とする略台形状の第2網目が、前記底辺に隣り合う前記台形の脚を共有しながら複数連結されてなる第2網目連結部と、
が交互に配列されていることが好ましい。
このような構成のステントによれば、第1網目の形状(近似形状)である平行四辺形の2本の対角線の何れもがステントの軸方向に対して平行でも垂直でもないので、当該平行四辺形の4つの頂点(掛合部)は、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なることになる。これにより、周方向に隣り合う2つの掛合部を軸方向にずらすことが可能になるとともに、軸方向に隣り合う2つの掛合部を周方向にずらすことも可能になる。
そして、第1網目の近似形状である平行四辺形の4つの頂点(掛合部)が、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なっていることにより、第1網目が連結されてなる第1網目連結部に係る複数の掛合部(これらは、第2網目連結部に係る掛合部でもある)は、互いに軸方向位置および周方向位置が異なることになる。
なお、第1網目連結部と第2網目連結部とを交互に配列させること(第2網目連結部を介在させること)により、第1網目の形状である平行四辺形の4つの頂点を、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なるように配置することができる。
また、ステントを縮径させる際に、平行四辺形(ひし形を除く)状や台形状の網目が閉じたとしても、その頂点(掛合部)同士が当接することはないので、これらの形状の網目により形成されるステントの縮径が、掛合部の重なり(干渉)によって妨げられることもない。
さらに、ステントを縮径させる際に、辺を共有して連結されている第1網目および第2網目の両方を、同様に連結されているひし形の網目のように完全に閉じることはできないので、縮径および拡径に伴う長さ変化を小さく抑えることができる。
(4)上記(3)のステントにおいて、前記第1網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第3網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されており、
前記第2網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されていることが好ましい。
このような構成のステントによれば、軸方向位置および周方向位置によって、ステントの剛性などが変化することはない。
上記(1)のステントによれば、これをシースに挿入する際に、複数の掛合部が互いに干渉する(集中して重なり合う)ことがなく、従って、十分に縮径することができる。
上記(2)のステントによれば、さらに、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、また、管状器官の内壁に損傷を与えることもない。
上記(3)および(4)のステントによれば、さらに、縮径および拡径に伴う長さ変化が小さく、シースに挿入された縮径状態から、シースを抜去して拡張させても、その長さが極端に短くなることがない。従って、目的とする部位に正確に留置させることができる。
本発明の一実施形態に係るステントの正面図である。 本発明の一実施形態に係るステントの側面図である。 本発明の一実施形態に係るステントの背面図である。 図1で示したステントの展開図である。 図1で示したステントの展開図である。 ひし形状の網目が伸びて閉じる状態を模式的に示す説明図である。 平行四辺形状の網目が伸びて閉じる状態を模式的に示す説明図である。
図1〜図3並びに図4(図4Aおよび図4B)に示す形状の本実施形態のステント100は、例えば、腸などの消化管に留置されるステントであって、1本の線材Wを波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させて、波形の屈曲部同士が掛合された(互いに引っ掛け合うようにして組まれた)掛合部を形成することによって筒状の網目パターンを形成したステントである。
なお、図4(図4Aおよび図4B)に示した展開された網目パターンは、縮径方向の力が掛けられていない状態(拡張状態)でのステント100を展開したものである。
ステント100は、1本の線材Wを編み込むことにより筒状に形成されている。
ステント100を構成する線材Wとしては、従来公知のステントを構成する線材を使用することができ、金属材料からなる線材が好ましく、形状記憶合金などを好適に使用することができる。金属材料としては、ステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを例示することができる。また、形状記憶合金の具体例としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などの合金を挙げることができる。
線材Wの径としては、ステント100の用途などによって異なり、特に限定されるものではないが、例えば0.05〜1.0mmとされ、好ましくは0.15〜0.30mmとされる。
ステント100の外径および長さとしては、何れも拡張時において、例えば、外径5〜40mm、長さ30〜200mmであることが好ましく、好適な一例を示せば、外径22mm、長さ120mmである。
図4に示すように、本実施形態のステント100の網目パターンは、略平行四辺形状の第1網目10と、略台形状の第2網目20と、略凧形状の第3網目30と、略凧形状の第4網目40とにより構成されている。
ここに、第1網目10、第2網目20、第3網目30および第4網目40の近似形状である四角形の頂点は、他の屈曲部と掛合できない一端側または他端側の屈曲部によるものを除き、屈曲部同士を掛合して、すなわち、引っ掛け合うようにして組まれた掛合部からなる。
また、図4に示すように、本実施形態のステント100の網目パターンの端部(一端側および他端側の各々)において、他の屈曲部と掛合していない5つの屈曲部(凸部)は、軸方向に分割配置されており、同一の軸方向位置に配置されている屈曲部は2個以下となっている。これにより、本実施形態のステント100の端部を縮径して体内の管状器官に挿入する際に、屈曲部同士が互いに干渉して端部の縮径を妨げるようなことがないので、細い管状器官に対しても、スムーズに挿入することができる。
図4(図4A)に示す網目パターンにおいて、掛合部からなる頂点を共有しながら周方向に配列されている5個の四角形状の網目により、一つの「段」が構成されている。
ここに、網目パターンの第一段には、第3網目30、第2網目20、第1網目10、第1網目10および第2網目20が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら周方向に配列されている。
第二段には、第2網目20、第1網目10、第4網目40、第1網目10および第2網目20が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら周方向に配列されている。
第三段には、第4網目40、第1網目10、第2網目20、第2網目20および第1網目10が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら周方向に配列されている。
第四段には、第1網目10、第2網目20、第3網目30、第2網目20および第1網目10で配列されている。
なお、網目パターンの第五段、第九段、第十三段および第十七段は、第一段と同様であり、第六段、第十段、第十四段および第十八段は、第二段と同様であり、第七段、第十一段、第十五段および第十九段は、第三段と同様であり、第八段、第十二段および第十六段は、第四段と同様である。
従って、第一段乃至第四段のパターンを繰り返することにより、本実施形態のステント100を形成することができる。
また、図4(図4A)に示す網目パターンにおいて、掛合部からなる頂点を共有しながら軸方向に配列されている10個または9個の四角形状の網目により一つの「列」が構成されている。
ここに、網目パターンの第1列には10個の網目(第3網目30、第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30および第4網目40)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は9個である)軸方向に配列されている。
第2列および第10列には、それぞれ、9個(第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10および第2網目20)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は10個である)軸方向に配列されている。
第3列および第9列には、それぞれ、10個の網目(第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20および第1網目10)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は9個である)軸方向に配列されている。
第4列および第8列には、それぞれ、9個の網目(第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20および第1網目10)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は10個である)軸方向に配列されている。
第5列および第7列には、それぞれ、10個の網目(第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10、第2網目20、第1網目10および第2網目20)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は9個である)軸方向に配列されている。
第6列には9個の網目(第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30、第4網目40、第3網目30および第4網目40)が、各々の近似形状である四角形の頂点(掛合部)を共有しながら(共有されている掛合部は10個である)軸方向に配列されている。
更に、図4(図4Aおよび図4B)に示した展開された網目パターンにおいて、略平行四辺形状の第1網目10が、この平行四辺形の短辺を共有しながら4個(但し、軸方向の他端側において3個)連結されてなる第1網目連結部10Cと、第1網目10の近似形状である平行四辺形の長辺を、その底辺として共有する、略台形状の第2網目20が、その底辺に隣り合う台形の脚を共有しながら4個(但し、軸方向の一端側において2個)連結されてなる第2網目連結部20Cと、が交互に配列されている。
第1網目連結部10Cは、軸方向の一端側(図面の上側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、掛合部を頂点とする略凧形状の第3網目30を挟んで、更に、軸方向の他端側(図面の下側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されている。
また、第2網目連結部20Cは、軸方向の一端側(図面の上側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目40を挟んで、更に、軸方向の他端側(図面の下側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されている。
ここに、「凧形」は、隣り合う二辺の長さが等しい組が二組ある図形(四角形)であり、その対角線は直交する。
ステント100の網目パターンを構成する第1網目10は、展開形状として略平行四辺形状に形成されている。但し、第1網目10は、略平行四辺形であるがひし形ではなく、短辺と長辺が存在する。
図5に示すように、ひし形状の網目5が伸びて閉じるときには、対向する2つの頂点51,52が当接する。このため、第1網目10をひし形状に形成すると、これを軸方向に伸ばしたときに、周方向に配列されている掛合部が当接して、ステントの縮径が妨げられることがある。
他方、図6に示すように、平行四辺形状の網目6が伸びて閉じるときには、対向する2つの頂点61,62が当接することはない。このため、第1網目10を平行四辺形状に形成すれば、この第1網目10を伸ばしても掛合部同士が当接することはなく、従って、掛合部の重なり(干渉)によってステント100の縮径が妨げられることはない。
第1網目10の近似形状である平行四辺形の短辺と長辺との長さの比率としては、1:1.2〜1:5であることが好ましい。
図4に示すように、第1網目10の近似形状である平行四辺形の2本の対角線は、何れもステント100の軸方向に対して平行でもなく垂直でもない。
従って、当該平行四辺形の4つの頂点(掛合部)は、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なることになる。
これにより、周方向に隣り合う2つの掛合部を軸方向にずらすことが可能になるとともに、軸方向に隣り合う2つの掛合部を周方向にずらすことも可能になる。
第1網目10の近似形状である平行四辺形において、長辺が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ11)としては、通常10〜80°とされ、好ましくは30〜60°とされる。
また、この平行四辺形の短辺が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ12)としては、通常10〜80°とされ、好ましくは40〜70°とされる。
また、第1網目10を形成する際の線材Wの屈曲角度(θ1 =θ11+θ12)は、通常20〜160°とされ、好ましくは70〜130°とされる。
この屈曲角度(θ1 )が狭すぎるステントは、複数の掛合部が軸方向に配列されやすくなり、これらを互いに異なる周方向位置に配置させることが困難となる。また、ステント径の変化率が過小になり、このステントをシースに挿入する際に、十分に縮径させることができなかったり、縮径状態のステントを十分に拡張させることができなかったりする。他方、この屈曲角度(θ1 )が広すぎるステントは、複数の掛合部が周方向に配列されやすくなり、これらを互いに異なる軸方向位置に配置させることが困難となる。また、ステント長さの変化率が過大となり、顕著なショートニングが起こるおそれがある。
図4に示す展開された網目パターンには38個の第1網目10が形成されており、4個(但し、軸方向の他端においては3個)の第1網目10が、その近似形状である平行四辺形の短辺を共有しながら連結されて1個の第1網目連結部10Cを構成することにより、38個の第1網目10から10個の第1網目連結部10Cが形成されている。
そして、第1網目10の近似形状である平行四辺形の4つの頂点(掛合部)は、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なっているので、各々の第1網目連結部10Cに係る複数の掛合部、すなわち、4個の第1網目10が連結された第1網目連結部10Cに係る10個の掛合部、および、3個の第1網目10が連結された第1網目連結部10Cに係る7個の掛合部は、互いに軸方向位置および周方向位置が異なることになる。
網目パターンを構成する第2網目20は、展開形状として台形状に形成されている。
第2網目20の近似形状である台形は、その底辺として、第1網目10の近似形状である平行四辺形の長辺を共有している。
これにより、第2網目20の近似形状である当該台形の頂点(掛合部)は、第1網目10の近似形状である平行四辺形の頂点(掛合部)と一致することになる。
なお、第2網目20の近似形状である台形は全て同じ形状ではなく、また、その一部が平行四辺形であってもよい。
第2網目20の近似形状である台形において、その底辺が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ21)は、平行四辺形の長辺が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ11)と一致する。
また、この台形の脚(平行でない対辺)が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ22)としては、通常20〜60°とされ、好ましくは30〜50°とされる。
また、第2網目20を形成する際の線材Wの屈曲角度(θ2 =θ21+θ22)は、通常30〜140°とされ、好ましくは60〜110°とされる。
この屈曲角度(θ2 )が狭すぎるステントは、複数の掛合部が軸方向に配列されやすくなり、これらを互いに異なる周方向位置に配置させることが困難となる。また、ステント径の変化率が過小になり、このステントをシースに挿入する際に、十分に縮径させることができなかったり、縮径状態のステントを十分に拡張させることができなかったりする。他方、この屈曲角度(θ2 )が広すぎるステントは、複数の掛合部が周方向に配列されやすくなり、これらを互いに異なる軸方向位置に配置させることが困難となる。また、ステント長さの変化率が過大となるおそれがある。
図4に示す展開された網目パターンには38個の第2網目20が形成されており、4個(但し、軸方向の一端においては2個)の第2網目20が、その近似形状である台形の脚を共有しながら連結されて1個の第2網目連結部20Cを構成することにより、38個の第2網目20から10個の第2網目連結部20Cが形成されている。
そして、各々の第2網目連結部20Cに係る複数の掛合部、すなわち、4個の第2網目20が連結された第2網目連結部20Cに係る10個の掛合部、および、2個の第2網目20が連結された第2網目連結部20Cに係る5個の掛合部は、互いに軸方向位置および周方向位置が異なっている。
図1〜図3並びに図4(図4Aおよび図4B)に示すように、5個の第1網目連結部10Cの各々が、軸方向の一端側(図面の上側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、凧形状の第3網目30を挟んで、更に、5個の第1網目連結部10Cの各々が軸方向の他端側(図面の下側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されている。
また、5個の第2網目連結部20Cの各々が、軸方向の一端側(図面の上側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、略凧形状の第4網目40を挟んで、更に、5個の第2網目連結部20Cの各々が、軸方向の他端側(図面の下側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されている。
このようなステント100によれば、軸方向位置または周方向位置によって、第1網目10または第2網目20が偏在することがないので、軸方向および周方向に沿って剛性などが変化することはない。
ステント100の網目パターンを構成する第3網目30および第4網目40は、何れも、展開形状において掛合部を頂点とする略凧形状の網目である。
第3網目30および第4網目40の近似形状である凧形の対角線は、ステント100の軸方向および周方向に延びている。
第3網目30の両側には、第1網目連結部10C(第1網目10)が、第3網目30の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の他端側の二辺)と、第1網目10の近似形状である平行四辺形の短辺とを共有しながら、連結されている。
このように、第3網目30を介在させることにより、第1網目連結部10Cの連結方向を、軸方向の一端側から他端側に変化させることができる。
なお、第3網目30の両側には、第2網目20が、互いの頂点(掛合部)を共有しながら連結されている。
また、第3網目30の両側には、第2網目20が、第3網目30の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の一端側の二辺)と、第2網目20の近似形状である台形の底辺とを共有しながら、連結されている。
第4網目40の両側には、第2網目連結部20C(第2網目20)が、第4網目40の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の他端側の二辺)と、第2網目20の近似形状である台形の脚とを共有しながら、連結されている。
このように、第4網目40を介在させることにより、第2網目連結部20Cの連結方向を、軸方向の一端側から他端側に変化させることができる。
なお、第4網目40の両側には、第1網目10が、互いの頂点(掛合部)を共有しながら連結されている。
また、第4網目40の両側には、第1網目10が、第4網目40の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の一端側の二辺)と、第1網目10の近似形状である平行四辺形の長辺とを共有しながら、連結されている。
第3網目30および第4網目40は、対向する2つの周方向領域50において、各々の頂点(掛合部)を共有しながら軸方向に交互に配列されている。
第3網目30および第4網目40が形成されていることにより、ステント100には、同一の軸方向位置において2個の掛合部(第3網目30または第4網目40の近似形状である凧形の頂点)が不可避的に配置される。
また、対向する2つの周方向位置において、9個または10個の掛合部(第3網目30および第4網目40の近似形状である凧形の頂点)が不可避的に配置される。
上記の網目パターンによって形成される本実施形態のステント100は、軸方向に配列された複数の段(第1段乃至第十九段)の各々において、掛合部を頂点とする四角形状の網目が、頂点を共有しながら周方向に5個配列形成され、共有された頂点に係る5個の掛合部が2つ以上の軸方向位置に分割配置され、同一の軸方向位置に配置されている掛合部が3個以下となっている。
このように、本実施形態のステント100には、3個を超える掛合部が同一の軸方向位置に形成されていないので、このステント100をシースに挿入して縮径させる際に、同一の軸方向位置に形成される掛合部が互いに干渉する(重なり合う)ようなことがなく、これに起因して縮径が妨げられることがない。この結果、ステント100の外径を十分に縮小することができ、例えば、8Fr以下のシースに挿入することが可能である。
また、本実施形態のステント100は、周方向に配列された複数の列(第1列乃至第10列)の各々において、掛合部を頂点とする四角形状の網目が、頂点を共有しながら軸方向に10個(2N個)または9個(2N−1個)配列形成され、対向する2つの周方向位置に配置されている掛合部を除いて、共有された頂点に係る9個(2N−1個)または10個(2N個)の掛合部が2つの周方向位置に分割配置され、同一の周方向位置に配置されている掛合部は4個また5個であって、5個(N個)を超える掛合部が配置されていない。
このように、本実施形態のステント100には、対向する2つの周方向位置に配置されている掛合部を除いて、共有された頂点に係る掛合部が2つの周方向位置に分割配置されているので、その曲げ剛性を十分に低くすることができる。これにより、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、また、曲げられた部分が直線状に戻ろうとして管状器官の内壁に損傷を与えることもない。
また、略平行四辺形状の第1網目10および略台形状の第2網目20の両方を、ひし形の網目のように完全に閉じることはできないので、縮径および拡径に伴う長さ変化を小さく抑えることができる。
具体的には、10Frのシースに挿入して縮径されている長さ80mmのステント100を、当該シースを抜去して22mm程度に拡張させたときに、その長さを60mm(75%)程度に維持することが可能である。この結果、目的とする部位に正確に留置させることができる。
以上、本発明のステントの実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、第1網目連結部10Cを構成する第1網目10の数、第2網目連結部20Cを構成する第2網目20の数は4個に限定されるものではなく、例えば2〜10個の範囲で適宜調整することができる。
また、第1網目連結部10Cおよび第2網目連結部20Cの数も10個に限定されるものではなく、例えば6〜20個の範囲で適宜調整することができる。
また、ステントの内周および/または外周の少なくとも一部を被覆するグラフトを有していてもよい。
100 ステント
10 第1網目
10C 第1網目連結部
20 第2網目
20C 第2網目連結部
30 第3網目
40 第4網目
50 周方向領域
W 線材

Claims (4)

  1. 線材を波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させ、波形の屈曲部同士が掛合された掛合部を形成して筒状の網目パターンを形成したステントであって、
    筒状の網目パターンを展開したときに、
    軸方向に配列された複数の段の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら周方向に3個以上配列形成され、
    共有された前記頂点に係る前記掛合部が2つ以上の軸方向位置に分割配置され、同一の軸方向位置に配置されている前記掛合部が3個以下であることを特徴とするステント。
  2. 筒状の網目パターンを展開したときに、
    周方向に配列された複数の列の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら軸方向に2N個または2N−1個(但し、Nは整数である)配列形成され、
    対向する2つの周方向位置に配置されているものを除いて、共有された前記頂点に係る2N−1個または2N個の前記掛合部が2つ以上の周方向位置に分割配置され、同一の周方向位置にN個を超える掛合部が配置されていないことを特徴とする請求項1に記載のステント。
  3. 筒状の網目パターンを展開したときに、
    前記掛合部を頂点とする略平行四辺形(ひし形を除く)状の網目であって前記平行四辺形の2本の対角線が何れもステントの軸方向に対して平行でも垂直でもない第1網目が、前記平行四辺形の短辺および長辺の一方を共有しながら複数連結されてなる第1網目連結部と、
    前記第1網目の形状である前記平行四辺形の長辺および短辺の他方を、その底辺として共有する、前記掛合部を頂点とする略台形状の第2網目が、前記底辺に隣り合う前記台形の脚を共有しながら複数連結されてなる第2網目連結部と、
    が交互に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステント。
  4. 前記第1網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第3網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されており、
    前記第2網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のステント。
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