JP6045036B2 - ステント - Google Patents
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Description
ステントの留置術では、縮径状態のステントが挿入されたシースを管状器官に導入して目的部位(患部)に到達させた後、シースのみを抜去することにより、目的部位においてステントを拡張させて留置する。
本発明の第1の目的は、シースに挿入する際に、複数の掛合部が互いに干渉することがなく、十分に縮径することができるステントを提供することにある。
本発明の第2の目的は、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、管状器官の内壁に損傷を与えないステントを提供することにある。
本発明の第3の目的は、縮径および拡径に伴う長さの変化が小さく、シースに挿入された縮径状態から、シースを抜去して拡張させても、その長さが極端に短くなることのないステントを提供することにある。
筒状の網目パターンを展開したときに、
軸方向に配列された複数の段の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら周方向に3個以上配列形成され、
共有された前記頂点に係る前記掛合部が2つ以上の軸方向位置に分割配置され、同一の軸方向位置に配置されている前記掛合部が3個以下であることを特徴とする。
周方向に配列された複数の列の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら軸方向に2N個または2N−1個(但し、Nは整数である)配列形成され、
対向する2つの周方向位置に配置されているものを除いて、共有された前記頂点に係る2N−1個または2N個の前記掛合部が2つ以上の周方向位置に分割配置され、同一の周方向位置にN個を超える掛合部が配置されていないことが好ましい。
前記掛合部を頂点とする略平行四辺形(ひし形を除く)状の網目であって前記平行四辺形の2本の対角線が何れもステントの軸方向に対して平行でも垂直でもない第1網目が、前記平行四辺形の短辺および長辺の一方を共有しながら複数連結されてなる第1網目連結部と、
前記第1網目の形状である前記平行四辺形の長辺および短辺の他方を、その底辺として共有する、前記掛合部を頂点とする略台形状の第2網目が、前記底辺に隣り合う前記台形の脚を共有しながら複数連結されてなる第2網目連結部と、
が交互に配列されていることが好ましい。
そして、第1網目の近似形状である平行四辺形の4つの頂点(掛合部)が、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なっていることにより、第1網目が連結されてなる第1網目連結部に係る複数の掛合部(これらは、第2網目連結部に係る掛合部でもある)は、互いに軸方向位置および周方向位置が異なることになる。
なお、第1網目連結部と第2網目連結部とを交互に配列させること(第2網目連結部を介在させること)により、第1網目の形状である平行四辺形の4つの頂点を、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なるように配置することができる。
前記第2網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されていることが好ましい。
上記(2)のステントによれば、さらに、体内の管状器官の形状に追従して十分に曲げ変形させることができ、また、管状器官の内壁に損傷を与えることもない。
上記(3)および(4)のステントによれば、さらに、縮径および拡径に伴う長さ変化が小さく、シースに挿入された縮径状態から、シースを抜去して拡張させても、その長さが極端に短くなることがない。従って、目的とする部位に正確に留置させることができる。
なお、図4(図4Aおよび図4B)に示した展開された網目パターンは、縮径方向の力が掛けられていない状態(拡張状態)でのステント100を展開したものである。
ステント100を構成する線材Wとしては、従来公知のステントを構成する線材を使用することができ、金属材料からなる線材が好ましく、形状記憶合金などを好適に使用することができる。金属材料としては、ステンレス、タンタル、チタン、白金、金、タングステンなどを例示することができる。また、形状記憶合金の具体例としては、Ni−Ti系、Cu−Al−Ni系、Cu−Zn−Al系などの合金を挙げることができる。
ここに、第1網目10、第2網目20、第3網目30および第4網目40の近似形状である四角形の頂点は、他の屈曲部と掛合できない一端側または他端側の屈曲部によるものを除き、屈曲部同士を掛合して、すなわち、引っ掛け合うようにして組まれた掛合部からなる。
また、図4に示すように、本実施形態のステント100の網目パターンの端部(一端側および他端側の各々)において、他の屈曲部と掛合していない5つの屈曲部(凸部)は、軸方向に分割配置されており、同一の軸方向位置に配置されている屈曲部は2個以下となっている。これにより、本実施形態のステント100の端部を縮径して体内の管状器官に挿入する際に、屈曲部同士が互いに干渉して端部の縮径を妨げるようなことがないので、細い管状器官に対しても、スムーズに挿入することができる。
従って、第一段乃至第四段のパターンを繰り返することにより、本実施形態のステント100を形成することができる。
また、第2網目連結部20Cは、軸方向の一端側(図面の上側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目40を挟んで、更に、軸方向の他端側(図面の下側)に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されている。
ここに、「凧形」は、隣り合う二辺の長さが等しい組が二組ある図形(四角形)であり、その対角線は直交する。
従って、当該平行四辺形の4つの頂点(掛合部)は、互いに、軸方向位置および周方向位置が異なることになる。
これにより、周方向に隣り合う2つの掛合部を軸方向にずらすことが可能になるとともに、軸方向に隣り合う2つの掛合部を周方向にずらすことも可能になる。
また、この平行四辺形の短辺が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ12)としては、通常10〜80°とされ、好ましくは40〜70°とされる。
第2網目20の近似形状である台形は、その底辺として、第1網目10の近似形状である平行四辺形の長辺を共有している。
これにより、第2網目20の近似形状である当該台形の頂点(掛合部)は、第1網目10の近似形状である平行四辺形の頂点(掛合部)と一致することになる。
なお、第2網目20の近似形状である台形は全て同じ形状ではなく、また、その一部が平行四辺形であってもよい。
また、この台形の脚(平行でない対辺)が延びる方向と、ステントの軸方向とのなす角度(θ22)としては、通常20〜60°とされ、好ましくは30〜50°とされる。
第3網目30および第4網目40の近似形状である凧形の対角線は、ステント100の軸方向および周方向に延びている。
このように、第3網目30を介在させることにより、第1網目連結部10Cの連結方向を、軸方向の一端側から他端側に変化させることができる。
また、第3網目30の両側には、第2網目20が、第3網目30の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の一端側の二辺)と、第2網目20の近似形状である台形の底辺とを共有しながら、連結されている。
このように、第4網目40を介在させることにより、第2網目連結部20Cの連結方向を、軸方向の一端側から他端側に変化させることができる。
また、第4網目40の両側には、第1網目10が、第4網目40の近似形状である凧形における隣り合う二辺(軸方向の一端側の二辺)と、第1網目10の近似形状である平行四辺形の長辺とを共有しながら、連結されている。
また、対向する2つの周方向位置において、9個または10個の掛合部(第3網目30および第4網目40の近似形状である凧形の頂点)が不可避的に配置される。
具体的には、10Frのシースに挿入して縮径されている長さ80mmのステント100を、当該シースを抜去して22mm程度に拡張させたときに、その長さを60mm(75%)程度に維持することが可能である。この結果、目的とする部位に正確に留置させることができる。
例えば、第1網目連結部10Cを構成する第1網目10の数、第2網目連結部20Cを構成する第2網目20の数は4個に限定されるものではなく、例えば2〜10個の範囲で適宜調整することができる。
また、第1網目連結部10Cおよび第2網目連結部20Cの数も10個に限定されるものではなく、例えば6〜20個の範囲で適宜調整することができる。
また、ステントの内周および/または外周の少なくとも一部を被覆するグラフトを有していてもよい。
10 第1網目
10C 第1網目連結部
20 第2網目
20C 第2網目連結部
30 第3網目
40 第4網目
50 周方向領域
W 線材
Claims (4)
- 線材を波形に屈曲させながら周方向および軸方向に進行させ、波形の屈曲部同士が掛合された掛合部を形成して筒状の網目パターンを形成したステントであって、
筒状の網目パターンを展開したときに、
軸方向に配列された複数の段の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら周方向に3個以上配列形成され、
共有された前記頂点に係る前記掛合部が2つ以上の軸方向位置に分割配置され、同一の軸方向位置に配置されている前記掛合部が3個以下であることを特徴とするステント。 - 筒状の網目パターンを展開したときに、
周方向に配列された複数の列の各々において、前記掛合部を頂点とする四角形状の網目が、前記頂点を共有しながら軸方向に2N個または2N−1個(但し、Nは整数である)配列形成され、
対向する2つの周方向位置に配置されているものを除いて、共有された前記頂点に係る2N−1個または2N個の前記掛合部が2つ以上の周方向位置に分割配置され、同一の周方向位置にN個を超える掛合部が配置されていないことを特徴とする請求項1に記載のステント。 - 筒状の網目パターンを展開したときに、
前記掛合部を頂点とする略平行四辺形(ひし形を除く)状の網目であって前記平行四辺形の2本の対角線が何れもステントの軸方向に対して平行でも垂直でもない第1網目が、前記平行四辺形の短辺および長辺の一方を共有しながら複数連結されてなる第1網目連結部と、
前記第1網目の形状である前記平行四辺形の長辺および短辺の他方を、その底辺として共有する、前記掛合部を頂点とする略台形状の第2網目が、前記底辺に隣り合う前記台形の脚を共有しながら複数連結されてなる第2網目連結部と、
が交互に配列されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステント。 - 前記第1網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第3網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されており、
前記第2網目連結部は、軸方向の一端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成され、前記掛合部を頂点とする略凧形状の第4網目を挟んで、更に、軸方向の他端側に向かって略半周にわたり螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のステント。
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