JP2015093173A - バルーンカテーテル - Google Patents
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Abstract
Description
一方、樹脂チューブからなるアウターシャフトの後端には、金属チューブからなる後端側シャフトが接続されている。
ここに、アウターシャフト(先端側シャフト)および後端側シャフトのルーメンは、バルーンを拡張させるための流体が流通する拡張ルーメンであり、インナーチューブのルーメンは、ガイドワイヤを挿通するためのガイドワイヤルーメンである。
このコアワイヤの後端部は、金属チューブからなる後端側シャフトの内周面に溶接などにより固着されている。これにより、補強が必要なアウターシャフト(先端側シャフト)の後端部分、具体的には、ガイドワイヤポートの形成位置より後端側の部分の剛性を向上させることができ、このバルーンカテーテルの押込時における当該部分のキンク(座屈)の発生をある程度抑制することができる。
すなわち、このバルーンカテーテルを血管内に挿通する際に後端側シャフトから押込力を付与したときに、アウターシャフト(先端側シャフト)に対してコアワイヤが軸方向に移動(前進)してしまい、当該押込力を先端側シャフトに十分に伝達することができない。
特許文献3に記載されたバルーンカテーテルのように、後端側シャフトの内周面に固着しているコアワイヤを先端側シャフトの内周面にも固着させることにより、後端側シャフトからの押込力を先端側シャフトに確実に伝達することができ、良好なプッシャビリティを発揮することができる。また、コアワイヤの固着位置よりも後端側における当該先端側シャフトの剛性を十分に高くすることができ、当該部分におけるキンクを確実に防止することができる。
本発明の目的は、血管内に挿通するときのプッシャビリティに優れ、先端側シャフトの後端部分(ガイドワイヤポートの形成位置から後端側シャフトの先端位置までの部分)におけるキンク(座屈)を確実に防止することができるとともに、屈曲している血管に対してもスムーズに挿入することができるラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルを提供することにある。
前記先端側シャフトの後端に接続された金属チューブからなる後端側シャフトと、
前記先端側シャフトの先端に接続されたバルーンと、
前記先端側シャフトのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されて、ガイドワイヤルーメンを形成する樹脂チューブであって、前記先端側シャフトの側面においてその後端がガイドワイヤポートとして開口し、前記バルーンの先端部にその先端部が固定されて、その先端が開口するインナーチューブと、
ストレート部と縮径部とを有し、前記縮径部を先端側にして前記先端側シャフトのルーメンに挿通されているコアワイヤとを備えてなり、
前記コアワイヤの後端側が、前記後端側シャフトの内周面に固着されているとともに、前記コアワイヤのストレート部が、前記先端側シャフトの内周面と前記インナーチューブの外周面との間に圧入されていることを特徴とする。
このバルーンカテーテル100は、樹脂チューブからなる先端側シャフト10と、先端側シャフト10の後端に接続された金属チューブからなる後端側シャフト20と、先端側シャフト10の先端に接続されたバルーン30と、先端側シャフト10のルーメンおよびバルーン30の内部に挿通されて、ガイドワイヤルーメンを形成する樹脂チューブであって、先端側シャフト10の側面において、その後端がガイドワイヤポートとして開口し、バルーン30の先端部にその先端部が固定されて、その先端が開口するインナーチューブ40と、ストレート部51とテーパ部52(縮径部)とからなり、テーパ部52を先端側にして先端側シャフト10のルーメンに挿通されているコアワイヤ50とを備えてなり、コアワイヤ50は、ストレート部51の後端側において、後端側シャフト20の内周面に溶接により固着されているとともに、ストレート部51の先端側において、先端側シャフト10の内周面とインナーチューブ40の外周面との間に圧入されている。
図1において、60は、後端側シャフト20の後端に装着されたハブ、70はストレインリリーフである。
また、先端側シャフト10を構成する樹脂チューブの内径(d1 )は、通常0.65〜0.95mmとされる。
なお、上記の外径(D1 )および内径(d1 )は、コアワイヤ50を挿通していない状態での径である。
先端側シャフト10(樹脂チューブ)の構成材料としては、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)(登録商標)およびナイロンなどの熱可塑性樹脂を挙げることができ、これらのうちPEBAXが好ましい。
先端側シャフト10(樹脂チューブ)の硬度としては、D型硬度計による硬度で63〜80であることが好ましい。
この後端側シャフト20は、ステンレス、Ni−Ti合金、Cu−Mn−Al系合金などの金属チューブ(ハイポチューブ)から構成されており、この金属チューブの先端部分には、螺旋状のスリットが形成されていてもよい。
後端側シャフト20を構成する金属チューブの外径は、通常0.5〜0.8mmとされる。
また、後端側シャフト20を構成する金属チューブの内径は、通常0.4〜0.7mmとされる。
後端側シャフト20の長さは、通常900〜1500mmとされる。
バルーン30は、先端側シャフト10および後端側シャフト20のルーメンを流通する液体によって拡張する。ここに、液体としては、生理食塩水や造影剤を挙げることができる。
拡張時におけるバルーン30の直径としては、通常1.0〜5.0mmとされ、好ましくは2.0〜3.5mmとされる。
バルーン30の長さとしては、通常5〜40mmとされ、好ましくは15〜30mmとされる。
バルーン30の構成材料としては、従来公知のバルーンカテーテルを構成するバルーンと同一のものを使用することができ、好適な材料としてPEBAXを挙げることができる。
インナーチューブ40の後端は、先端側シャフト10の側面において開口しており、この開口41はガイドワイヤポートとなっている。
インナーチューブ40の先端部は、バルーン30の先端部に固定されており、インナーチューブ40の先端には開口42が形成されている。
インナーチューブ40の内径(d2 )は、通常0.35〜0.45mmとされる。
ガイドワイヤポートであるインナーチューブ40の開口41の形成位置からバルーン30の後端位置までの軸方向の距離(L3)としては、通常150〜300mmとされる。
先端側シャフト10の硬度としては、D型硬度計による硬度で63〜80であることが好ましい。
また、コアワイヤ50(ストレート部51)の固着位置よりも後端側〔ガイドワイヤポートの形成位置から後端側シャフト20の先端位置までの部分(図1において、その部分の長さは(L4)で示されている。)を含む領域〕における先端側シャフト10の剛性を十分に高くすることができ、当該部分におけるキンクを確実に防止することができる。
D3 /(d1 −D2 )の値が1.05〜1.95となるように直径(D3 )を調整することにより、そのようなストレート部51の外周面に対して、先端側シャフト10の内周面とインナーチューブ40の外周面とによって適度な圧力(挟持力)を付与することができ、この結果、先端側シャフト10は、優れた剛性と柔軟性とをバランスよく兼ね備えたものとなる。
他方、(D11)/(D12)の値が1.30を超える場合には、そのような断面形状の先端側シャフトをガイディングシースに収容できなくなるなど、当該先端側シャフトと他のデバイスとのマッチング性が損なわれることがある。
この距離(L1)が短すぎる場合には、コアワイヤ50(ストレート部51)を十分に固定(挟持)することができず、プッシャビリティの向上効果、先端側シャフトの後端部分における剛性の向上効果を十分に発揮することができないことがある。
他方、この距離(L1)が長すぎる場合には、先端側シャフト10において「曲げの方向性」が現れ、バルーンカテーテルの操作性(血管に対する挿入性)が損なわれることがある。
例えば、コアワイヤの縮径部は、先端方向に断続的に縮径するものであってもよい。
また、コアワイヤには、直径の異なる複数のストレート部が縮径部を介して連結されていてもよい。この場合には、何れかのストレート部が先端側シャフトの内周面とインナーチューブの外周面との間に圧入される。
10 先端側シャフト
20 後端側シャフト
30 バルーン
40 インナーチューブ
41 開口(ガイドワイヤポート)
42 開口
50 コアワイヤ
51 ストレート部
52 テーパ部
60 ハブ
70 ストレインリリーフ
前記先端側シャフトの後端に接続された金属チューブからなる後端側シャフトと、
前記先端側シャフトの先端に接続されたバルーンと、
前記先端側シャフトのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されて、ガイドワイヤルーメンを形成する樹脂チューブであって、前記先端側シャフトの側面においてその後端がガイドワイヤポートとして開口し、前記バルーンの先端部にその先端部が固定されて、その先端が開口するインナーチューブと、
ストレート部と縮径部とを有し、前記縮径部を先端側にして前記先端側シャフトのルーメンに挿通されているコアワイヤとを備えてなり、
前記コアワイヤの後端側が、前記後端側シャフトの内周面に固着されているとともに、前記コアワイヤのストレート部が、前記先端側シャフトの内周面と前記インナーチューブの外周面との間に圧入されており、
前記ガイドワイヤポートの形成位置から前記コアワイヤのストレート部の先端までの軸方向の距離(L1)が1.0〜50.0mmであり、
前記コアワイヤのストレート部が圧入されることにより、当該ストレート部が圧入されている部分における前記先端側シャフトの横断面が楕円形状となり、当該楕円の長径を(D 11 )、短径を(D 12 )とするとき、(D 11 )/(D 12 )の値が1.02〜1.30であることを特徴とする。
Claims (4)
- 樹脂チューブからなる先端側シャフトと、
前記先端側シャフトの後端に接続された金属チューブからなる後端側シャフトと、
前記先端側シャフトの先端に接続されたバルーンと、
前記先端側シャフトのルーメンおよび前記バルーンの内部に挿通されて、ガイドワイヤルーメンを形成する樹脂チューブであって、前記先端側シャフトの側面においてその後端がガイドワイヤポートとして開口し、前記バルーンの先端部にその先端部が固定されて、その先端が開口するインナーチューブと、
ストレート部と縮径部とを有し、前記縮径部を先端側にして前記先端側シャフトのルーメンに挿通されているコアワイヤとを備えてなり、
前記コアワイヤの後端側が、前記後端側シャフトの内周面に固着されているとともに、前記コアワイヤのストレート部が、前記先端側シャフトの内周面と前記インナーチューブの外周面との間に圧入されていることを特徴とするバルーンカテーテル。 - 前記先端側シャフトを構成する樹脂チューブの内径を(d1 )、前記インナーチューブの外径を(D2 )、前記コアワイヤのストレート部の直径を(D3 )とするとき、
D3 /(d1 −D2 )の値が1.05〜1.95であることを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。 - 前記コアワイヤのストレート部が圧入されている部分における前記先端側シャフトの横断面が楕円形状であり、当該楕円の長径を(D11)、短径を(D12)とするとき、
(D11)/(D12)の値が1.02〜1.30であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載バルーンカテーテル。 - 前記ガイドワイヤポートの形成位置から前記コアワイヤのストレート部の先端までの軸方向の距離(L1)が1.0〜50.0mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載バルーンカテーテル。
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