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JP2014211483A - 着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置 - Google Patents

着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置 Download PDF

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JP2014211483A JP2013086674A JP2013086674A JP2014211483A JP 2014211483 A JP2014211483 A JP 2014211483A JP 2013086674 A JP2013086674 A JP 2013086674A JP 2013086674 A JP2013086674 A JP 2013086674A JP 2014211483 A JP2014211483 A JP 2014211483A
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Abstract

【課題】安定した分散性及び帯電特性を有する着色粒子の提供、並びに、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置の提供
【解決手段】帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有するコア粒子と, 前記コア粒子の表面を被覆する被覆層であって、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位A及び自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bを有し、且つ前記モノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーの架橋体を含有する被覆層と、を有する着色粒子(例えば、粒子群34を構成する粒子)である。また、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、着色粒子及びその製造方法、着色粒子分散液、表示媒体、並びに、表示装置に関する。
メモリー性を有するディスプレイとして電気泳動表示媒体が盛んに研究されている。本表示方式では、液体中に帯電した着色粒子(泳動粒子)が分散された電気泳動材料を用いて、電場付与によって泳動粒子をセル内(二枚の電極基板を重ねてその間に電気泳動材料を封入した構成)の視野面及び背面へ交互に移動させることによって表示を行なうことができる。
本技術では、前記の電気泳動材料が重要な要素になっており、様々な技術開発がなされている。また、粒子を分散する液体として、揮発性が低く、化学物質としての安全性の高い材料が望まれる。このような安全性の高い液体として、石油由来高沸点成分であるパラフィン系炭化水素溶媒(市販されている製品としてはエクソン社製のアイソパー系材料等が挙げられる)、シリコーンオイル、フッ素系液体等が望ましく、このような液体中で安定に分散し、帯電性や電気泳動性に優れた材料が必要となっている。特にシリコーンオイルは揮発性や可燃性が低く、安全性が高いことから有用である。
ところが、シリコーンオイルに安定に分散しかつ安定な帯電特性を有する材料系はあまり知られていないのが現状である。従来技術としては、例えば、シリコーン系帯電制御高分子分散剤を用いた技術が特許文献1〜2に開示されており、コアセルベーション法を用いた電気泳動粒子としては特許文献3が知られ、シリコーンオイルに分散する電気泳動粒子として電荷調整剤を含有する構成が開示されている。
また、特許文献4では、安定した分散性及び帯電特性を付与することを目的に、帯電した着色粒子の表面に反応性シリコーン系高分子又は反応性長鎖アルキル系高分子が結合又は被覆した表示用粒子を開示している。
特許3936588号 特開2002−212423公報 特開2004−279732公報 特開2009−186808公報
ところで、電気泳動を用いた表示技術に利用する着色粒子に代表されるように、帯電性を持つ着色粒子は、安定した分散性及び帯電特性を有することが重要となる。
例えば、シリコーン系帯電制御高分子分散剤を使用する技術では、分散剤が着色粒子の均一分散の役割をもつと同時に、着色粒子のカウンターイオンの役割を果たすため、分散と帯電安定性の両立が難しかった。また、多色表示を目的として同一系に帯電極性の異なる複数色粒子(ある着色粒子は正帯電、それと異なる色の着色粒子は負帯電)を混合した系を実現するためには、各帯電極性の異なる着色粒子とともに、異なった極性基(酸と塩基)を持った分散剤を混合するため、分散剤同士が酸・塩反応を起こし、着色粒子を凝集させたり、帯電特性を悪化させる恐れがある。一方、コアセルベーション法を用いた技術では、帯電制御剤を着色粒子に含有させることが本質であるが、帯電制御剤が分散媒であるシリコーンオイルに溶出したり、着色粒子内での分布に偏りを生じ、帯電特性が不安定化するという恐れがある。
このような状況のもと、本発明者が特許文献4に記載の表示用粒子をさらに検討をしたところ、分散安定性及び帯電性が未だ不十分であるという問題点を有していたことがわかった。特に、グリシジル基を側鎖に有する反応性高分子を用いて結合又は被覆した着色粒子において、所望の帯電と逆符号の極性の着色粒子の割合が増加することがわかった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、安定した分散性及び帯電特性を有する着色粒子を提供することを課題とする。
また、本発明は、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有するコア粒子と,
コア粒子の表面を被覆する被覆層であって、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位Aと自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bとを有し、且つモノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーの架橋体を含有する被覆層と、
を有する着色粒子。
<2>
第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基が、エチレン性不飽和基、ビニルオキシ基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、オキサゾリル基、及びアルコキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の基である<1>に記載の着色粒子。
<3>
第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基が、ビニルオキシ基である<1>に記載の着色粒子。
<4>
第2ポリマーが、モノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位Cをさらに有し、かつモノマー単位Bの自己架橋性基とモノマー単位Cの官能基との架橋により水酸基を生じない<1>〜<3>いずれか1項に記載の着色粒子。
<5>
モノマー単位Bの自己架橋性基がビニルオキシ基又はオキサゾリル基であり、且つ第2ポリマーのモノマー単位Cの官能基がカルボキシル基である<4>に記載の着色粒子。
<6>
第1ポリマーが、第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位αをさらに有する<1>〜<5>いずれか1項に記載の着色粒子。
<7>
<1>〜<6>いずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
粒子群を分散するための分散媒と、
を有する着色粒子分散液。
<8>
分散媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である<7>に記載の着色粒子分散液。
<9>
粒子群が、帯電極性の異なる複数種類の着色粒子から構成される<7>又は<8>に記載の着色粒子分散液。
<10>
少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
一対の基板間に封入された、<7>〜<9>いずれか1項に記載の着色粒子分散液と、
を備えた表示媒体。
<11>
<10>に記載の表示媒体と、
表示媒体の一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。
<12>
少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
一対の電極間に設けられた、<7>〜<9>いずれか1項に記載の着色粒子分散液を有する領域と、
を備えた表示媒体。
<13>
<12>に記載の表示媒体と、
表示媒体の一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
を備えた表示装置。
<14>
帯電性基を有する第1ポリマーと、着色剤と、第1溶媒と、第1溶媒に対して非相溶で第1溶媒より沸点が低く且つ帯電性基を有する第1ポリマーを溶解する第2溶媒と、を含む混合溶液を攪拌し、乳化させる工程と、
乳化させた混合溶液から第2溶媒を除去して、帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有するコア粒子を生成する工程と、
コア粒子と、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位A及び自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bを有し、且つモノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーと、を混合した後、第2ポリマーを架橋させることでコア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆する工程と、
を有する着色粒子の製造方法。
<15>
第1溶媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である<14>に記載の着色粒子の製造方法。
本発明によれば、安定した分散性及び帯電特性を有する着色粒子を提供することができる。また、本発明によれば、当該着色粒子を利用した、着色粒子分散液、表示媒体、及び表示装置を提供することができる。
本実施形態に係る表示装置の概略構成図である。 本実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の双方の表記である。「(メタ)アクリロ」は「アクリロ」及び「メタクリロ」の双方の表記である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方の表記である。
[着色粒子]
本発明の着色粒子は、コア粒子と、コア粒子の表面を被覆する被覆層と、を有している。コア粒子は、帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有している。そして、被覆層は、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位Aと自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bとを有し、且つモノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーの架橋体を含有している。
本発明の着色粒子は、分散媒に分散された状態において帯電特性を有するものである。例えば、本発明の着色粒子を表示用粒子(電気泳動粒子)に適用した場合、本発明の着色粒子は、電界に応じて分散媒内を移動するものとなる。
本発明の着色粒子は、上記構成とすることで、安定した分散性及び帯電特性を持つ着色粒子となるものである。ここで、帯電特性は、着色粒子の帯電極性及び帯電量を示しており、本発明の着色粒子ではこの帯電極性及び帯電量の変動が抑制され、帯電特性が安定化される。具体的には、本発明の着色粒子では、所望の帯電が確保されると共に、逆極性の着色粒子の発生が抑制され、帯電特性が安定化される。
この理由は定かではないが、コア粒子を被覆する第2ポリマーにモノマー単位Bを導入することで、第2ポリマーの架橋体の架橋点付近に水酸基を有さない(つまり、第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基の架橋(自己架橋性基の架橋反応)に伴って、水酸基を架橋点近傍に生成しない)と考えられるためである。
以下、本発明の着色粒子について詳細に説明する。
(コア粒子)
コア粒子は、帯電性基を有する第1ポリマーと、着色剤と、必要に応じてその他の配合材料と、を含んで構成される。
−第1ポリマー−
帯電性基を有する第1ポリマーは、帯電性基として例えばカチオン性基又はアニオン性基を有する高分子である。帯電性基としてのカチオン性基は、例えば、アミノ基、4級アンモニウム基が挙げられ(これら基の塩も含む)、このカチオン基により着色粒子に正帯電極性が付与される。一方、帯電性基としてのアニオン性基としては、フェノール基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基及びテトラフェニルボロン基等が挙げられ(これら基の塩も含む)、このアニオン性基により着色粒子に負帯電極性が付与される。
帯電性基を有する高分子として、具体的には、帯電性基を持つモノマー単位からなるポリマー、帯電性基を持つモノマー単位と他のモノマー単位(帯電性基を持たないモノマー単位)を有するポリマー等が挙げられる。
帯電性基を持つモノマー単位を構成するための単量体としては、カチオン性基を有する単量体(以下、カチオン性単量体)、アニオン性基を有する単量体(以下、アニオン性単量体)が挙げられる。
カチオン性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−オクチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジオクチルアミノスチレン等の含窒素基を有する芳香族置換エチレン系単量体類、ビニル−N−エチル −N−フェニルアミノエチルエーテル、ビニル−N−ブチル−N−フェニルアミノエチルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル、ビニルジフェニルアミノエチルエーテル、N−ビニルヒドロキシエチルベンズアミド、m−アミノフェニルビニルエーテル等の含窒素ビニルエーテル単量体類、ビニルアミン、N−ビニルピロール等のピロール類、N−ビニル−2−ピロリン、N−ビニル−3−ピロリン等のピロリン類、N−ビニルピロリジン、ビニルピロリジンアミノエーテル、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリジン類、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、N−ビニルイミダゾリン等のイミダゾリン類、N−ビニルインドール等のインドール類、N−ビニルインドリン等のインドリン類、N−ビニルカルバゾール、3,6−ジブロム−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピロジン等のピリジン類、(メタ)アクリルピペリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピペラジン等のピペリジン類、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン等のキノリン類、N−ビニルピラゾール、N−ビニルピラゾリン等のピラゾール類、2−ビニルオキサゾール等のオキサゾール類、4−ビニルオキサジン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等のオキサジン類等が挙げられる。
また、汎用性から特に好ましいカチオン性単量体としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族アミノ基を有する(メタ)アクリレート類が好ましく、特に重合前あるいは重合後に4級アンモニウム塩とした構造で使用されることが好ましい。4級アンモニウム塩化は、前記化合物をアルキルハライド類やトシル酸エステル類と反応することで得ることができる。
一方、アニオン性単量体としては、例えば、以下のものが挙げられる。
具体的には、アニオン性単量体のうち、カルボン酸モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、又はそれらの無水物及びそのモノアルキルエステルや、カルボキシエチルビニルエーテル、カルボキシプロピルビニルエーテルの如きカルボキシル基を有するビニルエーテル類等挙げられる。
スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリックアシッドエステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコニックアシッドエステル等及びその塩挙げられる。また、その他2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びその塩挙げられる。
リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
好ましいアニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸やスルホン酸を持ったものであり、より好ましくは重合前あるいは重合後にアンモニウム塩となった構造のものである。アンモニウム塩は、3級アミン類あるいは4級アンモニウムハイドロオキサイド類と反応させることで作製できる。
他のモノマー単位を構成するための他の単量体としては、非イオン性単量体(ノニオン性単量体)が挙げられ、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド、スチレン、ビニルカルバゾール、スチレン、スチレン誘導体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第1ポリマーは、帯電性基を持つモノマー単位及び他のモノマー単位以外にも、後述する被覆層を構成する第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位αをさらに有することがよい。このモノマー単位αを有することで、第2ポリマー(これを含む被覆層)が固定化され、着色粒子の分散性が安定し易くなる。
なお、このモノマー単位αを構成するための単量体としては、第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基に応じて選択されるが、具体的には、第2ポリマーのモノマー単位Cを構成するための単量体で例示した単量体が挙げられる。但し、モノマー単位αは、帯電性基を持つモノマー単位を兼ねていてもよい。
ここで、第1ポリマーにおいて、帯電性基を持つモノマー単位と他のモノマー単位との比(帯電性基を有する単量体と他の単量体との共重合比)は、所望の着色粒子の帯電量に応じて適宜変更される。通常は、この比(帯電性基を有する単量体と他の単量体との共重合比)はそのモル比で1:99から100:0までの範囲(望ましくは10:90から100:0までの範囲)で選択される。
なお、第1ポリマーが帯電性基を持つモノマー単位と異なるモノマー単位αを有する場合、帯電性基を有する単量体とモノマー単位αとの比(単量体の重合比)は、そのモル比で1:99から99:1までの範囲(望ましくは10:90から99:1までの範囲)で選択されることがよい。
帯電性基を有する第1ポリマーの重量平均分子量としては、1000以上100万以下が望ましく、より望ましくは1万以上20万以下である。
ここで、重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。なお、他のポリマー等の重量平均分子量の測定方法も同様である。
−着色剤−
着色剤について説明する。
着色剤としては、有機若しくは無機の顔料や、油溶性染料等挙げられる。具体的には、マグネタイト、フェライト等の磁性紛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、フタロシアニン銅系シアン色材、アゾ系イエロー色材、アゾ系マゼンタ色材、キナクリドン系マゼンタ色材、レッド色材、グリーン色材、ブルー色材等の公知の着色剤が挙げられる。より具体的には、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
着色剤の含有量としては、帯電性基を持つ第1ポリマーに対し10質量%以上99質量%以下が望ましく、望ましくは30質量%以上99質量%以下である。
−その他の配合材料−
その他の配合材料を説明する。
その他の配合材料としては、帯電制御剤、磁性材料、架橋剤等が挙げられる。
帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、セチルピリジルクロライド、BONTRON P−51、BONTRON P−53、BONTRON E−84、BONTRON E−81(以上、オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属粒子、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属粒子等が挙げられる。
磁性材料としては、必要に応じてカラーコートした無機磁性材料や有機磁性材料が挙げられる。また、透明な磁性材料、特に、透明有機磁性材料は着色顔料の発色を阻害せず、比重も無機磁性材料に比べて小さく、より望ましい。
着色した磁性材料(カラーコートした材料)としては、特開2003−131420公報記載の小径着色磁性粉等が挙げられる。核となる磁性粒子と該磁性粒子表面上に積層された着色層とを備えたものが用いられる。そして、着色層としては、顔料等により磁性粉を不透過に着色する等適宜選定して差し支えないが、例えば光干渉薄膜を用いるのが好ましい。この光干渉薄膜とは、SiOやTiO等の無彩色材料を光の波長と同等な厚みを有する薄膜にしたものであり、薄膜内の光干渉により光の波長を選択的に反射するものである。
なお、着色粒子の内部に含んでもよいし、表面に付着していてもよい。
架橋剤としては、分子内にエチレン性不飽和基を複数有する化合物;、分子内にイソシアナート基を複数有する化合物;、分子内にイミノ基、メチロール基、アルコキシメチル基から選択される基を少なくとも1種有するメラミン化合物又はグアナミン化合物;等が挙げられる。また、これらの架橋剤の架橋反応を促進するため、酸、塩基、塩又は重合開始剤等を添加してもよい。
(被覆層)
コア粒子の表面を被覆する被覆層について説明する。
被覆層は、第2ポリマーの架橋体を含有している。そして、第2ポリマーは、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位Aと、自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bと、を有している。第2ポリマーは、必要に応じて、モノマー単位A及びB以外の他のモノマー単位(モノマー単位C、モノマー単位D等)を有していてもよい。
第2ポリマーとして具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、スチリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。特に(メタ)アクリル系樹脂、スチリル系樹脂が好ましく、さらに(メタ)アクリル系樹脂が好ましい。
つまり、第2ポリマーは、これら樹脂を構成するモノマー単位として、各モノマー単位A及びB、及び、必要に応じて他のモノマー単位(モノマー単位C、モノマー単位D等)を有する。
なお、シリコーン鎖又は各官能基が側鎖に持つとは、第2ポリマーの重合鎖(エチレン性二重結合、ウレタン結合又はアミド結合による重合鎖等)を主鎖とし、この主鎖から分岐した部位にシリコーン鎖又は各官能基を有することを示す。
−モノマー単位A−
モノマー単位Aは、側鎖にシリコーン鎖を持つモノマー単位である。モノマー単位Aとして具体的には、例えば、シリコーン鎖として下記一般式(S)で示される構造を側鎖に持つモノマー単位が挙げられる。
一般式(S)中、R11及びR12は、それぞれ独立にアルキル基又はアリール基を表す。R11及びR12が表すアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよい。アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基等が挙げられる。R11及びR12が表すアリール基としては、炭素数6〜20がアリール基が好ましく、置換基を有していてもよい。アリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。R11及びR12は、それぞれ独立にメチル基又はフェニル基を表すことが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
pは、2〜500の整数を表し、好ましくは5〜350であり、より好ましくは8〜250である。
一般式(S)で示される構造を側鎖に持つモノマー単位は、J.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載のごとく、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(エポキシ基、酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサンを高分子反応によって導入する方法や、ポリシロキサン含有マクロマーを重合させる方法等によって合成することができる。
ここで、ポリシロキサン含有マクロマーとして具体的には、片末端に(メタ)アクリレート基を持ったジメチルシリコーンモノマー(下記構造式(1)で示されるシリコーン化合物:JNC社製:サイラプレーン:FM−0711,FM−0721,FM−0725等、信越化学工業社製:X−22−174DX,X−22−2426,X−22−2475等)等が挙げられる。
構造式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。nは自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)を表す。xは1以上3以下の整数を示す。
−モノマー単位B−
モノマー単位Bは、自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位である。自己架橋性基は、自己架橋性基の架橋(自己架橋性基の架橋反応)により水酸基を生じない官能基である。ここで、自己架橋性基とは、一定の条件下で、架橋剤を添加せずとも、官能基同士の自己架橋が可能な基を指す。
自己架橋性基としては、エチレン性不飽和基(ビニル基、アリル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等)、ビニルオキシ基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、オキサゾリル基、及びアルコキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の基等が挙げられる。これらの中でも、安定した分散性及び帯電特性の観点から、自己架橋性基としては、ビニルオキシ基が好ましい。
モノマー単位Bを構成するための単量体としては、二(メタ)アクリル酸エチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルと(メタ)アクリル酸2−イソシアナトエチルとの付加反応物、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、2−ビニル−2−オキサゾリン、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル等が挙げられる。
−モノマー単位C−
モノマー単位Cは、モノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位である。
そして、モノマー単位Bの自己架橋性基とモノマー単位Cの官能基との架橋により水酸基を生じない。つまり、モノマー単位Bの自己架橋性基及びモノマー単位Cの官能基は、互いの架橋反応により、水酸基を生じない基である。
モノマー単位Cを第2ポリマーに導入することで、第2ポリマーの架橋密度が上がり、着色粒子の分散性が高まり易くなる。また、モノマー単位Bの自己架橋性基とモノマー単位Cの官能基との架橋(架橋反応)に伴って、水酸基を架橋点近傍に生成しない(つまり、第2ポリマーの架橋体の架橋点付近に水酸基を有さない)ことから、所望の帯電が確保されると共に、逆極性の着色粒子の発生が抑制され、着色粒子の帯電特性が安定化され易くなる。
モノマー単位Cの官能基としては、モノマー単位Bの自己架橋性基が(メタ)アクリロイル基又はアクリルアミド基の場合、(メタ)アクリロイル基へのMichael付加反応が可能な活性水素含有基(1級アミノ基、2級アミノ基、マロネートエステル基、アセトアセテートエステル基、マロンアミド基、アセトアセトアミド基等)が挙げられる。
この活性水素含有基を持つモノマー単位Cを構成するための単量体としては、(メタ)アクリル酸2−アセトアセトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシマロニルオキシエチル等が挙げられる。
モノマー単位Cの官能基としては、モノマー単位Bの自己架橋性基がヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基の場合、アルコール性水酸基、アセトアセテート基等の活性水素含有基が挙げられる。
この活性水素含有基を持つモノマー単位Cを構成するための単量体としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
モノマー単位Cの官能基としては、モノマー単位Bの自己架橋性基がビニルオキシ基又はオキサゾリル基の場合、カルボキシル基が挙げられる。
このカルボキシル基を持つモノマー単位Cを構成するための単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4-ビニル安息香酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
ここで、モノマー単位Bとモノマー単位Cとの組合せとしては、側鎖にビニルオキシ基又はオキサゾリル基を持つモノマー単位Bと、側鎖にカルボキシル基を持つモノマー単位Cと、の組合せがよい。つまり、モノマー単位Bの自己架橋性基がビニルオキシ基又はオキサゾリル基であり、且つ第2ポリマーのモノマー単位Cの官能基がカルボキシル基であることがよい。
第2ポリマーに側鎖にカルボキシル基を持つモノマー単位Cを導入することで、コア粒子表面に対する第2ポリマーの架橋体の吸着性が向上するとともに、コア粒子間での第2ポリマーの被覆量のばらつきが小さくなり、着色粒子の帯電量が安定する。
−モノマー単位D−
モノマー単位Dを構成するための単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;、モノマー単位Dを構成するための単量体としては、エチレンオキシドユニットを持つ(メタ)アクリレート(テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキルオキシオリゴエチレングリコールの(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールの片末端(メタ)アクリレート等);、(メタ)アクリル酸;、マレイン酸;、N,N−ジアルキルアミノ(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
−第2ポリマーのモノマー単位の比−
第2ポリマーにおいて、モノマー単位のうち、モノマー単位A及びBは必須成分であり、モノマー単位C及びDは任意成分である。
モノマー単位Aの比率(共重合比)は、全モノマー単位に対して、50質量%以上999.9質量%以下が好ましく、より好ましくは60質量%以上99.8質量%以下、特に好ましくは70質量%以上99.7質量%以下である。モノマー単位Aの比率(重合比)を上記範囲とすると、着色粒子の分散媒に対する分散性が安定し易くなる。
モノマー単位Bの比率(共重合比)は、全モノマー単位に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、より好ましくは0.2質量%以上40質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以上30質量%以下である。モノマー単位Bの比率(共重合比)を50質量%以下とすると、第2ポリマーを合成するとき増粘又はゲル化が抑制され易くなる。モノマー単位Bの比率(共重合比)を0.1質量%以上とすると、コア粒子の表面に対しる第2ポリマーの架橋体の被覆量を十分とし、着色粒子の分散媒に対する分散性が安定し易くなる。
モノマー単位Cの比率(共重合比)は、全モノマー単位に対して、0質量%以上25質量%以下が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以上15質量%以下である。モノマー単位Cの比率(重合比)を上記範囲とすると、コア粒子の表面に対しる第2ポリマーの架橋体の被覆量を十分とし、着色粒子の分散媒に対する分散性が安定し易くなる。
−第2ポリマーの重量平均分子量−
第2ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、合成時のハンドリング性及び着色粒子の分散性の観点から、2,000〜1,000,000が好ましく、2,000〜500,000であることがより好ましく、8,000〜300,000であることが特に好ましい。
以下、第2ポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、第2ポリマーを構成するモノマー単位の組成比は質量百分率を表す。また、具体例中の「n」は自然数(例えば1以上1000以下、望ましくは3以上100以下)を表す。
−被覆層を形成するためのその他の成分−
被覆層には、第2ポリマーの架橋体以外に、第2ポリマー(モノマー単位B)の自己架橋性基と架橋可能であり、かつ架橋に伴って水酸基発生しない官能基を1つ又は複数有する化合物を架橋剤として任意に添加してもよい。
具体的には、例えば、第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基がエチレン性不飽和基である場合、架橋剤としてエチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物を添加してもよい。
また、例えば、第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基がビニルオキシ基である場合、架橋剤としてカルボキシル基を1個、好ましくは2個以上有する化合物を添加してもよい。
−被覆層の被覆量−
コア粒子の表面に対する第2ポリマーの架橋体の被覆量としては、安定性した分散性及び帯電特性の観点から、コア粒子の質量に対し1質量%以上250質量%以下の範囲であることが好ましく、2質量%以上200質量%以下の範囲であることがより好ましい。被覆量を1質量%以上とすると、着色粒子の分散性が高まり易く、被覆量を250質量%以下とすると着色粒子の帯電量の低下が抑制され易くなる。
この被覆量は、次のようにして求められる。一つは作製した着色粒子を遠心沈降させて、その質量を測定することで粒子材料量に対する増加量分として算出することができる。 その他には粒子の組成分析から算出することも適用できる。
−着色粒子の平均粒径−
本発明の着色粒子の平均粒径(体積平均粒径)は、例えば、0.1μm以上10μm以下であるが、用途に応じて選択され、これに限定されない。
平均粒径は、大塚電子株式会社製Photal FPAR−1000(動的光散乱式粒径分布測定装置)を用いて測定され、MARQUARDT法により解析が行われる。
[着色粒子の製造方法]
本発明の着色粒子の製造方法は、帯電性基を有する第1ポリマーと、着色剤と、第1溶媒と、第1溶媒に対して非相溶で第1溶媒より沸点が低く且つ帯電性基を有する第1ポリマーを溶解する第2溶媒、とを含む混合溶液を攪拌し、乳化させる工程と、乳化させた混合溶液から第2溶媒を除去して、帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有するコア粒子を生成する工程と、コア粒子と、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位A及び自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bを有し、且つモノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーと、を混合した後、第2ポリマーを架橋させることでコア粒子の表面を被覆する工程と、を有することが好適である。所謂、液中乾燥法により、着色粒子を作製すると、特に、安定した分散性及び帯電特性を持つ着色粒子が得られる。
ここで、本発明の着色粒子を表示用粒子(電気泳動粒子)に適用する場合、上記本手法において、第1溶媒として表示媒体に利用する分散媒を利用することで、得られた着色粒子分散液は、そのまま、表示用粒子と分散媒を含む表示用粒子分散液として利用することもできる。これにより、本発明の着色粒子の製造方法では、上記工程を経ることで、第1溶媒を分散媒とした表示用粒子分散液を、洗浄・乾燥工程を経ることなく簡易に作製することもできる。勿論、電気的特性向上のために適宜、着色粒子の洗浄(イオン性不純物の除去)や分散媒の置換を行なうことも実施可能である。以下、工程別に説明する。
なお、本発明の着色粒子の製造方法は、上記製法に限られるわけではなく、周知の手法(コアセルベーション法、分散重合法、懸濁重合法等)等によりコア粒子を形成した後、当該コア粒子を第2ポリマーと混合した後、第2ポリマーを架橋させることでコア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆する手法を採用してもよい。
以下、本発明の着色粒子の製造方法の詳細について、工程別に説明する。
−乳化工程−
乳化工程では、例えば、第2ポリマーと第1溶媒とを含む溶液と、帯電性基を有する第1ポリマーと着色剤と第1溶媒に対して非相溶で第1溶媒より沸点が低く且つ第1ポリマーを溶解する第2溶媒とを含む溶液、との二つの溶液を混合、攪拌し、乳化させる。また、乳化させる混合溶液中には、必要に応じて、上記材料以外の他の配合材料(帯電制御剤、顔料分散剤等)を配合させることも可能である。
乳化工程では、上記混合液を攪拌することで、高沸点の第1溶媒の連続相中に、低沸点の第2溶媒が液滴状の分散相を形成して乳化される。なお、第1溶媒の連続相中に第2ポリマーが溶解され、第2溶媒の分散相中に帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤が溶解又は分散されることになる。
乳化工程では、混合溶液には、各材料を順次混合してもよいが、例えば、まず、帯電性基を有する第1ポリマーと着色剤と第2溶媒とを混合した第1混合溶液、第2ポリマーと第1溶媒とを混合した第2混合溶液を準備する。そして、第1混合溶液を第2混合溶液に分散・混合して、第1混合溶液が第2混合溶液中で粒子状に分散させるように乳化させることがよい。また、第2混合溶液は、第2ポリマーを構成する各単量体を第1溶媒に添加した後、重合させて当該第2ポリマーを得て作製することも好適な手法である。
ここで、第2ポリマーを混合していない第1溶媒に、帯電性基を有する第1ポリマーと着色剤と第2溶媒とを混合した第1混合溶液を分散・混合して、乳化工程及び後述する第2溶媒除去行程を行い、コア粒子を作製した後に、得られたコア粒子分散液に第2ポリマーと第1溶媒とを含む第2混合溶液を混合し、第2ポリマーを架橋することで、コア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆することも好適な手法である。
この乳化させるための攪拌は、例えば、自体公知の攪拌装置(ホモジナイザー、ミキサー、超音波破砕機等)を用いて行われる。乳化時の温度上昇を抑制するために、乳化時の混合液の温度は0℃以上50℃以下に保つことが望ましい。例えば、乳化させるためのホモジナイザーやミキサーの攪拌速度、超音波破砕機の出力強度及び乳化時間は,所望の粒子径に応じて設定される。
次に、第1溶媒について説明する。
第1溶媒としては、混合溶液中で連続相を形成し得る貧溶媒として用いられ、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイル、フッ素系液体等の石油由来高沸点溶媒が挙げられるが、これに限られない。特に、安定した分散性及び帯電特性を持つ着色粒子が得られる点から、シリコーンオイル又はパラフィン系炭化水素溶媒を適用することがよい。
シリコーンオイルとして具体的には、シロキサン結合に炭化水素基が結合したシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、メチルエチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等)、変性シリコーンオイル(フッ素変性シリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル等)が挙げられる。これらの中も、安全性が高く、化学的に安定で長期の信頼性が良く、且つ抵抗率が高いといった観点から、ジメチルシリコーンが特に望ましい。なお、市販品のシリコーンオイルとしては、信越化学工業(株)製のKF−96シリーズ等が挙げられる。
シリコーンオイルの粘度は、温度20℃の環境下において、0.1mPa・s以上20mPa・s以下であることが望ましく、より望ましくは0.1mPa・s以上2mPa・s以下である。粘度を上記範囲とすることで、着色粒子を表示用粒子に適用した場合、表示用粒子の移動速度、すなわち、表示速度の向上が図れる。なお、この粘度の測定には、東京計器製B−8L型粘度計を用いる。
パラフィン系炭化水素溶媒としては、炭素数20以上(沸点80℃以上)のノルマルパラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素を挙げることができるが、安全性、揮発性等の理由から、イソパラフィンを用いることが好ましい。具体的には、シェルゾル71(シェル石油製)、アイソパーO、アイソパーH、アイソパーK、アイソパーL、アイソパーG、アイソパーM(アイソパーはエクソン社の商品名)やアイピーソルベント(出光石油化学製)等が挙げられる。
次に、第2溶媒について説明する。
第2溶媒は、混合溶液中で分散相を形成し得る良溶媒として用いられる。また、第1溶媒に対して非相溶で、第1溶媒より沸点が低く且つ帯電性基を持つ第1ポリマーを溶解するものから選択される。ここで、非相溶とは、複数の物質系が混じりあわずにそれぞれ独立した相で存在する状態を示す。また、溶解とは、溶解物の残存が目視にて確認でない状態を示す。
第2溶媒として具体的には、水、炭素数5以下の低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等)、テトラヒドロフラン、アセトン、その他有機溶剤(例えば、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)等が挙げられるが、これに限られない。
第2溶媒は、例えば加熱減圧により混合溶液の系から除去され得ることから第1溶媒よりも沸点が低いものから選択されるが、当該沸点としては、例えば50℃以上200℃以下であることが望ましく、より望ましくは50℃以上150℃以下である。
−第2溶媒除去工程−
次に、第2溶媒除去工程では、乳化工程において乳化させた混合溶液から第2溶媒(低沸点溶媒)を除去する。この第2溶媒を除去することで、当該第2溶媒により形成された分散相内で、帯電性基を持つ第1ポリマーが、他の材料を内包させながら析出されて粒子化され、コア粒子が得られる。また、コア粒子を形成する第1ポリマーには顔料の分散剤や耐候安定剤等の種々の添加剤が含まれていても構わない。例えば、市販の顔料分散液には顔料を分散するための高分子物質や界面活性剤が含まれているが、これを使用する場合には、コア粒子には帯電を制御する樹脂とともに、これらの物質が含まれることとなる。
ここで、第2溶媒を除去する方法としては、例えば、混合溶液を加熱する方法、混合溶液を減圧する方法が挙げられ、これら方法を組み合わせて実施してもよい。
混合溶液を加熱して第2溶媒をする場合、当該加熱温度としては、例えば30℃以上200℃以下が望ましく、より望ましくは50℃以上180℃以下である。なお、この第2溶媒の除去工程においての加熱によって、第2ポリマーの架橋反応を行い、コア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆させてもよく、この加熱を行うとき任意に架橋反応触媒を添加してもよい。一方、混合溶液を減圧して第2溶媒を除去する場合、当該減圧圧力としては、0.01mPa以上200mPa以下が望ましく、より望ましくは0.01mPa以上20mPa以下である。
−被覆工程−
被覆工程では、コア粒子が生成した溶液(第1溶媒)において、第2ポリマーを架橋させ、コア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆する。つまり、第2ポリマーの架橋体を含む被覆層をコア粒子の表面に形成する。なお、前記した第2溶媒除去工程における加熱処理によって反応が進行している可能性があるが、本工程によってより確実な反応を実現することができる。
ここで、上記第2ポリマーを架橋反応させて、コア粒子の表面を第2ポリマーの架橋体で被覆させる方法としては、当該第2ポリマーの種類に応じて、例えば、溶液を加熱する方法が挙げられる。溶液を加熱する場合、当該加熱温度としては、例えば50℃以上200℃以下が望ましく、より望ましくは60℃以上150℃以下である。また、当該第2ポリマーの種類に応じて、別途、架橋剤を添加してもよく、また反応を促進させるために酸、塩基、塩又は重合開始剤等を任意に添加してもよい。
上記工程を経て、着色粒子、又はこれを含む着色粒子分散液が得られる。
なお、得られた着色粒子分散液に対し、必要に応じて、例えば、第1溶媒(必要に応じて分散剤を含む第1溶媒)で希釈したり、してもよい。
[粒子分散液]
本発明の着色粒子分散液は、本発明の着色粒子を含む粒子群と、粒子群を分散するための分散媒と、を有している。
ここで、上記本発明の着色粒子は、上記特性を有することから、本発明の着色粒子分散液において、当該着色粒子含む粒子群が、帯電特性の異なる複数種類の着色粒子から構成された系、即ち、帯電特性の異なる複数種類の着色粒子が混合された系でも、安定した分散性及び帯電特性が維持される。帯電特性の異なる複数種類の着色粒子は、例えば、帯電性基を有する第1ポリマーの当該帯電性基又はその量を変更することで得られる。
なお、帯電特性の異なる着色粒子とは、互いに帯電極性及び帯電量の少なくとも一方が異なる着色粒子である。
分散媒としては、特に制限はないが、低誘電溶媒(例えば誘電率5.0以下、望ましくは3.0以下)が選択されることがよい。分散媒は、低誘電溶媒以外の溶媒を併用してもよいが、50体積%以上の低誘電溶媒を含むことがよい。なお、低誘電率の誘電率は、誘電率計(日本ルフト社製)により求められる。
低誘電溶媒としては、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイル、フッ素系液体等の石油由来高沸点溶媒が挙げられる。なお、パラフィン系炭化水素溶媒、シリコーンオイルの具体例としては、上記本発明の着色粒子の製造方法の第1溶媒で説明したものと同様である。
本発明の着色粒子分散液には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散剤、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収等を目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤等を添加してもよい。
本発明の着色粒子分散液は、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、シリコーン系カチオン化合物、シリコーン系アニオン化合物、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加してもよい。
帯電制御剤としては、イオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、親油性部と親水性部からなるブロック若しくはグラフト共重合体類、環状、星状若しくは樹状高分子(デンドリマー)等の高分子鎖骨格をもった化合物、サリチル酸の金属錯体、カテコールの金属錯体、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、重合性シリコーンマクロマ(JNC社製:サイラプレーン)とアニオンモノマあるいはカチオンポリマとの共重合体等が挙げられる。
イオン性及び非イオン性の界面活性剤としては、より具体的には以下があげられる。ノニオン活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸等がある。カチオン界面活性剤としては、第一級ないし第三級のアミン塩、第四級アンモニウム塩等があげられる。これら帯電制御剤は、粒子固形分に対して0.01質量%以上、20質量%以下が好ましく、特に0.05質量%以上10質量%以下の範囲が望ましい。
本発明の着色粒子分散液において、着色粒子の濃度は、その用途によって種々選択できるが、0.1質量%以上50質量%以下の範囲で選択されることが望ましい。
具体的には、着色粒子を表示用粒子に適用する場合、着色粒子分散液中の着色粒子の濃度は、表示特性や応答特性に応じて、0.1質量%以上30質量%以下の範囲で選択されることが望ましい。色の異なった多粒子を混合する場合にはその粒子総量がこの範囲であると望ましい。着色粒子の濃度を0.1質量%以上とすると十分な表示濃度が確保され易くなり、着色粒子の濃度を30質量%以下とすると、表示速度の低下及び着色粒子の凝集が抑制され易くなる。
[本発明の着色粒子(その分散液)の用途]
本発明の着色粒子(その分散液)は、電気泳動方式の表示媒体、電気泳動方式の調光媒体(調光素子)、液体現像方式電子写真システムの液体トナー等の表示用粒子(その分散液)、塗料、インク組成物等に利用される。なお、電気泳動方式の表示媒体、電気泳動方式の調光媒体(調光素子)としては、公知である電極(基板)面の対向方向に粒子群を移動させる方式、それとは異なり電極(基板)面に沿った方向に移動させる方式(いわゆるインプレーン型素子)、又はこれらを組み合わせたハイブリッド素子がある。
なお、本発明の着色粒子(その分散液)では、色や帯電極性の異なる複数種の着色粒子を混合して使用することも好ましく実施される。本発明の着色粒子を2種以上含む着色粒子分散液を得るためには、それぞれの分散液を作製した後、これらを混合すればよい。
[表示媒体、表示装置]
第1の本発明の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、一対の基板間に封入された、本発明の着色粒子分散液と、を備える。そして、第1の本発明の表示装置は、第1の本発明の表示媒体と、表示媒体の一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備える。
一方、第2の本発明の表示媒体は、少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、一対の電極間に設けられた、本発明の着色粒子分散液を有する領域と、を備える。そして、第2の本発明の表示媒体と、表示媒体の一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備える。
以下、本発明の表示媒体及び表示装置の一例である実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置の概略構成図である。図2は、本実施形態に係る表示装置の表示媒体の基板間に電圧を印加したときの粒子群の移動態様を模式的に示す説明図である。
なお、本実施形態に係る表示装置10は、その表示媒体12の分散媒50と粒子群34とを含む粒子分散液として、上記本発明の着色粒子分散液を適用する形態である。つまり、分散媒50に、粒子群34の粒子として上記本発明の着色粒子を分散させた形態である。
本実施形態に係る表示装置10は、図1に示すように、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16(例えば電源)と、制御部18と、を含んで構成されている。
表示媒体12は、画像表示面とされる表示基板20、表示基板20に間隙をもって対向する背面基板22、これらの基板間を特定間隔に保持すると共に、表示基板20と背面基板22との基板間を複数のセルに区画する間隙部材24、各セル内に封入された粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子群36を含んで構成されている。
上記セルとは、表示基板20と、背面基板22と、間隙部材24と、によって囲まれた領域を示している。このセル中には、分散媒50が封入されている。粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒50中に分散され、セル内に形成された電界強度に応じて表示基板20と背面基板22との基板間を反射粒子群36の間隙を通じて移動する。
なお、この表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように間隙部材24を設け、各画素に対応するようにセルを形成することで、表示媒体12を、画素毎の表示を行うように構成してもよい。
また、本実施形態では、説明を簡易化するために、1つのセルに注目した図を用いて本実施形態を説明する。以下、各構成について詳細に説明する。
まず、一対の基板について説明する。
表示基板20は、支持基板38上に、表面電極40及び表面層42を順に積層した構成となっている。背面基板22は、支持基板44上に、背面電極46及び表面層48を積層した構成となっている。
表示基板20、又は表示基板20と背面基板22との双方は、透光性を有している。ここで、本実施形態における透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを示している。
支持基板38及び支持基板44の材料としては、ガラスや、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が挙げられる。
表面電極40及び背面電極46の材料としては、インジウム、スズ、カドミウム、アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金、銀、銅、ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が挙げられる。表面電極40及び背面電極46は、これらの単層膜、混合膜又は複合膜のいずれであってもよい。表面電極40及び背面電極46の厚さは、例えば、100Å以上2000Å以下であることがよい。背面電極46及び表面電極40は、例えば、マトリックス状、又はストライプ状に形成されていてもよい。
また、表面電極40を支持基板38に埋め込んでもよい。また、背面電極46を支持基板44に埋め込んでもよい。この場合、支持基板38及び支持基板44の材料を粒子群34の各粒子の組成等に応じて選択する。
なお、背面電極46及び表面電極40各々を表示基板20及び背面基板22と分離させ、表示媒体12の外部に配置してもよい。
なお、上記では、表示基板20と背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備える場合を説明したが、何れか一方にだけ設けるようにして、アクティブマトリクス駆動させるようにしてもよい。
また、アクティブマトリックス駆動を実施するために、支持基板38及び支持基板44は、画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)を備えていてもよい。TFTは表示基板ではなく背面基板22に備えることがよい。
次に、表面層について説明する。
表面層42及び表面層48は、表面電極40及び背面電極46各々上に形成されている。表面層42及び表面層48を構成する材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、エポキシ、ポリイソシアネート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、共重合ナイロン、紫外線硬化アクリル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
表面層42及び表面層48は、上記樹脂と電荷輸送物質を含んで構成されていてもよく、電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を含んで構成されてもよい。
次に、間隙部材について説明する。
表示基板20と背面基板22との基板間の隙を保持するための間隙部材24は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で構成される。
間隙部材24は表示基板20及び背面基板22の何れか一方と一体化されてもよい。この場合には、支持基板38又は支持基板44をエッチングするエッチング処理、レーザー加工処理、予め作製した型を使用してプレス加工処理又は印刷処理等を行うことによって作製する。
この場合、間隙部材24は、表示基板20側、背面基板22側のいずれか、又は双方に作製する。
間隙部材24は有色でも無色でもよいが、無色透明であることがよく、その場合には、ポリスチレンやポリエステルやアクリル等の透明樹脂等で構成される。
また、粒子状の間隙部材24もまた透明であることが望ましく、ポリスチレン、ポリエステル又はアクリル等の透明樹脂粒子の他、ガラス粒子も使用される。
なお、「透明」とは、可視光に対して、透過率60%以上有することを示している。
次に、反射粒子群について説明する。
反射粒子群36は、粒子群34とは異なる光学的反射特性を有する反射粒子から構成され、粒子群34とは異なる色を表示する反射部材として機能するものである。そして、表示基板20と背面基板22との基板間の移動を阻害することなく、移動させる空隙部材としての機能も有している。すなわち、反射粒子群36の間隙を通って、背面基板22側から表示基板20側、又は表示基板20側から背面基板22側へ粒子群34の各粒子は移動される。この反射粒子群36の色としては、例えば、背景色となるように白色又は黒色を選択することがよいが、その他の色であってもよい。また、反射粒子群36は、帯電されていない粒子群(つまり電界に応じて移動しない粒子群)であってもよいし、帯電されている粒子群(電界に応じて移動する粒子群)であってもよい。なお、本実施形態では、反射粒子群36は、帯電されていない粒子群で、白色である場合を説明するが、これに限定されることはない。
反射粒子群36の粒子は、例えば、白色顔料(酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛等)を、樹脂(ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド縮合物等)に分散した粒子、又は、樹脂粒子(ポリスチレン粒子、ポリビニルナフタレン粒子、ビスメラミン粒子、ポリビニルビフェニル粒子等)が挙げられる。また、反射粒子群36の粒子として、白色以外の粒子を適用する場合、例えば、所望の色の顔料、あるいは染料を内包した前記した樹脂粒子を使用してもよい。顔料や染料は、例えばRGBやYMC色であれば、印刷インキやカラートナーに使用されている一般的な顔料又は染料が挙げられる。
反射粒子群36を基板間へ封入するには、インクジェット法等により行う。また、反射粒子群36を固定化する場合、例えば、反射粒子群36を封入した後、加熱(及び必要があれば加圧)して、反射粒子群36の粒子群表層を溶かすことで、粒子間隙を維持させつつ行われる。
次に、表示媒体のその他構成について説明する。
表示媒体12におけるセルの大きさとしては、表示媒体12の解像度と密接な関係にあり、セルが小さいほど高解像度な画像を表示する表示媒体12を作製することができ、通常、表示媒体12の表示基板20の板面方向の長さが10μm以上1mm以下程度である。
なお、セル中の全質量に対する粒子群34の含有量(質量%)としては、所望の色相が得られる濃度であれば特に限定されるものではなく、セルの厚さ(すなわち、表示基板20と背面基板との基板間の距離)により含有量を調整することが、表示媒体12としては有効である。即ち、所望の色相を得るために、セルが厚くなるほど含有量は少なくなり、セルが薄くなるほど含有量を多くでき得る。一般的には、0.01質量%以上50質量%以下である。
表示基板20及び背面基板22を、間隙部材24を介して互いに固定するには、ボルトとナットの組み合わせ、クランプ、クリップ、基板固定用の枠等の固定手段を使用する。また、接着剤、熱溶融、超音波接合等の固定手段も使用してもよい。
上記に示したように、本実施形態に係る表示装置10は、表示媒体12と、表示媒体12に電圧を印加する電圧印加部16と、制御部18とを含んで構成されている(図1参照)。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。なお、本実施形態では、表面電極40及び背面電極46の双方が、電圧印加部16に電気的に接続されている場合を説明するが、表面電極40及び背面電極46の一方が、接地されており、他方が電圧印加部16に接続された構成であってもよい。
電圧印加部16は、制御部18に信号授受されるように接続されている。
制御部18は、装置全体の動作を司るCPU(中央処理装置)と、各種データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、装置全体を制御する制御プログラム等の各種プログラムが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、を含むマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。
電圧印加部16は、表面電極40及び背面電極46に電圧を印加するための電圧印加装置であり、制御部18の制御に応じた電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加する。
次に、表示装置10の作用を説明する。この作用は制御部18の動作に従って説明する。
ここで、表示媒体12に封入されている粒子群34が正極性に帯電されている場合を説明する。また、分散媒50は透明であり、反射粒子群36が白色であるものとして説明する。すなわち、本実施形態では、表示媒体12は、粒子群34の移動によって、その呈する色を表示し、その背景色として反射粒子群36による白色を表示する場合を説明する。
なお、下記動作は、説明上、粒子群34が背面基板22側へ付着した状態からの動作について説明する。
まず、電圧を、特定時間、表面電極40が負極となり背面電極46が正極となるように印加することを示す動作信号を、電圧印加部16へ出力する。図2(A)に示す状態から、電極間に印加する電圧を上昇させ、表面電極40が負極で且つ濃度変動が終了する閾値
電圧以上の電圧が印加されると、粒子群34の凝集力が低減された状態で、正極に帯電している粒子群34を構成する粒子が表示基板20側へと移動して、表示基板20に至る(図2(B)参照)。
そして、電極間への印加を終了すると、粒子群34が表面基板20側で拘束され、粒子群34の呈する色が、反射粒子群36の色としての白色を背景色とし表示基板20側から視認される表示媒体12の色として視認される。
次に、表面電極40と背面電極46との電極間に、電圧を、特定時間、表面電極40が正極となり背面電極46が負極となるように印加することを示す動作信号を、電圧印加部16へ出力する。電極間に印加する電圧を上昇させ、表面電極40が正極で且つ濃度変動が終了する閾値電圧以上の電圧が印加されると、粒子群34の凝集力が低減された状態で、正極に帯電している粒子群34を構成する粒子が背面基板22側へと移動して、背面基板22に至る(図2(A)参照)。
そして、電極間への印加を終了すると、粒子群34が背面基板22側で拘束される一方で、反射粒子群36の色としての白色が、表示基板20側から視認される表示媒体12の色として視認される。なお、粒子群34は、反射粒子群36に隠蔽され、視認され難くなる。
ここで、電極間への電圧印加時間は、動作中の電圧印加における電圧印加時間を示す情報として、予め制御部18内の図示を省略するROM等のメモリ等に記憶しておけばよい。そして、処理実行のときに、この電圧印加時間を示す情報を読み取るようにすればよい。
このように、本実施形態に係る表示装置10では、粒子群34が表示基板20又は背面基板22に到達して、付着・凝集することで表示が行われる。
なお、上記本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、表示基板20に表面電極40、背面基板22に背面電極46を設けて当該電極間(即ち基板間)に電圧を印加して、当該基板間を粒子群34を移動させて表示させる形態を説明したがこれに限られず、例えば、表示基板20に表面電極40を設ける一方で、間隙部材に電極を設けて、当該電極間に電圧を印加して、表示基板20と間隙部材との間を粒子群34を移動させて表示させる形態であってもよい。
また、上記本実施形態に係る表示媒体12及び表示装置10では、粒子群34として1種類(1色)の粒子群を適用した形態を説明したが、これに限られず、帯電極性が異なる又は閾値電圧の異なる組み合わせで、2種類(2色)以上の粒子群を適用した形態であってもよい。
具体的には、例えば、粒子群34として、正帯電性の第1粒子群、負帯電性の第2粒子群、正帯電性で、第1粒子群の粒子とは閾値電圧が異なり、且つ粒径が大きい第3粒子群を適用した形態が挙げられる。
[表示媒体(表示装置)を備えた電子機器等]
本発明の表示媒体(表示装置)は、電子機器、展示用媒体、カード媒体等に備えられる。
具体的には、本発明の画像表示装置は、例えば、画像の保存及び書換えが可能な電子掲示板、電子回覧版、電子黒板、電子広告、電子看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、複写機・プリンタと共用できる電子ドキュメントシート、ポータブルコンピューター、タブレットコンピューター、携帯電話、スマートカード、署名機器、時計、棚ラベル、フラッシュドライブ等に備えられる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、特に断りがない限り、「部」「%」は、「質量部」「質量%」を意味する。
[第2ポリマーの合成]
(ポリマー(P−1)の合成)
窒素導入管、コンデンサ及び攪拌棒を取り付けた500mlの三口フラスコに、サシリコーン系モノマーとしてサイラプレーンFM−0721(重量平均分子量約5000;JNC社製)96質量部、アリルメタクリレート4質量部、トルエン100質量部とを混合し、窒素気流下で10分攪拌混合した。重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル(和光純薬製:V−65)を0.4質量部添加して、65℃、6時間重合を実施した。反応液からトルエンを減圧留去し、シリコーンオイル「KF−96L−2cs(信越化学工業社製)」)で希釈することで、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の10質量%シリコーンオイル溶液を得た。重量平均分子量は10万であった。
(ポリマー(P−10)の合成
窒素導入管、コンデンサ及び攪拌棒を取り付けた500mlの三口フラスコに、シリコーン系モノマーとしてサイラプレーンFM−0721(重量平均分子量約5000;JNC社製)96質量部、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA、日本触媒製)3質量部、メタクリル酸1質量部、及びトルエン100質量部とを混合し、窒素気流下で10分攪拌混合した。重合開始剤としてアゾビスバレロニトリル(和光純薬製:V−65)を0.4質量部添加して、65℃、6時間重合を実施した。反応液からトルエンを減圧留去し、シリコーンオイル「KF−96L−2cs(信越化学工業社製)」)で希釈することで、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−10)の10質量%シリコーンオイル溶液を得た。重量平均分子量は12万であった。
なお、以下に示す実施例で使用する他の第2ポリマーの合成も同様して合成した。
[コア粒子の作製]
(コア粒子分散液A−1の調製)
帯電性基を有する第1ポリマーとしてスチレン/アクリル系樹脂(「X−345」星光PMC社製)45質量部、架橋剤としてメラミン化合物(「ニカラックMW−390(三和ケミカル社製)」」5質量部、着色剤としてシアン顔料(「H524F(山陽色素社製)」)50質量部に、これら全体が15質量%となるように水に添加して水分散液を調製した。
次に、得られた水分散液を分散相とし、シリコーンオイル溶液(界面活性剤「KF−6028(信越化学工業社製)」)1質量%添加したシリコーンオイル(「KF−96L−2cs(信越化学工業社製)」)を連続相として、これらを質量比(連続相:分散相)10:1で混合し、ホモジナイザーで乳化を行って、乳化液を調製した。
次に、得られた乳化液に対して、エバポレーターにより60℃で6時間乾燥し、乳化液中の水を除去して、シリコーンオイル中に帯電性基を持つ第1ポリマー及び顔料を含んだコア粒子が分散したシリコーンオイル分散液を得た。得られた粒子は、平均粒径0.6μmで、C.V.値(単分散性を示す指標:Coefficient of Variation:CV[%]=(σ/D)×100(σ:標準偏差、D:平均粒径))25%であった。
そして、液中で分散されたコア粒子を、遠心分離機を用いてシリコーンオイルで洗浄し、1質量%のコア粒子分散液A−1を調製した。
(コア粒子分散液A−2の調製)
帯電性基を有する第1ポリマーとして、市販品(和光純薬製)のポリメタクリル酸(重量平均分子量5万)を用いた以外は、コア粒子分散液A−1と同様にしてコア粒子分散液A−2を調製した。
[実施例1]
(コア粒子の被覆工程)
次に、1質量%のコア粒子分散液(A−1)50質量部に、第2ポリマーとして側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の10質量%シリコーンオイル溶液10質量部を添加して、窒素気流下で10分混合した後、架橋触媒としてアゾビスバレロニトリル(和光純薬製:V−65)を0.01質量部添加して、窒素気流下で70℃、6時間架橋反応を行って、コア粒子の表面をポリマー(P−1)[第2ポリマー]の架橋体で被覆し、被覆層を形成した。冷却後、遠心分離機により上澄みを除去し、未反応のポリマー(P−1)を除去するため、2−プロパノールとシリコーンオイル「KF−96L−2cs(信越化学工業社製)」)を質量比1:1で混合した液を用いて遠心分離機により粒子の洗浄を行った。その後、GPCにより未反応のポリマー(P−1)が検出されなくなるまで、遠心分離装置を用いて粒子を沈降、シリコーンオイル添加・沈降洗浄を繰り返すことで精製し、最終的に粒子固形分が5質量%の表示用粒子分散液を作製した。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
また、粒子の分散安定性を以下のように評価した。調製した泳動粒子を5質量%含む溶液を超音波分散機で10分間分散後、静置状態における24時間放置前後での分散液の粒子沈降状態及び粒子凝集の様子を、ホリバLA−300:レーザー光散乱・回折式粒度測定装置による粒径測定によって評価した。
さらに、2枚の電極基板間に表示用粒子分散液を封入し、直流電圧印加下における泳動方向を観察することで、表示用粒子(電気泳動粒子)の帯電極性を評価した。
[実施例2]
コア粒子の被覆工程において、架橋剤としてエチレングリコールジアクリレート0.2質量部を添加して架橋反応を行った以外は、実施例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[実施例3]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の代わりにポリマー(P−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[実施例4]
コア粒子の被覆工程において、架橋剤としてエチレングリコールジアクリレート0.2質量部を添加して架橋反応を行った以外は、実施例3と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して6質量%であった。
[実施例5]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の代わりにポリマー(P−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[実施例6]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の代わりにポリマー(P−4)を用いた以外は、実施例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して7質量%であった。
[実施例7]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−1)の代わりにポリマー(P−5)を、架橋触媒としてアゾビスバレロニトリルの代わりにp−トルエンスルホン酸・一水和物0.01質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[実施例8]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−6)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して7質量%であった。
[実施例9]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−7)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[実施例10]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−8)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
[実施例11]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−9)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して6質量%であった。
[実施例12]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−10)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して10質量%であった。
[実施例13]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−11)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して9質量%であった。
[実施例14]
コア粒子の被覆工程において、コア粒子分散液(A−1)の代わりにコア粒子分散液(A−2)を用いた以外は、実施例3と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
[実施例15]
コア粒子の被覆工程において、コア粒子分散液(A−1)の代わりにコア粒子分散液(A−2)を用いた以外は、実施例12と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して8質量%であった。
[実施例16]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−12)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
[実施例17]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−13)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
[実施例18]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−14)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して4質量%であった。
[実施例19]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりにポリマー(P−15)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して7質量%であった。
[比較例1]
コア粒子の被覆工程において、第2ポリマーとして、側鎖にシリコーン鎖及び自己架橋性基を有するポリマー(P−5)の代わりに比較用ポリマー(R−1)を用いた以外は、実施例7と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して6質量%であった。
[比較例2]
コア粒子分散液(A−1)を、第2ポリマーの架橋体で被覆することなくそのまま表示用粒子分散液とした。
[比較例3]
コア粒子の被覆工程において、コア粒子分散液(A−1)の代わりにコア粒子分散液(A−2)を用いた以外は、比較例1と同様にして表示用粒子分散液を得た。被覆層の被覆量を元素分析によって測定した結果、粒子質量に対して5質量%であった。
[比較例4]
コア粒子分散液(A−2)を、第2ポリマーの架橋体で被覆することなくそのまま表示用粒子分散液とした。
[評価]
各例で得られた表示用粒子分散液を用い、連続相のKF−96L−2cs中に白粒子が20質量%、表示用粒子(電気泳動粒子(シアン粒子))が1質量%となるように分散液を調製し、これを電気泳動粒子分散液とした。
但し、白粒子は、以下のように作製したものを使用した。
−白粒子の作製−
サイラプレーンFM−0721 45質量部、2−ビニルナフタレン45質量部、シリコーンオイル「KF−96L−1cs(信越化学工業社製)」240質量部、過酸化ラウロイル2質量部をフラスコに入れ、撹拌しながら窒素を毎分0.2Lの流量でバブリングし脱酸素を行ったあと、70℃のオイルバスで10時間加熱し、白色の微粒子の分散液を得た。得られた分散液を遠心沈降させ、上澄み液を捨てKF−96L−2csを400ml加え、超音波照射によって分散状態に戻した。これを3回繰り返し、洗浄及びKF−96L−2csへの置換を行い、白粒子分散液を得た。
得られた白粒子は平均粒径0.5μmでC.V.値は10%であった。
また、この白粒子は±20Vの電界印加で泳動することはなかった。
次に、得られた電気泳動粒子分散液を、インジウムスズ酸化物(ITO)電極が形成された一対のガラス基板間(一対のガラス基板間に50μmのスペーサ(間隙部材)を介在させたセル内)に封入した素子サンプルを作製した。なお、スペーサ(間隙部材)は、サイトップ(旭硝子社製、CTL809M)で一方のガラス基板の電極形成面にスピンコートにて塗布した後、200℃で4時間加熱を行うことにより形成した。
そして、得られた素子サンプルを用いて、ファンクションジェネレータ(NF社製電源をNATIONAL INSTRUMENTS社製LabVIEWで駆動)により±15Vの電圧を素子サンプルの電極間に印加し、電流計(KEITHLEY社製)及び光学測定装置(Ocean Optics社製USB2000)により表示用粒子(電気泳動粒子)の帯電量、逆極性の粒子の存在比率を調べた。具体的には、以下の通りである。
−帯電量−
表示用粒子(電気泳動粒子)の帯電量(初期の帯電量)は、0V−15Vの矩形波を印加し、電流値が一定になった時間までの電荷量を積算して得た。
−逆極性の粒子の存在比率−
表示用粒子(電気泳動粒子)における逆極性の粒子の存在比率(初期の存在比率)は、光学測定装置により、標準試料で白及び暗状態で黒のキャリブレーションを行い測定した。
上記結果から、本実施例の表示用粒子は、比較例の表示用粒子に比べて、シリコーンオイル中における分散性が良好であり、かつ逆極性粒子存在比率が低減されることもわかる。
このことから、本発明の着色粒子は安定した分散性及び帯電特性を有することがわかる。
なお、上記評価において、白粒子として、下記作製方法で得られた白粒子W1を使用して、電気泳動粒子分散液及び素子サンプルを作製し、これを用いて、同様の評価を行ったところ、各実施例は上記同様の評価結果が得られた。
−白粒子W1の作製−
・4−ビニルビフェニル(新日鐵化学社製) :1質量部
・サイラプレーンFM−0721(JNC社製、重量平均分子量Mw=5000:構造式(1)[R=メチル基、R=ブチル基、n=68、x=3]) :1質量部
・ラウロイルパーオキサイド(アルドリッチ社製):0.03質量部
・アイソパーM(Isopar M:登録商標、エクソンモービル社製) :10質量部
・ヘキサン(関東化学社製) :2質量部
・トルエン(関東化学社製) :2質量部
上記組成で、各材料を混合し、65℃で18時間加熱した後、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L−2cs 粘度2cs)で溶媒置換を行った。
これにより、4−ビニルビフェニルを重合成分として含む共重合体で構成された白粒子W1の分散液を得た。白粒子W1の体積平均粒径は0.53μmであった。
10 表示装置
12 表示媒体
16 電圧印加部
18 制御部
20 表示基板
22 背面基板
24 間隙部材
34 粒子群
36 反射粒子群
38 支持基板
40 表面電極
42 表面層
44 支持基板
46 背面電極
48 表面層
50 分散媒

Claims (15)

  1. 帯電性基を有する第1ポリマー及び着色剤を含有するコア粒子と,
    前記コア粒子の表面を被覆する被覆層であって、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位Aと自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bとを有し、且つ前記モノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーの架橋体を含有する被覆層と、
    を有する着色粒子。
  2. 前記第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基が、エチレン性不飽和基、ビニルオキシ基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、オキサゾリル基、及びアルコキシシリル基からなる群から選択される少なくとも1種の基である請求項1に記載の着色粒子。
  3. 前記第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基が、ビニルオキシ基である請求項1に記載の着色粒子。
  4. 前記第2ポリマーが、前記モノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位Cをさらに有し、かつ前記モノマー単位Bの自己架橋性基と前記モノマー単位Cの官能基との架橋により水酸基を生じない請求項1〜3いずれか1項に記載の着色粒子。
  5. 前記モノマー単位Bの自己架橋性基がビニルオキシ基又はオキサゾリル基であり、且つ前記第2ポリマーのモノマー単位Cの官能基がカルボキシル基である請求項4に記載の着色粒子。
  6. 前記第1ポリマーが、前記第2ポリマーのモノマー単位Bの自己架橋性基と架橋可能な官能基を側鎖に持つモノマー単位αをさらに有する請求項1〜5いずれか1項に記載の着色粒子。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の着色粒子を含む粒子群と、
    前記粒子群を分散するための分散媒と、
    を有する着色粒子分散液。
  8. 前記分散媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である請求項7に記載の着色粒子分散液。
  9. 前記粒子群が、帯電極性の異なる複数種類の着色粒子から構成される請求項7又は8に記載の着色粒子分散液。
  10. 少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、
    前記一対の基板間に封入された、請求項7〜9いずれか1項に記載の着色粒子分散液と、
    を備えた表示媒体。
  11. 請求項10に記載の表示媒体と、
    前記表示媒体の前記一対の基板間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えた表示装置。
  12. 少なくとも一方が透光性を有する一対の電極と、
    前記一対の電極間に設けられた、請求項7〜9いずれか1項に記載の着色粒子分散液を有する領域と、
    を備えた表示媒体。
  13. 請求項12に記載の表示媒体と、
    前記表示媒体の前記一対の電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えた表示装置。
  14. 帯電性基を有する第1ポリマーと、着色剤と、第1溶媒と、前記第1溶媒に対して非相溶で前記第1溶媒より沸点が低く且つ前記帯電性基を有する第1ポリマーを溶解する第2溶媒と、を含む混合溶液を攪拌し、乳化させる工程と、
    前記乳化させた混合溶液から前記第2溶媒を除去して、前記帯電性基を有する第1ポリマー及び前記着色剤を含有するコア粒子を生成する工程と、
    前記コア粒子と、シリコーン鎖を側鎖に持つモノマー単位A及び自己架橋性基を側鎖に持つモノマー単位Bを有し、且つ前記モノマー単位Bの自己架橋性基が架橋により水酸基を生じない官能基である第2ポリマーと、を混合した後、前記第2ポリマーを架橋させることで前記コア粒子の表面を前記第2ポリマーの架橋体で被覆する工程と、
    を有する着色粒子の製造方法。
  15. 前記第1溶媒が、シリコーンオイル、又はパラフィン系炭化水素溶媒である請求項14に記載の着色粒子の製造方法。
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