JP2014143230A - 蓄電デバイス部品の製造方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス部品および蓄電デバイス。 - Google Patents
蓄電デバイス部品の製造方法、蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス部品および蓄電デバイス。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高出力、大容量の蓄電デバイスに対応できるよう、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品の製造方法、およびこれを用いた蓄電デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子とを積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、該周辺部には断面視Rの面取りを有し、該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である。
【選択図】図1
【解決手段】電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子とを積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、該周辺部には断面視Rの面取りを有し、該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電デバイス部品の製造方法、これを用いた蓄電デバイスの製造方法、蓄電デバイス部品、および蓄電デバイスに関する。
電力需要の平準化、電気自動車、内燃機関とモータを併用した自動車、ハイブリッド鉄道車両、昇降装置の回生エネルギーを再利用する昇降装置などに利用するために、大容量、高出力の蓄電デバイスが広く用いられている。
大容量、高出力の蓄電デバイスには、電気化学反応を利用したリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、これらを組み合わせたリチウムイオンキャパシタなどがある。リチウムイオン二次電池は非水系の電解液を使い、電位差を大きくとることができるので大きなエネルギーを蓄えることができる。一方、電気二重層キャパシタは、活性炭電極の表面に有機分子を吸着させ、誘電体としたものである。電気二重層キャパシタは、誘電体の厚さを分子長さレベルにまで薄くできること、多孔質な活性炭により大面積を確保できるので大容量のキャパシタを得ることができる。
大容量、高出力の蓄電デバイスには、電気化学反応を利用したリチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、これらを組み合わせたリチウムイオンキャパシタなどがある。リチウムイオン二次電池は非水系の電解液を使い、電位差を大きくとることができるので大きなエネルギーを蓄えることができる。一方、電気二重層キャパシタは、活性炭電極の表面に有機分子を吸着させ、誘電体としたものである。電気二重層キャパシタは、誘電体の厚さを分子長さレベルにまで薄くできること、多孔質な活性炭により大面積を確保できるので大容量のキャパシタを得ることができる。
リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン二次電池の負極と、電気二重層キャパシタの正極を組み合わせた、大容量、高出力の蓄電デバイスである。
このような蓄電デバイスでは、巻回、積層あるいは九十九折りされた電極から引き出された電極タブがリード端子などに接続され、蓄電デバイス外側の端子に引き出される。
電極から蓄電デバイス外側の端子まで電流をスムーズに引き出すために、電極タブとリード端子(金属箔)とを超音波溶接する技術が知られている。(特許文献1)
具体的に特許文献1の製造方法は、受け台の加工面上で金属箔を金属板と重ね、その上から該受け台の加工面に対して略平行に振動する超音波ホーンの加工面を押し当てて、上記金属箔と上記金属板とを接合する金属箔の超音波接合方法において、上記受け台の加工面はサンドブラスト処理された粗面であり、上記超音波ホーンの加工面は一定のピッチで加工された凹凸の面であり、上記金属箔は受け台の加工面に配されて金属板と重ねられ、金属板の金属箔と接しない面側から超音波ホーンの加工面で押し当てられることを特徴とする。このような接合方法をとることによって、金属箔に切れや破れによる孔を生ずることなく、金属箔の接合をすることができるので、極薄シート同士の安定した接合に有用であり、応用範囲が広いものとすることができる。また、接合後のはがし強度を向上させることができるとともに、受け台への金属箔の付着、すなわち食い付きの発生を防止することができることが記載されている。
このような蓄電デバイスでは、巻回、積層あるいは九十九折りされた電極から引き出された電極タブがリード端子などに接続され、蓄電デバイス外側の端子に引き出される。
電極から蓄電デバイス外側の端子まで電流をスムーズに引き出すために、電極タブとリード端子(金属箔)とを超音波溶接する技術が知られている。(特許文献1)
具体的に特許文献1の製造方法は、受け台の加工面上で金属箔を金属板と重ね、その上から該受け台の加工面に対して略平行に振動する超音波ホーンの加工面を押し当てて、上記金属箔と上記金属板とを接合する金属箔の超音波接合方法において、上記受け台の加工面はサンドブラスト処理された粗面であり、上記超音波ホーンの加工面は一定のピッチで加工された凹凸の面であり、上記金属箔は受け台の加工面に配されて金属板と重ねられ、金属板の金属箔と接しない面側から超音波ホーンの加工面で押し当てられることを特徴とする。このような接合方法をとることによって、金属箔に切れや破れによる孔を生ずることなく、金属箔の接合をすることができるので、極薄シート同士の安定した接合に有用であり、応用範囲が広いものとすることができる。また、接合後のはがし強度を向上させることができるとともに、受け台への金属箔の付着、すなわち食い付きの発生を防止することができることが記載されている。
近年の蓄電デバイスは、高出力、大容量になっている。このため、蓄電デバイスを構成する電極タブとリード端子との接合部には、さらに低抵抗であること、強固に接続されていることが求められるようになっている。
しかしながら、前記に記載された製造方法は、厚い金属板(リード端子)側に超音波ホーンを配置するので、積層された薄い金属箔側には十分に超音波エネルギーが伝わらず十分な接合強度が得られない。また、超音波ホーンは、一定のピッチで加工された凹凸の面を有しているので、凸部に対応する接合部分は超音波エネルギーが伝わり、強く接合しリード端子、電極タブなどの金属を一体化することができるが、凹部に対応する接合部分は超音波エネルギーが十分に伝えられないのでリード端子、電極タブなどの金属を一体化させることができず、十分に電気抵抗を下げることができない。つまり、凹部に対応する部分は、溶接されずリード端子、電極タブなどの金属が一体化していないので十分な導通をとることが困難である。
しかしながら、前記に記載された製造方法は、厚い金属板(リード端子)側に超音波ホーンを配置するので、積層された薄い金属箔側には十分に超音波エネルギーが伝わらず十分な接合強度が得られない。また、超音波ホーンは、一定のピッチで加工された凹凸の面を有しているので、凸部に対応する接合部分は超音波エネルギーが伝わり、強く接合しリード端子、電極タブなどの金属を一体化することができるが、凹部に対応する接合部分は超音波エネルギーが十分に伝えられないのでリード端子、電極タブなどの金属を一体化させることができず、十分に電気抵抗を下げることができない。つまり、凹部に対応する部分は、溶接されずリード端子、電極タブなどの金属が一体化していないので十分な導通をとることが困難である。
本発明では、高出力、大容量の蓄電デバイスに対応できるよう、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品の製造方法、およびこれを用いた蓄電デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明では、高出力、大容量の蓄電デバイスに対応できるよう、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品、およびこれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
また、本発明では、高出力、大容量の蓄電デバイスに対応できるよう、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品、およびこれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の蓄電デバイス部品の製造方法は、
(1)電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、
該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、
該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、
該周辺部には断面視Rの面取りを有し、
該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である、
ことを特徴とする。
(1)電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、
該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、
該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、
該周辺部には断面視Rの面取りを有し、
該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である、
ことを特徴とする。
また、前記課題を解決するための本発明の蓄電デバイスの製造方法は、
(2)前記記載の超音波溶接工程と、
電解液と、前記蓄電デバイス部品と、を前記リード端子の一端が外部に引き出されるように蓄電セルに封入する工程と、
からなることを特徴とする。
(2)前記記載の超音波溶接工程と、
電解液と、前記蓄電デバイス部品と、を前記リード端子の一端が外部に引き出されるように蓄電セルに封入する工程と、
からなることを特徴とする。
前記課題を解決するための本発明の蓄電デバイス部品は、
(3)電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層し、超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品であって、
該接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、
該規則的な凹部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凹部の底面の面積は、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%であり、
該接続部では、該複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着していることを特徴とする。
(3)電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層し、超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品であって、
該接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、
該規則的な凹部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凹部の底面の面積は、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%であり、
該接続部では、該複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着していることを特徴とする。
また、前記課題を解決するための本発明の蓄電デバイスは、
(4)電解液と、
前記記載の蓄電デバイス部品と、
前記電解液と、前記リード端子の一端を外部に引きだすように前記蓄電デバイス部品を封入するセルと、
からなることを特徴とする。
(4)電解液と、
前記記載の蓄電デバイス部品と、
前記電解液と、前記リード端子の一端を外部に引きだすように前記蓄電デバイス部品を封入するセルと、
からなることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、接続部の最外層の電極タブであっても破れることなく接続することができる。また、接続部では、該複数の電極タブ及び該リード端子が互いに全面が密着するので、該電極タブと該リード端子との抵抗を小さくすることができる。このため、強固で低抵抗の接続構造の蓄電デバイス部品及びこれを用いた蓄電デバイスの製造方法を得ることができる。
本発明によれば、接続部の最外層の電極タブであっても破れることなく接続することができる。また、接続部では、該複数の電極タブ及び該リード端子が互いに全面が密着するので、該電極タブと該リード端子との抵抗を小さくすることができる。このため、強固で低抵抗の接続構造の蓄電デバイス部品及びこれを用いた蓄電デバイスを得ることができる。
本発明によれば、接続部の最外層の電極タブであっても破れることなく接続することができる。また、接続部では、該複数の電極タブ及び該リード端子が互いに全面が密着するので、該電極タブと該リード端子との抵抗を小さくすることができる。このため、強固で低抵抗の接続構造の蓄電デバイス部品及びこれを用いた蓄電デバイスを得ることができる。
<蓄電デバイス部品の製造方法>
本発明の蓄電デバイス部品の製造方法は、
電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、
該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、
該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、
該周辺部には断面視Rの面取りを有し、
該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である、
ことを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス部品の製造方法は、
電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、
該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、
該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、
該周辺部には断面視Rの面取りを有し、
該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である、
ことを特徴とする。
本発明の電極積層体は、正極、負極およびこれらに挟まれたセパレータとからなる。正極及び負極は、それぞれ金属の支持体に電極活物質が塗布されている構造である。電極積層体の積層方法は筒状(巻回型)あるいは平板状(積層型)などに積層される。巻回型は、それぞれ1枚の正極負極を重ね断面が筒状あるいは角丸長方形などの形状(巻回折り)になるよう巻くことによって得られる。巻回折りは、折りながら巻いていくことにより得ることができる。
積層型は、複数の正極及び負極を交互に積層していく方法、それぞれ1枚の正極及び負極を折り目が互いに直角となるように配置し交互に折り積層する方法(九十九折り型)などがある。いずれの折り方の場合も、正極と負極とは、セパレータで隔てられている。
本発明の電極積層体は、電流を取り出すために複数の電極タブを有している。正極及び負極が多数の電極からなる場合にはそれぞれの電極から電流を取り出すために、それぞれの電極に電極タブを備えることが必要である。正極及び負極がそれぞれ1枚の電極からなる場合であっても、巻回型、九十九折り型では大容量の蓄電デバイスに適用するためには電極は薄く細長く構成されるので、電極の内部抵抗で電極の蓄電領域が偏らないよう複数の電極タブを有している。
積層型は、複数の正極及び負極を交互に積層していく方法、それぞれ1枚の正極及び負極を折り目が互いに直角となるように配置し交互に折り積層する方法(九十九折り型)などがある。いずれの折り方の場合も、正極と負極とは、セパレータで隔てられている。
本発明の電極積層体は、電流を取り出すために複数の電極タブを有している。正極及び負極が多数の電極からなる場合にはそれぞれの電極から電流を取り出すために、それぞれの電極に電極タブを備えることが必要である。正極及び負極がそれぞれ1枚の電極からなる場合であっても、巻回型、九十九折り型では大容量の蓄電デバイスに適用するためには電極は薄く細長く構成されるので、電極の内部抵抗で電極の蓄電領域が偏らないよう複数の電極タブを有している。
複数の電極タブで集められた電流はリード端子に集められ、蓄電デバイスの外部に備えられた正極または負極の端子に導かれる。電極タブ、リード端子は、正極と負極で同様の構造を有している。リード端子は、各電極タブより集められた電流をまとめ外部の端子に導くので、流れる電流が大きく、機械的強度も要求され、各電極タブよりも厚く電流の流れる断面積が大きくなるように構成される。
蓄電デバイスの電極活物質を支持する金属の支持体は銅、アルミニウム、ニッケルなど様々なものが利用されている。一般には、負極では電極の支持体に銅箔が適用され、正極では電極の支持体にアルミニウムが適用される。電極活物質を支持する支持体からは、電極タブが引き出される。電極タブは、例えば電極の製造段階で支持体の金属箔に凸状のタブを残すようにカットすることによって得られ、支持体の金属と同材質である。
リード端子と電極タブは、溶接されることにより接続される。溶接の方法には、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの方法がある。本発明の製造方法における溶接は、超音波溶接を対象とする。
本発明に用いる電極タブは金属箔であり薄い。レーザー溶接は、レーザーが当たった部分のみ溶接されるので、線状に部分的に溶接される上に、薄い金属箔の溶接に適用すると溶融し箔の形状が保持でできなくなる。
リード端子と電極タブは、溶接されることにより接続される。溶接の方法には、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの方法がある。本発明の製造方法における溶接は、超音波溶接を対象とする。
本発明に用いる電極タブは金属箔であり薄い。レーザー溶接は、レーザーが当たった部分のみ溶接されるので、線状に部分的に溶接される上に、薄い金属箔の溶接に適用すると溶融し箔の形状が保持でできなくなる。
一般に正極に用いられるアルミニウムの金属箔の接合に抵抗溶接を適用すると、アルミニウムの表面には不動態膜があるので、十分な電流を流すことができず、うまく溶接できない。このため、抵抗溶接は蓄電デバイスに使用する正極などの電極タブとリード端子との接合には適用することは困難である。
超音波溶接は、金属箔である電極タブを過度に溶融させることなく、アルミニウムの表面にできる不動態膜に影響されることなく溶接できるので、蓄電デバイスに使用する電極タブとリード端子との接合に広く適用することができる。
超音波溶接は、受け台と凹凸を有する超音波ホーンとの間に複数シート状の金属箔を挟み、超音波ホーンから発せられる超音波エネルギーによって金属箔を摩擦させ接合するものである。超音波溶接では、超音波ホーン側からエネルギーが発せられるので、超音波ホーン側は受け台側よりも強固に溶接される。
超音波溶接は、金属箔である電極タブを過度に溶融させることなく、アルミニウムの表面にできる不動態膜に影響されることなく溶接できるので、蓄電デバイスに使用する電極タブとリード端子との接合に広く適用することができる。
超音波溶接は、受け台と凹凸を有する超音波ホーンとの間に複数シート状の金属箔を挟み、超音波ホーンから発せられる超音波エネルギーによって金属箔を摩擦させ接合するものである。超音波溶接では、超音波ホーン側からエネルギーが発せられるので、超音波ホーン側は受け台側よりも強固に溶接される。
以降、図を用いて説明する。
図1は、本発明の蓄電デバイス部品の製造方法における超音波ホーン1と電極タブ4、リード端子5、受け台2の位置関係を示し、電極タブ、リード端子、受け台の形状および形式などは特に限定されない。
本発明の製造方法では、電極積層体から延びる複数の電極タブ4と、該電極タブ4より厚いリード端子5とを積層した接続部を、受け台2と超音波ホーン1との間に挟む超音波溶接工程において、該電極タブ4が超音波ホーン1側に配置されることを特徴とする。
本発明の複数の電極タブ4と電極タブ4より厚いリード端子5との積層体において、溶接される面は電極タブ側に偏っているので、電極タブ4を超音波ホーン1側に配置することによって、効率良く超音波エネルギーを溶接される面に伝えることができ、強固に溶接することができる。
図1は、本発明の蓄電デバイス部品の製造方法における超音波ホーン1と電極タブ4、リード端子5、受け台2の位置関係を示し、電極タブ、リード端子、受け台の形状および形式などは特に限定されない。
本発明の製造方法では、電極積層体から延びる複数の電極タブ4と、該電極タブ4より厚いリード端子5とを積層した接続部を、受け台2と超音波ホーン1との間に挟む超音波溶接工程において、該電極タブ4が超音波ホーン1側に配置されることを特徴とする。
本発明の複数の電極タブ4と電極タブ4より厚いリード端子5との積層体において、溶接される面は電極タブ側に偏っているので、電極タブ4を超音波ホーン1側に配置することによって、効率良く超音波エネルギーを溶接される面に伝えることができ、強固に溶接することができる。
図2は、本発明の蓄電デバイス部品の製造方法の超音波ホーン1の出力面3を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
本発明の製造方法は、該超音波ホーン1の出力面は、複数の規則的な凸部6からなる圧子部11と、該圧子部11を囲む平坦な周辺部8とからなることを特徴とする。
本発明の製造方法の電極タブ4の超音波ホーン1の複数の規則的な凸部6に対応する電極タブの部分(複数の規則的な凹部7)では、超音波ホーン1の圧力と振動で、凹部7を形成すると同時に溶接される。
本発明の製造方法の圧子部11は、複数の凸部6がパターン状に集まって構成される。
溶接された電極タブ4には、超音波ホーン1の圧子部11の形状が転写される。溶接された最外層の電極タブは、超音波ホーン1の凸部6が圧入されると、圧入部12の周囲で浮き上がるように変形しようとする。浮き上がるように変形すると、超音波ホーン1のエッジ部分に薄い電極タブ4が接触し、超音波による振動も加わって破れ易くなる。
本発明の製造方法は、該超音波ホーン1の出力面は、複数の規則的な凸部6からなる圧子部11と、該圧子部11を囲む平坦な周辺部8とからなることを特徴とする。
本発明の製造方法の電極タブ4の超音波ホーン1の複数の規則的な凸部6に対応する電極タブの部分(複数の規則的な凹部7)では、超音波ホーン1の圧力と振動で、凹部7を形成すると同時に溶接される。
本発明の製造方法の圧子部11は、複数の凸部6がパターン状に集まって構成される。
溶接された電極タブ4には、超音波ホーン1の圧子部11の形状が転写される。溶接された最外層の電極タブは、超音波ホーン1の凸部6が圧入されると、圧入部12の周囲で浮き上がるように変形しようとする。浮き上がるように変形すると、超音波ホーン1のエッジ部分に薄い電極タブ4が接触し、超音波による振動も加わって破れ易くなる。
本発明の製造方法の超音波ホーン1の出力面3の圧子部11を囲む周辺部8は、平坦であるので超音波溶接時の電極タブ4の浮き上がりを防止することができる。このため、超音波ホーン1のエッジに電極タブ4が接触することを防止することができる。電極タブ4が超音波ホーン1に接触しないので破れにくく、低抵抗であって強固に接続した電極タブ4とリード端子との接続部を得ることができる。
本発明の製造方法の超音波ホーン1の周辺部8には、断面視Rの面取り10(R面取り)を有する。R面取り10を有するので、溶接時にさらに電極タブ4が超音波ホーン1のエッジ部に接触しにくくすることができる。
本発明の製造方法の超音波ホーン1の周辺部8には、断面視Rの面取り10(R面取り)を有する。R面取り10を有するので、溶接時にさらに電極タブ4が超音波ホーン1のエッジ部に接触しにくくすることができる。
本発明の製造方法の超音波ホーン1の規則的な凸部6のピッチは、電極タブ4の厚さの16〜24倍である。凸部6のピッチは、電極タブ4の厚さの16倍未満であると、凸部6が細かくなりすぎ、超音波ホーン11からのエネルギーが分散して十分に伝えることができず、強固に接続しにくくなる。凸部6のピッチは、電極タブ4の厚さの24倍を超えると、超音波ホーンの凸部6に対応する部分は超音波エネルギーが伝わり強固に接続できているが、超音波ホーンの凸部6が当たらない部分は、超音波ホーン1からの距離が離れすぎるため、電極タブ4が浮き上がり、空隙ができ互いに接しないようになる。このため、空隙ができた部分は、電極タブ4を貫通する方向に電流を流すことができず、低抵抗の電極タブ4とリード端子5の接続が得られにくくなる。本発明の製造方法の超音波ホーンの規則的な凸部6のピッチは、電極タブ4の厚さの16〜24倍であるので、強固に接続し、接続部では、該複数の電極タブ4及びリード端子5が互いに全面が密着するので、電極タブ4とリード端子との抵抗を小さくすることができる。
本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部6は頂部面積が裾部面積の16〜18%である。裾部面積とは、パターン状に形成された隣り合う凸部を分割する線で囲まれた領域を示す。つまり圧子部11全体に占める凸部頂部面積の和の比率と同じである。また、言い換えると裾部面積は、一つの凸部を含む一単位のパターンの面積である。
本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部は頂部面積が裾部面積の16%未満であると、超音波ホーンからのエネルギーが分散して十分に伝えることができず、強固に接続しにくくなる。本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部は頂部面積が裾部面積の18%をこえると、超音波ホーンの凸部に対応する部分は超音波エネルギーが伝わり強固に接続できているが、超音波ホーンの凸部に対応しない部分は、超音波ホーンからの距離が離れすぎるため、それぞれの電極タブ4が浮き上がり、空隙ができ互いに接しないようになる。このため、空隙ができた部分は、電極タブ4を貫通する方向に電流を流すことができず、低抵抗の電極タブ4とリード端子5の接続が得られにくくなる。本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部6は頂部面積が裾部面積の16〜18%であるので、強固に接続し、接続部では、該複数の電極タブ4及びリード端子5が互いに全面が密着するので、電極タブ4とリード端子5との抵抗を小さくすることができる。
本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部は頂部面積が裾部面積の16%未満であると、超音波ホーンからのエネルギーが分散して十分に伝えることができず、強固に接続しにくくなる。本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部は頂部面積が裾部面積の18%をこえると、超音波ホーンの凸部に対応する部分は超音波エネルギーが伝わり強固に接続できているが、超音波ホーンの凸部に対応しない部分は、超音波ホーンからの距離が離れすぎるため、それぞれの電極タブ4が浮き上がり、空隙ができ互いに接しないようになる。このため、空隙ができた部分は、電極タブ4を貫通する方向に電流を流すことができず、低抵抗の電極タブ4とリード端子5の接続が得られにくくなる。本発明の製造方法の超音波ホーンの凸部6は頂部面積が裾部面積の16〜18%であるので、強固に接続し、接続部では、該複数の電極タブ4及びリード端子5が互いに全面が密着するので、電極タブ4とリード端子5との抵抗を小さくすることができる。
本発明の製造方法の、電極タブ4の厚さは25〜50μmであることが好ましい。25〜50μmの厚さの金属箔は、適度な強度を有しているので、蓄電デバイスの電極の支持体として広く使用されている。電極タブ4は、一般に電極の支持体の加工の際に電極タブとなるように突起を残して、形成されるので、厚さは、電極の支持体の金属箔と同じように25〜50μmとなる。蓄電デバイスの電極タブ4の厚さが25μm以上であると、電極タブ4および電極タブ4と一体的に形成される電極の支持体に十分な強度と導電性を備えることができる。蓄電デバイスの電極タブ4の厚さが50μm以下であると、電極タブ4と一体的に形成される電極の支持体を薄くすることができるので、電極積層体を小さくすることができ、蓄電デバイスの容量を大きくすることができる。
本発明の製造方法の凸部6の高さは、電極タブ4の厚さの4〜6.5倍であることが好ましい。凸部6の高さが、電極タブ4の厚さの4倍以上であると、超音波ホーンから電極タブ4及びリード端子5を変形させ十分な超音波エネルギーを伝えることができ、強固に接続することができる。凸部6の高さが、電極タブ4の厚さの6.5倍以下であると、超音波ホーンから電極タブ4及びリード端子5を変形させ十分な超音波エネルギーを伝えることができ、かつ、最も超音波ホーンに近い最外層の電極タブ4であっても破れることなく接続することができる。
本発明の製造方法の電極タブ4は、電解エッチングされた多孔質アルミニウムである正極側の電極タブ4を含み、少なくとも正極側の電極タブ4を超音波溶接することが好ましい。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスでは、一般に正極側にアルミニウムの支持体、負極側に銅の支持体が使用される。支持体から延びる電極タブ4は、支持体と同材質となり、正極側は、アルミニウム、負極側は銅となる。正極側で使用されるアルミニウムは、表面に不動態膜を有しているので導電率を大きくするために電解エッチングされ表面積が大きくなるように加工されていることが望ましい。電極タブ4に電解エッチングされたアルミニウムを用いると、電極タブ4から延びる電極の支持体の表面から電極活物質にスムーズに電流を流すことができるので、簡単な電池の構成で正極の電極の支持体から電極活物質への抵抗の小さな蓄電デバイスを提供することができる。
なお、負極側に用いる電極の支持体および電極の支持体から延びる電極タブ4の材質の組み合わせは特に限定されず、共にどのような金属を使用しても良い。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスでは、一般に正極側にアルミニウムの支持体、負極側に銅の支持体が使用される。支持体から延びる電極タブ4は、支持体と同材質となり、正極側は、アルミニウム、負極側は銅となる。正極側で使用されるアルミニウムは、表面に不動態膜を有しているので導電率を大きくするために電解エッチングされ表面積が大きくなるように加工されていることが望ましい。電極タブ4に電解エッチングされたアルミニウムを用いると、電極タブ4から延びる電極の支持体の表面から電極活物質にスムーズに電流を流すことができるので、簡単な電池の構成で正極の電極の支持体から電極活物質への抵抗の小さな蓄電デバイスを提供することができる。
なお、負極側に用いる電極の支持体および電極の支持体から延びる電極タブ4の材質の組み合わせは特に限定されず、共にどのような金属を使用しても良い。
<蓄電デバイスの製造方法>
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、
前記記載の超音波溶接工程と、
電解液と、前記蓄電デバイス部品と、を前記リード端子の一端が外部に引き出されるように蓄電セルに封入する工程と、からなることを特徴とする。
前記蓄電デバイス部品とは、前記いずれかの蓄電デバイス部品の製造方法の発明で得られる蓄電デバイス部品を示し、前記リード端子とは、蓄電デバイス部品の製造方法のいずれかに記載されたリード端子を示す。
本発明の製造方法で得られた蓄電デバイス部品を、本発明の蓄電デバイス部品のリード端子の一端が外部に引き出されるように電解液とともに蓄電セルに封入することにより、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、
前記記載の超音波溶接工程と、
電解液と、前記蓄電デバイス部品と、を前記リード端子の一端が外部に引き出されるように蓄電セルに封入する工程と、からなることを特徴とする。
前記蓄電デバイス部品とは、前記いずれかの蓄電デバイス部品の製造方法の発明で得られる蓄電デバイス部品を示し、前記リード端子とは、蓄電デバイス部品の製造方法のいずれかに記載されたリード端子を示す。
本発明の製造方法で得られた蓄電デバイス部品を、本発明の蓄電デバイス部品のリード端子の一端が外部に引き出されるように電解液とともに蓄電セルに封入することにより、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の蓄電デバイスの製造方法は、蓄電デバイスが、リチウムイオンキャパシタであることが好ましい。本発明の製造方法で得られる接続部を有する蓄電デバイスを適用すると、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスを得ることができるので大容量、高出力の蓄電デバイスであるリチウムイオンキャパシタに好適に利用することができる。
<蓄電デバイス部品>
本発明の蓄電デバイス部品は、電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層し、超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品であって、
該接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、
該規則的な凹部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凹部の底面の面積は、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%であり、
該接続部では、該複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着していることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス部品は、電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層し、超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品であって、
該接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、
該規則的な凹部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凹部の底面の面積は、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%であり、
該接続部では、該複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着していることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス部品の電極積層体は、正極、負極およびこれらに挟まれたセパレータとからなる。正極及び負極は、それぞれ金属の支持体に電極活物質が塗布されている構造である。電極積層体は筒状(巻回型)あるいは平板状(積層型)などの形式がある。巻回型は、それぞれ1枚の正極負極を重ね断面が筒状あるいは角丸長方形などの形状(巻回折り)になるよう巻くことによって得られる。積層型は、複数の正極及び負極を交互に積層されたもの、それぞれ1枚の正極及び負極を折り目が互いに直角となるように配置し交互に折り積層されたもの(九十九折り型)などがある。いずれの折り方の場合も、正極と負極とは、セパレータで隔てられている。
本発明の電極積層体は、電流を取り出すために複数の電極タブを有している。正極及び負極が多数の電極からなる場合にはそれぞれの電極から電流を取り出すために、それぞれの電極に電極タブを備えることが必要である。正極及び負極がそれぞれ1枚の電極からなる場合であっても、巻回型、九十九折り型では大容量の蓄電デバイスに適用するためには電極は薄く細長く構成されるので、電極の内部抵抗で電極の蓄電領域が偏らないよう複数の電極タブを有している。
複数の電極タブで集められた電流はリード端子に集められ、蓄電デバイスの外部に備えられた正極または負極の端子に導かれる。電極タブ、リード端子は、正極と負極で同様の構造を有している。リード端子は、各電極タブより集められた電流をまとめ外部の端子に導くので、流れる電流が大きく、機械的強度も要求され、各電極タブよりも厚く電流の流れる断面積が大きくなるように構成される。
本発明の電極積層体は、電流を取り出すために複数の電極タブを有している。正極及び負極が多数の電極からなる場合にはそれぞれの電極から電流を取り出すために、それぞれの電極に電極タブを備えることが必要である。正極及び負極がそれぞれ1枚の電極からなる場合であっても、巻回型、九十九折り型では大容量の蓄電デバイスに適用するためには電極は薄く細長く構成されるので、電極の内部抵抗で電極の蓄電領域が偏らないよう複数の電極タブを有している。
複数の電極タブで集められた電流はリード端子に集められ、蓄電デバイスの外部に備えられた正極または負極の端子に導かれる。電極タブ、リード端子は、正極と負極で同様の構造を有している。リード端子は、各電極タブより集められた電流をまとめ外部の端子に導くので、流れる電流が大きく、機械的強度も要求され、各電極タブよりも厚く電流の流れる断面積が大きくなるように構成される。
蓄電デバイスの電極活物質を支持する金属の支持体は銅、アルミニウム、ニッケルなど様々なものが利用されている。一般には、負極では電極の支持体に銅箔が適用され、正極では電極の支持体にアルミニウムが適用される。電極活物質を支持する支持体からは、電極タブが引き出される。電極タブは、例えば電極の製造段階で支持体の金属箔に凸状のタブを残すようにカットすることによって得られ、支持体の金属と同材質である。
リード端子と電極タブは、溶接されることにより接続される。溶接の方法には、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの方法がある。本発明の製造方法における溶接は、超音波溶接を対象とする。
本発明に用いる電極タブは金属箔であり薄い。レーザー溶接は、レーザーが当たった部分のみ溶接されるので、線状に溶接される上に、薄い金属箔の溶接に適用すると溶融し箔の形状が保持でできなくなる。
リード端子と電極タブは、溶接されることにより接続される。溶接の方法には、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの方法がある。本発明の製造方法における溶接は、超音波溶接を対象とする。
本発明に用いる電極タブは金属箔であり薄い。レーザー溶接は、レーザーが当たった部分のみ溶接されるので、線状に溶接される上に、薄い金属箔の溶接に適用すると溶融し箔の形状が保持でできなくなる。
一般に正極に用いられるアルミニウムの金属箔の接合に抵抗溶接を適用すると、アルミニウムの表面には不動態膜があるので、十分な電流を流すことができず、うまく溶接できない。このため、抵抗溶接は蓄電デバイスに使用する正極などの電極タブとリード端子との接合には適用することが困難である。
超音波溶接は、金属箔である電極タブを過度に溶融させることなく、アルミニウムの表面にできる不動態膜に影響されることなく溶接できるので蓄電デバイスに使用する電極タブとリード端子との接合に広く適用することができる。
本発明の蓄電デバイス部品は、電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子とを積層した接続部の電極タブ側の表面に、複数の規則的な凹部からなる圧入部が形成されていることを特徴とする。
超音波溶接は、金属箔である電極タブを過度に溶融させることなく、アルミニウムの表面にできる不動態膜に影響されることなく溶接できるので蓄電デバイスに使用する電極タブとリード端子との接合に広く適用することができる。
本発明の蓄電デバイス部品は、電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子とを積層した接続部の電極タブ側の表面に、複数の規則的な凹部からなる圧入部が形成されていることを特徴とする。
以降、図を用いて説明する。
図1は、本発明の蓄電デバイス部品の製造する際の超音波ホーンと電極タブ4、リード端子5、受け台2の位置関係を示し、電極タブ、リード端子、受け台の形状および形式などは特に限定されない。
超音波溶接は、受け台2と凹凸を有する超音波ホーンとの間に複数シート状の金属箔とリード端子5とを挟み、超音波ホーンから発せられる超音波エネルギーによって金属箔を摩擦させ接合するものである。超音波溶接では、超音波ホーン側からエネルギーが発せられるので、超音波ホーン側は受け台側よりも強固に溶接される。本発明の蓄電デバイス部品は、電極タブ側の表面に複数の規則的な凹部7からなる圧入部12が形成されているので、強固に接続することができる。
図1は、本発明の蓄電デバイス部品の製造する際の超音波ホーンと電極タブ4、リード端子5、受け台2の位置関係を示し、電極タブ、リード端子、受け台の形状および形式などは特に限定されない。
超音波溶接は、受け台2と凹凸を有する超音波ホーンとの間に複数シート状の金属箔とリード端子5とを挟み、超音波ホーンから発せられる超音波エネルギーによって金属箔を摩擦させ接合するものである。超音波溶接では、超音波ホーン側からエネルギーが発せられるので、超音波ホーン側は受け台側よりも強固に溶接される。本発明の蓄電デバイス部品は、電極タブ側の表面に複数の規則的な凹部7からなる圧入部12が形成されているので、強固に接続することができる。
図3は、本発明の蓄電デバイス部品の接続部の電極タブ側表面の平面図を示し、(a)は平面図、(b)はA−A’における断面図である。
本発明の蓄電デバイス部品は、接続部の電極タブ4側の表面に、複数の規則的な凹部7からなる圧入部12と、該圧入部12を囲む平坦プレス部9とが形成されていることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイス部品は、接続部の電極タブ4側の表面に、複数の規則的な凹部7からなる圧入部12と、該圧入部12を囲む平坦プレス部9とが形成されていることを特徴とする。
超音波溶接による接合は、超音波ホーンの複数の規則的な凸部6に対応する複数の規則的な凹部7において、超音波ホーンの圧力と振動で、凹部7を形成すると同時に溶接される。
本発明の蓄電デバイス部品の接合に用いられる超音波ホーンの圧子部11は、複数の凸部6がパターン状に集まって構成される。
溶接された電極タブ4には、超音波ホーンの圧子部11の形状が転写される。溶接された最外層の電極タブ4は、超音波ホーンの凸部6が圧入されると圧入部12の周囲で浮き上がるように変形しようとする。浮き上がるように変形すると、超音波ホーンのエッジ部分に薄い電極タブ4が接触し、超音波による振動も加わって破れ易くなる。
本発明蓄電デバイス部品は複数の規則的な凹部7からなる圧入部12と、該圧入部12を囲む平坦プレス部9とが形成されているので超音波溶接時に電極タブ4の浮き上がりが発生しにくい。このため、溶接時に超音波ホーンのエッジに電極タブ4が接触することを防止することができる。電極タブ4が超音波ホーンに接触しないので破れにくく、低抵抗であって強固に接続した電極タブ4とリード端子5との接続部を得ることができる。
本発明の蓄電デバイス部品の接合に用いられる超音波ホーンの圧子部11は、複数の凸部6がパターン状に集まって構成される。
溶接された電極タブ4には、超音波ホーンの圧子部11の形状が転写される。溶接された最外層の電極タブ4は、超音波ホーンの凸部6が圧入されると圧入部12の周囲で浮き上がるように変形しようとする。浮き上がるように変形すると、超音波ホーンのエッジ部分に薄い電極タブ4が接触し、超音波による振動も加わって破れ易くなる。
本発明蓄電デバイス部品は複数の規則的な凹部7からなる圧入部12と、該圧入部12を囲む平坦プレス部9とが形成されているので超音波溶接時に電極タブ4の浮き上がりが発生しにくい。このため、溶接時に超音波ホーンのエッジに電極タブ4が接触することを防止することができる。電極タブ4が超音波ホーンに接触しないので破れにくく、低抵抗であって強固に接続した電極タブ4とリード端子5との接続部を得ることができる。
本発明の蓄電デバイス部品の該規則的な凹部のピッチは、電極タブ4の厚さの16〜24倍である。凹部のピッチは、電極タブ4の厚さの16倍未満であると、凸部6が細かくなりすぎ、超音波ホーンからのエネルギーが分散して十分に伝えることができず、強固に接続されにくくなる。凹部のピッチは、電極タブ4の厚さの24倍を超えると、凹部の底部分は超音波エネルギーが伝わり強固に接続できているが、枠状に形成される超音波ホーンの凸部6が当たらない部分は、超音波ホーンからの距離が離れすぎるため、電極タブ4が浮き上がり、空隙ができ互いに接しないようになる。このため、空隙ができた部分は、電極タブ4を貫通する方向に電流を流すことができず、低抵抗の電極タブ4とリード端子5の接続が得られにくくなる。
本発明の蓄電デバイス部品の凹部7の底面の面積は、一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積の16〜18%である。一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積とは、パターン状に形成された隣り合う凹部7を分割する線で囲まれた領域を示す。つまり圧入部12全体に占める凹部7の底面の面積の和の比率と同じである。
本発明の蓄電デバイス部品の凹部7の底面の面積は、一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積の16〜18%である。一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積とは、パターン状に形成された隣り合う凹部7を分割する線で囲まれた領域を示す。つまり圧入部12全体に占める凹部7の底面の面積の和の比率と同じである。
本発明の蓄電デバイス部品の凹部7の底面の面積が、一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積の16%未満であると、超音波ホーンからのエネルギーが分散して十分に伝えることができず、強固に接続しにくくなる。本発明の蓄電デバイスの凹部7の底面の面積が、一つの凹部7を含む一単位のパターンの面積の18%をこえると、凹部7の底部分は超音波エネルギーが伝わり強固に接続できているが、枠状に形成される超音波ホーンの凸部6が当たらない部分は、超音波ホーンからの距離が離れすぎるため、電極タブ4が浮き上がり、空隙ができ互いに接しないようになる。このため、空隙ができた部分は、電極タブ4を貫通する方向に電流を流すことができず、低抵抗の電極タブ4とリード端子5の接続が得られにくくなる。
本発明の蓄電デバイス部品の、電極タブ4の厚さは25〜50μmであることが好ましい。25〜50μmの厚さの金属箔は、適度な強度を有しているので、蓄電デバイスの電極の支持体として広く使用されている。電極タブ4は、一般に電極の支持体の加工の際に電極タブとなるよう突起を残して、形成されるので、厚さは、電極の支持体の金属箔と同じように25〜50μmとなる。蓄電デバイスの電極タブ4の厚さが25μm以上であると、電極タブ4および電極タブ4と一体的に形成される電極の支持体に十分な強度と導電性を備えることができる。蓄電デバイスの電極タブ4の厚さが50μm以下であると、電極タブ4と一体的に形成される電極の支持体を薄くすることができるので、電極積層体を小さくすることができ、蓄電デバイスの容量を大きくすることができる。
本発明の蓄電デバイス部品の前記凹部7の深さは、前記電極タブ4の厚さの4〜6.5倍であることが好ましい。凹部7の深さが、電極タブ4の厚さの4倍以上であると、超音波ホーンから電極タブ4及びリード端子5を変形させ十分な超音波エネルギーを伝えることができ、強固に接続することができる。凹部7の深さが、電極タブ4の厚さの6.5倍以下であると、超音波ホーンから電極タブ4及びリード端子5を変形させ十分な超音波エネルギーを伝えることができ、かつ、最も超音波ホーンに近い最外層の電極タブ4であっても破れることなく接続することができる。
本発明の蓄電デバイス部品の電極タブ4は、電解エッチングされた多孔質アルミニウムである正極側の電極タブ4を含み、少なくとも正極側の電極タブ4が超音波溶接されていることが好ましい。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスでは、一般に正極側にアルミニウムの支持体、負極側に銅の支持体が使用される。支持体から延びる電極タブ4は、支持体と同材質となり、正極側は、アルミニウム、負極側は銅となる。正極側で使用されるアルミニウムは、表面に不動態膜を有しているので導電率を大きくするために電解エッチングされ表面積が大きくなるように加工されていることが望ましい。電極タブ4に電解エッチングされたアルミニウムを用いると、電極タブ4から延びる電極の支持体の表面から電極活物質にスムーズに電流を流すことができるので、簡単な電池の構成で正極の電極の支持体から電極活物質への抵抗の小さな蓄電デバイスを提供することができる。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスでは、一般に正極側にアルミニウムの支持体、負極側に銅の支持体が使用される。支持体から延びる電極タブ4は、支持体と同材質となり、正極側は、アルミニウム、負極側は銅となる。正極側で使用されるアルミニウムは、表面に不動態膜を有しているので導電率を大きくするために電解エッチングされ表面積が大きくなるように加工されていることが望ましい。電極タブ4に電解エッチングされたアルミニウムを用いると、電極タブ4から延びる電極の支持体の表面から電極活物質にスムーズに電流を流すことができるので、簡単な電池の構成で正極の電極の支持体から電極活物質への抵抗の小さな蓄電デバイスを提供することができる。
なお、負極側に用いる電極の支持体および電極の支持体から延びる電極タブ4の材質の組み合わせ特に限定されず、共にどのような金属を使用しても良い。
<蓄電デバイス>
本発明の蓄電デバイスは、
電解液と、
前記記載の蓄電デバイス部品と、
前記電解液と、前記リード端子の一端を外部に引きだすように前記蓄電デバイス部品を封入するセルと、
からなることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスは、
電解液と、
前記記載の蓄電デバイス部品と、
前記電解液と、前記リード端子の一端を外部に引きだすように前記蓄電デバイス部品を封入するセルと、
からなることを特徴とする。
前記記載の蓄電デバイス部品とは、前記発明のいずれかに記載された蓄電デバイス部品を示し、前記リード端子とは、前記発明のいずれかに記載された蓄電デバイス部品のリード端子を示す。
本発明の蓄電デバイス部品を、本発明の蓄電デバイス部品のリード端子の一端が外部に引き出されるように電解液とともに蓄電セルに封入することにより、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスを提供することができる。
本発明の蓄電デバイス部品を、本発明の蓄電デバイス部品のリード端子の一端が外部に引き出されるように電解液とともに蓄電セルに封入することにより、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスを提供することができる。
本発明の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタであることが好ましい。本発明の製造方法で得られる接続部を有する蓄電デバイスをリチウムイオンキャパシタに適用すると、強固で低抵抗となるように電極タブとリード端子が超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイスを得ることができる。
本発明の蓄電デバイス部品、蓄電デバイス部品の製造方法について実験例1〜5を用いて説明する。まずは、実験例1〜5に共通する項目から説明する。
(正極)
東洋アルミニウム株式会社製多孔質アルミシート(金属箔)を、10層の巻回折りに対応しかつ各層から電極タブ4が引き出せるようトムソン型で打ち抜いた後、活性炭からなる電極活物質を両面に塗布し、正極の電極を得た。多孔質アルミシート(支持体及び電極タブ)は厚さが30μmであった。
(負極)
同様に厚さ15μmの銅箔を、11層の巻回折りに対応しかつ各層から電極タブ4が引き出せるようトムソン型で打ち抜いた後、黒鉛粉末からなる電極活物質を両面に塗布し負極の電極を得た。
東洋アルミニウム株式会社製多孔質アルミシート(金属箔)を、10層の巻回折りに対応しかつ各層から電極タブ4が引き出せるようトムソン型で打ち抜いた後、活性炭からなる電極活物質を両面に塗布し、正極の電極を得た。多孔質アルミシート(支持体及び電極タブ)は厚さが30μmであった。
(負極)
同様に厚さ15μmの銅箔を、11層の巻回折りに対応しかつ各層から電極タブ4が引き出せるようトムソン型で打ち抜いた後、黒鉛粉末からなる電極活物質を両面に塗布し負極の電極を得た。
こうして得られた、正極及び負極の間に紙からなるセパレータを挟み、巻回折りにし、電極積層体を得た。電極積層体の正極からは、電極タブが10層、負極からは電極タブが11層それぞれ引き出されている。正極側の電極タブ4は電極の支持体から引き出された厚さ30μmの多孔質アルミニウム箔からなり、負極側の電極タブ4は電極の支持体から引き出された厚さ15μmの銅箔からなる。
(正極の超音波溶接)
得られた電極積層体から引き出された正極の電極タブ4を重ね、厚さ200μmのアルミニウムからなるリード端子5をさらにその下に重ねた。
重ねられた電極タブ4及び、リード端子5を超音波溶接機に把持した。超音波溶接機は、日本エマソン株式会社ブランソン事業本部製2000Xea40:0.8型を使用した。リード端子5側には受け台2、電極側から超音波ホーンを配置し、超音波溶接を行った。
超音波溶接の出力は実験例1が300W、実験例2が400W、実験例3が375W、実験例4が125W、実験例5が300Wであった。
超音波溶接の溶接時間は実験例1が200ミリ秒、実験例2〜3が400ミリ秒、実験例4が80ミリ秒、実験例5が200ミリ秒、
超音波溶接時の超音波ホーンの圧力は実験例1が7MPa、実験例2〜5が20MPaであった。
また使用した超音波ホーンの出力面3の大きさは、実験例1が2×28mm、実験例2〜4が3×12mm、実験例5が2×5mmであった。
使用した受け台2のリード端子5に当接する面の大きさは、実験例1が20×80mm、実験例2〜5が16×18mmであった。
得られた電極積層体から引き出された正極の電極タブ4を重ね、厚さ200μmのアルミニウムからなるリード端子5をさらにその下に重ねた。
重ねられた電極タブ4及び、リード端子5を超音波溶接機に把持した。超音波溶接機は、日本エマソン株式会社ブランソン事業本部製2000Xea40:0.8型を使用した。リード端子5側には受け台2、電極側から超音波ホーンを配置し、超音波溶接を行った。
超音波溶接の出力は実験例1が300W、実験例2が400W、実験例3が375W、実験例4が125W、実験例5が300Wであった。
超音波溶接の溶接時間は実験例1が200ミリ秒、実験例2〜3が400ミリ秒、実験例4が80ミリ秒、実験例5が200ミリ秒、
超音波溶接時の超音波ホーンの圧力は実験例1が7MPa、実験例2〜5が20MPaであった。
また使用した超音波ホーンの出力面3の大きさは、実験例1が2×28mm、実験例2〜4が3×12mm、実験例5が2×5mmであった。
使用した受け台2のリード端子5に当接する面の大きさは、実験例1が20×80mm、実験例2〜5が16×18mmであった。
(負極の抵抗溶接)
得られた電極積層体から引き出された負極の電極タブ4を重ね、厚さ200μmの銅からなるリード端子5をさらにその下に重ねた。抵抗溶接機に把持した。抵抗溶接機は、ミヤチテクノス株式会社製MDA−8000B型を使用した。
得られた電極積層体から引き出された負極の電極タブ4を重ね、厚さ200μmの銅からなるリード端子5をさらにその下に重ねた。抵抗溶接機に把持した。抵抗溶接機は、ミヤチテクノス株式会社製MDA−8000B型を使用した。
以下、実験例1〜5で正極側の電極タブ4とリード端子5の接続で使用した超音波ホーンの出力面3、及び得られた電極タブ4とリード端子5との接続部の断面について詳しく記載する。
接合の確認のため、実験例1〜5で得られた接続部を切断し、断面を観察した。また、電極タブとリード端子との抵抗を確認した。
抵抗の測定方法は、電極タブとリード端子間の電圧降下を測定し、接続部の面積で除することによって得た。
接合の確認のため、実験例1〜5で得られた接続部を切断し、断面を観察した。また、電極タブとリード端子との抵抗を確認した。
抵抗の測定方法は、電極タブとリード端子間の電圧降下を測定し、接続部の面積で除することによって得た。
<実験例1>
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図4に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.2mmで形成されている。凸部6の高さは0.1mm、凸部6の頂部は尖っている。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、6.67倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は、凸部6が尖っているので0%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、3.3倍であった。
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図4に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.2mmで形成されている。凸部6の高さは0.1mm、凸部6の頂部は尖っている。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、6.67倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は、凸部6が尖っているので0%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、3.3倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部について、規則的な凹部7のピッチは、0.2mm、凹部7の深さは、0.1mmであった。電極タブ4に対する規則的な凹部7のピッチは、6.67倍、凹部7の一単位パターンの面積に対する底面面積は0%、電極タブ4厚さに対する凹部7の深さは、3.3倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図9に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11が細かすぎ超音波エネルギーが十分に伝わらず電極タブ4間に空隙が大量に形成され十分に溶接されていないことがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、5.3μΩcm2であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図9に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11が細かすぎ超音波エネルギーが十分に伝わらず電極タブ4間に空隙が大量に形成され十分に溶接されていないことがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、5.3μΩcm2であった。
<実験例2>
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図5に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.5mmで形成されている。凸部6の高さは0.15mm、凸部6の頂部は0.2×0.2mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、16.7倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は16%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、5.0倍であった。
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図5に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.5mmで形成されている。凸部6の高さは0.15mm、凸部6の頂部は0.2×0.2mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、16.7倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は16%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、5.0倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部について、規則的な凹部7のピッチは、0.5mm、凹部7の深さは、0.15mmであった。電極タブ4に対する規則的な凹部7のピッチは、16.7倍、凹部7の一単位パターンの面積に対する底面面積は16%、電極タブ4厚さに対する凹部7の深さは、5.0倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図10に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、3.6μΩcm2であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図10に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、3.6μΩcm2であった。
<実験例3>
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図6に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.7mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.3×0.3mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、23.3倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は18%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、6.7倍であった。
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図6に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.7mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.3×0.3mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、平坦な周辺部は形成されていない。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、23.3倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は18%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、6.7倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部について、規則的な凹部7のピッチは、0.7mm、凹部7の深さは、0.2mmであった。電極タブ4に対する規則的な凹部7のピッチは、23.3倍、凹部7の一単位パターンの面積に対する底面面積は18%、電極タブ4厚さに対する凹部7の深さは、6.7倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図11に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、3.6μΩcm2であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図11に示す。超音波ホーンには周辺部8が無く、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れができていることが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、3.6μΩcm2であった。
<実験例4>
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図7に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.7mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.3×0.3mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、0.2mm幅の平坦な周辺部8が形成され、さらに外側には0.5mmの面取りが形成されている。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、23.3倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は18%、電極タブ4厚さに対する凸部高さは、6.7倍であった。
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図7に示す。図中の数字は寸法であり、単位はmmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.7mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.3×0.3mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、0.2mm幅の平坦な周辺部8が形成され、さらに外側には0.5mmの面取りが形成されている。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、23.3倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は18%、電極タブ4厚さに対する凸部高さは、6.7倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部について、規則的な凹部7のピッチは、0.7mm、凹部7の深さは、0.2mmであった。電極タブ4に対する規則的な凹部7のピッチは、23.3倍、凹部7の一単位パターンの面積に対する底面面積は18%、電極タブ4厚さに対する凹部7の深さは、6.7倍であった。また、圧入部12を囲んで平坦プレス部9が0.2mmの幅で形成されていた。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図12に示す。超音波ホーンには周辺部8を有しているので、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れが形成されていないことが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、2.8μΩcm2であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図12に示す。超音波ホーンには周辺部8を有しているので、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れが形成されていないことが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5は隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかった。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、2.8μΩcm2であった。
<実験例5>
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図8に示す。図中の数字は寸法であり単位は,mmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.8mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.4×0.4mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、0.2mm幅の平坦な周辺部8が形成され、さらに外側には0.5mmの面取りが形成されている。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、26.7倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は25%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、6.7倍であった。
使用した超音波ホーンの側面図および平面図を図8に示す。図中の数字は寸法であり単位は,mmである。
超音波ホーンには、四角錐の規則的な凸部6がピッチ0.8mmで形成されている。凸部6の高さは0.2mm、凸部6の頂部は0.4×0.4mmである。超音波ホーンの規則的な凸部6からなる圧子部11の周りには、0.2mm幅の平坦な周辺部8が形成され、さらに外側には0.5mmの面取りが形成されている。
電極タブ4の厚さに対する規則的な凸部6のピッチは、26.7倍、凸部6の裾部面積に対する頂部面積は25%、電極タブ4厚さに対する凸部6の高さは、6.7倍であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部について、規則的な凹部7のピッチは、0.8mm、凹部7の深さは、0.2mmであった。電極タブ4に対する規則的な凹部7のピッチは、26.7倍、凹部7の一単位パターンの面積に対する底面面積は25%、電極タブ4厚さに対する凹部7の深さは、6.7倍であった。また、圧入部12を囲んで平坦プレス部9が0.2mmの幅で形成されていた。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図13に示す。超音波ホーンには周辺部8を有しているので、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れが形成されていないことが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5の圧子部11直下には隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかったが、圧子部11の無い領域には電極タブ4間に空隙が形成されていた。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、5.0μΩcm2であった。
得られた電極タブ4とリード端子5の接続部の断面写真を図13に示す。超音波ホーンには周辺部8を有しているので、圧子部11のコーナーによって電極タブ4に破れが形成されていないことが確認される。また、圧子部11から超音波エネルギーが十分に伝わり、電極タブ4各層及びリード端子5の圧子部11直下には隙間が確認されず、十分に溶接されていることがわかったが、圧子部11の無い領域には電極タブ4間に空隙が形成されていた。
また、表層の電極タブ4とリード端子5間の抵抗は、5.0μΩcm2であった。
実験例1〜5の結果より、圧入部の周囲に平坦な周辺部を形成し、断面視Rの面取りを有することにより、接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、電極タブの破れの発生を防止することが確認された。
実験例1〜5の結果より、規則的な凸部のピッチを、電極タブの厚さの16〜24倍とし、凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%とすることにより、規則的な凹部のピッチが、電極タブの厚さの16〜24倍、凹部の底面の面積が、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%となり、接続部では、複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着し、電極タブ及びリード端子間の抵抗を小さくできることが確認された。
実験例1〜5の結果より、規則的な凸部のピッチを、電極タブの厚さの16〜24倍とし、凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%とすることにより、規則的な凹部のピッチが、電極タブの厚さの16〜24倍、凹部の底面の面積が、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%となり、接続部では、複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着し、電極タブ及びリード端子間の抵抗を小さくできることが確認された。
1 超音波ホーン
2 受け台
3 出力面
4 電極タブ
5 リード端子
6 凸部
7 凹部
8 周辺部
9 平坦プレス部
10 R面取り
11 圧子部
12 圧入部
2 受け台
3 出力面
4 電極タブ
5 リード端子
6 凸部
7 凹部
8 周辺部
9 平坦プレス部
10 R面取り
11 圧子部
12 圧入部
Claims (12)
- 電極積層体から延びる金属箔よりなる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層した接続部を、受け台と超音波ホーンとの間に挟む超音波溶接工程からなる蓄電デバイス部品の製造方法であって、
該超音波溶接する工程は、該電極タブが超音波ホーン側に配置され、
該超音波ホーンの出力面は、複数の規則的な凸部からなる圧子部と、該圧子部を囲む平坦な周辺部とからなり、
該周辺部には断面視Rの面取りを有し、
該規則的な凸部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凸部は頂部面積が裾部面積の16〜18%である、
ことを特徴とする蓄電デバイス部品の製造方法。 - 前記電極タブは、厚さが25〜50μmであることを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイス部品の製造方法。
- 前記凸部の高さは、前記電極タブの厚さの4〜6.5倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス部品の製造方法。
- 前記電極タブは、電解エッチングされた多孔質アルミニウムである正極側の電極タブを含み、少なくとも正極側の電極タブを超音波溶接することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス部品の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波溶接工程と、
電解液と、前記蓄電デバイス部品と、を前記リード端子の一端が外部に引き出されるように蓄電セルに封入する工程と、からなる蓄電デバイスの製造方法 - 前記記載の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項5のいずれか一項に記載の蓄電デバイスの製造方法
- 電極積層体から延びる複数の電極タブと、該電極タブより厚いリード端子と、を積層し、超音波溶接された接続部を有する蓄電デバイス部品であって、
該接続部の電極タブ側の表面には、複数の規則的な凹部からなる圧入部と、該圧入部を囲む平坦プレス部とが形成され、
該規則的な凹部のピッチは、電極タブの厚さの16〜24倍であり、
該凹部の底面の面積は、一つの凹部を含む一単位のパターンの面積の16〜18%であり、
該接続部では、該複数の電極タブ及びリード端子が互いに全面が密着していることを特徴とする蓄電デバイス部品。 - 前記電極タブは、厚さが25〜50μmであることを特徴とする請求項7に記載の蓄電デバイス部品。
- 前記凹部の深さは、前記電極タブの厚さの4〜6.5倍であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の蓄電デバイス部品。
- 前記電極タブは、電解エッチングされた多孔質アルミニウムである正極側の電極タブを含み、少なくとも正極側の電極タブは超音波溶接によりリード端子と接続されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の蓄電デバイス部品。
- 電解液と、
請求項7〜10のいずれか一項に記載の蓄電デバイス部品と、
前記電解液と、前記リード端子の一端を外部に引きだすように前記蓄電デバイス部品を封入するセルと、
からなることを特徴とする蓄電デバイス。 - 前記記載の蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項11に記載の蓄電デバイス。
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