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JP2014045634A - ロータ及びこのロータを備える回転電機 - Google Patents

ロータ及びこのロータを備える回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】永久磁石をロータコアに対して容易に固定することができ、永久磁石の減磁耐量を向上させることができるロータ及びこのロータを備える回転電機を提供する。
【解決手段】ロータ14は、ロータコア30と、ロータコア30に形成された磁石挿入孔22に挿入される永久磁石24と、磁石挿入孔22と永久磁石24との隙間32に対応する形状に成形された樹脂部材34とを有する。そして、永久磁石24と樹脂部材34を同時に磁石挿入孔22に挿入することで、樹脂部材34により磁石挿入孔22に対する永久磁石24の固定を行う。この構成により永久磁石24をロータコア30に容易に固定することができ、永久磁石24の減磁耐量を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロータ及びこのロータを備える回転電機に関し、特に、ロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入された永久磁石の固定構造の改良に関する。
従来から、ステータで発生する回転磁界とロータとの間に働く電磁的作用によりロータを回転させる回転電機が知られている。
下記特許文献1には、ロータコアと、ロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入された永久磁石とを有する回転電機のロータが開示されている。このロータにおいては、永久磁石が磁石挿入孔に挿入されて位置決めされた状態で、樹脂が磁石挿入孔と永久磁石の隙間に充填されることで、永久磁石がロータコアに固定される。
特開2010−142038号公報
上記特許文献1のロータにおいては、樹脂が磁石挿入孔に充填される前に、永久磁石を磁石挿入孔に挿入して仮固定する必要がある。この磁石挿入孔に対する永久磁石の挿入及び仮固定作業を容易にするため、従来から、磁石挿入孔の内周面には突起部が形成される。この突起部は、永久磁石の端面に部分的に当接するように形成される。このように、突起部は、永久磁石との接触部分が少なくなるように形成されているので、永久磁石の挿入時における抵抗が抑制され、永久磁石の挿入作業が比較的容易になる。そして、挿入後、突起部により永久磁石が仮固定されるので、樹脂の充填により、永久磁石の位置が磁石挿入孔内でズレることを防止することができる。
上述のように、ロータコアに対する永久磁石の固定を容易にする観点から、磁石挿入孔の内周面は、永久磁石と接触する部分が比較的少なくなるように形成される。言い換えれば、磁石挿入孔の内周面は、永久磁石との間に比較的多くの隙間が介在するように形成される。このように磁石挿入孔と永久磁石とに隙間が形成される場合、回転電機の高負荷状態(ステータコイルへ供給される電流量が大きい状態)においては、永久磁石の端部におけるパーミアンス係数が低下してしまう。特に、永久磁石の磁極面とこの面に対向する磁石挿入孔の内周面とに隙間が形成される場合、パーミアンス係数がより低下するので、永久磁石の減磁耐量が著しく低下してしまうという問題がある。
この問題に対応するため、永久磁石の端面との間に空隙が生じないように磁石挿入孔を形成する方法も考えられる。しかし、磁石挿入孔と永久磁石との間に全く隙間がないと、磁石挿入孔に対する永久磁石の挿入が非常に困難になってしまい、作業性が悪化するという問題がある。
本発明の目的は、永久磁石をロータコアに対して容易に固定することができ、かつ永久磁石の減磁耐量を向上させることができるロータ及びこのロータを備える回転電機を提供することにある。
本発明のロータは、ロータコアと、ロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、磁石挿入孔と永久磁石との隙間に対応する形状に成形された樹脂部材と、を有し、永久磁石と樹脂部材を同時に磁石挿入孔に挿入することで、樹脂部材により磁石挿入孔に対する永久磁石の固定を行うことを特徴とする。
また、永久磁石は、磁石挿入孔に挿入される前に、樹脂部材に対して一体化されることが好適である。
また、磁石挿入孔は、周方向における永久磁石の両側に対して隙間が生じるように形成されることが好適である。
また、ロータを備える回転電機であることが好適である。
本発明のロータ及びこのロータを備える回転電機によれば、永久磁石をロータコアに対して容易に固定することができ、永久磁石の減磁耐量を向上させることができる。
本実施形態に係る回転電機の構成を示す図である。 ロータの平面図である。 ロータの一部を拡大した平面図である。 永久磁石が磁石挿入孔に挿入される様子を示す図である。
以下、本発明に係るロータ及びこのロータを備える回転電機の実施形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る回転電機の構成を示す図である。
回転電機10は、例えば車両の原動機として用いられる。回転電機10は、ロータシャフト12に固定されるロータ14と、ロータ14を囲うように回転電機10のケース16に固定されたステータ18とを有する。
ロータ14は、ロータシャフト12と同心の円筒状の磁性体であり、例えば積層鋼板を軸線方向20に積層して構成される。積層鋼板には軸線方向20に延びる磁石挿入孔22が形成され、この磁石挿入孔22に永久磁石24が挿入され配置される。なお、ロータ14の詳細な構成については、後述する。
ロータシャフト12は、ケース16に設けられる軸受26により回転可能に支持される。本実施形態のロータシャフト12は、回転電機10の出力を車両の駆動輪(図示せず)に伝達する出力シャフトであり、このロータシャフト12と駆動輪は、歯車機構(図示せず)を介して接続される。
ステータ18は、ロータ14の周囲に空隙を空けて配置される。ステータ18には、このステータ18の内周側に突出し、周方向に所定の間隔を空けて配置される磁極(図示せず)を有する。この磁極の間の空間であるスロットには、導線を磁極に巻きつけて形成されるコイル28が配置される。図1には、ステータ18の両端において、スロット間を橋渡しするコイル28、すなわちコイルエンドが示される。このコイル28の通電により、ステータ18に回転磁界が発生し、この回転磁界に吸引される力が、永久磁石24を有するロータ14に発生して、ロータ14が回転する。
次に、ロータ14の構成について、図2,3を用いて説明する。図2は、ロータ14の平面図であり、図3は、ロータ14の一部を拡大した平面図である。なお、図中の矢印θは、周方向を示す。
本発明に係るロータ14は、ロータコア30と、ロータコア30に形成された磁石挿入孔22に挿入される永久磁石24と、磁石挿入孔22と永久磁石24との隙間32に対応する形状に成形された樹脂部材34とを有する。このように構成されるロータ14においては、永久磁石24と樹脂部材34を同時に磁石挿入孔22に挿入することで、樹脂部材34により磁石挿入孔22に対して永久磁石24を固定することができる。すなわち、永久磁石24と同時に挿入される樹脂部材34により、磁石挿入孔22に対する永久磁石24の位置決めを行うことができる。
このような樹脂部材34による永久磁石24の固定構造により、従来から用いられている固定構造、すなわち磁石挿入孔の内周面に、永久磁石に当接してズレを防止するように形成された突起部を無くすことができる。この突起部が無くなることにより、突起部周囲に生じてしまう隙間を無くすることができるので、この隙間に起因する永久磁石のパーミアンス係数の低下が防止され、永久磁石の減磁耐量の向上を図ることができる。
図2に示されるように、ロータ14は、ロータコア30と、ロータコア30に形成される磁石挿入孔22内に配置される永久磁石24及び樹脂部材34とを有する。
ロータコア30は、例えば電磁鋼板を軸線方向20(図1に示す)に積層して形成される。ロータコア30は環状に形成されており、ロータコア30の中央部には、ロータシャフト12が挿入される貫通孔36が形成されている。
ロータコア30には、周方向θに間隔をあけて磁石挿入孔22が、例えば16個形成されている。各磁石挿入孔22内には、永久磁石24と樹脂部材32がそれぞれ挿入される。樹脂部材32は、絶縁性の樹脂、例えばエポキシ系樹脂である。
本実施形態においては、隣り合う磁石挿入孔22は、周方向θにおける互いの間隔が径方向外側に向かうにつれて大きくなるように配置されている。すなわち、隣り合う磁石挿入孔22が、図2に示されるように略V字状になるように配置される。略V字状に配置される磁石挿入孔22にそれぞれ挿入される永久磁石24によって、1つの磁極が形成される。すなわち、一方の永久磁石24における径方向外側の磁極面24aの極性と、他方の永久磁石24における径方向外側の磁極面24aの極性とは一致している。同様に、一方の永久磁石24における径方向内側の磁極面24aの極性と、他方の永久磁石24における径方向内側の磁極面24aの極性とは一致している。
磁石挿入孔22は、周方向θにおける永久磁石24の両側に対して隙間34がそれぞれ生じるように形成される。図3に示されるように、隙間34は、周方向θにおける永久磁石24の端面24bと、磁石挿入孔22の内周面により囲まれた領域であり、簡易かつ単純な形状である。このように隙間34の形状を簡易かつ容易にすることにより、隙間34に対応した形状である樹脂部材34を容易に成形することができる。そして、この樹脂部材34を、永久磁石24と同時に磁石挿入孔22に挿入することにより、永久磁石24は周方向θ両外側から各樹脂部材34によりそれぞれ支持されるので、磁石挿入孔22に固定される。
一方、永久磁石24の両側の磁極面24aにそれぞれ対向する磁石挿入孔22の内周面は、永久磁石24の挿入時に、永久磁石24がスライド可能な程度に、各磁極面24aに対して微小隙間がそれぞれ生じるように形成される。径方向の磁気的空隙を極力無くすことにより、磁極面24aにおけるパーミアンス係数の低下が防止され、永久磁石24の減磁耐量の向上を図ることができる。
次に、磁石挿入孔22に永久磁石24を挿入する手順について、図4を用いて説明する。図4は、永久磁石24が磁石挿入孔22に挿入される様子を示す図である。
まず、隙間32の形状にあわせ、樹脂部材34が予め成形される。そして、永久磁石24と樹脂部材34を同時に磁石挿入孔22に挿入する。これにより、磁石挿入孔22内に永久磁石24が固定される。すなわち、永久磁石24がロータコア30に固定される。
本実施形態においては、永久磁石24と樹脂部材34を同時に磁石挿入孔22に挿入する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。予め永久磁石24と樹脂部材34を一体化させてから、磁石挿入孔22に挿入することもできる。
10 回転電機、12 ロータシャフト、14 ロータ、16 ケース、18 ステータ、20 軸線方向、22 磁石挿入孔 24 永久磁石、26 軸受、28 コイル、30 ロータコア、32 隙間、34 樹脂部材、36 貫通孔。

Claims (4)

  1. ロータコアと、
    ロータコアに形成された磁石挿入孔に挿入される永久磁石と、
    磁石挿入孔と永久磁石との隙間に対応する形状に成形された樹脂部材と、
    を有し、
    永久磁石と樹脂部材を同時に磁石挿入孔に挿入することで、樹脂部材により磁石挿入孔に対する永久磁石の固定を行う、
    ことを特徴とするロータ。
  2. 請求項1に記載の回転電機のロータにおいて、
    永久磁石は、磁石挿入孔に挿入される前に、樹脂部材に対して一体化される、
    ことを特徴とするロータ。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機のロータにおいて、
    磁石挿入孔は、周方向における永久磁石の両側に対して隙間が生じるように形成される、
    ことを特徴とするロータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のロータを備える回転電機。
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