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JP2013525535A - バニラ臭を有する有機カルボナート - Google Patents

バニラ臭を有する有機カルボナート Download PDF

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JP2013525535A
JP2013525535A JP2013505572A JP2013505572A JP2013525535A JP 2013525535 A JP2013525535 A JP 2013525535A JP 2013505572 A JP2013505572 A JP 2013505572A JP 2013505572 A JP2013505572 A JP 2013505572A JP 2013525535 A JP2013525535 A JP 2013525535A
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    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11BPRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
    • C11B9/00Essential oils; Perfumes
    • C11B9/0061Essential oils; Perfumes compounds containing a six-membered aromatic ring not condensed with another ring

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Abstract

本発明は、式(I)の一部のアルキルアリールカルボナートに関するものであり、式中、R1はC1〜3 炭化水素基を表し;R2はC1〜3 炭化水素基を表し;かつ一方のR3はC1〜3 炭化水素基を表し、かつ他方のR3は水素原子を表し;前記化合物は付香成分として、例えばスパイシー及び/又はバルサミックなタイプの香調を付与するのに使用されることができる。

Description

本発明は香料の分野に関する。より詳細には、本発明はスパイシー及び/又はバルサミックなノートを付与するための付香成分としての一部のアルキルアリールカルボナートに関する。本発明は、香料工業における前記化合物の使用並びに前記化合物を含有する組成物又は物品に関する。
先行技術
香料の世界は、スパイシーでバルサミックな、特にバニラタイプのにおいを提供する新しい興味深い成分を常に探求している。さらに、そのような新しい成分が(バニリンのような)老化の際の変色という不利な問題を有しない場合には、ますます興味深い。
本発明の一部の化合物は文献に報告されている。しかしながら、我々の知る限りでは、それらのどれについても、何らかの官能的性質、ましてや付香成分としての前記化合物の何らかの使用も報告していないか又は示唆していない。
例えば、2−メトキシ−4−メチルフェニル=メチル=カルボナートは、Scarpati他により(Synthetic Communication, 20, 2565, 1990中)単純な化学出発物質として報告されている。さらに、2−メトキシ−4−(プロプ−2−エニル)=エチル=カルボナートは、Challis他により(J. Chem. Soc, 1692, 1947中)単純な化学出発物質として報告されている。しかしながら、この先行技術の文献は、式(I)の化合物の何らかの官能的性質又は香料の分野における前記化合物の何らかの使用も報告しないか又は示唆しない。
発明の説明

Figure 2013525535
[式中、R1はC1〜3 炭化水素基を表し;
2はC1〜3 炭化水素基を表し;かつ
一方のR3はC1〜3 炭化水素基を表し、かつ他方のR3は水素原子を表す]で示される化合物が、付香成分として、例えばスパイシー及び/又はバルサミックなタイプの香調を付与するために、使用されることができることが目下意外なことに見出された。
本発明の特別な実施態様によれば、前記化合物(I)は、式
Figure 2013525535
[式中、R1及びR2は上記で示された意味を有し、かつR4はC1〜3 炭化水素基を表す]のものである。
本発明の上記実施態様のいずれか1つの特別な態様によれば、前記炭化水素基はアルキル基である。
本発明の上記実施態様のいずれか1つの特別な態様によれば、R1はメチル基又はエチル基、及び特にメチル基を表してよい。
本発明の上記実施態様のいずれか1つの特別な態様によれば、R2はメチル基又はエチル基、及び特にメチル基を表してよい。
本発明の上記実施態様のいずれか1つの特別な態様によれば、R3又はR4はメチル基、エチル基又はn−プロピル基、及び特にメチル基又はn−プロピル基を表してよい。
本発明の上記実施態様のいずれか1つによれば、前記化合物はC10〜C12 化合物である。
本発明の化合物の具体的な例として、この例に限定されるものではないが、2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナートを挙げることができる。前記化合物は、バニリンのにおいに極めて近く、かつそのにおいを連想させる、甘いバニラ(バルサミック)タイプのにおいを有する。さらに、意外なことに、バニリン又はエチルバニリンが不安定であり、かつ望ましくない著しい着色を引き起こすことが知られている攻撃的な媒体(例えばアルコール性組成物、せっけん、シャンプー又は万能クリーナーのような媒体)中でも、バニリン又はエチルバニリンとは異なり、前記化合物が安定でありかつ変色しないことも見出された。
例えば、2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナートは、バニリン又はエチルバニリンの安定で変色しない代用品として極めて興味深い。それに関連して、本発明の化合物が、はるかによりバニラフレグランス様であると同時に、バニリンの考えられる代用品として知られる他の先行技術の化合物よりも(例えば3−ヒドロキシ−2−メチル−4(4h)−ピラノン又は2−エチル−3−ヒドロキシ−4(4h)−ピラノンと比較した場合)フレグランス全体の中ではるかに目立ちにくいフレーバー様のインパクトを有するか、又ははるかにパワフルでもある(例えば,4−ジメトキシベンズアルデヒドと比較した場合)ことに注目することは興味深い。
本発明の化合物の他の具体的な、しかし限定されない例として、第1表中の次のものを挙げることができる:
第1表:本発明の化合物及びそれらのにおい特性
Figure 2013525535
本発明の特別な実施態様によれば、式(I)の化合物は、2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナート又は4−アリル−2−メトキシ−フェニル=メチル=カルボナートである。
本発明の化合物の嗅覚的特性は、バニラノートを有する本発明の化合物が極めて意外であることを考慮するとますます興味深い、それというのも、我々の知る限りでは、バニラノートを有することが知られたか又はバニリンの代替品として使用される先行技術の化合物は、全てが本発明のものとは有意に異なる化学構造を有するからである。
前記のように、本発明は付香成分としての式(I)の化合物の使用に関する。言い換えれば、本発明は付香組成物又は付香物品のにおい特性を付与、強化、改良又は変調する方法に関し、前記方法は、前記組成物又は物品に有効量の式(I)の少なくとも1種の化合物を添加することを含んでなる。"式(I)の化合物の使用"とは、本明細書では、化合物(I)を含有し、かつ香料工業において有利に使用されることができるあらゆる組成物の使用であるとも理解されるべきである。
実際に、付香成分として有利に使用されることができる前記組成物は、本発明の対象でもある。
故に、本発明の別の対象は、次のもの:
i)付香成分として、上記で定義されたような本発明の少なくとも1種の化合物;
ii)香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;及び
iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
を含んでなる付香組成物である。
"香料キャリヤー"とは、本明細書では、香料の見地から事実上中性である、すなわち付香成分の官能的性質を有意に変えない材料を意味する。前記キャリヤーは液体又は固体であってよい。
液体キャリヤーとして、これらの例に限定されるものではないが、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤を挙げることができる。香料において通常使用される溶剤の性質(nature)及びタイプの詳細な説明は網羅されることができない。しかしながら、この例に限定されるものではないが、溶剤、例えばジプロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノール又はクエン酸エチルを挙げることができ、これらは最も普通に使用される。香料キャリヤー及び香料ベースの双方を含んでなる組成物のためには、他の適した香料キャリヤーは、前で特記されたもの以外に、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン又は他のテルペン類、イソパラフィン類、例えば商標Isopar(出所:Exxon Chemical)で知られたもの又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標Dowanol(出所:Dow Chemical Company)で知られたものであってもよい。
固体キャリヤーとして、これらの例に限定されるものではないが、吸収性ゴム又はポリマー、又はさらにカプセル封入材料を挙げることができる。そのような材料の例は、壁形成材料及び可塑化材料、例えば単糖類、二糖類又は三糖類、天然デンプン又は化工デンプン、ヒドロコロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチン、あるいはさらに参考図書、例えばH. Scherz, Hydrokolloids : Stabilisatoren, Dickungs- und Gehermittel in Lebensmittel, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr's Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996に引用された材料を含むことができる。カプセル封入は、当業者によく知られた方法であり、かつ例えば噴霧乾燥、凝集又はさらに押出しのような技術を用いて、実施されることができ;又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含めたコーティングカプセル封入からなる。
"香料ベース"とは、本明細書では少なくとも1種の付香共成分を含んでなる組成物を意味する。
前記付香共成分は式(I)のものではない。さらに、"付香共成分"とは、本明細書では、嗜好効果を付与するために付香料又は組成物において使用される化合物を意味する。言い換えれば付香するものであると考慮されるべきそのような共成分は当業者により、積極的な又は快い方法で組成物のにおいを付与又は変調することができるものとして、かつにおいを有するものとしてではまさになく、認識されなければならない。
前記ベース中に存在する付香共成分の性質及びタイプは、本明細書ではより詳細な説明を保証せず、これらはいずれにせよ網羅されないが、その際に当業者はそれらを、彼の一般的な知識に基づきかつ意図する使用又は用途及び所望の官能的効果に従って選択することができる。一般的な用語において、これらの付香共成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセタート、ニトリル、テルペノイド、含窒素又は含硫黄ヘテロ環式化合物及び精油のように多様な化学的な種類に属し、かつ前記付香共成分は天然又は合成の出所であってよい。これらの共成分の多くは、いずれにせよ参考図書、例えばS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAの書籍、又はそのより新しい版に、又は類似の性質の他の研究に、並びに香料の分野における大量の特許文献に列挙されている。前記共成分が、制御された方法で多様なタイプの付香化合物を放出することが知られた化合物であってもよいことも理解される。
"香料補助剤"とは、本明細書では、付加的に加えられる利点、例えば色、特別な耐光性、化学的安定性等を付与することのできる成分を意味する。付香ベースにおいて通常使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅されることができないが、しかし、前記成分が当業者に十分知られていることが言及されなければならない。
式(I)の少なくとも1種の化合物と少なくとも1種の香料キャリヤーとからなる本発明の組成物、並びに式(I)の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種の香料キャリヤーと、少なくとも1種の香料ベースと、任意に少なくとも1種の香料補助剤とを含んでなる付香組成物は、本発明の特別な実施態様を表す。
本明細書では、前記の組成物中で、式(I)の1種よりも多い化合物を有するという可能性が重要であることを言及することが有用である、それというのも、このことが調香師に、本発明の多様な化合物の香調を有し、こうして彼の研究のための新しい道具を生み出す、アコード、香水を調製することを可能にするからである。
明快さのために、化学合成から直接生じるあらゆる混合物、例えば本発明の化合物が出発製品、中間生成物又は最終生成物として含まれているかもしれない適切な精製なしでの反応媒体が、前記混合物が本発明による化合物を香料に適している形で提供しない限り、本発明による付香組成物と考慮されることができないだろうことも理解される。故に、未精製の反応混合物は、他に特記されない限り、本発明から一般的に除外される。
さらに、本発明の化合物は、現代的な香料、すなわちファイン又は機能性香料の全ての分野において、前記化合物(I)が添加されるコンシューマー製品のにおいを積極的に付与又は変調するのに有利に使用されることもできる。その結果、次のもの:
i)付香成分として、上記で定義されるような式(I)の少なくとも1種の化合物;及び
ii)香料コンシューマーベース;
を含んでなる付香コンシューマー製品は、本発明の対象でもある。
本発明の化合物は、そのものとして又は本発明の付香組成物の一部として添加されることができる。
明快さのために、"付香コンシューマー製品"とは、少なくとも1種の付香効果を送達することが予測されるコンシューマー製品を意味し、言い換えれば、付香されたコンシューマー製品であることが言及されなければならない。明快さのために、"香料コンシューマーベース"とは、本明細書では、機能性調合物、並びに任意に、付香成分と適合性であり、かつ適用される表面(例えば皮膚、毛髪、テキスタイル又は家庭用品の表面)に快いにおいを送達することが予測されるコンシューマー製品に相応した、付加的な作用物質を意味することが言及されなければならない。言い換えれば、本発明による付香コンシューマー製品は、機能性調合物、並びに任意に、所望のコンシューマー製品、例えば洗剤又はエアフレッシュナーに相応した、付加的な作用物質、及び嗅覚的有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を含んでなる。
前記香料コンシューマーベースの成分の性質及びタイプは、本明細書ではより詳細な説明を保証せず、これらはいずれにせよ網羅されないが、その際に当業者はそれらを、彼の一般的な知識に基づいて及び前記製品の性質及び所望の効果に従って選択することができる。
適した香料コンシューマーベースの限定されない例は、香水、例えばファインフレグランス、コロン又はアフターシェーブローション;ファブリックケア製品、例えば液体又は固体洗剤、織物柔軟剤、ファブリックリフレッシュナー、アイロンウォーター、紙、又は漂白剤;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えばシャンプー、染色料又はヘアスプレー)、化粧品(例えばバニシングクリーム又はデオドラント又は制汗剤)、又はスキンケア製品(例えば付香されたせっけん、シャワー又はバスムース、油又はゲル、又は衛生製品);エアケア製品、例えばエアフレッシュナー又は"すぐに使える"粉末状エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えばワイパー、台所用洗剤又は硬質表面用洗剤であってよい。
前記のコンシューマー製品ベースの一部は、本発明の化合物にとって攻撃的な媒体でありうるので、後者の本発明の化合物を早期の分解から、例えばカプセル封入により又は本発明の成分を適した外部刺激、例えば酵素、光、熱又はpHの変化の際に放出するのに適している他の化学薬品に化学結合させることにより保護するために必要でありうる。
本発明による化合物が多様な前記の物品又は組成物中へ配合されることができる割合は、幅広い範囲の値にわたる。これらの値は、付香されるべき物品の性質及び所望の官能的効果並びに本発明による化合物が当工業界において通常使用される付香共成分、溶剤又は添加剤と混合される場合に与えられるベース中の前記共成分の性質に依存している。
例えば、付香組成物の場合に、典型的な濃度は、配合される前記組成物の質量を基準として、本発明の化合物の0.01質量%〜15質量%又はさらにそれを上回るオーダーである。これらよりも低い、例えば0.001質量%〜7質量%のオーダーの、濃度は、これらの化合物が付香された物品中へ配合される場合に使用されることができ、その際に百分率は前記物品の質量を基準とする。
本発明の化合物は、適したフェノール((R32(OR2)C62OH)と、適した、例えば式ClCOOR1の、モノアルキルカルボナート誘導体との間の反応を含んでなる方法により製造されることができる。
そのような方法の具体的な例は、本明細書では以下の実施例に提供される。
本発明は目下、次の例を用いてさらに詳細に記載されるが、その際に略符号は当工業界において通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示されており;NMR分光データを、CDCl3中で(他に記載しない限り)1H及び13Cについて360又は400MHz機で記録し、化学シフトδは標準としてTMSに対するppmで示されており、結合定数JはHzで表現される。
例1
式(I)の化合物の合成
A)2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナートの製造:
2−メトキシ−4−メチルフェノール(250ミリモル)を、ピリジン(392ミリモル)及びDMAP(N,N−ジメチル−4アミノピリジン、4.26ミリモル)を有する乾燥ジクロロメタン(500ml)中に溶解させた。クロロギ酸メチル(317ミリモル)をこの溶液にゆっくりと添加し、反応生成物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をついで2M HCl溶液(120ml)上へ注ぎ、水層をジクロロメタン(50ml)で2回抽出した。ついで合一した有機層を水(100ml)で2回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過した。溶剤を蒸発させ、残留物を減圧(120〜140℃、0.4mbar)下で蒸留して、純2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナート38g(186ミリモル、収率74%)が得られた。
Figure 2013525535
B)4−アリル−2−メトキシ−フェニル=メチル=カルボナートの製造:
A)に記載されたのと同じ手順に従い、オイゲノール(45ミリモル)から出発して、4−アリル−2−メトキシフェニル=メチル=カルボナート(18ミリモル、収率40%)が得られた。
Figure 2013525535
C)2−メトキシ−4−プロピル−フェニル=メチル=カルボナートの製造:
A)に記載されたのと同じ手順に従い、ジヒドロオイゲノール(20ミリモル)から出発して、2−メトキシ−4−プロピル−フェニル=メチル=カルボナート(8ミリモル、収率40%)が得られた。
Figure 2013525535
D)2−メトキシ−5−メチル−フェニル=メチル=カルボナートの製造:
A)に記載されたのと同じ手順に従い、2−メトキシ−5−メチルフェノール(72ミリモル)から出発して、2−メトキシ−5−メチル−フェニル=メチル=カルボナート(50ミリモル、収率69%)が得られた。
Figure 2013525535
E)2−メトキシ−4−エチル−フェニル=メチル=カルボナートの製造:
A)に記載されたのと同じ手順に従い、4−エチル−2−メトキシ−フェノール(72ミリモル)から出発して、2−メトキシ−4−エチル−フェニル=メチル=カルボナート(45ミリモル、収率63%)が得られた。
Figure 2013525535
F)2−メトキシ−4−プロピル−フェニル=エチル=カルボナートの製造:
A)に記載されたのと同じ手順に従い、ジヒドロオイゲノール(75ミリモル)から出発して、2−メトキシ−4−プロピル−フェニル=エチル=カルボナート(66ミリモル、収率87%)が得られた。
Figure 2013525535
例2
付香組成物の製造
オリエンタルタイプの女性用香水を、次の成分を混合することにより製造した:
成分 質量部
イソオイゲノールアセタート 100
スチラリルアセタート 300
アニスアルデヒド 150
ベンズアルデヒド 50
アンスラニル酸メチル 50
2−メチル−ペンタン酸エチル 50
1,4−ジオキサ−5,17−シクロヘプタデカンジオン 900
10%* マルトール 100
クマリン 50
オイゲノール 100
Florol(R) 1) 200
ゲラニオール 200
Hedione(R) 2) 3200
3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール 3) 100
1,3−ベンゾジオキソール−5−カルボアルデヒド 3) 300
Iralia(R) 4) 300
Iso E Super(R) 5) 700
イソジャスモン 50
Kephalis 6) 300
10%* Liffarome 7) 50
マンダリン精油 400
6,6−ジメトキシ−2,5,5−トリメチル−2−ヘキセン 300
メチルナフチルケトン 100
Muscenone(R) 8) Delta 200
パッチュリ精油 200
シス−3−ヘキセノールサリチラート 300
10%* 2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド 250
計 9000
* ジプロピレングリコール中
1) テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
2) シス−ジヒドロジャスモン酸メチル;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) 出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
4) メチルイオノン類異性体の混合物;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
5) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;出所:International Flavors & Fragrances, USA
6) 4−(1−エトキシエテニル)−3,3,5,5−シクロヘキサン−1−オン;出所:Givaudan SA、ヴァルニエ、スイス
7) 炭酸3−ヘキセニル−メチル;出所:International Flavors & Fragrances, USA
8) 3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス。
前記の組成物への2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナート1000質量部の添加はこのフレグランスにバニリンの天然バニラ甘味特性を付与したが、しかしバニリンを添加したときのような着色を与えることはなかった。本発明の化合物の代わりに、同じ量の3−ヒドロキシ−2−メチル−4(4h)−ピラノン又は2−エチル−3−ヒドロキシ−4(4h)−ピラノン、すなわち公知で広範に使用されるバニリンの2種の代用品を添加した場合には、そのフレグランスは着色をしなかったが、しかし嗅覚的効果は、バニリンのものとは前記フレグランスがフレーバー様でチョコレートの暗示的意味を得たという点で有意に異なっていて、本発明の化合物を用いては観察されない効果であった。
本発明の化合物の代わりに、同じ量の4−ジメトキシベンズアルデヒド、すなわち公知で広範に使用されるバニリンの他の代用品を添加した場合には、そのフレグランスは着色をしなかったが、しかし嗅覚的効果は本発明の化合物を用いて得られたものよりもはるかに弱かった(10倍も弱い)。
例3 付香組成物の製造
オリエンタルタイプのせっけん用付香組成物を、次の成分を混合することにより製造した:
成分 質量部
酢酸ベンジル 200
ガイオールアセタート 100
スチラリルアセタート 10
アミルシンナミックアルデヒド 220
10%* C11レニック(lenique)アルデヒド 20
C12アルデヒド 10
10%* にがよもぎ精油 150
Cashmeran(R) 1) 10
シダー精油 10
シトロネロール 10
クマリン 50
Doremox(R) 2) 10
オイゲノール 100
ゲラニオール 40
ゼラニウム精油 20
Hedione(R) 3) 140
Lilial(R) 4) 160
リナロール 20
Lorysia(R) 5) 200
Lyral(R) 6) 100
10%* クリスタルモス精油 40
Muscenone(R) 7) Delta 20
Nirvanol(R) 8) 20
10%* γ−ノナラクトン 10
10%* パッチュリ精油 50
フェネチロール 300
10%* 4−メチルフェニル=フェニルアセタート 40
プロピオン酸ベンジル 10
アミルサリチラート 200
ベンジル2−ヒドロキシベンゾアート 250
Sclareolate(R) 9) 20
テルピネオール 10
γ−ウンデカラクトン 20
(2,2−ジメトキシエチル)ベンゼン 20
Vertofix(R) 10) Coeur 340
イラン精油 20
計 2950
* ジプロピレングリコール中
1) 1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4−インデノン;出所:International Flavors & Fragrances, USA
2) テトラヒドロ−4−メチル−2−フェニル−2H−ピラン;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) シス−ジヒドロジャスモン酸メチル;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
4) 3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール;出所:Givaudan SA、ヴァルニエ、スイス
5) 4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセタート;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
6) 4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド;出所:International Flavors & Fragrances, USA
7) 3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
8) 3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
9) プロピル(S)−2−(1,1−ジメチルプロポキシ)プロパノアート;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
10) メチルセドリルケトン;出所:International Flavors & Fragrances, USA。
前記の組成物への2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナート50質量部の添加は前記の組成物に、バニリンにより付与されたものに類似したバニラ様甘味を付与した。
上記組成物及び本発明の化合物を含むせっけんは変色しなかったのに対し、上記組成物及びバニリンを含むせっけんは3日以内に完全に褐色になった。

Claims (9)

  1. 式(I)
    Figure 2013525535
    [式中、R1はC1〜3 炭化水素基を表し;
    2はC1〜3 炭化水素基を表し;かつ
    一方のR3はC1〜3 炭化水素基を表し、かつ他のR3は水素原子を表す]の化合物の付香成分としての使用。
  2. 前記化合物が、式
    Figure 2013525535
    [式中、R1及びR2は請求項1に記載されたのと同じ意味を有し、かつR4はC1〜3 炭化水素基を表す]の化合物である、請求項1記載の使用。
  3. 前記化合物がC10〜C12化合物である、請求項1記載の使用。
  4. 前記化合物が2−メトキシ−4−メチル−フェニル=メチル=カルボナート又は4−アリル−2−メトキシ−フェニル=メチル=カルボナートである、請求項1記載の使用。
  5. 前記化合物が、付香組成物又は付香された物品にスパイシー及び/又はバルサミックな香調を付与、強化、改良又は変調するのに使用される、請求項1記載の使用。
  6. 付香組成物であって、
    i)付香成分として、請求項1から4までのいずれか1項に定義された式(I)の少なくとも1種の化合物;
    ii)香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1種の成分;及び
    iii)任意に少なくとも1種の香料補助剤
    を含有する、付香組成物。
  7. 付香コンシューマー製品であって、
    i)請求項1から5までのいずれか1項に定義された式(I)の少なくとも1種の化合物;及び
    ii)香料コンシューマーベース
    を含有する、付香コンシューマー製品。
  8. 前記香料コンシューマーベースが香水、ファブリックケア製品、ボディケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である、請求項7記載の付香コンシューマー製品。
  9. 香料コンシューマーベースがファインフレグランス、コロン、アフターシェーブローション、液体又は固体洗剤、織物柔軟剤、ファブリックリフレッシュナー、アイロンウォーター、紙、漂白剤、シャンプー、染色料、ヘアスプレー、バニシングクリーム、デオドラント又は制汗剤、付香されたせっけん、シャワーもしくはバスムース、シャワーもしくはバスオイル又はシャワーもしくはバスゲル、衛生製品、エアフレッシュナー、"すぐに使える"粉末状エアフレッシュナー、ワイパー、台所用洗剤又は硬質表面用洗剤である、請求項7記載の付香コンシューマー製品。
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