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JP2013238654A - 画像形成装置およびプログラム - Google Patents

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JP2013238654A
JP2013238654A JP2012109785A JP2012109785A JP2013238654A JP 2013238654 A JP2013238654 A JP 2013238654A JP 2012109785 A JP2012109785 A JP 2012109785A JP 2012109785 A JP2012109785 A JP 2012109785A JP 2013238654 A JP2013238654 A JP 2013238654A
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Masakazu Takahashi
正和 高橋
Takayuki Uchiyama
隆幸 内山
Masami Tanese
雅巳 種瀬
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Abstract

【課題】第1面に第1のトナー像を形成した後に、第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成する際に、その第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐ。
【解決手段】転写部14は、搬送部16から搬送されてきた用紙P(媒体)の一方の面にトナー像を転写(形成)する。定着部15は、用紙Pに形成されたトナー像を定着させる。搬送部16は、用紙Pの第1面に形成された第1のトナー像を定着部15が定着させた後、転写部14に第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を転写させ、定着部15にこの第2のトナー像を定着させるように搬送する。制御部19は、定着部15に第1のトナー像および第2のトナー像をそれぞれ異なる条件で定着させる場合に、第1のトナー像を定着させることで用紙Pが失う水分量が、第1のトナー像および第2のトナー像の両方を定着させることでその用紙Pが失う水分量の60%以下になるように、その条件を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
特許文献1には、転写材収納トレイに収納されている転写材を転写材搬送手段によって転写材担持体に搬送供給するとともに、その転写材を転写材担持体上に担持させ、その転写材担持体上の転写材に、像担持体上に形成されるトナー像を転写する画像形成装置において、転写材搬送手段の転写材搬送路で、転写材収納トレイから取り出された転写材を加湿する転写材加湿装置を備えていることを特徴とする画像形成装置が記載されている。
特開平6−324544号公報
本発明は、第1面に第1のトナー像を形成した後に、第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成する際に、その第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことを目的とする。
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、画像に応じたトナー像を媒体の一方の面に形成する形成部と、前記形成部により形成されたトナー像を定着させる定着部と、前記形成部により媒体の第1面に形成された第1のトナー像を、前記定着部が定着させた後、当該形成部に前記第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、前記定着部に当該第2のトナー像を定着させるように搬送する搬送部と、前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ異なる条件で定着させる場合に、前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第1のトナー像および前記第2のトナー像の両方を定着させることで当該媒体が失う水分量の60%以下になるように、当該条件を制御する制御部とを具備することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の態様において、前記定着部は、決められた温度になるように前記媒体を加熱して前記トナー像を定着させ、前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの温度を、前記第2のトナー像を定着させるときの温度よりも低くなるように、前記条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記定着部は、決められた圧力で前記媒体を加圧して前記トナー像を定着させ、前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの圧力を、前記第2のトナー像を定着させるときの圧力よりも小さくなるように、前記条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の態様において、前記定着部は、決められた時間をかけて前記トナー像を定着させ、前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの時間を、前記第2のトナー像を定着させるときの時間よりも短くなるように、前記条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の態様において、前記搬送部は、前記形成部が前記媒体の前記第2面に第2のトナー像を形成しない場合に、前記第1のトナー像を前記定着部が定着させた後、当該媒体を外部に搬送し、前記制御部は、前記第2のトナー像を形成する場合に前記定着部が前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第2のトナー像を形成しない場合に前記第1のトナー像を定着させることで当該媒体が失う水分量の70%以下になるように、前記条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の態様において、前記制御部は、計測部により計測された湿度が決められた値を超えた場合に、前記定着部が前記第1のトナー像を定着するときの条件と、前記第2のトナー像を定着するときの条件とを変えないことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項1から6のいずれか1項に記載の態様において、前記制御部は、前記媒体の質に応じて決められた互いに異なる条件で、前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ定着させるように、当該条件を制御することを特徴とする。
本発明の請求項8に係るプログラムは、画像に応じたトナー像を媒体の一方の面に形成する形成部と、前記形成部により形成されたトナー像を定着させる定着部と、前記形成部により媒体の第1面に形成された第1のトナー像を、前記定着部が定着させた後、当該形成部に前記第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、前記定着部に当該第2のトナー像を定着させるように搬送する搬送部とを具備する画像形成装置のコンピュータを、前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ異なる条件で定着させる場合に、前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第1のトナー像および前記第2のトナー像の両方を定着させることで当該媒体が失う水分量の60%以下になるように、当該条件を制御する制御手段として機能させるためのプログラムである。
請求項1、8に係る発明によれば、第1のトナー像および第2のトナー像を共通する条件下で定着部に定着させる場合に比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことができる。
請求項2に係る発明によれば、媒体を共通する温度で加熱して第1のトナー像および第2のトナー像をそれぞれ定着させる場合に比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことができる。
請求項3に係る発明によれば、媒体を共通する圧力で加圧して第1のトナー像および第2のトナー像をそれぞれ定着させる場合に比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことができる。
請求項4に係る発明によれば、第1のトナー像および第2のトナー像を共通する時間にわたって定着部に定着させる場合に比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐ
ことができる。
請求項5に係る発明によれば、第2面に第2のトナー像を形成しないときと共通する条件下で第1のトナー像を定着させた後に、第2面に第2のトナー像を形成する場合と比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことができる。
請求項6に係る発明によれば、第2のトナー像が定着し難くならない場合に、第1のトナー像の定着が不完全になることを防ぐことができる。
請求項7に係る発明によれば、媒体の質と無関係に決められた条件で定着部に第1のトナー像および第2のトナー像をそれぞれ定着させる場合に比べて、第2のトナー像が定着し難くなることを防ぐことができる。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す図である。 定着部における定着の各条件と、定着後含水率との関係を示す図である。 定着前含水率と、定着後含水率との関係を示す図である。 プログラムに予め書き込まれているパラメータを示す図である。 画像形成装置の動作の流れを示すフロー図である。 変形例における紙種と定着熱量を示す図である。 変形例における定着熱量ごとの各条件を示す図である。
1.実施形態
1−1.全体構成
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、容器11と、供給部12と、現像部13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15と、搬送部16と、制御部19を備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部13Y,13M,13C,13Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部13」とする。
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、CPUがROMや図示しない記憶部に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより画像形成装置1の各部を制御する。
容器11は、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pを収容するとともに、例えば、収容された用紙Pを供給部12が有する供給ロールに押し付けるなどして、供給部12が用紙Pを供給することを補助する。媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシート等であってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
画像形成装置1は、容器11を複数備えていてもよい。具体的には、画像形成装置1は、図1に示すように、容器11a,11b,11c,11dの4つの容器11を備えており、その各上面にそれぞれ対向する位置に対応する供給部12a,12b,12c,12dが配置されている。また、図1に示す画像形成装置1の左側面には軸SFTを中心に反時計回りに回転することで、上面に用紙Pを収容する姿勢となる容器11eが備えられている。この容器11eに収容された用紙Pの供給方向における先端側には、対応する供給部12eが配置されている。
各供給部12は、複数の供給ロールを有し、これら供給ロールによって対応する容器11からそれぞれ用紙Pを取り出して搬送部16のレジストロール61へ供給する。レジストロール61に供給された用紙Pは、そこで停止させられて搬送方向に対してまっすぐな姿勢になるように先端側の縁の位置が調整される。
搬送部16は、レジストロール61、出口ロール62、排出ロール63、および再送ロール64a,64b,64c(以下、特に区別の必要がない場合は、これらを総称して「再送ロール64」と記す)を備える。レジストロール61は、決められたタイミングで回転し、停止させられている用紙Pを転写部14へ搬送する。出口ロール62は、定着部15の下流側(図1において上方)に配置され、転写部14および定着部15を経た用紙Pを、経路r1を通して排出ロール63へ搬送する。
排出ロール63は、出口ロール62から搬送された用紙Pを画像形成装置1の外側にある排紙置場STOへ搬送する。また、排出ロール63は、用紙Pの後端部を挟持している間に図示しない切替ゲートによって用紙Pの通る経路が経路r1から経路r2に切り替えられた後、逆方向に回転して用紙Pを再送ロール64aに搬送する。用紙Pは、再送ロール64a→64b→64cによってこの順に搬送され、再びレジストロール61へ搬送される。再びレジストロール61へ搬送された用紙Pは、最初にレジストロール61へ搬送されたときと表裏が反転され、先端と後端が逆の状態となる。
各現像部13は、感光体ドラム31と、帯電器32と、露光装置33と、現像器34と、一次転写ロール35と、ドラムクリーナ36と、トナーカートリッジ39とを備えている。現像剤収容器としてのトナーカートリッジ39Y、39M、39C、39Kは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナーを収容する収容空間を有しており、これらのトナーを対応する現像部13Y、13M、13C、13Kの現像器34に供給する。
感光体ドラム31は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により回転させられる。帯電器32は感光体ドラム31の表面を帯電させる。露光装置33はレーザ発光源やポリゴンミラーなど(いずれも図示せず)を備え、制御部19によって制御され、画像を示す画像データに応じたレーザ光を、帯電器32により帯電させられた後の感光体ドラム31に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム31には潜像が保持される。
なお、上記の画像データは、図示しない通信部を介して制御部19が外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば画像データを記憶した記憶装置や、原稿から画像を読み取ってその画像を示す画像データを生成する読取装置などである。
現像器34はトナーカートリッジ39から供給されたY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器34に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム31の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム31表面で露光装置33により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム31に、上記の画像に応じたトナー像が形成(現像)される。
一次転写ロール35は転写部14の中間転写ベルト41が感光体ドラム31と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト41にトナー像を転写する。ドラムクリーナ36は、トナー像の転写後に感光体ドラム31の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム31の表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ36は、次のトナー像の形成に備えて、感光体ドラム31から不要なトナーや電荷を除去するものである。
転写部14は、中間転写ベルト41と、二次転写ロール42と、ベルト搬送ロール43と、バックアップロール44と、ベルトクリーナ49とを備えており、現像部13によって形成されたトナー像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する。中間転写ベルト41は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44はこの中間転写ベルト41を架け渡す。ベルト搬送ロール43およびバックアップロール44の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト41を図中の矢印D14方向に移動させる。
なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール43またはバックアップロール44は、中間転写ベルト41の移動に伴って回転する。中間転写ベルト41が図中の矢印D14方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト41上のトナー像は、二次転写ロール42とバックアップロール44とに挟まれる領域に移動させられる。
二次転写ロール42は、中間転写ベルト41との電位差によって、中間転写ベルト41上のトナー像を搬送部16から搬送されてきた用紙Pに転写させる。これにより用紙Pの面のうち、中間転写ベルト41に対向する側の面にはトナー像が形成される。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト41の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部14または搬送部16は、トナー像が転写された用紙Pを定着部15へと搬送する。
以上、説明した現像部13および転写部14は、画像に応じたトナー像を用紙P(媒体)の一方の面に形成する。すなわち、これら現像部13および転写部14は、本発明における形成部の一例である。
定着部15は、例えば磁界を発生させる磁界発生回路と、発生した磁界が作用して生じる電磁案内によって発熱する加熱ベルトと、加熱ベルトとの間で用紙Pを挟んで搬送する加圧ロールとを有する。定着部15は、用紙Pを加熱して用紙Pに転写されたトナー像を定着させる。すなわち、定着部15は、本発明における定着部の一例である。定着部15を経てトナー像が定着された用紙Pは、搬送部16によって画像形成装置1の外部に搬送されたり、反転させられて再び転写部14へ搬送されたりする。
1−2.定着部の構成
図2は、定着部15における定着の各条件と、定着後の用紙Pの含水率(以下、定着後含水率という)との関係を示す図である。含水率とは、例えば用紙Pに含まれる水分の重量を、用紙Pの乾燥重量で割った百分率で表される。定着部15は、決められた温度になるように加熱することで用紙Pに形成されたトナー像を定着させるが、この決められた温度が高いほど、図2(a)に示す通り定着後含水率が下がる。また、定着部15は、決められた圧力で加圧ロールが加熱ベルトを加圧することで用紙Pに形成されたトナー像を定着させるが、この決められた圧力が大きいほど、図2(b)に示す通り定着後含水率が下がる。また、定着部15は、決められた時間をかけてトナー像の定着処理をするが、この決められた時間が長いほど、図2(c)に示す通り定着後含水率が下がる。
図3は、定着前の用紙Pの含水率(以下、定着前含水率という)と、定着後含水率との関係を示す図である。図3の横軸は定着前含水率であり、縦軸は定着後含水率である。温度、圧力、時間の各条件が例えば片面印刷用の条件である「条件C0」に決められているとき、図3(a)に示す通り、定着前後の含水率の関係が決まる。すなわち、定着前含水率がW0である場合、この用紙Pを一度、定着部15によって処理させると、定着後含水率はW1となる。ここで、仮に、定着後含水率がW1となったこの用紙Pを反転させて、さらに定着部15によって処理させると、定着後含水率はW2となる。同じ「条件C0」下で2回、定着部15による定着処理をする場合、1回目および2回目にわたる全ての変化量を100%とすると、1回目のみの含水率の変化量は80%以上になる。つまり、(W1−W0)/(W2−W0)は0.8以上となる。この傾向は、用紙Pのどの面にも定着処理を施していないときの定着前含水率が或る閾値未満であるときに顕れる。
一方、1回目と2回目とを異なる条件で定着処理する場合、これら各条件を調整することで、図3(b)に示す通り、1回目および2回目にわたる全ての変化量100%に対し、1回目のみの含水率の変化量は60%以下になる。1回目の定着処理では用紙Pに残留する水分量が多くなるように、定着部15は、比較的厳しくない条件である条件C1によって定着処理を行う。この条件C1は、両面印刷における第1面用の条件である。
そして、2回目の定着処理では用紙Pに形成されたトナー像が定着するように、定着部15は、条件C1よりも厳しい条件である条件C2によって定着処理を行う。この条件C2は、両面印刷における第2面用の条件である。すなわち、定着前含水率がW0である場合、この用紙Pを一度、条件C1下で定着部15によって処理させると、定着後含水率はW3となる。そして、定着後含水率がW3となったこの用紙Pを反転させて、さらに条件C2下で定着部15によって処理させると、定着後含水率はW4となる。そして、条件C1および条件C2を選ぶことで、(W3−W0)/(W4−W0)が0.6以下になる。
なお、発明者らは、第2面を定着する前の用紙Pの含水率と、定着後のトナー像との関係を調査した結果、第2面が定着される前に用紙Pの含水率が2.0%を下回って低くなると、静電気によるトナー像の乱れが生じ易くなるという知見を得た。したがって、上述した含水率の一例として、例えば、W0=3.5%、W1=1.5%、W2=1.0%、W3=2.0%、W4=1.0%が挙げられる。この場合、定着前の用紙Pの含水率が3.5%ある。この用紙Pの第1面が条件C0で定着処理をされることで、第1面および第2面の両方が定着処理されるまでに失われる水のうち約80%が失われて含水率は1.5%になる。さらにこの条件C0で第2面が定着処理されることで、残りの約20%が失われて含水率が1.0%になる。一方、条件C1で第1面が定着処理されると、定着前の用紙Pに含まれている水は約60%が失われるだけにとどまり、含水率は2.0%になる。そして、条件C2で第2面が定着処理されると、残りの約40%が失われて含水率が1.0%になる。前者では、第2面が定着される前に用紙Pの含水率が2.0%を下回っているので、静電気によるトナー像の乱れが生じ易くなるが、後者では、その含水率が2.0%を下回っていないので、前者に比べて静電気によるトナー像の乱れが生じ難くなる。
図4は、制御部19が実行するプログラムに予め書き込まれているパラメータを示す図である。このプログラムには、両面印刷の指示がされている場合であって、定着面が第1面であるときの条件である条件C1として、温度が比較的低く、圧力が比較的小さく、時間が比較的短いパラメータがそれぞれ書き込まれている。そして、このプログラムには、両面印刷の指示がされている場合であって、定着面が、既に第1面が定着された後にトナー像の形成および定着がなされる第2面であるときの条件である条件C2として、条件C1よりも温度が比較的高く、圧力が比較的大きく、時間が比較的長いパラメータがそれぞれ書き込まれている。また、このプログラムには、片面印刷の指示がされている場合の条件である条件C0として、条件C1よりも温度が比較的高く、圧力が比較的大きく、時間が比較的長いパラメータがそれぞれ書き込まれている。なお、条件C0は、条件C2と同じ条件であってもよいが、条件C2に比べて温度が比較的低く、圧力が比較的小さく、時間が比較的短いパラメータによって決まる条件であってもよい。
1−3.画像形成装置の動作
図5は、画像形成装置1の動作の流れを示すフロー図である。制御部19は、図示しない操作部が受け付ける操作内容が両面印刷を指示するものか否かを判断する(ステップS101)。両面印刷が指示されていないと判断した場合(ステップS101;NO)、制御部19は、上述した条件C0に基づいて定着部15の処理に用いるパラメータとして、片面印刷用のパラメータを設定する(ステップS102)。そして、制御部19は、この片面印刷用のパラメータによって定着部15を制御して、片面印刷の処理を行わせる(ステップS103)。
次に、制御部19は、図示しない計測部から湿度の計測結果である計測値を取得する(ステップS104)。そして、この計測値を予め決められた閾値と比較し、湿度が閾値未満であるか否かを判断する(ステップS105)。湿度が閾値未満でないと判断した場合(ステップS105;NO)、制御部19は、片面印刷用のパラメータを設定する(ステップS106)。そして、制御部19は、この片面印刷用のパラメータによって定着部15を制御して、両面印刷の処理を行わせる。すなわち、片面印刷用のパラメータのまま、現像部13にトナー像の形成を行わせ、転写部14によって用紙Pの第1面にトナー像を転写させる。そして、制御部19は、片面印刷用のパラメータを用いて定着部15を制御して、転写されたトナー像(以下、第1のトナー像という)を用紙Pの第1面に定着させる(ステップS107)。
第1のトナー像を定着させた後、制御部19は、搬送部16を制御して用紙Pを反転させて再び転写部14へ搬送させる(ステップS108)。そして、制御部19は、片面印刷用のパラメータのまま、現像部13にトナー像の形成を行わせ、再び搬送された用紙Pの第2面にこのトナー像を転写部14によって転写させる。そして、制御部19は、片面印刷用のパラメータを用いて定着部15を制御して、転写されたトナー像(以下、第2のトナー像という)を用紙Pの第2面に定着させる(ステップS109)。
一方、湿度が閾値未満であると判断した場合(ステップS105;YES)、制御部19は、上述した条件C1に基づいて両面印刷における第1面用のパラメータを設定する(ステップS110)。そして、制御部19は、この第1面用のパラメータによって定着部15を制御して、両面印刷の処理を行わせる。すなわち、現像部13に第1のトナー像の形成を行わせ、転写部14によって用紙Pの第1面に第1のトナー像を転写させる。そして、制御部19は、第1面用のパラメータを用いて定着部15を制御して、転写された第1のトナー像を用紙Pの第1面に定着させる(ステップS111)。
第1のトナー像を定着させた後、制御部19は、搬送部16を制御して用紙Pを反転させて再び転写部14へ搬送させる(ステップS112)。搬送部16は、現像部13および転写部14(形成部)により用紙P(媒体)の第1面に形成された第1のトナー像を、定着部15が定着させた後、現像部13および転写部14(形成部)に第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、定着部15に第2のトナー像を定着させるように搬送する。すなわち、搬送部16は、本発明における搬送部の一例である。
そして、制御部19は、上述した条件C2に基づいて両面印刷における第2面用のパラメータを設定する(ステップS113)。制御部19は、現像部13に第2のトナー像の形成を行わせ、再び搬送された用紙Pの第2面にこの第2のトナー像を転写部14によって転写させる。そして、制御部19は、第2面用のパラメータを用いて定着部15を制御して、転写された第2のトナー像を用紙Pの第2面に定着させる(ステップS114)。
以上説明したとおり、画像形成装置1の制御部19は、両面印刷の際に、第1面に形成された第1のトナー像の定着に用いるパラメータと、第2面に形成された第2のトナー像の定着に用いるパラメータとを異ならせる。その結果、第1のトナー像を定着させることで用紙P(媒体)が失う水分量が、第1のトナー像および第2のトナー像の両方を定着させることでその用紙P(媒体)が失う水分量の60%以下になる。すなわち、制御部19は、本発明における制御部の一例である。これにより、第1のトナー像を定着させた後、第2のトナー像を定着させる前の用紙Pの含水率が低くなり過ぎる、すなわち、乾き過ぎることがない。
第1面の定着によって用紙Pが乾き過ぎると、この用紙Pを反転させて第2面に第2のトナー像を形成するときに、第2面と中間転写ベルト41との間に過剰な静電気が発生する場合がある。そして、この静電気が発生すると、用紙Pの第2面に転写されたトナーが中間転写ベルト41に飛び移り、用紙Pの第2面に再び転写されるといった、いわゆる静電オフセットと呼ばれる様々な現象が起こる。静電オフセットが発生すると、画像が乱れる。
一方、上述した画像形成装置1の制御部19は、第1のトナー像を定着させた後の用紙Pの含水率の変化量が、第2のトナー像まで定着させた後の用紙Pの含水率の変化量の60%以下になるように、第1のトナー像の定着に用いるパラメータと、第2のトナー像の定着に用いるパラメータとを異ならせている。そのため、静電オフセットが発生し難く、画像が乱れる可能性は抑制される。
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、制御部19が実行するプログラムには、両面印刷の指示がされている場合であって、定着面が第1面であるときの条件C1として、定着面が第2面であるときの条件C2に比べて温度が比較的低く、圧力が比較的小さく、時間が比較的短いパラメータがそれぞれ書き込まれていたが、温度、圧力、および時間の全てがパラメータとして書き込まれていなくてもよい。例えば、これらのパラメータのうち、いずれか1つがパラメータとして書き込まれていてもよい。また、このプログラムに書き込まれている上述のパラメータは、定着処理によって失われる水分量に影響するパラメータであれば、温度、圧力、および時間以外のパラメータであってもよい。
2−2.変形例2
上述した実施形態において、制御部19が実行するプログラムには、片面印刷の指示がされている場合の条件である条件C0として、条件C1よりも温度が比較的高く、圧力が比較的大きく、時間が比較的長いパラメータがそれぞれ書き込まれていたが、条件C0と条件C1との関係は以下の通りであってもよい。すなわち、条件C1に基づいて定着部15が第1のトナー像を定着させることで用紙Pが失う水分量が、条件C0によって定着部15が第1のトナー像を定着させることで用紙Pが失う水分量の70%以下になるよう、上記のプログラムにおいて、条件C0および条件C1が定められていてもよい。
なお、条件C1は、両面印刷の指示がされている場合であって、定着面が第1面であるときの条件であるから、第2のトナー像を形成する場合に第1のトナー像を定着させるときの条件である。そして、条件C0は、片面印刷の指示がされている場合の条件であるから、第2のトナー像を形成しない場合に第1のトナー像を定着させるときの条件である。したがって、制御部19は、第2のトナー像を形成する場合に定着部が第1のトナー像を定着させることで媒体が失う水分量が、第2のトナー像を形成しない場合に第1のトナー像を定着させることでその媒体が失う水分量の70%以下になるように、条件を制御する制御部の一例である。
2−3.変形例3
上述した実施形態において、湿度が閾値未満でないと判断した場合、制御部19は、片面印刷用のパラメータを設定してこれを変えないまま定着部15に両面印刷の処理を行わせていた。すなわち、制御部19は、計測部により計測された湿度が決められた値を超えた場合に、定着部が第1のトナー像を定着するときの条件と、第2のトナー像を定着するときの条件とを変えないで、定着処理を行わせていたが、第1のトナー像を定着するときの条件と、第2のトナー像を定着するときの条件とを、湿度に関わらず変えてもよい。ただし、上述したように湿度に応じて、定着部15が第1のトナー像を定着するときの条件と、第2のトナー像を定着するときの条件とを変えるか変えないかを決めるようにすることで、湿度が高く静電オフセットが起きにくいときに、第1面に形成された第1のトナー像が安定して定着される可能性が高まる。
2−4.変形例4
上述した実施形態において、両面印刷の条件C1,C2は、用紙Pの種類と無関係に決められていたが、用紙Pの種類に応じて決められていてもよい。図6は、この変形例における用紙Pの種類(以下、紙種という)と、そのそれぞれに応じた定着に必要な熱量(以下、定着熱量という)を示す図である。また、図7は、この変形例における定着熱量ごとの各条件を示す図である。図6に示すように、紙種N1は、紙種N2よりも薄いため、定着熱量が小さい。また、紙種N3は、紙種N2よりも厚いため、定着熱量が大きい。したがって、紙種N1,N2,N3のそれぞれに対応する定着熱量は、ΔQ1,ΔQ2,ΔQ3と定められている。そして、図7に示すように、制御部19が実行するプログラムには、定着熱量ごとに対応する条件がそれぞれ書き込まれている。例えば、定着熱量がΔQ1の場合には、条件C1として温度T11が書き込まれている。
上述したプログラムに基づいて、例えば、用紙Pの紙種を検知して、この紙種がN1であると判定した場合、制御部19は、定着熱量としてΔQ1を特定する。そして、制御部19は、ΔQ1に対応する条件C1として温度T11を特定し、条件C2として温度T12を特定する。その結果、制御部19は、紙種がN1であり、両面印刷が指示されている場合に、用紙Pが温度T11になるように加熱して、その第1面に形成された第1のトナー像を定着し、続いて用紙Pが温度T12になるように加熱して、その第2面に形成された第2のトナー像を定着する。この構成により、含水率と、定着後のトナー像との関係が媒体の質に応じて異なる場合であっても、種々の媒体に応じて定着処理を行うので、トナー像の乱れが生じ難くなる。
2−5.変形例5
上述した実施形態において、搬送部16は、両面印刷時に用紙Pの表裏を反転して、その用紙Pを再び転写部14へ搬送させていたが、反転させなくてもよい。要するに、搬送部16は、形成部により媒体の第1面に形成された第1のトナー像を、定着部が定着させた後、その形成部に第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、定着部に第2のトナー像を定着させるように搬送する搬送部として機能すればよい。
2−6.変形例6
制御部19によって実行されるプログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部19によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。
1…画像形成装置、11…容器、12…供給部、13…現像部、14…転写部、15…定着部、16…搬送部、19…制御部、31…感光体ドラム、32…帯電器、33…露光装置、34…現像器、35…一次転写ロール、36…ドラムクリーナ、39…トナーカートリッジ、39Y…トナーカートリッジ、41…中間転写ベルト、42…二次転写ロール、43…ベルト搬送ロール、44…バックアップロール、49…ベルトクリーナ、61…レジストロール、62…出口ロール、63…排出ロール、64…再送ロール。

Claims (8)

  1. 画像に応じたトナー像を媒体の一方の面に形成する形成部と、
    前記形成部により形成されたトナー像を定着させる定着部と、
    前記形成部により媒体の第1面に形成された第1のトナー像を、前記定着部が定着させた後、当該形成部に前記第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、前記定着部に当該第2のトナー像を定着させるように搬送する搬送部と、
    前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ異なる条件で定着させる場合に、前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第1のトナー像および前記第2のトナー像の両方を定着させることで当該媒体が失う水分量の60%以下になるように、当該条件を制御する制御部と
    を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着部は、決められた温度になるように前記媒体を加熱して前記トナー像を定着させ、
    前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの温度を、前記第2のトナー像を定着させるときの温度よりも低くなるように、前記条件を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着部は、決められた圧力で前記媒体を加圧して前記トナー像を定着させ、
    前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの圧力を、前記第2のトナー像を定着させるときの圧力よりも小さくなるように、前記条件を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記定着部は、決められた時間をかけて前記トナー像を定着させ、
    前記制御部は、前記第1のトナー像を定着させるときの時間を、前記第2のトナー像を定着させるときの時間よりも短くなるように、前記条件を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送部は、前記形成部が前記媒体の前記第2面に第2のトナー像を形成しない場合に、前記第1のトナー像を前記定着部が定着させた後、当該媒体を外部に搬送し、
    前記制御部は、前記第2のトナー像を形成する場合に前記定着部が前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第2のトナー像を形成しない場合に前記第1のトナー像を定着させることで当該媒体が失う水分量の70%以下になるように、前記条件を制御する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、計測部により計測された湿度が決められた値を超えた場合に、前記定着部が前記第1のトナー像を定着するときの条件と、前記第2のトナー像を定着するときの条件とを変えない
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記媒体の質に応じて決められた互いに異なる条件で、前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ定着させるように、当該条件を制御する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 画像に応じたトナー像を媒体の一方の面に形成する形成部と、前記形成部により形成されたトナー像を定着させる定着部と、前記形成部により媒体の第1面に形成された第1のトナー像を、前記定着部が定着させた後、当該形成部に前記第1面の反対側の第2面に第2のトナー像を形成させ、前記定着部に当該第2のトナー像を定着させるように搬送する搬送部とを具備する画像形成装置のコンピュータを、
    前記定着部に前記第1のトナー像および前記第2のトナー像をそれぞれ異なる条件で定着させる場合に、前記第1のトナー像を定着させることで前記媒体が失う水分量が、前記第1のトナー像および前記第2のトナー像の両方を定着させることで当該媒体が失う水分量の60%以下になるように、当該条件を制御する制御手段
    として機能させるためのプログラム。
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