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JP2012253339A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ Download PDF

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ハク キム、サン
Jae-Song Park
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Song-Son-Ki
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ナ チャン、ハン
Byeon-Su Kim
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Abstract

【課題】高電圧でも絶縁破壊が生じない、優れた信頼性を有する積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】積層セラミックコンデンサは、誘電体層を含む積層本体と、上記積層本体内において上記誘電体層を介して互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極とを含み、上記積層本体の幅及び厚さ方向断面において、上記第1内部電極と上記第2内部電極は幅方向にオフセットされて配置され、上記誘電体層を介して隣接する第1内部電極と第2内部電極のオフセット部の最小幅t1と上記誘電体層の平均厚さtdの比t1/tdが1〜10であることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、より詳細には、高電圧でも絶縁破壊が生じない、信頼性に優れた高容量の積層セラミックコンデンサに関する。
一般的に、コンデンサ、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタ等のセラミック材料を使用する電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体と、本体の内部に形成された内部電極と、上記内部電極と接続されるようにセラミック本体の表面に設置された外部電極とを備える。
セラミック電子部品のうち、積層セラミックコンデンサは、小型ながらも高容量が保障され、実装が容易であるという長所によりコンピュータ、PDA、携帯電話等の移動通信装置の部品として広く使用されている。
最近では、電子製品の小型化及び多機能化に従い、チップ部品も小型化及び高機能化される傾向にあるため、積層セラミックコンデンサにおいてもそのサイズが小さく、容量が大きい高容量の製品が要求されている。そこで、近年、誘電体層及び内部電極の厚さが薄くなり積層数が増加する積層セラミックコンデンサが製造されている。
しかしながら、誘電体層の薄層化、積層数の増加によって、内部電極が形成された有効容量部と内部電極が形成されないマージン部との密度差はより大きくなり、これによって、マージン部における層間剥離(delamination,デラミネーション)やクラック(crack)が発生し、メッキ液の浸透が生じ、積層セラミックコンデンサの信頼性が低下する。
一方、誘電体層の厚さが減少し、単位厚さ当たりの電圧が高くなると、低電圧を印加しても誘電体層の絶縁破壊(dielectric breakdown)が発生する可能性が高くなる。
特に、コンデンサの幅及び厚さ方向断面から見て、内部電極の幅方向両端部は、圧着過程で内部電極が伸びて楔型の形状を有するようになり、ノッチ(notch)効果によって上記端部で電界強度がより高くなり、積層方向で隣接する内部電極の端部で高い電界強度が重畳され誘電体層の絶縁破壊が発生しやすくなる。そのため、積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化には限界がある。
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点を解決するためのもので、積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化を具現するとともに、高電圧でも絶縁破壊が生じない、優れた信頼性を有する積層セラミックコンデンサを提供することにある。
上述した技術的課題を果たすために、本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサは、誘電体層を含む積層本体と、上記積層本体内において上記誘電体層を介して互いに対向するように配置される第1及び第2内部電極とを含み、上記積層本体の幅及び厚さ方向断面において、上記第1内部電極と上記第2内部電極は幅方向にオフセットされて配置され、上記誘電体層を介して隣接する第1内部電極と第2内部電極のオフセット部の最小幅t1と上記誘電体層の平均厚さtdの比t1/tdが1〜10であることができる。
また、本発明の一実施形態において、上記誘電体層の厚さtdは0.65μm以下であることができる。
また、本発明の一実施形態において、上記第1及び第2内部電極の積層数は200層以上であることができる。
また、本発明の一実施形態において、上記第2内部電極は上記第1内部電極を基準に幅方向左側と右側に交互にオフセットされることができる。
また、本発明の一実施形態において、上記最小幅t1は0.8μm〜5.8μmの範囲を有することができる。
また、本発明の一実施形態において、上記積層セラミックコンデンサの長さ、幅、厚さはそれぞれ0.6±0.09mm、0.3±0.09mm、0.3±0.09mmであることができる。
一方、本発明の他の実施形態による積層セラミックコンデンサは、第1及び第2側面を有する積層本体と、上記積層本体の内部に形成され、上記第1及び第2側面に末端がそれぞれ露出する第1及び第2内部電極と、上記第1及び第2内部電極層の間に配置され、厚さtdが0.65μm以下の誘電体層とを含み、上記積層本体の幅及び厚さ方向断面において、上記誘電体層を介して互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極の幅方向にオフセットされたオフセット部の最小幅t1と上記誘電体層の厚さtdの比t1/tdが1〜10であることができる。
また、本発明の他の実施形態において、上記誘電体層の厚さtdは上記隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離であることができる。
また、本発明の他の実施形態において、上記第1及び第2内部電極の積層数は200層以上であることができる。
また、本発明の他の実施形態において、上記第2内部電極は上記第1内部電極を基準に幅方向左側と右側に交互にオフセットされることができる。
また、本発明の他の実施形態において、上記最小幅t1は0.8μm〜5.8μmの範囲を有することができる。
また、本発明の他の実施形態において、上記積層セラミックコンデンサの長さ、幅、厚さはそれぞれ0.6±0.09mm、0.3±0.09mm、0.3±0.09mmであることができる。
一方、本発明のさらに他の実施形態による積層セラミックコンデンサは、第1及び第2側面を有する積層本体と、上記積層本体の内部に形成され、上記第1及び第2側面に末端がそれぞれ露出する第1及び第2内部電極とを含み、上記積層本体の第1方向に実質的に垂直な断面において、誘電体層を介して互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極の上記第1方向と実質的に垂直な第2方向にオフセットされたオフセット部の幅t1と上記互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離tdの比t1/tdが1〜10であることができる。
また、本発明のさらに他の実施形態において、上記互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離tdは0.65μm以下であることができる。
また、本発明のさらに他の実施形態において、上記第1及び第2内部電極の積層数は200層以上であることができる。
また、本発明のさらに他の実施形態において、上記第2内部電極は上記第1内部電極を基準に幅方向左側と右側に交互にオフセットされることができる。
また、本発明のさらに他の実施形態において、上記オフセット部の幅t1は0.8μm〜5.8μmの範囲を有することができる。
また、本発明のさらに他の実施形態において、上記積層セラミックコンデンサの長さ、幅、厚さはそれぞれ0.6±0.09mm、0.3±0.09mm、0.3±0.09mmであることができる。
上述したように、本発明による積層セラミックコンデンサによると、積層セラミックコンデンサの小型化及び高容量化を具現するとともに、高電圧でも絶縁破壊が発生せず、信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 図1の本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサをA−A'方向に沿って切断した断面図である。 図1の本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサをB−B'方向に沿って切断した断面図である。 図3のC部分を拡大した図面である。
以下では図面を参照し本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除等を通じて退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができ、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
また、各実施例の図面に示す同一または類似する思想の範囲内の機能が同一または類似する構成要素は、同一または類似する参照符号を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミックコンデンサの外観斜視図であり、図2は、図1のA−A'方向に沿った断面図であり、図3は、図1のB−B'方向に沿った断面図であり、図4は、図3のC部分を拡大した図面である。
図1から図3を参照すると、本実施形態による積層セラミックコンデンサ100は、積層本体110及び外部電極130を含むことができる。
積層本体110は直方体形状を有することができる。本実施形態において、積層方向の断面を上面Tf及び下面Bfとし、長さ方向の断面を第1及び第2短側面Sf1及びSf2とし、及び幅方向断面を第1及び第2長側面Lf1及びLf2と定義する。
一方、本実施形態の積層セラミックコンデンサにおいて、「長さ方向」は、図1の「L」方向とし、「幅方向」は「W」方向とし、「厚さ方向」は「T」方向とする。ここで、「厚さ方向」は誘電体層を積み重ねる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で使用することができる。また、内部電極が水平方向に積層される場合、上記「幅方向」と「厚さ方向」は互いに反転されることができる。また、本明細書では、上記「長さ方向」、「幅方向」及び「厚さ方向」を手順に構わずに互いに実質的に垂直な第1方向、第2方向及び第3方向としてもよい。
積層本体110は、複数の誘電体層が厚さT方向に積層されて形成されることができる。積層本体110を構成する複数の誘電体層は焼成された状態であって、隣接する誘電体層との境界は確認できない程度に一体化されていることがある。
ここで、誘電体層は高誘電率を有するセラミック粉末からなることができるが、上記セラミック粉末はこれに制限されず、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系粉末またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)系粉末等を使用してもよい。
本実施形態において、セラミック粉末の焼成後、複数の誘電体層のうち1つの誘電体層の平均厚さは0.65μm以下であることができる。
本発明の一実施形態において、上記誘電体層の厚さは、内部電極層121、122の間に配置される誘電体層の平均厚さを意味することができる。上記誘電体層の平均厚さは、図4のように、積層本体110の長さ方向断面を走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Eletron Microscope)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。例えば、積層本体110の長さL方向の中央部で切断した幅及び厚さ方向W−Tの断面を上記1万倍率の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてスキャンしたイメージから抽出された任意の誘電体層に対して、長さ方向に等間隔に設けられた30個の地点でその厚さを測定して平均値を求めることができる。上記等間隔の30個の地点は、第1及び第2内部電極121、122が重畳される領域を意味する容量形成部で測定されることができる。また、このような平均値測定を10個以上の誘電体層に拡張して平均値を測定すると、誘電体層の平均厚さを更に一般化することができる。
また、上記誘電体層の厚さは、互いに隣接する内部電極121、122の中央部との間の平均距離として定義されてもよい。例えば、スキャンされた内部電極121、122の中央部のイメージから、内部電極層の長さ方向に等間隔に設けられた30個の地点で上記隣接する内部電極121、122の中央部との距離を測定して平均距離を求めることができる。また、このように互いに隣接する内部電極間の平均距離を10対以上の内部電極層に拡張して測定すると、上記隣接する内部電極間の平均距離を更に一般化することができる。
積層本体110の内部には複数の内部電極120が形成されることができる。内部電極120は誘電体層上に形成され、焼成によって、1つの誘電体層を介して誘電体層の積層方向で対向配置されることができる。
複数の内部電極120は導電性金属で形成され、例えば、NiまたはNi合金からなることを使用することができる。上記Ni合金としては、NiとともにMn、Cr、CoまたはAlを含むことができる。内部電極120は、誘電体層をなすセラミックグリーンシートの一面にニッケル(Ni)等の金属粉末が含まれた導電性ペーストを所定のパターンで印刷することによって形成されることができる。これに制限されるものではないが、1つの内部電極の厚さは0.7μm以下であることができる。
また、本発明の一実施形態によると、内部電極が形成された誘電体層は200層以上、500層以上あるいはそれ以上積層されてもよい。
複数の内部電極120は、互いに異なる極性を有する複数の第1内部電極121及び複数の第2内部電極122を含むことができる。第1内部電極121及び第2内部電極122は積層方向に沿って誘電体層を介して互いに対向するように積層されることができる。
複数の第1内部電極121は、一端が積層本体110の第1短側面Sf1に露出し、複数の第2内部電極122は、上記第1内部電極121の露出した一端と長さ方向に対向する一端が第2短側面Sf2に露出することができる。
第1短側面Sf1に露出した複数の第1内部電極121の一端は第1外部電極131に接続され、第2短側面Sf2に露出した複数の第2内部電極122の一端は第2外部電極132に接続されることができる。
図3及び図4に示されたように、本実施形態において、積層本体110の幅及び厚さ方向断面から見て、複数の第1内部電極121及び複数の第2内部電極122は幅方向にオフセットされて配置されることができる。
特に、図4を参照すると、幅及び厚さ方向W−Tの断面において、誘電体階の平均厚さtd、第1及び第2内部電極121、122が重畳された部分の幅t2、及び上記第1及び第2内部電極121、122が重畳された部分と、それぞれの第1及び第2内部電極が上記重畳された部分とオフセットされた部分の幅t1が図示される。
一実施例において、上記幅及び厚さ方向W−Tの断面は、積層本体110の長さL方向の中央部において実質的に垂直に近く切断した断面を意味することができる。上記幅及び厚さ方向W−Tの断面は、積層本体110の長さ方向と実質的に垂直であることができる。
第1内部電極121は、誘電体層を介して厚さ方向で隣接する第2内部電極122とオフセットされる第1オフセット部121a、及び第2内部電極122と重畳される第1重畳部121bを含むことができる。同様に、第2内部電極122は、誘電体層を介して厚さ方向で隣接する第1内部電極121とオフセットされる第2オフセット部122a、及び第1内部電極121と重畳される第2重畳部122bを含むことができる。
本実施例においては、第1及び第2オフセット部121a、122aが誘電体層を介して対向する第2内部電極及び第1内部電極122、121となすオフセット部の幅t1が0.8μm〜5.8μmの範囲に設定されてBDV特性を向上させ、高温加速及び耐湿負荷の劣化を防止することができる。一実施例において、上記オフセット部の幅t1は、隣接する第1及び第2内部電極121、122がオフセットされたオフセット部の最小幅t1であることができる。
これによって、誘電体層を介して厚さ方向で隣接する第1及び第2内部電極121、122は、内部電極の長さ方向に延長される側辺が互いに重畳されないため、上記側辺に電界が集中することを抑制することができる。即ち、第1及び第2内部電極121、122が厚さ方向に重畳される部分において、幅方向の一端では、第1内部電極121の側辺と第2内部電極122の面が重畳され、幅方向の他端では、第2内部電極122の側辺と第1内部電極121の面が重畳されることができる。
本実施形態において、第1内部電極121は位置決めし、第2内部電極122は第1内部電極121を基準に幅方向左側と右側に交互にオフセットされることができる。本発明はこれに限定されず、要求される設計条件に応じて第1及び第2内部電極が多様なオフセット規則によって配置されることができる。例えば、(1)第1内部電極は位置決めし、第2内部電極が第1内部電極を基準に左側または右側にオフセットされたり、(2)第1及び第2内部電極が積層グループになって、グループ1は積層方向上側から下側に行くほど左側にオフセットされ、グループ2は積層方向上側から下側に行くほど右側にオフセットされたり、(3)内部電極が二段階ずつ左側と右側に交互にオフセットされたりするなど、多様な変形が可能である。
第1及び第2オフセット部121a、122aの最小幅t1と誘電体層の平均厚さtdの比t1/tdは1〜10であることができる。t1/tdが1未満の場合、幅及び厚さ方向W−Tの断面から見て、第1及び第2内部電極の幅方向端部間の距離が相対的に短いため、電界強度の上昇によりBDV特性が低下して高温加速試験NG率が高くなり、内部電極が形成されないマージン部と重畳部との密度差が大きいため構造欠陥による耐湿負荷試験NG率が高くなる。
また、t1/tdが10を超過すると、第1及び第2内部電極間の重畳部の面積の減少により容量低下が発生し、オフセット部の幅が大きくなることによってマージン部の幅が短くなり、切断不良率が増加する恐れがある。
外部電極130は、積層本体110の互いに対向する両側面に形成される第1外部電極131及び第2外部電極132を含むことができる。図1に示されたように、第1外部電極131は、積層本体110の第1短側面Sf1を覆うように形成されることができ、第2外部電極132は第2短側面Sf2を覆うように形成されることができる。
本実施形態において、第1外部電極131及び第2外部電極132は積層本体110の両短側面を覆うように形成されているが、本発明はこれに限定されず、第1及び第2外部電極131、132が積層本体110の両長側面Lf1、Lf2を覆うように形成されてもよい。
第1外部電極131及び第2外部電極132は互いに電気的に分離されることができる。第1外部電極131は、積層本体110の第1短側面Sf1に露出する第1内部電極121の一端と電気的に接続され、第2外部電極132は、積層本体110の第1短側面Sf1と長さ方向に対向する第2短側面Sf2に露出する第2内部電極122の一端と電気的に接続されることができる。これによって、外部電極130は外部端子の役割を果たすことができるようになる。
外部電極130は銅(Cu)または銅合金(Cu alloy)等を利用して形成されることができる。
以下、実施例及び比較例を参照して本発明をより具体的に説明するが、これは発明の具体的な理解を助けるためのものであって、本発明の範囲が実施例に限られるものではない。
本実施例による積層セラミックコンデンサは、下記の方法により製作された。
まず、チタン酸バリウム(BaTiO)等のパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥し、それぞれ1.25μm、1.1μm、0.95μmの厚さに製造された複数のセラミックグリーンシートを用意し、これによって誘電体層を形成する。
次に、ニッケルの粒子平均大きさが0.05μm〜0.2μmの内部電極用導電性ペーストを用意した。上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法で塗布して内部電極を形成した後、200層以上、例えば、230層積層してセラミック積層体を製造した。積層の際、内部電極のオフセット程度を変化させるためにオフセット部の幅を0μm〜10μmの範囲に変化させて積層した。
上記セラミック積層体を85℃で1000kgf/cmの圧力条件で等圧圧縮成形(isostatic pressing)した。
圧着が完了したセラミック積層体を個別チップ形状に切断し、切断されたチップは大気雰囲気下で230℃、60時間維持して脱バインダーを行った。その後、1200℃で内部電極が酸化されないようにNi/NiO平衡酸素分圧よりも低い10−11atm〜10−10atmの酸素分圧還元雰囲気下で焼成した。焼成後、誘電体層の平均厚さはそれぞれ0.85μm、0.65μm、及び0.55μmであり、内部電極の平均厚さは0.65μmであり、焼成後チップのサイズは0.6±0.09mm×0.3±0.09mm×0.3±0.09mm(L×W×T)を満足した。
次に、外部電極、メッキ等の工程を行って積層セラミックコンデンサとして製作した。
上記積層セラミックコンデンサの試料は内部電極のオフセット部の幅によって多様に製作された。
下記の表1は積層セラミックコンデンサの内部電極のオフセット部の幅による電気的特性、例えば、BDV特性、静電容量、切断不良率、高温加速試験NG率、及び耐湿負荷試験NG率を比較したものである。
Figure 2012253339
*表示は比較例である。
※t1:内部電極のオフセット部の最小幅、td:1つの誘電体層の平均厚さ。
表1において、切断不良率は、各試料当たりのサンプル1000個に対して切断面を検査して百分率で表し、絶縁破壊電圧(Breakdown Voltage,BDV)特性は10V/secの速度でDC電圧を印加しながら評価した。高温加速試験NG率は、各試料当たり400個のサンプルに対して135℃で9.45VのDC電圧を印加して48時間以内に絶縁抵抗が10Ω以下になったときのサンプル数を百分率で表したものであり、耐湿負荷試験NG率は、各試料当たり400個のサンプルに対して40℃、相対湿度95%で6.3VのDC電圧を印加して100時間以内に絶縁抵抗が10Ω以下になったときのサンプル数を百分率で表したものである。
表1において、試料1〜8は、誘電体層の平均厚さtdが0.85μmの場合であり、試料9〜16は、誘電体層の平均厚さtdが0.65μmの場合であり、試料17〜24は、誘電体層の厚さtdが0.55μmの場合である。
表1を参照すると、本実施例で誘電体層の平均厚さtdが0.65μmを超過する場合は、誘電体層の平均厚さtdに対する内部電極オフセット部の最小幅t1の比t1/tdにかかわらず、BDV特性、高温加速及び耐湿負荷特性が良好となる。
一方、誘電体層の平均厚さtdが0.65μm以下の場合は、誘電体層の平均厚さtdに対する内部電極のオフセット部の最小幅t1の比t1/tdによるBDV、高温加速及び耐湿負荷の特性に劣化が発生する。
即ち、t1/tdが1〜10の試料11〜13、及び試料19〜21は、BDV特性に優れ、高温加速及び耐湿負荷での劣化がないことが分かる。これは、上下の内部電極間において、上記範囲内にオフセットを持たせて積層することによって上下の内部電極の端部間の距離が相対的に長くなることによる効果と、マージン部と重畳部との密度差の減少による効果が同時に得られるためであると判断される。
一方、t1/tdが1未満の試料9、10及び試料17の場合は、コンデンサの幅及び厚さ方向断面から見て、上下の内部電極の幅方向端部間の距離が相対的に短いため、電界強度の上昇によりBDV特性が低下して高温加速試験NG率が高くなり、マージン部と重畳部との密度差が大きいため構造欠陥による耐湿負荷試験NG率が高くなる。
また、t1/tdが10を超過する試料14〜16及び試料23〜25の場合は、オフセット部の幅が大きくなることによってマージン部の幅が短くなり、メッキ液の浸透によるクラックの発生頻度が増加し、耐湿負荷特性が悪くなる。
したがって、本発明の実施例の場合、高容量を確保しながらBDV特性も向上させるとともに、高温加速試験及び耐湿負荷試験で劣化がない、高信頼性の積層セラミックコンデンサを具現できることが分かる。
本発明は上述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、添付された請求範囲により限定される。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内において多様な形態の置換、変形及び変更が可能であることは当技術分野の通常の知識を有する者には自明であり、これも添付された請求範囲に記載された技術的思想に属する。
以上、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の各実施形態から多様な変形および均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められるべきである。
100:積層セラミックコンデンサ
110:積層本体
120:内部電極
121、122:第1及び第2内部電極
130:外部電極
131、132:第1及び第2外部電極

Claims (10)

  1. 誘電体層を含む積層本体と、
    前記積層本体内において前記誘電体層を介して互いに対向するように配置される第1内部電極及び第2内部電極と
    を含み、
    前記誘電体層、前記第1内部電極、及び前記第2内部電極が積層される方向を積層方向とした場合に、
    前記積層本体の、前記積層方向と当該積層方向と垂直な幅方向との断面において、前記第1内部電極と前記第2内部電極とは相対的に前記幅方向にオフセットされて配置され、
    前記誘電体層を介して隣接する第1内部電極と第2内部電極のオフセット部の最小幅t1と前記誘電体層の平均厚さtdの比t1/tdが1〜10である積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記誘電体層の平均厚さtdは0.65μm以下である請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 第1側面及び第2側面を有する積層本体と、
    前記積層本体の内部に形成され、前記第1側面に末端が露出する第1内部電極と、
    前記積層本体の内部に形成され、前記第2側面に末端が露出する第2内部電極と、
    前記第1内部電極及び前記第2内部電極層の間に配置され、厚さtdが0.65μm以下の誘電体層と
    を含み、
    前記誘電体層、前記第1内部電極、及び前記第2内部電極が積層される方向を積層方向とし、前記第1側面及び前記第2側面の一方から他方へ向かう方向を第1方向とした場合に、
    前記積層本体の、前記積層方向と当該積層方向及び前記第1方向に垂直な幅方向との断面において、前記誘電体層を介して互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極とが相対的に前記幅方向にオフセットされたオフセット部の最小幅t1と前記誘電体層の厚さtdの比t1/tdが1〜10である積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記誘電体層の厚さtdは前記隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離である請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 第1側面及び第2側面を有する積層本体と、
    前記積層本体の内部に形成され、前記第1側面に末端が露出する第1内部電極と、
    前記積層本体の内部に形成され、前記第2側面に末端が露出する第2内部電極と
    を含み、
    前記第1側面及び前記第2側面の一方から他方へ向かう方向を第1方向とし、互いに隣接する第1内部電極及び第2内部電極の一方から他方へ向かう方向を積層方向とした場合に、
    前記積層本体の前記第1方向に垂直な断面において、誘電体層を介して互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極とが相対的に前記第1方向に垂直な第2方向にオフセットされたオフセット部の幅t1と前記互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離tdの比t1/tdが1〜10である積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記互いに隣接する第1内部電極と第2内部電極との間の距離tdは0.65μm以下である請求項5に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記第1内部電極及び前記第2内部電極の積層数は200層以上である請求項1から6の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記第2内部電極は、前記第1内部電極を基準に前記幅方向の一方側と他方側に交互にオフセットされる請求項1から7の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  9. 前記オフセット部の幅t1は0.8μm〜5.8μmの範囲を有する請求項1から8の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  10. 前記誘電体層、前記第1内部電極、及び前記第2内部電極が積層される積層方向のサイズは0.3±0.09mmであり、前記幅方向又は前記第2方向のサイズは0.3±0.09mmであり、前記積層方向と前記幅方向とに垂直な方向又は前記第1方向のサイズは0.6±0.09mmである請求項1から9の何れか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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