JP2011252886A - 印刷物の検査方法及び印刷物の検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷物の検査装置1は、撮像部が得た撮像画像と基準画像との比較結果を基に、印刷物の印刷状態を判定する欠陥判定部44と、撮像画像全体を単位として全体補正情報を算出する全体補正情報演算部41と、撮像画像全体を分割して得た分割画像単位で複数の細分化補正情報を算出する細分化補正情報演算部42と、全体補正情報及び細分化補正情報を基に、欠陥判定部44の判定における撮像画像と基準画像との位置ずれを補正する位置補正部43と、を有する。
【選択図】図3
Description
一般に、グラビア印刷機では、原反に印刷して得られる帯状の印刷物を搬送し、検査装置が有するラインセンサカメラ等の撮像手段でその印刷物の絵柄を撮像し、その際に得られる画像データに基づいて、検査を実施している。
これらの画像を基準として検査を行う場合、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれなどによって、基準画像と検査画像との位置ずれが生じることがある。
本発明は、前記課題を解決するため、基材である原反の搬送時の伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれによらず印刷物の状態を高い精度で判定するため、画像全体での位置補正結果と細分化した画像ごとでの位置補正結果を比較し、細分化した画像ごとで位置補正結果が正しいかどうかを評価するようにしたものである。
また、請求項3に係る発明は、表面及び裏面の少なくとも一方に印刷が施された印刷面が有り搬送される帯状の印刷物の検査装置であって、前記印刷物の表面及び裏面の少なくとも一方に光を照射する照射手段と、前記印刷物の搬送と同期をとり又は予め設定した所定時間間隔で前記印刷物の印刷面を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が得た撮像画像と基準画像との比較結果を基に、前記印刷物の印刷状態を判定する判定手段と、前記撮像画像全体を単位として第1位置補正用情報を算出する第1位置補正用情報算出手段と、前記撮像画像全体を分割して得た分割画像単位で複数の第2位置補正用情報を算出する第2位置補正用算出手段と、前記第1位置補正用情報及び前記複数の第2位置補正用情報を基に、前記判定手段の判定における前記撮像画像と前記基準画像との位置ずれを補正する補正手段と、を備えることを特徴とする印刷物の検査装置である。
これにより、画像全体で位置補正してもなお高い精度で印刷物の状態を判定することができるようになる。
図1は、本実施形態の印刷物の検査装置1を示す構成概略図である。
図1に示すように、検査装置1は、不図示の印刷機が印刷物10を所定速度で移動させており、その印刷機の速度と同期を取り、且つ印刷物10の表面を撮影する撮像部30と、印刷物10の表面に光を照射する反射照明部20と、印刷物10の裏面に光を照射する透過照明部21と、撮像部30により印刷物10の表面を撮影して得られた画像データ(撮像画像)を用いて、印刷物10に存在する欠陥部を抽出し、自動判定する制御・画像処理部40と、を有する。
撮像部30の分解能の範囲内で印刷機の搬送速度を一定とみなすことができる場合は、トリガー信号による撮像開始、及び予め設定した一定時間間隔の撮像のみで画像を得る方法も考えられるが、前述のように常に印刷機の搬送速度と同期を取った撮像の方が確実である。
撮像部30には撮像用のレンズ32が取り付けられており、その垂直方向に撮像対象である印刷物10が配置されている。
グラビア印刷機では、印刷物10はロール状にて製造されるため、搬送速度は一定速度の場合が多い。その場合には撮像対象が、常に撮像部30の下を通過することになるので、撮像部30としてラインセンサカメラを用いる。しかし、印刷機の種類、特に搬送の形態によっては撮像部30としてエリアセンサカメラを用いることもできる。
反射照明部20は、印刷物10と撮像部30の間に配置されており、印刷物10の表面に光を照射する第1照明部22を備える。
また、反射照明部20は、乱反射、正反射、又はその両方、又は両方を配置させつつ印刷物10の原反によってそのうちいずれかを選択する、という配置が考えられるが、印刷機の種類(印刷方式)や原反によってどの配置を選択しても構わない。
反射照明部20には撮像用のスリット31が設けられている。具体的には、撮像部30に受光する光量に影響が無ければ、スリット31は、空間であっても、ガラスや透明アクリルのような透明部材であっても構わない。
透過照明部21の種類には、適切な処理を行なえる画像が得られる光量を確保できるのであれば何を使用しても構わないが、撮像部30にラインセンサカメラを採用する場合、ライン状に照射可能な照明系が適している。具体的には、反射照明部20として、蛍光灯や伝送ライト、LED照明等を選択使用する。
また、印刷機の種類(印刷方式)や原反によって、特に透過性が低い原反を使用する場合などは、透過照明部21を配置しなくても構わない。但し、どの原反が搬送されるか未確定な印刷機に取り付ける場合などには、透過照明部21をONとOFFを切り替え可能な形態であることが適している。
図3は、制御・画像処理部40の構成例を示す。
この例は、撮像部30によって撮像された画像全体(図4(a))を幅方向及び搬送方向それぞれで6等分している状態(図4(b))を示している。このように、細分化は、画像の入力状態である矩形又は正方形に分割する手法によるものが望ましい。また、算出の都合を考慮すると、細分化した後の画像の大きさが一定となるように、等分割が望ましい。また、等分割後の画像の大きさをどの程度にするか、つまり何等分するかについては、入力される画像サイズ及び、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれの限度、即ち位置補正を実施する範囲によって状況が異なるため、具体的な数値にはこだわらない。
伸縮前の画像(図5(a))と伸縮後の画像(図5(b))とで同じ点の座標がどのように変化しているかを、画像の中央部、画像の端部の二点の座標値で示している。図5(a)から図5(b)への変化から、伸縮が起こった場合には画像の中央部と端部では、基準となる点の座標の変化の仕方が異なるということがわかる。よって、一度に画像全体を移動させる移動量を規定するような位置補正を実施する場合、全ての位置を正確に合わせることは難しいということになる。
図6では、細分化状態での集合をセルと定義し、それぞれ独立して演算処理できるように、セル(0,0)(セルのX座標が“0”、Y座標が“0”を意味)といったように全体位置に対するセル位置を記載することで、セルを弁別している。よって、セル単位で独立して位置補正演算を実施した結果は、セル数と同数になる。ここで、セルという名称自体には意味は無く、全体位置に対するセル位置による弁別手法についても、位置に応じて弁別して処理することが可能であれば特にこだわらない。また、図6(b)の演算結果は、セル全体の内、一部を表記したものである。細分化補正情報算出部42はこのような位置補正演算を行う。
図4(b)のようにセルを重複無く細分化すると、位置補正情報の演算及びその後の処理において、基準画像又は検査画像(撮像画像)を補正させる場合に、セルのサイズが基準画像と検査画像で異なるか、又はセルのサイズが異なった状態で、誤検出・誤判定を回避するために非検査処理などを実行すると、画像全体での検査が実行できなくなる可能性がある。そこで、図7のようにセルの範囲を等分割した状態から、巾(X)、及び搬送(Y)方向に、予め設定した値だけ画素(ピクセル)を大きくする、即ちオーバーラップ処理を実施しても構わない。当然、画像全体を記憶し、セル単位での演算結果を正しく反映できるのであれば、位置補正処理に係わる演算単位を等分割セル丁度の範囲で実行しても構わない。
図8のように、画像を細分化すると一回の検査における位置補正演算結果の回数がそれだけ増加するということになる。よって、位置補正演算を失敗するリスクが高くなるということになる。位置補正にて高精度な演算が実施できれば、失敗のリスクを考慮する必要が無くなるが、どんな位置補正演算も100%の精度を保つことは難しい。特に印刷物の検査においては、モザイク模様などの局所的に類似パターンが印刷されることによる位置補正演算ミス等も十分に考えられる。細分化することで逆に画像全体像が位置補正演算に反映できないということによる影響が大きい。
図9では、演算結果が列ごとに大きく異なっている。このようにセル単位で演算結果のばらつきが大きい場合、セルの演算結果が全て出揃った段階で、判断部を入れ込んだとしても、正しい補正結果を得られない可能性がある。このように一つの演算手法から得られたデータの集合体の場合、その精度によっては正しい補正が難しいということが言える。そこで、本実施形態では、画像データ全体の全体補正情報(全体補正情報演算部41が算出した情報)と細分化したセルごとの独立した細分化補正情報(細分化補正情報演算部42が算出した情報)の二種類を使って位置補正をしている。位置補正については位置補正部43が行う。
図10は、制御・画像処理部40の全体動作を示したフローチャートである。
印刷物10が所定の搬送速度にて移動し、印刷機の搬送速度及び印刷物10の伸縮と同期をとり、印刷物10の表面を撮像部30により撮像する(ステップS1)。
このとき、不良検出・判定処理(ステップS3)では、得られた画像に対して二値化、多値化処理を施して不良部位を抽出するか、予め基準となる画像(基準画像)をマスターデータとして保持しておき(記憶部45に記憶しておき)、得られた画像データとのパターンマッチングや差分処理などの画像処理を施すことで各種印刷物10の不良を検出(欠陥判定部44が検出)することができる。
本実施形態では、撮像画像全体を単位として算出した第1位置補正用情報である全体補正情報と撮像画像全体を分割して得た分割画像単位で算出した複数の第2位置補正用情報である細分化補正情報とを基に、判定における撮像画像と基準画像との位置ずれを補正している。
この結果、基材である原反の搬送時の伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれによらず、印刷物10の状態を高い精度で判定することに加えて、画像全体で位置補正してもなお高い精度で印刷物10の状態を判定することができるようになる。
本実施形態の変形例として、裏面又は両面に印刷が施され搬送される帯状の印刷物の印刷状態を検査することができる。この場合、その検査が可能となるように、撮像部30、反射照明部20、及び透過照明部21等の構成を適宜配置する。
Claims (3)
- 表面及び裏面の少なくとも一方に印刷が施された印刷面が有り搬送される帯状の印刷物の検査方法であって、
前記印刷物の表面及び裏面の少なくとも一方に光を照射しつつ、前記印刷物の搬送と同期をとり又は予め設定した所定時間間隔で前記印刷物の印刷面を撮像し、
撮像して得た撮像画像と基準画像との比較結果を基に、前記印刷物の印刷状態を判定しており、
前記撮像画像全体を単位として第1位置補正用情報を算出しかつ前記撮像画像全体を分割して得た分割画像単位で複数の第2位置補正用情報を算出し、前記第1位置補正用情報及び前記複数の第2位置補正用情報を基に、前記判定における前記撮像画像と前記基準画像との位置ずれを補正することを特徴とする印刷物の検査方法。 - 前記第1位置補正用情報により前記複数の第2位置補正用情報のうちの少なくとも一部を補正することで、前記判定における前記撮像画像と前記基準画像との位置ずれを補正することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の検査方法。
- 表面及び裏面の少なくとも一方に印刷が施された印刷面が有り搬送される帯状の印刷物の検査装置であって、
前記印刷物の表面及び裏面の少なくとも一方に光を照射する照射手段と、
前記印刷物の搬送と同期をとり又は予め設定した所定時間間隔で前記印刷物の印刷面を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が得た撮像画像と基準画像との比較結果を基に、前記印刷物の印刷状態を判定する判定手段と、
前記撮像画像全体を単位として第1位置補正用情報を算出する第1位置補正用情報算出手段と、
前記撮像画像全体を分割して得た分割画像単位で複数の第2位置補正用情報を算出する第2位置補正用算出手段と、
前記第1位置補正用情報及び前記複数の第2位置補正用情報を基に、前記判定手段の判定における前記撮像画像と前記基準画像との位置ずれを補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする印刷物の検査装置。
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JP2010128698A JP2011252886A (ja) | 2010-06-04 | 2010-06-04 | 印刷物の検査方法及び印刷物の検査装置 |
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