JP2011243408A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】システム全体を小型化すると共に、アノード及びカソードの両方からの水分を好適に回収すること。
【解決手段】燃料電池スタック12から排出されるアノードオフガスが流通するアノードオフガス排出流路a3、a4、a7、a8と、前記燃料電池スタック12から排出されたカソードオフガスの圧力を吸収するエキスパンダタービン40と、前記エキスパンダタービン40の下流側に配置され、アノードオフガスが導入される希釈器32と、前記希釈器32での凝縮水を回収する第2気液分離器42と、前記第2気液分離器42で回収された水を、エアが取り込まれる配管b1内に向って噴射する水噴射機構44とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池スタック12から排出されるアノードオフガスが流通するアノードオフガス排出流路a3、a4、a7、a8と、前記燃料電池スタック12から排出されたカソードオフガスの圧力を吸収するエキスパンダタービン40と、前記エキスパンダタービン40の下流側に配置され、アノードオフガスが導入される希釈器32と、前記希釈器32での凝縮水を回収する第2気液分離器42と、前記第2気液分離器42で回収された水を、エアが取り込まれる配管b1内に向って噴射する水噴射機構44とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池を備えた燃料電池システムに関する。
これまで、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池を備えた燃料電池システムでは、例えば、リショルム式やルーツ式のエア供給器(具体的には、ファンやコンプレッサ等)により空気を取り込み、燃料電池のカソード側に対して酸素(酸化剤ガス)を供給している。また、燃料電池のカソード側には、燃料電池を構成する電解質膜の湿潤状態を確保するべく、燃料電池で発生した生成水を回収し燃料電池に供給するエアを湿潤する加湿器が設けられている場合がある。
このような従来技術に係る燃料電池システムでは、他の構成要素と比較して加湿器の全体寸法が大きく、特に車両に搭載した場合、燃料電池システムのコンパクト化を達成することが困難となる。また、従来のエア供給器では、低風量域においてロータクリアランスからのガス漏出によって、高風量域と比較してエア圧縮効率が低下するという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、エア供給器を構成するロータのブレードに対して凝縮水を噴射することにより、低風量域におけるエア供給器のエア圧縮効率低下を回避することが可能な、蒸気改質型の燃料電池システムが開示されている。
この特許文献1に開示された燃料電池システムでは、燃料電池のアノード出口及びカソード出口から導出されたアノード流出物(未反応の水素)及びカソード流出物(水及び未反応のエア)を燃焼器で加熱し、さらに、水収集器で燃焼ガス中から水分を抽出している。さらに、この燃料電池システムでは、前記抽出された水分をリザーバで貯留し、前記リザーバで貯留された水を、インジェクタによってエア供給器(乾燥式コンプレッサ)のロータに対して噴射するように構成されている。
しかしながら、特許文献1に開示された燃料電池システムでは、燃料電池が必要とされる水分量を水噴射でまかなう必要があるため、燃料電池から排出される蒸気を液滴の状態にする必要性があり、例えば、燃焼器や水収集器(リザーバ)等の凝縮器が必要となって燃料電池システムの大型化を招来するという問題がある。
また、特許文献1に開示された燃料電池システムは、蒸気改質器(燃料改質器)を備えて構成されており、このような燃料改質器を備えていない純水素型の燃料電池システムに関し、アノード及びカソードの両方からの水分を好適に回収する具体的手段については、何ら開示乃至示唆されていない。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、システム全体を小型化すると共に、アノード及びカソードの両方からの水分を好適に回収することが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に対して酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路と、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスが流通する酸化剤オフガス排出流路と、前記燃料電池から排出される燃料オフガスが流通する燃料オフガス排出流路と、前記酸化剤オフガス排出流路に配置され、前記燃料電池から排出された酸化剤オフガスの圧力を吸収するエキスパンダと、前記エキスパンダの下流側に配置され、前記燃料電池から排出された燃料オフガスが導入される希釈器と、前記希釈器での凝縮水を回収する水回収手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、エキスパンダを希釈器の上流側に配置し、且つ、希釈器での凝縮水を回収する水回収手段を希釈器の下流側に配置することにより、カソード側の凝縮水及びアノード側の凝縮水を効率良く回収することができる。
また、本発明によれば、エキスパンダで酸化剤オフガスの排気エネルギ(圧力)を回収(吸収)しつつ、酸化剤オフガスが冷却されることによる凝縮水を利用することでカソード側の凝縮水量を増加させると共に、希釈器で燃料オフガスを希釈した後に水回収手段で凝縮水を回収することで、アノード側の凝縮水も簡易に且つ同時に回収することができる。
さらに、本発明によれば、酸化剤オフガス排出流路中にエキスパンダを備えることにより、酸化剤オフガスの圧力エネルギ(排気エネルギ)を容易に回収することができる。
また、本発明は、前記酸化剤ガス供給流路に、前記エキスパンダによる回生エネルギを得て駆動される過給器と、前記エキスパンダによる回生エネルギによらない酸化剤ガス供給器とが配置されることを特徴とする。
本発明によれば、エキスパンダで駆動される過給器を備えることにより、従来から設けられているエア供給器(例えば、エアコンプレッサやファン)のみでエアを昇圧させた場合と比較して、燃料電池へ送給される酸化剤ガス(圧縮エア)の圧力を上昇させることができ、燃料電池における必要水蒸気量を削減することができる。この結果、本発明では、加湿器の小型化に寄与することができ、終局的には、燃料電池システムの小型化を達成することができる。
さらに、本発明は、前記酸化剤ガス供給流路に、前記水回収手段からの凝縮水を受容し、前記過給器及び前記酸化剤ガス供給器の上流側に対して前記凝縮水を噴射する水噴射機構が配置されることを特徴とする。
本発明によれば、エキスパンダによる排気エネルギの回収によって酸化剤オフガスの温度が低下することで、酸化剤オフガス中の凝縮水の流量を増加させ、水噴射機構から噴射することができる噴射水量を増大させることにより、大気中から取り込まれて燃料電池に対して送給される酸化剤ガスの湿度を高くすることができる。この結果、本発明では、従来と比較して加湿器の全体寸法を小型化することができ、終局的には、燃料電池システムの小型化を達成することができる。
さらにまた、本発明は、前記希釈器内に気液分離器が設けられることを特徴とする。本発明によれば、希釈器内に気液分離器を配設して一体化することにより、燃料電池システムの小型化をより一層向上させることができる。
またさらに、本発明は、前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とにそれぞれ架け渡された加湿器が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、水噴射機構とは別個に加湿器を設けることにより、必要水蒸気量の全量を回収することが不要となり、しかも、従来技術における凝縮器(例えば、燃焼器や水収集器)等の複雑な機構が不要となって燃料電池システムを簡素に構成することができる。例えば、カソード側の凝縮水及びアノード側の凝縮水の回収だけでは不十分である場合、水噴射機構と別個に設けられた加湿器を利用して燃料電池に送給される酸化剤ガス(圧縮エア)を十分に加湿することができる。
本発明によれば、システム全体を小型化すると共に、アノード及びカソードの両方からの水分を好適に回収することが可能な燃料電池システムを得ることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムのシステム構成図である。
図1に示される燃料電池システム10は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。この燃料電池システム10は、燃料電池スタック(燃料電池)12と、燃料電池スタック12のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系14と、燃料電池スタック12のカソードに対して酸素を含むエア(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系16と、これらを電子制御する図示しない電子制御装置(以下、ECUという)とを備えている。
燃料電池スタック12は、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)をセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セルが複数積層されて構成されている。MEAは、電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟持するカソード及びアノードとを備えている。各セパレータには、溝や貫通孔からなるアノード流路18及びカソード流路20が形成されている。
この場合、アノード流路18を介して各アノードに対して水素が供給されることによって電極反応が起こり、一方、カソード流路20を介して各カソードにエアが供給されることによって電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生して燃料電池スタック12が発電可能な状態となる。このように発電可能な状態の燃料電池スタック12と、外部負荷(例えば、図示しない走行用のモータ)とが電気的に接続され、電流が取り出されることにより、燃料電池スタック12が発電するようになっている。
アノード系14は、水素が高圧で封入された水素タンク22と、エゼクタ24と、第1気液分離器26と、ドレン弁28と、パージ弁30とを備えている。
アノードの出口ポートは、配管a3、第1気液分離器26、配管a4を介して、エゼクタ24の吸引ポートに接続されている。この場合、アノード流路18から排出された未消費(未反応)の水素を含むアノードオフガス(燃料オフガス)は、配管a3、a4を流通して燃料電池スタック12の上流側に配置されたエゼクタ24に戻され、水素が循環するように構成されている。
すなわち、エゼクタ24の導出ポートとアノード流路18の入口ポートとを接続する配管a2を含む複数の配管a2、a3、a4によって、水素循環ライン(燃料ガス循環ライン)が構成され、この水素循環ライン中に第1気液分離器26が配設されている。なお、エゼクタ24を省略して電動ポンプを配置し構成してもよい。
第1気液分離器26は、前記第1気液分離器26に導入されるアノードオフガスから、アノードオフガス中に含まれる水分(結露水)を分離し、前記分離した水分を一時的に内部に貯留するものである。なお、第1気液分離器26における気液分離方式は、例えば、第1気液分離器26内において、アノードオフガスの流路断面積を増大させ、第1気液分離器26内を流通するアノードオフガスの流速を低下させることにより、水素に対して比重の大きい水分を分離する方式を採用することができる。またさらに、低温冷媒が流通する冷却管を配設し、この冷却管によってアノードオフガスを冷却して、水分を分離する方式を用いてもよい。
第1気液分離器26内で水分が分離されたアノードオフガスは、配管a4を介して、エゼクタ24に戻され、一方、分離回収された水分は、第1気液分離器26の底部(例えば、タンク部)に一時的に貯留される。
第1気液分離器26の底部は、配管a5、常閉型のドレン弁28、配管a6を介して、後記する希釈器32に接続されている。ドレン弁28は、第1気液分離器26に貯留された水分を排出するための弁であり、図示しないECUから導出される弁開信号(制御信号)によって弁開状態となると、第1気液分離器26の水分(貯留水)が、配管a5、ドレン弁28、配管a6を介して、希釈器32に流出される。
なお、ドレン弁28は、燃料電池スタック12や、燃料電池スタック12の発電電力を充電する図示しないバッテリや図示しない降圧コンバータを電源として作動する。この他、パージ弁30や後記するエア供給器36等も、燃料電池スタック12等を電源として作動する。
配管a4の途中から分岐する中間部位には、配管a7、常閉型のパージ弁30、配管a8を介して、希釈器32が接続されている。パージ弁30は、燃料電池スタック12の発電時において、水素循環ライン(配管a2〜a4)を循環するアノードオフガス(水素)に含まれる不純物(窒素等)を排出(パージ)するバルブである。なお、アノード系14において、配管a3、a4(分岐部分まで)、a7、a8は、燃料オフガス排出流路として機能するものである。
カソード系16は、駆動力を与えられることでエアを強制的に取り込み送出する過給器34と、エア供給器(酸化剤ガス供給器)36と、加湿器38と、前記過給器34に対して回転駆動力を伝達する伝達軸40aで連結されたエキスパンダタービン(エキスパンダ)40と、希釈器32と、前記希釈器32と一体的に構成された第2気液分離器(水回収手段)42と、前記過給器34及び前記エア供給器36の上流側の配管b1内に水を噴射する水噴射機構44とを備えて構成される。
過給器34は、エキスパンダタービン40の回生エネルギを得て駆動されるものであり、伝達軸40aを介して伝達される回転駆動力によって図示しないタービンブレードが回転駆動される。前記過給器34の図示しないタービンブレードが回転駆動されることにより、酸素を含むエアが取り込まれて燃料電池スタック12に供給するようになっている。前記伝達軸40aは、図示しない軸受けを介して回転自在に軸支される。この過給器34は、上流側の配管b1と、下流側の配管b2とを介してエア供給器34に接続される。なお、図1中では、エキスパンダタービン40と過給器34とが伝達軸40aを介して同軸に配設される場合を例示しているが、異軸に構成されてもよい。
エア供給器36は、例えば、エアコンプレッサやファン等からなり、エキスパンダタービン40の回生エネルギによらないで図示しない電動モータによって駆動される。このエア供給器36は、配管b3を介して加湿器38に接続され、図示しないECUからの制御信号に基づいて作動すると、配管b1から酸素を含むエアが取り込まれて燃料電池スタック12に供給するようになっている。
なお、本実施形態では、燃料電池スタック12に対する上流側に過給器34を配設し、その下流側にエア供給器36を直列に配設するようにしているが、これに限定されるものではなく、燃料電池スタック12に対する上流側にエア供給器36を配設し、その下流側に過給器34を配設するようにしてもよい。
燃料電池スタック12のカソード流路20の入口ポートに接続される配管b4とカソード流路20の出口ポートに接続される配管b5との間には、これらの配管b4、b5を跨ぐように、カソード流路20に向うエアを加湿する加湿器38が配設されている。この加湿器38は、水分交換可能な図示しない中空糸膜を備え、この中空糸膜を介して、カソード流路20に向うエアと、多湿のカソードオフガスとの間で水分が交換可能に設けられている。加湿器38とその下流のエキスパンダタービン40との間の配管b6には、カソード流路20におけるエアの圧力を制御する背圧弁46が設けられている。なお、カソード系16において、配管b1〜b4は、酸化剤ガス供給流路として機能するものである。
加湿器38の出口ポートは、配管b6を介して、エキスパンダタービン40に接続されている。このエキスパンダタービン40は、燃料電池スタック12から排出されたカソードオフガスの圧力を吸収(減圧)する回生タービンとして機能するものである。すなわち、燃料電池スタック12から排出された(比較的高圧の)カソードオフガスの排気エネルギによってエキスパンダタービン40(回生タービン)が回転駆動され、このエキスパンダタービン40の回転力(回生エネルギ)が伝達軸40aを介して過給器34に伝達されて、前記過給器34が回転駆動される。
この場合、エキスパンダタービン40がカソードオフガスで回転駆動されることにより、前記カソードオフガスが膨張して冷却される。この結果、エキスパンダタービン40を通過するカソードオフガスの圧力が低下することによりカソードオフガスの温度が低下し、カソードオフガスの一部が凝縮して凝縮水(カソード側の凝縮水)が発生する。この凝縮水及びエキスパンダタービン40を通過したカソードオフガスは、配管b7を介して下流側に接続される希釈器32に導入される。
希釈器32は、例えば、多段に積層されたボックス体からなり、各層間を連通する希釈空間が形成されている。例えば、希釈器32を構成する最下段の希釈空間部内には、第2気液分離器42が一体的に設けられている。前記希釈器32の希釈空間で希釈されたアノードオフガスが第2気液分離器42内に導入されて、水分が分離回収される。なお、第2気液分離器42は、第1気液分離器26と同一又は略同一構成からなり、その作用効果も同一であるため詳細な説明を省略する。
希釈器32は、パージ時(パージ弁30が弁開状態のとき)に配管a8から導入されるアノードオフガス中の水素を、エキスパンダタービン40から排出されるカソードオフガスで希釈するものであり、この希釈されたカソードオフガスは、第2気液分離器42を経由して大気中に排気される。さらに、希釈器32には、ドレン弁28が弁開状態となったとき、配管a5、a6を介して第1気液分離器26で貯留された水(アノード側の凝縮水)が導入される。
この結果、カソードオフガスの水分が凝縮されたカソード側の凝縮水が配管b7を通じて希釈器32内に導入されると共に、アノードオフガスの水分が凝縮されたアノード側の凝縮水が配管a5、a6を通じて希釈器32内に導入される。前記カソード側の凝縮水及び前記アノード側の凝縮水は、前記希釈器32内に一体的に設けられた第2気液分離器42に一時的に貯留される。
前記第2気液分離器42で分離回収された水(水分)は、配管b8を介して水噴射機構44に導入される。この水噴射機構44は、前記第2気液分離器42からの水を受容して、過給器34及びエア供給器36の上流側に前記水を噴射し、配管b1内を流通するエアを加湿するものである。なお、カソード系16において、配管b5〜b7は、酸化剤オフガス排出流路として機能するものである。
この水噴射機構44の構成例を図2に示す。
図2(a)は、その一例としてオリフィスタイプの水噴射機構44aを示したものであり、過給器34の上流側の配管b1中にオリフィス部50を設け、配管b1の下流側に設けられた過給器34及びエア供給器36の作用で取り込まれたエアをオリフィス部50に通すようになっている。そして、前記取り込まれたエアは、オリフィス部50を通過する際にその流速が増すと共に圧力が低下する。この減圧作用によって第2気液分離器42内に貯留された水が管路52を通じて導出され、エアが流通する配管b1に対して好適に水を噴射することができる。
図2(a)は、その一例としてオリフィスタイプの水噴射機構44aを示したものであり、過給器34の上流側の配管b1中にオリフィス部50を設け、配管b1の下流側に設けられた過給器34及びエア供給器36の作用で取り込まれたエアをオリフィス部50に通すようになっている。そして、前記取り込まれたエアは、オリフィス部50を通過する際にその流速が増すと共に圧力が低下する。この減圧作用によって第2気液分離器42内に貯留された水が管路52を通じて導出され、エアが流通する配管b1に対して好適に水を噴射することができる。
図2(b)は、その一例としてポンプタイプの水噴射機構44cを示したものであり、第2気液分離器42内の水を電動ポンプ56で吸い上げ、配管b1内に臨むインジェクタ58の先端部から電動ポンプ56で吸い上げた水を噴射させるようにしている点に特徴がある。
本実施形態に係る燃料電池システム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
本実施形態では、エキスパンダタービン40を希釈器32の上流側に配置し、且つ、水分を回収する第2気液分離器42を希釈器32の下流側(希釈器32内の底部)に配置することにより、カソード側の凝縮水及びアノード側の凝縮水を効率良く回収することができる。本実施形態では、このように構成することにより、エキスパンダタービン40でカソードオフガスの排気エネルギを回収しつつ、カソードオフガスが冷却されることによる凝縮水を利用することでカソード側の凝縮水量を増加させると共に、希釈器32でアノードオフガスを希釈した後に第2気液分離器42で水を回収することで、アノード側の凝縮水も簡易に且つ同時に回収することができる。
また、本実施形態では、燃料電池スタック12から排気されるカソードオフガスの排気流路中にエキスパンダタービン40を備えることにより、カソードオフガスの圧力エネルギ(排気エネルギ)を容易に回収することができる。さらに、前記排気エネルギの回収によってカソードオフガスの温度が低下することで、カソードオフガス中の凝縮水の流量を増加させ、水噴射機構44から噴射することができる噴射水量を増大させることにより、大気中から取り込まれて燃料電池スタック12に対して送給されるエアの湿度を高くすることができる。この結果、本実施形態では、従来と比較して加湿器38の全体寸法を小型化することができ、終局的には、燃料電池システム10の小型化を達成することができる。
さらに、本実施形態では、エキスパンダタービン40によって駆動される過給器34を備えることにより、従来から設けられている電動モータ駆動のエア供給器36(例えば、エアコンプレッサやファン)のみでエアを昇圧させた場合と比較して、燃料電池スタック12へ送給される圧縮エアの圧力を上昇させることができ、燃料電池スタック12における必要水蒸気量を削減することができる。この結果、本実施形態では、加湿器38の小型化に寄与することができ、終局的には、燃料電池システム12の小型化を達成することができる。
図3は、燃料電池スタック12に送給される圧縮エアの圧力(エア圧力)と必要水蒸気量との関係を示したものである。図3から了解されるように、圧縮エアの圧力を上昇させることにより、特定条件において圧縮エアの湿度を100パーセントとするのに必要な水蒸気量を減少させることができる。
本実施形態では、エア供給流路にそれぞれ配設され、エキスパンダタービン40の回生エネルギによって駆動される過給器34と、エキスパンダタービン40の回生エネルギによらない電動モータ駆動のエア供給器36とによって2段に過給することで圧縮エアの圧力を増大させ、燃料電池スタック12で要求される必要水蒸気量を削減することができる。この結果、本実施形態では、水噴射機構44から配管b1内の流路に対して噴射される水の流量を抑制することができると共に、加湿能力を抑制して小型化された加湿器38を用いることが可能となる。あるいは、前記加湿器38を燃料電池システム10から削減することができる。
図4は、本システムにおけるカソード系において、理解を深めるために希釈器を省略した概略構成図である。本実施形態では、カソード系16において、エキスパンダタービン40が第2気液分離器42よりも上流側に配置されることにより、エキスパンダタービン40で凝縮される凝縮水を有効に利用することができる。
すなわち、エキスパンダタービン40でカソードオフガスの排気回生を行い、前記カソードオフガスの排気圧力を減圧(吸収)させることによって、カソードオフガスの温度を低下させることができる。この結果、本実施形態では、カソードオフガス中に含まれる水分を凝縮させてカソード側の凝縮水として析出させることが可能となり、水噴射機構44から噴射される必要流量を確実且つ十分に確保することができる。
ここで、本実施形態では、図1に示したとおり第2気液分離器42がアノードオフガス中の水素を希釈する希釈器32の下流側(希釈器32内の底部)に配置されることにより、アノードから排気されるアノードオフガス(パージガス)中に含まれる水分が凝縮されたアノード側の凝縮水も希釈器32内に導入することができる。従って、水噴射機構44で噴射可能な流量を増加させることができる。しかも、本実施形態では、アノード及びカソードの両方からの凝縮水を無駄なく回収することができるため、前記凝縮水の効率的なマネージメントを遂行することができる。
また、第2気液分離器42では、希釈器32で希釈されたオフガスから水を回収するために、従来技術のような特段の機構を設けることが不要となる。従って、本実施形態では、燃料電池システム全体を簡素化して小型化を達成することができる。
図5は、比較例に係る水回収システムの概略構成図である。なお、図5中では、図1に示される本実施形態と同一の構成要素に同一の参照符号を付している。
この比較例に係る水回収システム100では、第2気液分離器42で一時的に貯留された水を送給するための配管c1が、ドレン弁28と水噴射機構44とを結ぶ配管a6に対して直接接続されるように構成されている。従って、比較例では、ドレン弁28に接続された配管a6によって水噴射機構44内に水素も流入する可能性があり、エアが取り込まれる配管b1内に対して水噴射機構44から水を噴射した場合、燃料電池スタック12の発電性能が劣化するおそれがある。この結果、比較例のような構成では、水噴射機構44内に水素が流入しないような特別な機構を設ける必要があり、システムの複雑化及び大型化を招来するという課題がある。本実施形態によれば、こうした水素流入防止の特別な機構を加える必要がないという利点も有する。
この比較例に係る水回収システム100では、第2気液分離器42で一時的に貯留された水を送給するための配管c1が、ドレン弁28と水噴射機構44とを結ぶ配管a6に対して直接接続されるように構成されている。従って、比較例では、ドレン弁28に接続された配管a6によって水噴射機構44内に水素も流入する可能性があり、エアが取り込まれる配管b1内に対して水噴射機構44から水を噴射した場合、燃料電池スタック12の発電性能が劣化するおそれがある。この結果、比較例のような構成では、水噴射機構44内に水素が流入しないような特別な機構を設ける必要があり、システムの複雑化及び大型化を招来するという課題がある。本実施形態によれば、こうした水素流入防止の特別な機構を加える必要がないという利点も有する。
またさらに、本実施形態では、水噴射機構44とは別個に、カソード流路20に向う低湿なエアと多湿なカソードオフガスとの間で水分交換可能な加湿器38を設けることにより、必要水蒸気量の全量を回収することが不要となり、従来技術における凝縮器(例えば、燃焼器や水収集器)等の複雑な機構が不要となり、燃料電池システム12を簡素に構成することができる。例えば、カソード側の凝縮水及びアノード側の凝縮水の回収だけでは不十分である場合、水噴射機構44と別個に設けられた加湿器38を利用して燃料電池スタック12に送給される圧縮エアを十分に加湿することができる。
またさらに、本実施形態では、希釈器32内に第2気液分離器42を配設して一体化することにより、燃料電池システム10の小型化をより一層向上させることができる。
10 燃料電池システム
12 燃料電池スタック(燃料電池)
26 第1気液分離器
32 希釈器
34 過給器
36 エア供給器(酸化剤ガス供給器)
38 加湿器
40 エキスパンダタービン(エキスパンダ)
42 第2気液分離器(水回収手段)
44、44a、44b 水噴射機構
b1〜b4 配管(酸化剤ガス供給流路)
b5〜b7 配管(酸化剤オフガス排出流路)
a3、a4、a7、a8 配管(燃料オフガス排出流路)
12 燃料電池スタック(燃料電池)
26 第1気液分離器
32 希釈器
34 過給器
36 エア供給器(酸化剤ガス供給器)
38 加湿器
40 エキスパンダタービン(エキスパンダ)
42 第2気液分離器(水回収手段)
44、44a、44b 水噴射機構
b1〜b4 配管(酸化剤ガス供給流路)
b5〜b7 配管(酸化剤オフガス排出流路)
a3、a4、a7、a8 配管(燃料オフガス排出流路)
Claims (5)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に対して酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給流路と、
前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスが流通する酸化剤オフガス排出流路と、
前記燃料電池から排出される燃料オフガスが流通する燃料オフガス排出流路と、
前記酸化剤オフガス排出流路に配置され、前記燃料電池から排出された酸化剤オフガスの圧力を吸収するエキスパンダと、
前記エキスパンダの下流側に配置され、前記燃料電池から排出された燃料オフガスが導入される希釈器と、
前記希釈器での凝縮水を回収する水回収手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガス供給流路には、
前記エキスパンダによる回生エネルギを得て駆動される過給器と、
前記エキスパンダによる回生エネルギによらない酸化剤ガス供給器とが配置されることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガス供給流路には、
前記水回収手段からの凝縮水を受容し、前記過給器及び前記酸化剤ガス供給器の上流側に対して前記凝縮水を噴射する水噴射機構が配置されることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の燃料電池システムにおいて、
前記希釈器内には、気液分離器が設けられることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至4のいずれか1項記載の燃料電池システムにおいて、
前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とにそれぞれ架け渡された加湿器が設けられることを特徴とする燃料電池システム。
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- 2010-05-18 JP JP2010114346A patent/JP2011243408A/ja active Pending
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