JP2011160550A - 電動モータ、電動車輌及び電動モータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モールド時にバスリングの脱落を抑制することを可能とする電動モータ、電動車輌及び電動モータの製造方法を提供する。
【解決手段】 電動モータ100は、ステータ20と、ステータ20をモールドするモールド樹脂20Aと、モールド樹脂20Aによってモールドされたステータ20を保持するように構成されたケース体10とを備える。ステータ20は、ステータ20の周方向に沿って設けられており、コイル75に接続された外周バスリング150(又は、内周バスリング160)を有する。外周バスリング150(又は、内周バスリング160)は、ケース体10の反対側に設けられる。
【選択図】 図12
【解決手段】 電動モータ100は、ステータ20と、ステータ20をモールドするモールド樹脂20Aと、モールド樹脂20Aによってモールドされたステータ20を保持するように構成されたケース体10とを備える。ステータ20は、ステータ20の周方向に沿って設けられており、コイル75に接続された外周バスリング150(又は、内周バスリング160)を有する。外周バスリング150(又は、内周バスリング160)は、ケース体10の反対側に設けられる。
【選択図】 図12
Description
本発明は、ステータをモールドするモールド樹脂を備えた電動モータ、電動車輌及び電動モータの製造方法に関する。
ステータコア、コイル及びロータを保持するケース体を備えた電動モータが知られている。電動モータは、コイルの極性反転を繰り返すことによって、ロータの回転軸を中心としてステータコアの径方向内側に設けられたロータを回転させる。また、ステータコアは、ステータティースを有しており、ステータティースには、コイルが巻き回されるインシュレータが取り付けられる。なお、電動モータは、例えば、電動車輌の動力源として用いられる。
例えば、コイルに接続されるバスリングを保持するバスリング保持部がインシュレータに設けられた電動モータが提案されている(例えば、特許文献1)。
近年、ステータコアがモールド樹脂によってモールドされた電動モータが提案されている。このようなケースでは、モールド樹脂によってステータコアをモールドする際に、ステータコアとともにバスリングもモールドされることが考えられる。モールド樹脂によってバスリングをモールドする際に、バスリングがインシュレータ(バスリング保持部)から外れてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、モールド時にバスリングの脱落を抑制することを可能とする電動モータ、電動車輌及び電動モータの製造方法を提供することを目的とする。
第1の特徴に係る電動モータ(電動モータ100)は、回転軸を中心として回転するロータ(ロータ80)と、コイル(コイル75)を有するステータ(ステータ20)と、前記ステータをモールドするモールド樹脂(モールド樹脂20A)とを備える。電動モータは、前記モールド樹脂によってモールドされた前記ステータを保持するように構成されたケース体(ケース体10)を備える。前記ステータは、前記ステータの周方向に沿って設けられており、前記コイルに接続されたバスリング(内周バスリング160、又は、外周バスリング150)を有する。前記バスリングは、前記ケース体の反対側に設けられる。
第1の特徴において、前記バスリングが配置される側には、前記ロータを収容するための開口(開口20B)が設けられる。
第2の特徴に係る電動車輌は、第1の特徴に係る電動モータを備える。
第2の特徴において、電動車輌は、前輪と、後輪と、前記後輪に取り付けられたスイングアームとをさらに備える。前記電動モータは、前記後輪の駆動源である。
第3の特徴に係る電動モータの製造方法は、回転軸を中心として回転するロータと、コイルを有するステータと、前記ステータをモールドするモールド樹脂とを備えた電動モータの製造方法である。電動モータの製造方法は、前記ステータを保持するように構成されたケース体に前記ステータを組み付ける工程Aと、前記ケース体に組み付けられた前記ステータをモールド樹脂によってモールドする工程Bとを備える。前記工程Aでは、前記ステータの周方向に沿って設けられており、前記コイルに接続されたバスリングを、前記ケース体とは反対側から前記ステータに組み付ける。
第3の特徴において、前記工程Bでは、前記ケース体とは反対側から前記モールド樹脂を射出する。
本発明によれば、モールド時にバスリングの脱落を抑制することを可能とする電動モータ、電動車輌及び電動モータの製造方法を提供する。
以下において、本発明の実施形態に係る電動モータについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態の概要]
実施形態に係る電動モータは、回転軸を中心として回転するロータと、コイルを有するステータと、ステータをモールドするモールド樹脂とを備える。電動モータは、モールド樹脂によってモールドされたステータを保持するように構成されたケース体を備える。ステータは、ステータの周方向に沿って設けられており、コイルに接続されたバスリングを有する。バスリングは、ケース体の反対側に設けられる。
実施形態に係る電動モータは、回転軸を中心として回転するロータと、コイルを有するステータと、ステータをモールドするモールド樹脂とを備える。電動モータは、モールド樹脂によってモールドされたステータを保持するように構成されたケース体を備える。ステータは、ステータの周方向に沿って設けられており、コイルに接続されたバスリングを有する。バスリングは、ケース体の反対側に設けられる。
実施形態では、ステータに設けられるバスリングがケース体の反対側に設けられる。従って、ステータをモールド樹脂によってモールドするときに生じるケース体への応力によって、バスリングの浮き上がりを抑制することができる。これによって、モールド時にバスリングの脱落が抑制される。
[第1実施形態]
(電動モータの構成)
以下において、第1実施形態に係る電動モータについて、図面を参照しながら説明する。図1及びは、第1実施形態に係る電動モータ100を示す斜視図である。
(電動モータの構成)
以下において、第1実施形態に係る電動モータについて、図面を参照しながら説明する。図1及びは、第1実施形態に係る電動モータ100を示す斜視図である。
図1〜図2に示すように、電動モータ100は、ケース体10と、ステータ20と、蓋体30と、端子カバー40とを有する。
なお、第1実施形態では、電動モータ100が三相モータ(U相、V相、W相)であるケースについて例示する。
ケース体10は、モールド樹脂20Aによってモールドされたステータ20を保持する。具体的には、ケース体10は、蓋体30とは反対側(後述するステータ20の第1主面)から、モールド樹脂20Aによってモールドされたステータ20を保持する。なお、ケース体10は、金属などのように、所定の剛性を有する部材によって構成される。ケース体10の詳細については後述する(図3を参照)。
ステータ20は、モールド樹脂20Aによってモールドされる。ステータ20は、環状形状を有しており、後述するロータ80を収容するように構成される。具体的には、ステータ20は、後述するステータコア70を有する。ステータコア70には、後述するインシュレータ76が設けられており、インシュレータ76には、後述するコイル75が巻回されている。すなわち、ステータ20は、後述するコイル75を有する。なお、モールド樹脂20Aは、熱硬化性を有する部材によって構成される。また、ステータ20の詳細については後述する(図6〜図13を参照)。
なお、以下において、ステータ20が有する面のうち、ケース体10が設けられる面を第1主面と称し、蓋体30が設けられる面を第2主面と称する。
蓋体30は、ステータ20の第2主面に設けられる。また、蓋体30は、ボルト120によってケース体10に取り付けられる。なお、蓋体30は、金属などのように、所定の剛性を有する部材によって構成される。蓋体30には、例えば、ドラム型ブレーキなどの制動機構が取り付けられる。なお、蓋体30の詳細については後述する(図4及び図5を参照)。
端子カバー40は、ケーブル130の一端に設けられたコネクタ131(コネクタ131U、コネクタ131V、コネクタ131W)を保護するカバーである。また、端子カバー40は、後述する外周バスリング150に設けられた端子151(端子151U、端子151V、端子151W)を保護する。なお、ケーブル130は、後述するコイル75に外周バスリング150を介して電力を供給するための動力線である。
回転軸111は、後述するロータ80の回転力を伝達する。例えば、回転軸111は、電動車輌に設けられる駆動輪に回転力を伝達する。
なお、以下において、環状形状のステータ20の周方向を単に「周方向」と称することに留意すべきである。環状形状のステータ20の径方向を単に「径方向」と称することに留意すべきである。回転軸111が延びる方向を単に「回転軸方向」と称することに留意すべきである。
(ケース体の構成)
以下において、第1実施形態に係るケース体の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係るケース体10を示す斜視図である。
以下において、第1実施形態に係るケース体の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係るケース体10を示す斜視図である。
図3に示すように、ケース体10は、ガイドリブ11と、突起12と、空隙13と、軸孔14と、保持部配置部15とを有する。
ガイドリブ11は、後述するステータコア70の外周の一部を保持するように構成される。具体的には、ガイドリブ11は、回転軸方向に突出する形状を有する。ガイドリブ11は、ケース体10に蓋体30を取り付けるためのボルト120がねじ込まれるボルト孔11Aを有する。
突起12は、後述するステータコア70の外周部分に設けられる溝74と係合する。具体的には、突起12は、回転軸方向に突出する形状を有する。
空隙13には、ステータコア70をモールドするモールド樹脂20Aが充填される。また、モールド樹脂20Aは空隙13から露出する。
軸孔14は、ロータ80に設けられた回転軸111をボールベアリング(不図示)などの軸受け機構とともに受け入れる孔である。
保持部配置部15には、後述するように、外周バスリング150に設けられる端子151を保持する板状の端子保持部140が嵌合される。具体的には、板状の端子保持部140の下端に、端子保持部140の板面(主面)に沿って形成されたスリット(不図示)が設けられており、保持部配置部15の下方に設けられた固定壁15Aがスリットに嵌合するように、板状の端子保持部140が保持部配置部15に取り付けられる。
(蓋体の構成)
以下において、第1実施形態に係る蓋体の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る蓋体30を示す斜視図である。図5は、第1実施形態に係る蓋体30を示す断面図である。
以下において、第1実施形態に係る蓋体の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る蓋体30を示す斜視図である。図5は、第1実施形態に係る蓋体30を示す断面図である。
図4及び図5に示すように、蓋体30は、軸孔31と、ボルト孔32と、ボルト孔33と、ボルト孔34と、補強リブ35とを有する。
軸孔31は、ロータ80に設けられた回転軸111をボールベアリング(不図示)などの軸受け機構とともに受け入れる孔である。
ボルト孔32は、ケース体10に蓋体30を取り付けるためのボルト120がねじ込まれる孔である。
ボルト孔33は、後述するスイングアームを取り付けるためのボルトが嵌挿される孔である。
ボルト孔34は、蓋体30に制動機構などを取り付けるためのボルトがねじ込まれる孔である。
補強リブ35は、蓋体30を補強するリブである。具体的には、補強リブ35は、回転軸方向に突出する形状を有する。また、補強リブ35は、周方向に沿って連続する環状形状を有する。なお、周方向において、補強リブ35の一部が不連続であってもよい。
(ステータコアの構成)
以下において、第1実施形態に係るステータコアの構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係るステータコア70を示す平面図である。
以下において、第1実施形態に係るステータコアの構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係るステータコア70を示す平面図である。
図6に示すように、ステータコア70は、環状形状を有する。ステータコア70の径方向内側には、後述するロータ80が配置される。具体的には、ステータコア70は、複数のステータコアセグメント71によって構成されており、ステータティース72及びステータヨーク73を有する。
なお、ステータコア70は、複数のステータコアセグメント71に分割されておらず、一体として形成されていてもよい。
ステータティース72は、ステータヨーク73から径方向内側に突出する形状を有する。ステータティース72には、後述するインシュレータ76が取り付けられる。インシュレータ76には、後述するコイル75が巻き回される。ステータティース72の先端72Aは、略円筒状の空洞を構成する。
ステータヨーク73は、環状形状を有しており、ステータコア70の外周を構成する。ステータヨーク73の外周側面73Aには、ケース体10の突起12と係合する溝74を有する。溝74は、軸方向に沿った形状を有する。
(モールド前のステータの構成)
以下において、第1実施形態に係るモールド前のステータの構成について、図面を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す斜視図である。図8は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す平面図である。図9は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20の一部を示す拡大断面図である。図10は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す分解斜視図である。なお、図8〜10図では、ステータ20は、ケース体10に組み付けられていることに留意すべきである。
以下において、第1実施形態に係るモールド前のステータの構成について、図面を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す斜視図である。図8は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す平面図である。図9は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20の一部を示す拡大断面図である。図10は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20を示す分解斜視図である。なお、図8〜10図では、ステータ20は、ケース体10に組み付けられていることに留意すべきである。
図8〜図10に示すように、ステータ20は、環状形状を有する。また、ステータ20は、上述したステータコア70に加えて、コイル75と、インシュレータ76と、端子保持部140と、外周バスリング150と、内周バスリング160とを有する。
コイル75は、インシュレータ76に巻き回される。ここでは、コイル75は、U相用コイル、V相用コイル及びW相用コイルを含む。
インシュレータ76は、ステータコア70のステータティース72に取り付けられる。インシュレータ76は、絶縁性部材によって構成される。インシュレータ76は、外周バスリング保持部76A及び内周バスリング保持部76Bを有する。
外周バスリング保持部76Aは、ステータ20の外周に沿って設けられており、ステータ20の周方向に沿った溝を有する。外周バスリング保持部76Aは、外周バスリング150(外周バスリング150U、外周バスリング150V及び外周バスリング150W)を溝で保持する。
内周バスリング保持部76Bは、ステータ20の外周に沿って設けられており、ステータ20の周方向に沿った溝を有する。内周バスリング保持部76Bは、内周バスリング160を保持する。
端子保持部140は、板状形状を有しており、ケース体10の保持部配置部15に配置される。具体的には、端子保持部140の下端に設けられるスリット(不図示)が保持部配置部15の固定壁15Aに嵌合される。
なお、端子保持部140は、図10に示すように、ケース体10の反対側から、保持部配置部15に設けられた固定壁15Aに嵌合される。
また、端子保持部140は、外周バスリング150の一端に設けられた端子151(端子151U、端子151V及び端子151W)を保持する。具体的には、端子保持部140は、端子151が径方向外側(A方向)を向くように端子151を保持する。
外周バスリング150は、三相(U相、V相及びW相)側の接続線を構成する。外周バスリング150は、ステータ20の外周に沿って設けられる。また、外周バスリング150の一端には、端子保持部140に配置される端子151(端子151U、端子151V及び端子151W)が設けられる。また、外周バスリング150には、コイル75の一端を接続するための係止片152(係止片152U、係止片152V及び係止片152W)が設けられる。なお、第1実施形態では、係止片152は、回転軸方向に対して略直角に折れ曲がる形状を有する。この係止片152は、コイル75の一端と接続できるように、ステータ20の径方向内側、すなわち、コイル75の方向に向かって伸びている。
なお、外周バスリング150は、図10に示すように、ケース体10の反対側から、外周バスリング保持部76Aに設けられた溝に嵌挿される。
内周バスリング160は、中性点側の接続線を構成する。内周バスリング160は、ステータ20の内周に沿って設けられる。また、内周バスリング160には、コイル75の他端を接続するための係止片162が設けられる。なお、第1実施形態では、係止片162は、回転軸方向に対して略直角に折れ曲がる形状を有する。この係止片162は、コイル75の他端と接続できるように、ステータ20の径方向外側、すなわち、コイル75の方向に向かって伸びている。
なお、内周バスリング160は、図10に示すように、ケース体10の反対側から、内周バスリング保持部76Bに設けられた溝に嵌挿される。
(モールド後のステータの構成)
以下において、第1実施形態に係るモールド後のステータの構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係るモールド後のステータ20を示す斜視図である。図12は、第1実施形態に係るモールド後のステータ20を示す断面図である。図13は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20の一部を示す拡大断面図である。なお、図11〜13図では、ステータ20は、ケース体10に組み付けられていることに留意すべきである。
以下において、第1実施形態に係るモールド後のステータの構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、第1実施形態に係るモールド後のステータ20を示す斜視図である。図12は、第1実施形態に係るモールド後のステータ20を示す断面図である。図13は、第1実施形態に係るモールド前のステータ20の一部を示す拡大断面図である。なお、図11〜13図では、ステータ20は、ケース体10に組み付けられていることに留意すべきである。
図11〜図13に示すように、ステータ20は、モールド樹脂20Aによってモールドされる。具体的には、ケース体10、ステータコア70、コイル75、インシュレータ76、端子保持部140、外周バスリング150及び内周バスリング160によって構成される一体物は、モールド樹脂20Aによってモールドされる。但し、ケース体10、端子保持部140、端子151(端子151U、端子151V及び端子151W)は、モールド樹脂20A外に露出していることに留意すべきである。
モールド樹脂20Aは、樹脂材料によって構成されており、ステータ20をモールドする。モールド樹脂20Aは、開口20Bと、切り欠き20Cと、切り欠き20Dとを有する。
開口20Bは、ケース体10の反対側に設けられる。言い換えると、開口20Bは、ステータ20の第2主面に設けられる。また、開口20Bは、図12に示すように、ロータ80を収容する開口である。なお、上述した蓋体30は、開口20Bを覆うようにケース体10に取り付けられる。
切り欠き20Cは、ケース体10の反対側に設けられる。言い換えると、切り欠き20Cは、ステータ20の第2主面(開口20Bと同じ側)に設けられる。切り欠き20Cは、回転軸方向に深さを有する溝である。切り欠き20Cは、周方向に沿って連続する環状形状を有する。なお、周方向において、切り欠き20Cの一部が不連続であってもよい。
例えば、切り欠き20Cには、図12及び図13に示すように、電動モータ100を冷却するための液媒体の流路である冷却パイプ610が配置される。
切り欠き20Dは、ケース体10の反対側に設けられる。言い換えると、切り欠き20Dは、ステータ20の第2主面(開口20Bと同じ側)に設けられる。切り欠き20Dは、回転軸方向に深さを有する溝である。切り欠き20Dは、周方向に沿って連続する環状形状を有する。なお、周方向において、切り欠き20Dの一部が不連続であってもよい。なお、切り欠き20Dは、切り欠き20Cよりも径方向内側に設けられる。
例えば、切り欠き20Dには、蓋体30の補強リブ35が配置される。また、切り欠き20Dには、図12及び図13に示すように、補強リブ35とともに、切り欠き20Dの径方向内側(すなわち、開口20B側)を封止するシール部材620(ゴムパッキング)が配置されてもよい。
ここで、図13に示すように、回転軸方向において、ケース体10の反対側に設けられるモールド樹脂20Aの表面からの切り欠き20Dの深さは、D1である。回転軸方向において、ケース体10の反対側に設けられるモールド樹脂20Aの表面からの切り欠き20Cの深さは、D3である。
回転軸方向において、外周バスリング150の上端は、ケース体10の反対側に設けられるモールド樹脂20Aの表面から、深さD2の位置に設けられる。回転軸方向において、内周バスリング160の上端は、ケース体10の反対側に設けられるモールド樹脂20Aの表面から、深さD4の位置に設けられる。
言い換えると、回転軸方向において、外周バスリング150は、内周バスリング160よりも高い位置(D4−D2)に設けられる。回転軸方向において、切り欠き20Cは、外周バスリング150の上端よりも深く(D3−D2)、内周バスリング160の上端よりも浅い(D4−D2)。
なお、第1実施形態では、回転軸方向において、切り欠き20Dは、外周バスリング150及び内周バスリング160の上端よりも浅い。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。回転軸方向において、切り欠き20Dは、外周バスリング150の上端よりも深く、内周バスリング160の上端よりも浅くてもよい。
第1実施形態では、外周バスリング150の上端は、例えば、上述した係止片152である。また、内周バスリング160の上端は、上述した係止片162である。
(電動モータの製造方法)
以下において、第1実施形態に係る電動モータの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図14〜図15は、第1実施形態に係る電動モータ100の製造方法を説明するための図である。
以下において、第1実施形態に係る電動モータの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図14〜図15は、第1実施形態に係る電動モータ100の製造方法を説明するための図である。
第1に、ステータ20をケース体10に組み付ける。具体的には、コイル75が巻き回されたインシュレータ76をステータコア70に組み付ける。続いて、外周バスリング150及び内周バスリング160をインシュレータ76に組み付けるとともに、ステータコア70及び端子保持部140をケース体10に組み付ける。このとき、外周バスリング150の一端に設けられた端子151を端子保持部140に配置する。
第2に、図14に示すように、ステータ20及びケース体10によって構成される一体物を下金型410に配置する。下金型410は、ケース体10の外形に沿った形状を有する。
第3に、図15に示すように、ステータ20及びケース体10によって構成される一体物が配置された下金型410と上金型420とを組み合わせる。ここで、上金型420は、円筒突起421と、周状突起422と、周状突起423とを有する。円筒突起421は、ロータ80を収容するための開口20Bを形成するための突起である。周状突起422は、上述した切り欠き20Cを形成するための突起である。周状突起423は、上述した切り欠き20Dを形成するための突起である。
第4に、下金型410及び上金型420によって構成される空間に樹脂材料を射出する。なお、樹脂材料の硬化によってモールド樹脂20Aが形成される。ここで、樹脂材料は、ケース体10とは反対側から射出されることに留意すべきである。すなわち、すなわち、外周バスリング150及び内周バスリング160は、樹脂材料の射出によってケース体10への応力を受ける。
なお、端子保持部140がモールド樹脂20Aから径方向外側に露出するように、下金型410及び上金型420が組み合わされることに留意すべきである。
(作用及び効果)
第1実施形態では、内周バスリング160が、回転軸方向において、外周バスリング150よりも深い位置に設けられる。従って、電動モータ100のサイズを拡大せずに、外周バスリング150よりもステータ20の径方向内側において、他の部材を配置するためのスペースを確保することができる。他の部材は、例えば、冷却パイプ610、シール部材620、蓋体30に設けられる補強リブ35などである。これによって、電動モータ100の小型化を図ることができる。
第1実施形態では、内周バスリング160が、回転軸方向において、外周バスリング150よりも深い位置に設けられる。従って、電動モータ100のサイズを拡大せずに、外周バスリング150よりもステータ20の径方向内側において、他の部材を配置するためのスペースを確保することができる。他の部材は、例えば、冷却パイプ610、シール部材620、蓋体30に設けられる補強リブ35などである。これによって、電動モータ100の小型化を図ることができる。
例えば、第1実施形態では、回転軸方向において、外周バスリング150の上端よりも深い環状形状の切り欠きをモールド樹脂20Aに設けることができる。切り欠きには、冷却パイプ610、シール部材620、蓋体30に設けられる補強リブ35を配置することができる。
第1実施形態では、モールド樹脂20A外に露出する端子151を有する外周バスリング150がコイル75に接続されているため、コイル75の一端をモールド樹脂20A外に引き出す必要がなく、コイル75の線径が制約されない。
第1実施形態では、モールド樹脂20Aに設けられた端子151がモールド樹脂20A外に設けられた端子保持部140によって保持されるため、ステータ20のモールドが容易である。
詳細には、モールド樹脂20Aによってモールドされたステータ20を保持するように構成されたケース体10(保持部配置部15)に端子保持部140が嵌合されるため、ステータ20のモールドが容易である。
また、モールド時において、端子保持部140はケース体10に一体的に取り付けられた状態となっている。従って、外周バスリング150及び外周バスリング150の一端に設けられた端子151が端子保持部140に組み付けられた状態で、ステータ20がモールド樹脂20Aによってモールドされるため、端子保持部140の裏面側(即ち、モールド樹脂20Aが存在する側)において、この端子保持部140とモールド樹脂20Aとの密着性が非常に高くなる。例えば、ステータのモールド後に端子保持部を取り付ける場合には、この端子保持部とモールド樹脂との密着性が低くなり、これらの間に、水などが侵入する隙間が生じる可能性があるが、上述の第1の実施形態においては、このような隙間を生じさせる可能性を低減できる。
第1実施形態では、端子保持部140及び端子151がステータ20の径方向外側において、モールド樹脂20A外に露出する。従って、端子151から延びるケーブルの配線が容易である。
第1実施形態では、ステータ20に設けられる外周バスリング150又は内周バスリング160がケース体10の反対側に設けられる。従って、ステータ20をモールド樹脂20Aによってモールドするときに生じるケース体10への応力によって、外周バスリング150及び内周バスリング160の浮き上がりを抑制することができる。これによって、モールド時に外周バスリング150及び内周バスリング160の脱落が抑制される。
特に、外周バスリング150の係止片152及び内周バスリング160の係止片が回転軸方向に対して折れ曲がった形状を有しているため、モールド時に射出される樹脂材料の流れに抗する応力を受け止めやすい。従って、モールド樹脂20Aをケース体10とは反対側(図15の図面の上方側)から射出する時に、ステータ20に設けられた外周バスリング保持部76Aに外周バスリング150を載置するだけで、特別な固定手段を要することなく、ステータ20とともに外周バスリング150をモールド樹脂20Aによってモールドすることも可能となる。同様に、ステータ20に設けられた内周バスリング保持部76Bに内周バスリング160を配置するだけで、ステータ20とともに内周バスリング160をモールド樹脂20Aによってモールドすることができる。
詳細には、外周バスリング150及び内周バスリング160が配置される側には、ロータ80を収容するための開口20Bが設けられる。すなわち、開口20Bを形成するための円筒突起421を有する上金型420からの応力によって、外周バスリング150及び内周バスリング160の浮き上がりを抑制することができる。
[第2実施形態]
(電動車輌の構成)
以下において、第2実施形態に係る電動車輌ついて、図面を参照しながら説明する。図16は、第2実施形態に係る電動車輌500の一例を示す図である。
(電動車輌の構成)
以下において、第2実施形態に係る電動車輌ついて、図面を参照しながら説明する。図16は、第2実施形態に係る電動車輌500の一例を示す図である。
図16に示すように、電動車輌500は、前輪510と、後輪520と、スイングアーム530と、サスペンション540とを有する自動二輪車である。電動モータ100は、電動車輌500の駆動源である。ここでは、電動モータ100が後輪520に設けられており、後輪520が駆動輪である。
なお、電動モータ100が設けられた電動車輌500は、自動二輪車に限定されるものではない。例えば、電動車輌500は、自動三輪車であってもよく、自動四輪車であってもよい。
スイングアーム530は、電動モータ100に取り付けられる。スイングアーム530は、後輪520から車輌前方に延びる形状を有している。
サスペンション540は、振動を吸収する機能を有しており、スイングアーム530に取り付けられる。
ここで、上述した外周バスリング150の一端に設けられる端子151は、スイングアーム530側に配置されることに留意すべきである。また、端子保持部140は、ステータ20の径方向外側に露出し、かつ、スイングアーム530側に露出する。端子保持部140は、スイングアーム530の長手方向に沿って車輌前方を向くように端子151を保持する。
言い換えると、電動モータ100が後輪520と同軸で配置されており、電動モータ100がスイングアーム530に取り付けられる場合には、端子保持部140は、端子151が車輌前方を向くように端子151を保持する。これによって、端子151から延びるケーブル(動力線など)を車輌前方(例えば、シート下やハンドル)に設けられる電源や制御回路に接続するために、ケーブルをスイングアーム530に沿って配置することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10…ケース体、11…ガイドリブ、11A…ボルト孔、12…突起、13…空隙、14…軸孔、15…保持部配置部、15A…固定壁、20…ステータ、20A…モールド樹脂、20B…開口、30…蓋体、31…軸孔、32…ボルト孔、33…ボルト孔、34…補強リブ、40…端子カバー、70…ステータコア、71…ステータコアセグメント、72…ステータティース、72A…先端、73…ステータヨーク、73A…外周側面、74…溝、75…コイル
76…インシュレータ、76A…バスリング保持部、76B…バスリング保持部、80…ロータ、100…電動モータ、111…回転軸、120…ボルト、130…ケーブル、131…コネクタ、140…端子保持部、150…外周スリング、151…端子、152…係止片、160…内周バスリング、162…係止片、410…下金型、420…上金型、421…円筒突起、422…周状突起、423…周状突起、500…電動車輌、510…前輪、520…後輪、530…スイングアーム、540…サスペンション
76…インシュレータ、76A…バスリング保持部、76B…バスリング保持部、80…ロータ、100…電動モータ、111…回転軸、120…ボルト、130…ケーブル、131…コネクタ、140…端子保持部、150…外周スリング、151…端子、152…係止片、160…内周バスリング、162…係止片、410…下金型、420…上金型、421…円筒突起、422…周状突起、423…周状突起、500…電動車輌、510…前輪、520…後輪、530…スイングアーム、540…サスペンション
Claims (6)
- 回転軸を中心として回転するロータと、コイルを有するステータと、前記ステータをモールドするモールド樹脂とを備えた電動モータであって、
前記モールド樹脂によってモールドされた前記ステータを保持するように構成されたケース体を備え、
前記ステータは、前記ステータの周方向に沿って設けられており、前記コイルに接続されたバスリングを有しており、
前記バスリングは、前記ケース体の反対側に設けられることを特徴とする電動モータ。 - 前記バスリングが配置される側には、前記ロータを収容するための開口が設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 請求項1又は請求項2に記載の電動モータを備えることを特徴とする電動車輌。
- 前輪と、後輪と、前記後輪に取り付けられたスイングアームとをさらに備え、
前記電動モータは、前記後輪の駆動源であることを特徴とする請求項1に記載の電動車輌。 - 回転軸を中心として回転するロータと、コイルを有するステータと、前記ステータをモールドするモールド樹脂とを備えた電動モータの製造方法であって、
前記ステータを保持するように構成されたケース体に前記ステータを組み付ける工程Aと、
前記ケース体に組み付けられた前記ステータをモールド樹脂によってモールドする工程Bとを備えており、
前記工程Aでは、前記ステータの周方向に沿って設けられており、前記コイルに接続されたバスリングを、前記ケース体とは反対側から前記ステータに組み付けることを特徴とする電動モータの製造方法。 - 前記工程Bでは、前記ケース体とは反対側から前記モールド樹脂を射出することを特徴とする請求項5に記載の電動モータの製造方法。
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