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JP2011148256A - 流体噴射装置 - Google Patents

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JP2011148256A
JP2011148256A JP2010012988A JP2010012988A JP2011148256A JP 2011148256 A JP2011148256 A JP 2011148256A JP 2010012988 A JP2010012988 A JP 2010012988A JP 2010012988 A JP2010012988 A JP 2010012988A JP 2011148256 A JP2011148256 A JP 2011148256A
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Atsushi Yoshida
敦 吉田
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Abstract

【課題】クリーニング時の液体消費量を低減させ、またクリーニング後の吐出不良も低減できる流体噴射装置を提供する。
【解決手段】複数のノズル20が所定方向に延びるノズル列40A、40Bがノズル面19aに形成された流体噴射ヘッド19と、ノズル面の特定領域に当接して封止し、封止空間を負圧吸引して封止空間に臨むノズルから流体を排出させるキャップ部材23A〜23Cとを備える。キャップ部材は、ノズル列を所定方向に複数に分割した分割領域DA1〜DA3の一つを特定領域として、複数のノズルのうち、分割領域に位置するノズルを部分的に負圧吸引する部分吸引部42A〜42Cと、部分吸引部により非吸引となるノズルに当接して閉塞する閉塞部43A〜43Cとを有する。キャップ部材は、部分吸引部を複数の分割領域のそれぞれの位置に対応させて複数設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体噴射装置に関するものである。
印字信号に対応して噴射ノズルから流体であるインク滴を吐出するインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置においては、噴射ノズルに紙粉やインクカスが付着して目詰まりを起こすと印刷が不能となる。このため、インクジェットヘッドの噴射ノズルが形成されている面をキャップにより封止し、キャップ内に吸引ポンプの負圧を作用させて噴射ノズルからインクをキャップに強制的に排出させるクリーニング装置を備えている。
ところが、高密度記録や高速記録、また力ラー記録等のためにインクジェットヘッドを構成する噴射ノズルの列数が多くなると、クリーニング装置を構成するキャップのサイズが大きくなり、これに伴ってキャップの空間容積が急激に増大してポンプの吸引能力が相対的に低下し、クリ−ニングが不完全になったり、また必要なインク量を吸引する時間が長くなる。このような問題を解消するために、吸引能力を上げると、ポンプが大型化し、これを収容する函体が多くなって記録装置全体が大型化するという問題がある。さらに、インク吐出特性に問題が生じていないノズルに対しても吸引動作を行うため、インク消費量が増大するという問題も生じる。
そこで、特許文献1には、ヘッドに対して特定の領域だけを封止して負圧を作用させてクリーニングを行う記録装置が開示されている。
特開平10−67117号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
キャップにより封止されずクリーニング対象となっていないノズルについては、外部に露出しているため、溶媒が蒸発して増粘し、吐出不良を生じさせる虞がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、クリーニング時の液体消費量を低減させ、またクリーニング後の吐出不良も低減できる流体噴射装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の流体噴射装置は、複数のノズルが所定方向に延びるノズル列がノズル面に形成された流体噴射ヘッドと、前記ノズル面の特定領域に当接して封止し、封止空間を負圧吸引して当該封止空間に臨む前記ノズルから流体を排出させるキャップ部材とを備え、前記キャップ部材は、前記ノズル列を前記所定方向に複数に分割した分割領域の一つを前記特定領域として、前記複数のノズルのうち、当該分割領域に位置する前記ノズルを部分的に負圧吸引する部分吸引部と、該部分吸引部により非吸引となる前記ノズルに当接して閉塞する閉塞部とを有し、前記部分吸引部を前記複数の分割領域のそれぞれの位置に対応させて複数設けられることを特徴とするものである。
従って、本発明の流体噴射装置では、部分吸引部により分割領域に位置するノズルを部分的に負圧吸引するため、クリーニング時の流体消費量を低減させることができる。また、本発明では、部分吸引部により非吸引となるノズルについては、閉塞部が当接して閉塞するため、ノズルからの溶媒等の蒸発を抑制して増粘を防止することが可能になる。そのため、本発明では、複数のキャップ部材から、吸引するノズルの位置に応じた位置に部分吸引部が設けられたキャップ部材を選択して用いることにより、クリーニング時の流体消費量を低減させつつ、クリーニング後の吐出不良も低減することができる。
また、上記の流体噴射装置においては、前記ノズル列の周囲を封止して、前記複数のノズルを一括的に負圧吸引する第2キャップ部材を有する構成も好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数の分割領域に跨ってノズルを負圧吸引する場合等、一つのキャップ部材で負圧吸引が困難な場合や複数回の負圧吸引が必要な場合には、第2キャップ部材を選択して用いることにより、短時間で迅速にノズルから流体を排出することができる。
また、上記の流体噴射装置においては、前記複数のキャップ部材が、前記流体噴射ヘッドの移動経路に沿って配列されている構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、負圧吸引するノズルの位置に対応するキャップ部材と対向する位置に流体噴射ヘッドを移動させ、当該キャップ部材の部分吸引部をノズル面に当接させることにより、流体噴射ヘッドとキャップ部材との位置決め用に別途駆動機構を設けることなく、吸引対象となるノズルから流体を排出することができ、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
そして、本発明の流体噴射装置においては、前記複数のノズルのそれぞれの吐出特性に応じて、負圧吸引対象となるノズルを選択するとともに、前記複数のキャップ部材のうち、当該負圧吸引対象のノズルに応じて選択した前記キャップ部材と対向する位置に前記流体噴射ヘッドを移動させる制御装置を備える構成を好適に採用できる。
従って、本発明の流体噴射装置では、複数のノズルのうち、所定の吐出特性を発現しないノズルを検知した場合等には、制御装置が当該ノズルを負圧吸引対象として選択するとともに、当該ノズルに応じて選択したキャップ部材と対向する位置に流体噴射ヘッドを移動させ、当該キャップ部材の部分吸引部をノズル面に当接させて負圧吸引することにより、所定の吐出特性を発現しないノズルの吐出特性を自動的に回復させることが可能になる。
また、本発明の流体噴射装置においては、前記ノズル列が互いに並行して複数設けられ、前記部分吸引部が、前記封止空間を前記複数のノズル列に跨らせて設けられ、前記閉塞部が、複数の前記ノズル列毎に設けられる構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、複数のノズル列に跨ってノズルを負圧吸引することができるとともに、ノズル列毎に閉塞部が非吸引のノズルに当接するため、閉塞部が必要以上に大きくなって当接圧力が分散してしまい、ノズルの閉塞が不安定になることを防止できる。
本発明の実施形態に係るインクジェット式プリンタの全体構成を示す斜視図である。 キャップ部材の(a)は側断面図、(b)は平面図である。 メンテナンスユニットの概略構成を示す断面図である。 一括吸引用のキャップ部材を含む平面図である。
以下、本発明の流体噴射装置の実施の形態を、図1ないし図4を参照して説明する。
なお、以下の実施の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
また、以下の説明では、用紙Pの幅方向(ヘッドの走査方向)をX方向、用紙Pの長さ方向(搬送方向)をY方向、これらX方向及びY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
図1に示すように、インクジェット式プリンタ(流体噴射装置)11は、平面視矩形状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内には、X方向に延びるプラテン13が架設される。このプラテン13上には、フレーム12の背面に設けられた紙送りモータ14を有する紙送り機構により記録用紙Pが後側から給送されるようになっている。
また、フレーム12内におけるプラテン13の上方には、プラテン13の長手方向(X方向)と平行に棒状のガイド部材15が架設されている。
ガイド部材15には、キャリッジ16が、軸線方向(X方向)に沿って往復移動可能に支持されている。キャリッジ16は、フレーム12内の後面に設けられた一対のプーリ17a間に張設されたタイミングベルト17を介してフレーム12の背面に設けられたキャリッジモータ18に連結される。キャリッジ16は、キャリッジモータ18の駆動によりガイド部材15に沿ってX方向に往復移動される。
図2(a)に示すように、キャリッジ16の下面(−Z側の面)には、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)19が設けられる。記録ヘッド19の下面は、複数のノズル20が形成されたノズル形成面(ノズル面)19aとなっている。図2(b)の平面図に示すように、ノズル20は、Y方向に沿って複数配置され、X方向に間隔をあけた2つのノズル列40A、40Bを形成している。
また、キャリッジ16における記録ヘッド19の上側には、図1に示すように、インクカートリッジ21が着脱可能に搭載される。このインクカートリッジ21内には、インク(液体)がそれぞれ記録ヘッド19に供給可能に収容されている。
インクには、保湿剤及び水分が含有される。保湿剤、すなわち高沸点低揮発性有機溶剤としては、グリセリンやジエチレングリコール等の多価アルコール類が用いられる。多価アルコール類は、揮発しにくいため、インクに含有させることで、ノズル20内でのインクの増粘を抑制してノズルの目詰まりを抑制するようになっている。
また、インクにおける水分及び保湿剤の割合としては、淡色インクでは、水分が60〜70%程度、保湿剤が20〜25%程度である。濃色インクでは、水分が55〜60%程度、保湿剤が15〜20%程度である。この場合における水分(量)とは、分散液や水溶液中の水分と純水の合計量をいう。
濃色インクとしては、例えば、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)のインクが挙げられる。
淡色インクとは、例えば、ライトシアン(LC)、ライトマゼンダ(LM)のインクが挙げられる。淡色インク、すなわちライトシアン(LC)やライトマゼンダ(LM)は、水分(純水)量及び保湿剤量がともに他のインクよりも多い。これは、他のインクに比べて、色素、定着樹脂等が少ないため、インクの物性値を同等にするために、水やグリコール類を多くしている。
なお、シアン(C)とライトシアン(LC)、マゼンダ(M)とライトマゼンダ(LM)は、それぞれ同色系インクであり、前者が濃色、後者が淡色である。
インクカートリッジ21内のインクは、記録ヘッド19内に各ノズル20と対応するように備えられた圧電素子(図示せず)の駆動により、インクカートリッジ21から記録ヘッド19へと供給される。更に、各ノズル20からプラテン13上に給送された記録用紙Pに向けて噴射されることにより、記録用紙Pに印刷が行われる。
また、フレーム12内の右端部に位置する非印刷領域には、非印刷時に記録ヘッド19のメンテナンス(クリーニング、フラッシング等)を行うためのメンテナンスユニット22が設けられている。
図1に示すように、メンテナンスユニット22は、それぞれが記録ヘッド19のノズル形成面19aを部分的に封止可能なキャップ部材23A〜23Cを有している。キャップ部材23A〜23Cは、例えば合成樹脂で形成され、記録ヘッド19の移動経路に沿ってノズル面19aと対向可能な位置に順次配置されており、図3に示すように、昇降装置26の駆動によりそれぞれが独立してZ方向(上下方向)に昇降する構成となっている。昇降装置26の駆動は、制御装置CONTにより制御される。
キャップ部材23Aは、記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接したときに、ノズル列40A、40BをY方向に3つに分割した、両ノズル列40A、40Bに跨る分割領域DA1〜DA3のうち、最も−Y側に位置する分割領域DA1に位置するノズル20を囲む封止空間41Aを形成する角筒形状のキャップ部(部分吸引部)42Aと、分割領域DA2〜DA3に位置して非吸引となるノズル20に当接して閉塞する閉塞部43Aとを有している。
キャップ部42Aの上端部(すなわち記録ヘッド19との当接部)は断面輪郭が上方に膨出する円弧形状に形成されて、記録ヘッド19への押圧力が効果的に作用する構成となっている。なお、キャップ部42Aの上端部にゴム等の可撓性部材よりなる四角枠状のシール部材を設ける構成であってもよい。
キャップ部24A内には、キャップ部24Aの内底面全体を覆うように、可撓性を有する多孔質材料からなる四角板状のインク吸収材24が敷設されている。
閉塞部43Aは、キャップ部42Aが記録ヘッド19のノズル面19aに当接したときに、分割領域DA2〜DA3に位置するノズル20を閉塞するように、キャップ部42Aの上端部と略同一の高さで、且つ、ノズル列40A、40B毎にノズル20と対向する位置にX方向に互いに間隔をあけて、それぞれキャップ部42Aの+Y側にY方向に延在して設けられている。また、図3に示すように、閉塞部43Aの上端部は、ノズル面19a(ノズル20)との密着性を高めるためにゴム材等の弾性材で形成され、上方に向けて膨出する円弧形状の断面輪郭形状を有している。
キャップ部材23Bは、記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接したときに、Y方向で中間の分割領域DA2に位置するノズル20を囲む封止空間41Bを形成する角筒形状のキャップ部(部分吸引部)42Bと、分割領域DA1、DA3に位置して非吸引となるノズル20に当接して閉塞する閉塞部43Bとを有している。
キャップ部42Bの上端部(すなわち記録ヘッド19との当接部)も断面輪郭が上方に膨出する円弧形状に形成されて、記録ヘッド19への押圧力が効果的に作用する構成となっている。なお、キャップ部42Bの上端部にゴム等の可撓性部材よりなる四角枠状のシール部材を設ける構成であってもよい。
キャップ部24B内には、キャップ部24Bの内底面全体を覆うように、上述したインク吸収材24が敷設されている。
閉塞部43Bは、キャップ部42Bが記録ヘッド19のノズル面19aに当接したときに、分割領域DA1、DA3に位置するノズル20を閉塞するように、キャップ部42Bの上端部と略同一の高さで、且つ、ノズル列40A、40B毎にノズル20と対向する位置にX方向に互いに間隔をあけて、それぞれキャップ部42Bを挟んだY方向両側にY方向に延在して設けられている。また、図3に示すように、閉塞部43Bの上端部も、ノズル面19a(ノズル20)との密着性を高めるためにゴム材等の弾性材で形成され、上方に向けて膨出する円弧形状の断面輪郭形状を有している。
同様に、キャップ部材23Cは、記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接したときに、最も+Y側の分割領域DA3に位置するノズル20を囲む封止空間41Cを形成する角筒形状のキャップ部(部分吸引部)42Cと、分割領域DA1〜DA2に位置して非吸引となるノズル20に当接して閉塞する閉塞部43Cとを有している。
キャップ部42Cの上端部(すなわち記録ヘッド19との当接部)も断面輪郭が上方に膨出する円弧形状に形成されて、記録ヘッド19への押圧力が効果的に作用する構成となっている。なお、キャップ部42Cの上端部にゴム等の可撓性部材よりなる四角枠状のシール部材を設ける構成であってもよい。
キャップ部24C内には、キャップ部24Cの内底面全体を覆うように、上述したインク吸収材24が敷設されている。
閉塞部43Cは、キャップ部42Cが記録ヘッド19のノズル面19aに当接したときに、分割領域DA1〜DA2に位置するノズル20を閉塞するように、キャップ部42Cの上端部と略同一の高さで、且つ、ノズル列40A、40B毎にノズル20と対向する位置にX方向に互いに間隔をあけて、それぞれキャップ部42Cの−Y側にY方向に延在して設けられている。また、図3に示すように、閉塞部43Cの上端部も、ノズル面19a(ノズル20)との密着性を高めるためにゴム材等の弾性材で形成され、上方に向けて膨出する円弧形状の断面輪郭形状を有している。
キャップ部材23A〜23Cには、それぞれキャップ部42A〜42Cから外部へインクを排出させる排出部27が設けられている(図3参照、キャップ部材23Cについてのみ図示)。各排出部27には、可撓性材料よりなる排出チューブ45A〜45Cの一端側(上流側)がそれぞれ接続され、排出部27を介してキャップ23内と排出チューブ45A〜45C内とが連通されている。
各排出チューブ45A〜45Cの他端側(下流側)は、電磁弁46に接続されている。電磁弁46には、下流側の先端が廃インクタンク29内に挿入された排出チューブ28の上流側の先端が接続されている。電磁弁46は、制御装置CONTの制御により、排出チューブ28と連通される排出チューブ45A〜45Cを選択的に切り替えるものである。
また、排出チューブ28の中間部には、キャップ部材23A〜23C側から廃インクタンク29側へ向かってキャップ部42A〜42C内を負圧吸引するためのチューブポンプ30が配設されている。
続いて、上記のメンテナンスユニット22を用いて、記録ヘッド19からインクを排出する動作について説明する。
まず、負圧吸引対象となるノズル20を決定する。この決定方法としては、各ノズル20の吐出特性に応じて選択する方法が採られる。具体的には、各ノズル20からインクを吐出させレーザ光等を用いた検出装置によりインク吐出の良否を検出する自動検出方法や、記録用紙Pに各ノズル20からのインクで印刷を行い、その印刷結果を見て判断する手動検出方法等を採ることができる。得られた検出結果は、制御装置CONTに入力される。
制御装置CONTは、得られた各ノズル20の吐出特性に基づいて負圧吸引対象となるノズル20を選択するとともに、キャップ部材23A〜23Cの中、当該負圧吸引対象のノズル20が位置する分割領域DA1〜DA3を負圧吸引するキャップ部材23A〜23Cと対向する位置に記録ヘッド19を移動させる。例えば、分割領域DA1に位置するノズル20を負圧吸引する場合には、制御装置CONTは、キャリッジモータ18の駆動を制御してキャップ部材23Aと対向する位置に記録ヘッド19を移動させる。以下、キャップ部材23Aを用いて、分割領域DA1に位置するノズル20を負圧吸引する場合を例を用いて説明する。
制御装置CONTは、昇降装置26を駆動してキャップ部材23Aを、記録ヘッド19の移動経路に向けて+Z方向に上昇させる。このとき、制御装置CONTは、記録ヘッド19の移動と、キャップ部材23Aの移動とを並行して行わせることにより、キャッピングに要する時間を短縮させることができる。なお、記録ヘッド19とキャップ部材23Aとを並行して移動させる際には、記録ヘッド19の移動が完了して停止した後に、キャップ部材23Aが記録ヘッド19に当接させて、キャップ部材23Aの損傷が回避されるように、記録ヘッド19及びキャップ部材23Aの移動速度、移動タイミングを調整することが好ましい。
また、制御装置CONTは、記録ヘッド19及びキャップ部材23Aの移動と並行して、排出チューブ28と排出チューブ45Aとが連通するように電磁弁46を制御する。
そして、図2(a)に示すように、キャップ部材23Aのキャップ部42Aが記録ヘッド19のノズル形成面19aに当接すると、分割領域DA1に位置するノズル20が封止される。また、同時にキャップ部材23Aの閉塞部43Aもノズル形成面19aに当接して、非吸引となる分割領域DA2〜DA3に位置するノズル20をノズル列40A、40B毎に閉塞する。
このように、記録ヘッド19における分割領域DA1のノズル形成面19a(各ノズル20)をキャップ部42Aにより封止した状態でチューブポンプ30を駆動することで、封止空間41Aに臨む各ノズル20内の増粘したインクが気泡等とともに吸引され、キャップ部42A及び排出チューブ45A、28を介して廃インクタンク29内に排出される、いわゆるクリーニングが行われるようになっている。
なお、廃インクタンク29内には、廃インクタンク29内に排出されたインクを吸収保持する廃インク吸収材31が収容されている。
以上のように、本実施の形態では、複数のノズル20のうち、ノズル列40A、40BをY方向に分割した分割領域DA1に位置するノズル20のみを部分的に負圧吸引するため、記録ヘッド19におけるノズル20の総数が増加してもチューブポンプ30の吸引能力を大幅に上げる必要がなくなり装置の大型化を防止できるとともに、インク消費量も抑制することができる。また、本実施形態では、キャップ部42Aにより非吸引となる分割領域DA2〜DA3に位置するノズル20については、閉塞部43Aにより閉塞するため、負圧吸引対象となっていないノズル20からの溶媒蒸発を抑制でき、当該ノズルについてインク吐出不良が生じることを防止できる。
また、本実施形態では、キャップ部材23A〜23Cが記録ヘッド19の移動経路に沿って配置されているため、負圧吸引するノズル20の位置に対応するキャップ部材と対向する位置に記録ヘッド19を移動させる際に、別途駆動機構を設ける必要がなくなり、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
また、本実施形態では、キャップ部42A〜42Cがノズル列40A、40Bの双方に跨る大きさで形成されているため、負圧吸引対象のノズル20がノズル列40A、40Bに跨ってる場合でも吸引可能であり、また、閉塞部43A〜43Cがノズル列40A、40B毎に設けられているため、閉塞部43A〜43Cがノズル列40A、40Bの双方を一括的に閉塞する大きさを有する場合のように、当接圧力が分散してしまい、ノズル20に対する閉塞が不安定になることを防止できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、複数のノズル20を3つの分割領域DA1〜DA3で区分し、各分割領域DA1〜DA3に対応する3つのキャップ部材23A〜23Cを用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば2つのキャップ部材を用いる構成や、4つ以上のキャップ部材を用いる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、複数のノズル20のうち、所定のノズル20を部分的に負圧吸引するキャップ部材23A〜23Cのみを用いる構成としたが、これに加えて、図4に示すように、ノズル列40A、40Bの周囲を封止して、全てのノズル20を一括的に負圧吸引するキャップ部42Dを有するキャップ部材23Dを第2キャップ部材として設ける構成としてもよい。
この構成では、負圧吸引対象となるノズル20が複数の分割領域に跨って存在する場合でも、一括的に負圧吸引して一回の吸引動作で済ませることが可能になり、複数のキャップ部材を用いて複数回の負圧吸引を行った場合に生じる作業時間の長大化を回避して、短時間で迅速にノズル20からインクを排出することができる。
なお、上述した実施形態においては、流体噴射装置がインクジェットプリンターである場合を例にして説明したが、インクジェットプリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
また、上述の実施形態においては、流体噴射装置が、インク等の液体を流体として噴射する流体噴射装置である場合を例にして説明したが、本発明の流体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に適用することができる。流体噴射装置が噴射可能な液体としては、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体が含まれる。
また、上述した実施形態において、流体噴射装置から噴射される液体としては、インクのみならず、特定の用途に対応する液体を適用可能である。流体噴射装置に、その特定の用途に対応する液体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する液体を噴射して、その液体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、本発明の流体噴射装置は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した液体(液状体)を噴射する流体噴射装置に適用可能である。
また、流体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…プリンタ(流体噴射装置)、 19…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、 19a…ノズル形成面(ノズル面)、 20…ノズル、 23A〜23C…キャップ部材、 40A、40B…ノズル列、 41A〜41C…封止空間、 42A〜42C…キャップ部(部分吸引部)、 43A〜43C…閉塞部、 DA1〜DA3…分割領域

Claims (5)

  1. 複数のノズルが所定方向に延びるノズル列がノズル面に形成された流体噴射ヘッドと、
    前記ノズル面の特定領域に当接して封止し、封止空間を負圧吸引して当該封止空間に臨む前記ノズルから流体を排出させるキャップ部材とを備え、
    前記キャップ部材は、前記ノズル列を前記所定方向に複数に分割した分割領域の一つを前記特定領域として、前記複数のノズルのうち、当該分割領域に位置する前記ノズルを部分的に負圧吸引する部分吸引部と、該部分吸引部により非吸引となる前記ノズルに当接して閉塞する閉塞部とを有し、前記部分吸引部を前記複数の分割領域のそれぞれの位置に対応させて複数設けられることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 請求項1記載の流体噴射装置において、
    前記ノズル列の周囲を封止して、前記複数のノズルを一括的に負圧吸引する第2キャップ部材を有することを特徴とする流体噴射装置。
  3. 請求項1または2記載の流体噴射装置において、
    前記複数のキャップ部材は、前記流体噴射ヘッドの移動経路に沿って配列されていることを特徴とする流体噴射装置。
  4. 請求項3記載の流体噴射装置において、
    前記複数のノズルのそれぞれの吐出特性に応じて、負圧吸引対象となるノズルを選択するとともに、前記複数のキャップ部材のうち、当該負圧吸引対象のノズルに応じて選択した前記キャップ部材と対向する位置に前記流体噴射ヘッドを移動させる制御装置を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の流体噴射装置において、
    前記ノズル列は互いに並行して複数設けられ、
    前記部分吸引部は、前記封止空間を前記複数のノズル列に跨らせて設けられ、
    前記閉塞部は、複数の前記ノズル列毎に設けられることを特徴とする流体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016172373A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 株式会社リコー ヘッド維持回復装置、液体吐出装置、および画像形成装置
JP2020062861A (ja) * 2018-10-19 2020-04-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 記録ヘッドのキャップユニットおよびそれを備えたインクジェット記録装置

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