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JP2019025740A - 記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置 Download PDF

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JP2019025740A
JP2019025740A JP2017146368A JP2017146368A JP2019025740A JP 2019025740 A JP2019025740 A JP 2019025740A JP 2017146368 A JP2017146368 A JP 2017146368A JP 2017146368 A JP2017146368 A JP 2017146368A JP 2019025740 A JP2019025740 A JP 2019025740A
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正展 前嶌
徳昭 古川
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徳昭 古川
隆志 染手
Takashi Somete
隆志 染手
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Abstract

【課題】クリーニング液のメニスカスの破壊を抑制しながら、インク吐出面を清浄化することが可能な記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】記録ヘッドは、用紙上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出面を備える。インク吐出口に対して、インク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側には、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口60aが設けられている。クリーニング液供給口60aの深さH60aは、クリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きい。【選択図】図8

Description

本発明は、用紙のような記録媒体にインクを吐出するインク吐出口を有する記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、画像記録のためのインク滴と共に吐出される微小なインク滴(以下、ミストと称する)や、インク滴が記録媒体に付着した際に発生する跳ね返りミストが、記録ヘッドのインク吐出面に付着して固化する。インク吐出面のミストが徐々に増加しインク吐出口に重なると、インクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等が発生して記録ヘッドの印字性能が低下する。
そこで、記録ヘッドのインク吐出面を清浄化するために、インク吐出面のうちの複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域の外側(ワイパーのワイピング方向上流側)の部分に、クリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置では、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりも外側からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このようにして、記録ヘッドの回復処理を行うことができる。
なお、記録ヘッドのインク吐出面にクリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2007−83496号公報
ところで、上記従来のインクジェット記録装置では、記録ヘッドの回復処理後は、クリーニング液供給口にクリーニング液のメニスカスが張った状態になる。
しかしながら、振動や衝撃が記録ヘッドに加わった場合、クリーニング液のメニスカスが破壊してしまう場合があるという問題点があった。なお、メニスカスが破壊した場合、クリーニング液供給口からクリーニング液が垂れて記録媒体を汚したり、クリーニング液が記録ヘッド内に逆流したりする。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、クリーニング液のメニスカスの破壊を抑制しながら、インク吐出面を清浄化することが可能な記録ヘッド及びそれを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面の記録ヘッドは、記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出面を備える。インク吐出口に対して、インク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側には、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が設けられている。クリーニング液供給口の深さは、クリーニング液供給口の内径よりも大きい。
本発明の第1の局面の記録ヘッドによれば、インク吐出口に対してワイピング方向の上流側には、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が設けられている。これにより、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりもワイピング方向上流側からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このため、インク吐出面を清浄化することができる。
また、クリーニング液供給口の深さは、クリーニング液供給口の内径よりも大きい。これにより、振動や衝撃が記録ヘッドに加わった場合であっても、クリーニング液のメニスカスが破壊するのを抑制することができる。このため、クリーニング液供給口からクリーニング液が垂れて記録媒体を汚したり、クリーニング液が記録ヘッド内に逆流したりするのを抑制することができる。
本発明の一実施形態の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の構造を示す図 図1に示すインクジェット記録装置の第1搬送ユニット及び記録部を上方から見た図 記録部のラインヘッドを構成する記録ヘッドの図 記録ヘッドをインク吐出面側から見た図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口を下方から見た図 記録ヘッド、サブタンクおよびメインタンク周辺の構成を示す図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材の構造を示す図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図 メンテナンスユニットを記録部の下方に配置した状態を示す図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図であり、クリーニング液の液面がクリーニング液供給口に形成された状態を示す図 ワイパーを記録ヘッドの下方に配置した状態を示す図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図であり、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した状態を示す図 図11の状態からワイパーを上昇させクリーニング液供給部材に圧接させた状態を示す図 図13の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態で矢印A方向に移動させた状態を示す図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図であり、ワイパーによってクリーニング液供給面を拭いた後の状態を示す図 図14の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた状態を示す図 図16の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた後、ワイパーを下降させインク吐出面から離間させた状態を示す図 本発明の第1変形例の記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図 本発明の第2変形例の記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図 本発明の第3変形例の記録ヘッドのクリーニング液供給部材のクリーニング液供給口周辺の構造を示す図 本発明の第4変形例の記録ヘッドのヘッド部のインク吐出口およびクリーニング液供給口を下方から見た図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置100の左側部には用紙S(記録媒体)を収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された用紙Sを、最上位の用紙Sから順に一枚ずつ後述する第1搬送ユニット5へと搬送給紙するための給紙ローラー3と、給紙ローラー3に圧接され従動回転する従動ローラー4とが設けられている。
用紙搬送方向(矢印X方向)に対し給紙ローラー3及び従動ローラー4の下流側(図1の右側)には、第1搬送ユニット5及び記録部9が配置されている。第1搬送ユニット5は、第1駆動ローラー6と、第1従動ローラー7と、第1駆動ローラー6及び第1従動ローラー7に掛け渡された第1搬送ベルト8とを含む構成であり、インクジェット記録装置100の制御部110からの制御信号により第1駆動ローラー6が時計回り方向に回転駆動されることにより、第1搬送ベルト8に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、及び11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って延びる1個以上(ここでは1個)の記録ヘッド17によって構成されている。
図3及び図4に示すように、記録ヘッド17のヘッド部(インク吐出ヘッド部)18のインク吐出面F1には、インク吐出口18a(図2参照)が多数配列されたインク吐出領域R1が設けられている。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17には、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17は、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Sに向かってインク吐出口18aからインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Sにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17には、クリーニング液を供給するクリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)60が設けられている。クリーニング液供給部材60は、ヘッド部18に対して後述するワイパー35のワイピング方向上流側(図3の右側)に隣接して配置されている。クリーニング液供給部材60は、クリーニング液を供給するクリーニング液供給口60a(図5参照)が多数配列されたクリーニング液供給領域R2を含むクリーニング液供給面F2を有する。なお、ヘッド部18の少なくともインク吐出面F1は、例えばSUS(ステンレス鋼)によって形成されており、クリーニング液供給部材60は、例えば樹脂によって形成されている。
クリーニング液供給面F2は、インク吐出面F1と面一に形成されている。また、クリーニング液供給部材60のクリーニング液供給面F2に対してワイピング方向上流側(図3の右側)の部分には、傾斜面62が形成されている。
クリーニング液は、インクと類似の成分からなる溶液であることが望ましく、主に水と溶剤成分からなり、必要に応じて界面活性剤、防腐防カビ剤などが添加された液体組成物である。
図6に示すように、クリーニング液供給部材60のクリーニング液供給口60a(図5参照)には、クリーニング液23が通過するチューブからなるクリーニング液供給経路70の下流端が接続されている。クリーニング液供給経路70の上流端は、クリーニング液供給部材60に供給するクリーニング液23を収容するサブタンク71に接続されている。クリーニング液供給経路70の上流端は、クリーニング液23に浸かっている。クリーニング液供給経路70には、クリーニング液23をサブタンク71から汲み上げてクリーニング液供給部材60に送る供給ポンプ72が設けられている。なお、図では、理解を容易にするために、クリーニング液23にハッチングを施している。
また、サブタンク71には、クリーニング液23が通過するチューブからなるクリーニング液補給経路80の下流端が接続されている。クリーニング液補給経路80の上流端は、サブタンク71に補給するクリーニング液23を収容するメインタンク81に接続されている。クリーニング液補給経路80の上流端は、クリーニング液23に浸かっている。クリーニング液補給経路80には、クリーニング液23をメインタンク81から汲み上げてサブタンク71に送る補給ポンプ82が設けられている。供給ポンプ72および補給ポンプ82としては、例えば、チューブポンプ、シリンジポンプ、ダイアフラムポンプ等を用いることができる。ただし、供給ポンプ72は、供給を停止している時に供給ポンプ72の流入口と流出口との間を遮断した状態と連通した状態とに切り替えることができるように構成されている。なお、クリーニング液供給部材60、サブタンク71およびメインタンク81周辺の詳細構造については、後述する。
このインクジェット記録装置100では、記録ヘッド17のインク吐出面F1を清浄にするために、長期間停止後の印字開始時及び印字動作の合間には、全ての記録ヘッド17のインク吐出口18aからインクを強制的に排出し、並行して全ての記録ヘッド17のクリーニング液供給口60a(図5参照)からクリーニング液供給領域R2にクリーニング液23を供給し、後述するワイパー35によりインク吐出面F1を拭き取り、次の印字動作に備える。
図1に戻って、用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の右側)には第2搬送ユニット12が配置されている。第2搬送ユニット12は、第2駆動ローラー13と、第2従動ローラー14と、第2駆動ローラー13及び第2従動ローラー14に掛け渡された第2搬送ベルト15とを含む構成であり、第2駆動ローラー13が時計回り方向に回転駆動されることにより、第2搬送ベルト15に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9にてインク画像が記録された用紙Sは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙S表面に吐出されたインクが乾燥される。また、第2搬送ユニット12の下方にはメンテナンスユニット19及びキャップユニット90が配置されている。上述したワイパー35による拭き取り動作を実行する際には、第1搬送ユニット5が下降し、メンテナンスユニット19は、記録部9の下方に移動し、記録ヘッド17のインク吐出口18aから強制排出されたインクおよびクリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液23を拭き取り、拭き取られたインクおよびクリーニング液23を回収する。記録ヘッド17のインク吐出面F1(図3参照)をキャッピングする際には、第1搬送ユニット5が下降し、キャップユニット90は、記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17の下面に装着される。
また、用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側には、画像が記録された用紙Sを装置本体外へと排出する排出ローラー対16が設けられており、排出ローラー対16の下流側には、装置本体外へと排出された用紙Sが積載される排出トレイ(図示せず)が設けられている。
メンテナンスユニット19は、インク吐出面F1に沿って移動可能な複数のワイパー35(図11参照)と、複数のワイパー35が固定された略矩形状のキャリッジ(図示せず)と、キャリッジを支持する支持フレーム(図示せず)とで構成されている。キャリッジ(図示せず)は支持フレーム(図示せず)に対し矢印AA′方向に摺動可能に支持される。
ワイパー35は、各記録ヘッド17のクリーニング液供給口60a(図5参照)からクリーニング液供給面F2に供給されたクリーニング液23を拭き取るための弾性部材(例えばEPDMからなるゴム製の部材)である。ワイパー35は、クリーニング液供給部材60のクリーニング液供給領域R2(図4参照)に対してワイピング方向上流側の部分(ここでは、傾斜面62)に圧接され、キャリッジ(図示せず)の移動によりクリーニング液供給面F2およびインク吐出面F1を所定方向(矢印A方向)に拭く。
次に、クリーニング液供給部材60、サブタンク71およびメインタンク81周辺の構造を詳細に説明する。
図6に示すように、サブタンク71の所定位置には、クリーニング液23を検知する第1検知センサー73が設けられている。第1検知センサー73は、電圧が印加されるとともにサブタンク71内に配置される電極対(図示せず)を有する。第1検知センサー73は、電極間の通電の有無に基づいて、クリーニング液23の有無を検知可能である。第1検知センサー73によって液無し(通電無し)が検知されると、液有り(通電有り)が検知されるまで、補給ポンプ82によってメインタンク81からサブタンク71にクリーニング液23が補給される。これにより、サブタンク71内のクリーニング液23の液面(上面)は、略一定の高さに維持される。
メインタンク81の下部には、クリーニング液23を検知する第2検知センサー83が設けられている。第2検知センサー83は、電圧が印加されるとともにメインタンク81内に配置される電極対(図示せず)を有する。第2検知センサー83は、電極間の通電の有無に基づいて、クリーニング液23の有無を検知可能である。第2検知センサー83によって液無しが検知されると、インクジェット記録装置100の表示パネル(図示せず)にメインタンク81が空になったことが報知される。これにより、ユーザーまたは作業者によって、メインタンク81が新品に交換、又はメインタンク81にクリーニング液23が補充される。
サブタンク71は、メインタンク81よりも上方に配置されているとともに、記録ヘッド17のクリーニング液供給面F2よりも下方に配置されている。また、サブタンク71には、内部空間の気圧を大気圧と等しくするための大気開放口71aが設けられている。このため、供給ポンプ72がオフした状態において供給ポンプ72の流入口と流出口との間を連通状態にすると、クリーニング液供給口60aのクリーニング液23には負圧がかかる。
図5に示すように、複数のクリーニング液供給口60aは、ワイピング方向(矢印A方向)およびヘッド幅方向(矢印BB´方向、ワイピング方向と直交する方向)に互いに所定の間隔を隔てて配置されている。
具体的には、クリーニング液供給口60aがヘッド幅方向に沿って複数配置されることによって、供給口列E1が構成されている。供給口列E1は、ワイピング方向に沿って複数列(図5では2列)設けられている。また、供給口列E1は、隣接する供給口列E1に対してヘッド幅方向に半ピッチだけずらして配置されている。このため、クリーニング液供給口60aは、千鳥状に配置されている。なお、供給口列E1は、1列または3列以上設けられていてもよい。また、供給口列E1は、隣接する供給口列E1に対してヘッド幅方向にずらして配置されていなくてもよい。
図7に示すように、クリーニング液供給部材60は、上部材64および下部材65によって構成されている。上部材64および下部材65は、樹脂により形成されている。上部材64および下部材65によって、サブタンク71(図6参照)から供給されたクリーニング液23が充填されるクリーニング液室Qが形成されている。クリーニング液室Qには、複数のクリーニング液供給口60aが繋がっている。
上部材64は、クリーニング液室Qの上面および側面を構成している。上部材64には、クリーニング液供給経路70(図6参照)の下流端が接続される接続部64aが設けられている。
下部材65は、クリーニング液室Qの底面および側面を構成している。下部材65は、クリーニング液室Qの底面を構成するとともにクリーニング液供給面F2が形成された底面部65aと、底面部65aに連続して設けられるとともに傾斜面62が形成された傾斜部65bと、を含んでいる。
底面部65aには図8に示すように、複数のクリーニング液供給口60aと、各クリーニング液供給口60a上に配置され、クリーニング液室Qと各クリーニング液供給口60aとを連通する複数の凹部66と、が設けられている。凹部66は、クリーニング液供給口60aの内径よりも大きい内径を有する。
クリーニング液供給口60aは、凹部66の底面66aに接続されている。凹部66は、1つのクリーニング液供給口60aに対して1つだけ設けられている。凹部66およびクリーニング液供給口60aは、平面視で円形状に形成されている。また、クリーニング液供給口60aは、凹部66と同心円状に形成されている。
クリーニング液供給口60aの内側面は、クリーニング液供給面F2に対して垂直に設けられている。すなわち、クリーニング液供給口60aは、下端から上端まで一定の内径に形成されている。クリーニング液供給口60aの深さH60aは、クリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きく形成されている。具体的には、クリーニング液供給口60aの深さH60aは、約0.6mmに形成されており、クリーニング液供給口60aの内径D60aは、約0.5mmに形成されている。
凹部66は、逆円錐台形状に形成されている。凹部66の下端の内径(凹部66の底面66aの直径)D66aは、凹部66の上端の内径D66bよりも小さく、クリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きく形成されている。具体的には、凹部66の下端の内径D66aは、約1.0mmに形成されており、凹部66の上端の内径D66bは、約2.0mmに形成されている。
また、底面部65aの厚みH65a(=H60a+H66)は、約1.5mmに形成されており、凹部66の深さH66は、約0.9mmに形成されている。このため、クリーニング液供給口60aの深さH60aは、底面部65aの厚みH65aの半分よりも小さくなっているとともに、凹部66の深さH66よりも小さくなっている。
上部材64および下部材65は、金型を用いて例えばポリアセタール、ポリプロピレンまたはポリエチレン等の樹脂を射出成形することによってそれぞれ一体で形成されている。下部材65を射出成形により形成する際に、凹部66に対応する金型部品とクリーニング液供給口60aに対応する金型部品とを上下方向から当接させることによって、凹部66およびクリーニング液供給口60aが底面部65aに形成される。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における、メンテナンスユニット19を用いた記録ヘッド17の回復動作について説明する。なお、以下で説明する記録ヘッド17の回復動作は、制御部110(図1参照)からの制御信号に基づいて記録ヘッド17、メンテナンスユニット19、供給ポンプ72等の動作を制御することによって実行される。
記録ヘッド17の回復動作を行う場合、先ず、図9に示すように、制御部110(図1参照)は記録部9の下方に位置する第1搬送ユニット5を下降させる。そして、制御部110は第2搬送ユニット12の下方に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置する。この状態では、メンテナンスユニット19のワイパー35(図11参照)は記録ヘッド17のインク吐出面F1およびクリーニング液供給面F2(図3参照)よりも下方に配置されている。このとき、供給ポンプ72はオフ状態になっており、図10に示すように、クリーニング液23の液面はクリーニング液供給口60aに形成されている。すなわち、クリーニング液供給口60aの下端縁部を起点として記録ヘッド17の内側に湾曲するように、クリーニング液23のメニスカスが形成されている。
(クリーニング液供給動作)
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、制御部110(図1参照)によって供給ポンプ72(図6参照)が駆動(オン)され、図11に示すようにクリーニング液23が記録ヘッド17に供給され、所定時間経過後、供給ポンプ72が停止(オフ)され、供給ポンプ72の流入口と流出口との間は遮断される。このとき、クリーニング液23は図12に示す状態になる。つまり、クリーニング液23はクリーニング液供給口60aから凸状にクリーニング液23の表面張力で突出した状態になる。
(インク押出動作)
また、ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図11に示すように、制御部110(図1参照)によってインク22が記録ヘッド17に供給される。供給されたインク22はインク吐出口18aから強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、インク吐出口18a内の増粘インク、異物や気泡がインク吐出口18aから排出される。このとき、パージインク22はインク吐出口18aの存在するインク吐出領域R1の形状に沿ってインク吐出面F1に押出される。なお、図では、理解を容易にするために、インク(パージインク)22にハッチングを施している。
(拭き取り動作)
制御部110は図13に示すように、ワイパー35を上昇させて記録ヘッド17のクリーニング液供給部材60の傾斜面62に所定の圧力でワイパー35を接触させる。このとき、ワイパー35の上面がインク吐出面F1およびクリーニング液供給面F2よりも約1mmだけ高くなるように、ワイパー35を上昇させる。これにより、インク吐出面F1およびクリーニング液供給面F2に対するワイパー35の食い込み量(オーバーラップ量)が約1mmになる。なお、ワイパー35を上昇させた時点では、ワイパー35は傾斜面62に圧接されていなくてもよい。すなわち、ワイパー35を図13よりも右側の位置で上昇させてもよい。
ワイパー35の先端がクリーニング液供給部材60の傾斜面62に圧接した状態から、制御部110はワイパー35を図14に示すようにクリーニング液供給面F2に沿ってインク吐出領域R1の方向(矢印A方向)に移動させる。これにより、ワイパー35は、クリーニング液供給口60aから凸状に突出した状態のクリーニング液23を掬い取ることで、クリーニング液23を保持した状態でインク吐出領域R1の方向に移動する。このとき、クリーニング液供給部材60のクリーニング液23は図15に示す状態になる。
ワイパー35の先端がクリーニング液供給領域R2を通過すると、供給ポンプ72の流入口と流出口との間は連通状態に切り替えられる。これにより、クリーニング液供給口60aのクリーニング液23には負圧がかかり、クリーニング液23がクリーニング液供給口60aに吸い込まれ、図10の状態に戻る。
そして、図16に示すように、ワイパー35は、クリーニング液23を保持した状態を維持しながらインク吐出面F1を左方向(矢印A方向)に移動する。このとき、クリーニング液23およびインク(パージインク)22によって、インク吐出面F1に付着して固化したインク滴(廃インク)が溶解し、ワイパー35によって拭き取られる。そして、ワイパー35は、さらに左方向(矢印A方向)に移動し、インク吐出領域R1に対してクリーニング液供給領域R2とは反対側の位置に到達すると、左方向への移動が停止される。なお、ワイパー35によって拭き取られたクリーニング液23および廃インクは、メンテナンスユニット19に設けられたクリーニング液回収トレイ(不図示)に回収される。
(離間動作)
拭き取り動作の実行後、図17に示すように、制御部110はワイパー35を下降させてインク吐出面F1から離間させる。
最後に、制御部110は、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させる。このようにして、記録ヘッド17の回復動作を終了する。
本実施形態では、上記のように、インク吐出口18aに対してワイピング方向の上流側には、クリーニング液23を供給する複数のクリーニング液供給口60aが設けられている。これにより、クリーニング液供給口60aからクリーニング液23を供給した後、ワイパー35をクリーニング液供給口60aよりもワイピング方向上流側からインク吐出面F1に沿って移動させることによって、ワイパー35でクリーニング液23を保持しながらインク吐出面F1を拭くことができる。このため、インク吐出面F1を清浄化することができる。
また、クリーニング液供給口60aの深さH60aは、クリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きい。これにより、振動や衝撃が記録ヘッド17に加わった場合であっても、クリーニング液23のメニスカスが破壊するのを抑制することができる。このため、クリーニング液供給口60aからクリーニング液23が垂れて用紙Sを汚したり、クリーニング液23が記録ヘッド17内に逆流したりするのを抑制することができる。なお、クリーニング液23のメニスカスが破壊するのを抑制するためには、クリーニング液供給口60aの内径D60aが小さいことが好ましい。また、クリーニング液供給口60aの内径D60aが一定の場合は、クリーニング液供給口60aの深さH60aが大きいことが好ましい。
また、上記のように、底面部65aには、複数のクリーニング液供給口60aと、クリーニング液供給口60a上に配置され、クリーニング液供給口60aの内径よりも大きい内径を有する凹部66と、が設けられている。これにより、クリーニング液供給口60aの深さH60aを小さくすることができるので、クリーニング液供給口60aの内径D60aを容易に小さく形成することができる。また、底面部65aの厚みH65aを容易に確保することができる。
また、上記のように、凹部66は、逆円錐台形状に形成されている。これにより、金型を用いて樹脂を射出成形することにより底面部65aに凹部66を形成する場合に、金型からの離型性を向上させることができる。
また、上記のように、凹部66の下端の内径D66aは、クリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きい。これにより、クリーニング液供給口60aが凹部66に対して位置ズレして形成された場合であっても、クリーニング液供給口60aの上端が凹部66の下端縁部(底面66a)から外側にはみ出るのを容易に抑制することができる。
また、上記のように、クリーニング液供給口60aの深さH60aは、底面部65aの厚みH65aの半分よりも小さい。これにより、底面部65aの厚みH65aを確保しながら、クリーニング液供給口60aの深さH60aを小さくして、クリーニング液供給口60aの内径D60aを容易に十分小さくすることができる。
また、上記のように、底面部65aは、樹脂により形成されている。これにより、金型を用いて樹脂を射出成形することによって、底面部65aに容易にクリーニング液供給口60aおよび凹部66を形成することができる。
また、上記のように、複数のクリーニング液供給口60aは、複数のインク吐出口18aが開口するインク吐出領域R1に対して、ワイピング方向の上流側に配置されたクリーニング液供給領域R2に設けられている。これにより、記録ヘッド17におけるインク通過経路とクリーニング液通過経路とを別々に(離れて)形成することができるので、記録ヘッド17の構造が複雑になるのを抑制することができる。
また、上記のように、記録ヘッド17は、複数のインク吐出口18aが形成されたヘッド部18と、複数のクリーニング液供給口60aが形成されたクリーニング液供給部材60と、によって構成されている。これにより、ヘッド部18にクリーニング液供給口60aを形成する場合に比べて、クリーニング液供給口60aを容易に形成することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、底面部65aにクリーニング液供給口60aと凹部66とを設ける例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図18に示した本発明の第1変形例の記録ヘッド17のクリーニング液供給部材60のように、底面部65aに凹部66を設けずクリーニング液供給口60aのみを設けてもよい。この場合、下部材65をSUS等の金属により形成してもよい。また、金属板にドリル加工やレーザー加工を施すことによってクリーニング液供給口60aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、凹部66を逆円錐台形状に形成する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図19に示した本発明の第2変形例の記録ヘッド17のクリーニング液供給部材60のように、凹部66を例えば円柱状に形成してもよい。すなわち、凹部66の内側面をクリーニング液供給面F2に対して垂直に形成してもよい。
また、上記実施形態では、凹部66の下端の内径D66aをクリーニング液供給口60aの内径D60aよりも大きく形成する例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば図20に示した本発明の第3変形例の記録ヘッド17のクリーニング液供給部材60のように、凹部66の下端の内径をクリーニング液供給口60aの内径と同じ大きさに形成してもよい。ただし、クリーニング液供給口60aが凹部66に対して位置ズレして形成された場合、クリーニング液供給口60aの上端が凹部66の下端から外側にはみ出るので、凹部66の下端の内径をクリーニング液供給口60aの内径よりも大きく形成することが好ましい。
また、上記実施形態では、クリーニング液供給口60aが形成されたクリーニング液供給部材60をヘッド部18とは別体で設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。クリーニング液供給部材60を設けず、クリーニング液供給口60aをヘッド部18に形成してもよい。このとき、例えば図21に示した本発明の第4変形例の記録ヘッド17のように、クリーニング液供給口60aをインク吐出口18aに隣接して(例えば、インク吐出口18aと供給口列E1とを矢印AA´方向に交互に)配置してもよい。
また、上記実施形態では、クリーニング液供給口60aおよび凹部66が平面視において円形状に形成されている例について示したが、本発明はこれに限らない。クリーニング液供給口60aおよび凹部66は、平面視において矩形状または多角形状等に形成されていてもよい。なお、本明細書および特許請求の範囲において、円形状とは真円形状だけでなく、楕円形状や長円形状を含む概念である。また、本明細書および特許請求の範囲において、内径とは、開口部において対向する側面間の最大長さと言い、例えば、真円形状における直径、楕円形状および長円形状における長径を意味する。
また、上記実施形態では、クリーニング液23およびインク(パージインク)22を用いて記録ヘッド17の回復動作を行う例について示したが、クリーニング液23だけを用いて記録ヘッド17の回復動作を行ってもよい。すなわち、インク押出動作を行わなくてもよい。
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
17 記録ヘッド
18 ヘッド部(インク吐出ヘッド部)
18a インク吐出口
22 インク
23 クリーニング液
35 ワイパー
60 クリーニング液供給部材(クリーニング液供給ヘッド部)
60a クリーニング液供給口
65a 底面部
66 凹部
100 インクジェット記録装置
D60a、D66a、D66b 内径
F1 インク吐出面
F2 クリーニング液供給面
H60a 深さ
H65a 厚み
Q クリーニング液室
R1 インク吐出領域
R2 クリーニング液供給領域
S 用紙(記録媒体)

Claims (9)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出口が開口するインク吐出面を備えた記録ヘッドであって、
    前記インク吐出口に対して、前記インク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側には、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が設けられており、
    前記クリーニング液供給口の深さは、前記クリーニング液供給口の内径よりも大きいことを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記複数のクリーニング液供給口に繋がるとともに、前記クリーニング液が充填されるクリーニング液室と、
    前記クリーニング液室の底面を構成する底面部と、
    を備え、
    前記底面部には、
    前記複数のクリーニング液供給口と、
    前記各クリーニング液供給口上に配置され、前記クリーニング液室と前記各クリーニング液供給口とを連通し、前記クリーニング液供給口の内径よりも大きい内径を有する複数の凹部と、
    が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記凹部は、逆円錐台形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
  4. 前記凹部の下端の内径は、前記クリーニング液供給口の内径よりも大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の記録ヘッド。
  5. 前記クリーニング液供給口の深さは、前記底面部の厚みの半分よりも小さいことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  6. 前記底面部は、樹脂により形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  7. 前記インク吐出面は、前記複数のインク吐出口が開口するインク吐出領域を含み、
    前記複数のクリーニング液供給口は、前記インク吐出領域に対して、前記ワイピング方向の上流側に配置されたクリーニング液供給領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
  8. 前記記録ヘッドは、前記インク吐出面を有するインク吐出ヘッド部と、前記クリーニング液供給領域が設けられたクリーニング液供給面を有するクリーニング液供給ヘッド部と、によって構成されていることを特徴とする請求項7に記載の記録ヘッド。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの前記インク吐出面を拭くワイパーと、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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