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JP2011075682A - 光学系レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ押えを省略し、プラスチックレンズを収納する鏡筒を径小化して光学系レンズ全体を小型化できるようにする。
【解決手段】鏡筒2に第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7を組み込む際、最後段のレンズ7に形成する腕部35を治具で押し込むと、各レンズ4〜7の円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26によって各レンズ4〜7の光軸Sを一致させ、最後段のレンズ7の周縁を鏡筒2の内周面に接着剤40で固着する。この時、最後段のレンズ7の治具の押圧代となる腕部35は切欠部36内に配置され、押圧代によるデッドスペースが省略可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)等の小型で薄型の電子機器に用いられる小型撮像装置に使用される光学系レンズ、特に複数のレンズを光軸方向に互いに当接させて重ね合わせることにより、光学的または物理的に向き合う互いのレンズ間の位置関係を決定する光学系レンズに関する。
近年、撮像装置を備えた携帯端末の市場の拡大に伴い、この撮像装置には高画素数で小型の固体撮像素子が搭載されるようになった。このような撮像素子の小型化・高画素化に対応し、例えば、特許文献1,2で示すように、複数枚のレンズで構成した撮像レンズが一般化している。
特許文献1で示す撮像レンズは、2枚のプラスチックレンズと1枚のガラスレンズと、これらのレンズを組み込む鏡枠とを備え、鏡枠と前段のプラスチックレンズとの当接面及び2枚のプラスチックレンズの当接面に光軸を中心として円錐状の押圧面を形成し、各レンズを鏡枠に組み込む際、前段のプラスチックレンズと鏡枠の前面に形成する押圧面とを嵌合させて鏡枠と前段のプラスチックレンズとを位置決めし、この状態で後段のプラスチックレンズを鏡枠に挿入して2枚のプラスチックレンズの当接面を係合させ、2枚のプラスチックレンズの光軸方向に位置合わせを行い、最後にガラスレンズを鏡枠に圧入嵌合し、そのガラスレンズにレンズ押えを押し当てることによって、鏡枠の押圧面とガラスレンズとで2枚のプラスチックレンズを挟み付けて各プラスチックレンズの光軸を一致させている。また、特許文献2で示す撮像レンズは、1枚のプラスチックレンズと1枚のガラスレンズと、これらのレンズを組み込む鏡筒とを備え、プラスチックレンズとガラスレンズとが接触するレンズの周辺領域を同一曲率又は同一テーパ面とし、各レンズを鏡枠に組み込む際、最初のプラスチックレンズの接触部と鏡筒の受け面とを当接させて鏡筒と前段のプラスチックレンズとを位置決めした状態で、ガラスレンズを鏡筒の内周面に嵌合させながらガラスレンズをプラスチックレンズに押し当てて光軸方向に加圧することによって、鏡筒の受け面とガラスレンズとでプラスチックレンズを挟み付け、各レンズの周辺領域に形成する同一曲率又は同傾斜のテーパ面の係合によって各レンズの光軸を一致させるように構成している。
特許文献1、2で開示される撮像レンズは、ガラスレンズとプラスチックレンズの異質材料レンズを組み合わせており、それぞれのレンズの線膨張係数が異なるため環境温度変化などによってレンズの接触部において擦れてレンズの損傷や割れなどが生じる恐れがある。このため、近年、携帯電話などに用いた撮像レンズは、例えば、図7に示すように、鏡筒Kに組み込まれる例えば4枚のレンズを全てプラスチックレンズF1〜F4で成形するのが一般的である。このようなプラスチックレンズF1〜F4はガラスレンズに比べ剛性が低いため、特許文献1、2のように、最後段のガラスレンズを鏡筒に圧入し、ガラスレンズと鏡筒の受け面とでプラスチックレンズを挟み付けて固定する方法では、最後段のプラスチックレンズF4のレンズ面が歪んで光学性能が劣化してしまうという問題がある。
このため、鏡筒Kに組み込まれる4枚のレンズを全てプラスチックレンズF1〜F4で構成する場合、少なくとも最後段のプラスチックレンズF4の外径を鏡筒Kの内径より僅かに小さく形成して、プラスチックレンズF4は、鏡筒Kとの間の径方向のクリアランスaを保って鏡筒Kに挿入される。すなわち、最後段のプラスチックレンズF4は鏡筒Kに対して径方向のクリアランスaに相当する遊びが形成され、一方、各プラスチックレンズF1〜F4は、各プラスチックレンズF1〜F4の光軸Sを一致させるためには、最後段の第4のプラスチックレンズF4で第1〜第3のプラスチックレンズF1〜F3を後方(図示下方側)から押圧することによって、各レンズF1〜F4の重ね合わせ面に形成する円錐当接面Nによって各レンズF1〜F4の光軸Sを一致させて調芯している。
このように、最後段のプラスチックレンズF4を鏡筒Kと径方向の遊びを持たせて光軸方向に押し込みながら鏡筒Kに挿入する場合、最後段のプラスチックレンズF4の後方側からレンズ押えHを圧入し、このレンズ押えHで第4のプラスチックレンズF4から順に第3のプラスチックレンズF3、第2のプラスチックレンズF2、第1のプラスチックレンズF1を押圧し、最終的にレンズ押えHを鏡筒Kの内周面に接着剤Bによって接着固定している。
特開昭56−149010号公報 特開平9−113783号公報
このように、最後段のプラスチックレンズF4をレンズ押えHで押圧し、そのレンズ押えHで鏡筒Kを押えた状態で接着固定する構造では、最後段のプラスチックレンズF4のレンズ部の周縁にレンズ押えHと当接する領域が必要となる。この場合、レンズ押えHも所定の強度を確保する必要があり、レンズ押えHの断面形状は比較的大きく形成せざるを得ない。このため、そのレンズ押えHと当接する最後段のプラスチックレンズF4には、レンズ部Aの周縁にレンズ押えHを突き当てる広い領域を確保する必要があるから、プラスチックレンズF4を収納する鏡筒Kの小型化、ひいてはレンズモジュールの小型化を阻害する要因となっている。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、レンズ押えを省略し、プラスチックレンズを含む鏡筒の径小化により、光学系レンズ全体の小型化が可能な光学系レンズを提供することを目的とする。
請求項1の光学系レンズは、レンズ部とコバ部から構成される複数のレンズと、この各レンズの重ね合わせ面に位置して形成される光軸を中心としたテーパ状の円錐面と、前記各レンズを重ね合わせた状態で収納保持する鏡筒とを備え、前記鏡筒の開口部から前記各レンズを挿入し、その最後段のレンズの外径を前記鏡筒の内径より小さく設定し、該最後段のレンズを光軸方向に押圧して前記各レンズの円錐面によって各レンズの光軸を相互に位置合わせする光学系レンズにおいて、前記最後段のレンズの最終面のレンズ部周縁から外方に突出する複数の腕部を形成するとともに、前記鏡筒の周壁部に前記腕部と対応する切欠部を形成し、前記腕部を押圧しながら前記切欠部内に位置させた状態で最後段のレンズの周縁を前記鏡筒の内周面に固着したことを特徴とする。
請求項1の光学系レンズの構成によれば、鏡筒の内部に各レンズを組み込む際、最後段のレンズに形成する腕部を押圧しながら鏡筒の内部に押し込んで各レンズに形成する円錐面によって各レンズの光軸が一致するように相互に位置決めする。このようにして各レンズを調芯して鏡筒内に収納し、最後段のレンズの周縁を鏡筒の内周面に固着することによって各レンズを一体化する。この時、レンズの押圧代となる腕部は鏡筒の切欠部内に配置され、押圧代によるデッドスペースが鏡筒内に生じることがない。
請求項2の光学系レンズは、前記最後段のレンズと前記鏡筒との固着手段が接着剤であることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、最後段のレンズに形成する腕部を押し込みながらレンズの最終面に形成するレンズ部周縁部と鏡筒の内周面との間に接着剤を充填し、各レンズの光軸を合わせた状態で各レンズを一体化して鏡筒に固定する。
請求項3の光学系レンズは、前記最後段のレンズは、最終面が像側に膨出した凸曲面状のレンズ部を有し、そのレンズ部の下部を前記鏡筒から突出させたことを特徴とする。
請求項3の構成によれば、鏡筒の内径寸法を小さく設定した場合、最後段のレンズから撮像素子に向かう最も外側の光線が鏡筒と干渉する虞れがあるが、最終面の像側に膨出した凸曲面状のレンズ部が鏡筒から突出するように、鏡筒の高さを低く設定することによって、レンズから撮像素子に向かう光線と鏡筒との干渉を防止することが可能となる。
本発明によれば、最後段のレンズを光軸方向に押圧しながら鏡筒に組み付ける際、例えば、治具を最後段のレンズの腕部に突き当てて光軸方向に押し込むことによって、
各レンズの円錐面によって各レンズの光軸を相互に一致させた状態で位置決めする調芯を行い、最後段のレンズを鏡筒に接着剤などによって固着することによって各プラスチックレンズを一体化することができる。また、各レンズを鏡筒に挿入する際、治具などを用いて最後段のレンズを光軸方向に押圧する都合上、最後段のレンズにはレンズ部の周縁部に治具を当てる領域が必要となる。この領域として最後段のレンズ部の最大有効径の外側に治具を当てるための腕部を一体形成し、その腕部に対応して鏡筒の周壁部に腕部を収納する切欠部を形成することによって、鏡筒内に治具を収納するためのデッドスペースが不要となる。これにより、鏡筒の内径寸法を小さく設定できるため、必然的に鏡筒の外径も小さく設定することが可能である。また、鏡筒の内径寸法を可及的に小さく設定した場合、最後段のレンズとして最終面の像側に膨出した凸曲面状のレンズ部を形成した構成とした場合、レンズ部から撮像素子に向かう最も外側の光線が鏡筒と干渉する虞れがあるが、鏡筒の高さを低く設定することによって、レンズから撮像素子に向かう光線と鏡筒とが干渉することもない。
実施例1を示す光学系レンズの断面図である。 同上、光学系レンズの斜視図である。 同上、光学系レンズの底面図である。 同上、図3のA−A線に沿った光学系レンズの一部を切り欠いた正面図である。 同上、裏面側から見た光学系レンズの斜視図である。 同上、接着剤の充填状態を示す要部の断面図である。 従来例を示す光学系レンズの断面図である。
以下、本発明の実施例を図1から図6を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例を示す光学系レンズの断面図を示しており、同図において、1は光学系レンズであり、鏡筒2と、この鏡筒2内に収納される4枚の第1〜第4のプラスチックレンズ4,5,6,7とで構成され、第2及び第3のプラスチックレンズ5,6の間及び第3及び第4のプラスチックレンズ6,7の間には内遮光板8,9が介在している。
前記鏡筒2は全体として上下を開口した円筒状の周壁部3と、周壁部3の一端開口部周縁(図1において上面側)から内方に向かって一体形成する光軸Sに対して垂直な受け面3aとで構成され、前記周壁部3の外周面に図示しないホルダを螺着するためのネジ部30を形成している。また、鏡筒2に収納される前記第1〜第4のプラスチックレンズ4,5,6,7は重ね合わせた状態で鏡筒2内に収納されており、そのうち、物体側から2段目の第2のプラスチックレンズ5は、鏡筒2の内周面に形成する段差状の嵌合部10に嵌合して位置決めされ、その第2のプラスチックレンズ5を除くその他のプラスチックレンズ4,6,7は鏡筒2に対して遊嵌自在に組み込まれている。
最上段に位置する第1のプラスチックレンズ4は、物体側(図示上側)と像側(図示下方)を凸面とするレンズ部4Aと、そのレンズ部4Aの最大有効径の外側に位置するフランジ状のコバ部4Bとから構成され、コバ部4Bの外径を鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれている。また、コバ部4Bの物体側に前記受け面3aと当接する当接面14を形成するとともに、コバ部4Bの像側に環状突部15を形成し、その環状突部15の外周面に円錐面となるテーパ状に円錐状傾斜面21としている。
2段目に位置する第2のプラスチックレンズ5は、物体側を凸面、像側を凹面とするレンズ部5Aと、そのレンズ部5Aの周縁に位置するコバ部5Bとから構成され、コバ部5Bの外径は鏡筒2の嵌合部10の内径と同径又は僅かに径大とし、鏡筒2の嵌合部10にコバ部5Bを嵌合して位置決めしている。また、第2のプラスチックレンズ5は、コバ部5Bの物体側と像側にそれぞれ環状突部16,17を形成し、物体側の環状突部16の内周面は、前記第1のプラスチックレンズ4の円錐状当接面21と若干の隙間を有してその円錐状傾斜面21と同傾斜の円錐状傾斜面22を形成し、像側の環状突部17の外周面には、円錐面としてテーパ状に傾斜した円錐状当接面23を形成している。
3段目に位置する第3のプラスチックレンズ6は、前記第2のプラスチックレンズ5と同様、レンズ部6Aとコバ部6Bとから構成され、レンズ部6Aは、前記第2のプラスチックレンズ5とは逆に物体側を凹面、像側を凸面としている。また、コバ部6Bの外径は、鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれているとともに、コバ部6Bの物体側と像側にそれぞれ環状突部18,19を形成し、物体側に形成した環状突部18の内周面と像側の環状突部19の外周面にそれぞれテーパ状に傾斜した円錐状当接面24,25を形成している。
最後段の第4のプラスチックレンズ7は、レンズ部7Aとコバ部7Bとから構成され、レンズ部7Aは物体側を凹面、像側が変曲点を有して凹面と凸面を連続させた形状であり、全体として凸面とする。また、コバ部6Bの外径は、鏡筒2の内径より小さく形成して鏡筒2との間にクリアランスを保って遊嵌自在に組み込まれているとともに、コバ部7Bの物体側に環状突部20を形成し、環状突部20の内周面にテーパ状に傾斜した円錐状当接面26を形成している。また、第4のプラスチックレンズ7は、最終面のレンズ部7Aの最大有効径の外側に位置して外方に突出する複数の腕部35が等間隔に一体形成され、本実施例においては、図3に示すように3つの腕部35が一体形成されている。前記鏡筒2の周壁部3には、前記腕部35と対応して各腕部35よりやや幅広な切欠部36が形成されており、第4のプラスチックレンズ7を鏡筒2内に挿入した際、腕部35が切欠部36内に配置される。なお、前記第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7のコバ部4B〜7Bには遮光マスク28が形成され、この遮光マスク28と前記第2及び第3のプラスチックレンズ5,6の間及び第3及び第4のプラスチックレンズ6,7の間に介在する内遮光板8,9が絞りとして機能する。また、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7に形成する円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26はそれぞれ光軸を中心とした円錐状テーパ面であり、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7を重ねた合わせた際、それぞれの円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26が嵌合して第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7の光軸Sを合わせた状態で相互に位置決めされる。また、本実施例では、図1に示すように、最後段の第4のプラスチックレンズ7から撮像素子50に向かう最も外側の光線S1が鏡筒2と干渉しないように、鏡筒2の高さを低く設定している。
以上のように構成される本実施例は、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7を鏡筒2の内部に組み込む際、最後段の第4のプラスチックレンズ7上に内遮光板9、第3のプラスチックレンズ6,内遮光板8,第2のプラスチックレンズ5,第1のプラスチックレンズ4を順次積み重ねることによって、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7の円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26が嵌合して位置決めされる。このように第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7を位置決めした状態で最後段の第4のプラスチックレンズ7に形成する腕部35を周壁部3に形成する切欠部36に合わせて鏡筒2内に挿入する。この時、第2のプラスチックレンズ5を除く、第1、第3、第4のプラスチックレンズ4,6,7は鏡筒2の内径より径小に形成され、第2のプラスチックレンズ5は、コバ部5Bの周縁が鏡筒2の内面に形成する嵌合部10に嵌合して位置決めされ、第2のプラスチックレンズ5上に重ねた第1のプラスチックレンズ4は、コバ部4Bの物体側に形成する当接面14が鏡筒2の受け面3aと当接して位置決めされる。一方、第2のプラスチックレンズ5の後段側に位置する第3,第4のプラスチックレンズ6,7は、鏡筒2とクリアランスを保って鏡筒2内に挿入され、前記第1,第2のプラスチックレンズ4,5を含めて第3,第4のプラスチックレンズ6,7を鏡筒2に固定するために、最後段の第4のプラスチックレンズ7を光軸方向に押し込んだ状態で第4のプラスチックレンズ7を鏡筒2の内周面に接着剤40によって固定している。この時、第4のプラスチックレンズ7に形成する腕部35に治具(図示しない)を突き当てて治具で第4のプラスチックレンズ7を光軸方向に押圧した状態で、図6に示すように腕部35を除く第4のプラスチックレンズ7の外周縁にノズルGから接着剤40を充填し、接着剤40が硬化することによって、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7は、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7の重ね合わせ面に形成する円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26によって相互に位置決めされ、第1〜第4のプラスチックレンズ4〜7の光軸Sが一致し、調芯された状態で鏡筒2に固定される。
以上のように本実施例においては、最後段に位置する第4のプラスチックレンズ7を光軸方向に押圧する際、治具(図示しない)を第4のプラスチックレンズ7の腕部35に突き当てて第4のプラスチックレンズ7を光軸方向に押し込むことによって、
それぞれの円錐状傾斜面21,22と円錐状当接面23〜26によって鏡筒2に対する各プラスチックレンズ4〜7の光軸Sを合わせるように調芯を行い、最終的に第4のプラスチックレンズ7を鏡筒2に接着固定することによって各プラスチックレンズ4〜7を一体化して鏡筒2に固定する。この各プラスチックレンズ4〜7を鏡筒2に挿入する際、第4のプラスチックレンズ7を光軸方向に押し込みながら、鏡筒2の内周面に接着剤40を充填する際、従来構造では、第4のプラスチックレンズ7のレンズ部7Aの周縁部に治具を当てる領域が必要となり、その領域分を含めて鏡筒2の内径を設計する必要があるが、本実施例においては、第4のプラスチックレンズ7のレンズ部7Aの最大有効径の外側に治具を当てる腕部35を一体形成し、その腕部35に対応して鏡筒2の周壁部3には腕部35が収納される切欠部36が形成することにより、鏡筒2内に治具を収納するためのデッドスペースが不要となり、その分、鏡筒2の内径寸法を可及的に小さく設定できるため、必然的に鏡筒2の外径も小さく設定することが可能である。一方、このように、鏡筒2の内径寸法を可及的に小さく設定した場合、最後段の第4のプラスチックレンズ7から撮像素子50に向かう最も外側の光線S1が鏡筒2と干渉する虞れがあるが、図1に示すように、鏡筒2の高さを低く設定することによって、最後段の第4のプラスチックレンズ7から撮像素子50に向かう最も外側の光線S1が鏡筒2と干渉することもない。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズの形状や各レンズの光軸を合わせるために嵌合構造やレンズの枚数といった基本的構成は適宜選定すればよい。また、第4のプラスチックレンズ7を固定する接着剤40として遮光性材料を用いれば、第4のプラスチックレンズ7の最終面に形成する遮光マスク28を省略することが可能となり、コスト低減を図ることができる。
1 光学系レンズ
2 鏡筒
3 周壁部
4,5,6,7 プラスチックレンズ
4A,5A,6A,7A レンズ部
4B,5B,6B,7B コバ部
21,22 円錐状傾斜面(円錐面)
23,24,25,26 円錐状当接面(円錐面)
35 腕部
36 切欠部
40 接着剤
50 撮像素子
S 光軸

Claims (3)

  1. レンズ部とコバ部から構成される複数のレンズと、この各レンズの重ね合わせ面に位置して形成される光軸を中心としたテーパ状の円錐面と、前記各レンズを重ね合わせた状態で収納保持する鏡筒とを備え、前記鏡筒の開口部から前記各レンズを挿入し、その最後段のレンズの外径を前記鏡筒の内径より小さく設定し、該最後段のレンズを光軸方向に押圧して前記各レンズの円錐面によって各レンズの光軸を相互に位置合わせする光学系レンズにおいて、前記最後段のレンズの最終面のレンズ部周縁から外方に突出する複数の腕部を形成するとともに、前記鏡筒の周壁部に前記腕部と対応する切欠部を形成し、前記腕部を押圧しながら前記切欠部内に位置させた状態で最後段のレンズの周縁を前記鏡筒の内周面に固着したことを特徴とする光学系レンズ。
  2. 前記最後段のレンズと前記鏡筒との固着手段が接着剤であることを特徴とする請求項1記載の光学系レンズ。
  3. 前記最後段のレンズは、最終面が像側に膨出した凸曲面状のレンズ部を有し、そのレンズ部の下部を前記鏡筒から突出させたことを特徴とする請求項1又は2記載の光学系レンズ。
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