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JP2011058521A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP2011058521A
JP2011058521A JP2009206659A JP2009206659A JP2011058521A JP 2011058521 A JP2011058521 A JP 2011058521A JP 2009206659 A JP2009206659 A JP 2009206659A JP 2009206659 A JP2009206659 A JP 2009206659A JP 2011058521 A JP2011058521 A JP 2011058521A
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Toshiro Toyoda
俊郎 豊田
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NSK Ltd
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Abstract

【課題】トラニオンに接してパワーローラに働く接線力を伝達するパワーローラ用スラスト玉軸受の外輪の小型軽量化を図ることが可能なトロイダル型無段変速機を提供する。
【解決手段】外輪28の外周面110は、トラニオン15の接触部120に接触し、パワーローラ11に働く接線力をトラニオン15に伝達する。外輪28の内側面28dには、スラスト玉軸受24の転動体26用の軌道溝28fが形成されている。外輪28の外周面110には、当該外輪28の内側面28dと外側面28eとの間を中高とするクラウニング面111が設けられている。当該クラウニング面111の最も外周側となる頂点位置が、外輪28の軌道溝28fの最も深い位置よりも、当該外輪28の外側面28e側に設けられている。これにより、外輪28の軌道溝28fにより径方向の肉厚が薄くなった外周面110と内側面28dとの角部の応力増大を防止できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図6および図7に示すように構成されている。図6に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図7参照)が回転自在に挟持されている。
図6中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図6の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図7は、図6のB−B線に沿う断面図である。図7に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図7においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図7の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図7の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図6の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図7で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図7の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、このようなトロイダル型無段変速機において、トロイダル型無段変速機のパワーローラ11,11では、ディスク2,3との接触点で当該接触点に垂直な法線力(トラクションドライブに必要な押し付け力に起因して発生する力)とパワーローラ内輪の回転方向に平行な接線力(=トラクション力)が働いている。これら2つの力を、パワーローラ11,11を介してトラニオン15,15も支持している。例えば、前記法線力はパワーローラ11,11を内輪とするスラスト玉軸受24の外輪28の外側面(内輪の反対側、すなわちパワーローラ11側の側面の反対側となる側面)と、トラニオン15の支持板部16の内側面(パワーローラ11側の側面)との間に配置されたスラストニードル軸受25を介してトラニオン15,15に伝えられる。
また、トラニオン15では、上述のように前記変位軸23の基端部23aが挿入される円孔21が設けられ、当該円孔21に前記基端部23aを回転自在に支持するラジアルニードル軸受が設けられており、前記接線力は、変位軸23からラジアルニードル軸受を介してトラニオン15,15に伝えられる。
したがって、トラニオン15,15には、変位軸23とラジアルニードル軸受を内包する円孔21(貫通孔もしくは袋穴)を設ける必要があった。
そのため、トラニオン15,15の支持板部16に円孔21を形成したことにより、トラニオン15,15の剛性が下がり、例えばパワーローラ11側からの前記法線力等による変形が大きくなったり、応力が増大したりという問題があった。
また、トラニオン15,15の変形が大きくなると、ディスク2,3とパワーローラ11,11の接触点位置が設計値からずれて当該接触点位置における面圧が増大したり、変速比がずれたりするという問題を引き起こす虞があった。また、プリセスカムを用いて変速制御する場合、プリセスカムの位置がトラニオン15,15の変形によりずれるため、これも変速比のずれの大きな要因となっていた。
これらの問題や、上述の応力の増大によるトラニオン15の損傷を防止するために、円孔21が形成されたトラニオン15,15に十分な剛性を持たせるべく、トラニオン15,15の各部の肉厚を厚くしていくとトラニオン15,15の重量が増加するとともに変速機全体の重量増となり、これにより燃費低下、コスト増など別の問題も生じてしまう。
このような問題に対し、トラニオンに穴(円孔21)をあけずとも接線力を支持できる構造が提案されている。
例えば、外輪28の外周面と、トラニオン15の外輪28の外周面と対向する部分(例えば、折れ曲がり壁部20,20の基端部)との間にころ軸受を配置し、当該ころ軸受けを介してパワーローラ11からトラニオン15に接線力に伝えて、トラニオン15で接線力を支持するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、変位軸23の基端部23aをトラニオン15の円孔21に設けられたラジアルニードル軸受で支持する必要がなくなり、構造的には、トラニオン15の円孔21およびラジアルニードル軸受がなくなるとともに、変位軸23の基端部がなくなり、例えば、外輪と一体の軸部(変位軸23の先端部23bに相当)があればよいことになる。
しかし、この場合に、外輪28の外周面にころ軸受の軌道面を設ける必要があることから、加工コストが高くなる虞がある。
そこで、外輪28の外周面と、当該外周面と対向するトラニオン15の部分とを直接接触させる構造とし、この接触部分により上述の接線力を伝えるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この場合に、前記ころ軸受を設けることがないことから、外輪28の外周面に軌道面を設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
特開2001−12574号公報 特開2008−25821号公報
とこで、上述の特許文献1,2に示される例においては、トラニオンの剛性向上の面で優れた効果を奏するが、以下のような問題を有していた。
すなわち、トラニオンに直接的もしくはころ軸受等の部材を介して間接的に外周面が接触する外輪には、その内側面(パワーローラ側側面)の外周面に近い側に周方向にそってスラスト玉軸受の転動体(玉)用のボール溝(軌道溝)が設けられていることから、外輪の外周部分の外側面から内側面までの厚みのうちのパワーローラ側となる内側面側の部分の剛性が低くなっている。
すなわち、外輪の内側面から外側面までの厚みの範囲のうちの内側面の軌道溝の深さの範囲内までにおいては、外輪の外周面から軌道溝までしか径方向に沿った肉厚がなく、外輪の外周面をトラニオンに接触させて接線力を伝達する構成の場合に、この外輪外周部の内側面側部分(外輪の外周面と内側面との角部分)で応力が増大する。
また、上述のようにトラニオンの剛性が高くなっても、トラニオンが僅かに変形する虞があり、この場合にトラニオンから外輪の外周面に向かって力が作用し、外輪外周部の内側面側部分で、さらに応力が増大する。
そこで、上述のように発生する応力を基準値以下(許容範囲以下)にするには、外輪の肉厚を厚くすることが考えられるが、この場合に外輪の重量および設置スペースの増大等の問題が生じるため、これらの問題が生じない別の解決方法が求められていた。
また、外輪外周面で前記接線力を支持する構造にすることで、上述のように外輪外周部の内側面側部分で応力が増大すると、外輪の軌道溝部分の変形が大きくなってしまうという問題がある。この場合に、軌道溝の変形が大きくなることで、ボール(転動体)の回転の抵抗も大きくなってしまう。そして、この回転抵抗により変速機全体の伝達効率の低下を招く虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、パワーローラに作用する接線力を、当該パワーローラのスラスト玉軸受けの外輪の外周面から当該外周面に直接的もしくは間接的に接する接触部を有するトラニオンに伝達する際に、外輪の外周部分での応力の増大を防止できるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有し、前記外輪の前記パワーローラ側を向く内側面に前記転動体が転動する軌道溝が形成され、前記トラニオンに前記外輪の外周面と直接的もしくは間接的に接触することで前記パワーローラに働く接線力を当該トラニオンに伝達する接触部が形成されて成るトロイダル型無段変速機において、
前記外輪の外周面に、前記トラニオンの前記接触部に直接的もしくは間接的に接触するとともに、当該外輪の内側面と当該内側面の反対となる外側面との間を中高とするクラウニング面が設けられ、当該クラウニング面の最も外周側となる頂点位置が、前記外輪の内側面に設けられた前記軌道溝の最も深い位置よりも、前記外輪の外側面側に設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、外輪の外周面に設けられたクラウニング面の頂点位置部分およびその周囲で、上述の接線力がトラニオンの接触部に伝達されることになるが、クラウニング面の頂点位置が、外輪の軌道溝の最も深い位置より外輪の外側面側にあるので、外輪の外周部分で軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分(軌道溝の深さ範囲で外輪外周面と軌道溝との間となる部分)での応力の増大を防止できる。
例えば、クラウニング面の頂点位置を軌道溝の深さ範囲内に設けた場合、すなわち、軌道溝の最も深い位置より外輪の内側面側に設けた場合には、外輪の外周部分の軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分に直接的に力が作用し、この部分で応力が増大してしまうが、本発明では、クラウニング面の頂点位置が外輪の軌道溝の最も深い位置より外輪の外側面側にあるので、外輪外周の軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分に作用する力を低減することができる。
また、トラニオンがパワーローラに働く法線力により変形した場合に、トラニオンのパワーローラの外周面に対向して接触部が形成される部分がパワーローラの中心側に向かって変形し、外輪の外周面を中心側に押す状態となるが、この場合も、クラウニング面の頂点位置を外輪の軌道溝の最も深い位置より外輪の外側面側とすることで、パワーローラ外周部分の軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分での応力の増大を防止できる。
これにより、従来のように外輪外周部の内側面側での応力の増大に対応するために、外輪の肉厚を厚くする必要がなく、外輪の軽量小型化およびそれに基づくコストダウンを図ることが可能となる。
また、外輪の小型軽量化によりトラニオンの小型軽量化を図ることが可能となり、最終的に変速機全体の小型軽量化を図ることが可能となる。これにより、例えば、車両等への搭載性が向上する。
また、外輪外周部の内側面側部分の応力の増大を防止することで、外輪内側面の軌道溝部分の変形を防止することができ、これにより転動体の回転抵抗が大きくなるのを防止することができる。したがって、転動体の回転抵抗の増大による変速機全体の伝達効率の低下を防止することができる。
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有し、前記外輪の前記パワーローラ側を向く内側面に前記転動体が転動する軌道溝が形成され、前記トラニオンに前記外輪の外周面と直接的もしくは間接的に接触することで前記パワーローラに働く接線力を当該トラニオンに伝達する接触部が形成されて成るトロイダル型無段変速機において、
前記外輪の外周面に、前記トラニオンの前記接触部に直接的もしくは間接的に接触する外輪側接触面が備えられ、当該外輪側接触面が前記外輪の内側面に設けられた前記軌道溝の最も深い位置よりも、前記外輪の内側面の反対側となる外側面側に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、外輪の外周面に設けられた外輪側接触面で、上述の接線力がトラニオンの接触部に伝達されることになるが、外輪側接触面が、外輪の軌道溝の最も深い位置より外輪の外側面側にあるので、外輪の外周部分で軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分での応力の増大を防止できる。
また、トラニオンがパワーローラに働く法線力により変形した場合に、外輪に作用する力によって、パワーローラ外周部分の軌道溝により径方向の厚みが薄くなった部分で応力が増大するのを防止できる。
これにより、従来のように外輪外周部の内側面側での応力の増大に対応するために、外輪の肉厚を厚くする必要がなく、外輪の軽量小型化およびそれに基づくコストダウンを図ることが可能となる。
また、外輪の小型軽量化によりトラニオンの小型軽量化を図ることが可能となり、最終的に変速機全体の小型軽量化を図ることが可能となる。これにより、例えば、車両等への搭載性が向上する。
また、外輪外周部の内側面側部分の応力の増大を防止することで、外輪内側面の軌道溝部分の変形を防止することができ、これにより転動体の回転抵抗が大きくなるのを防止することができる。したがって、転動体の回転抵抗の増大による変速機全体の伝達効率の低下を防止することができる。
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、パワーローラに作用する接線力を、当該パワーローラのスラスト玉軸受けの外輪の外周面と、トラニオンの当該外周面に対向して当該外周面に接触する接触部とで伝達することで、トラニオンに円孔を形成する必要をなくしてトラニオンの剛性を高める構造において、外輪の内側面に形成された軌道溝の深さの範囲で、外輪外周面と軌道溝の間となる部分での応力の増大を防止できる。
本発明の第1実施形態のトロイダル型無段変速のパワーローラを備えたトラニオンを示す正面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 図2の矩形部分Cの拡大図である。 本発明の第2実施形態のトロイダル型無段変速のパワーローラを備えたトラニオンを示す断面図である。 図4の矩形部分Dの拡大図である。 従来から知られているハーフトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。 図6のB−B線に沿う断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。なお、第1実施形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、外輪の外周面とトラニオンの当該外輪の外周面に接触する接触部とでパワーローラに働く接線力を伝達する構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、第1実施形態の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6および図7と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
図1は本発明の第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機のパワーローラを備えるトラニオンを示す正面図、図2は図1のB−B線に沿う断面図、図3は図2の矩形部分Cの拡大図である。
図1〜図3に示すように、この例のトロイダル型無段変速機においては、外輪28の外周面110とトラニオン15の当該外輪28の外周面110に接触する接触部120とでパワーローラ11に働く接線力を伝達する構造を用いたことにより、図6および図7で示されるパワーローラ11の変位軸23の基端部23a、トラニオン15の前記基端部23aを挿入する円孔21およびこれらの間のラジアルニードル軸受が無い構造となっている。
そして、外輪28は、スラスト玉軸受24の外輪を形成する概略円板状の外輪本体部28aと、この外輪本体部28aの内側面の中心から垂直に延び、パワーローラ11を回転可能に支持する軸部28bとから成っている(前述した従来構造の外輪28と変位軸23の先端部23bとが一体となって、変位軸23の基端部23aを取り除いた構造を成している)。外輪本体部28aは、パワーローラ11の回転中心軸すなわち軸部28bの回転中心軸と同心の外周面110を有している。
外輪28は、トラニオン15の内側の凹状のポケット部P内に収容されており、トラニオン15には、この外輪本体部28aの外周面110に対向する位置に、互いに対向しかつパワーローラ11の回転中心軸(回転軸)と直交捩れ方向に沿って延びる平面状の一対の接触部(トラニオン側接触面)120,120が形成されている。より詳しく説明すると、一対の接触部120,120は、パワーローラ11の回転中心軸(回転軸)と直交するとともに枢軸14と直交する方向に延びている。各接触部120は、トラニオン15の折れ曲がり壁部20の基端部の内側面から内側に向かってほぼ四角板状に少し突出している突出部のほぼ四角形の平面からなる先端面(前面)により形成されている。
各接触部120は、トラニオン15の折れ曲がり壁部20において、ディスク2,3の回転中心軸に沿う方向のほぼ中央部に形成されている。各接触部120は、例えば高周波焼入れなどにより硬度が高められ、また研削加工により面粗度が高められている。これらの接触部120,120の間の距離は、外輪本体部28aの外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。
また、接触部120,120および外輪28の外輪本体部28aの外周面110の少なくとも一方に、摩擦係数低減処理が施されていることが好ましい。摩擦係数低減処理としては、例えば、接触部120,120および外輪本体部28aの外周面110の少なくとも一方に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)あるいは二硫化モリブデン(MoS2)などの皮膜を形成する。
また、トラニオン15の支持板部16の内側面と一対の折れ曲がり壁部20,20とにより形成された凹状のポケット部Pは、外輪28およびパワーローラ11を収容する収容空間となっており、この収容空間のうち、外輪28を収容する外輪収容空間の枢軸に沿う方向の寸法(一対の折れ曲がり壁部20,20の基端部側の互いに対向する内側面同士の間)がパワーローラ11を収容するパワーローラ収容空間の枢軸に沿う方向の寸法(一対の折れ曲がり壁部20,20の基端部より先端側の互いに対向する内側面同士の間)よりも小さく設定されている。すなわち、上述のように一対の折れ曲がり壁部20の基端部の内側面が内側に突出することにより、外輪本体部28aの外周面110に極めて近接した状態となっており、この部分がほぼ平面状の接触部120となる。
また、トラニオン15と外輪本体部28aとの間には、パワーローラ11に加わるスラスト方向(パワーローラ11の小端面側から大端面側に向かう方向)の荷重を支承するスラスト転がり軸受130が介挿されている。
また、軸部28bとパワーローラ11との間には、ラジアル転がり軸受140が介挿されている。
また、一対の折れ曲がり壁部20,20の先端部どうしの間には、これらに架け渡されるように、ビーム(連結片)15aが形成されている。ビーム15aは、パワーローラ11に働く法線力に基づいて、トラニオン15の支持板部16がその中央部をパワーローラ11の反対側に凸となるように変形し、折れ曲がり壁部20,20同士の先端側が互いに近づくように変形するのを防止するものである。ビーム15aによりトラニオン15に円孔21を形成しないことと合わせてトラニオン15の変形をより確実に防止することができるが、ビーム15aを設けない構成としてもよい。
したがって、上記構成では、パワーローラ11に対してラジアル方向(トラニオン15の枢軸14に沿う方向)の接線力が作用すると、パワーローラ11が枢軸14,14の一方側(図中)に変位し、これに伴い外輪本体部28aの外周面110がトラニオン15の接触部120,120の一方に押し付けられる。そして、外輪本体部28aはこの接触部120上を転がることができる。すなわち、外輪本体部28a(パワーローラ11)は、トラニオン15に対してパワーローラ11の回転中心軸と直交するとともに枢軸14と直交する方向(ディスク2,3の回転中心軸に沿う方向)に移動することができる。
そして、図3に示すように、トラニオン15の折れ曲がり壁部20の基端部の内側面に形成された平面状の接触部120に接触する外輪本体部28aの外周面110は、外輪本体部28a(外輪28)のパワーローラ11側(スラスト玉軸受24の内輪側)となる内側面28dと、パワーローラ11の反対側となる外側面28eとの間を中高とするクラウニング面111が形成されている。
そして、このクラウニング面111の最も外周側となる頂点位置、すなわち、最も接触部120に近い位置が、前記外輪本体部28a(外輪28)の内側面28dに設けられた軌道溝(ボール溝)28fの最も深い位置よりも外側面28e側に設けられている。
なお、一点鎖線Lは、軌道溝28fの最も深い位置のパワーローラ11の回転軸方向に沿った位置を示し、一点鎖線Mは、前記頂点位置のパワーローラ11の回転軸方向に沿った位置を示す。また、クラウニング面111の頂点位置は、点を示すものではなく、クラウニング面111が外輪本体部28aの外周面110の全周に渡って存在し、当該クラウニング面111の頂点位置もクラウニング面の全周に渡って存在する環状の線となる。
これら一点鎖線Lおよび一点鎖線Mに示すように、軌道溝28fのパワーローラ11の回転軸方向に沿って最も深い位置よりクラウニング面111の頂点位置が外輪本体部28aの外側面28e側となっており、パワーローラ11の回転軸方向に沿った配置において、軌道溝28fが占める部分と、クラウニング面111の頂点位置とが重ならないようになっている。
そして、トラニオン15の接触部120と、外輪本体部28aの外周面110のクラウニング面111とは、前記頂点位置とその周囲部分とが接触する可能性のある範囲となり、
接触部120とクラウニング面111の接触位置とが、パワーローラ11の回転軸方向に沿った配置で、前記軌道溝28fの最も深い位置よりも外側面側となる可能性が高くなる。
また、接触部120とクラウニング面111の接触位置とが、パワーローラ11の回転軸方向に沿った配置で、前記軌道溝28fの最も深い位置よりも内側面側となっても、前記接触位置は軌道溝28fの深い位置に対応し、軌道溝28fの浅い位置に対応することがない。
したがって、接触部120とクラウニング面111とが接触して、パワーローラ11に働く接線力がトラニオンに伝達される際に、外輪本体部28aの外周面と軌道溝28fの間でパワーローラ11の回転軸方向に沿った軌道溝28fの深さ範囲内となる部分(外輪本体部28aと内側面28dとの角部28g)における応力増大を防止することができる。
これにより、外輪28の軽量小型化を図ることができるとともに、外輪28の軽量小型化に基づいてトラニオン15の軽量小型化を図ることが可能となる。そして、これらのことから変速機全体の軽量小型化を図ることが可能となる。
さらに、外輪本体部28aの軌道溝28fに隣接する角部28gにおける応力増大を防止することで、軌道溝28fの変形を防止することができる。これによって、軌道溝28fの変形による転動体26の回転抵抗の増大を防止し、変速機全体の伝達効率低下を防ぐことができる。
図4および図5は、本発明の第2実施形態を示すものであり、図4は第2実施形態のトロイダル型無段変速機のパワーローラを備えたトラニオンを示す断面図、図5は図4の矩形部分Dの拡大図である。
なお、第2実施形態のトロイダル型無段変速機は、第1実施形態に対して外輪の外周面の形状と、トラニオンの当該外輪の外周面と接触する接触部の形状とを変更したものであり、それ以外の構成は第1実施形態と同様となっており、図1〜図3と同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態においては、外輪本体部28aの外周面112と接触するトラニオン15の接触部121のパワーローラ11の回転軸方向に沿った幅、すなわち、外輪本体部28aの内側面28dから外側面28eに至る厚み方向の幅が第1実施形態の接触部120より狭くなるように形成されている。
すなわち、第1の実施形態では、接触部120が外輪本体部28aの外周面110の厚み方向の幅の全面に渡るように形成されていたのに対して、第2の実施形態では、接触部121が外輪本体部28aの外周面112の外側面28eと内側面28dとの間の中央部分より少し内側面28d側から外側面28eに至る部分にだけ形成され、外輪本体部28aの外周面112の内側面側の部分に対向する位置に接触部121がない構造となっている。
そして、トラニオン15の互いに対向する一対の折れ曲がり壁部20,20の内側面同士の間隔は、折れ曲がり壁部20,20の基端部の接触部121の位置で狭く、接触部121より先端側で接触部121における間隔より広くなっている。
これにより、接触部121より折れ曲がり壁部20の先端側は、外輪本体部28aの外周面112より離れた位置に配置されており、外輪本体部28aの外周面112の内側面側部分は、物理的にトラニオン15の折れ曲がり壁部20の内側面に接触できない形状となっている。なお、一対の折れ曲がり壁部20,20の内側面同士の間隔が狭い接触部121とそれより先端側で、一対の折れ曲がり壁部20,20の内側面同士の間隔が広い部分との間には、段差122が形成されている。
そして、トラニオン15の前記接触部121と接触する外輪本体部28aの外周面112には、当該外周面112の接触部121に接触する外輪側接触面113が形成されている。
当該外輪側接触面113および接触部121のパワーローラ11の回転軸方向に沿った位置は、外輪本体部28aに形成された軌道溝28fの最も深い位置よりも、外輪本体部28aの外側面28e側となっている。
すなわち、外輪側接触面113および当該外輪側接触面113に接触する接触部121と、外輪本体部28aの内側面28d側に形成された軌道溝28fの深さ範囲とは、パワーローラ11の回転軸方向に沿った位置が互いに重ならず、軌道溝28fの深さの範囲に対して、外輪側接触面113および接触部121が軌道溝28fの深さ方向に、軌道溝28fより深い側に配置されている。
また、前記外輪本体28aの外周面112は、内側面28dと外側面28eとの間が中高となるクラウニング面とされている。そして、クラウニング面となる外周面112の最も外周側となる頂点位置は、外周面112のうちの上述のように軌道溝28fの深さ位置よりも外側面28e側とされた外輪側接触面113のパワーローラ11の回転軸方向のほぼ中央部とされている。
なお、一点鎖線Lは、第1実施形態と同様に、パワーローラ11の回転軸方向に沿った軌道溝28fの深さ位置を示し、一点鎖線Nは、パワーローラ11の回転軸方向に沿ったクラウニング面の頂点位置を示す。なお、クラウニング面は外周面112の全周に渡って形成され、クラウニング面の頂点位置は外周面112の全周に渡る環状の線部分である。
そして、接触部121と外輪側接触面113は、クラウニング面の頂点部分とその周囲とで主に接触することになる。
第2実施形態においても、接触部121と外輪側接触面113とが接触して、パワーローラ11に働く接線力がトラニオンに伝達される際に、第1実施形態とほぼ同様に、外輪本体部28aの外周面と軌道溝28fの間でパワーローラ11の回転軸方向に沿った軌道溝28fの深さ範囲内となる部分(外輪本体部28aと内側面28dとの角部28g)における応力増大を防止することができる。なお、第2実施形態の方が、第1実施形態の場合よりも、接触部121と外輪28の外周面112との接触可能範囲がより外輪28の外側面側に限定されるので、より確実に上述の応力増大を防止できる。
これにより、外輪28の軽量小型化を図ることができるとともに、外輪28の軽量小型化に基づいてトラニオン15の軽量小型化を図ることが可能となる。そして、これらのことから変速機全体の軽量小型化を図ることが可能となる。
さらに、外輪本体部28aの軌道溝28fに隣接する角部28gにおける応力増大を防止することで、軌道溝28fの変形を防止することができる。これによって、軌道溝28fの変形による転動体26の回転抵抗の増大を防止し、変速機全体の伝達効率低下を防ぐことができる。
なお、第2実施形態においてもビーム15aを設けない構成としてもよい。また、第2実施形態において、外輪本体部28aの外周面112と、トラニオン15の接触部121とが接触する範囲を、外輪本体部28aの内側面に形成された軌道溝28fより外側面側となるように狭める際に、トラニオン15の一対の折れ曲がり壁部20,20の基端部側の内側面の形状により接触部121のパワーローラ11の軸方向に沿った幅を狭めるものとしたが、外輪本体部28aの外周面112側において、外側面側の径に対して内側面側の径を小さくして、外側面側と内側面側との間に段差部分を設けることで、外輪28の外周面112とトラニオン15の接触部121とが接触する範囲を狭めるものとしてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態において、トラニオン15の接触部120,121と外輪本体部28aの外周面110,112とが直接接触する構成としたが、これらの間に例えばころ軸受け等の別部材を配置し、当該別部材を介してトラニオン15の接触部120,121と外輪本体部28aの外周面110,112とが間接的に接触する構成としてもよい。なお、この際に別部材に接触する外輪本体部28aの外周面110においては、主にクラウニング面111の頂点位置とその周囲が別部材に接触する構成とし、外輪本体部28aの外周面112においては、外輪側接触面113が別部材に接触する構成とし、外周面110,112の他の分が別部材と接触しない構成となっている必要がある。
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。
1 入力軸(回転中心軸)
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力側ディスク
3a 内側面
11 パワーローラ(内輪)
15 トラニオン
24 スラスト玉軸受(スラスト軸受)
26 転動体
27 保持器
28 外輪
28a 外輪本体部(外輪)
28b 軸部
28d 内側面
28e 外側面
28f 軌道溝
110 外輪の外周面
111 クラウニング面
112 外輪の外周面
113 外輪側接触面

Claims (2)

  1. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有し、前記外輪の前記パワーローラ側を向く内側面に前記転動体が転動する軌道溝が形成され、前記トラニオンに前記外輪の外周面と直接的もしくは間接的に接触することで前記パワーローラに働く接線力を当該トラニオンに伝達する接触部が形成されて成るトロイダル型無段変速機において、
    前記外輪の外周面に、前記トラニオンの前記接触部に直接的もしくは間接的に接触するとともに、当該外輪の内側面と当該内側面の反対となる外側面との間を中高とするクラウニング面が設けられ、当該クラウニング面の最も外周側となる頂点位置が、前記外輪の内側面に設けられた前記軌道溝の最も深い位置よりも、前記外輪の外側面側に設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクの回転中心軸に対して捻れの位置にあり且つ互いに同心的に設けられた一対の枢軸を中心に揺動するとともに、前記各パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、前記パワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承するスラスト軸受とを備え、前記スラスト軸受は、前記パワーローラによって形成される内輪と、外輪と、これらの内輪と外輪との間で転動する転動体とを有し、前記外輪の前記パワーローラ側を向く内側面に前記転動体が転動する軌道溝が形成され、前記トラニオンに前記外輪の外周面と直接的もしくは間接的に接触することで前記パワーローラに働く接線力を当該トラニオンに伝達する接触部が形成されて成るトロイダル型無段変速機において、
    前記外輪の外周面に、前記トラニオンの前記接触部に直接的もしくは間接的に接触する外輪側接触面が備えられ、当該外輪側接触面が前記外輪の内側面に設けられた前記軌道溝の最も深い位置よりも、前記外輪の内側面の反対側となる外側面側に設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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