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JP2011053802A - 紙葉取扱装置 - Google Patents

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JP2011053802A
JP2011053802A JP2009200414A JP2009200414A JP2011053802A JP 2011053802 A JP2011053802 A JP 2011053802A JP 2009200414 A JP2009200414 A JP 2009200414A JP 2009200414 A JP2009200414 A JP 2009200414A JP 2011053802 A JP2011053802 A JP 2011053802A
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Abstract

【課題】紙葉のジャム処理の際等に狭い作業スペースでも紙葉収納体を簡単に着脱できるようにする。
【解決手段】紙葉取扱装置10は、投入又は放出する紙葉を搬送する紙葉搬送部20と、該紙葉搬送部20の下方に近接して対向配置され紙葉搬送部20との間で受け渡された紙幣を収納する複数の紙幣カセット32とを備え、これら複数の紙幣カセット32を収容する紙葉収納体収容部30と、紙葉収納体収容部30を紙葉搬送部20に対して所定量下方に退避移動させる退避機構60と、該退避移動した紙葉収納体収容部30の上方移動を許容したまま水平方向に摺動可能に支持するフローティング機構70とを備える。
【選択図】図13

Description

本発明は、顧客等の操作者により操作され、操作に応じて紙葉(紙幣等)の払出し又は取込みを行う紙葉取扱装置に関する。
近年、銀行等の金融機関の店舗内に設置され、顧客等の操作者の操作に基づいて、入金又は出金等の紙幣の受取り又は払出しの取引きを行う現金自動取引装置等の紙葉取扱装置が普及している。
この紙葉取扱装置により、紙幣を受取り、払出しを行うことにより、入金取引、出金取引、振込み振替え取引等の金融機関における取引きを行わせることができる。
出金取引の場合には、操作者の指示により、装置内に収納されている紙幣をローラ、ベルト等の搬送機構を用いて入出金口に搬送し、顧客に紙幣を払い出す。
入金取引の場合には、操作者が指示し、入出金口に投入した紙幣を装置内に取込み、収納するようにしている。
通常、これらの紙葉取扱装置は、紙幣の投入、払出しを行う入出金口、紙幣の真偽、金種を鑑別する鑑別部、紙幣の表裏を整えるための表裏整列部、紙幣を収納する収納筐体(紙幣カセット)、紙幣を一時的に保管する一時保管部、収納筐体から繰り出された紙幣のうち鑑別部で正券として認められなかった紙幣を回収する排除不良券回収部、を備えている。
上述した各部の構成のうち、収納筐体は複数備えられる場合が多いが、鑑別部、一時保管部、表裏整列部、排除不良券回収部等は1個のみ備えられている場合が多かった。ところが、装置本体の稼働率の向上と保守作業の能率向上の観点から、装置本体内に交換可能な形態の複数の収納筐体を収容するようにしたものが実用化されてきた。
ここで、例えば図1に示すように、紙葉取扱装置100における紙幣搬送部101と紙幣収納体収容部102との間の紙幣の受渡しについて考えてみる。このとき、複数の紙幣カセット103A,103B、・・・のうち、1つの紙幣カセット103Aにおいて、紙幣107のジャム(jam)が発生したとする。
この場合、ジャム処理のために複数の紙幣カセット103A,103B、・・・を矢印A方向(水平方向)に引き出そうとすると、紙幣107が、ローラ105Aとローラ105Bの間、ローラ106Aとローラ106Bの間、さらに紙幣搬送部101と紙幣収納体収容部102の対向面間に挟まってしまう。
このため、複数の紙幣カセット103A,103B、・・・を矢印A方向(水平方向)に引き出すことができず、ジャム処理が困難となる。
これに対し、例えば、図2に示すように、ローラ対105A、105Bの間隔を開けることで、ローラ105Aとローラ105Bとの間に紙幣が保持されなくする方法が考えられる。しかし、これでは逆に紙幣が受取り側のローラに届かずにジャムを誘発してしまう。
また、図3に示すように、ローラ対105A、105Bのうち、一方のローラ105Aを上方に退避させる方法が考えられる。しかし、この場合、ローラ105Aを退避させる機構が必要となる。そして、この退避機構が複雑化すると、コストアップにつながる。
一方、ジャム処理を簡単に行うためには、紙幣カセット103A,103B、・・・を図1の矢印A方向(水平方向)へ引き出せれば好都合であるが、このままでは、紙幣搬送部101と紙幣収納体収容部102との間に紙幣が挟まり、紙幣カセット103A,103B、・・・を引き出すことができない。
そこで、紙幣が挟まらないように紙幣カセット103A,103B、・・・を引き出すためには、例えば、紙幣搬送部101に対し紙幣収納体収容部102を下方に移動させて両者間に空間を形成すればよいことが考えられる。
このようなカセット等の引出し構造に関し、従来、例えば特許文献1及び特許文献2に関する技術が公知である。
特許文献1では、用紙を収納するカセットに固定されたスライド部材を、ガイド部材によりカセットの引出し側が低くなるように傾斜して案内し、また、カセットを引出したときにスライド部材を係止するようにした技術が開示されている。
特許文献2では、前面が開口した家具フレーム内に収納ボックスを格納し、この収納ボックスを家具フレームの側壁の傾斜レールに沿って斜め下方に引き出し可能とした技術が開示されている。
特開平8−231061号公報 特開2000−287767号公報
しかしながら、特許文献1では、用紙カセットを斜め下方に引き出しているが、用紙カセットが重量物である場合は、引き出しの際に用紙カセットの飛び出しを防止しなければならない。また、この飛び出し防止機構を強固なものとすると、装置が大型化してしまう。また、スペース的に装置下方に制限がある場合は、用紙カセットを単に斜めに引出すのみでは他の部材や地面に衝突するおそれがある。
また、特許文献2においても同様である。このため、単に用紙カセットや収納ボックスを斜めに引き出せば課題を解決することができるわけではない。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、紙葉のジャム処理の際等に狭い作業スペースでも紙葉収納体収容部を装置フレームから容易に着脱できるようにした紙葉取扱装置を提供することを目的とする。
本発明は、投入又は放出される紙葉を搬送する紙葉搬送部と、該紙葉搬送部の下方に近接して対向配置され前記紙葉搬送部との間で受け渡された紙葉を収納する複数の紙葉収納体と、を備えた紙葉取扱装置において、
前記複数の紙葉収納体を収容する紙葉収納体収容部と、
前記紙葉収納体収容部を前記紙葉搬送部に対して所定量下方に退避移動させる退避機構と、
該退避移動した前記紙葉収納体収容部をその上方移動を許容したまま水平方向に摺動可能に支持するフローティング機構と、を備えることを特徴とする。
前記フローティング機構は、装置本体に固定され前記水平方向に延設されたガイド部材と、該ガイド部材に摺動自在に嵌合され前記紙葉収納体収容部を緩和機構を介して浮揚自在に支持するスライド部材と、を有する。
前記緩和機構は、前記スライド部材と前記紙葉収納体収容部の一方に形成された案内溝と、該案内溝に摺動自在に嵌合され前記スライド部材と前記紙葉収納体収容部の他方に形成されたガイドピンと、を有する。
また、前記紙葉搬送部と前記紙葉収納体収容部との間に出没自在に配設され、前記紙葉搬送部と前記紙葉収納体収容部との位置関係をロック又は解除するロック手段を備えることが可能である。
本発明によれば、紙葉のジャム処理の際等に狭い作業スペースでも紙葉収納体収容部を装置フレームから容易に着脱することができる。
紙葉取扱装置における紙幣搬送部と紙幣収納体収容部との間の紙幣の受渡し状態の従来例を示す図である。 ローラ対の間隔をあけることで紙幣ジャムを防止する方法を示す図である。 ローラ対の一方を退避させて紙幣ジャムを防止する方法を示す図である。 本発明の実施の形態における紙葉取扱装置を顧客側から見たときの外観斜視図である。 紙葉取扱装置の内部の構成を示す断面図である。 紙葉取扱装置の制御部の構成を示すブロック図である。 搬送制御部のさらに具体的構成を示すブロック図である。 紙葉取扱装置を引き出し方向の前面から見た図である。 紙幣搬送部と紙葉収納体収容部との配置間隔が広がりながらジャム紙幣がローラ対同士から抜け出る状態を示す図である。 紙葉取扱装置の断面側面図である。 同上のXI−XI方向の断面図である。 退避機構の他の実施の形態を示す図である。 斜め下方に退避した紙幣収納体収容部を、さらに水平方向に引き出したときの状態を示す図である。 紙葉収納体収容部を引き出したときのフローティング機構の断面図である。 紙葉収納体収容部を装着したときのフローティング機構の断面図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図4は、本発明の実施の形態における紙葉取扱装置10を顧客側から見たときの外観斜視図である。
同図に示すように、紙葉取扱装置10は、顧客が装置の前に立ったとき顧客が見下ろしながら簡単に操作できる一番手前の位置に、タッチパネル式の表示装置からなる顧客操作部12が表面画面を上向きに配置されている。
なお、「紙葉」としては、紙幣の他、手形、小切手、株券、債権等の有価証券を含むが、本実施の形態では、紙幣を用いた場合を例として説明する。このため、説明の便宜上、部材名において紙葉の代わりに紙幣と呼ぶことがある。
また、顧客操作部12の後方側(奥行き側)の上方左右に分かれて、右に投出部としての紙幣投入取出部13が配置され、左に硬貨投入取出部14が配置されている。さらに、その上方には、右にカード挿入取出口15が配置され、左に通帳挿入取出口16が配置されている。
図5は、紙葉取扱装置10の内部の構成を示す断面図である。
なお、図5に示す内部構成は、図4の顧客操作部12の後方に配置されており、この内部構成の後方略半分は紙葉取扱装置10が配設されている壁の内側、つまり、銀行の場合であれば銀行内部の作業領域(機械室)に配置されている。
紙葉取扱装置10は、装置本体の上方に位置し投入又は放出される紙幣を搬送する紙幣搬送部20と、紙幣搬送部20の下方に近接して対向配置された紙幣収納体収容部30と、を備えている。紙幣搬送部20は、入出金部としての紙幣投入取出部13の他、一次保留部27、センサ出力検出部28、鑑別部29、不適格券収納部22A,22B等の各装置と、これらの各装置を結ぶ矢印a、b、・・・y、zで搬送方向が示される主搬送路21及び受渡し搬送路21’が配設されている。
なお、図4に示した硬貨投入取出部14は、図5では、紙幣投入取出部13よりも断面の手前側にあるため見えない。また、硬貨投入取出部14に投入され、又は払いだされた硬貨の搬送路その他の構成は、ここでは図示及び説明を省略する。
また、図5に示す主搬送路21及び受渡し搬送路21’上には、紙幣の通過を検知する複数の紙幣通過検知センサ23、紙幣投入取出部13内の紙幣の有無を検知する複数の紙幣有無検知センサ24、搬送路を二方向に切り替える搬送路切替器25、搬送路を三方向以上に切り替える搬送路切替器26等が配設されている。
そして、この紙幣搬送部20の下方に近接して紙幣収納体収容部30が対向配置されている。この紙幣収納体収容部30には、複数の紙幣収納体としての紙幣カセット32(32A、32B、・・・、32F)が着脱自在に収容されている。この紙幣カセット32は、夫々ローラと切替器を有する簡単な構成の紙葉繰出手段としての搬送機構31を備えている。なお、搬送機構31は、紙葉繰出手段としてのみではなく、紙葉繰入手段としても機能する。
また、紙幣カセット32には、それぞれ不良紙葉回収手段としてのリジェクト部33が内蔵されている。このリジェクト部33の上部には、受渡し搬送路21’から搬送路切替器25を介して不良紙葉をリジェクト部33に回収するローラ対からなる簡単な回収機構34が配置されている。
図6は、紙葉取扱装置10の制御部の構成を示すブロック図である。
同図において、本体制御部36は、内蔵する記憶装置としてROM(Read Only Memory)37、RAM(Random Access Memory)38を備え、外部記憶装置としてHD(Hard Disk)39、FD(Flexible Disk)40を備えている。なお、外部記憶装置はこれらに限らず、例えばCD(Compact Disk)、USBメモリ(Universal Serial Bus)等を用いてもよい。
ROM37には、装置全体を制御するプログラムが格納されている。RAM38には、本体制御部36等で演算される途中経過データが一時的に記憶される。HD39には、長期保管用のデータが格納され、FD40には必要最低限のデータが格納されている。FD40は、必要に応じて行員により着脱自在に取り出されて使用される。
上記の途中データには、紙幣搬送部20の主搬送路21及び受渡し搬送路21’により紙幣が搬送される都度その搬送経過が記録され、長期保管用データ、必要最低限データのいずれにも紙幣カセット32ごとの紙幣の初期収容枚数、顧客から入金時の追加収容枚数合計、顧客への出金時の繰出し枚数の合計と不良紙葉の回収枚数の合計が記憶(格納、記録)されている。
また、本体制御部36には、カードイメージリーダプリンタ部41、通帳プリンタ部42、顧客操作制御部43、搬送制御部44が接続されている。カードイメージリーダプリンタ部41は、カードリーダ部45、カードエンボス読取部46、ジャーナルレシートのプリンタ部47を備えている。
また、顧客操作制御部43は、顧客操作部12の表示画面を構成するカラーディスプレイ48とタッチパネル49を備えている。また、搬送制御部44は、主搬送路21及び受渡し搬送路21’の搬送を制御する主搬送路部50と、紙幣収納体収容部30の各紙幣カセット32の紙幣の繰出しと繰入れを制御するカセット部51を備えている。
本体制御部36には、外部から電源52が接続されており、この本体制御部36は、電源52から供給される電力により動作し、ROM37から読み出したプログラムに従い、顧客からの指示入力に応じて、上記各部の動作を制御する処理を行う。
図7は、搬送制御部44のさらに具体的構成を示すブロック図である。
同図において、搬送制御部44は、マイクロコンピュータ(MPU)54を備え、各部を制御するとともに、図6に示した本体制御部36と交信しつつ、顧客との取引きを実行する。
搬送モータ部55は、紙幣を搬送する図5の矢印a、b、・・・、zで示した搬送路の搬送ベルトを動作させる搬送モータを駆動制御するものである。
ゲートマグネット部56は、紙幣を搬送する搬送ベルトで構成される搬送路が二股以上に分岐された部分で紙幣の搬送方向を切り替える複数の搬送路切替器25、26を駆動する複数のゲート用マグネットの切替駆動を制御するものである。
主搬送路21及び紙幣収納体収容部30内には、図5に示したように、多数の分岐部があり、各分岐部ごとにゲート用マグネットが使用されている。
パルスモータ部57は、紙幣投入取出部13、一時保留部27、各紙幣カセット32に積載された紙幣を一枚ずつ繰り出すためのローラを回転させるパルスモータの回転を駆動制御するものである。
DCモータ部58は、紙幣投入取出部13及び硬貨投入取出部14のシャッタを開閉するDCモータの回転を駆動制御するものである。
センサ出力検出部28は、主搬送路21に設けられた紙幣通過検出センサ23や紙幣投入取出部13に設けられた紙幣有無検知センサ24の出力を検知して、紙幣の通過や有無を検出する。
これらのセンサ23,24は、光学式センサであり、発光素子及び受光素子を備え、発光素子は常時または適時発光し、受光素子は発光素子が発光した光を受光する。この発光素子と受光素子の間を紙幣が通過し又は積載されて遮る。
この発光素子と受光素子間の紙幣の有無により、受光素子が受光する受光量が変化する。この受光量を電気信号に変換し、電気信号の強弱で出力し、この電気信号により、紙幣の有無(通過中、残存中)を検出するものである。
鑑別部29は、紙幣の真偽、破損状況、汚れ状況、折れ曲がり状況、金種、表裏等、紙幣の状況を光学的、磁気的に鑑別するものである。光学的には、光学ラインセンサ、磁気的には磁気ラインセンサが使用される。
次に、図8〜図15に基づき、本実施の形態の特徴である紙葉収納体収容部30の引き出し構造について説明する。
図8は、紙葉取扱装置10を引き出し方向の前面から見た図、図9は、紙幣搬送部20と紙葉収納体収容部30との配置間隔が広がりながらジャム紙幣がローラ対18A,18Bとローラ対19A,19Bの間から抜け出る状態を示す図、図10は、紙葉取扱装置10の断面側面図、図11は、そのXI−XI方向の断面図、図12は、退避機構60の他の実施の形態を示す図である。
また、図13は、斜め下方に退避した紙幣収納体収容部30を、さらに水平方向に引き出したときの状態を示す図、図14は、紙葉収納体収容部30を引き出したときのフローティング機構70の断面図、図15は、紙葉収納体収容部30を装着したときのフローティング機構70の断面図である。
なお、本実施の形態において、紙葉収納体収容部30は複数の紙幣カセット32を着脱自在に保持する筐体であり、例えばカセットホルダが該当する。
また、図5と図10等では、収容された紙幣カセット32の数が異なっているが、実質的な変更を意味するものではない。
図8に示すように、紙葉取扱装置10は、投入又は放出される紙幣を搬送する紙幣搬送部20と、該紙幣搬送部20の下方に近接して対向配置され紙幣搬送部20(受渡し搬送路21’)との間で受け渡された紙幣を収納する複数の紙幣カセット32と、を備えている。これら複数の紙幣カセット32は、紙葉収納体収容部30に着脱自在に収容されている。
紙幣搬送部20は、本体フレーム74に支持されている。また、紙葉収納体収容部30は、退避機構60により下方に退避移動可能であるとともに、フローティング機構70を介して本体フレーム74に支持されている。なお、これら退避機構60とフローティング機構70については後述する。
ここで、図9に示すように、紙葉収納体収容部30を紙幣搬送部20(受渡し搬送路21’)に対して斜め下方(B方向)に退避移動させることで、紙幣搬送部20と紙葉収納体収容部30との間の間隔が広がりながら両者間に隙間Cが生じる。こうして、ジャム紙幣は、ローラ対18A,18Bとローラ対19A,19Bの一方から抜けて、両者間に挟まれるのが解消される。つまり、どちらか一方のローラ対にのみ挟まれた状態となる。
また、図10及び図11に示すように、紙葉取扱装置10は、紙葉収納体収容部30を紙幣搬送部20に対して斜め下方(B方向)に所定量退避移動させる退避機構60と、この斜め下方に退避移動した紙幣収納体収容部30を、その上方移動を許容したまま上下方向と直交する水平方向に摺動可能に支持するフローティング機構70と、を備えている。
退避機構60は、紙幣収納体収容部30の底部に取付けられた前ローラ62及び後ローラ64と、これら前ローラ62及び後ローラ64に対向して床面に配置された前テーパレール63及び後テーパレール65と、を有している。また、前テーパレール63及び後テーパレール65は、引き出し方向(D方向)の前部が低く後部が高く傾斜した傾斜面を有している。
この前ローラ62及び前テーパレール63と、後ローラ64及び後テーパレール65とは、紙幣収納体収容部30の引き出し方向の前後に所定間隔でかつ引き出し方向と直交方向の左右側に対をなして設けられている。なお、前・後ローラ62、64の直径は等しく、また、前・後テーパレール63、65の傾斜角も等しく形成されている。ただし、この直径や傾斜角度は任意に設定することができる。つまり、紙幣収納体収容部30は水平状態を保ちながら紙幣搬送部20と乖離する方向へ平行移動する。
この退避機構60により、紙葉収納体収容部30を紙葉搬送部20に対して斜め下方(図10のB方向)に所定量(例えば6mm)退避移動することができる。
なお、紙葉収納体収容部30を斜め下方に退避移動させているのは、複数の紙幣カセット32を収容している紙幣収納体収容部30が重量物ゆえ、直下に落下させると衝撃を伴うおそれがあるためである。
また、本実施の形態では、紙幣収納体収容部30を斜め下方に退避移動させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、紙幣搬送部20に対し紙幣収納体収容部30を滑車方式により直下に退避移動させてもよい。ただし、この場合においても、重量物である紙葉収納体収容部30の落下による衝撃を緩和するため、ゆっくり移動させる必要がある。
さらに、図11に示すように、紙葉収納体収容部30を斜め下方に退避移動させた後、この紙葉収納体収容部30を水平方向(D方向)に引き出すときに、後ローラ64が前テーパレール63と衝突しないように、前ローラ62,62の左右幅W1と後ローラ64,64の左右幅W2を変えて配置している。これは、紙幣収納体収容部30をD方向に移動させた場合に、後ローラ64,64が前テーパレール63にぶつからないようにするためである。
図12は、退避機構60の他の実施の形態を示す図であり、図10等と同一の部材には同一の符号を付して説明する。
この実施の形態では、紙葉収納体収容部30を斜め下方に退避させてから水平方向に引き出す際に、後ローラ64が前テーパレール63と衝突しないように、前ローラ62と後ローラ64の上下方向(高さ方向)の取付位置を変えている。
すなわち、図12において、紙葉収納体収容部30は、後ローラ64の下端面が高さHだけ下方に退避した位置から水平方向に引き出される。しかし、この実施の形態では、後ローラ64の高さ位置を変えているので、この高さ位置Hから紙葉収納体収容部30を水平方向に引き出しても、後ローラ64が前テーパレール63と衝突することはない。
次に、フローティング機構70について説明する。
図10に示したように、紙葉収納体収容部30の側面には、本体フレーム74(図8参照)に固定されたガイド部材としてのガイドレール71が水平方向(D方向)に延設されている。このガイドレール71に、紙葉収納体収容部30を支持するスライド部材としてのスライドレール72が嵌合されている。
フローティング機構70は、このガイドレール71と、該ガイドレール71に摺動自在に嵌合され緩和機構73を介して紙葉収納体収容部30を支持するスライドレール72と、を有している。紙葉収納体収容部30は、この緩和機構73によりスライドレール72に浮揚自在に支持されている。
すなわち、紙葉収納体収容部30は、上方に向けて何らかの付勢力が作用すれば、緩和機構73によって上方にスライド移動が可能であるが、下方には移動できないように支持されている。詳しくは後述するが、この状態を浮揚自在と表現した。
こうして、図13に示すように、紙葉収納体収容部30は、まず斜め下方(B方向)に所定量退避移動され、さらにガイドレール71に沿って水平方向(矢印D方向)に引き出される。この引き出し時には、紙葉収納体収容部30はスライドレール72に支持されたまま、水平方向(矢印D方向)に引き出される。
図14に示すように、ガイドレール71は、断面コ字状をなし、本体フレーム74にボルト75で固定されている。また、紙葉収納体収容部30を支持するスライドレール72は、L金具76にボルト77で固定されている。このL金具76には、上下に延びるガイドピン78が植設されている。また、紙幣収納体収容部30に固定された案内金具79には、このガイドピン78を摺動自在に案内する案内溝80が形成されている。
なお、本実施の形態では、L金具76にガイドピン78を植設し、案内金具79に案内溝80を形成した場合について説明したが、これに限らない。例えば、案内金具79にガイドピン78を植設し、L金具76に案内溝80を形成してもよい。
緩和機構73は、このガイドピン78と案内溝80とを有している。この緩和機構73により、紙葉収納体収容部30は上下に浮揚自在に支持されている。すなわち、紙葉収納体収容部30は、案内金具79がガイドピン78に沿って上下に摺動することで、案内金具79と一体に上下移動する。
以上において、本体フレーム74から紙葉収納体収容部30を引き出すときには、まず、退避機構60を用いて紙幣収納体収容部30を斜め下方(図13のB方向)に退避移動させる。次いで、紙葉収納体収容部30をスライドレール72を介してガイドレール71に沿い水平方向(図13のD方向)に引き出す。
この場合、図13に示したように、紙葉収納体収容部30は、スライドレール72を介してガイドレール71に支持されたまま空中に吊り下げ支持された状態で引き出される。このため、例えば下方の床面が一段低い段差81(図13参照)を有する場合であっても、紙葉収納体収容部30は衝突等することなく容易に引き出すことができる。
こうして、作業員は紙葉収納体収容部30を引き出してジャム紙幣を取り除くことができる。このジャム処理の後、紙葉収納体収容部30を本体フレーム74に再び装着する。この場合、紙葉収納体収容部30を、スライドレール72を介してガイドレール71に沿い、引き出し時と反対方向にスライド挿入する。
やがて、挿入した紙幣収納体収容部30が退避機構60の前テーパレール63及び後テーパレール65の前端に到達したら、さらに紙幣収納体収容部30を傾斜面に沿って斜め上方に押し上げるようにする。
このとき、紙幣収納体収容部30を引き出す時には、これを斜め下方に退避移動させた分だけ、持ち上げなければならない。そこで、本実施の形態では、スライドレール72に対し、紙幣収納体収容部30の上方移動を許容するための緩和機構73を設けたのである。
すなわち、図15に示すように、紙幣収納体収容部30を退避機構60の傾斜面に沿って押し上げるとき、紙幣収納体収容部30と一体の案内金具79が、ガイドピン78に沿って上方にスライド移動する。この場合も、スライドレール72とガイドレール71とは、嵌合状態が維持されている。こうして、紙幣収納体収容部30は、前テーパレール63及び後テーパレール65の傾斜面に沿って上方移動していく。
ここで、図10に示したように、紙幣搬送部20と紙幣収納体収容部30との間には、紙幣搬送部20と紙幣収納体収容部30との位置関係をロック又は解除するロック手段としてのロックピン61が出没自在に配設されている。
そこで、紙幣収納体収容部30が紙幣搬送部20の下方に近接して対向配置された時点で、例えば紙幣搬送部20に設けられたロックピン61を紙幣収納体収容部30側に突出させ、紙幣収納体収容部30の位置決めを行う。これで紙葉収納体収容部30の装着が完了する。この紙葉収納体収容部30の装着完了状態が、図15の状態である。
なお、このロックピン61は、例えば不図示の操作ボタンの操作により出没自在に制御されるようになっている。
このように、本実施の形態によれば、退避機構60とフローティング機構70を用いて、紙葉収納体収容部30を斜め下方に退避移動させた後、さらに水平方向にスライドさせて引き出すことができるので、狭い作業スペースにおいてもジャム処理を容易に行うことができる。
次に、本実施の形態における紙葉取扱装置10の基本動作を簡単に説明する。
まず、入金取引時には、顧客により顧客操作部で入金取引が選択されると、カード挿入取出口15にカードが挿入され、その挿入されたカードの正当性が確認された後、紙幣投入取出部13への紙幣の入金が可能となる。
この入金では、紙幣投入取出部13のシャッタが開放されて(図1はシャッタが閉じているときの状態)、顧客による紙幣投入取出部13への紙幣の投入が可能な状態となる。顧客が紙幣投入取出部13に紙幣を投入し、投入が終了したことを、顧客操作部12の表示画面に表示されている所定の釦をタッチ操作して本体制御部36に通知すると、シャッタが閉鎖される。
続いて、いま紙幣投入取出部13に投入された紙幣が、矢印a、h、b、cで示す順に搬送路を搬送されて鑑別部29に搬入される。紙幣は、鑑別部29を通過しながら鑑別される。すなわち、紙幣の真偽、破損状況、汚れ状況、折れ曲がり状況、金種、表裏等、紙幣の状態に対する鑑別が行われる。
鑑別結果に異常がない紙幣は、矢印d、eで示す順に搬送路を搬送されて一旦一次保留部27に積載される。そして、鑑別処理が終了し、一枚でも鑑別結果に異常があれば、一次保留部27から、矢印f、h、b、c、d、wで示す順に搬送路を搬送されて、投入紙幣全額が紙幣投入取出部13に返却される。なお、この際、紙幣は鑑別部29を通らずに紙幣投入取出部13まで搬送される。
また、鑑別処理が終了し、一枚も鑑別結果に異常がなければ、一次保留部27から、矢印f、h、bで示す順に搬送路を搬送される。ここで、搬送中の紙幣が、5000円又は2000円の紙幣であるときは、次回顧客へ払いだすリサイクル紙幣としては使えないリサイクル不適格券であるので、例えば5000円紙幣の場合は矢印nの搬送路から不適格券収納部22Aに収納される。
また、例えば2000円紙幣の場合であれば、矢印n、oで示す搬送路を通って不適格券収納部22Bに収納される。
なお、不適格券収納部22A、22Bに収納される紙幣を2000円券、5000円券として説明したが、これに限らない。例えば、10000円券を収納することも可能であり、運用に合わせて適時設定することも可能である。
また、矢印f、h、bで示す搬送路を搬送中の紙幣が、最も多く取り引きされる10000円紙幣の場合は、次回顧客へ払いだすリサイクル紙幣として使用できる紙幣であるので、矢印c、d、i、jで示す搬送路を経て紙幣カセット32Aに繰り込まれて積載される。
また、紙幣カセット32Aが、本体制御部36による紙幣出入りの演算によって、紙幣が満杯であることが判明しているときは、さらに矢印kで示す搬送路上を搬送されて、隣の紙幣カセット32Bに繰り込まれて積載される。
なお、一例として、紙幣カセット32A、紙幣カセット32Bで説明したが、これに限らない。運用に合わせて紙幣カセット32を選択することも可能である。
なお、本実施の形態では、紙幣カセット32A及び紙幣カセット32Bを10000円紙幣の積載用とし、紙幣カセット32C及び紙幣カセット32Dを1000円紙幣の積載用とし、紙幣カセット32E及び紙幣カセット32Fは、装置の後方から出し入れが簡便な予備用紙幣カセットとしている。
予備用紙幣カセットへの繰り込み積載は、矢印n、o、p、sで示す搬送路を経て紙幣カセット32Fに、又は矢印n、o、p、tで示す搬送路を経て隣の紙幣カセット32Eに繰り込まれて積載される。
ここで、例えば受渡し搬送路21’と紙幣カセット32との間の紙幣の受け渡しで、ジャムが発生した場合、アラームが作動する。このとき、図9に示すように、受渡し搬送路21’のローラ対18A,18Bと紙幣カセット32のローラ対19A,19Bとに跨って紙幣がかみこんだ状態となる。よって、このままでは、紙幣カセット32を水平方向に引き出すことができなくなる。
そこで、図10において、オペレータは、まずロックピン61を解除し、紙葉収納体収容部30を紙幣搬送部20に対して退避機構60を用いて斜め下方(図10のB方向)に退避移動させる。
この紙葉収納体収容部30の斜め下方移動により、紙幣搬送部20と紙葉収納体収容部30(紙幣カセット32)とに跨ってかみこんでいたジャム紙幣は離脱される。次いで、紙葉収納体収容部30を、スライドレール72を介してガイドレール71に沿って水平方向に引き出す。こうして、ジャムが発生した紙幣を抜き取ることができる。
その後、紙葉収納体収容部30をフローティング機構70を利用して逆方向にスライドさせ、元の位置に復帰装着する。
また、出金取引時には、顧客により顧客操作部12で出金取引が選択されると、カード挿入取出口15にカードが挿入され、さらに顧客操作部12の表面画面から暗証番号が入力され、カード及び暗証番号の正当性が確認されると、顧客によって指定された金額の紙幣が、複数の紙幣カセット32のいずれかの紙幣カセット32から紙幣投入取出部13に払い出される。
10 紙葉取扱装置
12 顧客操作部
13 紙幣投入取出部
14 硬貨投入取出部
15 カード挿入取出口
16 通帳挿入取出口
18A,18B ローラ対
19A,19B ローラ対
20 紙幣搬送部
21 主搬送路
21’ 受渡し搬送路
22 不適格券収納部
23 紙幣通過検知センサ
24 紙幣有無検知センサ
25 搬送路切替器
26 搬送路切替器
27 一次保留部
28 センサ出力検出部
29 鑑別部
30 紙葉収納体収容部
31 搬送機構
32 紙幣カセット
33 リジェクト部
34 回収機構
36 本体制御部
37 ROM
38 RAM
39 HD
40 FD
41 カードリーダイメージプリンタ部
42 通帳プリンタ部
43 顧客操作制御部
44 搬送制御部
45 カードリーダ部
46 カードエンボス読取部
47 プリンタ部
48 カラーディスプレイ
49 タッチパネル
50 主搬送路部
51 カセット部
52 電源
54 MPU
55 搬送モータ部
56 ゲートマグネット部
57 パルスモータ部
58 DCモータ部
60 退避機構
61 ロックピン
62 前ローラ
63 前テーパレール
64 後ローラ
65 後テーパレール
70 フローティング機構
71 ガイドレール
72 スライドレール
73 緩和機構
74 本体フレーム
75 ボルト
76 L金具
77 ボルト
78 ガイドピン
79 案内金具
80 案内溝
81 段差

Claims (4)

  1. 投入又は放出される紙葉を搬送する紙葉搬送部と、該紙葉搬送部の下方に近接して対向配置され前記紙葉搬送部との間で受け渡された紙葉を収納する複数の紙葉収納体と、を備えた紙葉取扱装置において、
    前記複数の紙葉収納体を収容する紙葉収納体収容部と、
    前記紙葉収納体収容部を前記紙葉搬送部に対して所定量下方に退避移動させる退避機構と、
    該退避移動した前記紙葉収納体収容部をその上方移動を許容したまま水平方向に摺動可能に支持するフローティング機構と、を備える
    ことを特徴とする紙葉取扱装置。
  2. 前記フローティング機構は、
    装置本体に固定され前記水平方向に延設されたガイド部材と、該ガイド部材に摺動自在に嵌合され前記紙葉収納体収容部を緩和機構を介して浮揚自在に支持するスライド部材と、を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉取扱装置。
  3. 前記緩和機構は、
    前記スライド部材と前記紙葉収納体収容部の一方に形成された案内溝と、該案内溝に摺動自在に嵌合され前記スライド部材と前記紙葉収納体収容部の他方に形成されたガイドピンと、を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の紙葉取扱装置。
  4. 前記紙葉搬送部と前記紙葉収納体収容部との間に出没自在に配設され、前記紙葉搬送部と前記紙葉収納体収容部との位置関係をロック又は解除するロック手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉取扱装置。
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