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JP2010234997A - ドアウエザストリップの取付構造 - Google Patents

ドアウエザストリップの取付構造 Download PDF

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JP2010234997A
JP2010234997A JP2009086228A JP2009086228A JP2010234997A JP 2010234997 A JP2010234997 A JP 2010234997A JP 2009086228 A JP2009086228 A JP 2009086228A JP 2009086228 A JP2009086228 A JP 2009086228A JP 2010234997 A JP2010234997 A JP 2010234997A
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sash
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vehicle
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JP2009086228A
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Masahiro Nozaki
政博 野崎
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】車室内側への水漏れを防止することのできるドアウエザストリップの取付構造を提供する。
【解決手段】ドアウエザストリップは、ドア2の周縁部に沿って取付けられる取付基部11と、取付基部11から延出する中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14とを備える。ドア2はドアサッシュ55の端末部がドアパネル51の内側に差し込まれて溶接されてなり、ドアウエザストリップは、かかる溶接部に対応した型成形部7を備える。型成形部7には、取付基部11の底面から背面シール部14のドアパネル51との当接部位まで一続きに延びるガイドリブ61が一体的に形成され、型成形部7のうちベルトラインよりも上方のサブシール部13が設けられるサッシュ対応部と、下方のサブシール部13の存在しないパネル対応部42との境界部を跨ぐようにして設けられ、溶接部においてドアサッシュ55とドアパネル51とに一連に圧接される。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両のドアに取付けられるドアウエザストリップの取付構造に関するものである。
一般に、自動車等のボディに形成されたドア用開口部を開閉するドアの周縁部にはドアウエザストリップが取付けられる。ドアウエザストリップは、ドアの上辺部において、ドア周縁部に沿って設けられたドアサッシュのリテーナ部に取付けられる取付基部と、取付基部と一体形成され、中空部を有する中空シール部とを備えている。尚、ドアの下辺部においては、取付基部に複数のクリップが所定間隔で設けられ、それらのクリップによって取付基部がドアパネルの周縁部に取付けられている。また、ドアの上辺部においては、シール性の向上及び風切り音の抑制等を図るべく、中空シール部よりも車外側において取付基部の上部からドア外周側に向けて延出するサブシール部を備えたものも知られている。そして、ドアの閉鎖時には、ドアウエザストリップの中空シール部及びサブシール部が自動車ボディのドア用開口部の周縁部に圧接することによって、ドアと自動車ボディとの間がシールされる。
また、ドアウエザストリップは、取付基部の上部から車外側に向けて延びる背面シール部を備えている。そして、ドアウエザストリップをドアの周縁部に取付けることで、当該背面シール部の先端部位がドアサッシュ及びドアパネルの車内側面に圧接し、ドアとドアウエザストリップとの間がシールされるようになっている。
ところで、ドアは、インナパネルとアウタパネルとを具備し、両パネル間にドアガラス等が装備されるドアパネルと、ドアの窓部を区画するドアサッシュとを備え、ドアサッシュの端末をドアパネルの内側に差し込んで、当該ドアサッシュの端末とドアパネルとを溶接することにより構成されている。このため、ドアサッシュとドアパネルとの溶接部において段差が形成されてしまい、背面シール部とドアサッシュ及びドアパネルとの間に隙間が形成されてしまうおそれがある。これに起因して、自動車を高圧洗浄した場合等において、背面シール部とドアサッシュ及びドアパネルとの間の隙間から車室内側に水が浸入してしまうことが懸念される。
これに対し、例えば、取付基部の底面に対し、前記段差を跨ぐようにして延びる突条を設けるといった技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−58738号公報
上記特許文献1の技術を採用する場合、取付基部の底面に設けられた突条によって、背面シール部を潜って取付基部側に浸入した水が車室内側へ浸入してしまうことを抑制することができる。しかしながら、大量の水が背面シール部を潜って取付基部側に一度に浸入した場合等において、当該水を上手く処理しきれないことが懸念され、依然として、車室内側への水漏れが懸念される。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ドアサッシュとドアパネルとの溶接部におけるシール性の向上を図り、車室内側への水漏れを防止することのできるドアウエザストリップの取付構造を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.車両のドアの周縁部に沿って取付けられる取付基部と、
前記取付基部と一体成形され、中空部を有してなる中空シール部と、
前記中空シール部よりも車外側において前記取付基部のドア外周側の部位から車外側に延出し、窓部を区画するドアサッシュ及びドアパネルの外周縁部の車内側面に当接する背面シール部と、
ドアの上辺部において前記中空シール部よりも車外側、かつ、前記背面シール部よりも車内側において前記取付基部からドア外周側に向けて延出するサブシール部とを備え、
前記ドアの閉鎖時には、前記中空シール部及び前記サブシール部が、車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接して、前記車両本体と前記ドアとの間がシールされるドアウエザストリップの取付構造であって、
前記ドアは、前記ドアサッシュの端末部がドアパネルの内側に差し込まれて当該ドアパネルと溶接されてなり、
前記ドアウエザストリップは、前記ドアサッシュと前記ドアパネルとの溶接部に対応して配置されるコーナー部において型成形部を備え、
前記型成形部のうち、ベルトラインよりも下方に配置されるパネル対応部には前記サブシール部が存在しない構成であり、
前記型成形部には、前記取付基部の底面から前記背面シール部の前記ドアサッシュ又は前記ドアパネルとの当接部位まで一続きに延びるガイドリブが一体的に形成され、
前記ガイドリブは、前記取付基部の底面に設けられ、前記型成形部の長手方向に沿って延びる導入部と、前記背面シール部の裏面に設けられ、前記型成形部の長手方向に対して傾斜して延びる排出部と、前記型成形部の長手方向に対して傾斜して延び、前記導入部の下端部と前記排出部の上端部とを連結する連結部とを備え、
前記ガイドリブの前記導入部は、前記型成形部のうちベルトラインよりも上方に配置されて前記サブシール部が設けられるサッシュ対応部と、前記パネル対応部との境界部を跨ぐようにして配置され、
前記導入部が、前記溶接部において、前記ドアサッシュと、前記ドアパネルの外周縁部の車内側面とに一連に圧接されていることを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
手段1によれば、ドアサッシュとドアパネルとの溶接部に対応して設けられる型成形部には、取付基部の底面から背面シール部のドアサッシュ又はドアパネルとの当接部位まで一続きに延びるガイドリブが設けられ、ガイドリブのうち取付基部の底面(ドア内周側の面)に形成される部位である導入部が、前記溶接部においてドアサッシュ及びドアパネルに一連に圧接されている。当該ガイドリブ(導入部)により、前記溶接部において段差が形成されたとしても、ガイドリブを当該溶接部及びその近傍の表面形状に追従させるようにして変形させ、溶接部と取付基部との間に形成される隙間を極力なくすことができる。結果として、シール性の向上等を図ることができる。
また、例えば、背面シール部を潜って取付基部と背面シール部との間に大量の水が浸入した場合、かかる水を迅速に排出することができなければ、水圧によりガイドリブが傾倒変形させられ、車室内側に水が溢れてしまうおそれがある。これに対し、本手段1によれば、ガイドリブは、取付基部の底面から背面シール部のドアサッシュ又はドアパネルとの当接部位まで一続きに延びている。このため、背面シール部を潜って取付基部側に浸入した水を、背面シール部の先端部位に案内し、背面シール部よりもドア外周側に排出することができる。特に、ガイドリブのうち背面シール部に形成される部位である排出部は、ドアサッシュ又はドアパネルと当接しているため、背面シール部及び排出部とドアサッシュ又はドアパネルとの間に僅かでも隙間が形成される。これにより、ガイドリブにより背面シール部裏面の先端部位まで案内された水を比較的スムースに排出することができる。従って、取付基部と背面シール部との間に大量の水が浸入した場合であっても、当該水を比較的スムースに排出することができ、車室内側への水の浸入を防止することができる。
手段2.前記背面シール部には、前記排出部の上側面に対応して水抜き用の凹部が形成されていることを特徴とする手段1に記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段2によれば、ガイドリブにより背面シール部の先端部位まで案内した水をより迅速に背面シール部よりもドア外周側に排出することができる。
手段3.前記型成形部は、ドアの上縁部に対応する上辺対応部とドアの縦縁部に対応する縦辺対応部とを備え、
前記排出部は前記縦辺対応部において形成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
ドアの縦縁部に対応しては、雨水等はほぼ真下へ流れ、取付基部とドアパネル(ドアサッシュ)との間から車室内側へ浸入するおそれが少ない。このため、本手段3のように排出部を縦辺対応部において形成することにより、背面シール部及び排出部とドアパネル(ドアサッシュ)との間に隙間が形成されたとしても、かかる隙間から車室内側に水が浸入してしまうといった事態を抑止することができる。尚、ガイドリブは、「前記取付基部の底面から前記背面シール部の前記ドアパネルとの当接部位まで一続きに延び」ていることとしてもよい。
手段4.前記導入部は、前記型成形部の上端部又は上端部近傍まで延設されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
例えば、サブシール部が設けられているサッシュ対応部に関しては、高圧洗車等に際し、サブシール部の裏面(車外側の面)によって水が背面シール部側に案内され、背面シール部に対しより強い水圧が付加されることが懸念される。特に、型成形部においては、取付基部に対し、中空シール部の内側面等を形成するコア金型を抜き取るためのスリットを形成する必要があるため、背面シール部に勢いよく水が当ると、かかる水が背面シール部を潜って取付基部側に侵入してしまうおそれがある。これに対し、本手段4のように、ガイドリブをサブシール部が設けられたサッシュ対応部の上端部又は上端部近傍まで設けることにより、車室内側への水の浸入をより確実に防止することができる。
手段5.前記ドアウエザストリップのうち前記ドアパネルに配設される部位は、前記ドアウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップのみで前記ドアパネルに固定され、
前記ガイドリブは、前記クリップによる固定位置よりも上方に設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
近年、軽量化等の理由から、ドアパネルにおいて、取付基部を嵌め込む断面略C字状のリテーナ部が省略され、ドアウエザストリップをクリップのみでドア周縁(ドアパネル)に固定するものも存在する。ところが、ドアウエザストリップのうちクリップが設けられた部位の間の区間においては、取付基部をドアパネルに押さえ付ける力が弱く、取付基部の浮き上がりが発生しやすい。このため、取付基部の底面にガイドリブを設けたとしても、シール性の低下が懸念される。これに対し、本手段5のように、クリップによる固定位置よりも上方にガイドリブを設けることによって、車室内側への水の浸入をより確実に防止することができる。
手段6.前記型成形部には、当該型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形されるインサート部材が設けられ、
前記インサート部材は、前記取付基部に埋設される本体部と、前記本体部から略直交する方向に延び、前記背面シール部に埋設される保持壁部とを備え、
前記インサートは、前記サブシール部が設けられた前記サッシュ対応部と、前記サブシール部が設けられていない前記パネル対応部との境界部を跨ぐようにして配置され、
前記背面シール部のうち前記保持壁部が埋設された部位の先端部位が、前記溶接部において、前記ドアサッシュと、前記ドアパネルの外周縁部の車内側面とに一連に圧接されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段6によれば、背面シール部のうちドアサッシュとドアパネルとの溶接部及びその近傍に圧接される部位には、型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなる保持壁部が埋設されている。このように保持壁部が埋設されることによって、背面シール部の先端部位をより強く溶接部及びその近傍に一連に押付けることができる。従って、前記溶接部において段差が形成されたとしても、背面シール部の先端部位を当該溶接部及びその近傍の表面形状に追従させるようにして変形させることができる。このため、溶接部と背面シール部との間に形成される隙間を極力なくすことができ、結果として、シール性の向上等を図ることができる。
特に、保持壁部は、本体部から略直交する方向に延びているため、背面シール部の先端部位と溶接部(ドアサッシュ等)とを当接させた際に、保持壁部が位置ずれしてしまう(例えば、保持壁部が車内側に位置ずれし、溶接部から離間してしまう)といった事態を抑制することができる。従って、保持壁部を埋設することによって、保持壁部が埋設された背面シール部の先端部位をより強く溶接部に押付けるといった作用効果が一層確実に奏される。
さらに、本手段6によれば、インサート部材は、サブシール部が設けられたサッシュ対応部と、サブシール部が設けられていないパネル対応部との境界部を跨ぐようにして設けられている。このため、例えば、高圧洗車等に際し、サッシュ対応部とパネル対応部との境界部から、サッシュ対応部のサブシール部の裏面側に浸入した水の圧力により、サッシュ対応部の背面シール部が変形させられ、そこから車室内側に水が浸入してしまうといった事態を防止することができる。
尚、本手段の構成を採用する場合、背面シール部の裏面にガイドリブを設けても隙間ができないことが考えられるので、水抜きの効果を確実にするべく、上記手段2のように、背面シール部の先端部に水抜き用の凹部を形成することが望ましい。
手段7.前記ドアサッシュには断面略C字状のリテーナ部が設けられ、
前記リテーナ部は、ドア内外周方向に対して交差する方向に突出し、前記取付基部の両側部を係止する係止部を備え、
前記係止部は、前記ドアサッシュのうち前記ドアパネルと溶接される端末近傍部位において、前記ドアサッシュの端末側に向けて、その突出長が次第に短く構成され、
前記背面シール部のうち前記保持壁部が埋設された部位の先端部位が、前記係止部の突出長が短く構成されている部位においても、前記ドアサッシュの車内側面と当接していることを特徴とする手段6に記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段7によれば、ドアサッシュの端末において係止部等の突出部位をなくすことにより、上記のように、ドアサッシュの端末をドアパネルの内側に差し込んで溶接することができる。その一方で、係止部の突出長が短く構成されている部位、及び係止部の存在しない部位に関しては、取付基部をリテーナ部に嵌め込むことができないため、シール性の低下が懸念される。これに対し、本手段7のように、係止部の突出長が短く構成されている部位においても、保持壁部が埋設された背面シール部を延在させ、背面シール部とドアサッシュとの間のシール力を高めることで、リテーナ部が設けられていない(リテーナ部が好適な形状ではない)部位におけるシール性の低下を抑制することができる。尚、前記ドアサッシュの端末においては、前記係止部が完全に存在しない構成であることとしてもよい。
手段8.前記インサート部材は、前記型成形部の上端部近傍まで延設されていることを特徴とする手段6又は7に記載のドアウエザストリップの取付構造。
型成形部に関しては、中空シール部の内側面を形成するコア金型を抜き取る必要があるため、取付基部に対し中空シール部の中空部に連通するスリットが形成される。これに起因して、型成形部の形状維持が困難なものとなり、例えば、中空シール部がドア用開口部周縁と圧接して潰れ変形した場合に、当該変形に基づく応力によって背面シール部がドアサッシュから離れる側に傾倒変形してしまうことが懸念される。
これに対し、本手段8に記載のように、インサート部材を型成形部の上端部近傍まで延設することにより、型成形部の形状が維持され易くなる。特に、背面シール部に対し、本体部から延びる保持壁部が埋設されることによって、背面シール部がドアサッシュから離間するように変形してしまうといった事態を抑止することができる。従って、シール性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。
手段9.前記取付基部は、前記背面シール部よりもドア内周側の部位から車外側に突出する車外側係止片を備え、前記ドアサッシュのうち断面略C字状のリテーナ部を具備する部位に関しては、前記車外側係止片が前記リテーナ部に係止され、
前記インサート部材は、前記本体部から車外側に延出して、前記車外側係止片に埋設される係止片保持部を備え、
前記車外側係止片のうち少なくとも前記係止片保持部が埋設された部位の先端部位が前記溶接部と、その近傍の前記ドアサッシュ及び前記ドアパネルとに圧接されていることを特徴とする手段6乃至8のいずれかに記載のドアウエザストリップの取付構造。
手段9によれば、車外側係止片に係止片保持部が埋設されているため、車外側係止片を、溶接部を含むドアサッシュ及びドアパネルにより強く押付けることができる。このため、上記した背面シール部と溶接部を含むドアサッシュ及びドアパネルとの間のシール性を高めるだけでなく、車外側係止片とリテーナ部等との間のシール性を高めることができる。結果として、ドアウエザストリップとドアサッシュ等との間から水が車室内側に浸入してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
リアドアが開状態にある自動車の斜視図である。 ドアウエザストリップの正面図である。 ドアウエザストリップを示す図2のJ−J線断面図である。 型成形部を車内側から見た正面図である。 型成形部を取付基部側から見た正面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のK−K線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のL−L線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のM−M線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のN−N線断面図である。 ドアウエザストリップを示す図4のO−O線断面図である。 溶接部及びガイドリブを示す模式断面図である。 ガイドリブの排出部とドアパネルとの当接部位をドア外周側から見た模式図である。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両としての自動車Mには、自動車ボディ1(車両本体)に形成されたドア用開口部1aを開閉する自動車ドア(図ではリアドア:以下、単に「ドア2」という)が設けられている。また、ドア2の外周縁には、ドア2の閉鎖時においてドア2とドア用開口部1aの周縁部との間をシールするドアウエザストリップ3が取着されている。加えて、ドア2には、ベルトラインに沿ってガラスウエザストリップ(ベルトラインモール9)が設けられている。
尚、詳しくは後述するが、ドア2は、インナパネル52とアウタパネル53とを具備し(図9等参照)、両パネル52、53間にドアガラスG等が装備されるドアパネル51と、ドア2の窓部Wを区画するドアサッシュ55(図3等参照)とを備え、ドアサッシュ55の後側の端末をドアパネル51の内側に差し込んで(図8参照)、当該ドアサッシュ55の端末とドアパネル51とを溶接することにより構成されている。
図2に示すように、ドアウエザストリップ3は、ドア2の上縁部に沿って配設される押出成形部4と、ドア2の前後の縦縁部及び下縁部に沿って配設される押出成形部5と、押出成形部4、5の端部同士を接続する型成形部(同図散点模様を付した部分)6、7とを備え、全体として略環状に構成されている。押出成形部4、5は、図示しない押出成形機により長尺状に形成される。また、型成形部6、7は、ドア2のコーナー部に配設され、隣接する押出成形部4、5の端部同士を接続するようにして所定の金型装置によって形成される。本実施形態では、ドアウエザストリップ3は、スポンジEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム)で構成されている。また、ドア2の上縁部の後側の部位は、後方に向けて下方傾斜する斜辺部となっている。
図3に示すように、押出成形部4は、ドア2の外周縁に沿って設けられたドアサッシュ55(詳しくは後述する断面略C字状のリテーナ部DR)に嵌合される取付基部11と、当該取付基部11の車内側で、かつドア2の外周側に突出形成され、内部に中空部12aを有してなる中空シール部12と、中空シール部12よりも車外側において取付基部11からドア2の外周側に延出したサブシール部13と、サブシール部13よりも車外側において該サブシール部13の根元部の取付基部11から車外側に延出した背面シール部14とを備えている。本実施形態では、押出成形により、取付基部11、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14がいずれも同じ材料で同時に成形される。そして、ドア2の閉鎖時に、中空シール部12及びサブシール部13が自動車ボディ1のドア用開口部1aの周縁部に圧接し、これにより、自動車ボディ1とドア2との間がシールされる。
取付基部11は、略平板状の底板部11aと、底板部11aの上面の車外側の部位からドア2の外周側に向けて延出する車外側側壁部11bと、車外側側壁部11bの略先端部と前記底板部11aの上面の車内側の部位とを連結するブリッジ部11cとを備えている。また、車外側側壁部11bと底板部11a、及び、ブリッジ部11cと底板部11aの各連接部は、底板部11aの両側辺部よりもそれぞれ内側(底板部11aの車内外方向中央部側)に位置しており、これによって、底板部11aには、ブリッジ部11cよりも車内側に位置する車内側片部21と、車外側側壁部11bよりも車外側に位置する車外側片部22とが形成されている。加えて、本実施形態では、中空シール部12は、車外側側壁部11bとブリッジ部11cとの連接部と、底板部11aとブリッジ部11cとの連接部とにかけて、車内側で、かつドア2の外周側に凸となるように湾曲形成されている。
また、図3に示すように、ドアサッシュ55は、断面略C字状のリテーナ部DRを備えており、リテーナ部DRは、ドアウエザストリップ3の取付基部11の底板部11aのうちドア2の内周側の面と対向する底壁部32と、底壁部32の車内側端縁から上方に延出し、先端側が車外側に折り曲げられた車内側係止部33と、底壁部32の車外側端縁から上方に延出し、先端側が車内側に折り曲げられた車外側係止部34とを備えている。尚、ドアサッシュ55は、車外側係止部34の先端縁から車外側係止部34のドア2の外周側に折り返して車外側に向けて延びる折返し部35と、折返し部35の車外側端縁からドア2の外周側に向けて延出する縦壁部36とを備えている。また、車内側係止部33及び車外側係止部34の各先端側の部位、及び折返し部35は、ドアウエザストリップ3の取付方向に対してほぼ直交する方向に延びている。尚、折返し部35は、ドアウエザストリップ3の取付状態において、背面シール部14よりもドア2の内周側に位置している。
そして、ドアウエザストリップ3の取付基部11の底板部11aが、ドアサッシュ55のリテーナ部DRの底壁部32、車内側係止部33、及び車外側係止部34の内側に嵌め込まれることで、取付基部11(底板部11a)の車内側片部21が車内側係止部33に係止され、車外側片部22が車外側係止部34に係止される。また、背面シール部14の先端部位が縦壁部36に当接する。
尚、押出成形部5についても、基本的に押出成形部4と同様の断面形状をなし、取付基部11、中空シール部12、背面シール部14等を備えている。但し、押出成形部5に関しては、サブシール部13が省略されている。
また、図9等に示すように、ドアパネル51においては、軽量化等の理由から、ドアサッシュ55に設けられたようなリテーナ部DRが省略されている。このため、ドアウエザストリップ3のうちドアパネル51に取付けられる部位に関しては、ドアウエザストリップ3の長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップが、インナパネル52のうち車外側に折り返された部位に形成された取付孔に嵌め込まれることでドア2に取付けられている(図示略)。また、ドアウエザストリップ3のうちドアパネル51に取付けられる部位に関しては、ドアパネル51に取付けられたドアウエザストリップ3よりも車外側において、インナパネル52がドア2の外周側に折り返されることで形成された縦壁部36に対し、背面シール部14の先端部位が圧接されている。
尚、ドア2の縦縁部に対応しては、雨水等はほぼ真下へ流れ、取付基部11とドアサッシュ55及びドアパネル51との間から車室内側へ浸入するおそれが少ないため、所定間隔をあけて間欠的に取付けられるクリップのみでもシール性は十分に確保される。
これに対し、ドア2の上縁部(及び斜辺部)に対応しては、クリップで固定するのみでは、ドアウエザストリップ3とドアサッシュ55との間のシール性を十分に確保することが難しい。このため、当該部位については、基本的に、上記のようにリテーナ部DRが設けられている。
さて、本実施形態では、図4の二点鎖線で示すX−X線の位置にベルトラインが設定されており、押出成形部4のうちドア2の斜辺部に配設される側の端末(後側の端末)と押出成形部5とを接続する型成形部7は、ベルトライン(ベルトラインモール9に対応する部位)を上下に跨ぐようにして配設されている。特に、本実施形態では、型成形部7のうちドア2の斜辺部に対応する部位(後方に向けて下方傾斜している部位)において、ベルトラインと交錯している。
図6等に示すように、型成形部7のうち、ベルトラインよりも上方に設けられる部位(以下、サッシュ対応部41と称する)に関しては、基本的に押出成形部4と同様の断面形状を有しており、サッシュ対応部41には、押出成形部4のサブシール部13と連続して延びるサブシール部13が設けられている。
図10等に示すように、型成形部7のうち、ベルトラインよりも下方に設けられる部位(以下、パネル対応部42と称する)に関しては、基本的に押出成形部5と同様の断面形状をなしている。すなわち、パネル対応部42には、押出成形部5と同様にサブシール部13が省略されており、これによって、意匠性の向上が図られている。ちなみに、サッシュ対応部41とパネル対応部42との連結部においては、サブシール部13の断面形状が徐々に変化している。尚、図示は省略するが、パネル対応部42は、押出成形部5と同様に、クリップによってドアパネル51に取付けられている。
さらに、型成形部7の取付基部11には、中空シール部12の内側面等を形成するコア金型を抜き出すためのスリット43が、型成形部7の長手方向略全域に形成されている。尚、同様の理由から、型成形部7に関しては、ブリッジ11cが省略されている。
また、図8に示すように、本実施形態では、ドアサッシュ55の後側の端末が、ベルトラインからドアパネル51の内側(インナパネル52とアウタパネル53との間)に差し込まれ、当該ドアサッシュ55の端末とドアパネル51とが溶接されている。以下、ドアサッシュ55とドアパネル51とが溶接された部位を「溶接部57」と称する(図11参照)。
さらに、図7に示すように、ドアサッシュ55のうち溶接部57の近傍部位においては、ドアサッシュ55の後側の端末に向けて、車外側係止部34及び折返し部35の突出長が次第に短くなっている。加えて、ドアサッシュ55の後側の端末においては車内側係止部33についても省略されている。これにより、上記のように、ドアサッシュ55の後側の端末をドアパネル51の内側に差し込めるようになっている。
尚、上記のように、本実施形態では、型成形部7のうちドア2の斜辺部に対応する部位が、ベルトラインの後端末と交錯する構成となっているため、当該溶接部57は、ドアウエザストリップ3が斜めに配設される部位において形成されている。
さて、図5に示すように、型成形部7には、取付基部11の底面から背面シール部14の略先端部まで一続きに延びるガイドリブ61が一体的に形成されている。ガイドリブ61は、取付基部11の底面(底板部11aのドア2内周側の面)において前記スリット43よりも車外側の部位に設けられ、型成形部7の長手方向に沿って延びる導入部62と、背面シール部14の裏面(ドア2内周側の面)に設けられ、型成形部7の長手方向に対して傾斜して延びる排出部63と、導入部62の下端部と排出部63の上端部とを連結するようにして、底板部11aのドア2内周側の面と、車外側係止片22のドア2内周側の面、車外側の面、及びドア2外周側の面と、車外側側壁部11bの車外側の面とに設けられ、型成形部7の長手方向に対して傾斜して延びる連結部64とを備えている。また、ガイドリブ61は断面略三角形状をなしている。
導入部62は、サブシール部13が設けられたサッシュ対応部41と、サブシール部13が設けられていないパネル対応部42とを跨ぐようにして設けられている。特に、本実施形態では、導入部62は、型成形部7の上端部近傍位置まで延設されている。そして、ドアウエザストリップ3のドアサッシュ55(ドアパネル51)への取付状態においては、図11に示すように、ガイドリブ61の導入部62が、溶接部57においてドアサッシュ55及びドアパネルサッシュ51(縦壁部36)に一連に圧接している。また、背面シール部14の裏面に形成された排出部63は、ドアパネル51(インナパネル52)の縦壁部36に圧接している。
さらに、図5、図9、図12等に示すように、背面シール部14には、排出部63の上側面に対応して、ガイドリブ61に案内された水を背面シールリップ14のドア2外周側に抜くための凹部67が形成されている。また、排出部63(凹部67)は、型成形部7のうちドア2の後縁部に沿って上下に配設される部位において、パネル対応部42のうち前記クリップ(図示略)によってドアパネル51に固定されている部位よりも上方に設けられている。尚、本実施形態では、型成形部7のうちドア2の上縁部(斜辺部)に沿って斜めに配設される部位が上辺対応部に相当し、ドア2の後縁部に沿って上下に配設される部位が縦辺対応部に相当する。
また、図6〜図9に示すように、型成形部7には、ポリアミド樹脂よりなるインサート部材45が埋設(インサート成形)されている。インサート部材45は、取付基部11(車外側側壁部11b)に埋設される略平板状の本体部46と、本体部46のドア2外周側端縁から車外側に向けて本体部46に対して略直交する方向に延び、背面シール部14に埋設される保持壁部47と、本体部46のドア2内周側端縁から車外側に向けて本体部46に対して略直交する方向に延び、車外側係止片22に埋設される係止片保持部48とを備え、断面略コ字状をなしている。当該インサート部材45は、サブシール部13が設けられたサッシュ対応部41と、サブシール部13が設けられていないパネル対応部42とを跨ぐようにして埋設されている。特に、本実施形態では、インサート部材45は、型成形部7の上端部近傍位置まで一続きに延設されている。そして、ドアウエザストリップ3のドアサッシュ55(ドアパネル51)への取付状態においては、背面シール部14のうち保持壁部47が埋設された部位の先端部位が、溶接部57においてドアサッシュ55及びドアパネル51(縦壁部36)に一連に圧接している。また、係止片保持部48が埋設された車外側係止片22についても、保持壁部47が埋設された背面シール部14と同様の範囲において、その先端部位がドアサッシュ55及びドアパネル51に圧接している。
尚、パネル対応部42は、その上端部については、接続の都合上、ドア2の車外側の面の後端縁近傍に配置されているが、下側の部位になるにつれ、次第にドア2内周側かつ車内側に配置されている。
また、型成形部7とは別の型成形部6については、基本的に押出成形部4と同様の断面形状をなし、取付基部11、中空シール部12、背面シール部14等を備えている。但し、型成形部6のうちドア2の前縦縁部に対応する部位に関しては、サブシール部13が省略されている。
以上詳述したように、本実施形態では、ドアサッシュ55とドアパネル51との溶接部57に対応して設けられる型成形部7には、取付基部11の底面から背面シール部14のドアパネル51(インナパネル52の縦壁部36)との当接部位まで一続きに延びるガイドリブ61が設けられ、ガイドリブ61のうち取付基部11の底面(ドア2内周側の面)に形成される部位である導入部62が、前記溶接部57においてドアサッシュ55及びドアパネル51に一連に圧接されている。当該ガイドリブ61(導入部62)により、前記溶接部57において段差が形成されたとしても、ガイドリブ61を当該溶接部57及びその近傍の表面形状に追従させるようにして変形させ、溶接部57と取付基部11との間に形成される隙間を極力なくすことができる。結果として、シール性の向上等を図ることができる。
また、例えば、背面シール部14を潜って取付基部11と背面シール部14との間に大量の水が浸入した場合、かかる水を迅速に排出することができなければ、水圧によりガイドリブ61が傾倒変形させられ、車室内側に水が溢れてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、ガイドリブ61は、取付基部11の底面から背面シール部14のドアパネル51(インナパネル52の縦壁部36)との当接部位まで一続きに延びている。このため、背面シール部14を潜って取付基部11側に浸入した水を、背面シール部14の先端部位に案内し、背面シール部14よりもドア2外周側に排出することができる。特に、ガイドリブ61のうち背面シール部14に形成される部位である排出部63は、ドアパネル51と当接している上、背面シール部14には、排出部63の上側面に対応して水抜き用の凹部67が形成されている。このため、背面シール部14及び排出部63とドアパネル51との間に隙間が形成され、ガイドリブ61によって背面シール部14裏面の先端部位まで案内された水を比較的スムースに排出することができる。従って、取付基部11と背面シール部14との間に大量の水が浸入した場合であっても、当該水を比較的スムースかつ迅速に排出することができ、車室内側への水の浸入を防止することができる。
さらに、排出部63(凹部67)は、型成形部7のうちドア2の後縁部に沿って上下に配設される部位において形成されている。すなわち、ドア2の縦縁部に対応しては、雨水等はほぼ真下へ流れ、取付基部11とドアパネル51(ドアサッシュ55)との間から車室内側へ浸入するおそれが少ない。このため、背面シール部14及び排出部63とドアパネル51との間に隙間(凹部67)が形成されたとしても、かかる隙間から車室内側に水が浸入してしまうといった事態を抑止することができる。ちなみに、押出成形部4に関しては、取付基部11に対しコア金型を抜き取るためのスリット43を形成する必要がなく、ブリッジ部11cを設けることができる。このため、型成形部7に比べ、背面シール部14等のシール力が高い。このため、型成形部7に比べ水が背面シール部14を潜って取付基部11側に浸入してしまうおそれが少なく、ガイドリブ61等を設けなくても十分にシール性が確保される。
また、例えば、型成形部7のうちサブシール部14が設けられているサッシュ対応部41に関しては、高圧洗車等に際し、サブシール部14の裏面(車外側の面)によって水が背面シール部14側に案内され、背面シール部14に対しより強い水圧が付加されることが懸念される。特に、型成形部7においては、取付基部11に対し、中空シール部12の内側面等を形成するコア金型を抜き取るためのスリット43を形成する必要があるため、背面シール部14に勢いよく水が当ると、かかる水が背面シール部14を潜って取付基部11側に侵入してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態のように、ガイドリブ61(導入部62)を、型成形部7の上端部近傍まで延設することにより、車室内側への水の浸入をより確実に防止することができる。
さらに、例えば、ドアウエザストリップ3のうち長手方向に沿って所定間隔毎にクリップが設けられ、当該クリップのみでドア2に取付けられる部位に関し、クリップが設けられた部位の間の区間においては、取付基部11をドアパネル51に押さえ付ける力が弱く、取付基部11の浮き上がりが発生しやすい。このため、取付基部11の底面にガイドリブ61を設けたとしても、シール性の低下が懸念される。これに対し、本実施形態では、パネル対応部42のうちクリップが設けられた部位よりも上方にガイドリブ61が設けられている。このため、車室内側への水の浸入をより確実に防止することができる。
加えて、ガイドリブ61は型成形部7と一体的に形成されているため、例えば、別体のガイドリブを貼着するような場合に比べ、製造作業性の向上を図ることができる上、ガイドリブ61の位置ずれを防止することができる。
また、本実施形態では、背面シール部14のうちドアサッシュ55とドアパネル51との溶接部57に圧接される部位には、型成形部7を構成する素材(EPDM)よりも硬質な素材(ポリアミド樹脂)よりなる保持壁部47が埋設されている。このように保持壁部47が埋設されることによって、背面シール部14の先端部位をより強く溶接部57を含むドアサッシュ55及びドアパネル51(縦壁部36)に押付けることができる。従って、前記溶接部57において段差が形成されたとしても、背面シール部14の先端部位を当該溶接部57及びその近傍の表面形状に追従させるようにして変形させることができる。このため、溶接部57と背面シール部14との間に形成される隙間を極力なくすことができ、結果として、シール性の向上等を図ることができる。
特に、保持壁部47は、本体部46から略直交する方向に延びているため、背面シール部14の先端部位と溶接部57(ドアサッシュ55等)とを当接させた際に、保持壁部47が位置ずれしてしまう(例えば、保持壁部47が車内側に位置ずれし、ドアサッシュ55等から離間してしまう)といった事態を抑制することができる。従って、保持壁部47を埋設することによって、保持壁部47が埋設された背面シール部14の先端部位をより強く溶接部57に押付けるといった作用効果が一層確実に奏される。
さらに、本実施形態によれば、インサート部材45は、サブシール部13が設けられたサッシュ対応部41と、サブシール部13が設けられていないパネル対応部42との境界部を跨ぐようにして設けられている。このため、例えば、高圧洗車等に際し、サッシュ対応部41とパネル対応部42との境界部から、サッシュ対応部41のサブシール部13の裏面側に浸入した水の圧力により、サッシュ対応部41の背面シール部14が変形させられ、そこから車室内側に水が浸入してしまうといった事態を防止することができる。
また、本実施形態では、ドアサッシュ55の後側の端末をドアパネル51の内側に差し込んで溶接する都合上、ドアサッシュ55の後側の端末近傍部位において、車外側係止部34及び折返し部35の突出長が、ドアサッシュ55の端末側に向けて次第に短く構成されている。しかしながら、この場合、車外側係止部34及び折返し部35(及び車内側係止部33)の突出長が短く構成されている部位に関しては、取付基部11をリテーナ部DRに嵌め込むことができないため、シール性の低下が懸念される。特に、ドアサッシュ55の後側は斜辺部であるため、シール性の低下を招く場合、車室内側へ水が浸入してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、インサート部材45が型成形部7の上端部近傍まで延設されている。これにより、車外側係止部34及び折返し部35の突出長が短く構成されている部位においても、保持壁部47が埋設された背面シール部14を延在させ、背面シール部14とドアサッシュ55等との間のシール力を高めることができる。従って、リテーナ部DRが設けられていない(リテーナ部DRが好適な形状ではない)部位におけるシール性の低下を抑制することができる。
さらに、型成形部7に関しては、中空シール部12の内側面を形成するコア金型を抜き取る必要があるため、取付基部11に対し中空シール部12の中空部12aに連通するスリット43が形成される。これに起因して、型成形部7の形状維持が困難なものとなり、例えば、中空シール部12がドア用開口部4周縁と圧接して潰れ変形した場合に、当該変形に基づく応力によって背面シール部14がドアサッシュ55等から離れる側に傾倒変形してしまうことが懸念される。
これに対し、本実施形態では、インサート部材45を型成形部7の上端部近傍まで延設することにより、型成形部7の形状が維持され易くなっている。特に、背面シール部14に対し、本体部46から延びる保持壁部47が埋設されることによって、背面シール部14がドアサッシュ55等から離間するように変形してしまうといった事態を抑止することができる。従って、シール性の向上を図るといった上記作用効果が一層確実に奏される。
また、インサート部材45は、本体部46から車外側に延出して、車外側係止片22の内側に埋設される係止片保持部48を備えており、当該係止片保持部48が埋設された車外側係止片22の先端部位はドアサッシュ55等(縦壁部36)に圧接されている。このように車外側係止片22に係止片保持部48を埋設して車外側係止片22をドアサッシュ55等に圧接させることで、車外側係止片22をドアサッシュ55等により強く押付けることができる。このため、背面シール部14とドアサッシュ55等との間のシール性を高めるだけでなく、車外側係止片22とドアサッシュ55等との間のシール性を高めることができる。結果として、ドアウエザストリップ3とドアサッシュ55等との間から水が車室内側に浸入してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態ではガイドリブ61が断面略三角形状に構成されているが、ガイドリブ61の断面形状は特に限定されるものではない。例えば、車外側(連結部64及び排出部63においてはドア2外周側)に傾倒するリップ状に構成してもよい。
さらに、上記実施形態において、水抜き用の凹部67を省略してもよい。但し、上記実施形態のように背面シール部14にインサート45(保持壁部47)が埋設される場合、前記凹部67を設けることが望ましい。
(b)上記実施形態では、インサート部材45が断面略コ字状に構成されているが、少なくとも本体部46と、本体部46からほぼ直交して延び、背面シール部14に埋設される保持壁部47とを備えていればよく、例えば、断面略コ字状、断面略T字状に構成することとしてもよい。また、例えば、サッシュ対応部41とパネル対応部42との境界部を跨ぐようにして延びる部位は断面略コ字状に構成し、その上の車外側係止部34及び折返し部35の突出長が小さくなる部位(車外側係止部34及び折返し部35が形成されていない部位を含む)は断面略L字状に構成し、それよりも上側は本体部46のみの略板状に構成することとしてもよい。当該構成を採用する場合、断面略L字状及び板状部分において、ドアウエザストリップ3をドアサッシュ55に取付ける際の作業性の向上を図ることができる。尚、インサート部材45を省略することも可能である。
(c)上記実施形態では、ドア2の斜縁部を含む上辺部に対応して1本の押出成形部4が設けられているが、ドア2のうち略水平方向に延びる上縁部に対応する押出成形部と、上縁部の後端部から下方傾斜して延びる斜縁部に対応する押出成形部と、両押出成形部を接続する型成形部とを設けることとしてもよい。当該ドアウエザストリップについても、上記構成を適用することも可能である。
また、上記実施形態では特に言及していないが、型成形部7に埋設されるインサート部材45は、型成形部7のうちドア2の後縁部に対応する部位にまで延設されていることとしてもよい。この場合、ドアウエザストリップ3が斜めに配設される部位において、ドアウエザストリップ3とドアサッシュ55との間を介して、水が上方から下方に抜け、車室内側に進入してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
(d)上記実施形態では、リアドアのドアウエザストリップ3について具体化したが、例えばフロントドア等その他のドアに取着されるドアウエザストリップにも適用することもできる。尚、一般に、フロントドアに関しては、ドアサッシュ55の前側の端縁がドアパネル51の内側に差し込まれ、ドアパネル51と溶接されているため、ドアサッシュ55の前側の端縁とドアパネル51との溶接部に取付けられる部位に関し、上記実施形態と同様の構成を採用することが望ましい。
また、上記実施形態では、ドアウエザストリップ3をEPDMにより構成しているが、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の他の素材により構成してもよい。さらに、上記実施形態では、取付基部11、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14がいずれも同一の材料で構成されているが、部分的に異なる材料を使用してもよい。例えば、中空シール部12、サブシール部13、及び背面シール部14をスポンジEPDMで構成し、取付基部11をソリッドEPDM又は微発泡のスポンジEPDMで構成することとしてもよい。
また、上記実施形態のインサート部材45はポリアミド樹脂により構成されているが、ドアウエザストリップ3の弾性材料(ゴム材料)より剛性の高い又は硬質の材料であれば、特にポリアミド樹脂に限定されるものではなく、例えばポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい。但し、型成形部加硫時において、溶融等を起こさない材料であることが望ましい。
1…自動車ボディ、1a…ドア用開口部、2…ドア、3…ドアウエザストリップ、4,5…押出成形部、6,7…型成形部、11…取付基部、12…中空シール部、13…サブシール部、14…背面シール部、22…車外側係止片、32…底壁部、33…車内側係止部、34…車外側係止部、35…支持部、36…縦壁部、41…サッシュ対応部、42…パネル対応部、45…インサート部材、46…本体部、47…保持壁部、48…係止片保持部、51…ドアパネル、55…ドアサッシュ、57…溶接部、61…ガイドリブ、62…導入部、63…排出部、64…連結部、67…凹部、DR…リテーナ部、G…ドアガラス、M…自動車、W…窓部。

Claims (9)

  1. 車両のドアの周縁部に沿って取付けられる取付基部と、
    前記取付基部と一体成形され、中空部を有してなる中空シール部と、
    前記中空シール部よりも車外側において前記取付基部のドア外周側の部位から車外側に延出し、窓部を区画するドアサッシュ及びドアパネルの外周縁部の車内側面に当接する背面シール部と、
    ドアの上辺部において前記中空シール部よりも車外側、かつ、前記背面シール部よりも車内側において前記取付基部からドア外周側に向けて延出するサブシール部とを備え、
    前記ドアの閉鎖時には、前記中空シール部及び前記サブシール部が、車両本体に形成されたドア用開口部の周縁部に圧接して、前記車両本体と前記ドアとの間がシールされるドアウエザストリップの取付構造であって、
    前記ドアは、前記ドアサッシュの端末部がドアパネルの内側に差し込まれて当該ドアパネルと溶接されてなり、
    前記ドアウエザストリップは、前記ドアサッシュと前記ドアパネルとの溶接部に対応して配置されるコーナー部において型成形部を備え、
    前記型成形部のうち、ベルトラインよりも下方に配置されるパネル対応部には前記サブシール部が存在しない構成であり、
    前記型成形部には、前記取付基部の底面から前記背面シール部の前記ドアサッシュ又は前記ドアパネルとの当接部位まで一続きに延びるガイドリブが一体的に形成され、
    前記ガイドリブは、前記取付基部の底面に設けられ、前記型成形部の長手方向に沿って延びる導入部と、前記背面シール部の裏面に設けられ、前記型成形部の長手方向に対して傾斜して延びる排出部と、前記型成形部の長手方向に対して傾斜して延び、前記導入部の下端部と前記排出部の上端部とを連結する連結部とを備え、
    前記ガイドリブの前記導入部は、前記型成形部のうちベルトラインよりも上方に配置されて前記サブシール部が設けられるサッシュ対応部と、前記パネル対応部との境界部を跨ぐようにして配置され、
    前記導入部が、前記溶接部において、前記ドアサッシュと、前記ドアパネルの外周縁部の車内側面とに一連に圧接されていることを特徴とするドアウエザストリップの取付構造。
  2. 前記背面シール部には、前記排出部の上側面に対応して水抜き用の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  3. 前記型成形部は、ドアの上縁部に対応する上辺対応部とドアの縦縁部に対応する縦辺対応部とを備え、
    前記排出部は前記縦辺対応部において形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  4. 前記導入部は、前記型成形部の上端部又は上端部近傍まで延設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  5. 前記ドアウエザストリップのうち前記ドアパネルに配設される部位は、前記ドアウエザストリップの長手方向に沿って所定間隔毎に設けられたクリップのみで前記ドアパネルに固定され、
    前記ガイドリブは、前記クリップによる固定位置よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  6. 前記型成形部には、当該型成形部を構成する素材よりも硬質な素材よりなり、型成形時にインサート成形されるインサート部材が設けられ、
    前記インサート部材は、前記取付基部に埋設される本体部と、前記本体部から略直交する方向に延び、前記背面シール部に埋設される保持壁部とを備え、
    前記インサートは、前記サブシール部が設けられた前記サッシュ対応部と、前記サブシール部が設けられていない前記パネル対応部との境界部を跨ぐようにして配置され、
    前記背面シール部のうち前記保持壁部が埋設された部位の先端部位が、前記溶接部において、前記ドアサッシュと、前記ドアパネルの外周縁部の車内側面とに一連に圧接されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  7. 前記ドアサッシュには断面略C字状のリテーナ部が設けられ、
    前記リテーナ部は、ドア内外周方向に対して交差する方向に突出し、前記取付基部の両側部を係止する係止部を備え、
    前記係止部は、前記ドアサッシュのうち前記ドアパネルと溶接される端末近傍部位において、前記ドアサッシュの端末側に向けて、その突出長が次第に短く構成され、
    前記背面シール部のうち前記保持壁部が埋設された部位の先端部位が、前記係止部の突出長が短く構成されている部位においても、前記ドアサッシュの車内側面と当接していることを特徴とする請求項6に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  8. 前記インサート部材は、前記型成形部の上端部近傍まで延設されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のドアウエザストリップの取付構造。
  9. 前記取付基部は、前記背面シール部よりもドア内周側の部位から車外側に突出する車外側係止片を備え、前記ドアサッシュのうち断面略C字状のリテーナ部を具備する部位に関しては、前記車外側係止片が前記リテーナ部に係止され、
    前記インサート部材は、前記本体部から車外側に延出して、前記車外側係止片に埋設される係止片保持部を備え、
    前記車外側係止片のうち少なくとも前記係止片保持部が埋設された部位の先端部位が前記溶接部と、その近傍の前記ドアサッシュ及び前記ドアパネルとに圧接されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のドアウエザストリップの取付構造。
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