JP2007320428A - 自動車ドアのシール構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車室内への騒音の侵入を防止するとともに、コストの増大やドアガラスの昇降に際しての異音の発生等を防止することができる自動車ドアのシール構造を提供する。
【解決手段】ガラスラン1は、ドアフレームの内周に沿って取着される基底部14及び該基底部14から延びる車内側側壁部16及び車外側側壁部15よりなる本体部11と、車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13とを備える。後縦辺部を構成する押出成形部4のうち、少なくともガラスインナウエザストリップ21の端末と衝き合わされる衝き合せ部位においては、車内側側壁部16の略先端部と車内側シールリップ13の基端部とを連結する連結部18を備える。衝き合せ部位における車内側シールリップ13の基端部は、ガラスインナウエザストリップ21の端末と対向しない一般部位の車内側シールリップ13の基端部よりもドアフレームの内周側、かつ、ドアガラスDG側に位置している。
【選択図】 図7
【解決手段】ガラスラン1は、ドアフレームの内周に沿って取着される基底部14及び該基底部14から延びる車内側側壁部16及び車外側側壁部15よりなる本体部11と、車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13とを備える。後縦辺部を構成する押出成形部4のうち、少なくともガラスインナウエザストリップ21の端末と衝き合わされる衝き合せ部位においては、車内側側壁部16の略先端部と車内側シールリップ13の基端部とを連結する連結部18を備える。衝き合せ部位における車内側シールリップ13の基端部は、ガラスインナウエザストリップ21の端末と対向しない一般部位の車内側シールリップ13の基端部よりもドアフレームの内周側、かつ、ドアガラスDG側に位置している。
【選択図】 図7
Description
本発明は、自動車ドアのシール構造、特に車外からドアを介して車室内に入る騒音の遮音性を良好にする自動車ドアのシール構造に関するものである。
一般に、自動車のドアのドアフレームの内周に沿ってガラスランが設けられている。また、ドアのベルトラインに沿ってガラスウエザストリップが設けられている。ガラスランは、長尺状に成形された押出成形部と、押出成形部同士を所定の角度をなした状態で接続する型成形部とから構成されており、例えばドアフレームの形状に沿って前縦辺部、上辺部及び後縦辺部からなる。また、ガラスランは、その断面方向から見ると、断面コ字形の本体部を備えるとともに、本体部内側に延びる車内側シールリップ及び車外側シールリップを備え、これら両シールリップによって、ドアガラスの内外面の周縁部が挟まれるようにしてシールされる。
ガラスウエザストリップは、ドアインナパネルの上縁に取付けられるインナーウエザストリップと、ドアアウタパネルの上縁に取付けられるアウターウエザストリップとからなる。両ウエザストリップは、それぞれの基部から延びるシールリップを備え、ドアガラスを内外面から挟むようになっている。
さて、ガラスウエザストリップは、その端末が前記ガラスランの縦辺部と衝き合されて取着される。ところで、ガラスラン及びガラスウエザストリップをそれぞれ別体で構成し、それぞれドアに組付ける場合には、ガラスインナウエザストリップとガラスランとの衝き合せ部において隙間が形成されてしまうおそれがある。この場合、かかる隙間から車室内に騒音が侵入し、車内騒音の原因となるおそれがある。
上記不具合を防止するべく、ガラスインナウエザストリップとガラスランとを一体的に形成するといった技術がある。このような構成を採用することで、ガラスインナウエザストリップとガラスランとの衝き合せ部に隙間がなくなるため、遮音性の向上が確実に図られる。しかしながら、この場合、組付作業性の低下や金型構造の複雑化等を招くおそれがある。
これに対し、ガラスランのうちガラスインナウエザストリップの端末と衝き合わされる部位に対し、ガラスインナウエザストリップと同様に、ドアインナパネルに取着される取付部とドアガラスの内側面をシールするシールリップとを備える凸部を突出形成するといった技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−90735号公報
上記特許文献1の構成を採用することで、ガラスインナウエザストリップとガラスランとの衝き合せ部の隙間をなくすことができる上、ガラスインナウエザストリップとガラスランとが別体として構成されるため、組付作業性の低下を回避することができる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ガラスインナウエザストリップと同様の構成を具備する凸部を形成する必要があるため、金型構造の複雑化を十分に抑制することができず、依然としてコストの増大を招くおそれがある。
また、ガラスランの車内側シールリップと、ドアインナパネルに取着される基部から延びるシールリップとではシールする向きが相違するため、両者が連続する部位においてシール性に支障が生じ、場合によっては、ドアガラスの昇降に際して異音が発生してしまうおそれがある。また、このような不具合は、ガラスインナウエザストリップとガラスランとを一体で成形する場合でも同様に起こる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室内への騒音の侵入を防止するとともに、コストの増大やドアガラスの昇降に際しての異音の発生等を防止することができる自動車ドアのシール構造を提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.自動車ドアのドアフレームの内周に沿って設けられた取付部に取着され、基底部及び該基底部から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部よりなり断面略コ字状をなす本体部と、前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の内側に向けて延び、ドアガラスの外側面をシールする車外側シールリップと、前記車外側シールリップと対をなし、ドアガラスの内側面をシールする車内側シールリップとを有するガラスランと、
自動車ドアのベルトラインに沿ってドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内側面をシールするシールリップとを有するガラスインナウエザストリップとを備え、
前記ガラスランの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に関し、
前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向する衝き合せ部位においては、前記車内側側壁部の略先端部と前記車内側シールリップのドアフレームの内周側の端部とを連結する連結部を備え、
前記衝き合せ部位における前記連結部と前記車内側シールリップとの境界部を、前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向しない一般部位の前記車内側側壁部の先端部及び前記車内側シールリップの基端部よりもドアフレーム内周側に位置させるとともに、
前記衝き合せ部位における前記車内側シールリップの付根部を、前記一般部位における前記車内側シールリップの付根部よりもドアガラス側に位置させ、
前記連結部に対して前記ガラスインナウエザストリップの端末を接触させたことを特徴とする自動車ドアのシール構造。
自動車ドアのベルトラインに沿ってドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内側面をシールするシールリップとを有するガラスインナウエザストリップとを備え、
前記ガラスランの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に関し、
前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向する衝き合せ部位においては、前記車内側側壁部の略先端部と前記車内側シールリップのドアフレームの内周側の端部とを連結する連結部を備え、
前記衝き合せ部位における前記連結部と前記車内側シールリップとの境界部を、前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向しない一般部位の前記車内側側壁部の先端部及び前記車内側シールリップの基端部よりもドアフレーム内周側に位置させるとともに、
前記衝き合せ部位における前記車内側シールリップの付根部を、前記一般部位における前記車内側シールリップの付根部よりもドアガラス側に位置させ、
前記連結部に対して前記ガラスインナウエザストリップの端末を接触させたことを特徴とする自動車ドアのシール構造。
手段1によれば、ガラスランの衝き合せ部位における連結部と車内側シールリップとの境界部が、一般部位の車内側側壁部の先端部及び車内側シールリップの基端部よりもドアフレームの内周側に位置している。つまり、ガラスランは衝き合せ部位においてドアフレームの内周側に膨出している。このため、ガラスランとガラスインナウエザストリップの端末とを確実に接触させることができ、ガラスインナウエザストリップとガラスランとの衝き合せ部における隙間をなくすことができる。結果として、遮音性の向上を図ることができる。
さらに、衝き合せ部位における車内側シールリップの付根部(基端部)が、一般部位における車内側シールリップの付根部(基端部)よりもドアガラス側に位置している。つまり、ガラスランは衝き合せ部位においてドアガラス側にも膨出している。このため、ガラスランの車内側シールリップとドアガラス内面との隙間を減少させることができ、遮音性の向上を図ることができる。
また、ガラスランの形状としては、衝き合せ部位をドアフレームの内周側、及び、ドアガラス側に膨出させるだけなので、ガラスラン(衝き合せ部位)を成形するための金型構造の複雑化を抑制することができ、結果として、コストの増大を防止することができる。加えて、ガラスインナウエザストリップに関しても、少なくともガラスランに衝き合わされる端末を真直ぐにカットするだけで済むため、製造作業性の向上が図られる。
さらに、ガラスランとガラスインナウエザストリップとが別体で構成されることにより、両者が一体的に構成されることに起因する組付け作業性の低下を防止することができる。また、ドアインナパネルに取着される基部に設けられるシールリップと、ガラスランの縦辺部に設けられる車内側シールリップとが別体で構成されることから、両シールリップが連続的に一体形成される場合に比べてシール性を良好にすることができ、ドアガラスの昇降に際し、異音が発生してしまうといったおそれを防止することができる。さらに、車内側シールリップに凸部等を設ける場合のように、車内側シールリップを厚肉にする必要がないため、車内側シールリップの反力(ドアガラスを押す力)が大きくなってしまうといったおそれを防止することができる。結果として、ドアガラスの昇降に際し、異音が発生してしまうといったおそれをより確実に防止することができる。
手段2.前記連結部は、前記車内側シールリップの付根部と前記車内側側壁部とを離間させて所定の長さを有するとともに、前記ガラスランの本体部を前記自動車ドアの取付部に取着した状態であって、かつ、前記ガラスインナウエザストリップの基部を前記ドアインナパネルに取着していない状態において、前記車内側側壁部の略先端部からドアガラスの内側面と略直交して、又は、ドアフレームの内周側に傾斜して延びることを特徴とする手段1に記載の自動車のシール構造。
手段2によれば、ガラスランとガラスインナウエザストリップとの接触面積を増やすことができ、また、ガラスランの車内側シールリップとドアガラス内面との隙間を減少させるといった作用効果が確実に奏されるため、遮音性の向上が図られる。
また、連結部が車内側側壁部の略先端部からドアフレームの内周側に傾斜して延びる場合、ガラスインナウエザストリップの端末が、連結部のうち車内側側壁部との境界部よりも先に先端部又は中間部位と接触し、該接触に際して連結部が追従して撓むこととなる。このため、ガラスインナウエザストリップの接触に際して車内側側壁部が突っ張って組付け作業性の低下を招くといったおそれを抑止することができる。
尚、連結部が車内側側壁部の略先端部からドアガラスの内側面と略直交して延びる場合であっても、ガラスインナウエザストリップの端末が、連結部と車内側側壁部との境界部に接触しないよう構成した場合には、同様の作用効果が奏される。もちろん、連結部が、車内側側壁部からドアフレーム内周側に向けて若干膨らむようにして湾曲形成(屈曲形成)される場合についても、同様の作用効果が奏される。
手段3.前記連結部を前記車内側側壁部よりも薄肉としたことを特徴とする手段1又は2に記載の自動車のシール構造。
手段3によれば、連結部において可撓性が増加し、例えば、ガラスインナウエザストリップの長手方向での切断バラツキを吸収することができる。また、ドアガラスが車内側に振動した場合にも車内側シールリップの反力の増大を抑制することができる。
手段4.前記衝き合せ部位における前記車内側シールリップの先端部位の傾斜角度及び先端部位置を、前記一般部位における前記車内側シールリップの傾斜角度及び先端部位置とほぼ同じくしたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の自動車のシール構造。
手段4によれば、ガラスランの長手方向において、車内側シールリップのドアガラスとの摺接部位を揃えることができ、該摺接部位が一定していないことに起因して、ドアガラスの昇降に際してドアガラスががたついてしまうといった不具合を回避することができる。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はドアの概略構成を示す正面模式図である。図2はガラスランの構成を示す図1のJ−J線断面図であり、図3は図1のK−K線断面図である。図4はガラスインナウエザストリップの構成を示す図1のL−L線断面図である。
図1に示すように、自動車用ドア51(図ではフロントドア)には、ドアガラスDGの昇降を案内し、ドアガラスDGが上昇して閉じられたときにドアガラスDGの外周とドアフレーム52との間をシールするガラスラン1が設けられている。より詳しくは、ドアフレーム52の内周に沿って形成されたチャンネル部DC、及び、ドアフレーム52の前後の鉛直部を下方に延長するようにしてドアパネル53内に設けられたサッシュDSの内周にガラスラン1が取付けられている。
ガラスラン1は、その長手方向にみて上辺部に対応する押出成形部2、前後の縦辺部に対応する押出成形部3,4と、2つの押出成形部2,3及び2,4の端部同士を接続する型成形部5,6(図1で散点模様を付した部分)とに区別される。各押出成形部2〜4は、図示しない押出成形機によりほぼ直線状に(長尺状に)形成される。型成形部5,6は、2つの押出成形部2,3及び2,4が所定の角度をなした状態で相互に接続されるように図示しない金型装置にて接続成形される。
図2は、ガラスラン1の一般部位の断面を説明するための図1のJ−J線断面図である。同図に示すように、後縦辺部を構成する押出成形部4は、本体部11及び車外側シールリップ12及び車内側シールリップ13を備えている。本体部11は、チャンネル部DCに嵌め込まれる基底部14及び該基底部14から延びる車外側側壁部15及び車内側側壁部16を備え、全体として断面略コ字状をなしている。車外側シールリップ12は、車外側側壁部15の略先端から基底部14側に向けて延びている。また、本実施形態では、車外側シールリップ12よりもドアフレーム52の内周側において、車外側側壁部15の先端部から車内側側壁部16の先端部側に向けて延びるサブリップ17が設けられている。
車内側シールリップ13は、車内側側壁部16の略先端から車外側側壁部15側に向けて延びる連結部18の先端部から基底部14側に向けて延びている。そして、ドアガラスDGが閉じられた状態においては、車外側シールリップ12がドアガラスDGの外側面に対して圧接され、車内側シールリップ13がドアガラスDGの内側面に対して圧接される。これにより、ドアガラスDGの車外側及び車内側がそれぞれシールされるようになっている。加えて、本実施形態では、連結部18から突出するようにして、ガーニッシュ55の先端部を挿入する(隠す)ための意匠リップ19が設けられている。
尚、車外側側壁部15は、車内側側壁部16に比べて比較的短く形成されるとともに、それに付随して車外側シールリップ12も車内側シールリップ13に比べて比較的小さく(短く)設定されている。これにより、チャンネル部DCの車外側側面を小さく設定でき、見栄えが向上するとともに、ドアガラスDGが車外側に寄せられ、フラッシュサーフィス化が図られるようになっている。また、押出成形部2,3、及び型成形部5,6についても、本体部11及び一対のシールリップ12,13等を備えている。加えて、本実施形態における本体部11及びシールリップ12,13は、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)により構成されている。
また、図3に示すように、本実施形態では、ガラスラン1のうち、ベルトラインよりも下方のドアパネル53内に配設されて外観に現れない部位については、意匠リップ19及びサブリップ17を省略した形状に構成されており、かかる部位が取着されるサッシュDSとともに小型化が図られている。尚、本実施形態では、押出成形部4を押出成形した後、押出成形部4のうちドアパネル53内に配設される部位の意匠リップ19及びサブリップ17をカットすることで上記のような形状としている。
図1に示すように、ドアベルトラインに沿ってガラスウエザストリップ20が取付けられる。図4に示すように、ガラスウエザストリップ20は、ドアインナパネル57の上縁に取付けられるガラスインナウエザストリップ21と、図示しないドアアウタパネルの上縁に取付けられるガラスアウタウエザストリップ41とからなる。
ガラスインナウエザストリップ21は、内装品たる図示しないドアトリム側に位置しており、基部22及び該基部22から斜め上方に延びドアガラスDGの車内側面に当接する上段シールリップ23及び下段シールリップ24を有している。基部22は、硬質のオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)により構成され、ドアインナパネル57の上端縁に嵌合されている。また、両シールリップ23,24は軟質のTPOにより構成されており、該シールリップ23,24の存在により、前記ドアインナパネル57とドアガラスGとの間がシールされるようになっている。ガラスインナウエザストリップ21の両端部(端末)は押出成形部3、4に対してそれぞれ衝き合わされている。尚、両シールリップ23,24のドアガラスDGとの摺接面には植毛(図示略)が施されている。
さて、図5に示すように、本実施形態では、ガラスラン1の後縦辺部を構成する押出成形部4のうちガラスインナウエザストリップ21の後端末と対向する部位(衝き合せ部位)が型成形により形成されている。より詳しくは、かかる衝き合せ部位において、車内側側壁部16の中間位置から先端部側の部位、連結部18、及び車内側シールリップ13が、EPDMよりなる型成形部31により構成されている。尚、上記のように押出成形部4の衝き合せ部位においては、車内側側壁部16の先端部側、連結部18、及び車内側シールリップ13が型成形部31によって構成されるのではあるが、便宜上、これら各部材の名称(番号)をそのまま使用して説明する。
図6は型成形部31の上部を示す図5のV−V線断面図である。同図に示すように、型成形部31の上部は、押出成形部4のうちベルトラインよりも上方の一般部位(図2参照)の形状に合わせた形状をなしており、押出成形部4の長手方向において、型成形部31の上縁部と押出成形部4との境界部に段差が形成されないようになっている。
図8は型成形部31の下部を示す図5のX−X線断面図である。同図に示すように、型成形部31の下部は、押出成形部4のうちベルトラインよりも下方の一般部位(図3参照)の形状に合わせた形状をなしており、押出成形部4の長手方向において、型成形部31の下縁部と押出成形部4との境界部に段差が形成されないようになっている。つまり、意匠リップ19が省略されている。
図7は型成形部31の中間部を示す図5のW−W線断面図である。同図に示すように、型成形部31の中間部については、車内側側壁部16がドアフレーム52(ドア51)の内周側に延長されており、車内側シールリップ13の基端部(付根部)、すなわち、連結部18と車内側シールリップ13との境界部αが、型成形部31の上方や下方に位置する一般部位における車内側側壁部16の先端部及び車内側シールリップ13の基端部(付根部)よりもドアフレーム52の内周側、かつ、ドアガラスDGの内面側に位置している。本実施形態では、ドア51の前後方向において、型成形部31の中間部の車内側側壁部16の先端部位置が、型成形部31の上方の一般部位の意匠リップ19の先端部位置と略同じ位置となっている。また、当該中間部における連結部18は、本体部11のチャンネル部DCへの取付状態において、ドアガラスDGの内側面と略直交する方向に延びている。
そして、図5に示すように、型成形部31の中間部の連結部18に対し、ガラスインナウエザストリップ21の下段シールリップ24の端末が衝き合わされる(接触する)構成となっている。また、本実施形態では、ガラスインナウエザストリップ21の下段シールリップ24の端末が真直ぐに(ガラスインナウエザストリップ21の延在方向に対して直交して)切断されているのに対し、上段シールリップ23の端末は斜めに切断されている。そして、当該上段シールリップ23の端末が、型成形部31上部の意匠リップ19から型成形部31よりも上方の一般部位の車内側シールリップ13にかけて衝き合わされる構成となっている。尚、型成形部31の中間部の連結部18に対して、ガラスインナウエザストリップ21の基部22の端末についても衝き合わされていることとしてもよい。
尚、型成形部31の中間部における連結部18は、車内側側壁部16及び車内側シールリップ13よりも薄肉に構成されているので、下段シールリップ24の端末との接触に際して、連結部18が車内側側壁部16との境界部を中心に基底部14側に傾倒するようにして追従的に変形する。本実施形態では、型成形部31の中間部において、車内側シールリップの肉厚が1.5mmなのに対し、連結部18の肉厚は1.2mmとなっている。
また、上記のように、型成形部31の中間部の車内側シールリップ13は、型成形部31の上方や下方の一般部位の車内側シーリップ13よりもその基端部がドアフレーム52の内周側、かつ、ドアガラスDG側に位置しているのであるが、その先端部側の傾斜角度及び先端部位置については、一般部位のシールリップ13と同じくなっている。すなわち、型成形部31の中間部においては、車内側シールリップ13の延出角度を若干車内側側壁部16寄りにするとともに、車内側シールリップ13の中間部位において当該車内側シールリップ13を車外側側壁部15側に屈曲させている。これにより、押出成形部4の長手方向において、車内側シールリップ13のドアガラスDGとの摺接部位を揃えている。
以上詳述したように、本実施形態では、押出成形部4の衝き合せ部位において型成形部31が形成され、該型成形部31の中間部における連結部18と車内側シールリップ13との境界部αが、型成形部31の上方や下方に位置する一般部位の車内側側壁部16の先端部及び車内側シールリップ13の基端部よりもドアフレーム52内周側に位置している。つまり、押出成形部4は衝き合せ部位においてドアフレーム52内周側に膨出している。このため、押出成形部4とガラスインナウエザストリップ21の端末とを確実に接触させることができ、ガラスインナウエザストリップ21とガラスラン1との衝き合せ部における隙間をなくすことができる。結果として、遮音性の向上を図ることができる。
さらに、型成形部31の中間部における連結部18と車内側シールリップ13との境界部α(車内側シールリップ13の付根部)が、一般部位の連結部18と車内側シールリップ13との境界部α(車内側シールリップ13の付根部)よりもドアガラスDG側に位置している。つまり、押出成形部4は衝き合せ部位においてドアガラスDG側にも膨出している。このため、押出成形部4の型成形部31の中間部における車内側シールリップ13とドアガラスDG内面との隙間を減少させることができ、遮音性の向上を図ることができる。
また、ガラスラン1(押出成形部4)の形状としては、衝き合せ部位をドアフレーム52の内周側、かつ、ドアガラスDG側に膨出させるだけなので、押出成形部4(型成形部31)を成形するための金型構造の複雑化を抑制することができ、コストの増大を防止することができる。加えて、ガラスインナウエザストリップ21に関しても、少なくとも押出成形部4に衝き合わされる端末を真直ぐにカットするだけのため、製造作業性の向上が図られる。
さらに、ガラスラン1(押出成形部4)とガラスインナウエザストリップ21とが別体で構成されることにより、両者が一体的に構成されることに起因する組付け作業性の低下を防止することができる。また、ドアインナパネル57に取着される基部22に設けられるシールリップ23,24と、押出成形部4に設けられる車内側シールリップ13とが別体で構成されることから、両シールリップ23,24、13が連続的に一体形成される場合に比べて当該コーナー部分のシール性を良好にすることができ、ドアガラスDGの昇降に際し、異音が発生してしまうといったおそれを防止することができる。さらに、車内側シールリップ13に凸部等を設ける場合のように、車内側シールリップ13を厚肉にする必要がないため、車内側シールリップ13の反力(ドアガラスDGを押す力)が大きくなってしまうといったおそれを防止することができる。結果として、ドアガラスDGの昇降に際し、異音が発生してしまうといったおそれをより確実に防止することができる。
加えて、連結部18は車内側シールリップ13や車内側側壁部16よりも薄肉であるため、連結部18とガラスインナウエザストリップ21とを当接させた際に、連結部18のガラスインナウエザストリップ21の切断バラツキを吸収することができる。
また、車内側側壁部16の略先端部から本体部11内側に向けてドアガラスDGの内側面と略直交して延びる連結部18においてガラスインナウエザストリップ21を衝き合せているため、押出成形部4とガラスインナウエザストリップ21との接触面積を増やすことができ、遮音性の向上が図られる。さらに、連結部18が追従的に変形することから、製造誤差や組付誤差等によるばらつきが生じたとしても、ガラスラン1とガラスインナウエザストリップ21とが確実に接触するように設定することができる。
また、型成形部31の中間部においても車内側シールリップ13の先端部位の傾斜角度及び先端部位置については、一般部位における車内側シールリップ13の傾斜角度及び先端部位置とほぼ同じくなっている。このため、押出成形部4の長手方向において、車内側シールリップ13のドアガラスDGとの摺接部位を揃えることができ、該摺接部位が一定していないことに起因してドアガラスDGの昇降に際してドアガラスDGががたついてしまうといった不具合を回避することができる。
また、本実施形態では、ガラスインナウエザストリップ21は、下段シールリップ24の端末において押出成形部4の型成形部31の中間部に衝き合わされるだけでなく、上段シールリップ23の端末においても型成形部31の上部及び型成形部31上方の一般部位に衝き合わされているため、より遮音性の向上が図られる。さらに、下段シールリップ24の端末は真直ぐに切断されているのに対し、上段シールリップ23の端末は斜めに切断されている。このため、押出成形部4に対する上段シールリップ23の当接部位と下段シールリップ24の当接部位とでは車両の前後方向にずれることとなる。これにより、下段シールリップ24の下方から上段シールリップ23の上方へと通過しようとする音(騒音)の通過経路が直線的ではなくなり、結果として車室内への音の侵入をより確実に抑制することができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、ガラスインナウエザストリップ21の後端末と対向する押出成形部4の衝き合せ部位を型成形部31で構成しているが、かかる構成に代えて、又は加えて、ガラスインナウエザストリップ21の前端末と対向する押出成形部3の衝き合せ部位を型成形部31で構成し、該衝き合せ部をドアフレーム52の内周側に膨出させてもよい。
また、上記実施形態では、押出成形部4の衝き合せ部位のうちの一部のみ(車内側側壁部16の先端部位、連結部18、及び車内側シールリップ13)が型成形部31により構成されているが、かかる衝き合せ部位全体(本体部11及びシールリップ12、13)を型成形部により構成してもよい。この場合、押出成形部4のうち、ベルトラインの上方の部位とベルトラインの下方の部位とで断面形状が異なる場合、それぞれ押出成形した後で型接続することができるため、作業性の向上や品質の向上等が図られる。
(b)また、連結部18は、車内側側壁部16の略先端部からドアフレーム52の内周側に傾斜して延びることとしてもよい。このような構成を採用することで、例えば、衝き合せ状態において、ガラスインナウエザストリップ21の基部22の車内側の面が車内側側壁部16よりも車内側に位置する場合であっても、ガラスインナウエザストリップ21の端末が、連結部18のうち車内側側壁部16との境界部αよりも先に先端部又は中間部位と接触し、該接触に際して連結部18が追従して撓むこととなる。このため、ガラスインナウエザストリップ21の接触に際して車内側側壁部16が突っ張って組付け作業性の低下を招くといったおそれを抑止することができる。
また、連結部18が、車内側側壁部16からドアフレーム52内周側に向けて若干膨らむようにして湾曲形成(屈曲形成)されることとしてもよい。この場合についても、同様の作用効果が奏される。
(c)上記実施形態では、本体部11、シールリップ12,13、及び型成形部31をEPDMにより構成しているが、TPO等の別の素材により構成してもよい。また、上記実施形態では、フロントドアの押出成形部4に関して特に詳しく説明しているが、リアドアの押出成形部(例えば前縦辺部)等においても、同様に型成形部31を設けてもよい。
1…ガラスラン、2,3,4…押出成形部、5,6…型成形部、11…本体部、12…車外側シールリップ、13…車内側シールリップ、14…基底部、15…車外側側壁部、16…車内側側壁部、18…連結部、21…ガラスインナウエザストリップ、22…基部、23,24…シールリップ、31…型成形部、51…ドア、52…ドアフレーム、DC…チャンネル部、DG…ドアガラス、DS…サッシュ。
Claims (4)
- 自動車ドアのドアフレームの内周に沿って設けられた取付部に取着され、基底部及び該基底部から延びる車内側側壁部及び車外側側壁部よりなり断面略コ字状をなす本体部と、前記車外側側壁部の略先端から前記本体部の内側に向けて延び、ドアガラスの外側面をシールする車外側シールリップと、前記車外側シールリップと対をなし、ドアガラスの内側面をシールする車内側シールリップとを有するガラスランと、
自動車ドアのベルトラインに沿ってドアインナパネルに取着される基部と、該基部から延び、前記ドアガラスの内側面をシールするシールリップとを有するガラスインナウエザストリップとを備え、
前記ガラスランの前後の縦辺部のうち少なくとも一方に関し、
前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向する衝き合せ部位においては、前記車内側側壁部の略先端部と前記車内側シールリップのドアフレームの内周側の端部とを連結する連結部を備え、
前記衝き合せ部位における前記連結部と前記車内側シールリップとの境界部を、前記ガラスインナウエザストリップの端末と対向しない一般部位の前記車内側側壁部の先端部及び前記車内側シールリップの基端部よりもドアフレーム内周側に位置させるとともに、
前記衝き合せ部位における前記車内側シールリップの付根部を、前記一般部位における前記車内側シールリップの付根部よりもドアガラス側に位置させ、
前記連結部に対して前記ガラスインナウエザストリップの端末を接触させたことを特徴とする自動車ドアのシール構造。 - 前記連結部は、前記車内側シールリップの付根部と前記車内側側壁部とを離間させて所定の長さを有するとともに、前記ガラスランの本体部を前記自動車ドアの取付部に取着した状態であって、かつ、前記ガラスインナウエザストリップの基部を前記ドアインナパネルに取着していない状態において、前記車内側側壁部の略先端部からドアガラスの内側面と略直交して、又は、ドアフレームの内周側に傾斜して延びることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシール構造。
- 前記連結部を前記車内側側壁部よりも薄肉としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車のシール構造。
- 前記衝き合せ部位における前記車内側シールリップの先端部位の傾斜角度及び先端部位置を、前記一般部位における前記車内側シールリップの傾斜角度及び先端部位置とほぼ同じくしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動車のシール構造。
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JP2014000920A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Nishikawa Rubber Co Ltd | グラスラン及びグラスランのドアガラス組付方法 |
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2006
- 2006-05-31 JP JP2006152472A patent/JP2007320428A/ja active Pending
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