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JP2010153875A - マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム - Google Patents

マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム Download PDF

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JP2010153875A JP2009299525A JP2009299525A JP2010153875A JP 2010153875 A JP2010153875 A JP 2010153875A JP 2009299525 A JP2009299525 A JP 2009299525A JP 2009299525 A JP2009299525 A JP 2009299525A JP 2010153875 A JP2010153875 A JP 2010153875A
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Abstract

【課題】マスクを感光表面上に結像するマイクロリソグラフィ露光装置の照明システム、特に、ミラーのアレイ又は他のビーム偏向要素を収容する照明システム、及びマイクロリソグラフィ投影露光装置を作動させる方法を提供する。
【解決手段】マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システムは、多数のビーム偏向要素を含む。各ビーム偏向要素(Mij)は、制御信号に応答して変更可能な偏向角で衝突する光ビームを偏向するようになっている。ビーム偏向要素から反射される光ビームは、システム瞳表面(70)にスポットを生成する。マスクが感光表面上に結像される露光処理中にシステム瞳表面(70)において照らされるスポットの数は、ビーム偏向要素(Mij)の数よりも大きい。これは、ビーム偏向要素(Mij)から反射される光ビームを増倍するビーム増倍器ユニット(57)の助けによって達成することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、一般的に、マスクを感光表面上に結像するマイクロリソグラフィ露光装置の照明システムに関する。より具体的には、本発明は、ミラーのアレイ又は他のビーム偏向要素を収容する照明システムに関する。更に、本発明は、マイクロリソグラフィ投影露光装置を作動させる方法に関する。
マイクロリソグラフィ(フォトリソグラフィ又は簡単にリソグラフィとも呼ばれる)は、集積回路、液晶ディスプレイ、及び他の微細構造デバイスの加工のための技術である。マイクロリソグラフィ処理は、エッチング処理と共に、基板、例えば、シリコンウェーハ上に形成された薄膜スタックに特徴部をパターン形成するのに用いられる。加工の各層において、ウェーハは、最初に深紫外(DUV)又は極紫外(EUV)光のような放射線に対して感応する材料であるフォトレジストで被覆される。次に、上にフォトレジストを有するウェーハは、投影露光装置において投影光に露光される。この装置は、フォトレジストが、マスクパターンによって判断されるある一定の位置でのみ露光されるように、パターンを含むマスクをフォトレジスト上に投影する。露光の後に、フォトレジストは現像され、マスクパターンに対応する像が生成される。その後、エッチング処理は、パターンをウェーハ上の薄膜スタック内に転写する。最後に、フォトレジストは除去される。異なるマスクを用いるこの処理の繰返しは、多層微細構造構成要素をもたらす。
投影露光装置は、典型的には、マスクを照明するための照明システム、マスクを整列させるためのマスク台、投影対物器械、及びフォトレジストで被覆したウェーハを整列させるためのウェーハアラインメント台を含む。
現在の投影露光装置では、2つの異なる種類の装置の間で区別を付けることができる。一方の種類では、ウェーハ上の各ターゲット部分は、マスクパターン全体を1回の進行でターゲット部分上に露光することによって照射される。そのような装置は、一般的に、ウェーハステッパと呼ばれる。一般的に、ステップ−アンド−スキャン装置又はスキャナと呼ばれる他方の種類の装置では、各ターゲット部分は、走査方向に沿って投影ビームの下でマスクパターンを漸次的に走査し、同時に基板をこの方向に対して平行又は非平行に移動することによって照射される。ウェーハの速度とマスクの速度の比は、投影対物器械の倍率に等しく、これは、通常は1よりも小さく、例えば、1:4である。
照明システムは、例えば、矩形又は湾曲スリット形状を有することができるマスク上の視野を照明する。理想的には、照明システムは、マスク上の照明視野の各点を明確な放射照度及び角度分布を有する投影光で照明する。角度分布という用語は、マスク平面の特定の点に向って収束する光束の合計光エネルギが、光束を構成する光線の様々な方向の間で配分される方法を説明するものである。
マスク上に衝突する投影光の角度分布は、フォトレジスト上に投影されるパターンの種類に適応される。例えば、比較的大きいサイズの特徴部は、小さいサイズの特徴部とは異なる角度分布を必要とする場合がある。投影光の最も一般的に用いられる角度分布は、従来的、環状、双極、及び四重極照明設定と呼ばれる。これらの用語は、照明システムのシステム瞳表面における放射照度分布を意味する。例えば、環状照明設定では、システム瞳表面において環状領域のみが照らされる。すなわち、投影光の角度分布に小さい角度範囲しか存在せず、従って、全ての光線は、マスク上に類似の角度で斜めに衝突する。
当業技術では、望ましい照明設定を達成するためにマスク平面において投影光の角度分布を修正する異なる手段が公知である。マスク平面において異なる角度分布を生成する際に最大の柔軟性を達成するために、瞳表面を照明するミラーアレイを用いることが提案されている。
EP1、262、836A1では、ミラーアレイは、1000個よりも多い微細ミラーを含むマイクロ電気機械システム(MEMS)として実現される。ミラーの各々は、2つの直交傾斜軸の回りに傾斜させることができる。従って、そのようなミラーデバイス上に衝突する放射線は、半球の殆どあらゆる望ましい方向に反射させることができる。ミラーアレイと瞳表面の間に配置される集光レンズは、ミラーによって生成される反射角を瞳表面における位置に変換する。この公知の照明システムは、複数のスポットによって瞳表面を照明することを可能にし、各スポットは、1つの特定の微細ミラーに関連付けられ、かつこのミラーを傾斜させることによって瞳表面にわたって自由に移動可能である。
類似の照明システムは、US2006/0087634A1、US7、061、582B2、及びWO2005/026843A2から公知である。類似の傾斜可能ミラーのアレイは、EUV照明システムに対して提案されている。
投影対物器械によって生成される像の品質は、システム瞳表面における放射照度分布に非常に敏感に依存するので、放射照度分布の非常に小さな変化を生成することができることが望ましい。これは、逆に、ミラーの助けによって非常に多数の(小さい)スポットをシステム瞳表面に生成することができる場合にのみ可能である。しかし、数千個のミラーを含むアレイの製造及び制御は困難であり、かなりのリソースを必要とする。
EP1、262、836A1 US2006/0087634A1 US7、061、582B2 WO2005/026843A2 WO2005/078522A US2004/0036977A1 US2005/0018294A1 US2002/0176166A1 US2006/0055909A1 PCT/EP2008/010918 US2006/0244941A1
すなわち、多数のスポットをシステム瞳表面に生成するためのミラー又は他のビーム偏向要素のアレイを含み、かつこの数がビーム偏向要素のアレイの複雑性と比較して大きい照明システムに対する必要性が存在する。
本発明の第1の態様によると、この目的は、反射又は透明ビーム偏向要素から成るビーム偏向アレイを含む照明システムによって達成される。各ビーム偏向要素は、好ましくは、制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになっている。照明システムは、システム瞳表面と、システム瞳表面における光ビームの数がビーム偏向アレイから出射する光ビームの数よりも大きくなるように、ビーム偏向アレイとシステム瞳表面の間に配置されたビーム増倍器ユニットとを更に含む。
本発明は、システム瞳表面においてスポットを生成する光ビームを増倍することにより、システム瞳表面において照らされるスポットの数を所定の時間に増加させることができるという考察に基づいている。すなわち、ビーム偏向要素の偏向角が変化する場合に、システム瞳表面における1つではなく少なくとも2つのスポットが同時に移動することになる。システム瞳表面における多くのターゲット放射照度分布は、ある一定の対称性、例えば、鏡面又は点対称性を有するので、増倍された光ビームが、ターゲット放射照度分布の対称性に適応された対称性を有してビーム増倍器ユニットから出射する場合、システム瞳表面における複合放射照度分布が生じる可能性がある。ビーム増倍器ユニットから出射する光ビームの対称性は、逆に、ビーム増倍器ユニットのレイアウトと、ビーム偏向アレイ及び照明システムの他の構成要素に対するビーム増倍器ユニットの配置とによって判断される。
ビーム増倍器ユニットは、光ビームを2つ又はそれよりも多くの光ビームに分割する当業技術で公知のあらゆる手段を含むことができる。例えば、ビーム増倍器ユニットは、複数の密に配置された楔を含むことができる。光ビームは、その中心が楔のエッジにあるように誘導された場合には、それらは、光ビームの異なる部分が、異なる向きを有する表面において屈折されるので、2つの部分光ビームに分割されることになる。類似の実施形態では、2次元で類似の効果を有する小さなピラミッド構造が支持プレート上に配置され、それによってピラミッド構造のコーナに入射する光ビームが、4つの部分光ビームに分割されることになる。しかし、これらの場合には、入射光ビームは、通常、楔、ピラミッド構造、又は類似の屈折要素配置上のある一定の位置上に誘導することが必要であることになる。
この欠点は、ビーム増倍器ユニットがビームスプリッタを含む場合は回避することができる。ビームスプリッタは、ビームスプリッタの表面にわたって同じビーム分割特性が得られるように設計することができ、更に、一部の種類のビームスプリッタは、入射光ビームを入射角に関係なく2つの部分光ビームに分割する。
この関連において、当業技術で公知の全ての種類のビームスプリッタを想定することができる。例えば、ビームスプリッタは、光ビームを直交偏光状態を有する通常光ビームと異常光ビームに分割する複屈折材料を含むことができる。通常光ビームから何らかの距離のところで複屈折材料を出射する異常光ビームを生成するためには、複屈折材料は、比較的肉厚でなければならない。
従って、この点に関して、ビーム分割表面を含むビームスプリッタがより好ましい場合がある。ビーム分割表面は、従来のビームスプリッタ立方体の場合と同様に、挫折内部全反射が発生する表面によって形成することができる。干渉効果が発生するビーム分割表面、例えば、支持体上に付加された光学コーティング又は格子は、ビームスプリッタがビーム分割立方体よりも嵩張らないという利点を有する。一部の実施形態では、ビーム分割表面は、入射光ビームを入射光ビームの偏光状態に関係なく反射光ビームと透過光ビームに分割するように偏光独立(少なくとも実質的に)のものである。他の実施形態では、ビーム分割表面は、反射及び透過部分光ビームの強度が入射光ビームの偏光状態に依存する(強く)ように偏光依存のものである。
好ましくは、ビーム分割表面の透過率対反射率の比は、100と0.01の間にあり、より好ましくは、5と0.2の間にある。多くの実施形態では、ビーム分割表面は、約1、又は少なくとも0.95と1.05の間の透過率対反射率の比を有する。これは、ビーム分割表面によって生成される部分光ビームが、少なくとも実質的に同じ放射照度を有することを保証する。しかし、この関係から意図的に逸脱させることを考えることができる。透過率対反射率の比が1とは異なる、例えば、7/3と3/7の間に位置する場合には、システム瞳表面に生成されるスポットは、異なる放射照度を有することになる。これは、テレセントリック性及び極性均衡のようなある一定の瞳関連量を調節するのに用いることができる。
好ましい実施形態では、ビーム分割表面は、支持体上に付加されたビーム分割コーティングによって形成される。上述のように、そのような光学コーティングは、入射光ビームを反射光ビームと透過光ビームに分割するのに干渉効果を利用する。通常、ビーム分割コーティングは、明確な屈折率及び層厚を有する複数の肉薄な層を含む。これらのパラメータを慎重に選択することにより、ある一定の波長又は波長範囲を有する光に対して明確な特性を有するビーム分割コーティングを製造することができる。
一部の実施形態では、ビーム分割表面は平面であり、照明システムの光軸に対して平行に延びている。照明システムの光軸は、レンズ及び回転対称性を有する他の光学要素の対称軸によって定められる。光軸に対して平行に延び、好ましくは光軸を含むそのような平面ビーム分割表面を用いると、ミラー対称性をシステム瞳表面にもたらすことができ、このミラー対称性により、類似の対称性を有するターゲット放射照度分布をシステム瞳表面に生成することが可能になる。
そのようなビーム分割表面では、ビーム分割表面が、光軸に沿って変化する透過率対反射率の比を有する場合に有利であると考えられる。典型的な配置では、システム瞳表面においてスポットが光軸から離れて照らされる程、放射照度の不均衡は増大することになる。
一部の実施形態では、ビーム分割表面を移動するためのアクチュエータが設けられる。これは、異なる対称特性を有するターゲット放射照度分布を生成することが望ましい場合に有利であると考えられる。
ビーム分割表面は、システム瞳表面において対称面も変位するように変位させることができる。追加的又は代替的に、アクチュエータは、ビーム分割表面を回転するように構成することができる。それによって対称面の対応する回転がシステム瞳表面において生じる。それによってアクチュエータを用いて単一のビーム分割表面を90°回転することで、2つの直交する対称面の一方を生成することが可能になる。
更に別の実施形態によると、アクチュエータは、ビーム分割表面を光伝播経路から完全に除去することができる。それによってシステム瞳表面における対称面を追加又は除去することが可能になる。
別の実施形態では、ビーム増倍器ユニットは、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面を含む。ビーム偏向要素のアレイに対して適切に配置された場合には、各入射光ビームをシステム瞳表面を鏡面対称に通過する4つの部分光ビームに分割することを達成することができる。
一実施形態では、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面は、照明システムの光軸で交差する平面に配置される。従って、通常望ましいものであるように、システム瞳表面における対称面も同様にシステム瞳表面の中心で交差する。
別の実施形態によると、ビーム分割ユニットは、ビーム分割表面に対して少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された平面ミラーを含む。最初にビーム分割表面上に衝突する光ビームは、システム瞳平面にスポットを形成する部分光ビームに分割され、これらの部分光ビームは、部分光ビームのうちのミラーによって反射される一方のものの結果として、システム瞳表面において点対称配置を形成する。それとは対照的に、最初にミラー上に衝突し、次に、ビーム分割表面上に衝突する光ビームは、鏡面対称で配置されるスポットをシステム瞳平面に生成する。従って、この実施形態は、増倍された点対称で配置されるスポット、及び同じく鏡面対称で配置されるスポットをシステム瞳表面に生成することを可能にする。それによって増倍された光ビームを用いて生成することができる放射照度分布の範囲が大幅に拡大される。
この実施形態でも、ビーム分割表面及びミラーは、照明システムの光軸で交差する平面に配置することができる。従って、点対称性に対する基準を定める点は光軸に対応し、同様に鏡面対称性を定める対称面は光軸を含む。
ビーム偏向アレイが光軸を中心とする場合には、全体のシステムの対称性が高められ、それによってビーム偏向アレイのレイアウト及び制御が単純化される。
光軸が、ビーム偏向アレイを互いに対して傾斜した方式で配置された少なくとも2つのサブアレイに分割する場合には、より一層対称な配置を得ることができる。これは、光ビームを同じく傾斜した方向からビーム偏向サブアレイ上に誘導することを必要とする場合がある。
ビーム増倍器ユニットが平面ミラー及びビーム分割表面を含む場合には、ビーム増倍器ユニットは、各光ビームが、最初に平面ミラー上に衝突し、次に、ビーム分割表面上に衝突するか、又は最初にビーム分割表面上に衝突し、次に、平面ミラー上に衝突するように構成することができる。これは、各光ビームが、点対称又は鏡面対称のいずれかで配置されるスポットをシステム瞳平面に形成する2つの部分光ビームに分割されることを保証する。
n個の平面ビーム分割表面が、共通線に沿って交差する平面であり、互いの間に同じ角度を形成する平面に延びるように配置された場合には、増倍されたスポットのシステム瞳表面における配置は、n重対称性を有することになる。一般的に、ビーム増倍器ユニットは、ビーム増倍器ユニットが不在の場合にシステム瞳表面に生成されることになる元の放射照度分布に対して鏡面対称、点対称、又はn重対称である増倍された放射照度分布をシステム瞳表面に生成するように構成することができる。
別の実施形態によると、照明システムは、ビーム偏向アレイとビーム増倍器ユニットとの間に配置された中間瞳表面を含む。ビーム増倍器ユニットは、中間瞳表面とシステム瞳表面の間に結像関係を確立する結像システムを含む。更に、ビーム増倍器ユニットは、ビーム偏向アレイによって中間瞳表面の一部分に生成される放射照度分布の増倍された像を生成するように構成される。
この実施形態でも、光ビームは増倍されるが、この実施形態は、光ビームそれ自体を増倍するだけでなく、瞳表面における全放射照度分布を増倍することを可能にするということができる。
結像システムがテレセントリック対物器械である場合には、システム瞳表面から出射する光ビームは、中間瞳表面から出射する光ビームと同じ角度分布を有することになる。
ビーム増倍器ユニットは、中間瞳表面の別の部分に配置されたミラーを含むことができ、このミラー上に放射照度分布の像を生成するように構成される。従って、ビーム増倍器ユニットは、中間瞳表面の1つの部分に生成される放射照度分布を、この分布の像を中間瞳表面の別の部分に形成することによって増倍する。次に、元の分布とその像が、結像システムによってシステム瞳表面上に結像される。
この目的のために、ビーム増倍器ユニットは、結像システム内、例えば、結像システムを形成する対物器械の開口平面に配置された偏光依存ビームスプリッタを含むことができる。それによって偏光依存ビームスプリッタから反射される光は、中間瞳表面におけるミラー上に付加的な放射照度分布を形成することができる。
ミラー上に形成された付加的な放射照度分布の像を形成することができるようにするために、ビーム増倍器ユニットは、ミラーから反射される光の偏光状態をこの光が偏光依存ビームスプリッタ上に再度入射する前に変更する偏光ユニットを含むことができる。偏光状態の変更の結果として、この光(又は、少なくともその一部分)は、偏光依存ビームスプリッタを通過することができ、ミラー上に形成された付加的な放射照度分布の像をシステム瞳平面に形成することができる。
ビーム偏向アレイの透明ビーム偏向要素は、例えば、電気光学又は音響光学要素によって形成することができる。そのような要素では、屈折率は、適切な材料をそれぞれ電界又は超音波に露出することによって変更することができる。これらの効果は、入射光を様々な方向に誘導する屈折率格子を生成するのに利用することができる。
しかし、好ましい実施形態では、ビーム偏向要素は、少なくとも1つの傾斜軸の回りに傾斜させることができるミラーである。ミラーを2つの傾斜軸の回りに傾斜させることができる場合には、これらの傾斜軸の間に形成される角度は、好ましくは約90°である。
本発明の別の態様によると、上述の目的は、a)i)各ビーム偏向要素が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素から成るビーム偏向アレイと、ii)放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されたシステム瞳表面とを含む照明システムを準備する段階と、b)ビーム偏向要素が、システム瞳表面に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域がマスクが感光表面上に結像される露光処理の2つの連続する光パルスの間に変化するように制御される、光パルスを用いてマスクを照明する段階と、c)マスクを感光表面上に結像する段階とを含む投影露光装置を作動させる方法によって達成される。
本発明のこの態様によると、システム瞳表面において照らされるスポットの数は、所定の時点においてビーム偏向要素の数に等しい。しかし、マスクが感光表面上に結像される露光処理中には、システム瞳表面において照らされるスポットの数は、ビーム偏向要素の数よりも大きく、これは、露光処理中にはこれらのスポットが移動されるからである。
ターゲット放射照度分布は、異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割することができる。ここではビーム偏向要素は、全ての部分放射照度分布が、システム瞳表面において連続して生成されるように制御される。言い換えれば、システム瞳表面は、望ましいターゲット放射照度分布で連続して充たされる。
走査方向に沿って離間されたマスク上の2つの点が、異なる開始時間を有する露光時間間隔中に照らされるように露光処理中にマスク及び感光表面が移動される場合には、マスク上の任意の点において、全ての部分放射照度分布は、この点に関連付けられた露光時間間隔中にシステム瞳表面に生成されるべきである。次に、スキャナ型の投影露光装置においても、マスク上の全ての点は、露光時間間隔中にシステム瞳表面において連続して生成される同じ合計放射照度分布を受光することになる。
多くの場合に、部分放射照度分布が、等しい時間間隔中にシステム瞳平面に生成される場合に好ましいことになる。例えば、システム瞳表面における放射照度分布が、2つ又はそれよりも多くの異なる構成の間で変更される固定期間をおくことができる。
部分放射照度分布に関連付けられた照明区域は、システム瞳表面のセグメント、特に、半円又は四分円に限定することができる。
別の実施形態では、部分放射照度分布は、交互並置される。これは、ビーム偏向要素によってシステム瞳表面に生成されるスポットを非常に小さい距離だけしか移動しなくてもよいという利点を有する。それによってビーム偏向要素の制御が単純化され、機械的な歪みが低減される。
本発明のこの第2の態様によるマイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システムは、光パルスを用いてマスクを照明するように構成され、反射又は透明ビーム偏向要素のビーム偏向アレイを含む。各ビーム偏向要素は、制御信号に応答して変更可能な反射角で入射光線を偏向するようになっている。照明システムは、放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されるシステム瞳表面と制御ユニットとを更に含み、制御ユニットは、システム瞳表面に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域が、マスクが感光表面上に結像される露光処理の2つの連続する光パルスの間で変化するように、ビーム偏向要素を制御するように構成される。
マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システムは、本発明の汎用態様に従って多数の反射又は透明ビーム偏向要素を含むビーム偏向アレイを含む。各ビーム偏向要素は、制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光線を偏向するようになっている。照明システムは、ビーム偏向要素から反射される光ビームがスポットを照明するシステム瞳表面を更に含む。本発明によると、マスクが感光表面上に結像される露光処理中にシステム瞳表面において照らされるスポットの数は、ビーム偏向要素の数よりも大きい。
これは、時間領域において、すなわち、露光処理中にシステム瞳表面において連続して異なる放射照度分布を生成することによっても達成することができる。代替的又は追加的に、システム瞳表面において照らされるスポットの数は、露光処理中のあらゆる所定の時点においてビーム偏向要素の数よりも大きい。これは、ビーム偏向アレイから出射する光ビームの数を増倍するビーム増倍器ユニットの使用を必要とする。
いずれの場合にも、上述により、システム瞳表面における有効放射照度分布、すなわち、露光時間間隔にわたって積算される放射照度分布が、所定の数のビーム偏向要素において非常に高い分解能を有する照明システムがもたらされる。この利点は、所定の数のビーム偏向要素を用いる場合にシステム瞳表面における放射照度分布の分解能を改善し、又はシステム瞳表面における放射照度分布の所定の分解能を得る必要がある場合にビーム偏向要素の数を低減するのに用いることができる。
本発明の様々な特徴及び利点は、以下の詳細説明を添付図面と併せて参照することによってより容易に理解することができる。
本発明による投影露光装置の大きく簡略化した斜視図である。 図1に示す投影露光装置に収容された照明システムを通した子午断面図である。 図2の照明システムに収容されるミラーアレイの斜視図である。 平面ビーム分割表面を含む第1の実施形態によるビーム分割ユニットを通した子午断面図である。 図4に示すビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 2つの直交する平面ビーム分割表面を含む第2の実施形態によるビーム分割ユニットの斜視図である。 図6に示すビーム分割ユニットに関する上面図である。 図6及び図7に示すビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 ビーム分割表面を光路から除去することができる代替的な実施形態の図7と類似の上面図である。 図9に示すビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 ビーム分割表面を回転することができる代替的な実施形態の図9と類似の上面図である。 図11に示す2つの異なるビーム分割表面位置にあるビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 平面ビーム分割表面及び平面ミラーを含む第3の実施形態によるビーム分割ユニットの斜視図である。 図13に示すビーム分割ユニットに関する図7と類似の上面図である。 図13及び図14に示すビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 ビーム分割表面及び平面ミラーがミラーアレイを4つの四分円に分割する代替的な実施形態の図14と類似の上面図である。 図16に示す代替的な実施形態の側面図である。 中間瞳表面に形成された放射照度分布が増倍されて、次に、システム瞳表面上に結像される第4の実施形態によるビーム分割ユニットを通した子午断面図である。 図18に示すビーム分割ユニットによって生成された中間瞳表面における放射照度分布を示す図である。 図18に示すビーム分割ユニットによって生成されたシステム瞳表面における放射照度分布を示す図である。 ビーム分割ユニットが複屈折要素を含む第5の実施形態によるビーム分割ユニットを通した子午断面図である。 図21に示すビーム分割ユニットの上面図である。 本発明の別の態様による第1の期間中にシステム瞳表面に生成された第1の部分放射照度分布を示す図である。 第2の期間中にシステム瞳表面に生成された第2の部分放射照度分布を示す図である。 ウェーハステッパ型の投影露光装置のマスク平面内の2つの異なる点における放射照度の時間依存性を示す2つのグラフである。 スキャナ型の投影露光装置のマスク平面内の2つの異なる点における放射照度の時間依存性を示す2つのグラフである。 システム瞳表面において連続して生成された4つの第1の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された4つの第1の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された4つの第1の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された4つの第1の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された2つの第2の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された2つの第2の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された2つの第3の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。 システム瞳表面において連続して生成された2つの第3の例示的部分放射照度分布の1つを示す図である。
I.投影露光装置の一般的な構造
図1は、投影光ビームを生成するための照明システム12を含むDUV投影露光装置10の非常に簡略的な斜視図である。投影光ビームは、微細構造18を含むマスク16上の視野14を照明する。この実施形態では、照明視野14は、ほぼリングセグメントの形状を有する。しかし、他の例えば矩形形状の照明視野14も同様に考えられている。
投影対物器械20は、照明視野14内の構造18を基板24上に堆積した感光層22、例えば、フォトレジスト上に結像する。シリコンウェーハで形成することができる基板24は、感光層22の上面が、投影対物器械20の像平面に正確に位置するように、ウェーハ台(示していない)上に配置される。マスク16は、マスク台(示していない)を用いて、投影対物器械20の対物面内に位置決めされる。投影対物器械は1よりも小さい倍率を有するので、照明視野14内の構造18の縮小像14’が感光層22上に投影される。
投影中には、マスク16及び基板24は、Y方向に対応する走査方向に沿って移動する。従って、照明視野14は、照明視野14よりも大きな構造化区域を連続的に投影することができるようにマスク16にわたって走査を行う。そのような種類の投影露光装置は、多くの場合に「ステップ−アンド−スキャン装置」又は簡単に「スキャナ」と呼ばれる。マスク16の速度と基板24の速度の間の比は、投影対物器械20の倍率に等しい。投影対物器械20が像を反転する場合には、マスク16と基板24は、反対方向に移動し、図1には、これを矢印A1及びA2で示している。しかし、本発明は、マスク16及び基板24がマスクの投影中に移動しないステッパツールにおいて用いることもできる。
図示の実施形態では、照明視野14は、投影対物器械20の光軸26を中心としない。そのような軸外照明視野14は、ある一定の種類の投影対物器械20において必要とされる場合がある。他の実施形態では、照明視野14は、光軸26を中心とする。
EUV投影露光装置は、同じ基本構造を有する。しかし、EUV放射線に対して透過的であるいかなる光学材料も存在しないので、ミラーのみが光学要素として用いられ、マスクも同様に反射型のものである。
II.照明システムの一般的な構造
図2は、図1に示しているDUV照明システム12を通したより詳細な子午断面図である。明瞭化のために、図2の図は、大きく簡略化したものであり、正しい尺度のものではない。これは、特に、異なる光学ユニットを非常に少数の光学要素だけによって表していることを意味する。実際には、これらのユニットは、かなりより多くのレンズ及び他の光学要素を含むことができる。
照明システム12は、ハウジング28、及び図示の実施形態ではエキシマレーザ30として実現されている光源を含む。エキシマレーザ30は、約193nmの波長を有する投影光を発射する。同様に他の種類の光源及び他の波長、例えば、248nm又は157nmが考えられている。
図示の実施形態では、エキシマレーザ30によって発射される投影光は、ビーム拡大ユニット32に入射し、ここで光ビームは、幾何学形状的光束を変化させることなく拡大される。ビーム拡大ユニット32は、図2に示しているように、いくつかのレンズを含むことができ、又は例えばミラー配置として実現することができる。投影光は、ビーム拡大ユニット32から実質的に平行化されたビーム34として出射する。他の実施形態では、このビームは、有意な発散を有する可能性がある。平行ビーム34は、照明システム12の全体寸法を縮小するために設けられた平面折り返しミラー36上に衝突する。
折り返しミラー36からの反射の後に、ビーム34は、マイクロレンズ40のアレイ38上に衝突する。ミラーアレイ46は、マイクロレンズ40の裏側焦点面又はその近くに配置される。下記により詳細に説明することになるが、ミラーアレイ46は、好ましくは互いに垂直に整列した2つの傾斜軸により、互いに独立して傾斜することができる複数の小さい個々のミラーMijを含む。ミラーMijの合計数は、100又は更には数千を超えるものとすることができる。ミラーMijの反射面は、平面とすることができるが、付加的な反射力が望ましい場合は湾曲したものとすることができる。それとは別に、ミラー表面は、回折構造を支持することができる。この実施形態では、ミラーMijの数は、マイクロレンズアレイ38に収容されるマイクロレンズ40の数に等しい。従って、各マイクロレンズ40は、収束光ビームをミラーアレイ46の1つのミラーMij上に誘導する。
個々のミラーMijの傾斜移動は、照明システム12の全体システム制御部52に接続したミラー制御ユニット50によって制御される。ミラーMijの望ましい傾斜角を設定するのに用いられるアクチュエータは、ミラー制御ユニット50から制御信号を受け取り、各個々のミラーMijが、この制御信号に応答して変更可能な反射角で入射光線を反射することができるようにする。図示の実施形態では、個々のミラーMijを配置することができる連続傾斜角度範囲が存在する。他の実施形態では、アクチュエータは、限られた数の離散傾斜角のみを設定することができるように構成される。
図3は、簡略化のために8・8=64個のミラーMijのみを含むミラーアレイ46の斜視図である。ミラーアレイ46上に衝突する光ビーム54aは、ミラーMijの傾斜角に依存して異なる方向に反射される。この概略図では、特定のミラーM35が、ミラーM35とM77によって反射される光ビーム54bと54b’がそれぞれ異なる方向に反射されるように、別のミラーM77に対して2つの傾斜軸56x、56yの回りに傾斜されると仮定している。
再度図2を参照すると、ミラーMijから反射される光ビームは、ビーム増倍器ユニット57上に衝突し、ここで、図2に示しているように光ビーム数が増加される。様々な実施形態のビーム増倍器ユニット57を下記により詳細に説明する。図示の実施形態では、光ビームは、次に、第1の集光器58を通過し、第1の集光器58は、若干発散する光ビームが、複数の2次光源を生成する光学積分器72上に、この時点では少なくとも実質的に平行な光ビームとして入射することを保証する。光学積分器72は、光線と照明システム12の光軸OAの間に形成される角度範囲を拡大する。他の実施形態では、第1の集光器58は、光学積分器72上に衝突する光ビームがより大きい発散を有するように不要にされる。更に他の実施形態では、ビーム増倍器ユニット57は、第1の集光器58と光学積分器72の間に配置される。
図示の実施形態では、光学積分器72は、各々が平行な円柱マイクロレンズの2つの直交アレイを含む2つの基板74、76を含むフライアイレンズとして実現される。同様に光学積分器の他の構成、例えば、回転対称表面を有するが矩形境界線を有するマイクロレンズアレイを含む積分器も考えられている。照明に適する様々な種類の光学積分器が説明されているWO2005/078522A、US2004/0036977A1、及びUS2005/0018294A1を参照されたい。
参照番号70は、マスク14上に衝突する光の角度分布を実質的に定める照明システム12のシステム瞳表面を表している。通常、システム瞳表面70は、平面又は若干湾曲したものであり、光学積分器72に又はその直近に配置される。システム瞳表面70における角度的光分布は、その後の視野平面における強度分布へと直接変換されるので、光学積分器72は、マスク16上の照明視野14の基本的な幾何学形状を実質的に決める。光学積分器72は、走査方向YよりもX方向にかなりより大きく角度範囲を拡大するので、照明視野14は、走査方向YよりもX方向に沿って大きい寸法を有する。
光学積分器72によって生成される2次光源から出射する投影光は、図2では簡略化の目的で単一のレンズのみで表している第2の集光器78に入射する。第2の集光器78は、システム瞳表面70と、視野絞り82が配置されたその後の中間視野平面80との間のフーリエ関係を保証する。第2の集光器78は、2次光源によって生成される光束を中間視野平面80内で重ね合わせ、それによって中間視野平面80の非常に均一な照明が達成される。視野絞り82は、複数の可動ブレードを含むことができ、マスク16上での照明視野14の鮮明なエッジを保証する。
視野絞り対物器械84は、中間視野平面80と、マスク16が配置されたマスク平面86との間に光学的共役をもたらす。従って、視野絞り82は、視野絞り対物器械84によってマスク16上に鮮明に結像される。
III.ビーム増倍器ユニット
1.第1の実施形態
図4は、第1の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を子午断面図で示している図2からの拡大切り取り図である。図2にも示しているが、ビーム増倍器ユニット57は、ミラーアレイ46と第1の集光器58との間の光路に配置され、第1の集光器58は、システム瞳表面70の前側のある一定の距離に配置される。この実施形態では、ビーム増倍器ユニット57は、平面プレート表面及びこれらの表面の一方の上に付加されたビーム分割コーティング92を有する肉薄の支持プレート90によって形成されたビームスプリッタ88を含む。この実施形態では、ビーム分割コーティング92は、交互する屈折率を有する肉薄の誘電体層94のスタックによって形成される。屈折率及び層厚は、ビーム分割コーティング92が、光源30によって生成される投影光に対して、T=R≒50%である透過率T及び反射率Rを有するように決められる。他の実施形態では、T/R比は、1とは異なるものとすることができる。
ビームスプリッタ88は、照明システム12の光軸OAを含む平面に延びている。光軸OAは、照明システム12内のレンズ及び他の回転対称光学要素の回転対称軸である。
以下では、簡略化の目的で、アレイ38のマイクロレンズによって生成され、ミラーMijに向って向けられる光ビームをこれらの光ビームの主光線によってのみ表すことにする。図4では、2つのそのような光ビーム96、98が、アレイ46のミラーMijから反射され、ビームスプリッタ88上に衝突している。ビーム分割コーティング92では、光ビーム96、98は、それぞれ2つの部分光ビーム96T、96R、及び98T、98Rに分割される。支持プレート90における屈折から生じる小さい変位を除くと、透過部分光ビーム96T、98Tは、それぞれ入射光ビーム96及び98の延長である。反射部分光ビーム96R、98Rの伝播方向は、反射の法則によって判断され、すなわち、反射角は、入射平面においての入射角に等しい。次に、透過部分光ビーム及び反射部分光ビーム96T、98T、96R、98Rは、第1の集光器58を通じて伝播し、システム瞳表面70と交差する。
図5は、図4に示している条件の下で、システム瞳表面70内で得られる強度分布を示している。反射部分光ビーム96R、98Rは、透過部分光ビーム96T、98Tによって生成されるスポットに対して鏡面対称に配置されるスポットをシステム瞳表面70に生成し、100がシステム瞳表面70内の対称面を表していることが分る。これは、ビーム分割コーティング92の平面構成の結果である。ビームスプリッタ88は、光軸を含むので、システム瞳表面70内の対称面100も同様に光軸OAを含む。
すなわち、ビーム増倍器ユニット57は、各入射光ビーム96、98から、対称面100に関して鏡面対称に配置されるスポットをシステム瞳表面70内で照明する1対の出射光ビームを生成することを可能にする。従って、アレイ46の特定のミラーMijを傾斜させることにより、対称面100に関するこれら1対のスポットの鏡面対称性を常に留めたままに、システム瞳表面70内でこれらのスポットを移動することができる。例えば、透過部分光ビーム96Tによって生成されたスポットが、光軸OAに向って移動された場合には、部分光ビーム96Rによって生成された対称なスポットも同様に光軸OAに向って移動することになる。
より一般的には、この実施形態によるビーム増倍器ユニット57は、N個のみのミラーMijを用いてシステム瞳表面70内に2N個の光点を生成することを可能にする。この効果は、システム瞳表面70内のスポット数(以下では設定分解能と呼ぶ)を同じに保ちながら、既存の照明システムと比較してミラーMijの合計数を低減するのに利用することができる。代替的に、ミラーMijの数は、既存のシステムにおけるものと同じに保たれ、設定分解能が二倍にされる。
図4に示しているビーム増倍器ユニット57は、鏡面対称性を有する照明設定を生成するのに理想的に適している。通常の照明設定、すなわち、従来的照明設定、環状照明設定、双極照明設定、及び四重極照明設定の殆どがそのような鏡面対称性を有する。システム瞳表面70内の対称面100が変更される場合には、ビームスプリッタ88をアクチュエータ102と結合することができる。アクチュエータ102は、光軸OAに一致する回転軸の回りにビームスプリッタ88を回転させるように構成される。ビームスプリッタ88を90°だけ回転することにより、システム瞳表面70内の対称面100も同じく90°だけ傾斜されることになる。
ビーム増倍器ユニット57の別の利点は、システム瞳表面70内のあらゆる任意の位置を照明することを可能にするのにミラーMijの小さい傾斜角しか必要とされない点である。小さい傾斜角は、ミラーMijの構造及び制御を単純化する。
2.第2の実施形態
図6は、第2の実施形態によるビーム増倍器ユニット57の斜視図である。この実施形態は、ビーム増倍器ユニット57が、第1のビームスプリッタ88と同じ一般的な構造を有するが、光軸OAに対して垂直に配置された第2のビームスプリッタ89を含む点で図4に示す実施形態と異なっている。従って、2つのビームスプリッタ88、89は、互いの間に直角を形成し、光軸OAは、ビームスプリッタ88、89が配置された平面が交差する線を通過する。
図7は、光軸OAに対して平行であると仮定するZ方向に沿ったビーム増倍器ユニット57に関する上面図である。この上面図では、ビームスプリッタ88、89が4つの四分円を定め、ミラーアレイ46は、これらの四分円のうちの1つの中に配置されていることが分る。この配置の結果、ミラーMijから反射される各光ビームは、ビームスプリッタ上に2度、すなわち、最初に第1のビームスプリッタ88上に衝突し、次に、第2のビームスプリッタ89上に衝突するか又はその逆で入射する。図7では、ミラーMijから反射された光ビーム96が、最初に第1のビームスプリッタ88上に衝突し、透過部分光ビーム96Tと反射部分光ビーム96Rに分割されると仮定している。透過部分光ビーム96Tは、第2のビームスプリッタ89上に衝突し、反射部分光ビーム96TRと透過部分光ビーム96TTに分割される。
第1のビームスプリッタ88によって生成された反射部分光ビーム96Rは、第2のビームスプリッタ89上に衝突し、透過部分光ビーム96RTと反射部分光ビーム96RRに分割される。その結果、入射光ビーム96は、4つの部分光ビーム96TT、96TR、96RT、及び96RRに分割される。
図8は、システム瞳平面70内で得られる放射照度分布を図5と類似の表現で例示している。2回透過の部分光ビーム96TT、すなわち、ビーム増倍器ユニット57が不在の場合にも存在することになる光ビームは、垂直な第1及び第2の対称面、それぞれ100及び104によって定められるシステム瞳表面70の1つの四分円内に位置決めされる。ビーム増倍器ユニット57は、システム瞳表面70の残りの3つの四分円内に部分光ビーム96TR、96RT、及び96RRによって照らされる3つの付加的なスポットを生成する。図8に例示しているシステム瞳表面における4つのスポットは、第1及び第2の対称面100、104に関して鏡面対称に配置される。光ビーム96が反射されるミラーMijが、部分光ビーム96TTによって生成されるスポットが光軸OAに向って移動するように傾斜された場合には、他の3つのスポットもまた、その鏡面対称配置を維持したまま光軸OAに向って移動することになる。
図4に示している第1の実施形態と同様に、第1及び第2の対称面100、104の位置は、それぞれ第1及び第2のビームスプリッタ88及び89を変更することによって変更することができる。ビームスプリッタ88及び/又は89のためのホルダは、光軸OAに対して垂直な少なくとも1つの方向に沿って変位可能にすることができる。他の実施形態では、ビームスプリッタ88、89のうちの少なくとも一方が、光軸OAに一致するか又はそれに対して平行に延びる軸の回りに回転されるように構成される。いずれの場合にも、両方のビームスプリッタ88、89の一方の調節可能性は、異なる鏡面対称性を有する放射照度分布をシステム瞳表面70に生成することを可能にする。
図9及び図10は、第2のビームスプリッタが、アクチュエータ106、108を用いて光伝播経路から個々に除去することができる2つの部分89a、89bを含む実施形態を示している。光伝播経路から第1のビームスプリッタ88を除去するために、類似のアクチュエータ110が設けられる。図9に示している構成では、第2のビームスプリッタの左の部分89aが除去され、従って、光ビームのうちのいずれにも露光されなくなるようにアクチュエータ106が作動されたと仮定している。
図10は、そのような条件の下でシステム瞳表面70内で得られる放射照度分布を図8と類似の表現で示している。図8に示している放射照度分布と比較すると、部分光ビーム96RRによって生成されるスポットが欠損している。更に、この実施形態では、全てのビームスプリッタ88、89が反射率Rに等しい透過率Tを有することを同様に仮定すると、1回反射のみの部分光ビーム96Rによって生成されるスポットは、部分光ビーム96TT及び96TRによって生成されるスポットの放射照度の2倍の放射照度を有する。
更に図9に示す実施形態では、ミラーMijから反射される全ての光ビームが、最初に第1のビームスプリッタ88上に衝突するようにミラーMijが制御されると仮定している。従って、図7に示している第1のビームスプリッタ88の下の部分は、不要とすることができる。
図11は、アクチュエータ112を用いて光軸OAの回りに回転することができる単一のビームスプリッタ88のみを含むビーム増倍器ユニット57の更に別の実施形態を示している。ビームスプリッタ88が、YZ平面に対して平行に延びるように、図11に実線で示している位置から点線で示している位置へと回転された場合には、システム瞳表面70内の対称面104は、図12に示しているように、YZ平面に対して平行に延びる対称面100に変化する。図12では、対称面のこの変化を部分光ビーム96T、96R(XZ平面において延びるビームスプリッタ88における)と、部分光ビーム98T、98R(YZ平面において延びる回転されたビームスプリッタ88における)とで示している。
3.第3の実施形態
図13は、第3の実施形態によるミラーアレイ46及びビーム増倍器ユニット57に関する斜視図である。図13に示しているビーム増倍器ユニット57は、図4に示しているビーム増倍器ユニットとは異なり、すなわち、付加的な平面ミラー114が設けられている。ミラー114は、100%に近い反射率Rを有し、光軸OAに対しては平行であるが、ビームスプリッタ88に対して垂直に配置され、それによってミラーアレイ46は、等しいサイズの2つの半分に分割される。
図14は、光軸OAに対して平行に延びる方向であるz方向に沿った図13に示している配置に関する上面図である。最初にビームスプリッタ88上に衝突する光ビーム96は、透過部分光ビーム96Tと反射部分光ビーム96Rに分割されることになる。反射部分光ビーム96Rは、透過部分光ビーム96Tに対して正反対にビーム増倍器ユニット57を離れるようにミラー114上に衝突する。
従って、図15に示しているシステム瞳表面70では、透過及び反射部分光ビーム96T、96Rによって生成されるスポットは、対称軸を定める光軸OAに関して点対称に配置される。
同じことは、ミラーアレイ46の他方の半分内のミラーMijから反射された光ビーム99に対しても当て嵌まり、光ビーム99は、2つの部分光ビーム99T、99Rに分割されるように前と同様にビームスプリッタ88に向けて誘導される。これらの部分光ビーム99T、99Rによって生成されるスポットもまた、システム瞳表面70内で点対称に配置される。
しかし、光ビーム98が最初にミラー114上に衝突するように、ミラーMijが光ビーム98を反射する場合には、反射光ビーム98は、ビームスプリッタ88において反射される部分光ビーム98Rがミラー114上に衝突しないようにビームスプリッタ88上に衝突する。その結果、部分光ビーム98T、98Rは、点対称ではなく、図15に前と同様に100で表している対称面に関して鏡面対称に配置されたスポットをシステム瞳平面70に生成する。
従って、この実施形態のビーム増倍器ユニット57は、完全には鏡面対称又は点対称である必要はないが、点対称性を有する部分及び鏡面対称性を有する他の部分を含むことができる放射照度分布をシステム瞳表面70に生成することを可能にする。それによってビーム増倍器ユニット57を用いて生成することができる放射照度分布の範囲が拡大する。
図16は、別の代替的な実施形態によるビーム増倍器ユニット57に関する上面図である。この場合、ビームスプリッタ88とミラー114は、互いに交差し、それによってZ方向に沿って上面で見た場合に、十字形配置がもたらされる。ビームスプリッタ88が延びる平面とミラー114が延びる平面とは、光軸OAに一致し、かつミラーアレイ46に中心がある線に沿って交差する。従って、この実施形態のビーム増倍器ユニット57は、図13及び図14に示す実施形態における場合のようにミラーアレイ46を2つの半分に分割するだけでなく、好ましくは等しいサイズの4つの四分円46a、46b、46c、及び46dに分割する。それによって非常に対称性の高いレイアウトが得られる。
この実施形態では、ミラー114をビームスプリッタ88と比較してZ方向に沿ってより小さな寸法で設計する必要がある場合がある。それによって透過部分光ビーム96T、99Tが、ミラー114の上側部分で再度反射されないことを保証する。
図17は、図16に示している代替的な実施形態の側面図である。明らかなように、ミラーアレイ46の4つの四分円46a、46b、46c、及び46dは、互いに対して傾斜した方式で配置される。各四分円46a、46b、46c、及び46dは、図17に矢印116、118で示しているように、異なる偏向方向を有する光ビームで個々に照らされる。異なる偏向角を有する光ビームを用いる四分円46a、46b、46c、及び46dのこの照明を実現するためには、照明システム12内で付加的な光学器械が必要である。
上述の全ての実施形態では、ビームスプリッタ88及び/又は89の透過率Tは、その反射率Rに等しいと仮定している。それによって光ビームによってシステム瞳表面70内で照らされるスポットも、等しい放射照度を有することを保証する。しかし、増倍されたスポットが異なる放射照度を有するように、意図的にこの条件から逸脱させるように想定することができる。これは、例えば、異なるミラーMijから反射される光ビームをシステム瞳表面70内の同じ位置に向けて誘導することができる図13から図17に示す実施形態では有利なものとすることができる。ビームスプリッタ88のT/R比が、ビームスプリッタ88の異なる部分において1から異なる場合には、それによってシステム瞳表面70における放射照度分布の微調節を実施する自由度がもたらされる。
図6から図17に示す実施形態は、特にEUV照明システムにも適している。EUVビームスプリッタは、入射ビームを少なくとも異なる方向に沿って回折する反射回折要素として実現することができる。例えば、そのような回折要素は、0、+1、及び−1以外の全ての回折次数が抑制されるように設計することができる。
4.第4の実施形態
図18は、第4の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を通した子午断面図である。この場合、ビーム増倍器ユニット57は、中間瞳表面120と、中間瞳表面120とその後のシステム瞳表面70との間に結像関係を確立する対物器械122とを含む。中間瞳表面120は、アレイ46のミラーMijによって直接照らされるか、又はミラーMijから反射される光ビームの角度を中間瞳表面120内の位置へと変換するために、破線で示している更に別の集光器124が用いられるかのいずれかである。
対物器械122は、それぞれ焦点距離f1及びf2を有する第1の正のレンズ126及び第2の正のレンズ128を含む。第1のレンズ126と第2のレンズ128の間の距離は、f1+f2に等しく、すなわち、第1のレンズ126の後側焦点面は、第2のレンズ128の前側焦点面と開口平面129において一致する。従って、対物器械122は、物体側及び像側の両方でテレセントリックであり、それによって物体側及び像側の主光線は、光軸OAに対して平行に延びている。中間瞳表面120は、第1のレンズ126の前側焦点面に配置され、システム瞳平面は、第2のレンズ128の後側焦点面に配置される。他の実施形態では、第1及び第2のレンズ126、128を2つ又はそれよりも多くのレンズ又は他の光学要素を含む対物器械によって置換することができることは理解されるものとする。
開口平面129には、偏光依存ビームスプリッタ130が配置される。偏光依存ビームスプリッタ130は、第1の偏光状態に対してほぼ100%の透過率Tを有し、第1の偏光状態に対して直交する第2の偏光状態に対してほぼ100%の反射率Rを有するように構成される。図示の実施形態では、偏光依存ビームスプリッタ130は、双方向矢印で示しているp偏光光が透過され、これに対して中黒の円で示しているs偏光光が反射されるように構成される。
中間瞳表面120の1つの半分においては、リングセグメントの輪郭を有することができる平面ミラー132が配置される。偏光依存ビームスプリッタ130とミラー132の間の光路には、4分の1波長板134が配置される。図示の実施形態では、第2のレンズ128とシステム瞳表面70の間に、直線偏光光の偏光方向を回転するように構成された任意的な遅延器プレート136がある。この回転特性は、遅延器プレート136の表面にわたって局所的に変化するものとすることができる。そのような遅延器の例は、特許出願US2002/0176166A1、及びUS2006/0055909A1に説明されている(図23を参照されたい)。
ビーム増倍器ユニット57は、以下の通りに機能する。
作動中に、アレイ46のミラーMijは、反射光ビーム96が、任意的な集光レンズ124上に衝突し、中間瞳表面120の下側半分においてスポットを生成するように傾斜される。光ビーム96によって中間瞳表面120に生成される例示的放射照度分布を図19に示す。光ビーム96は、中間瞳表面120を通過する時には非偏光であると仮定する。この仮定が満たされない場合には、付加的な偏光解消器を偏光依存ビームスプリッタ130の前側のビーム経路内のどこかに配置することができる。
第1のレンズ126を通過した光ビーム96は、偏光依存ビームスプリッタ130が配置された第1のレンズ126の後側焦点に向って収束する。ここで、光ビーム96のs偏光光部分は、第1のレンズ126の他方の半分に向って完全に反射される。反射光ビーム96Rは、4分の1波長板134を通じて伝播し、ミラー132上に衝突する。ミラー132は、第1のレンズ126の前側焦点面に配置されるので、中間瞳表面120の下側半分における放射照度分布の像は、ミラー132が配置された表面120の上側半分において生成される。ミラー132上に形成されるこの像は、図19にも例示しているように、光ビーム96によって中間瞳表面120の下側半分において生成される放射照度分布に対して鏡面対称である。
ミラー132から反射される光ビーム96Rは、偏光依存ビームスプリッタ130へと同じ戻り光路を辿り、すなわち、これらの光ビームは、4分の1波長板134及び第1のレンズ126を通過する。反射光ビーム96Rは、4分の1波長板134を2度通過するので、偏光状態は、s偏光からp偏光へと変換される。この偏光状態の変換に起因して、偏光依存ビームスプリッタ130は、今度は反射光ビーム96Rを透過し、反射光ビーム96Rはまた、第2のレンズ128及び光学遅延器プレート136を通過する。従って、ミラー132上に放射照度分布の像が形成され、これは、それ自体、入射光ビーム96によって中間瞳表面120の下側半分に形成される放射照度分布の像である。各像は、物体に関して点対称であるから、反射光ビーム96Rによってシステム瞳平面70の下側半分において生成される放射照度分布は、入射光ビーム96によって生成される中間瞳表面120の下側半分における放射照度分布に等しい。これは、図19に示す中間瞳表面120における例示的放射照度分布によって得られるシステム瞳表面70における放射照度分布を示している図20に同様に例示されている。
システム瞳平面70における放射照度分布の上側半分は、ビームスプリッタ130によって透過されたp偏光光ビーム96Tによって形成される。この透過光ビーム96Tは、同じく第2のレンズ128及び光学遅延器プレート136を通過し、光ビーム96によって中間瞳表面120の下側半分において生成された下側半分の点対称像を形成する。
従って、ビーム増倍器ユニット57は、中間瞳表面120の一方の半分において生成された放射照度分布の点対称像を他方の半分に追加し、次に、この結合された放射照度分布をシステム瞳表面70上に結像する。この像は、第2のレンズ128の焦点距離f2が第1のレンズ126の焦点距離f1よりも大きい場合に拡大される。
従って、上述のビーム増倍器ユニット57によって生成される効果は、図4に示している第1の実施形態とは異なり、これは、第1の実施形態ではビーム増倍器ユニット57によって追加される放射照度分布は鏡面対称であるのに対して、図18に示している第4の実施形態のビーム増倍器ユニット57が点対称な放射照度分布を追加するからである。
また、図18に示しているビーム増倍器ユニット57は、一種の副次的効果として、s又はp偏光光ビーム96R、96Tをシステム瞳表面70に生成することができる(偏光依存ビームスプリッタ130の特性に依存して)という利点を有する。この明確な偏光状態からは、遅延器プレート136を用いてほぼあらゆる任意の直線偏光分布を生成することが容易である。
別の利点は、ビーム増倍器ユニット57が、個々の光ビームだけではなく、実際に中間瞳表面120に生成される放射照度分布を増倍する点である。従って、この実施形態のビーム増倍器ユニット57を用いると、上述の実施形態の殆どの場合と同様に、ミラーアレイ46及びその制御ユニット50のいかなる再設計も必要とされない。
図18に示す実施形態では、重要な要素は、偏光依存ビームスプリッタ130である。通常、偏光依存ビーム分割特性は、限られた入射角度範囲、例えば、50°と70°の間の角度においてのみ得ることができる。図18に点線で示しており、対物器械122の光軸OAの近くに延びる入射光ビーム96’に対しては、スプリッタ130の偏光依存ビーム分割特性は利用可能ではない場合がある。従って、この実施形態は、システム瞳平面70内の中心領域を照明する照明設定を生成するのにはあまり適さない。
5.第5の実施形態
図21は、第5の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を通した子午断面図である。この場合、ビーム増倍器ユニット57は、図示の実施形態では、図22の上面図に示しているように規則的なパターンで配置された4つのプレート140a、140b、140c、140dを含む偏光ビームスプリッタを含む。プレート140a〜140dは、これらのプレートの側面において継ぎ目なく接合することができ、又は図21及び図22に示しているように小さい間隙によって離間させることができる。
プレート140a〜140dの各々は、入射光ビーム96、98を通常光ビーム96o、98oと異常光ビーム96e、98eとに分割するように複屈折材料で作られる。通常光ビーム96o、98oと異常光ビーム96e、98eは、図18でも用いている記号によって図21に示しているように、直交偏光状態を有する。出射光ビーム96oと96eの間の距離は、特に、光軸OAによって定められる方向に沿ったプレート140a〜140dの厚みに依存する。図示の実施形態では、全てのプレート140a〜140dは、同じ厚みを有するが、各プレート140a〜140dの複屈折材料の複屈折遅軸は、異なって配向される。従って、異常光ビーム96e、98eによって生成されるスポットは、通常光ビーム96o及び98oそれぞれによって生成されるスポットから等しい距離ではあるが、異なる角度の向きで配置される。
システム瞳表面70にわたって均一な偏光状態を有する光を生成するために、付加的な偏光操作手段、例えば、4分の1波長板を用いることができる。
IV.時間領域におけるビーム増倍
上述の全ての実施形態では、露光処理中に光ビームによってシステム瞳表面に生成されるスポットの数は、アレイ46のミラーMijの数よりも大きい。これは、マスク16が感光表面22上に結像される露光処理中のあらゆる所定の時点に当て嵌まる。
しかし、露光処理を成功させるために、マスク16上の任意の点を全ての望ましい方向から同時に照明する必要はない。同時照明の代わりに、露光処理の完了の後に、マスク16上の各点が全ての望ましい方向からの投影光で照らされていることで十分である。言い換えれば、システム瞳表面70に生成されるスポットの増倍は、時間的順番で、すなわち、時間領域で発生させることができる。
これをそれぞれ第1の時間間隔及びそれに続く第2の時間間隔中に維持されるシステム瞳表面70内の例示的部分放射照度分布を示している図23a及び図23bに例示している。各部分放射照度分布は、マスク16の照明視野14上に衝突する光線の特定の角度分布に対応する。
1.ウェーハステッパ型
以下では、最初に投影露光装置10がウェーハステッパ型のものであると仮定する。従って、露光処理中に、マスク16と感光表面22は、全露光時間Tにわたって定常状態に留まる。例えば、システム瞳表面70において、図23aに示している部分放射照度分布が生成される時間間隔と図23bに示している部分放射照度分布が生成される時間間隔とが等しい長さT/2を有する場合には、マスク16上の全ての点は、図23aに示している部分放射照度分布に対応する角度分布で長さT/2の時間間隔にわたって照らされ、図23bに示している部分放射照度分布に対応する角度分布で等しい長さT/2の連続する時間間隔にわたって照らされることになる。この効果を説明する別の方法は、システム瞳表面70が、一回の進行では充たされず、それに続いて望ましいターゲット合計放射照度分布によって充たされると説明することである。
投影露光装置の殆どの光源30は、光パルスを生成するので、連続する光パルス間の間隔をシステム瞳表面70内の部分放射照度分布を変更するのに用いることができる。ミラー制御ユニット50の適切なレイアウトにより、例えば、2008年12月19日出願の国際特許出願PCT/EP2008/010918に説明されているような制御手法を適用することにより、2つの連続する光パルスの間に部分放射照度分布を変更することができるほど十分高速にミラーMijを傾斜させることができる。当然ながら、ウェーハステッパでは、システム瞳平面70内の部分放射照度分布を変更するのに十分な時間が存在するように、2つの連続する光パルス間により長い中断を設けることができる。
2.スキャナ型
スキャナ型の投影露光装置では、システム瞳表面70を全露光処理中に完全に充たすだけでは十分ではなく、マスク上の各点が投影光で照らされる露光時間間隔(より短い)中に完全に充たさなければならない。これらの露光時間間隔がマスク上の全ての点に対して等しいが、マスク上の点が走査方向に沿って離間されている場合には、異なる開始(従って、同じく終了)時間を有する。この理由から、システム瞳表面70に生成される部分放射照度分布のシーケンスを全露光処理が終了するまで繰り返さなければならない。
図24は、走査方向に沿って離間されたマスク16上の2つの点上の放射照度I1(t)及びI2(t)の時間依存性を表す2つのグラフを示している。上側のグラフでは、露光処理中に、第1の点は、時間t0において照明視野14内に進入することになると仮定している。第1の点は、後の時間t0+ΔTにおいて照明視野14を離れることになり、ΔTは、マスク16上の全ての点に対して等しく、露光処理中にある点が照らされる時間を表す露光時間間隔である。更に、簡略化の目的で、システム瞳70に生成される部分放射照度分布は、時間t0において図23aに示している構成に変更されることになると仮定する。この部分放射照度分布は、図24の上側のグラフと下側のグラフの間の部分放射照度分布の小さな図によって示しているように、時間ΔT/2にわたって維持される。
露光時間間隔ΔTの前半期の後に、部分放射照度分布は、2つの連続する光パルスLPnとLPn+1の間で変更される。露光時間間隔ΔTの後半期中に、図23bに示している部分放射照度分布がシステム瞳表面70に生成される。露光時間間隔が終了した時点で、第1の点は、図23aに示している部分放射照度分布を有する光パルスと、図23bに示している部分放射照度分布を有する光パルスとを等しい数だけ受光している。システム瞳平面70内の有効な合計放射照度分布を上側のグラフの時間t0+ΔTの位置の上部に例示している。
図24の下側のグラフは、時間t1>t0において第1の点よりも遅れて照明視野14に進入する第2の点に対する同じ処理を示している。第2の点に関連付けられた露光時間間隔ΔT中に、システム瞳表面70における放射照度分布は、2度変化し、すなわち、光パルスLPnとLpn+1の間に1度目、更に、光パルスLPn+15とLPn+15+1の間に2度目の変化がある。しかし、図23aに示している部分放射照度分布がシステム瞳表面70に生成される時間間隔中と、図23bに示している部分放射照度分布がシステム瞳表面70に生成される時間間隔中とに第2の点上に衝突する光パルスの数はここでも等しい。すなわち、第2の点もまた、その露光時間間隔の終了後には、第1の点と同じくシステム瞳表面70内の有効合計放射照度分布に関連付けられた光によって照らされることになる。
一部の照明システムは、マスク上の点が、この点に関連付けられた露光時間間隔ΔTの開始及び終了時に低い放射照度で照らされるように設計される。この設計は、例えば、US2006/0244941A1に説明されているように、縦方向に沿って透過率勾配を有する複数の可動ブレードを有する視野絞り82を用いることによって達成することができる。
図25は、図24に示しているグラフと同様であるが、光パルスが、各露光時間間隔ΔTの開始及び終了時に増加及び減少する放射照度を有するという仮定における2つのグラフを示している。この場合には、システム瞳表面70における放射照度分布が変更される期間Pは、露光時間間隔ΔTよりも短くなくてはならず、露光時間間隔の開始及び終了時における光パルス放射照度の上昇及び下降は対称でなければならない。
第2の点上の放射照度の時間依存性を示している図25の下側部分で明瞭に分るように、システム瞳表面70内の特定の部分放射照度分布に関連付けられた光パルスの数は異なる。しかし、光パルスの数だけではなく、放射照度も考慮に入れると、露光時間間隔ΔT中にマスク上の点上に衝突する合計放射照度は、システム瞳表面70内の各放射照度分布において同じであることが分る。
3.部分放射照度分布の他の例
当然ながら、この概念は、システム瞳表面70内で連続して生成される2つの部分放射照度分布だけに限定されない。
図26a〜26dは、露光処理中にシステム瞳表面70内で連続して生成される4つの異なる部分放射照度分布P1〜P4を示している。各期間P中に、極P1〜P4のうちの1つが、システム瞳表面70に生成される。図26dに例示しているように、4つの期間Pの後には、マスク16上の各点は、4つの極P1〜P4に関連付けられた方向からの光で有効に照らされて終わっている。露光時間間隔ΔTは、4Pに等しいか又はそれよりも長くなくてはならない。
図27a及び27bは、瞳平面70内に連続して生成される他の部分放射照度分布を示している。この実施形態では、各期間中に照らされる合計区域は、大きく異なる。中心極P0が、他の期間中に生成される4つの外側極P1、P2、P3、及びP4と同じ放射照度を受光する場合には、アレイ46内のミラーMijのうちの一部をいかなる光もシステム瞳表面70に向って導かない停止状態にすべきである。
図28a及び図28bは、更に別の実施形態に従ってシステム瞳表面70内に連続して生成される2つの部分放射照度分布を示している。この場合、部分放射照度分布は、システム瞳表面のある一定のセグメントに限定されず、交互並置方式で配置される。簡略化の目的で、各ミラーMijによってシステム瞳表面70に生成されるスポットは正方形であると仮定する。これらの正方形は、両方の部分放射照度分布においてチェス盤方式で配置されるが、1つの正方形分だけ偏向されることになる。これらの2つの部分放射照度分布の組合せは、均一に照らされる円形区域を有する従来的照明設定を生じる。ミラーMijの数が小さいにも関わらず、高いエッジ分解能が得られる。また、部分放射照度分布のこの交互並置構成は、放射照度分布が変更された時に、ミラーMijを若干しか再調節する必要がないという利点も有する。それによってミラーMijの制御が単純化され、ミラー、及び傾斜角を調節するのに用いられるアクチュエータ上の機械的な歪みが低減される。
好ましい実施形態の上記説明は、一例として提供したものである。提供した開示内容から、当業者は、本発明及びそれに伴う利点を理解するだけでなく、開示した構造及び方法に対する明らかな様々な変更及び修正も見出すであろう。従って、本出願人は、全てのそのような変更及び修正が、特許請求の範囲及びその均等物によって定められる本発明の精神及び範囲に含められるように求めるものである。
V.態様の要約
以下の番号付き文章項目は、本発明の多くの態様を要約しており、そのうちの一部は、特許請求の範囲にも含まれるものである。本出願人は、これらの文章項目によって含まれる主題のいずれにも特許請求を行う権利を保有する。
1.a)各ビーム偏向要素(Mij)が入射光ビームをある一定の偏向角で偏向するようになった、反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、b)システム瞳表面(70)と、c)システム瞳表面(70)内の光ビーム(96T、96R;98T、98R;96TT、96TR、96RT、96RR;98T、98R、99T、99R)の数が、上記ビーム偏向アレイから出射する光ビーム(96、98、99)の数よりも大きくなるように、ビーム偏向アレイ(46)とシステム瞳表面の間に配置されたビーム増倍器ユニット(57)とを含む、マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システム。
2.ビーム増倍器ユニットがビームスプリッタ(88)を含むことを特徴とする文章項目1の照明システム。
3.ビームスプリッタ(88)がビーム分割表面(92)を含むことを特徴とする文章項目2の照明システム。
4.ビーム分割表面(92)が約1の透過率/反射率比を有することを特徴とする文章項目3の照明システム。
5.ビーム分割表面(92)が、支持体上に付加されたビーム分割コーティングによって形成されることを特徴とする文章項目3又は文章項目4の照明システム。
6.ビーム分割表面(92)が平面であり、照明システムの光軸(OA)に対して平行に延びることを特徴とする文章項目3から文章項目5のいずれかの照明システム。
7.ビーム分割表面が、光軸(OA)に沿って変化する透過率対反射率の比を有することを特徴とする文章項目6の照明システム。
8.ビーム分割表面を移動するためのアクチュエータ(106、108、110;112)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目7のいずれかの照明システム。
9.アクチュエータ(112)がビーム分割表面を回転するように構成されることを特徴とする文章項目8の照明システム。
10.アクチュエータ(106、108、110;112)がビーム分割表面を光伝播経路から完全に除去することができることを特徴とする文章項目8又は文章項目9の照明システム。
11.ビーム増倍器ユニット(57)が、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目10のいずれかの照明システム。
12.少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)が照明システムの光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする文章項目11の照明システム。
13.ビーム増倍器ユニット(57)が、ビーム分割表面(88)に対して少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された平面ミラー(114)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目12のいずれかの照明システム。
14.ビーム分割表面(88)及びミラー(114)が、該照明システムの光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする照明システム。
15.ビーム偏向アレイ(46)が光軸(OA)を中心とすることを特徴とする文章項目14の文章項目13の照明システム。
16.光軸(OA)が、ビーム偏向アレイを互いに対して傾斜した方式で配置された少なくとも2つのサブアレイ(46a〜46d)に分割することを特徴とする文章項目15の照明システム。
17.ビーム増倍器ユニット(57)が、各光ビームが最初に平面ミラー(114)上に衝突し、次にビーム分割表面(88)上に衝突するか、又は最初にビーム分割表面(88)上に衝突し、次に平面ミラー(114)上に衝突するように構成されることを特徴とする文章項目13から文章項目16のいずれかの照明システム。
18.ビーム偏向アレイ(46)が、ビーム増倍器ユニット(57)が不在の場合に第1の放射照度分布をシステム瞳表面(70)に生成し、かつビーム増倍器ユニット(57)は、第1の放射照度分布に関して鏡面対称、点対称、又はn重対称である第2の放射照度分布をシステム瞳表面(70)に生成するように構成されることを特徴とする文章項目1から文章項目17のいずれかの照明システム。
19.ビーム偏向アレイ(46)とビーム増倍器ユニット(57)の間に配置された中間瞳表面(120)を含み、ビーム増倍器ユニットが、a)中間瞳表面(120)とシステム瞳表面(70)の間に結像関係を確立する結像システム(122)を含み、かつb)ビーム偏向アレイ(46)によって中間瞳表面(120)の一部分に生成される放射照度分布の増倍された像を生成するように構成されることを特徴とする文章項目1の照明システム。
20.結像システムがテレセントリック対物器械(122)であることを特徴とする文章項目19の照明システム。
21.ビーム増倍器ユニット(57)が、中間瞳表面(120)の別の部分に配置されたミラー(132)を含み、ビーム増倍器ユニットが、放射照度分布の像をミラー(132)上に生成するように構成されることを特徴とする文章項目19又は文章項目20の照明システム。
22.ビーム増倍器(57)ユニットが、結像システム(122)に配置された偏光依存ビームスプリッタ(130)を含むことを特徴とする文章項目21の照明システム。
23.対物器械(122)が、偏光依存ビームスプリッタ(130)が配置された開口平面(129)を有することを特徴とする文章項目20及び文章項目22の照明システム。
24.ビーム増倍器ユニット(57)が、偏光依存ビームスプリッタ(130)から反射される光がミラー(132)上に衝突するように構成されることを特徴とする文章項目21から文章項目23のいずれかの照明システム。
25.ビーム増倍器ユニットが、ミラー(132)から反射される光の偏光状態をこの光が偏光依存ビームスプリッタ(130)上に再度入射する前に変更する偏光ユニット(134)を含むことを特徴とする文章項目21の照明システム。
26.ビーム偏向要素が、少なくとも1つの傾斜軸(56y、56x)の回りに傾斜することができるミラー(Mij)であることを特徴とする文章項目1から文章項目25のいずれかの照明システム。
27.a)i)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、ii)放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されるシステム瞳表面(70)とを含む照明システム(12)を準備する段階と、b)システム瞳表面(70)に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域が、マスクが感光表面上に結像される露光処理の2つの連続する光パルスの間に変化するようにビーム偏向要素が制御される、光パルスを用いてマスク(16)を照明する段階と、c)マスク(16)を感光表面(22)上に結像する段階とを含む、投影露光装置を作動させる。
28.ターゲット放射照度分布が、異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割され、かつビーム偏向要素は、全ての部分放射照度分布がシステム瞳表面(70)に連続して生成されるように制御されることを特徴とする文章項目27の方法。
29.マスク(16)及び感光表面(22)が、露光処理中に、走査方向に沿って離間されたマスク(16)上の2つの点が異なる開始時間を有する露光時間間隔(ΔT)中に照らされるように移動され、かつマスク(16)上の任意の点に対して、全ての部分放射照度分布が、この任意の点に関連付けられた露光時間間隔中にシステム瞳表面(70)に生成されることを特徴とする文章項目27又は文章項目28の方法。
30.部分放射照度分布がシステム瞳平面に生成される時間間隔(P)が全て等しいことを特徴とする文章項目28又は文章項目29の方法。
31.部分放射照度分布に関連付けられた照明区域が、ある一定のセグメント、特に、システム瞳表面の半円又は四分円に限定されることを特徴とする文章項目28から文章項目30のいずれかの方法。
32.部分放射照度分布は交互並置されることを特徴とする文章項目28から文章項目30のいずれかの方法。
33.光パルスを用いてマスク(16)を照明するように構成され、かつa)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、b)放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されるシステム瞳表面(70)と、c)システム瞳表面(70)に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域が、マスク(16)が感光表面(22)上に結像される露光処理の2つの連続する光パルス(LPn、LPn+1)の間で変化するようにビーム偏向要素を制御するように構成された制御ユニット(50)とを含む、マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム。
34.制御ユニットが、ターゲット放射照度分布を異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割するように構成され、かつ制御ユニット(50)が、全ての部分放射照度分布がシステム瞳表面(70)内で連続して得られるようにビーム偏向要素(Mij)を制御するように構成されることを特徴とする文章項目31の照明システム。
35.a)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった多数の反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)を含むビーム偏向アレイ(46)と、b)ビーム偏向要素から反射される光ビームがスポットを照明するシステム瞳表面(70)とを含み、マスクが感光表面上に結像される露光処理中に、システム瞳表面(70)内で照らされるスポットの数がビーム偏向要素(Mij)の数よりも大きい、マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システム。
46 ビーム偏向アレイ
57 ビーム増倍器ユニット
70 システム瞳表面
ij ビーム偏向要素、ミラー

Claims (15)

  1. マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システムであって、
    a)各ビーム偏向要素(Mij)が入射光ビームをある一定の偏向角で偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)、
    b)システム瞳表面(70)、及び
    c)前記システム瞳表面(70)における光ビーム(96T、96R;98T、98R;96TT、96TR、96RT、96RR;98T、98R、99T、99R)の数が、前記ビーム偏向アレイから出射する光ビーム(96、98、99)の数よりも大きくなるように、該ビーム偏向アレイ(46)と該システム瞳表面の間に配置されたビーム増倍器ユニット(57)、
    を含むことを特徴とするシステム。
  2. 前記ビーム増倍器ユニットは、ビームスプリッタ(88)を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記ビームスプリッタ(88)は、ビーム分割表面(92)を含むことを特徴とする請求項2に記載の照明システム。
  4. 前記ビーム分割表面(92)は、約1の透過率/反射率比を有することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
  5. 前記ビーム分割表面(92)は、支持体上に付加されたビーム分割コーティングによって形成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の照明システム。
  6. 前記ビーム分割表面(92)は、平面であり、かつ照明システムの光軸(OA)と平行に延びていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の照明システム。
  7. 前記ビーム分割表面は、前記光軸(OA)に沿って変化する透過率対反射率の比を有することを特徴とする請求項6に記載の照明システム。
  8. 前記ビーム分割表面を移動するためのアクチュエータ(106、108、110;112)を含むことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の照明システム。
  9. 前記アクチュエータ(112)は、前記ビーム分割表面を回転させるように構成されることを特徴とする請求項8に記載の照明システム。
  10. 前記アクチュエータ(106、108、110;112)は、前記ビーム分割表面を光伝播経路から完全に除去することができることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の照明システム。
  11. 前記ビーム増倍器ユニット(57)は、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)を含むことを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の照明システム。
  12. 前記少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)は、照明システムの前記光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする請求項11に記載の照明システム。
  13. 前記ビーム増倍器ユニット(57)は、少なくとも実質的に90°に等しい角度で前記ビーム分割表面(88)に対して配置された平面ミラー(114)を含むことを特徴とする請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の照明システム。
  14. 前記ビーム分割表面(88)及び前記ミラー(114)は、照明システムの前記光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする請求項13に記載の照明システム。
  15. 前記ビーム偏向アレイ(46)は、前記光軸(OA)に中心があることを特徴とする請求項14に記載の照明システム。
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