JP2010153875A - マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システムは、多数のビーム偏向要素を含む。各ビーム偏向要素(Mij)は、制御信号に応答して変更可能な偏向角で衝突する光ビームを偏向するようになっている。ビーム偏向要素から反射される光ビームは、システム瞳表面(70)にスポットを生成する。マスクが感光表面上に結像される露光処理中にシステム瞳表面(70)において照らされるスポットの数は、ビーム偏向要素(Mij)の数よりも大きい。これは、ビーム偏向要素(Mij)から反射される光ビームを増倍するビーム増倍器ユニット(57)の助けによって達成することができる。
【選択図】図4
Description
現在の投影露光装置では、2つの異なる種類の装置の間で区別を付けることができる。一方の種類では、ウェーハ上の各ターゲット部分は、マスクパターン全体を1回の進行でターゲット部分上に露光することによって照射される。そのような装置は、一般的に、ウェーハステッパと呼ばれる。一般的に、ステップ−アンド−スキャン装置又はスキャナと呼ばれる他方の種類の装置では、各ターゲット部分は、走査方向に沿って投影ビームの下でマスクパターンを漸次的に走査し、同時に基板をこの方向に対して平行又は非平行に移動することによって照射される。ウェーハの速度とマスクの速度の比は、投影対物器械の倍率に等しく、これは、通常は1よりも小さく、例えば、1:4である。
EP1、262、836A1では、ミラーアレイは、1000個よりも多い微細ミラーを含むマイクロ電気機械システム(MEMS)として実現される。ミラーの各々は、2つの直交傾斜軸の回りに傾斜させることができる。従って、そのようなミラーデバイス上に衝突する放射線は、半球の殆どあらゆる望ましい方向に反射させることができる。ミラーアレイと瞳表面の間に配置される集光レンズは、ミラーによって生成される反射角を瞳表面における位置に変換する。この公知の照明システムは、複数のスポットによって瞳表面を照明することを可能にし、各スポットは、1つの特定の微細ミラーに関連付けられ、かつこのミラーを傾斜させることによって瞳表面にわたって自由に移動可能である。
類似の照明システムは、US2006/0087634A1、US7、061、582B2、及びWO2005/026843A2から公知である。類似の傾斜可能ミラーのアレイは、EUV照明システムに対して提案されている。
この関連において、当業技術で公知の全ての種類のビームスプリッタを想定することができる。例えば、ビームスプリッタは、光ビームを直交偏光状態を有する通常光ビームと異常光ビームに分割する複屈折材料を含むことができる。通常光ビームから何らかの距離のところで複屈折材料を出射する異常光ビームを生成するためには、複屈折材料は、比較的肉厚でなければならない。
そのようなビーム分割表面では、ビーム分割表面が、光軸に沿って変化する透過率対反射率の比を有する場合に有利であると考えられる。典型的な配置では、システム瞳表面においてスポットが光軸から離れて照らされる程、放射照度の不均衡は増大することになる。
ビーム分割表面は、システム瞳表面において対称面も変位するように変位させることができる。追加的又は代替的に、アクチュエータは、ビーム分割表面を回転するように構成することができる。それによって対称面の対応する回転がシステム瞳表面において生じる。それによってアクチュエータを用いて単一のビーム分割表面を90°回転することで、2つの直交する対称面の一方を生成することが可能になる。
別の実施形態では、ビーム増倍器ユニットは、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面を含む。ビーム偏向要素のアレイに対して適切に配置された場合には、各入射光ビームをシステム瞳表面を鏡面対称に通過する4つの部分光ビームに分割することを達成することができる。
別の実施形態によると、ビーム分割ユニットは、ビーム分割表面に対して少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された平面ミラーを含む。最初にビーム分割表面上に衝突する光ビームは、システム瞳平面にスポットを形成する部分光ビームに分割され、これらの部分光ビームは、部分光ビームのうちのミラーによって反射される一方のものの結果として、システム瞳表面において点対称配置を形成する。それとは対照的に、最初にミラー上に衝突し、次に、ビーム分割表面上に衝突する光ビームは、鏡面対称で配置されるスポットをシステム瞳平面に生成する。従って、この実施形態は、増倍された点対称で配置されるスポット、及び同じく鏡面対称で配置されるスポットをシステム瞳表面に生成することを可能にする。それによって増倍された光ビームを用いて生成することができる放射照度分布の範囲が大幅に拡大される。
ビーム偏向アレイが光軸を中心とする場合には、全体のシステムの対称性が高められ、それによってビーム偏向アレイのレイアウト及び制御が単純化される。
光軸が、ビーム偏向アレイを互いに対して傾斜した方式で配置された少なくとも2つのサブアレイに分割する場合には、より一層対称な配置を得ることができる。これは、光ビームを同じく傾斜した方向からビーム偏向サブアレイ上に誘導することを必要とする場合がある。
この実施形態でも、光ビームは増倍されるが、この実施形態は、光ビームそれ自体を増倍するだけでなく、瞳表面における全放射照度分布を増倍することを可能にするということができる。
ビーム増倍器ユニットは、中間瞳表面の別の部分に配置されたミラーを含むことができ、このミラー上に放射照度分布の像を生成するように構成される。従って、ビーム増倍器ユニットは、中間瞳表面の1つの部分に生成される放射照度分布を、この分布の像を中間瞳表面の別の部分に形成することによって増倍する。次に、元の分布とその像が、結像システムによってシステム瞳表面上に結像される。
ミラー上に形成された付加的な放射照度分布の像を形成することができるようにするために、ビーム増倍器ユニットは、ミラーから反射される光の偏光状態をこの光が偏光依存ビームスプリッタ上に再度入射する前に変更する偏光ユニットを含むことができる。偏光状態の変更の結果として、この光(又は、少なくともその一部分)は、偏光依存ビームスプリッタを通過することができ、ミラー上に形成された付加的な放射照度分布の像をシステム瞳平面に形成することができる。
しかし、好ましい実施形態では、ビーム偏向要素は、少なくとも1つの傾斜軸の回りに傾斜させることができるミラーである。ミラーを2つの傾斜軸の回りに傾斜させることができる場合には、これらの傾斜軸の間に形成される角度は、好ましくは約90°である。
ターゲット放射照度分布は、異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割することができる。ここではビーム偏向要素は、全ての部分放射照度分布が、システム瞳表面において連続して生成されるように制御される。言い換えれば、システム瞳表面は、望ましいターゲット放射照度分布で連続して充たされる。
部分放射照度分布に関連付けられた照明区域は、システム瞳表面のセグメント、特に、半円又は四分円に限定することができる。
別の実施形態では、部分放射照度分布は、交互並置される。これは、ビーム偏向要素によってシステム瞳表面に生成されるスポットを非常に小さい距離だけしか移動しなくてもよいという利点を有する。それによってビーム偏向要素の制御が単純化され、機械的な歪みが低減される。
本発明の様々な特徴及び利点は、以下の詳細説明を添付図面と併せて参照することによってより容易に理解することができる。
図1は、投影光ビームを生成するための照明システム12を含むDUV投影露光装置10の非常に簡略的な斜視図である。投影光ビームは、微細構造18を含むマスク16上の視野14を照明する。この実施形態では、照明視野14は、ほぼリングセグメントの形状を有する。しかし、他の例えば矩形形状の照明視野14も同様に考えられている。
投影対物器械20は、照明視野14内の構造18を基板24上に堆積した感光層22、例えば、フォトレジスト上に結像する。シリコンウェーハで形成することができる基板24は、感光層22の上面が、投影対物器械20の像平面に正確に位置するように、ウェーハ台(示していない)上に配置される。マスク16は、マスク台(示していない)を用いて、投影対物器械20の対物面内に位置決めされる。投影対物器械は1よりも小さい倍率を有するので、照明視野14内の構造18の縮小像14’が感光層22上に投影される。
EUV投影露光装置は、同じ基本構造を有する。しかし、EUV放射線に対して透過的であるいかなる光学材料も存在しないので、ミラーのみが光学要素として用いられ、マスクも同様に反射型のものである。
図2は、図1に示しているDUV照明システム12を通したより詳細な子午断面図である。明瞭化のために、図2の図は、大きく簡略化したものであり、正しい尺度のものではない。これは、特に、異なる光学ユニットを非常に少数の光学要素だけによって表していることを意味する。実際には、これらのユニットは、かなりより多くのレンズ及び他の光学要素を含むことができる。
照明システム12は、ハウジング28、及び図示の実施形態ではエキシマレーザ30として実現されている光源を含む。エキシマレーザ30は、約193nmの波長を有する投影光を発射する。同様に他の種類の光源及び他の波長、例えば、248nm又は157nmが考えられている。
視野絞り対物器械84は、中間視野平面80と、マスク16が配置されたマスク平面86との間に光学的共役をもたらす。従って、視野絞り82は、視野絞り対物器械84によってマスク16上に鮮明に結像される。
1.第1の実施形態
図4は、第1の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を子午断面図で示している図2からの拡大切り取り図である。図2にも示しているが、ビーム増倍器ユニット57は、ミラーアレイ46と第1の集光器58との間の光路に配置され、第1の集光器58は、システム瞳表面70の前側のある一定の距離に配置される。この実施形態では、ビーム増倍器ユニット57は、平面プレート表面及びこれらの表面の一方の上に付加されたビーム分割コーティング92を有する肉薄の支持プレート90によって形成されたビームスプリッタ88を含む。この実施形態では、ビーム分割コーティング92は、交互する屈折率を有する肉薄の誘電体層94のスタックによって形成される。屈折率及び層厚は、ビーム分割コーティング92が、光源30によって生成される投影光に対して、T=R≒50%である透過率T及び反射率Rを有するように決められる。他の実施形態では、T/R比は、1とは異なるものとすることができる。
ビームスプリッタ88は、照明システム12の光軸OAを含む平面に延びている。光軸OAは、照明システム12内のレンズ及び他の回転対称光学要素の回転対称軸である。
ビーム増倍器ユニット57の別の利点は、システム瞳表面70内のあらゆる任意の位置を照明することを可能にするのにミラーMijの小さい傾斜角しか必要とされない点である。小さい傾斜角は、ミラーMijの構造及び制御を単純化する。
図6は、第2の実施形態によるビーム増倍器ユニット57の斜視図である。この実施形態は、ビーム増倍器ユニット57が、第1のビームスプリッタ88と同じ一般的な構造を有するが、光軸OAに対して垂直に配置された第2のビームスプリッタ89を含む点で図4に示す実施形態と異なっている。従って、2つのビームスプリッタ88、89は、互いの間に直角を形成し、光軸OAは、ビームスプリッタ88、89が配置された平面が交差する線を通過する。
第1のビームスプリッタ88によって生成された反射部分光ビーム96Rは、第2のビームスプリッタ89上に衝突し、透過部分光ビーム96RTと反射部分光ビーム96RRに分割される。その結果、入射光ビーム96は、4つの部分光ビーム96TT、96TR、96RT、及び96RRに分割される。
更に図9に示す実施形態では、ミラーMijから反射される全ての光ビームが、最初に第1のビームスプリッタ88上に衝突するようにミラーMijが制御されると仮定している。従って、図7に示している第1のビームスプリッタ88の下の部分は、不要とすることができる。
図13は、第3の実施形態によるミラーアレイ46及びビーム増倍器ユニット57に関する斜視図である。図13に示しているビーム増倍器ユニット57は、図4に示しているビーム増倍器ユニットとは異なり、すなわち、付加的な平面ミラー114が設けられている。ミラー114は、100%に近い反射率Rを有し、光軸OAに対しては平行であるが、ビームスプリッタ88に対して垂直に配置され、それによってミラーアレイ46は、等しいサイズの2つの半分に分割される。
従って、図15に示しているシステム瞳表面70では、透過及び反射部分光ビーム96T、96Rによって生成されるスポットは、対称軸を定める光軸OAに関して点対称に配置される。
同じことは、ミラーアレイ46の他方の半分内のミラーMijから反射された光ビーム99に対しても当て嵌まり、光ビーム99は、2つの部分光ビーム99T、99Rに分割されるように前と同様にビームスプリッタ88に向けて誘導される。これらの部分光ビーム99T、99Rによって生成されるスポットもまた、システム瞳表面70内で点対称に配置される。
従って、この実施形態のビーム増倍器ユニット57は、完全には鏡面対称又は点対称である必要はないが、点対称性を有する部分及び鏡面対称性を有する他の部分を含むことができる放射照度分布をシステム瞳表面70に生成することを可能にする。それによってビーム増倍器ユニット57を用いて生成することができる放射照度分布の範囲が拡大する。
この実施形態では、ミラー114をビームスプリッタ88と比較してZ方向に沿ってより小さな寸法で設計する必要がある場合がある。それによって透過部分光ビーム96T、99Tが、ミラー114の上側部分で再度反射されないことを保証する。
図6から図17に示す実施形態は、特にEUV照明システムにも適している。EUVビームスプリッタは、入射ビームを少なくとも異なる方向に沿って回折する反射回折要素として実現することができる。例えば、そのような回折要素は、0、+1、及び−1以外の全ての回折次数が抑制されるように設計することができる。
図18は、第4の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を通した子午断面図である。この場合、ビーム増倍器ユニット57は、中間瞳表面120と、中間瞳表面120とその後のシステム瞳表面70との間に結像関係を確立する対物器械122とを含む。中間瞳表面120は、アレイ46のミラーMijによって直接照らされるか、又はミラーMijから反射される光ビームの角度を中間瞳表面120内の位置へと変換するために、破線で示している更に別の集光器124が用いられるかのいずれかである。
作動中に、アレイ46のミラーMijは、反射光ビーム96が、任意的な集光レンズ124上に衝突し、中間瞳表面120の下側半分においてスポットを生成するように傾斜される。光ビーム96によって中間瞳表面120に生成される例示的放射照度分布を図19に示す。光ビーム96は、中間瞳表面120を通過する時には非偏光であると仮定する。この仮定が満たされない場合には、付加的な偏光解消器を偏光依存ビームスプリッタ130の前側のビーム経路内のどこかに配置することができる。
従って、ビーム増倍器ユニット57は、中間瞳表面120の一方の半分において生成された放射照度分布の点対称像を他方の半分に追加し、次に、この結合された放射照度分布をシステム瞳表面70上に結像する。この像は、第2のレンズ128の焦点距離f2が第1のレンズ126の焦点距離f1よりも大きい場合に拡大される。
従って、上述のビーム増倍器ユニット57によって生成される効果は、図4に示している第1の実施形態とは異なり、これは、第1の実施形態ではビーム増倍器ユニット57によって追加される放射照度分布は鏡面対称であるのに対して、図18に示している第4の実施形態のビーム増倍器ユニット57が点対称な放射照度分布を追加するからである。
別の利点は、ビーム増倍器ユニット57が、個々の光ビームだけではなく、実際に中間瞳表面120に生成される放射照度分布を増倍する点である。従って、この実施形態のビーム増倍器ユニット57を用いると、上述の実施形態の殆どの場合と同様に、ミラーアレイ46及びその制御ユニット50のいかなる再設計も必要とされない。
図21は、第5の実施形態によるビーム増倍器ユニット57を通した子午断面図である。この場合、ビーム増倍器ユニット57は、図示の実施形態では、図22の上面図に示しているように規則的なパターンで配置された4つのプレート140a、140b、140c、140dを含む偏光ビームスプリッタを含む。プレート140a〜140dは、これらのプレートの側面において継ぎ目なく接合することができ、又は図21及び図22に示しているように小さい間隙によって離間させることができる。
システム瞳表面70にわたって均一な偏光状態を有する光を生成するために、付加的な偏光操作手段、例えば、4分の1波長板を用いることができる。
上述の全ての実施形態では、露光処理中に光ビームによってシステム瞳表面に生成されるスポットの数は、アレイ46のミラーMijの数よりも大きい。これは、マスク16が感光表面22上に結像される露光処理中のあらゆる所定の時点に当て嵌まる。
しかし、露光処理を成功させるために、マスク16上の任意の点を全ての望ましい方向から同時に照明する必要はない。同時照明の代わりに、露光処理の完了の後に、マスク16上の各点が全ての望ましい方向からの投影光で照らされていることで十分である。言い換えれば、システム瞳表面70に生成されるスポットの増倍は、時間的順番で、すなわち、時間領域で発生させることができる。
これをそれぞれ第1の時間間隔及びそれに続く第2の時間間隔中に維持されるシステム瞳表面70内の例示的部分放射照度分布を示している図23a及び図23bに例示している。各部分放射照度分布は、マスク16の照明視野14上に衝突する光線の特定の角度分布に対応する。
以下では、最初に投影露光装置10がウェーハステッパ型のものであると仮定する。従って、露光処理中に、マスク16と感光表面22は、全露光時間Tにわたって定常状態に留まる。例えば、システム瞳表面70において、図23aに示している部分放射照度分布が生成される時間間隔と図23bに示している部分放射照度分布が生成される時間間隔とが等しい長さT/2を有する場合には、マスク16上の全ての点は、図23aに示している部分放射照度分布に対応する角度分布で長さT/2の時間間隔にわたって照らされ、図23bに示している部分放射照度分布に対応する角度分布で等しい長さT/2の連続する時間間隔にわたって照らされることになる。この効果を説明する別の方法は、システム瞳表面70が、一回の進行では充たされず、それに続いて望ましいターゲット合計放射照度分布によって充たされると説明することである。
スキャナ型の投影露光装置では、システム瞳表面70を全露光処理中に完全に充たすだけでは十分ではなく、マスク上の各点が投影光で照らされる露光時間間隔(より短い)中に完全に充たさなければならない。これらの露光時間間隔がマスク上の全ての点に対して等しいが、マスク上の点が走査方向に沿って離間されている場合には、異なる開始(従って、同じく終了)時間を有する。この理由から、システム瞳表面70に生成される部分放射照度分布のシーケンスを全露光処理が終了するまで繰り返さなければならない。
一部の照明システムは、マスク上の点が、この点に関連付けられた露光時間間隔ΔTの開始及び終了時に低い放射照度で照らされるように設計される。この設計は、例えば、US2006/0244941A1に説明されているように、縦方向に沿って透過率勾配を有する複数の可動ブレードを有する視野絞り82を用いることによって達成することができる。
第2の点上の放射照度の時間依存性を示している図25の下側部分で明瞭に分るように、システム瞳表面70内の特定の部分放射照度分布に関連付けられた光パルスの数は異なる。しかし、光パルスの数だけではなく、放射照度も考慮に入れると、露光時間間隔ΔT中にマスク上の点上に衝突する合計放射照度は、システム瞳表面70内の各放射照度分布において同じであることが分る。
当然ながら、この概念は、システム瞳表面70内で連続して生成される2つの部分放射照度分布だけに限定されない。
図26a〜26dは、露光処理中にシステム瞳表面70内で連続して生成される4つの異なる部分放射照度分布P1〜P4を示している。各期間P中に、極P1〜P4のうちの1つが、システム瞳表面70に生成される。図26dに例示しているように、4つの期間Pの後には、マスク16上の各点は、4つの極P1〜P4に関連付けられた方向からの光で有効に照らされて終わっている。露光時間間隔ΔTは、4Pに等しいか又はそれよりも長くなくてはならない。
以下の番号付き文章項目は、本発明の多くの態様を要約しており、そのうちの一部は、特許請求の範囲にも含まれるものである。本出願人は、これらの文章項目によって含まれる主題のいずれにも特許請求を行う権利を保有する。
1.a)各ビーム偏向要素(Mij)が入射光ビームをある一定の偏向角で偏向するようになった、反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、b)システム瞳表面(70)と、c)システム瞳表面(70)内の光ビーム(96T、96R;98T、98R;96TT、96TR、96RT、96RR;98T、98R、99T、99R)の数が、上記ビーム偏向アレイから出射する光ビーム(96、98、99)の数よりも大きくなるように、ビーム偏向アレイ(46)とシステム瞳表面の間に配置されたビーム増倍器ユニット(57)とを含む、マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システム。
2.ビーム増倍器ユニットがビームスプリッタ(88)を含むことを特徴とする文章項目1の照明システム。
3.ビームスプリッタ(88)がビーム分割表面(92)を含むことを特徴とする文章項目2の照明システム。
4.ビーム分割表面(92)が約1の透過率/反射率比を有することを特徴とする文章項目3の照明システム。
5.ビーム分割表面(92)が、支持体上に付加されたビーム分割コーティングによって形成されることを特徴とする文章項目3又は文章項目4の照明システム。
6.ビーム分割表面(92)が平面であり、照明システムの光軸(OA)に対して平行に延びることを特徴とする文章項目3から文章項目5のいずれかの照明システム。
7.ビーム分割表面が、光軸(OA)に沿って変化する透過率対反射率の比を有することを特徴とする文章項目6の照明システム。
8.ビーム分割表面を移動するためのアクチュエータ(106、108、110;112)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目7のいずれかの照明システム。
9.アクチュエータ(112)がビーム分割表面を回転するように構成されることを特徴とする文章項目8の照明システム。
10.アクチュエータ(106、108、110;112)がビーム分割表面を光伝播経路から完全に除去することができることを特徴とする文章項目8又は文章項目9の照明システム。
11.ビーム増倍器ユニット(57)が、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目10のいずれかの照明システム。
12.少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)が照明システムの光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする文章項目11の照明システム。
13.ビーム増倍器ユニット(57)が、ビーム分割表面(88)に対して少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された平面ミラー(114)を含むことを特徴とする文章項目3から文章項目12のいずれかの照明システム。
14.ビーム分割表面(88)及びミラー(114)が、該照明システムの光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする照明システム。
15.ビーム偏向アレイ(46)が光軸(OA)を中心とすることを特徴とする文章項目14の文章項目13の照明システム。
16.光軸(OA)が、ビーム偏向アレイを互いに対して傾斜した方式で配置された少なくとも2つのサブアレイ(46a〜46d)に分割することを特徴とする文章項目15の照明システム。
17.ビーム増倍器ユニット(57)が、各光ビームが最初に平面ミラー(114)上に衝突し、次にビーム分割表面(88)上に衝突するか、又は最初にビーム分割表面(88)上に衝突し、次に平面ミラー(114)上に衝突するように構成されることを特徴とする文章項目13から文章項目16のいずれかの照明システム。
18.ビーム偏向アレイ(46)が、ビーム増倍器ユニット(57)が不在の場合に第1の放射照度分布をシステム瞳表面(70)に生成し、かつビーム増倍器ユニット(57)は、第1の放射照度分布に関して鏡面対称、点対称、又はn重対称である第2の放射照度分布をシステム瞳表面(70)に生成するように構成されることを特徴とする文章項目1から文章項目17のいずれかの照明システム。
19.ビーム偏向アレイ(46)とビーム増倍器ユニット(57)の間に配置された中間瞳表面(120)を含み、ビーム増倍器ユニットが、a)中間瞳表面(120)とシステム瞳表面(70)の間に結像関係を確立する結像システム(122)を含み、かつb)ビーム偏向アレイ(46)によって中間瞳表面(120)の一部分に生成される放射照度分布の増倍された像を生成するように構成されることを特徴とする文章項目1の照明システム。
20.結像システムがテレセントリック対物器械(122)であることを特徴とする文章項目19の照明システム。
21.ビーム増倍器ユニット(57)が、中間瞳表面(120)の別の部分に配置されたミラー(132)を含み、ビーム増倍器ユニットが、放射照度分布の像をミラー(132)上に生成するように構成されることを特徴とする文章項目19又は文章項目20の照明システム。
22.ビーム増倍器(57)ユニットが、結像システム(122)に配置された偏光依存ビームスプリッタ(130)を含むことを特徴とする文章項目21の照明システム。
23.対物器械(122)が、偏光依存ビームスプリッタ(130)が配置された開口平面(129)を有することを特徴とする文章項目20及び文章項目22の照明システム。
24.ビーム増倍器ユニット(57)が、偏光依存ビームスプリッタ(130)から反射される光がミラー(132)上に衝突するように構成されることを特徴とする文章項目21から文章項目23のいずれかの照明システム。
25.ビーム増倍器ユニットが、ミラー(132)から反射される光の偏光状態をこの光が偏光依存ビームスプリッタ(130)上に再度入射する前に変更する偏光ユニット(134)を含むことを特徴とする文章項目21の照明システム。
26.ビーム偏向要素が、少なくとも1つの傾斜軸(56y、56x)の回りに傾斜することができるミラー(Mij)であることを特徴とする文章項目1から文章項目25のいずれかの照明システム。
27.a)i)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、ii)放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されるシステム瞳表面(70)とを含む照明システム(12)を準備する段階と、b)システム瞳表面(70)に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域が、マスクが感光表面上に結像される露光処理の2つの連続する光パルスの間に変化するようにビーム偏向要素が制御される、光パルスを用いてマスク(16)を照明する段階と、c)マスク(16)を感光表面(22)上に結像する段階とを含む、投影露光装置を作動させる。
28.ターゲット放射照度分布が、異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割され、かつビーム偏向要素は、全ての部分放射照度分布がシステム瞳表面(70)に連続して生成されるように制御されることを特徴とする文章項目27の方法。
29.マスク(16)及び感光表面(22)が、露光処理中に、走査方向に沿って離間されたマスク(16)上の2つの点が異なる開始時間を有する露光時間間隔(ΔT)中に照らされるように移動され、かつマスク(16)上の任意の点に対して、全ての部分放射照度分布が、この任意の点に関連付けられた露光時間間隔中にシステム瞳表面(70)に生成されることを特徴とする文章項目27又は文章項目28の方法。
30.部分放射照度分布がシステム瞳平面に生成される時間間隔(P)が全て等しいことを特徴とする文章項目28又は文章項目29の方法。
31.部分放射照度分布に関連付けられた照明区域が、ある一定のセグメント、特に、システム瞳表面の半円又は四分円に限定されることを特徴とする文章項目28から文章項目30のいずれかの方法。
32.部分放射照度分布は交互並置されることを特徴とする文章項目28から文章項目30のいずれかの方法。
33.光パルスを用いてマスク(16)を照明するように構成され、かつa)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)と、b)放射照度分布がビーム偏向アレイによって生成されるシステム瞳表面(70)と、c)システム瞳表面(70)に生成される放射照度分布に関連付けられた照明区域が、マスク(16)が感光表面(22)上に結像される露光処理の2つの連続する光パルス(LPn、LPn+1)の間で変化するようにビーム偏向要素を制御するように構成された制御ユニット(50)とを含む、マイクロリソグラフィ投影露光装置の照明システム。
34.制御ユニットが、ターゲット放射照度分布を異なる照明区域が関連付けられた複数の部分放射照度分布に分割するように構成され、かつ制御ユニット(50)が、全ての部分放射照度分布がシステム瞳表面(70)内で連続して得られるようにビーム偏向要素(Mij)を制御するように構成されることを特徴とする文章項目31の照明システム。
35.a)各ビーム偏向要素(Mij)が制御信号に応答して変更可能な偏向角で入射光ビームを偏向するようになった多数の反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)を含むビーム偏向アレイ(46)と、b)ビーム偏向要素から反射される光ビームがスポットを照明するシステム瞳表面(70)とを含み、マスクが感光表面上に結像される露光処理中に、システム瞳表面(70)内で照らされるスポットの数がビーム偏向要素(Mij)の数よりも大きい、マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システム。
57 ビーム増倍器ユニット
70 システム瞳表面
Mij ビーム偏向要素、ミラー
Claims (15)
- マイクロリソグラフィ投影露光装置(10)の照明システムであって、
a)各ビーム偏向要素(Mij)が入射光ビームをある一定の偏向角で偏向するようになった反射又は透明ビーム偏向要素(Mij)から成るビーム偏向アレイ(46)、
b)システム瞳表面(70)、及び
c)前記システム瞳表面(70)における光ビーム(96T、96R;98T、98R;96TT、96TR、96RT、96RR;98T、98R、99T、99R)の数が、前記ビーム偏向アレイから出射する光ビーム(96、98、99)の数よりも大きくなるように、該ビーム偏向アレイ(46)と該システム瞳表面の間に配置されたビーム増倍器ユニット(57)、
を含むことを特徴とするシステム。 - 前記ビーム増倍器ユニットは、ビームスプリッタ(88)を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
- 前記ビームスプリッタ(88)は、ビーム分割表面(92)を含むことを特徴とする請求項2に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面(92)は、約1の透過率/反射率比を有することを特徴とする請求項3に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面(92)は、支持体上に付加されたビーム分割コーティングによって形成されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面(92)は、平面であり、かつ照明システムの光軸(OA)と平行に延びていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面は、前記光軸(OA)に沿って変化する透過率対反射率の比を有することを特徴とする請求項6に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面を移動するためのアクチュエータ(106、108、110;112)を含むことを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の照明システム。
- 前記アクチュエータ(112)は、前記ビーム分割表面を回転させるように構成されることを特徴とする請求項8に記載の照明システム。
- 前記アクチュエータ(106、108、110;112)は、前記ビーム分割表面を光伝播経路から完全に除去することができることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の照明システム。
- 前記ビーム増倍器ユニット(57)は、少なくとも実質的に90°に等しい角度で配置された少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)を含むことを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の照明システム。
- 前記少なくとも2つの平面ビーム分割表面(88、89、89a、89b)は、照明システムの前記光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする請求項11に記載の照明システム。
- 前記ビーム増倍器ユニット(57)は、少なくとも実質的に90°に等しい角度で前記ビーム分割表面(88)に対して配置された平面ミラー(114)を含むことを特徴とする請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の照明システム。
- 前記ビーム分割表面(88)及び前記ミラー(114)は、照明システムの前記光軸(OA)で交差する平面に配置されることを特徴とする請求項13に記載の照明システム。
- 前記ビーム偏向アレイ(46)は、前記光軸(OA)に中心があることを特徴とする請求項14に記載の照明システム。
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