JP2010147260A - 回路モジュール及びその密封方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】密封が必要な特定の部品のみをポッティング剤によって密封することによってポッティング剤の使用量を減らし、コストダウンと軽量化を図ることができる回路モジュールの密封方法を提供すること。
【解決手段】部品が実装された回路基板3をケース4内に収容して成る回路モジュール1の前記部品をポッティング剤によって密封する方法として、前記ケース4内の底部に固設された内壁5内にポッティング剤6を充填し、該ポッティング剤6中に前記回路基板3の特定の部品であるコイル2が浸漬するよう回路基板3を前記ケース4内に収容した後、前記ポッティング剤6を硬化させて前記回路基板3の特定の部品であるコイル2のみを密封する。
【選択図】図1
【解決手段】部品が実装された回路基板3をケース4内に収容して成る回路モジュール1の前記部品をポッティング剤によって密封する方法として、前記ケース4内の底部に固設された内壁5内にポッティング剤6を充填し、該ポッティング剤6中に前記回路基板3の特定の部品であるコイル2が浸漬するよう回路基板3を前記ケース4内に収容した後、前記ポッティング剤6を硬化させて前記回路基板3の特定の部品であるコイル2のみを密封する。
【選択図】図1
Description
本発明は、素子やコイル等の部品が実装された回路基板をケース内に収容して成る回路モジュール及びその密封方法に関するものである。
素子やコイル等の部品が実装された回路基板をケース内に収容して成る回路モジュールにおいては、絶縁対策、放熱対策、防振対策、防水・防湿対策等のために回路基板上の部品が密封されているが、その密封方法の一例を図5(a),(b)に示す(特許文献1参照)。
即ち、図5(a),(b)は回路モジュール101の従来の密封方法をその工程順に示す断面図であり、図示の方法では、複数の素子111やコネクタ112が実装された回路基板103が図5(a)に示すようにケース104内に上方から収容される。次に、図5(b)に示すように、ケース104内にウレタンゴム等のポッティング剤(充填剤)106を注入し、ケース104内に充填されたポッティング剤106を自然硬化又は熱硬化させ、該ポッティング剤106に浸漬された素子111やコネクタ112をポッティング剤106によって密封することが行われている。
又、特許文献2には、回路モジュールの素子が実装された回路基板上に枠体を取着し、各素子を取り囲む隔離壁を前記枠体内に設け、枠体内に注入されるポッティング剤(樹脂充填材)によって各素子を密封する方法が提案されている。
特開2007−311706号公報
特開平11−345916号公報
しかしながら、図5(a),(b)に示す従来の密封方法では、回路モジュール101の使用環境条件(回路の発熱)が厳しくない場合であっても、振動防止のためにケース104内の全体にポッティング剤106を充填し、このポッティング剤106によって全ての素子111とコネクタ112を密封するようにしているため、多量のポッティング剤106を要し、コストアップを招くとともに、ポッティング剤106によって回路モジュール101全体の重量が増加するという問題がある。
ところで、近年、回路基板においては、有鉛半田から鉛フリー半田への移行が進んでおり、鉛フリー半田を使用した回路基板に実装された部品の密封をポッティング剤の充填によって行う場合には、密封された鉛フリー半田からウィスカが発生する可能性が指摘されており、狭ピッチの半田付け箇所を有する回路基板の密封をポッティング剤によって行う場合には十分な検証が必要である。
尚、特許文献2において提案された密封方法は、回路基板上に枠体を取着するものであって、回路基板をケース内に収容して成る回路モジュールを適用対象とするものではない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、密封が必要な特定の部品のみをポッティング剤によって密封することによってポッティング剤の使用量を減らし、コストダウンと軽量化を図ることができる回路モジュール及びその密封方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、部品が実装された回路基板をケース内に収容し、該回路基板の前記部品をポッティング剤によって密封して成る回路モジュールにおいて、前記回路基板の特定の部品を包囲する内壁を前記ケース内の底部に固設し、該内壁内に充填されたポッティング剤によって回路基板の特定の部品を密封したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記内壁の上部開口端周縁に切欠きを形成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記内壁を前記ケースに一体に形成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記内壁よりも高さが低く且つ該内壁を包囲する第2の内壁を前記ケース内の底部に固設したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、部品が実装された回路基板をケース内に収容して成る回路モジュールの前記部品をポッティング剤によって密封する方法として、前記ケース内の底部に固設された内壁内にポッティング剤を充填し、該ポッティング剤中に前記回路基板の特定の部品が浸漬するよう回路基板を前記ケース内に収容した後、前記ポッティング剤を硬化させて前記回路基板の特定の部品のみを密封することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記内壁の上部開口端周縁に切欠きを形成し、内壁内に充填されたポッティング剤の一部が前記切欠きから前記内壁外へ溢れ出るようにしたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の発明において、前記ポッティング剤を前記ケースに一体に形成された内壁内に充填することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5〜7の何れかに記載の発明において、前記内壁から溢れ出たポッティング剤を内壁の周囲に配された第2の内壁によって堰止めるようにしたことを特徴とする。
請求項1及び5記載の発明によれば、回路基板の特定の部品を包囲する内壁内にポッティング剤を充填し、このポッティング剤を硬化させて特定の部品のみを密封するようにしたため、ケース内の全体にポッティング剤を充填する従来の方法に対してポッティング剤の使用量が少なくて済み、その分だけコストダウンと軽量化を図ることができる。
又、特定の部品のみを密封可能とすることによって、振動対策を特に配慮する必要のある機器を製作する場合において、重量部品であるコイル等のみを密封して固定することによって、少量のポッティング剤の使用で振動対策とすることができる。更に、発熱部品であるコイルや電解コンデンサ等をポッティング剤によって密封することによって、コイルや電解コンデンサ等の発熱部品は、機器内部の空気と接する場合と比べ、ポッティング剤と接することによる熱伝導により放熱性を高めることができる。そして、コイル等の重量部品のみをポッティング剤によって密封すれば、狭ピッチ部品の半田付け部分は密封しなくて済むため、その部分にウィスカが発生して短絡等の問題が引き起こされることもなくなる。
請求項2及び6記載の発明によれば、内壁の上部開口端周縁に切欠きを形成し、内壁内に充填されたポッティング剤の一部が切欠きから内壁外へ溢れ出るようにしたため、ポッティング剤の回路基板上での設置面積が広がり、その接着強度が高められる。
請求項3記載7記載の発明によれば、内壁をケースに一体に形成したため、内壁とケースとの接続部のシールが不要となり、内壁内に充填されたポッティング剤の漏れを確実に防ぐことができる。尚、内壁をケースに一体に形成する方法としては、両者を樹脂にて一体成形したり、アルミダイキャストによって一体成形する方法等が考えられる。
請求項4及び8記載の発明によれば、内壁から溢れ出たポッティング剤を内壁の周囲に配された第2の内壁によって堰止めるようにしたため、内壁から溢れ出るポッティング剤が広がる範囲を規定し、ポッティング剤の広がりによる不具合の発生を防ぐことができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1(a)〜(c)は本発明の実施の形態1に係る回路モジュールの密封方法をその工程順に示す断面図、図2は同回路モジュールの内壁部の斜視図である。
図1(a)〜(c)は本発明の実施の形態1に係る回路モジュールの密封方法をその工程順に示す断面図、図2は同回路モジュールの内壁部の斜視図である。
本実施の形態に係る回路モジュール1は、図1(c)に示すように、重量部品であるコイル2や不図示の素子やコネクタ等の部品が実装された回路基板3をケース4内に収容して構成されるが、ケース4内の底部には、回路基板3の特定の部品であるコイル2を包囲する内壁5が固設され、コイル2は、内壁5内に充填されたポッティング剤6によって密封されている。
ここで、上記ケース4は上面が開口する容器であって、その底部には、図2に示すような円筒状の内壁5が一体に形成されており、該内壁5のサイズはコイル2よりも一回り大きく設定され、その上面は開口している。尚、本実施の形態では、ケース4と内壁5とを樹脂にて一体成形したが、両者をアルミダイキャスト等によって一体成形しても良い。又、内壁5内に充填されるポッティング剤6としては、ポリウレタン樹脂やシリコン樹脂、ウレタンゴム等が好適に使用される。
次に、上記のように構成された回路モジュール1の密封方法を図1(a)〜(c)に従って説明する。
先ず、図1(a)に示すようにケース4内の底部に固設された内壁5内にポッティング剤6を充填した後、図1(b)に示すように回路基板3をコイル2を下にしてケース4の上面開口部4aからケース4内に落とし込んで図1(c)に示すようにコイル2を内壁5内のポッティング剤6中に浸漬させる。そして、その状態を放置してポッティング剤6を自然硬化させ、或いはポッティング剤6を所定温度に加熱して熱硬化させる(ポッティング剤6が熱硬化性樹脂である場合)。すると、回路基板3の特定の部品であるコイル2のみがポッティング剤6によって密封され、図1(c)に示す回路モジュール1が得られる。
以上のように、本実施の形態においては、回路基板3の特定の部品であるコイル2を包囲する内壁5内にポッティング剤6を充填し、このポッティング剤6を硬化させてコイル2のみを密封するようにしたため、ケース4内の全体にポッティング剤6を充填する従来の方法(図5参照)に対してポッティング剤6の使用量が少なくて済み、その分だけコストダウンと軽量化を図ることができる。
又、振動対策が必要な機器の製作において重量部品であるコイル2のみを密封することによって該コイル2の振動を抑制することができ、同時に重量部品の振動により回路基板3に撓みや歪みが繰り返し生じることを防止することができる。又、発熱部品であるコイル2や不図示の電解コンデンサ等をポッティング剤6によって密封することによって該コイル2等のポッティング剤6への熱伝導による放熱性を高め、その温度上昇を抑えることができる。そして、重量部品であるコイル2のみをポッティング剤6によって密封すれば、回路基板3上の狭ピッチの半田付け部分は密封しなくて済むため、その部分にウィスカが発生して短絡等の問題が引き起こされることもなくなる。
更に、本実施の形態では、内壁5をケース4に一体に形成したため、内壁5とケース4との接続部のシールが不要となり、内壁5内に充填されたポッティング剤6の漏れを確実に防ぐことができるとともに、内壁5とケース4の製作が容易化して製作コストが低く抑えられるという効果も得られる。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図3(a)〜(d)及び図4に基づいて説明する。
次に、本発明の実施の形態2を図3(a)〜(d)及び図4に基づいて説明する。
図3(a)〜(c)は本発明の実施の形態2に係る回路モジュールの密封方法をその工程順に示す断面図、図4は同回路モジュールの内壁部の斜視図であり、これらの図においては図1及び図2において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
本実施の形態に係る回路モジュール1’は、図3(c)に示すように、円筒状の内壁5の上部開口端周縁に所定深さの矩形状の切欠き5aを複数形成し、この内壁5の周囲を、該内壁5よりも高さが低いリング状の第2の内壁7で包囲したことを特徴としており、他の構成は前記実施の形態1に係る回路モジュール1のそれと同じである。
而して、本実施の形態においても、回路基板3の特定の部品であるコイル2がポッティグ剤6によって密封されるが、この密封に際しては図3(a)に示すようにケース4内の底部に固設された内壁5内にポッティング剤6を充填した後、図3(b)に示すように回路基板3をコイル2を下にしてケース4の上面開口部4aからケース4内に落とし込んで図3(c)に示すようにコイル2を内壁5内のポッティング剤6中に浸漬させる。この場合、内壁5内の過剰なポッティング剤6が内壁上部周縁に形成された複数の切欠き5aから漏れ出して回路基板3上に堆積するが、内壁5の外側はリング状の第2の内壁7によって包囲されているため、内壁5の外へ漏れ出たポッティング剤6は、第2の内壁7の外へ流出することがない。
そして、上記状態を放置してポッティング剤6を自然硬化させ、或いはポッティング剤6を所定温度に加熱して熱硬化させる(ポッティング剤6が熱硬化性樹脂である場合)と、回路基板3の特定の部品であるコイル2のみがポッティング剤6によって密封され、図3(c)に示す回路モジュール1’が得られる。
以上のように、本実施の形態においても、回路基板3の特定の部品であるコイル2のみをポッティング剤6によって密封するようにしたため、前記実施の形態1と同様の効果が得られるが、本実施の形態では、内壁5の上部開口端周縁に切欠き5aを形成し、内壁5内に充填されたポッティング剤6の一部が切欠き5aから内壁5外へ溢れ出るようにしたため、ポッティング剤6の回路基板3上での設置面積が広がり、その接着強度が高められるという効果が得られる。そして、この場合、内壁5から溢れ出たポッティング剤6を内壁5の周囲に配された第2の内壁7によって堰止めるようにしたため、内壁5から溢れ出るポッティング剤6が広がる範囲を規定し、ポッティング剤6の広がりによる不具合の発生を防ぐことができる。
尚、以上の実施の形態では回路基板の主にコイルを密封する例について説明したが、他の任意の部品を同様に密封することができる。又、実施の形態では円筒状の内壁を用いたが、内壁の形状は密封すべき部品の形状に合わせて任意のものを使用することができる。更に、実施の形態では自然硬化型又は熱硬化型のポッティング剤を用いたが、ポッティング剤の硬化形態はこれに限定されない。硬化開始剤を用いる2液性型や紫外線等の光によって硬化する光硬化型等、開始時に液状であって硬化する材料であればその硬化形態は問わない。
本発明は、車両用前照灯、フォグランプ、DRLランプ、車載用LEDランプ等の各種LED照明器具、電源装置全般に備えられる回路モジュールとその密封方法に対して適用可能である。
1,1’ 回路モジュール
2 コイル(特定の部品)
3 回路基板
4 ケース
4a ケースの上面開口部
5 内壁
5a 内壁の切欠き
6 ポッティング剤
7 第2の内壁
2 コイル(特定の部品)
3 回路基板
4 ケース
4a ケースの上面開口部
5 内壁
5a 内壁の切欠き
6 ポッティング剤
7 第2の内壁
Claims (8)
- 部品が実装された回路基板をケース内に収容し、該回路基板の前記部品をポッティング剤によって密封して成る回路モジュールにおいて、
前記回路基板の特定の部品を包囲する内壁を前記ケース内の底部に固設し、該内壁内に充填されたポッティング剤によって回路基板の特定の部品を密封したことを特徴とする回路モジュール。 - 前記内壁の上部開口端周縁に切欠きを形成したことを特徴とする請求項1記載の回路モジュール。
- 前記内壁を前記ケースに一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の回路モジュール。
- 前記内壁よりも高さが低く且つ該内壁を包囲する第2の内壁を前記ケース内の底部に固設したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の回路モジュール。
- 部品が実装された回路基板をケース内に収容して成る回路モジュールの前記部品をポッティング剤によって密封する方法であって、
前記ケース内の底部に固設された内壁内にポッティング剤を充填し、該ポッティング剤中に前記回路基板の特定の部品が浸漬するよう回路基板を前記ケース内に収容した後、前記ポッティング剤を硬化させて前記回路基板の特定の部品のみを密封することを特徴とする回路モジュールの密封方法。 - 前記内壁の上部開口端周縁に切欠きを形成し、内壁内に充填されたポッティング剤の一部が前記切欠きから前記内壁外へ溢れ出るようにしたことを特徴とする請求項5記載の回路モジュールの密封方法。
- 前記ポッティング剤を前記ケースに一体に形成された内壁内に充填することを特徴とする請求項5又は6記載の回路モジュール。
- 前記内壁から溢れ出たポッティング剤を内壁の周囲に配された第2の内壁によって堰止めるようにしたことを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の回路モジュールの密封方法。
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2008
- 2008-12-19 JP JP2008323035A patent/JP2010147260A/ja active Pending
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