JP2010016256A - 異物検出方法、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異物を良好に検出できる異物検出方法を提供する。
【解決手段】異物検出方法、物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、少なくとも一部に液浸領域が形成される空間の外側に配置された複数の検出点と物体とを相対的に移動することによって、物体表面の複数の検出領域のそれぞれで物体表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行することと、複数の検出領域のそれぞれについて、複数の検出値を統計演算することと、演算結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを、複数の検出領域のそれぞれで判断することと、を含む。
【選択図】図6
【解決手段】異物検出方法、物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、少なくとも一部に液浸領域が形成される空間の外側に配置された複数の検出点と物体とを相対的に移動することによって、物体表面の複数の検出領域のそれぞれで物体表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行することと、複数の検出領域のそれぞれについて、複数の検出値を統計演算することと、演算結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを、複数の検出領域のそれぞれで判断することと、を含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、異物検出方法、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば特許文献1に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2006/0257553号明細書
例えば基板表面に異物が存在した状態でその基板を露光してしまうと、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる可能性がある。このような欠陥が最終的なデバイスとなってから不良品として発見される場合、デバイス生産性の低下を招く可能性がある。デバイス生産性の低下を抑制するための処置を講ずるために、基板表面の異物を良好に検出することが有効である。
本発明の態様は、異物を良好に検出できる異物検出方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できる露光方法、及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、少なくとも一部に液浸領域が形成される空間の外側に配置された複数の検出点と物体とを相対的に移動することによって、物体表面の複数の検出領域のそれぞれで物体表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行することと、複数の検出領域のそれぞれについて、複数の検出値を統計演算することと、演算結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを、複数の検出領域のそれぞれで判断することと、を含む異物検出方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、液浸領域の液体を介して基板に露光光を照射して基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部と並行して、第1の態様の異物検出方法を実行することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第2の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、異物を良好に検出でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測する干渉計システム3と、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置情報を検出する検出システム(フォーカス・レベリング検出システム)4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6とを備えている。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。
照明系ILは、所定の照明領域IRを均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部1Hを有する。マスクステージ1は、マスク保持部1HでマスクMを保持して、照明領域IRを含むベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。マスクステージ1は、リニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システム9の作動により、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部2Hを有する。基板保持部2Hは、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。また、基板ステージ2は、基板保持部2Hの周囲に配置された上面2Tを有する。基板ステージ2の上面2Tは、平坦で、XY平面とほぼ平行である。基板保持部2Hに保持された基板Pの表面と基板ステージ2の上面2Tとは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。基板ステージ2は、基板保持部2Hで基板Pを保持して、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。基板ステージ2は、リニアモータ等のアクチュエータを含む駆動システム11の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
干渉計システム3は、マスクステージ1の位置情報、及び基板ステージ2の位置情報を計測する。干渉計システム3は、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いてマスクステージ1の位置情報を計測するレーザ干渉計3Aと、基板ステージ2に配置された計測ミラー2Rを用いて基板ステージ2の位置情報を計測するレーザ干渉計3Bとを有する。本実施形態において、干渉計システム3は、レーザ干渉計3A,3Bを用いて、X軸、Y軸、及びθZ方向に関するマスクステージ1(マスクM)の位置情報、及び基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測可能である。
検出システム4は、基板ステージ2に保持された基板Pの表面の位置情報を検出する。検出システム4は、投影光学系PLの光軸AX(投影領域PR)に対して+Y側に配置された第1検出装置4Aと、−Y側に配置された第2検出装置4Bとを有する。第1,第2検出装置4A,4Bのそれぞれは、基板Pの表面に検出光Laを照射して、基板Pの表面の位置情報を検出する。本実施形態において、検出システム4は、第1,第2検出装置4A,4Bを用いて、Z軸、θX、及びθY方向に関する基板Pの表面の位置情報を検出可能である。
第1検出装置4Aは、検出光Laを射出する投射部41と、検出光Laを受光可能な受光部42とを有する。基板P(基板ステージ2)は、投射部41から射出される検出光Laの照射位置Kに移動可能である。以下の説明において、検出光Laの照射位置Kを適宜、検出点K、と称する。
本実施形態の検出システム4は、例えば米国特許第5448332号明細書、米国特許第6327025号明細書等に開示されているような、所謂、斜入射方式の多点フォーカス・レベリング検出システムである。投射部41は、検出光Laを基板Pの表面に対して傾斜方向から照射する。投射部41によって基板Pの表面に照射され、その基板Pの表面で反射した検出光Laは、受光部42に到達可能である。受光部42は、基板Pからの検出光Laを受光可能である。
本実施形態において、投射部41は、X軸方向に複数設けられている。本実施形態において、投射部41から投射される複数の検出光Laの基板Pの表面に対する入射角度は、それぞれ同じ角度に設定されている。受光部42は、投射部41に応じて複数配置されている。第1検出装置4Aは、複数の投射部41より検出光Laを同時に射出可能である。基板Pの表面には、第1検出装置4Aの検出点KがX軸方向に関して複数設けられる。第1検出装置4Aは、基板Pの表面の高さ方向(Z軸方向)の位置を、複数の検出点Kのそれぞれで検出可能である。
第1検出装置4Aと同様、第2検出装置4Bは、検出光Laを照射する投射部41と、検出光Laを受光可能な受光部42とを有する。第1検出装置4Aの構成と第2検出装置4Bの構成とはほぼ同様である。第2検出装置4Bについての説明は省略する。
本実施形態において、検出システム4は、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面の位置情報のみならず、基板ステージ2の上面2T等、検出点Kに配置される物体の表面の位置情報を検出可能である。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、干渉計システム3の計測結果、及び検出システム4の検出結果に基づいて、駆動システム9、11を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材5は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12の近傍に配置される。液浸部材5は、環状の部材である。液浸部材5は、露光光ELの光路の周囲に配置される。終端光学素子12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面13を有する。本実施形態において、液浸部材5は、終端光学素子12から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。
本実施形態において、液浸部材5は、終端光学素子12と、射出面13から射出される露光光ELの照射位置(投影領域PR)に配置された物体との間の露光光ELの光路を含む所定空間が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、検出システム4の検出点Kに配置可能な物体を含み、基板ステージ2、及びその基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。
基板Pの露光時、終端光学素子12の射出面13から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、一方側の終端光学素子12及び液浸部材5と他方側の基板Pとの間に液体LQが保持され、液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。換言すれば、基板Pと接触する液浸空間LS(液浸領域)のXY平面内における大きさは、投影領域PRよりも大きく、且つ基板Pよりも小さい。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用し、基板P上に液体LQで局所的に液浸領域を形成する。本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面(メニスカス、エッジ)の少なくとも一部は、液浸部材5の下面14と基板Pの表面との間に形成される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置6は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
図2は、図1の一部を拡大した側断面図である。図2に示すように、液浸部材5は、液体LQを供給する供給口15と、液体LQを回収する回収口16とを備えている。供給口15は、流路17を介して、液体供給装置18と接続されている。流路17は、液浸部材5の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置18とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置18から送出された液体LQは、流路17を介して供給口15に供給される。供給口15は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように液浸部材5の所定位置に配置されている。供給口15は、液体供給装置18からの液体LQを露光光ELの光路に供給する。
回収口16は、流路19を介して、液体回収装置20と接続されている。流路19は、液浸部材5の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と液体回収装置20とを接続する回収管で形成される流路を含む。液体回収装置20は、真空システムを含み、液体LQを吸引して回収可能である。回収口16は、液浸部材5と対向する基板P(物体)上の液体LQを回収可能である。回収口16は、基板Pの表面と対向するように液浸部材5の下面14に配置されている。回収口16から回収された液体LQは、流路19を介して、液体回収装置20に回収される。
制御装置6は、供給口15を用いる液体LQの供給動作と並行して、回収口16を用いる液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材5と他方側の物体(基板P)との間に、液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
図3は、基板Pを保持した状態の基板ステージ2の一例を示す平面図である。図3に示すように、本実施形態においては、基板P上に露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置されている。例えば基板P上の第1ショット領域を露光するために、制御装置6は、終端光学素子12に対して、基板P(第1ショット領域)の表面をY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液体LQとを介して第1ショット領域を露光する。第1ショット領域の露光が終了した後、制御装置6は、次の第2ショット領域の露光を開始するために、液浸空間LSを形成した状態で、基板Pの表面をX軸方向(あるいはXY平面内においてX軸方向に対して傾斜する方向)に移動する動作(ステッピング動作)を実行し、第2ショット領域を露光開始位置に移動する。そして、制御装置6は、第2ショット領域の露光を開始する。制御装置6は、終端光学素子12に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光するスキャン露光動作と、そのショット領域の露光が終了した後、次のショット領域を露光開始位置に移動するためのステッピング動作とを繰り返しながら、基板P上の複数のショット領域Sを順次露光する。本実施形態においては、一例として、制御装置6は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、図3に示す矢印R1に沿って相対的に移動するように、駆動システム11を用いて基板ステージ2を移動しつつ、基板Pの複数のショット領域Sを順次露光する。
次に、検出システム4について説明する。上述のように、本実施形態の検出システム4は、基板保持部2Hに保持された基板Pの表面の位置情報のみならず、基板ステージ2の上面2T等の位置情報も検出可能である。以下、説明の簡単のため、検出システム4が、基板Pの表面の位置情報を検出する場合について主に説明する。
検出システム4の第1検出装置4Aは、X軸方向に配置された複数の投射部41を有する。X軸方向に関して基板Pの表面の複数の位置のそれぞれには、複数の投射部41からの検出光Laが照射される。図3に示すように、基板Pの表面には、第1検出装置4Aの検出点KがX軸方向に関して複数設けられる。同様に、基板Pの表面には、第2検出装置4Bの検出点KがX軸方向に関して複数設けられる。検出システム4は、基板Pの表面の高さ方向(Z軸方向)の位置を、複数の検出点Kのそれぞれで検出可能である。
以下の説明において、第1検出装置4Aの複数の検出点Kを総称して適宜、第1検出点群G1、と称し、第2検出装置4Bの複数の検出点Kを総称して適宜、第2検出点群G2、と称する。第1検出点群G1は、第1検出装置4Aの複数の投射部41から射出された検出光Laによる、X軸方向に配置された複数の検出点Kを含む。第2検出点群G2は、第2検出装置4Bの複数の投射部41から射出された検出光Laによる、X軸方向に配置された複数の検出点Kを含む。
複数の検出点Kは、液浸空間LSの外側に配置されている。本実施形態において、複数の検出点Kは、少なくとも一部に液浸領域(液浸空間LS)が形成される、液浸部材5と基板Pとの間の空間の外側に配置される。検出光Laは、液浸空間LSの液体LQを介さずに、基板Pに照射される。本実施形態において、第1検出点群G1は、液浸空間LSに対して+Y側に配置され、第2検出点群G2は、液浸空間LSに対して−Y側に配置される。
また、投影領域PRから第1検出点群G1まで距離と、投影領域PRから第2検出点群G2までの距離とは、ほぼ同じである。
なお、本実施形態においては、検出光Laは、その断面視における形状をスリット状(矩形状)に設定された所謂スリット光であるが、スリット光に限られず、例えばその断面視における形状を略円形状に設定された所謂スポット光でもよい。
次に、検出システム4による位置検出動作の一例について説明する。本実施形態においては、検出システム4による位置検出動作を実行するに際し、図4の模式図に示すように、基板Pの表面に複数の検出領域Hijが定められる。検出領域Hijは、基板P上にマトリクス状に複数定められる。検出システム4は、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向(Z軸方向)の位置を検出する。
図5は、第1検出点群G1と検出領域Hijとの関係の一例を示す模式図である。本実施形態において、第1検出点群G1は、X軸方向に配置された19個の検出点K(K1〜K19)を含む。X軸方向に関する検出点Kの間隔と、検出領域Hijの間隔とはほぼ同じである。複数の検出点K(K1〜K19)は、複数の検出領域Hijに同時に配置可能である。第1検出点群G1と同様、第2検出点群G2は、X軸方向に配置された19個の検出点K(K1〜K19)を含む。
検出システム4による位置検出動作を実行するために、制御装置6は、基板Pを保持した基板ステージ2をXY方向に移動して、複数の検出点Kに対して基板PをXY方向に移動する。制御装置6は、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれに検出点Kが配置されるように、検出点Kに対して基板PをXY方向に移動する。検出点Kに対して基板PをXY方向に移動することによって、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向(Z軸方向)の位置検出動作を実行する。
本実施形態においては、複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行される。制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得された複数の検出値Zijを統計演算する。検出値Zijは、各検出領域Hijにおける、基板Pの表面の高さ方向(Z軸方向)の位置に関する検出値である。
複数の検出領域Hijのうち、所定の検出領域H(ab)に関して位置検出動作を複数回実行することは、同一の検出点K(例えば第1検出点K1)がその検出領域H(ab)に複数回配置されるように基板Pを移動して位置検出動作をそれぞれ実行すること、及び第1の検出点K(例えば第5検出点K5)がある検出領域H(ab)に配置されるように基板Pを移動して位置検出動作を実行した後、第1の検出点Kと異なる第2の検出点K(例えば第10検出点K10)がその検出領域H(ab)に配置されるように基板Pを移動して位置検出動作を実行することの少なくとも一方を含む。
例えば、第1検出点K1に対して基板PをX軸方向に往復させることによって、第1検出点K1が所定の検出領域H(ab)に複数回配置される。これにより、その所定の検出領域H(ab)について、第1検出点K1を用いる位置検出動作が複数回実行され、複数の検出値Z(ab)が取得される。また、第1検出点群G1に対して基板PがY軸方向に移動することによって、例えば所定の検出領域H(ab)に第5検出点K5が配置されている状態から第10検出点K10が配置される状態に変化させることができる。これにより、その所定の検出領域H(ab)について、第5,第10検出点K5,K10のそれぞれを用いる検出動作が実行され、複数の検出値Z(ab)が取得される。
このように、本実施形態においては、制御装置6は、第1,第2検出点群G1,G2の複数の検出点K(K1〜K19)に対して基板PをXY方向に移動することによって、それら複数の検出点K(K1〜K19)を用いて、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、複数の検出値Zijを取得することができる。なお、複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得される検出値Zijの数が異なっていてもよい。例えば、第1の検出領域H(11)について、検出値Z11がα個取得され、第2の検出領域H(22)について、検出値Z22がα+β個取得されてもよい。
ところで、基板Pの表面に異物が付着する可能性がある。異物として、例えば固体の微粒子(パーティクル)、及び液体LQの滴等が挙げられる。例えば、基板Pの表面の固体の微粒子が付着した状態でその基板Pを露光してしまうと、基板Pに形成されるパターンに欠陥が生じる可能性がある。本実施形態においては、制御装置6は、検出システム4を用いて、基板Pの表面の異物を検出する。
本実施形態において、制御装置6は、検出システム4を用いて、基板P上において実質的に動かない異物が存在したか否かを検出する。例えば、異物が固体の微粒子であり、その異物が基板Pの表面に固着する可能性がある。そのような異物は、例えば液浸空間LSの液体LQと接触した場合でも、基板P上で動かない可能性が高い。一方、例えば異物が液体LQの滴の場合、そのような異物は、例えば液浸空間LSの液体LQと接触することによって、基板P上で動いたり、液浸空間LSの液体LQと一体化して消滅したりする可能性が高い。なお、基板P上で動くことができる異物が、固体の微粒子である可能性もある。
本実施形態においては、制御装置6は、検出システム4の検出点Kを用いて、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行し、複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得された複数の検出値Zijを統計演算し、その演算結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に、基板P上で実質的に動かない異物が存在したか否かを、複数の検出領域Hijのそれぞれで判断する。また、制御装置6は、演算結果に基づいて、その基板P上で実質的に動かない異物を、液体LQの滴と区別する。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について、図6のフローチャート、及び図7、図8、図9を参照しながら説明する。本実施形態においては、基板Pの液浸露光の少なくとも一部と並行して、検出システム4を用いる異物検出動作が実行される。
制御装置6は、終端光学素子12及び液浸部材5と基板ステージ2に保持された基板Pとの間に、露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。基板P上には、液体LQで局所的に液浸領域が形成される(ステップSP1)。
基板Pの露光を開始する前に、制御装置6は、液浸空間LSを形成した状態で、検出システム4を用いて、基板Pの表面の位置情報を検出する(ステップSP2)。制御装置6は、露光光ELの照射を停止した状態で、基板ステージ2を用いて、複数の検出点Kに対して基板Pを移動して、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行する。
複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得された複数の検出値Zijは、制御装置6に出力される。制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、複数の検出値Zijを統計演算する。本実施形態において、制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、複数の検出値Zijの平均値AZijを求める。制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれで求められた平均値AZijに基づいて、基板Pの表面の近似面を求める(ステップSP3)。制御装置6は、例えば各ショット領域S毎に、図7の模式図に示すような近似面を導出する。近似面は、各検出領域Hijのそれぞれで求められた複数の平均値AZijを、最小二乗法等を用いてフィッティング処理することによって求めることができる。
制御装置6は、基板Pの複数のショット領域Sの露光を開始する(ステップSP4)。制御装置6は、ステップSP3で求めた近似面に基づいて、基板ステージ2を用いて投影光学系PLの像面に対する基板Pの表面の位置を調整しながら、基板Pの露光を開始する。図3を参照して説明したように、制御装置6は、基板Pのショット領域Sに液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELを照射してそのショット領域Sを露光するスキャン露光動作と、ステッピング動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域Sを順次露光する。
本実施形態においては、制御装置6は、スキャン露光動作及びステッピング動作を含む基板Pの露光の少なくとも一部と並行して、検出システム4を用いる検出が継続される。したがって、スキャン露光動作及びステッピング動作を含む基板Pの露光の少なくとも一部と並行して、基板Pの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれで、基板Pの表面の高さ方向の位置検出動作が複数回実行される。
図8は、基板Pの露光中における第1,第2検出点群G1,G2と基板Pのショット領域Sとの関係の一例を示す模式図である。なお、図8において、第1,第2検出点群G1,G2の検出点Kの図示、及び検出領域Hijの図示は省略してある。図8(A)に示すように、例えば基板Pのショット領域Saを露光するために、投影領域PRに対して基板Pを+Y方向に移動することによって、第2検出点群G2の複数の検出点Kの少なくとも一部がショット領域Scの複数の検出領域Hijのそれぞれに配置され、その検出領域Hijのそれぞれで位置検出動作が実行され、検出値Zijが取得される。また、図8(B)に示すように、ショット領域Saと異なる基板Pのショット領域Sbを露光するために、投影領域PRに対して基板Pを+Y方向に移動することによって、第2検出点群G2の複数の検出点Kの少なくとも一部がショット領域Scの複数の検出領域Hijのそれぞれに配置され、その検出領域Hijのそれぞれで位置検出動作が実行され、検出値Zijが取得される。また、ショット領域Sa,Sbと異なるショット領域Sを露光するためのスキャン露光動作中にも、第2検出点群G2の複数の検出点Kの少なくとも一部がショット領域Scの複数の検出領域Hijのそれぞれに配置され、その検出領域Hijのそれぞれで位置検出動作が実行され、検出値Zijが取得される。また、ステッピング動作中にも、第2検出点群G2の複数の検出点Kの少なくとも一部がショット領域Scの複数の検出領域Hijのそれぞれに配置され、その検出領域Hijのそれぞれで位置検出動作が実行され、検出値Zijが取得される。
このように、基板Pの複数のショット領域Sの露光により、所定のショット領域Sbの複数の検出領域Hijのそれぞれで、その所定のショット領域Sbの表面の高さ方向の位置検出動作が複数回実行される。ショット領域Sb以外の他のショット領域Sに関しても同様である。
基板Pの露光中における検出システム4の検出動作により、複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得された複数の検出値Zijは、制御装置6に出力される。制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、露光前及び露光中のそれぞれで取得した複数の検出値Zijの平均値AZijを求め、その平均値AZijに基づいて、基板Pの表面の近似面を順次更新する。
本実施形態においては、あるショット領域Sを露光する際、直前に更新された最新の近似面に基づいて、投影光学系PLの像面に対する基板Pの表面の位置を調整しながら、そのショット領域Sを露光する。
本実施形態において、制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得した複数の検出値Zijを統計演算し、その演算結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に、基板Pの表面に実質的に動かない異物が存在したか否かを、複数の検出領域Hijのそれぞれで判断する。
本実施形態において、制御装置6は、統計演算を実行して、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、複数の検出値Zijの平均値AZijに対する複数の検出値Zijの散らばり度合いを求める。本実施形態においては、制御装置6は、平均値AZijに対する複数の検出値Zijの散らばり度合いとして、複数の検出値Zijの標準偏差SDijを求める。また、制御装置6は、統計演算を実行して、複数の検出領域Hijのそれぞれで求められた複数の検出値Zijの平均値AZijと、その平均値AZijに基づいて求められた近似面との差Dijを、検出領域Hijのそれぞれで求める(ステップSP5)。
本実施形態において、制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、標準偏差SDijが第1許容範囲内か否かを判断する(ステップSP6)。制御装置6は、その判断結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に、その基板Pの表面の検出領域Hij内に、基板P上で実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する。
ステップSP6において、標準偏差SDijが第1許容範囲内であると判断した場合、制御装置6は、複数の検出領域Hijのそれぞれについて、平均値AZijと近似面との差Dijが第2許容範囲内か否かを判断する(ステップSP7)。制御装置6は、その判断結果に基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に、その基板Pの表面の検出領域Hij内に、基板P上で実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する。
具体的には、ステップSP6において標準偏差SDijが第1許容範囲内であると判断し、ステップSP7において差Dijが第2許容範囲内であると判断した場合、制御装置6は、その基板Pの表面の検出領域Hij内に、実質的に動かない異物は存在しない、と判断する(ステップSP8)。
ステップSP6において標準偏差SDijが第1許容範囲外であると判断した場合、制御装置6は、その基板Pの表面の検出領域Hij内に、液体LQの滴が存在する、と判断する(ステップSP9)。
ステップSP6において標準偏差SDijが第1許容範囲内であると判断し、且つ、ステップSP7において差Dijが第2許容範囲外であると判断した場合、制御装置6は、その基板Pの表面の検出領域Hij内に、基板P上で実質的に動かない異物が存在した、と判断する(ステップSP10)。
このように、本実施形態においては、制御装置6は、検出システム4の検出結果に基づいて、基板Pの検出領域Hijのそれぞれに、基板P上で実質的に動かない異物が存在したか否かを判断し、その実質的に動かない異物を、液体LQを滴と区別する。
図9は、1つのショット領域Sの表面の複数の検出領域Hijのそれぞれについて取得された検出値Zijと、それら検出値Zijの平均値AZijに基づいて求められた近似面との関係の一例を示す模式図である。図9を用いる説明では、一例として、Y軸方向に配置された5つの検出領域H1〜H5のそれぞれについて取得された複数n検出値Z1〜Z5、及びその検出値Z1〜Z5の平均値AZ1〜AZ5に基づいて求められた近似面について説明する。近似面は、各検出領域H1〜H5について取得された複数の検出値Z1〜Z5の平均値AZ1〜AZ5を、最小二乗法等を用いてフィッティング処理することによって求めることができる。
例えば、基板Pの表面に異物が存在しなかった場合、異常な検出値Z1〜Z5は制御装置6に出力されない。したがって、各検出領域H1〜H5のそれぞれで求められた複数の検出値Z1〜Z5の平均値AZ1〜AZ5のそれぞれと近似面との差D1〜D5は十分に小さく、第2許容範囲内となる。また、複数の検出値Z1〜Z5の平均値AZ1〜AZ5に対する複数の検出値Z1〜Z5の散らばり度合い(標準偏差SD1〜SD5)も十分に小さく、第1許容範囲内となる。
基板Pの表面の検出領域H1〜H5の少なくとも一つに異物が存在した場合、その検出領域H1〜H5の高さ方向の位置を検出点Kで検出したときの検出値Z1〜Z5は異常となり、その異常な検出値Z1〜Z5が制御装置6に出力される。検出値Z1〜Z5の異常により、平均値AZ1〜AZ5に対する複数の検出値Z1〜Z5の散らばり度合い(標準偏差SD1〜SD5)、及び平均値AZ1〜AZ5のそれぞれと近似面との差D1〜D5は、検出値Z1〜Z5が異常でない場合に比べて、変化する。
標準偏差SD1〜SD5、及び差D1〜D5は、基板Pの表面に存在する異物の種類に応じて変化する。換言すれば、基板Pの表面に存在する異物が、基板P上で実質的に動かない異物である場合と、動くことができる異物(液体LQの滴)である場合とで、標準偏差SD1〜SD5、及び差D1〜D5が変化する。
例えば、基板Pの表面の検出領域H1に存在する異物が、基板P上で実質的に動かない異物である場合、その検出領域H1に対する複数の位置検出動作のそれぞれにおいて、その異物は、ほぼ毎回検出される。この場合、標準偏差SD1は小さくいものの、その検出領域H1に係る平均値AZ1と近似面との差D1は大きくなる。制御装置6は、複数の検出領域H1〜H5のそれぞれについて、平均値AZ1〜AZ5と近似面との差D1〜D5が、予め定められた第2許容範囲内か否かに基づいて、複数回の位置検出動作を実行する間に、各検出領域H1〜H5のそれぞれに、実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する。図9には、一例として、検出領域H1に係る平均値AZ1と近似面との差D1が、第2許容範囲外である場合が示されている。この場合、制御装置6は、検出領域H1に、実質的に動かない異物が存在したと判断する。
一方、例えば基板Pの表面の検出領域H3に存在する異物が、液体LQの滴である場合、その検出領域H3に対する複数の位置検出動作において、その異物が検出される回数(異常な検出値が制御装置6に出力される回数)は、少ない(例えば1回)。例えば、検出領域H3に液体LQの滴が存在する場合でも、検出システム4による検出中(基板Pの露光中)、その液体LQの滴は、例えば液浸空間LSの液体LQと一体化して、回収口16より回収される可能性が十分に高い。そのため、その液体LQの滴は、検出システム4による検出領域H3に対する複数の位置検出動作のうち、少数回(例えば1回)だけ検出される可能性が高い。この場合、差D1は小さいものの、その検出領域H3に係る複数の検出値Z3の標準偏差SD3は大きくなる。したがって、制御装置6は、複数の検出領域H1〜H5のそれぞれについて、検出値Z1〜Z5の標準偏差SD1〜SD5が、予め定められた第1許容範囲内か否かに基づいて、検出領域H1〜H5に存在する異物を、液体LQの滴と区別することができる。図9には、一例として、検出領域H3に係る標準偏差SD3が、第1許容範囲外である場合が示されている。図9に示す例では、検出領域H3に係る平均値AZ3と近似面との差D3は、第2許容範囲内であるものの、標準偏差SD3は、第1許容範囲外である。この場合、制御装置6は、検出領域H3に、液体LQの滴が存在したと判断する。
以上説明したように、本実施形態によれば、検出システム4を用いて、基板Pの表面の異物を良好に検出できる。本実施形態によれば、基板P上で実質的に動かない異物が存在したか否かを検出することができるので、その検出結果に基づいて、デバイス生産性の低下を抑制するための処置を講ずることができる。例えば、実質的に動かない異物が基板P上に存在した場合、制御装置6は、その異物の存在を、例えば作業者に報知する。また、制御装置6は、その異物の存在を、露光装置EXに対する外部装置(例えば現像装置等)に報知する。これにより、例えば、その異物が存在しているショット領域を、露光工程後の処理工程(所謂、後工程)から除外するなど、デバイス生産性の低下を抑制するための処置を講ずることができる。また、実質的に動かない異物が基板P上に増加した場合には、液浸部材5、及び/又は基板ステージ2が汚染されている可能性があるので、液浸部材5、及び/又は基板ステージ2(2Tなど)の洗浄などの処置を講ずることができる。
また、実質的に動かない異物を、液体LQの滴と区別することによっても、適切な処置を講ずることができる。例えば、実質的に動かない異物が存在せず、液体LQの滴のみが存在したショット領域Sに形成されるパターンに欠陥が発生する可能性が低い場合、そのショット領域を、最終的なデバイスとして活用することができる。
なお、上述の実施形態においては、検出システム4を用いて検出された実質的に動かない異物は、基板P上に存在すると判断しているが、基板保持部2H上の異物(基板Pと基板保持部2Hとの間の異物)も実質的に動かない異物として検出される可能性があるので、基板P上の異物と基板保持部2H上の異物とを区別してもよい。例えば、複数の基板Pのそれぞれで、同じ検出領域Hijに実質的に動かない異物が存在すると判断された場合には、その異物は基板保持部2H上に付着していると判断してもよい。基板保持部2H上に異物が付着していると判断された場合には、基板保持部2Hを清掃(例えば研磨)したり、基板保持部2H(基板ステージ2)を交換したりするなどの処置を講ずることができる。
なお、上述の実施形態においては、露光光ELの光路を含む所定空間が液体LQで満たされるように、液体供給装置6から液体LQを供給する場合を例にして説明したが、例えば米国特許出願公開第2005/0057102号明細書に開示されているような、ステージを移動するためのコイルを収容する内部空間を形成するハウジングを有するアクチュエータ装置が設けられている場合、上述の実施形態で説明した液体供給装置を用いて、そのハウジングの内部空間に温度調整された液体を供給することができる。
なお、上述の実施形態における投影光学系PLにおいて、終端光学素子13の射出側(像面側)の光路が液体LQで満たされているが、投影光学系PLとして、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体で満たされる投影光学系を採用することもできる。
なお、上述の各実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、本実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、露光装置EXとして、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、及び米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置を採用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図10に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…検出システム、4A…第1検出装置、4B…第2検出装置、6…制御装置、EL…露光光、EX…露光装置、K…検出点、La…検出光、LQ…液体、LS…液浸空間、M…マスク、P…基板
Claims (9)
- 物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、
少なくとも一部に前記液浸領域が形成される空間の外側に配置された複数の検出点と前記物体とを相対的に移動することによって、前記物体表面の複数の検出領域のそれぞれで前記物体表面の高さ方向の位置検出動作を複数回実行することと、
前記複数の検出領域のそれぞれについて、複数の検出値を統計演算することと、
前記演算結果に基づいて、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを、前記複数の検出領域のそれぞれで判断することと、を含む異物検出方法。 - 前記演算結果に基づいて、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物を、前記液体の滴と区別する請求項1記載の異物検出方法。
- 前記複数の検出領域のそれぞれについて、前記複数の検出値の平均値に対する前記複数の検出値の散らばり度合いを求めることをさらに含み、
前記複数の検出領域のそれぞれについて、前記散らばり度合いが所定の許容範囲内か否かに基づいて、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する請求項1又は2記載の異物検出方法。 - 前記複数の検出領域のそれぞれで求められた、前記複数の検出値の平均値に基づいて、前記物体表面の少なくとも一部の近似面を求めることと、
前記平均値と前記近似面との差を前記検出領域のそれぞれで求めることと、を含み、
前記複数の検出領域のそれぞれについて、前記平均値と前記近似面との差が所定の許容範囲内か否かに基づいて、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する請求項3記載の異物検出方法。 - 前記複数の検出領域のそれぞれについて、前記散らばり度合いが所定の許容範囲内であり、且つ前記平均値と前記近似面との差が所定の許容範囲外の場合に、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したと判断する請求項4記載の異物検出方法。
- 前記複数の検出領域のそれぞれで求められた、前記複数の検出値の平均値に基づいて、前記物体表面の少なくとも一部の近似面を求めることと、
前記平均値と前記近似面との差を前記検出領域のそれぞれで求めることと、を含み、
前記複数の検出領域のそれぞれについて、前記平均値と前記近似面との差が所定の許容範囲内か否かに基づいて、前記複数回の位置検出動作を実行する間に実質的に動かない異物が存在したか否かを判断する請求項1又は2記載の異物検出方法。 - 前記物体は、露光光で露光される基板を含む請求項1〜6のいずれか一項記載の異物検出方法。
- 物体上に液体で局所的に液浸領域を形成することと、
前記液浸領域の液体を介して前記基板に露光光を照射して前記基板を露光することと、
前記基板の露光の少なくとも一部と並行して、請求項1〜7のいずれか一項記載の異物検出方法を実行することと、を含む露光方法。 - 請求項8記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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JP2015095602A (ja) * | 2013-11-13 | 2015-05-18 | キヤノン株式会社 | 異物の検出方法および検出装置、露光方法、ならびに、デバイスの製造方法 |
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2008
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