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JP2011086940A - 液浸部材、液体供給システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

液浸部材、液体供給システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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JP2011086940A
JP2011086940A JP2010229790A JP2010229790A JP2011086940A JP 2011086940 A JP2011086940 A JP 2011086940A JP 2010229790 A JP2010229790 A JP 2010229790A JP 2010229790 A JP2010229790 A JP 2010229790A JP 2011086940 A JP2011086940 A JP 2011086940A
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Yuichi Shibazaki
祐一 柴崎
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Nikon Corp
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Abstract

【課題】露光不良の発生を抑制できる液浸部材を提供する。
【解決手段】液浸部材は、物体に照射される露光光の光路が第1液体で満たされるように、物体との間で第1液体を保持して液浸空間を形成する。液浸部材は、物体上の第1液体の少なくとも一部を回収する回収口と、光路に対して回収口の外側に配置され、第1液体に面するときに第2液体を供給し、第1液体に面しないときに第2液体を供給しない供給口とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、液浸部材、液体供給システム、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2008/266533号明細書 米国特許出願公開第2005/018155号明細書
液浸露光装置において、基板等の物体上に液浸領域が形成されている状態で、例えば物体を高速で移動した場合、液体が流出したり、物体上に液体(膜、滴等)が残留したりする可能性がある。その結果、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。一方、液体を良好に保持するために、物体を低速で移動した場合、スループットが低下する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる液浸部材、液体供給システム、露光装置、及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、物体に照射される露光光の光路が第1液体で満たされるように、物体との間で第1液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材であって、物体上の第1液体の少なくとも一部を回収する回収口と、光路に対して回収口の外側に配置され、第1液体に面するときに第2液体を供給し、第1液体に面しないときに第2液体を供給しない供給口と、を備える液浸部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置に使用される液体供給システムであって、第2液体を供給可能な供給口を有し、供給口が第1液体に面するときに供給口から第2液体を供給し、供給口が第1液体に面しないときに供給口から第2液体を供給しない液体供給システムが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、第2の態様の液体供給システムを備える露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第3の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、光学部材の射出面と基板の表面との間の露光光の光路が第1液体で満たされるように液浸空間を形成することと、液浸空間の第1液体を介して射出面からの露光光を基板に照射することと、光路の外側で液浸空間の第1液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、光路に対して回収口の外側に配置された供給口が第1液体に面するときに供給口から第2液体を供給し、供給口が第1液体に面しないときに供給口から第2液体を供給しないことと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第5の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る液浸部材の近傍を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材を下面側から見た図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液体供給原理を説明するための模式図である。 比較例に係る液浸部材を示す模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の動作の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る液浸部材の動作の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一例を示す側断面図である。 第2実施形態に係る液浸部材の一例を示す模式図である。 第3実施形態に係る基板ステージの一例を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体を介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。後述するように、本実施形態においては、液体として、第1液体LQ1と第2液体LQ2とが使用され、露光光ELは、第1液体LQ1を介して基板Pに照射される。本実施形態においては、第1液体LQ1として、水(純水)を用いる。以下の説明において、第1液体LQ1及び第2液体LQ2を総称して適宜、液体LQ、と称する。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置を光学的に計測する干渉計システム3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が第1液体LQ1で満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。また、露光装置EXは、少なくとも露光光ELが照射される基板Pが配置される空間の環境(圧力、温度、湿度、及びクリーン度の少なくとも一つ)を制御するチャンバ装置100を備えている。本実施形態においては、チャンバ装置100によって形成される空間100Sに、照明系ILの少なくとも一部、マスクステージ1、投影光学系PL、液浸部材4、及び基板ステージ2が配置される。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された多層膜とを含む。多層膜は、少なくとも感光膜を含む複数の膜が積層された膜である。感光膜は、感光材で形成された膜である。また、多層膜が、例えば反射防止膜、及び感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持するマスク保持部6を有し、マスクMを保持した状態で、第1定盤7のガイド面8上を移動可能である。マスクステージ1は、駆動システム9の作動により、照明領域IRに対して、マスクMを保持して移動可能である。駆動システム9は、マスクステージ1に配置された可動子9Aと、第1定盤7に配置された固定子9Bとを有する平面モータを含む。マスクステージ1を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。マスクステージ1は、駆動システム9の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。投影光学系PLの複数の光学素子は、保持部材(鏡筒)10に保持されている。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXはZ軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面11を有する。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12が射出面11を有する。投影領域PRは、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面11は、−Z方向(下方)を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面11は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
本実施形態において、投影光学系PLの像面近傍の光軸AX、すなわち、終端光学素子12の光軸AXは、Z軸とほぼ平行である。なお、終端光学素子12と隣り合う光学素子で規定される光軸を終端光学素子12の光軸とみなしてもよい。また、本実施形態において、投影光学系PLの像面は、X軸とY軸とを含むXY平面とほぼ平行である。また、本実施形態において、像面は、ほぼ水平である。ただし、像面はXY平面と平行でなくてもよいし、曲面であってもよい。
基板ステージ2は、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に移動可能である。基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部13を有し、第2定盤14のガイド面15上を移動可能である。基板ステージ2は、駆動システム16の作動により、投影領域PRに対して、基板Pを保持して移動可能である。駆動システム16は、基板ステージ2に配置された可動子16Aと、第2定盤14に配置された固定子16Bとを有する平面モータを含む。基板ステージ2を移動可能な平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。基板ステージ2は、駆動システム16の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、基板保持部13の周囲に配置され、射出面11と対向可能な上面17を有する。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書等に開示されているような、基板保持部13の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tの下面をリリース可能に保持するプレート部材保持部18を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面17は、プレート部材Tの上面を含む。上面17は、平坦である。なお、プレート部材Tは、リリース可能でなくてもよい。その場合、プレート部材保持部18を省略できる。
本実施形態において、基板保持部13は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持可能である。プレート部材保持部18は、プレート部材Tの上面17とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持可能である。
干渉計システム3は、XY平面内におけるマスクステージ1(マスクM)の位置を光学的に計測可能な第1干渉計ユニット3Aと、XY平面内における基板ステージ2(基板P)の位置を光学的に計測可能な第2干渉計ユニット3Bとを有する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置5は、干渉計システム3の計測結果に基づいて、駆動システム9,16を作動し、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
液浸部材4は、露光光ELの光路の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材4の少なくとも一部は、終端光学素子12の周囲の少なくとも一部に配置される。液浸部材4は、射出面11から射出され、射出面11と対向する位置に配置された物体に照射される露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように、物体との間で第1液体LQ1を保持して液浸空間LSを形成する。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸空間LSは、射出面11と、物体との間の露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように形成される。
本実施形態において、液浸部材4との間で液浸空間LSを形成可能な物体は、射出面11から射出される露光光ELが照射可能な位置に移動可能な物体を含む。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び基板ステージ2に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光中、液浸部材4は、終端光学素子12と基板Pとの間の露光光ELの光路が第2液体LQ2で満たされるように液浸空間LSを形成する。
液浸部材4は、射出面11と対向する位置に配置された物体の表面と対向可能な下面20を有する。下面20は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、下面20の少なくとも一部は、XY平面とほぼ平行である。下面20は、光路Kが第1液体LQ1で満たされるように物体の表面との間で第1液体LQ1を保持する。第1液体LQ1が下面20の少なくとも一部と物体の表面(上面)との間に保持されて、液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材4の下面20と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光時、制御装置5は、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、マスクM及び基板Pを、光軸AX(露光光ELの光路K)と交差するXY平面内の所定の走査方向に移動する。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置5は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの第1液体LQ1とを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pは露光光ELで露光される。
次に、液浸部材4について説明する。図2は、液浸部材4の近傍を示す側断面図、図3は、液浸部材4を下面20側からみた図、図4は、液浸部材4の一部を示す側断面図である。なお、以下の説明においては、射出面11と対向する位置に配置される物体が基板Pである場合を例にして説明するが、上述のように、射出面11と対向する位置に配置される物体は、基板ステージ2(プレート部材T)等、他の部材でもよい。
図2、図3、及び図4において、液浸部材4は、第1液体LQ1を供給する第1供給口21と、液浸空間LSの第1液体LQ1の少なくとも一部を回収する回収口23と、光路Kに対して回収口23の外側に配置され、第2液体LQ2を供給可能な第2供給口22とを備えている。
本実施形態において、第2液体LQ2は、第1液体LQ1と同種類である。本実施形態においては、第2液体LQ2として、水(純水)を用いる。
第1供給口21は、基板Pの露光の少なくとも一部において、光路Kに第1液体LQ1を供給する。回収口23は、基板Pの露光の少なくとも一部において、基板P上の第1液体LQ1の少なくとも一部を回収する。第2供給口22は、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない。
液浸部材4は、射出面11と対向する位置に開口4Kを有する。射出面11から射出された露光光ELは、開口4Kを通過して、基板Pに照射可能である。また、液浸部材4は、開口4Kの周囲に配置され、基板Pの表面と対向可能な平坦面4Tを有する。平坦面4Tは、基板Pの表面との間で第1液体LQ1を保持する。液浸部材4の下面20の少なくとも一部は、平坦面4Tを含む。
第1供給口21は、液浸空間LSを形成するための第1液体LQ1を供給する。第1供給口21は、光路Kの近傍において、その光路Kに面するように液浸部材4の所定部位に配置されている。
第1供給口21は、第1供給流路24を介して、第1液体供給装置25と接続されている。第1液体供給装置25は、クリーンで温度調整された第1液体LQ1を送出可能である。第1供給流路24は、液浸部材4の内部に形成された第1液体供給流路24A、及びその第1液体供給流路24Aと第1液体供給装置25とを接続する第1供給菅で形成される流路24Bを含む。第1供給口21は、第1液体供給流路24Aの端部の開口である。第1液体供給装置25から送出された第1液体LQ1は、第1供給流路24を介して第1供給口21に供給される。
回収口23は、基板Pに照射される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されている。回収口23は、液浸部材4の下面20と対向する基板P上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口23は、基板Pの表面が対向可能である。回収口23は、基板P上の液体LQを回収する。回収口23は、基板Pの表面が対向可能な液浸部材4の所定部位に配置されている。本実施形態において、回収口23は、光路Kに対して第1供給口21の外側に配置されている。本実施形態において、回収口23は、平坦面4Tの周囲に配置されている。
回収口23は、回収流路26を介して、液体回収装置27と接続されている。回収流路26は、液浸部材4の内部に形成された液体回収流路26A、及びその液体回収流路26Aと液体回収装置27とを接続する回収管で形成される流路26Bを含む。回収口23は、回収流路26の端部の開口である。回収口23から回収された液体LQは、回収流路26を介して、液体回収装置27に回収される。
液体回収装置27は、回収流路26の圧力を調整可能な圧力調整装置27Pを含む。圧力調整装置27Pは、例えば回収流路26を真空システムに接続可能であり、回収流路26の圧力を低下させることができる。なお、圧力調整装置27Pが真空システムを備えていてもよい。また、回収流路26を加圧ポンプに接続して、回収流路26の圧力を高めることができるようにしてもよい。液体回収装置27は、圧力調整装置27を用いて回収流路26の圧力を低下させて、回収口23を介して液体LQを吸引可能である。
本実施形態において、液体回収流路26Aの端部の開口(回収口)23に、多孔部材50が配置されている。多孔部材50は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、開口(回収口)23に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。本実施形態において、液浸部材4の下面20は、多孔部材50の表面(下面)を含む。基板Pの露光の少なくとも一部において、多孔部材50の下面は、基板Pに面する。本実施形態において、回収口23は、基板Pに面する多孔部材50の孔36の端部を含む。基板P上の液体LQは、多孔部材50の孔36を介して回収される。
本実施形態においては、制御装置5は、第1供給口21からの第1液体LQ1の供給動作と並行して、回収口23からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材4と、他方側の物体(基板P)との間に液体LQ(第1液体LQ1)で液浸空間LSを形成可能である。
第2供給口22は、基板Pに照射される露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されている。第2供給口22は、第1供給口21から供給された第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない。第2供給口22は、基板Pの表面が対向可能である。第2供給口22は、基板P上の第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない。本実施形態において、第2供給口22は、基板Pの表面が対向可能な液浸部材4の所定部位に配置されている。本実施形態において、第2供給口22は、光路Kに対して回収口23の外側に配置されている。本実施形態において、第2供給口22は、回収口23の周囲に配置されている。回収口23は、光路Kと第2供給口22との間に配置されている。
第2供給口22は、第2供給流路28を介して、第2液体供給装置29と接続されている。第2液体供給装置29は、クリーンで温度調整された第2液体LQ2を送出可能である。第2供給流路28は、液浸部材4の内部に形成された第2液体供給流路28A、及びその第2液体供給流路28Aと第2液体供給装置29とを接続する第2供給菅で形成される流路28Bを含む。第2供給口22は、第2液体供給流路28Aの端部の開口である。第2液体供給装置29から送出された第2液体LQ2は、第2供給流路28を介して第2供給口22に供給される。
第2液体供給装置29は、第2供給流路28の圧力を調整可能な圧力調整装置29Pを含む。圧力調整装置29Pは、例えば第2供給流路28を加圧ポンプに接続可能であり、第2供給流路28の圧力を高めることができる。なお、圧力調整装置27Pが加圧ポンプを備えていてもよい。また、第2供給流路28を真空システムに接続して、第2供給流路28の圧力を低下させることができるようにしてもよい。第2液体供給装置29は、圧力調整装置29Pを用いて、第2供給流路28の圧力を調整して、第2供給口22より第2液体LQ2を供給可能である。
本実施形態において、第2液体供給流路28Aの端部の開口(第2供給口)22に、多孔部材30が配置されている。多孔部材30は、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の部材である。なお、開口(第2供給口)22に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。本実施形態において、液浸部材4の下面20は、多孔部材30の表面(下面)を含む。基板Pの露光の少なくとも一部において、多孔部材30の下面は、基板Pに面する。本実施形態において、第2供給口22は、基板Pに面する多孔部材30の孔33の端部を含む。基板P上の第1液体LQ1が多孔部材30の孔33に面するように配置されたとき、第2液体LQ2は、その多孔部材30の孔33を介して、液浸部材4の下面20と基板Pの表面との間の空間SPに供給される。
図2及び図4においては、基板Pはほぼ静止している。本実施形態においては、基板Pがほぼ静止しているとき、液浸部材4の下面20と基板Pの表面との間において、液浸空間LSの液体LQ(第1液体LQ1)の界面LGは、多孔部材50の下面と基板Pの表面との間に配置される。また、図2及び図4に示す状態においては、第1液体LQ1が第2供給口22(多孔部材30の孔33)に面していない。図2及び図4に示す状態においては、第2供給口22は第2液体LQ2を供給しない。
次に、第2供給口22を用いる液体供給動作の原理について説明する。上述したように、本実施形態おいては、第2供給口22は、多孔部材30の孔33の端部を含み、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない。本実施形態においては、第2供給口22は、液浸部材4の下面20と基板Pの表面との間の空間SPに存在する第1液体LQ1が接触したときに、その空間SPに第2液体LQ2を供給する。
図5は、多孔部材30の近傍を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態において、多孔部材30は、プレート状の部材であり、第1面31と、第1面31の反対方向を向く第2面32とを有する。多孔部材30の孔33は、第1面31と第2面32とを結ぶように形成されている。孔33は、複数形成されている。孔33は、光路Kの周囲に複数配置される。また、孔33は、光路Kに対する放射方向に複数配置される。
本実施形態において、多孔部材30は、第1面31が空間SPに面するように、且つ、第2面32が第2液体供給流路28Aに面するように、開口(第2供給口)22に配置される。空間SPは、第1面31(下面20)と基板P(物体)の表面との間の空間である。液浸空間LSの第1液体LQ1の少なくとも一部は、空間SPを流動可能である。
本実施形態においては、第1面31が第1液体LQ1に面するときに第1面31内の孔33から第2液体LQ2が供給され、第1面31が第1液体LQ1に面しないときに第1面31内の孔33から第2液体LQ2が供給されないように、第1面31と第2面32との圧力差が調整される。本実施形態においては、空間SPの圧力は、チャンバ装置100によって調整され、ほぼ一定である。本実施形態において、空間SPの圧力は、大気圧である。なお、空間SPの圧力が、大気圧でなくてもよい。また、チャンバ装置100で調整されていなくてもよい。本実施形態において、第1面31と第2面32との圧力差の調整は、第2液体供給流路28Aの圧力の調整を含む。本実施形態において、制御装置5は、第2液体供給装置29の圧力調整装置29Pを用いて、第2液体供給流路28Aの圧力を調整することによって、第1面31と第2面32との圧力差を調整する。
本実施形態においては、空間SPの第1液体LQ1が第2供給口22(孔33)に接触したときに孔33から空間SPに第2液体LQ2が供給されるように、第1面31と第2面32との圧力差が調整される。
本実施形態においては、制御装置5は、第1液体LQ1の特性、及び多孔部材30の特性に応じて、孔33に第1液体LQ1が接触したときに孔33から第2液体LQ2が供給され、孔33に第1液体LQ1が接触しないときに孔33から第2液体LQ2が供給されないように、第2液体供給流路28Aの圧力を調整する。換言すれば、本実施形態においては、第1液体LQ1に接触した孔33のみから第2液体LQ2が供給され、第1液体LQ1に接触していない孔33からは第2液体LQ2が供給されないように、第1面31と第2面32との圧力差が調整される。
本実施形態においては、第1面31と第2面32との圧力差が後述の所定条件を満足するように制御されることによって、第1液体LQ1が接触した多孔部材30の孔33のみを介して、第2液体供給流路28Aから空間SPに第2液体LQ2が供給される。
図5において、多孔部材30と間隙を介して対向するように基板Pが配置され、第1面31と基板Pの表面との間に、第1液体LQ1が流動可能な空間SPが形成される。図5は、液浸空間LSの第1液体LQ1の界面LGが、多孔部材30の第1面31と基板Pの表面との間に形成されている状態を示す。図5において、多孔部材30と基板Pとの間には、気体空間と液体空間とが形成される。図5において、液体空間は、液浸空間LSである。気体空間は、多孔部材30と基板Pとの間における液体空間(液浸空間LS)の外側の空間である。
図5において、多孔部材30の第1孔33aと基板Pとの間には気体空間が形成されている。多孔部材30の第2孔33bと基板Pとの間には液体空間が形成されている。また、第2面32が面する第2液体供給流路28Aは、第2液体LQ2で満たされている。第1孔33aの上端及び第2孔33bの上端は、第2液体供給流路28Aの第2液体LQ2と接触し、その第2液体供給流路28Aの第2液体LQ2で覆われる。以下の説明において、第2液体供給流路28Aを適宜、流路空間、と称する。
図5において、多孔部材30の第1孔33aと基板Pとの間の空間SPの圧力(多孔部材30の第1面31の圧力)をPa、多孔部材30の上の流路空間の圧力(多孔部材30の第2面32での圧力)をPb、孔33a、33bの孔径(直径)をd、第2液体LQ2(第1液体LQ1)に対する多孔部材30(孔33の内側面)の接触角をθ、第2液体LQ2(第1液体LQ1)の表面張力をγとした場合、本実施形態においては、
(4×γ×cosθ)/d ≧ (Pa−Pb) …(1)
の条件を満足する。なお、(1)式においては、説明を簡単にするために、多孔部材30の上の第2液体LQ2の静水圧は考慮していない。
上述の条件が成立する場合、流路空間の第2液体LQ2が、第1液体LQ1が接触した孔33(33b)を介して空間SPに流入(供給)される。一方、流路空間の第2液体LQ2が、第1液体LQ1が接触していない孔33(33a)を介して空間に流入(供給)されることが抑制される。すなわち、上述の(1)式の条件を満足するように、接触角θ、孔径d、液体LQの表面張力γ、圧力Pa、Pbの少なくとも一つが調整されることによって、第1液体LQ1が接触した孔33(33b)のみから第2液体LQ2が供給され、第1液体LQ1が接触しない孔33(33a)からの第2液体LQ2の供給は停止される。
本実施形態においては、空間の圧力Pa、孔33の直径d、多孔部材30(孔33の内側面)の液体LQとの接触角θ、及び液体LQの表面張力γは一定である。制御装置5は、上述の(1)式の条件を満足するように、第2液体供給装置29を用いて第2液体LQ2で満たされた第2供給流路28(第2液体供給流路28A)の圧力を調整して、第1面31と第2面32との圧力差を調整する。
なお、制御装置5は、例えばチャンバ装置100を用いて空間SPの圧力を調整して、第1面31と第2面32との圧力差を調整してもよいし、チャンバ装置100及び第2液体供給装置29を用いて空間SP及び流路空間(第2液体供給流路28A)の両方の圧力を調整して、第1面31と第2面32との圧力差を調整してもよい。
また、図4に示すように、本実施形態において、回収口23に配置される多孔部材50は、第1液体LQ1が流動する空間SPに面する第3面34と、液体回収流路26Aに面する第4面35と、第3面34と第4面35とを結ぶ複数の孔36とを有する。本実施形態においては、第3面34と第4面35との圧力差によって、多孔部材50を介して第1液体LQ1の少なくとも一部が回収される。制御装置5は、液体回収装置27(圧力調整装置27P)を用いて、液体回収流路26Aの圧力を調整して、第3面34と第4面35との圧力差を調整する。制御装置5は、液体回収流路26Aの圧力(第4面35の圧力)を空間SPの圧力(第3面34の圧力)よりも低くして、第3面34と第4面35との圧力差を生じさせることによって、多孔部材50を介して液体LQを回収することができる。なお、制御装置5は、チャンバ装置100を用いて空間SPの圧力を調整して、第3面34と第4面35との圧力差を調整してもよいし、チャンバ装置100及び液体回収装置27の両方を用いて液体回収流路26A及び空間SPの両方の圧力を調整して、第3面34と第4面35との圧力差を調整してもよい。
本実施形態において、制御装置5は、多孔部材50を介して液体LQのみが回収されるように、第3面34と第4面35との圧力差を調整する。制御装置5は、第1液体LQ1の特性、及び多孔部材50の特性に応じて、第3面34と第4面35との圧力差を調整する。第1液体LQ1の特性は、第1液体LQ1の表面張力を含む。多孔部材50の特性は、孔36の直径、及び液体LQに対する孔36の内側面の接触角を含む。なお、多孔部材を介して液体のみが回収されるように、その多孔部材の一方の面及び他方の面の圧力差を調整する技術の一例が、米国特許第7292313号明細書、米国特許出願公開第2006/0152697号明細書に開示されており、その内容を援用して本文の記載の一部とする。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法の一例について説明する。
制御装置5は、射出面11及び下面20と基板Pの表面(あるいは基板ステージ2の上面17)とを対向させた状態で、第1供給口21から第1液体LQ1を供給する。また、制御装置5は、回収口23を用いる回収を開始する。第1供給口21から供給された第1液体LQ1は、射出面11から射出される露光光ELの光路Kに供給される。第1供給口21から供給された第1液体LQ1の少なくとも一部は、開口4Kを介して、平坦面4Tと基板Pの表面との間に供給され、平坦面4Tと基板Pの表面との間に保持される。また、第1液体LQ1の少なくとも一部は、多孔部材50の第3面34と基板Pの表面との間に保持される。多孔部材50の第3面34に接触した第1液体LQ1の少なくとも一部は、多孔部材50の孔36を介して回収される。これにより、第1供給口21から供給された第1液体LQ1によって、射出面11と基板Pの表面との間の露光光ELの光路Kが第1液体LQ1で満たされるように、射出面11及び下面20の少なくとも一部と基板Pの表面との間に液浸空間LSが形成される。
また、制御装置5は、第2液体供給装置29から送出された第2液体LQ2で第2液体供給流路28Aを満たすとともに、上述の(1)式の条件を満足するように、第2液体供給流路28Aの圧力を調整する。第1面31に第1液体LQ1が接触していない状態において、第2液体供給流路28Aの第2液体LQ2は、孔33を介して空間SPに移動されない。換言すれば、第1面31に第1液体LQ1が接触していない状態において、第2液体供給流路28Aの第2液体LQ2は、孔33を介して基板Pの表面に落下しない。
制御装置5は、第1供給口21からの第1液体LQ1の供給と、回収口23からの液体LQの回収とを並行して実行して、射出面11と基板Pとの間の露光光ELの光路が第1液体LQ1で満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置5は、第1供給口21からの第1液体LQ1の供給と並行して、回収口23からの液体LQの回収を実行し、第1液体LQ1で基板Pの表面の一部が局所的に覆われるように液浸空間LSを形成した状態で、基板Pの露光を開始する。
制御装置5は、照明系ILより露光光ELを射出して、マスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PLの射出面11から射出される。制御装置5は、射出面11と基板Pとの間の液浸空間LSの第1液体LQ1を介して、射出面11からの露光光ELを基板Pに照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pに投影され、基板Pが露光光ELで露光される。基板Pの露光中にも、第1供給口21からの第1液体LQ1の供給と、回収口23からの液体LQの回収とが並行して行われる。回収口23は、光路Kの外側で、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する。
上述のように、本実施形態の露光装置EXは、走査型露光装置である。基板Pの露光の少なくとも一部において、射出面11及び下面20の少なくとも一部と基板Pとの間に第1液体LQ1が保持された状態で(液浸空間LSが形成されている状態で)、XY平面内の所定方向に基板Pが移動される。例えば、基板Pに対する露光光ELの照射中(スキャン露光中)においては、基板Pは、終端光学素子12及び液浸部材4に対してY軸方向に移動する。また、基板P上の複数のショット領域を順次露光する場合において、第1ショット領域の露光後、次の第2ショット領域を露光する場合、基板Pは、終端光学素子12及び液浸部材4に対して、例えばX軸方向、あるいはXY平面内におけるX軸に対する傾斜方向に移動(ステップ移動)する。また、スキャン露光中の移動、及びステップ移動に限られず、基板Pは、射出面11及び下面20の少なくとも一部との間に第1液体LQ1を保持した状態で、様々な移動条件で移動する可能性がある。
基板Pの移動条件は、XY平面内における所定方向(例えば−Y方向)に関する移動速度、加速度(減速度)、及び移動距離(XY平面内における第1位置から第2位置へ移動するときの移動距離)の少なくとも一つを含む。
本実施形態においては、光路Kに対して回収口23の外側に配置された第2供給口22が第1液体LQ1に面するときにその第2供給口22から第2液体LQ2が供給され、第2供給口22が第1液体LQ1に面しないときにその第2供給口22から第2液体LQ2が供給されないので、例えば、基板P(基板ステージ2)を高速、あるいは高加速度で移動した場合にも、液浸部材4と基板Pとの間の空間SPから液体LQが漏出したり、基板P上に液体LQ(膜、滴等)が残留したりすることを抑制できる。
図6は、比較例に係る液浸部材400を使用した場合の液浸空間LSの挙動を示す模式図である。液浸部材400には、第2供給口(22)が設けられてない。終端光学素子12及び液浸部材400と基板pの表面との間に液体Lqが保持された状態で、基板Pが−Y方向に高速で移動した場合、光路Kに対して−Y側の液浸空間Lsを形成する液体Lqの少なくとも一部が、基板p上において薄膜化する可能性が高くなる。すなわち、図6に示す比較例においては、基板pの−Y方向への移動により、光軸AXに対する放射方向に関する、液体Lqの気液界面Lgの上端(気液界面Lgと液浸部材400の下面420との交点)の位置PJ1と気液界面Lgの下端(気液界面Lgと基板pの表面との交点)の位置PJ2との距離(ずれ量)LJが大きくなる可能性がある。その結果、液体Lqが、基板P上において薄膜化する可能性がある。薄膜化した液体LQは、回収口(多孔部材)と接触することができず、その結果、回収口から回収されなくなる可能性が高くなり、液浸部材400と基板Pの表面との間の空間から漏出したり、基板p上に残留したりする可能性が高くなる。
図7及び図8は、本実施形態に係る液浸部材4を使用した場合の液浸空間LSの挙動を説明するための模式図である。図7は、射出面11及び下面20の少なくとも一部と基板Pの表面との間に液体LQが保持された状態で基板Pが−Y方向に移動するときの液浸空間LSの挙動を示す図、図8は、基板Pが+Y方向に移動するときの液浸空間LSの挙動を示す図である。
本実施形態においては、光路Kに対して回収口23の外側に設けられた第2供給口22が下面20と基板Pの表面との間に第2液体LQ2を供給するので、下面20と基板Pの表面との間の第1液体LQ1の薄膜化を防止することができる。第2供給口22は、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給するので、第1液体LQ1が薄膜化することを抑制することができる。
例えば、図7に示すように、基板Pが−Y方向へ移動する場合、その基板Pの移動に伴って液浸空間LSの液体LQの気液界面LGも−Y方向に移動する。本実施形態においては、気液界面LGが−Y方向へ移動して、液浸空間LSの第1液体LQ1が多孔部材30の孔33(第2供給口)に接触すると、その第1液体LQ1が接触された多孔部材30の孔33(第2供給口)から第2液体LQが供給される。多孔部材30の孔33(第2供給口)からの第2液体LQ2は、液浸空間LSに供給される。これにより、第1液体LQ1の薄膜化が抑制される。
第2供給口22(孔33)から供給された第2液体LQ2は、第1供給口21から供給された第1液体LQ1とともに、回収口23から回収される。
多孔部材30の孔33(第2供給口)は、液浸空間LSの第1液体LQ1の少なくとも一部が薄膜化する前にその液浸空間LSの第1液体LQ1に接触可能な位置に配置されている。換言すれば、液浸空間LSの第1液体LQ1が回収口23の多孔部材50に接触し続けることができるように、基板Pの移動条件に応じて光路Kに対する放射方向に関する回収口23の寸法が定められており、その回収口23の周囲に第2供給口22が配置されている。したがって、液浸空間LSの第1液体LQ1が薄膜化する前に、第1液体LQ1が多孔部材30の孔33に接触することができる。そして、第1液体LQ1が多孔部材30の孔33に接触することによって、その孔33から第2液体LQ2が液浸空間LSに供給される。これにより、第1液体LQ1の薄膜化が抑制される。
本実施形態においては、液体LQの気液界面LGの下端の位置PJ2が−Y方向へ移動した場合において、上端の位置PJ1と下端の位置PJ2との距離(ずれ量)LJが大きくなる前に、上端の位置PJ1が多孔部材30の孔33に接触して、その孔33から液浸空間LSに第2液体LQ2が供給される。すなわち、基板Pの移動により、ずれ量LJが大きくなる前に、基板Pと対向する多孔部材30の孔33(第2供給口22)から第2液体LQ2が供給されるので、第1液体LQ1の薄膜化を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第2供給口22(多孔部材30の孔33)は、光路Kに対する放射方向に複数配置されており、少なくとも基板Pが移動する所定方向(図7ではY軸方向)に複数配置されている。したがって、基板Pの移動に伴って界面LGが−Y方向に移動しても、その界面LGの位置に応じた孔33から第2液体LQ2が供給される。したがって、例えば−Y方向に関する基板Pの移動距離が長くなっても、複数の孔33から液浸空間LSに第2液体LQ2を供給することができるので、第1液体LQ1の薄膜化を抑制することができる。
図8に示すように、基板Pが+Y方向へ移動する場合、その基板Pの移動に伴って液浸空間LSの液体LQの気液界面LGも+Y方向に移動する。例えば、図7のように基板Pが−Y方向に移動した後に、基板Pが+Y方向に移動する場合、光路Kに対して−Y側の液浸空間LSの第1液体LQ1の薄膜化は抑制される。また、図8に示すように、基板Pが+Y方向に移動する場合(あるいは基板Pがほぼ静止する場合)、液浸空間LSの第1液体LQ1は、多孔部材30の孔33と基板Pの表面との間に存在しない状況が発生する可能性がある。すなわち、多孔部材30の孔33が、第1液体LQ1に面しない(接触しない)状況が発生する可能性がある。図8に示すように、本実施形態においては、多孔部材30の孔33が第1液体LQ1に面しない(接触しない)ときに、その多孔部材30の孔33(第2供給口22)は第2液体LQ2を供給しない。そのため、例えば液浸空間LSの界面LGの外側に第2液体LQ2が供給されることが抑制される。したがって、第2液体LQ2が飛散したり、基板P上に第2液体LQ2が残留したり、液浸部材4と基板Pとの間の空間SPから流出したりすることが抑制される。
なお、上述の説明では、基板P上に液体LQの液浸空間LSが形成されている場合について説明したが、基板ステージ2(プレート部材T)上、あるいは基板ステージ2(プレート部材T)と基板Pとに跨るように液体LQの液浸空間LSが形成されている場合も同様である。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない第2供給口22を設けたので、液体LQが流出したり、物体(基板P、基板ステージ2等)上に液体LQが残留したりすることを抑制することができる。したがって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第2供給口22として、多孔部材30(メッシュフィルタ)が配置されているが、多孔部材30を用いなくてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第2実施形態に係る液浸部材4Bの一例を示す図である。図9において、液浸部材4Bは、基板P上の液体LQを回収する回収口23と、光路Kに対して回収口23の外側に配置され、第2液体LQ2を供給可能な第2供給口22Bとを備えている。回収口23は、基板Pの表面が対向可能である。第2供給口22Bは、基板Pの表面が対向可能である。
本実施形態において、第2供給口22Bは、光路Kに対する放射方向に複数配置されている。本実施形態において、第2供給口22Bに、多孔部材が配置されていない。
制御装置5は、複数の第2供給口22Bのうち、第1液体LQ1に面する第2供給口22Bから空間SP(液浸空間LS)に第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しない第2供給口22Bからの第2液体LQ2の供給を停止する。本実施形態において、制御装置5は、第1液体LQ1が接触された第2供給口22Bから第2液体LQ2を供給する。
本実施形態においては、液浸部材4Bの下面20の少なくとも一部に、液体LQを検出するセンサ40が配置されている。本実施形態において、センサ40は、下面20において光路Kに対する放射方向に複数配置されている。センサ40のそれぞれは、液体LQの有無を検出可能である。センサ40の出力信号は、制御装置5に出力される。制御装置5は、複数のセンサ40の出力信号に基づいて、液浸空間LSの界面LGの位置を検出することができる。また、制御装置5は、界面LGの位置に基づいて、複数の第2供給口22Bのうち、第1液体LQ1と接触した第2供給口22Bを求めることができる。制御装置5は、センサ40の出力信号より求めた界面LGの位置に基づいて、複数の第2供給口22Bのうち、第1液体LQ1に接触した第2供給口22Bを求め、その第2供給口22Bから第2液体LQ2を供給する。
本実施形態においても、液体LQの薄膜化を防止することができ、液体LQの流出、残留等を抑制することができる。
なお、図10に示す模式図のように、第2供給口22Bが間隙を介して第1液体LQ1に面するときに、その第2供給口22Bから第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに、その第2供給口22Bから第2液体LQ2を供給しないようにしてもよい。図10に示す例においても、第1液体LQ1の薄膜化を防止することができ、液体LQの流出、残留等を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、第3実施形態に係る基板ステージ2Cの一例を示す図である。本実施形態において、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない供給口22Cが、基板ステージ2Cの少なくとも一部に配置されている。
本実施形態において、供給口22Cは、基板ステージ2Cの上面17Cに配置されている。図11(A)に示すように、供給口22Cは、第1液体LQ1が面したときに第2液体LQ2を供給する。また、図11(B)に示すように、供給口22Cは、第1液体LQ1が面しないときに第2液体LQ2を供給しない。
例えば、液浸部材4と基板ステージ2Cとの間に第1液体LQ1が保持された状態で基板ステージ2Cが移動した場合において、その基板ステージ2Cの移動により基板ステージ2Cの上面17Cにおいて液浸空間LSの第1液体LQ1が薄膜化する場合、供給口22Cは、その液浸空間LSに対して下方から第2液体LQ2を供給(追加)することができる。これにより、第1液体LQ1の薄膜化が防止され、液体LQの流出、残留等が抑制される。
なお、本実施形態において、供給口22Cに多孔部材が配置されてもよい。
また、本実施形態においても、図5で説明した原理に基づいて第2液体LQ2を供給するようにしてもよいし、第2実施形態のように、液浸空間LSの界面の位置を検出して第2液体LQ2を供給してもよい。
なお、図5で説明した原理に基づいて第2液体LQ2の供給を行う液体供給口が、液浸部材4と基板ステージ2Cとは異なる部材に配置されていてもよいし、第2液体LQ2が液浸空間LSの一部とならなくてもよい。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路が第1液体LQ1で満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路も第1液体LQ1で満たされる投影光学系PLを採用することができる。
なお、上述の各実施形態においては、第1液体LQ1として水を用いているが、水以外の液体であってもよい。第1液体LQ1としては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、第1液体LQ1として、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体を用いることも可能である。また、第1液体LQ1として、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態において、第2液体LQ2が第1液体LQ1と同種類であることとしたが、異なる種類でもよい。例えば、第1液体LQ1が水(純水)であり、第2液体LQ2がフッ素系液体でもよい。
なお、回収口23が多孔部材50を介して液体LQのみを回収するようにしているが、多孔部材50を介して気体と一緒に液体LQを回収してもよい。この場合、多孔部材50がなくてもよい。
また、上述の実施形態においては、回収口23が形成されている面(多孔部材30の下面)と第2供給口22が形成されている面(多孔部材50の下面)とがほぼ同一面内に配置されているが、段差があってもよい。また、回収口23が形成されている面(多孔部材30の下面)及び第2供給口22が形成されている面(多孔部材50の下面)の少なくとも一方がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
また、上述の実施形態においては、回収口23と第2供給口22とが液浸部材4に一体的に設けられている、液浸部材4が、回収口23が設けられた部材と、第2供給口22とが設けられた部材とを含み、それらが離れて配置されていてもよい。
また、上述の各実施形態において、光路に対する放射方向に関して、第2供給口22の外側に、液体LQの流出、残留などを防止するために、気体を供給する気体供給口を設けてもよい。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。この場合、各基板ステージ上、あるいは複数の基板ステージを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。また、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない供給口が、複数の基板ステージのそれぞれに設けられていてもよいし、一部の基板ステージに設けられていてもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6897963号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置でもよい。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。この場合、計測ステージ上、あるいは基板ステージと計測ステージとを跨ぐように液浸空間LSを形成できる。また、第1液体LQ1に面するときに第2液体LQ2を供給し、第1液体LQ1に面しないときに第2液体LQ2を供給しない供給口が、計測ステージに配置されていてもよい。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図12に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…液浸部材、20…下面、21…第1供給口、22…第2供給口、23…回収口、26…回収流路、26A…液体回収流路、27…液体回収装置、27A…圧力調整装置、28…第2供給流路、28A…第2液体供給流路、29…第2液体供給装置、29P…圧力調整装置、30…多孔部材、31…第1面、32…第2面、33…孔、34…第3面、35…第4面、36…孔、50…多孔部材、EL…露光光、EX…露光装置、K…光路、LQ1…第1液体、LS…液浸空間、P…基板、SP…空間


Claims (35)

  1. 物体に照射される露光光の光路が第1液体で満たされるように、前記物体との間で第1液体を保持して液浸空間を形成する液浸部材であって、
    前記物体上の前記第1液体の少なくとも一部を回収する回収口と、
    前記光路に対して前記回収口の外側に配置され、前記第1液体に面するときに第2液体を供給し、前記第1液体に面しないときに前記第2液体を供給しない供給口と、を備える液浸部材。
  2. 前記供給口は、前記第1液体が接触したときに前記第2液体を供給する請求項1記載の液浸部材。
  3. 前記供給口は、前記物体の表面が対向可能であり、前記物体上の前記第1液体に面するときに前記第2液体を供給する請求項1又は2記載の液浸部材。
  4. 液体供給流路と、
    前記液体供給流路の端部に配置された第1多孔部材と、を備え、
    前記供給口は、前記第1多孔部材の孔の端部を含む請求項1〜3のいずれか一項記載の液浸部材。
  5. 前記第1多孔部材は、前記第1液体が流動する空間に面する第1面と前記液体供給流路に面する第2面とを有し、
    前記第1面が前記第1液体に面するときに前記第1面内の前記孔から前記第2液体が供給され、前記第1面が前記第1液体に面しないときに前記第1面内の前記孔から前記第2液体が供給されないように、前記第1面と前記第2面との圧力差が調整される請求項4記載の液浸部材。
  6. 前記圧力差の調整は、前記液体供給流路の圧力の調整を含む請求項5記載の液浸部材。
  7. 前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記光路が前記第1液体で満たされるように前記物体の表面との間で前記第1液体を保持する保持面を備え、
    前記保持面は、前記第1多孔部材の表面を含む請求項4〜6のいずれか一項記載の液浸部材。
  8. 前記供給口は、前記保持面と前記物体の表面との間に前記第2液体を供給して、前記保持面と前記物体の表面との間の前記第1液体の薄膜化を防止する請求項7記載の液浸部材。
  9. 前記光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記光路が前記第1液体で満たされるように前記物体の表面との間で前記第1液体を保持する保持面を備え、
    前記供給口は、前記保持面と前記物体の表面との間に前記第2液体を供給して、前記保持面と前記物体の表面との間の前記第1液体の薄膜化を防止する請求項1〜6のいずれか一項記載の液浸部材。
  10. 前記保持面と前記物体の表面との間に前記液体が保持された状態で、前記保持面とほぼ平行な所定面内の所定方向に前記物体が移動され、
    前記供給口は、前記所定方向に複数配置される請求項7〜9のいずれか一項記載の液浸部材。
  11. 液体回収流路と、
    前記液体回収流路の端部に配置された第2多孔部材と、を備え、
    前記回収口は、前記第2多孔部材の孔の端部を含む請求項1〜10のいずれか一項記載の液浸部材。
  12. 前記第2多孔部材は、前記第1液体が流動する空間に面する第3面と、前記液体回収流路に面する第4面とを有し、
    前記第3面と前記第4面との圧力差によって、前記第2多孔部材を介して前記第1液体の少なくとも一部が回収される請求項11記載の液浸部材。
  13. 前記第2多孔部材を介して液体のみが回収されるように、前記圧力差が調整される請求項12記載の液浸部材。
  14. 前記第2液体は、前記第1液体と同種類である請求項1〜13のいずれか一項記載の液浸部材。
  15. 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置に使用される液体供給システムであって、
    第2液体を供給可能な供給口を有し、前記供給口が前記第1液体に面するときに前記供給口から前記第2液体を供給し、前記供給口が前記第1液体に面しないときに前記供給口から前記第2液体を供給しない液体供給システム。
  16. 前記第1液体が前記供給口に接触したときに前記供給口から前記第2液体を供給する請求項15記載の液体供給システム。
  17. 液体供給流路と、
    前記液体供給流路の端部に配置された第1多孔部材と、を備え、
    前記供給口は、前記第1多孔部材の孔の端部を含む請求項15又は16記載の液体供給システム。
  18. 前記第1液体が流動する空間に面する前記第1多孔部材の第1面と前記液体供給流路に面する前記第1多孔部材の第2面との圧力差を調整する第1圧力調整装置を備える請求項17記載の液体供給システム。
  19. 前記圧力差の調整は、前記液体供給流路の圧力の調整を含む請求項18記載の液体供給システム。
  20. 前記供給口は、前記基板の表面が対向可能であり、前記基板上の前記第1液体に面するときに前記第2液体を供給する請求項15〜19のいずれか一項記載の液体供給システム。
  21. 前記供給口は、前記基板に照射される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される請求項15〜21のいずれか一項記載の液体供給システム。
  22. 前記供給口は、前記露光光が照射可能な位置に移動可能な可動部材の少なくとも一部に配置される請求項15〜21のいずれか一項記載の液体供給システム。
  23. 前記第2液体は、前記第1液体と同種類である請求項15〜22のいずれか一項記載の液体供給システム。
  24. 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    請求項15〜23のいずれか一項記載の液体供給システムを備える露光装置。
  25. 前記供給口は、前記光路に対する放射方向に複数配置される請求項24記載の露光装置。
  26. 前記光路と前記供給口との間に配置され、液体を回収する回収口を備える請求項24又は25記載の露光装置。
  27. 前記回収口は、前記基板の表面と対向可能であり、前記基板上の液体を回収する請求項26記載の露光装置。
  28. 液体回収流路と、
    前記液体回収流路の端部に配置された第2多孔部材と、を備え、
    前記回収口は、前記第2多孔部材の孔の端部を含む請求項26又は27記載の露光装置。
  29. 前記第1液体が流動する空間に面する前記第2多孔部材の第3面と前記液体回収流路に面する前記第2多孔部材の第4面との圧力差を調整する第2圧力調整装置を備える請求項28記載の露光装置。
  30. 前記第2圧力調整装置は、前記第2多孔部材を介して液体のみが回収されるように、前記圧力差を調整する請求項29記載の露光装置。
  31. 請求項24〜30のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  32. 第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    光学部材の射出面と前記基板の表面との間の前記露光光の光路が前記第1液体で満たされるように液浸空間を形成することと、
    前記液浸空間の第1液体を介して前記射出面からの前記露光光を前記基板に照射することと、
    前記光路の外側で前記液浸空間の前記第1液体の少なくとも一部を回収口から回収することと、
    前記光路に対して前記回収口の外側に配置された供給口が前記第1液体に面するときに前記供給口から第2液体を供給し、前記供給口が前記第1液体に面しないときに前記供給口から前記第2液体を供給しないことと、を含む露光方法。
  33. 前記供給口から前記第2液体を供給して、前記液浸空間の前記第1液体の薄膜化を防止する請求項32記載の露光方法。
  34. 前記供給口は、液体供給流路の端部に配置された多孔部材の孔の端部を含み、
    前記第1液体が流動する空間に面する多孔部材の第1面と前記第1面の反対方向を向く前記多孔部材の第2面との圧力差を調整して、前記第1面内の前記孔から前記第2液体を供給する請求項32又は33記載の露光方法。
  35. 請求項32〜34のいずれか一項記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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