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JP2009507505A - 微生物を使用するアミノ酸産生法 - Google Patents

微生物を使用するアミノ酸産生法 Download PDF

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JP2009507505A JP2008530494A JP2008530494A JP2009507505A JP 2009507505 A JP2009507505 A JP 2009507505A JP 2008530494 A JP2008530494 A JP 2008530494A JP 2008530494 A JP2008530494 A JP 2008530494A JP 2009507505 A JP2009507505 A JP 2009507505A
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Abstract

本発明は、アミノ酸産生微生物においてアミノ酸を産生する方法に関する。前記方法によれば、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性は、伝達タンパク質により低下する。

Description

本出願は、独国特許第1020050439799号の優先権を主張する。
本発明は、アミノ酸産生微生物においてアミノ酸を産生する方法に関し、この方法は、伝達タンパク質により低下する2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性を含む。
従来技術
アミノ酸は、経済的な関心が高く、様々な多くの方法で使用されており、これらを使用して基本食品および動物食品の質を改善することが好ましい。それゆえ、これらは、経済的重要性が高く、需要が増大している。例えば、L−リジンおよびL−トレオニン、L−メチオニンならびにL−トリプトファンは、動物食餌補助剤として必要とされ、L−グルタミン酸は、香辛料に添加され、L−イソロイシンおよびL−チロシンは、製薬業界において必要であり、L−アルギニンおよびL−イソロイシンは、医薬品として必要とされ、またはL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸塩およびL−フェニルアラニンは、精製化学製品合成の出発物質として必要とされている。
これらのかなり様々なアミノ酸を産生する好ましい方法は、微生物によるバイオテクノロジー産生であり、それは、この方法において特定のアミノ酸の生物学的活性および光学活性形態が得られるためであり、簡単で安価な原材料を使用することが可能である。現在、1.5×106トン以上のアミノ酸が微生物により産生されている。アミノ酸は、コリネフォルム細菌株、特にCorynebacterium glutamicumの発酵により産生されることが公知である。これらの重要性が高いことから、産生プロセスの改良に継続的な努力がなされている。手法的な改良には、撹拌および酸素供給等の発酵技術、もしくは発酵中の糖濃度等の栄養媒体の組成物、またはイオン交換クロマトグラフィーによる産物形態への後処理、あるいは微生物自体の固有の性能特性に関連する測定が関与しうる。
前記微生物の性能特性は、突然変異生成、淘汰および突然変異体選択の方法を応用することにより改良される。これは、代謝拮抗物質に耐性であり、例えばリジン類似体であるS−(2−アミノエチル)システイン、または調節に重要な代謝産物に栄養要求性であり、L−アミノ酸を産生する菌株をもたらす。
ここ数年、組み換えDNA法も同様に使用し、個々のアミノ酸生合成経路を増幅し、アミノ酸産生の効果を研究することにより、アミノ酸産生コリネバクテリア菌株を改良している。これに関する総説は、特に、Kinoshita("Glutamic acid bacteria",in:Biology of Industrial Microorganisms,Demain and Solomon(Eds.),Benjamin Cummings,London,UK,1985,115−143),Hilliger(BioTec 2,40−44(1991)),Eggeling(Amino Acids 6:261−272(1994)),Jetten and Sinskey(Critical Reviews in Biotechnology 15,73−103(1995)),およびSahm et al.(Annals of the New York Academy of Sciences 782,25−39(1996))に見つけることができる。
通常、細菌は、成長に必要な量のみのアミノ酸を産生し、それゆえ、アミノ酸を過剰に産生および排泄しない。この理由は、細胞が多くの方法においてアミノ酸生合成を制御しているためである。その結果、制御機構を機能停止することにより産物形成を改良するために多くの種々のプロセスがすでに公知である。これらのプロセスは、例えばアミノ酸類似体を使用して、効率的な生合成調節を停止する。従って、例えば、記載のプロセスは、L−チロシン類似体およびL−フェニルアラニン類似体に耐性のあるコリネバクテリア菌株を利用する(日本特許第19037/1976号および39517/1978号)。また、L−リジン類似体またはL−トレオニン類似体に耐性のある細菌において記載されているプロセスを使用して、制御機構を打開する(欧州特許第0205849号、英国特許第2152509号)。
さらに、組み換えDNA技術により創製された微生物も開示しており、これは、もはやフィードバック抑制されることができない鍵酵素にコードする遺伝子をクローニングおよび発現させることにより、同様に、生合成調節を除去している。従って、例えば、組み換体である、プラスミドでコードしたフィードバック耐性アスパラギン酸キナーゼを有するL−リジン産生細菌を開示している(欧州特許第0381527号)。組み換体であるフィードバック耐性プレフェン酸デヒドロゲナーゼを有するL−フェニルアラニン産生細菌もまた記載されている(日本特許第123475/1986号、欧州特許第0488424号)。
さらに、アミノ酸収率を増加させることも、フィードバック感受性アミノ酸合成酵素をコードしない遺伝子を過剰発現させることにより実現している。したがって、例えば、リジン形成は、ジヒドロジピコリン酸合成酵素の合成を増加することにより改良される(欧州特許第0197335号)。同様に、イソロイシン形成は、トレオニン脱水酵素合成を増加させることにより改良される(欧州特許第0436886号)。
Microbiology and Biotechnology,39:427−432に掲載されたIzumi Y,Yoshida T,Miyazaki SS,Mitsunaga T,Oshiro T,Shiamo M,Miyata A and Tanabe T(1993)は、メチロトローフ細菌、例えばハイフォミクロビウム属を使用してメタノールおよびグリシンからのL−セリンの発酵産生について記載している。
他のアミノ酸産生を増加させる試みでは、中央代謝系の一次代謝産物細胞の改良を提供することを目的とする。従って、組み換え技術により実現されるトランスケトラーゼの過剰発現が、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−フェニルアラニンの産物形成を改良できることが公知である(欧州特許第0600463号)。さらにコリネバクテリアのホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性の低下が、芳香族アミノ酸の形成を改良し(欧州特許第03331145号)、この場合、コリネバクテリアのホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増加がアスパルギン酸ファミリーのアミノ酸の排泄を高める結果となった(欧州特許第0358940号)。
また、Corynebacterium glutamicumも産業用に使用し、グルタミン酸ファミリーのL−アミノ酸、特にL−グルタミン酸を産生する。国際公開99/18228(A2)は、酵素の遺伝的修飾によるピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増加後または、ピルビン酸カルボキシラーゼの遺伝子発現の増加後に、アスパラギン酸および/またはグルタミン酸ファミリーのアミノ酸の微生物産生が増加することを開示している。
L−グルタミン酸は、クエン酸回路中間体である2−オキソグルタル酸により形成される。前記の2−オキソグルタル酸において、2つの反応が競合する:NADPH−依存性L−グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)が2−オキソグルタル酸とアンモニウムを環元反応させ、L−グルタミン酸を得る反応、およびクエン酸回路の構成物質として2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体(ODHC)が2−オキソグルタル酸からカルボキシル基を除去し、本プロセスでNADHに環元されたNAD+を持つスクシニルCoAを得る反応。C.glutamicumにおいて、2−オキソグルタル酸のGDHのK値は、5.7mMであり(Shiio and Ozaki,J.Biochem(Tokyo)68:633−647(1970))、従って、2−オキソグルタル酸のODHCのK値80μMに比べおよそ70倍大きい(Shiio and Ujigawatakeda,Agric.Biol.Chem.44:1897−1904(1980))。最近の研究では、コリネバクテリアの2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性は、グルタミン酸産生に最も大きな影響を与える因子であり(Shimizu et al.,Bioproc.Biosys.Eng.25:291−298(2003))、これは、GDH活性の増加がグルタミン酸合成に有利なシフトを生じないためであることが示されている。
ODH複合体の影響をこの酵素活性は、グルタミン酸排泄をもたらす条件下、例えばビオチン限界、界面活性剤の添加またはペニシリンの添加において低下するとする文献の報告により確かめる(Kawahara et al.,Biosci.Biotechnol.Biochem.61:1109−1112(1997))。GDH活性は、同じ条件下において変化しない。ODHC活性の低下もまた、温度感受性C.glutamicum菌株によりグルタミン酸形成を誘発することを示した(Uy et al.,Bioproc.Biosyst.Eng.27:153−162(2005))。
さらに、Kimura(J.Biosc.Bioeng.,Vol.94,No.6,545−551,2002)は、C.glutamicumのdtsR1遺伝子の欠失によりODHC活性が親菌株のものに比べ30%低くなることを記載している(Kimura,J.Bioscience Bioeng.94:545−551(2002))。dtsR1欠失突然変異体は、オレイン酸およびオレイン酸エステルに栄養要求性であり、かなりの量のL−グルタミン酸、さらにビオチン過剰量を排泄する(Kimura et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.234:157−161(1997))。
これまで、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性およびグルタミン酸デヒドロゲナーゼ活性を特異的に変化させることは、遺伝子gdhの発現を欠失または改変することによってのみ実現された(Boermann et al.,Mol.Microbiol.6:317−326(1992));Boermann−ElKholy et al.,Appl.Environm.Microbiol.59:2329−2331(1993)およびodhA(ODHCのEloをコードする;(Usuda et al.,Microbiology 142:3347−3354(1996))。
ほとんどの生物の2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体(ODHC)は、異なる酵素活性、すなわち、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ(Elo)、ジヒドロリポアミドS−スクシニルトランスフェラーゼ(E2)およびジヒドロリポアミドデヒドロゲナーゼ(E3)を有する3つの異なるタンパク質からなる。コリネバクテリアのEloタンパク質(odhA遺伝子によりコードされる)は、独特な構造を有し、これは、E2サブユニットのカルボキシ末端領域と相同なアミノ末端領域を有するためである(Usuda et al.,Microbiology 142:3347−3354(1996))。
Cowleyら(Mol.Microbiol.52:1691−1702(2004))は、Mycobacterium tuberculosis H37RvのpknG遺伝子欠失により当該親菌株と比較し、グルタミン酸およびグルタミンの細胞濃度の合計量が2.64倍に増加することを示した。しかし、個々のアミノ酸、グルタミン酸およびグルタミンの細胞内濃度の情報は得られない。セリン/トレオニンタンパク質キナーゼにコードするpknG遺伝子の細胞機能について、これまで報告されていない。唯一、細胞成長にPknGタンパク質が重要であることが認められている。pknG遺伝子を持たないM.tuberculosis H37Rv突然変異体は、Cowleyら(Mol.Microbiol.52:1691−1702(2004))の明記した成長条件下において、600nm時の光学密度により測定された場合、最大値が親菌株の細胞密度の半分のみである細胞密度に達した。
発明の課題
本発明の目的は、アミノ酸、特にグルタミン酸およびグルタミンの排泄を高めるさらなる可能性を提供し、これは、より効率的であり、もはや従来技術の諸問題を含まない。
発明の説明
本目的は、アミノ酸産生微生物においてアミノ酸を産生する方法により実現され、これは、伝達タンパク質により低下する2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を含む。
「活性」は、基質を産物に変換する酵素能を示す。前記活性を、産物の増加、基質(または反応物質)の減少または特定の共因子の減少あるいは時間の関数としての前記のパラメーターの少なくとも2つの組み合わせにより「活性分析」として測定できる。
本発明によれば、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性は、2−オキソグルタル酸、補酵素AおよびNAD+の触媒による変換を意味し、スクシニルCoA、CO2、NADHおよびH+を得る。
本発明によれば、活性の増減、産生もしくは濃度、物質の増減、産物、反応物質または基質は、同一条件下の比較試験において親菌株との比較を指し、この親菌株は、本発明の2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性が低下しない。
親菌株は、出発菌株として作用する微生物の菌株を指し、これが修飾の対象となり、本発明の2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性の低下を実現する。
ODHC活性が低下する場合、2−オキソグルタル酸基質をグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)により、おもにアンモニウム、NADPHおよびH+と反応させ、L−グルタミン酸およびNADP+を得、それにより細胞のグルタミン酸量を増加する。L−グルタミン酸は、当該2−ケト化合物からL−アミノ酸の合成において最も重要なアミノ供与体であるので、グルタミン酸濃度の増加はまた、次の産物として他のアミノ酸の産生を増加する。本明細書において挙げることができる例として、グルタミン、アスパラギン酸、オルニチン、アスパラギン、アルギニン、リジン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、システインおよび/またはプロリンがある。
本発明の主題である微生物は、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプン、セルロース由来またはグリセロールおよびエタノール由来のアミノ酸、特にL−グルタミン酸を産生できる。
使用微生物は、桿菌、好ましくは、グラム陽性桿菌、コリネバクテリア科、マイコバクテリア科、プロピオニバクテリア科、ストレプトマイセス科またはラクトバチルス科、特に好ましくは、コリネバクテリア科またはマイコバクテリア科あるいはストレプトマイセス科である。
これらは、コリネフォルム細菌、例えば、ノカルディア科、デイエッチア科、ゴルドニア科、ツカムレラ科、ロドコッカス科、スケルマニア属、ウィリアムシア科、好ましくはコリネバクテリア科、特にコリネバクテリア属が代表的なものでありうる。挙げることができるコリネバクテリア属の種は、特に、Corynebacterium glutamicumおよびCorynebacterium efficiensであり、これらは、L−アミノ酸の産生能に関して当技術分野において公知である(Eggeling,L.and Bott,M.,Handbook of Corynebacterium glutamicum,CRC Press,Boca Raton,USA(2005))。
コリネバクテリア属、特にCorynebacterium glutamicum種の適切な菌株の例として、公知の野生型菌株がある。
Corynebacterium glutamicum ATCC13032
Corynebacterium acetoglutamicum ATCC15806
Corynebacterium acetoacidophilum ATCC13870
Corynebacterium melassecola ATCC17965
Corynebacterium thermoaminogenes FERM BP−1539
Brevibacterium flavum ATCC14067
Brevibacterium lactofermentum ATCC13869および
Brevibacterium divaricatum ATCC14020
基本的に、バイオテクノロジー産業のアミノ酸産生において公知であるいくつかの微生物を本発明の方法に使用できる。
他のコリネフォルム細菌の菌株、例えば、「Brevibacterium aminogenes」、「Brevibacterium divaricatum」、Brevibacterium ammoniagenes、「Brevibacterium flavum」、「Brevibacterium lactofermentum」、「Brevibacterium roseum」、「Brevibacterium saccharolyticum」、「Brevibacterium immariophilum」、「Corynebacterium acetoacidophilum」、Corynebacterium lilium、「Corynebacterium callunae」および「Corynebacterium herculis」も適している。さらに本発明において使用できる細菌は、「Handbook of Corynebacterium glutamicum」,L.Eggeling and M.Bott(eds.),CRC Press,Boca Raton,USA(2005),Chapter 2.4に明記されており、例えば、C.amycolatum、C.kroppenstedtii、C.atypicum、Turicella T.otitidis、C.callunae、C.efficiens、C.ammoniagenes、C.cystitidis、C.pilosum、C.ammoniagenes、C.amycolatum、C.xerosis、C.imitans、C.pseudodiphtheriticum、C.coyleae、C.striatum、C.fastidiosum、C.mucifaciens、C.propinguum、C.confusum、C.sundsvallense、C.thomssenii、C.glaucum、C.lipophiloflavum、C.mycetoides、C.appendecis、C.imitans、C.callunae、C.efficiens、C.flcescens、C.urealyticum、C.jeikeium、C.falsenii、C.bovis、C.variabilis、C.diphtheriae、C.vitaeruminis、C.kutscheri、C.glucuronolyticum、C.renale、C.mastitidis、C.durum、C.nigricans、C.minutissimum、C.simulans、C.terpenotabidum、C.pseudotuberculosis、C.pseudodiphtheriticum、C.coyleaeである。
本発明において調製される微生物を、連続的もしくはバッチ法または流加法、あるいは反復流加法においてアミノ酸を産生する目的で培養できる。公知の培養方法の総説は、Chmiel(Bioprozesstechnik 1.Einfuehrung in die Bioverfahrenstechnik(Gustav Fischer Verlag,Stuttgart,1991)によるテキストまたはStorhas(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen(Vieweg Verlag,Braunschweig/Wiesbaden,1994))のテキストに見つけることができる。
使用される培養培地は、適切な様式において、特定の菌株の必要条件を満たさなければならない。American Society for Bacteriology(Washington D.C.,USA,1981)のマニュアル「Manual of Methods for General Bacteriology」に種々の微生物用培養培地の説明が含まれている。使用できる炭素源は、糖および炭水化物、例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプンおよびセルロース、油および脂肪、例えば、大豆油、ひまわり油、ピーナッツ油およびココナッツ脂肪、脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸およびリノール酸、アルコール、例えば、グリセロールおよびエタノールならびに有機酸、例えば、酢酸である。使用できる窒素源は、窒素を含有する有機化合物、例えばペプトン、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、コーン・スティープ・リカー、大豆肉および尿素または無機化合物、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムである。窒素源は、個別にまたは混合物として使用できる。使用できるリン源は、リン酸、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムあるいは当該ナトリウム塩である。培養培地は、金属塩、例えば、硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄をさらに含むものとし、これらは、成長に必要とされる。最後に、必須成長物質、例えば、アミノ酸およびビタミンを上記の物質に添加して使用できる。さらに、適切な前駆体を培養培地に添加できる。前記使用物質を単回の添加形態において培養に取り込むことができ、または培養中の適切な様式においてフィードできる。
培養のpHは、適切な様式において、塩基性化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアもしくは水性アンモニア、または酸性化合物、例えば、リン酸もしくは硫酸を使用することにより制御する。発泡物質を消泡剤、例えば、脂肪酸ポリグリコールエステルを使用することにより制御できる。プラスミド安定性を培地に適切な選択作用性物質、例えば、抗生物質を添加することにより維持できる。好気条件は、培養酸素または酸素含有ガス混合物、例えば、空気に取り込むことにより維持される。一般に、培養温度は、20℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃である。培養は、アミノ酸、好ましくはグルタミン酸の最大量を産生するまで継続される。
上記に挙げた微生物を培養する場合、グルタミン酸排泄を、当業者に公知の方法、例えば、ビオチン限界、ペニシリンまたは他の抗生物質の添加、界面活性剤、例えばTween40およびTween60の添加、エタンブトールの添加、dtsR1遺伝子および他の脂肪酸生合成の遺伝子の機能停止あるいは温度上昇により誘発できる。
グルタミン酸形成の誘発は、諸条件において上記の変化しない微生物を培養する場合と比べ、グルタミン酸排泄の増加を意味する。
L−グルタミン酸を、Lindroth and Mopper(Anal.Chem.51:1667−1674(1979)において記載されているように、蛍光検出を用いて、オルソフタルジアルデヒドを誘導体化後に逆相高圧液体クロマトグラフィーにより分析できる。
本発明における方法において、アミノ酸のL−異性体の産生を増加させることが好ましい。
これらのプロトン化形態、例えば、グルタミン酸、これらの脱プロトン化形態、例えば、グルタミン酸塩、およびこれらの塩形態、例えばグルタミン酸ナトリウムまたはアスパラギン酸ナトリウムのアミノ酸名は、同意義である。
本発明の一実施形態において、アミノ酸の産生を少なくとも1.1;1.2;1.3;1.4;1.5;2.0;3.0、好ましくは4.0;5.0、特に好ましくは10.0あるいはそれ以上の倍数で増加する。
本発明における方法の本質的な特徴は、伝達タンパク質による2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性の低下である。
伝達タンパク質は、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を阻害するが、前記2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体をコードする遺伝子発現に影響しないタンパク質を指す。
本発明は、さらに、
a)配列番号1に示される核酸配列を有する核酸配列、または
b)遺伝子コードの縮重により、配列番号2に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
c)配列番号1と少なくとも50%同一である核酸配列
を含む核酸配列によりコードされる伝達タンパク質に関する。
核酸配列c)は、配列番号1と好ましくは少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、特に好ましくは85%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一である。
「相同な」または「相同性」もまた、「同一性」の均等物として使用できる。
2つの核酸配列間またはポリペプチド配列間の同一性を、Smith,T.F.and Waterman,M.S.(Adv.Appl.Math.2:482−489(1981))によるアルゴリズムを基にしたBESTFITプログラムを使用する比較を用いて算出し、以下のアミノ酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:8
ギャップ伸長ペナルティー:2
および以下の核酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:50
ギャップ伸長ペナルティー:3
を設定する。
2つの核酸配列間またはポリペプチド配列間の同一性を各場合の全配列長にわたり、核酸配列/ポリペプチド配列の同一性により定義することが好ましく、この時、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(J.Mol.Biol.48:443−453))によるアルゴリズムを基にしたGAPプログラムを使用する比較を用いて算出し、以下のアミノ酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:8
ギャップ伸長ペナルティー:2
および以下の核酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:50
ギャップ伸長ペナルティー:3
を設定する。
本発明は、配列番号1のさらなる同族体または機能的均等物に関し、これは、ストリンジェントな条件下においてこの核酸配列とハイブリット形成する。
本明細書において「機能的均等物」は、基本的に核酸配列を示し、これは、基本条件下において核酸配列または核酸配列の一部とハイブリット形成し、細胞または有機体のタンパク質発現を誘発することが可能であり、このタンパク質は、C.glutamicum OdhI伝達タンパク質のものと同じ特性を有する。
ハイブリット形成を実施するために、例えば、変換または他の領域の、およそ10〜50bp、好ましくは15〜40bpの短鎖オリゴヌクレオチドを使用することが有利であり、当業者に公知の様式において、これを他の関連遺伝子との比較により測定できる。しかし、100〜500bpを有する本発明におけるより長い核酸断片または完全な配列もハイブリット形成に使用できる。使用される核酸/オリゴヌクレオチド、断片または完全な配列長に応じてあるいは、ハイブリット形成に使用される核酸のタイプ、すなわちDNAまたはRNAに応じて、これらの基本条件は変化する。従って、例えば、DNA:DNA混成物の融点は、同じ長さのDNA:RNA混成物のものよりおよそ10℃低い。
基本的なハイブリット形成条件とは、核酸に応じて、例えば、42〜58℃、0.1〜5×SSC濃度の緩衝水溶液(1×SSC=0.15M Nacl、15mMクエン酸ナトリウム、pH7.2)またはさらに50%ホルムアミドの存在下において、例えば、42℃、5×SSC、50%ホルムアミドを意味する。DNA:DNA混成種のハイブリット形成条件は、0.1×SSCおよび約20〜65℃、好ましくは約30℃〜45℃が有利である。DNA:RNA混成種のハイブリット形成条件は、0.1×SSCおよび約30℃〜65℃、好ましくは45℃〜55℃が有利である。これらの表示されたハイブリット形成温度は、例えばホルムアミド非存在下においておよそ100ヌクレオチド長およびG+C量50%の核酸により算出された融点値である。DNAハイブリット形成の実験条件は、遺伝学の関連テキスト、例えば、Sambrook et al.,"Molecular Cloning",Cold Spring Harbor Laboratory,1989に記載され、当業者に公知の公式を使用して、例えば、核酸長、混成種のタイプまたはG+C量の関数として算出できる。当業者は、以下のテキストにハイブリット形成の情報をさらに見つけるだろう:Ausubel et al.(eds),1985,"Current Protocols in Molecular Biology",John Wiley&Sons,New York;Hames and Higgins(eds),1985,"Nucleic Acids Hybridization:A Practical Approach",IRL Press at Oxford University Press,Oxford;Brown(ed),1991,Essential Molecular Biology:A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press,Oxford.
さらに、機能的均等物はまた、定義された割合以下の特定の核酸配列(元の核酸配列)と相同であり、または同一であり、前記元の核酸配列と同じ活性を有する核酸配列、さらに、特に前記核酸配列の天然なまたは人工的な突然変異を意味する。
OdhIアミノ酸配列モチーフGlu−Thr−Thr−Serは,OdhI伝達タンパク質の機能に不可欠である。本発明は、さらに、Glu−Thr−Thr−Serアミノ酸配列モチーフを含有するOdhIの機能的均等物に関連する。
本発明においてOdhI伝達タンパク質は、非リン酸化状態において2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を阻害する。14および/または15、好ましくは14位のトレオニン残基でリン酸化されていない伝達タンパク質を得ることが好ましい。
本実施形態において、活性の増減、産生もしくは濃度、物質の増減、産生物、反応物質または基質は、本発明において比較実験の親菌株との比較を指し、この親菌株が少なくとも部分的にリン酸化されるOdhI伝達タンパク質を有する。
本発明の本実施形態において、アミノ酸の産生は、少なくとも1.1;1.2;1.3;1.4;1.5;2.0;3.0、好ましくは4.0;5.0、特に好ましくは10.0またはそれ以上の倍数で増加する。
本発明の一実施形態において、PknGタンパク質キナーゼを不活性化することにより、OdhIのリン酸化を防ぐ。
PknGタンパク質キナーゼによりリン酸化されていない伝達タンパク質を得ることが好ましく、これは、
a)配列番号3に示される核酸配列を有する核酸配列、または
b)遺伝子コードの縮重により、配列番号4に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
c)配列番号3と少なくとも50%同一である核酸配列
を含む核酸配列によりコードされる。
本発明における方法の好ましい実施形態において、PknGタンパク質キナーゼ活性は、低下する。
本発明によれば、PknGタンパク質キナーゼ活性の低下は、転写、翻訳および/または翻訳後段階の修飾により生じることができる。前記修飾は、例えば、調節要素の修飾、例えば、プロモーター活性、ヌクレアーゼもしくはプロテアーゼにより分解するmRNAもしくはタンパク質の安定性、またはリボソーム結合による翻訳の開始、または触媒酵素活性自体の低下、あるいは制御因子もしくは他のタンパク質の結合挙動の改変による修飾である。さらに、転写制御因子もしくはRNAポリメラーゼサブユニットの不活性化または修飾による発現の修飾がある。
さらに、pknG遺伝子の不活性化によりPknGタンパク質キナーゼの低い活性もしくは完全な不活性も考えられ、本発明において好ましい。これは、本来公知の種々の遺伝操作手法、例えば、挿入突然変異もしくは欠失突然変異または突然変異誘発物質を用いて細胞を化学処理することにより実現できる。pknG欠失変異体が好ましい。本明細書において上記の方法は、本発明を説明するにすぎず、限定するものではない。
特に、
a)配列番号3に示される核酸配列を有する核酸配列、または
b)遺伝子コードの縮重により、配列番号4に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
c)配列番号3と少なくとも50%同一である核酸配列
を含む核酸配列を欠失することによりPknGタンパク質キナーゼ活性を低下させることが好ましい。
核酸配列c)は、配列番号1と少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、特に好ましくは85%、90%、特に、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であることが好ましい。
「相同な」または「相同性」もまた、「同一性」に対して均等物として使用できる。
2つの核酸配列間またはポリペプチド配列間の同一性を、Smith,T.F.and Waterman,M.S.(Adv.Appl.Math.2:482−489(1981))によるアルゴリズムを基にしたBESTFITプログラムを使用する比較を用いて算出し、以下のアミノ酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:8
ギャップ伸長ペナルティー:2
および以下の核酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:50
ギャップ伸長ペナルティー:3
を設定する。
2つの核酸配列間またはポリペプチド配列間の同一性を、各場合の全配列長にわたり、核酸配列/ポリペプチド配列の同一性により定義することが好ましく、この時、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(J.Mol.Biol.48:443−453))によるアルゴリズムを基にしたGAPプログラムを使用する比較を用いて算出し、以下のアミノ酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:8
ギャップ伸長ペナルティー:2
および以下の核酸のパラメーター
ギャップ挿入ペナルティー:50
ギャップ伸長ペナルティー:3
を設定する。
Niebisch and Bott in Arch.Microbiol 175,282−294(2001)は、遺伝子を欠失するプロセスについて記載し、これも使用して、本発明におけるpknG遺伝子を欠失できる。
本発明の別の好ましい実施形態において、pknG遺伝子を当業者に公知のプロセス、例えば、RNA干渉、アンチセンス技術または遺伝子抑制により不活性化する。
さらに、OdhIタンパク質のリン酸化に必要とされるこれらのアミノ酸残基を突然変異することにより、pknG遺伝子を不活性化できる。
本発明のさらに好ましい実施形態において、OdhIタンパク質のトレオニン残基14および/または15を突然変異させ、コリネバクテリアの突然変異したタンパク質を発現することにより、ODHC活性のOdhI介在性阻害を実現できる。
本発明の別の好ましい実施形態において、ETTS配列モチーフを含有するC.glutamicumのOdhIタンパク質の一部のみを発現するが、タンパク質キナーゼの相互作用に必要とされるカルボキシ末端Fhaドメインを発現しないことにより、ODHC活性のOdhI介在性阻害を実現できる。
本発明における方法の利点は、それぞれの親菌株と比較してアミノ酸、好ましくはグルタミン酸の産生が明らかに増加することである。特に、具体的な産生力、すなわち、時間および細胞量の関数として培地に分泌されるアミノ酸量が増加する。
また、本発明における方法は、より高い産生力をもたらす(空間/時間 収率)。
本発明を以下の実施例を参照にしてより詳細に説明する。
実施例
1.Corynebacterium glutamicumのpknGおよび/またはodhI遺伝子の欠失
Niebisch and Bott(Arch.Microbiol.175:282−294(2001))に記載された方法を使用してCorynebacterium glutamicumの遺伝子を欠失させた。
pknG遺伝子の5´および3´側領域を増幅させるため、オリゴヌクレオチド対DpknG−1(配列番号5)およびDpknG−2(配列番号6)(5´領域)および、DpknG−3(配列番号7)およびDpknG−4(配列番号8)(3´領域)それぞれを使用した:
Figure 2009507505
pknG遺伝子の欠失をオリゴヌクレオチドDpknG−5(配列番号9)およびDpknG−6(配列番号10)を使用してPCRによりモニターすることに成功した:
Figure 2009507505
欠失に成功する場合において予測されていたDNA断片1364bpは得られたが、野生型において予測されていたDNA断片3.76kbは得られなかった。
さらに、pknG遺伝子の欠失を、プローブとしてジゴキシゲニン標識された交差PCR産物を使用して、サザンブロット分析(Southern,E.M.,J.Mol.Biol.98:503−517(1975))により確認することに成功した。C.glutamicum野生型のATCC13032のHindIII消化された染色体DNAにおいて予測されたように、ハイブリット形成しているDNA断片6.5kbおよび2.4kbを検出し、この場合、pknG変異体のHindIII消化された染色体DNAにおいて、DNA断片6.5kbのみが検出された。
C.glutamicum ATCC13032のodhI遺伝子の欠失は、オリゴヌクレオチド対DodhI−1(配列番号11)およびDodhI−2(配列番号12)(5´領域)およびDodhI−3(配列番号13)ならびにDodhI−4(配列番号14)(3´領域)それぞれを使用して、odhI遺伝子の5´および3´側領域を増幅することを含んだ:
Figure 2009507505
プローブとしてジゴキシゲニン標識された交差PCR産物を使用して、odhI遺伝子の欠失をサザンブロット分析(Southern,E.M.,J.Mol.Biol.98:503−517(1975))により確認することに成功した。野生型のSphI消化された染色体DNAにおいて予測されたように、ハイブリット形成するDNA断片2.6kbを検出し、この場合、odhI変異体のSphI消化された染色体DNAにおいて、DNA断片2.3kbのみを検出した。野生型のPstI消化した染色体DNAにおいて予測されたように、ハイブリット形成する断片0.7kbおよび1.5kbを検出し、この場合、odhI変異体のPstI消化した染色体DNAにおいて、断片1.8kbのみを検出した。
2.細胞内グルタミン酸およびグルタミン濃度におけるC.glutamicum ATCC13032のpknG欠失の影響
プラスミドpEKEx2を用いて形質転換された菌株C.glutamicum ATCC13032(Eikmanns et al.,Gene 102:93−98(1991))、pEKEx2を用いて形質転換されたC.glutamicum ΔpknGおよびプラスミドpEKEx2−pknGを用いて形質転換されたC.glutamicum ΔpknG(pEKEx2に存在するイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)−誘発性プロモーターの制御下において、それ自体のリボゾーム結合部位を含めたC.glutamicum pknG遺伝子を含有する)は、最初に、カナマイシン(25mg/l)を含むbrain−heart寒天培地で30℃にて24時間インキュベートした。この寒天平板培養から出発し、前培養(ガラス試験チューブにおいて2%(w/v)グルコース、カナマイシン25mg/lおよびIPTG1mMを含むbrain−heart培地5ml)を植菌した。これらの前培養を30℃および170rpmにて16時間振とう機でインキュベートした。本培養を、出発OD600値が1となるようにこれらの前培養から植菌した。改変されたCGXII最少培地(Keilhauer et al.,J.Bacteriol.175:5595−5603(1993))を本培養に使用し、これは、いかなる尿素およびいかなる硫酸アンモニウムを含有せず、炭素源およびそれぞれ炭素および窒素源としてグルコース5mMおよびL−グルタミン100mMを含有した。さらに、カナマイシン25mg/lおよびIPTG1mMを培地に添加した。本培養を30℃および150rpmにて12時間振とう機でインキュベートした。その後、培養は、600nm時の光学密度(OD600)4.0〜5.6に達した。細胞内グルタミン酸およびグルタミン濃度をWittmannら(Anal.Biochem.327:135−139(2004))により記載された、細胞を急冷しない濾過法に従い測定した。これに関して、乾燥生物量0.5〜1mgを含有する培養量をガラス繊維フィルター(Millipore APFC02500)を通して真空により急速に濾過して除去し、フィルターに結合した細胞を0.9%NaCl溶液で4回洗浄した(室温)。結合した細胞を含むフィルターを50μMオルニチン溶液1.3mlにおいて95℃にて15分インキュベートすることにより内部の代謝産物を抽出した。遠心分離後、上清(細胞抽出物)のアミノ酸を上述のHPLCにより定量化した。乾燥細胞1.5ml/gの細胞量を使用して、細胞内濃度を算出した(Kraemer et al.,Eur.J.Biochem.194:929−935(1990))。図1は、この実験の結果を示す。3つの独立した培養から標準偏差を算出した。
図1は、C.glutamicum菌株ΔpknG/pEKEx2(図1のΔpknG)が比較菌株であるC.glutamicum/pEKEx2のものより94%高い細胞内グルタミン酸濃度を有することを示す(図1のWt)。プラスミドpEKEx2−pknGとΔpknG C.glutamicum菌株の相補性(図1のΔpknG/pknG)により、細胞内グルタミン酸濃度の増加を反転させることができる。グルタミン酸の場合、ΔpknG C.glutamicum菌株の細胞内濃度は、親菌株のものより27%高い。
3.誘導因子エタンブトール500mg/lの存在下において、成長およびグルタミン酸形成におけるC.glutamicum ATCC13032のpknG欠失の影響
菌株C.glutamicum ATCC13032(図2のWt)およびC.glutamicum ΔpknG(図2のDpknG)を最初にbrain−heart寒天培地で30℃にて24時間インキュベートした。この寒天平板培養から出発し、前培養を植菌し(ガラス試験チューブにおいてbrain−heart培地5ml)、30℃および170rpmにて6時間振とう機でインキュベートした。これらの前培養から、100ml三角フラスコにおいて5%(w/v)グルコースを含むCGXII最少培地20mlを含有する2回目の前培養を植菌し、30℃および150rpmにて16時間振とう機でインキュベートした。これらの前培養から出発し、本培養を500ml三角フラスコにおいて植菌し、OD600値1にし、30℃および150rpmにて、表示された時間振とう機でインキュベートした。本培養に関して、炭素源として5%グルコース(w/v)を含むCGXII最少培地50ml(Keilhauer et al.,J.Bacteriol.175:5595−5603(1993))を使用し、培地をエタンブトール500mg/lと混合した。培地のOD600およびグルタミン酸濃度を測定するための被検物質を表示された時間にて取り出した。例として、pknG欠失突然変異体のグルタミン酸形成速度および最終グルタミン酸濃度が親菌株以上に顕著に増加していることを示す。対照に、突然変異体の細胞収率は減少する。
4.C.glutamicumの非突然変異および突然変異したOdhIタンパク質を発現するためのプラスミドの創製
C.glutamicumの非突然変異OdhIタンパク質を発現するために、C.glutamicum ATCC13032の染色体DNAから出発し、オリゴヌクレオチドodhI−for−2およびodhI−rev−2を使用するPCRにより、C.glutamicum odhI遺伝子を増幅した。これは、odhI−rev−2オリゴヌクレオチド、StrepTag−II−コード配列を介して(Skerra,A.and Schmidt,T.G.M.,Methods Enzymol.326:271−304)、odhI遺伝子の停止コドンの上流に取り込むことを含んだ。オリゴヌクレオチドodhI−for−2およびodhI−rev−2を用いて取り込まれたBamHI切断部位を介して、PCR産物をEscherichia coli−C.glutamicumシャトルベクターpJC1(Cremer,J.et al.,Mol.Gen.Genet.220:478−480(1990))にクローン化し、E.coli DH5α(Invitrogen)を宿主細菌として使用する。
Figure 2009507505
組み換えプラスミド(pJC1−odhI)のOdhIコード配列をDNA配列分析により試験し、StrepTag−IIコード配列を除いて、C.glutamicum ATCC13032のゲノムのOdhIコード配列と同一であることを示した(Kalinowski,J.et al.,J.Biotechnol.104:5−25)。続いてpJC1−odhIプラスミドを、電気穿孔法を介して所望のC.glutamicum菌株に移し、当該菌株をカナマイシン25mg/lを含有する培地において培養した。
C.glutamicumの突然変異OdhIタンパク質を発現するため、C.glutamicumのOdhIタンパク質の14位のトレオニン残基のACCコドンを、アラニンにコードするGCCコドンと置き換えることにおいて、最初に、PCR産物をオリゴヌクレオチド対odhI−for−2およびT14A−revならびにT14A−forおよびodhI−rev−2とC.glutamicum ATCC13032の染色体DNAを使用して調製した。次いで、得られた2つのPCR産物を、交差PCRによりオリゴヌクレオチドodhI−for−2およびodhI−rev−2と融合し、後者2つのオリゴヌクレオチドにより取り込まれていたBamHI切断部位を介してpJC1ベクターにクローン化した。本明細書において、E.coli DH5αを、宿主生物として再度使用した。
Figure 2009507505
組み換えプラスミド(pJC1−odhI−T14A)のOdhIコード配列をDNA配列分析により試験し、OdhIコドン14(GCC、ACCの置き換え)およびStrepTag−IIコード配列の所望の突然変異を除いて、C.glutamicum ATCC13032のゲノム中のOdhIコード配列と同一であることを示した(Kalinowski,J.et al.,J.Biotechnol.104:5−25)。続いて、pJC1−odhI−T14Aプラスミドを、電気穿孔法を介して所望のC.glutamicum菌株に移し、当該菌株をカナマイシン25mg/lを含有する培地で培養した。
5.成長(OD600 )およびグルタミン酸形成におけるトレオニン−14−アラニン置換を有するOdhIタンパク質の影響
染色体odhI遺伝子が上述の方法により欠失しているCorynebacterium glutamicum ATCC13032(Niebisch and Bott,Arch.Microbiol.175:282−294(2001))をプラスミドpJC1−odhI−T14Aと形質転換した。pJC1ベクターのその天然のプロモーターおよびその天然のリボソーム結合部位の制御下において、このプラスミドが、C.glutamicum odhI遺伝子を運ぶ(Cremer et al.,Mol.Gen.Genet.220:478−480(1990))。14位のトレオニン残基をアラニンに突然変異することで、プラスミドコードしたOdhI−T14Aタンパク質は、もはやPknGタンパク質キナーゼによりリン酸化できない。使用された比較菌株は、pJC1プラスミドと形質転換したC.glutamicum ATCC13032野生型菌株であった。
菌株C.glutamicum ATCC13032/pJC1(図3のWt)およびC.glutamicum ΔodhI/pJC1−odhI−T14Aを、最初にカナマイシン25mg/lを含有するbrain−heart寒天培地において30℃にて24時間インキュベートした。この寒天平板培養から出発し、前培養を植菌し(100ml三角フラスコにおいて、2%(w/v)グルコースおよびカナマイシン25mg/lを含むLB培地20ml)、30℃および150rpmにて16時間振とう機でインキュベートした。これらの前培養から出発し、次いで、本培養を500ml三角フラスコにおいて植菌し、OD600値1を得、30℃および150rpmにて、表示された時間振とう機でインキュベートした。本培養に関して、炭素源として5%グルコース(w/v)およびカナマイシン25mg/lを含むCGXII最少培地50ml(Keilhauer et al.,J.Bacteriol.175:5595−5603(1993))を使用し、培地をエタンブトール500mg/lと混合した。次いで、培地のOD600およびグルタミン酸濃度を測定するための被検物質を表示された時間にて取り出した。各場合において、2つの菌株の2つの独立した培養を分析した。
菌株C.glutamicum ΔodhI/pJC1−odhI−T14Aは、OD600初期値0.5〜OD600値約2とあまり成長しない。しかし、この期間中、この実験中にOD600値16〜19まで成長したC.glutamicum/pJC1菌株の約2倍のグルタミン酸を形成する。それは、C.glutamicum pJC1菌株が乾燥細胞g当たりグルタミン酸平均2.3mmolを形成し、この場合、菌株C.glutamicum ΔodhI/pJC1−odhI−T14Aが乾燥細胞g当たりグルタミン酸平均37.63mmolを形成することから算出できる。OD600値1は、リットル当たり乾燥細胞0.25gに対応する。
6.トレオニン残基14におけるタンパク質キナーゼGによるOdhIタンパク質のリン酸化
タンパク質キナーゼGによるOdhIタンパク質のリン酸化を示すため、OdhIタンパク質をカルボキシ末端StrepTag−IIにより修飾し(Skerra,A.and Schmidt,T.G.M.,Methods Enzymol.326:271−304)、E.coli DH5αのpAN3K−odhIプラスミドを使用して過剰産生後、製造業者による仕様書(IBA GmbH、Goettingen、ドイツ)に従い、StrepTactin Sepharoseのアフィニティークロマトグラフィーを介して明らかに均質になるまで精製した。同様に、2つの突然変異OdhIタンパク質、すなわち14位のトレオニン残基をアラニンと置き換えたOdhI−T14A、15位のトレオニン残基をアラニンと置き換えたOdhI−T15Aを精製した。カルボキシ末端StrepTag−IIにより修飾されたPknGタンパク質をC.glutamicum ATCC13032のpEKEx2−pknGstプラスミドを使用して過剰産生後、製造業者による仕様書(IBA GmbH、Goettingen、ドイツ)に従い、StrepTactin Sepharoseのアフィニティークロマトグラフィーを介して明らかに均質になるまで精製した。
精製タンパク質であるOdhI、OdhI−T14AおよびOdhI−T15A(各場合、1μg)を精製PknGタンパク質(0.5μg)および[γ−32P]−ATPを用いて37℃にて30分間インキュベートした。さらに、精製OdhIタンパク質(1μg)を[γ−32P]−ATPを含む精製PknGタンパク質の非存在下において37℃にて30分間インキュベートした。続いて、タンパク質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画し、ゲルを乾燥し、phosphorimagerを使用して分析した。結果を図4に示す。OdhI−T14Aタンパク質ではなく、OdhIとOdhI−T15Aタンパク質をPknGによりリン酸化する。また、OdhIタンパク質は、自己リン酸化活性を持たないことが示された。
7.2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性におけるリン酸化および非リン酸化OdhIタンパク質の影響
OdhIタンパク質による2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体の阻害を検出するため、タンパク質キナーゼGおよびOdhIタンパク質における遺伝子が欠失しているC.glutamicum ΔpknG ΔodhI菌株細胞の細胞非含有抽出物を調製した。従って、これらの細胞抽出物は、PknGタンパク質およびOdhIタンパク質のどちらも含有しない。細胞非含有抽出物をPD−10カラム(Amersham Pharmacia)のクロマトグラフィーにかけ、それにより細胞抽出物の低分子量構成物質からタンパク質を分離する。
2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性の活性を、TES7.7 50mM、L−システイン3mM、MgCl210mM、チアミン二リン酸0.9mM、補酵素A0.2mM、NAD+2mMおよび2−オキソグルタル酸1.5mMを含有する分析緩衝液において30℃にて、340nm時の吸光度の増加に基づいて分光光度法により測定した。NADHにおいて340nm時の消散係数6.3mM-1cm-1を使用して特異活性を算出した。1Uの活性は、1分間当たりNADH1μmolの形成に相当する。
OdhIの非存在において、細胞抽出物は、タンパク質およそ35mU/mgの2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を有した(35nmol min-1(タンパク質mg)-1)。OdhI濃度の関数として、精製された非リン酸化OdhIタンパク質の添加は、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を阻害した(図5)。
2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性におけるOdhIタンパク質の影響についてのさらなる実験において、前記複合体は、C.glutamicum菌株(C.glutamicum odhAst)から濃縮され、これには、ODHCのE1サブユニットのOdhAタンパク質がカルボキシ末端StrepTag−IIを含有した。2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体を製造業者による仕様書(IBA GmbH、Goettingen)に従い、StrepTactin Sepharoseのアフィニティークロマトグラフィーにより濃縮した。濃縮された複合体は、タンパク質2.5U/mgの2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性を有した。濃縮ODHC複合体2μgを、追加の添加物なし(反応混合物1)、もしくは非リン酸化OdhIタンパク質0.2μgおよびATP2mM(反応混合物2)または非リン酸化OdhIタンパク質0.2μg、PknGタンパク質2.2μgおよびATP2mM(反応混合物3)のいずれかで30℃にて60分間インキュベート後、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性を測定した。図6に示したように、非リン酸化OdhIタンパク質の添加は、2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性を阻害し、一方、OdhI、PknGおよびATPの添加は、阻害しなかった。
8.Corynebacterium glutamicumによるグルタミン酸産生におけるodhI遺伝子欠失の影響
C.glutamicum ATCC13032(野生型)およびC.glutamicum ΔodhI菌株を、グリセロール培養から出発し、brain−heart寒天培地プレート上に撒き、30℃にて一晩インキュベートした。各本培養において、前培養を、プレートからのシングルコロニーを用いて植菌されたbrain−heart液体培地30mlに調製した。前培養を30℃および150rpmにて15〜18時間インキュベートし、続いて細胞を遠心分離により採取し、0.9%NaClで1回洗浄後、0.9%NaCl5〜10mlに再懸濁した。これらの懸濁液の600nm(OD600)時の光学密度を測定した。
Tween40(図xのAおよびB)またはエタンブトール(図xのCおよびD)の添加により、グルタミン酸産生を誘発した場合、本培養を、前記懸濁液を用いて植菌し、OD600値0.5〜0.9にした。本培養は、2つのバッフルの付いた500ml三角フラスコにおいて4%(w/v)を含むCGXII最少培地60mlを含有し、30℃および150rpmにてインキュベートした。グルタミン酸形成を誘発するため、6〜7時間後に培養に添加されたTween40 2g/l、またはエタンブトール500mg/lのどちらかを植菌直後に添加した。グルタミン酸産生がビオチン限界により誘発される場合(図xのEおよびF)、前記懸濁液を使用して4%グルコースであるがビオチン2.5μg/mlのみを含有するCGXII最少培地(一般のCGXII最少培地は、ビオチン300μg/lを含有する)において、追加の前培養を植菌する。これらの前培養を30℃および150rpmにて正確に24時間インキュベートし、続いて、細胞を遠心分離により除去し、洗浄し、0.9%NaClに再懸濁した。次いで、これらの懸濁液を使用して本培養を植菌し、OD600値0.5〜0.9にした。4%グルコースおよびビオチン1μg/lを含有するCGXII最少培地を本培養に使用した。各1mlの被検物質を本培養から0時間、4時間、6時間、7時間、24時間および30時間にて取り出し、OD600およびグルタミン酸濃度を細胞非含有上清において測定した。
図7は、上述の本培養の成長およびグルタミン酸形成を示す。値は、少なくとも4つの独立した培養の平均である。Tween40(図7Aおよび7B)の存在下およびエタンブトール(図7Cおよび7D)の存在下、ならびにビオチン限界(図7Eおよび7F)で野生型と比較する場合、菌株C.glutamicum ΔodhIがごく少量のグルタミン酸濃度のみを産生することが明らかである。これらの結果により、OdhIタンパク質が、効率的なグルタミン酸形成に非常に重要であることを確認する。
図面の簡単な説明
図1.菌株C.glutamicum/pEKEx2(Wt)、C.glutamicum ΔpknG/pEKEx2(ΔpknG)およびC.glutamicum ΔpknG/pEKEx2−pknG(ΔpknG)/pknG)のグルタミン酸(Glu)およびグルタミン(Gln)の細胞内濃度。3つの独立した培養からの標準偏差も同様に示す。
図2.C.glutamicum ATCC13032(Wt)およびC.glutamicum ΔpknG突然変異体(ΔpknG)による成長(OD600)およびグルタミン酸形成。値は、3つの独立した培養からの平均であり、標準偏差は、20%以下である。
図3.C.glutamicum ATCC13032/pJC1(野生型/pJC1)およびC.glutamicum ΔodhI/pJC1−odhI−T14A(ΔodhI/pJC1−odhI−T14A)による成長(OD600)およびグルタミン酸形成。それぞれ2つの独立した培養からの値を示す。
図4.タンパク質キナーゼGによるOdhIおよびOdhI−T15Aタンパク質のリン酸化の検出。タンパク質OdhIおよびPknG(レーン1)、OdhI(レーン2)、OdhI−T14AおよびPknG(レーン3)ならびにOdhI−T15AおよびPknG(レーン4)を[γ−32P]−ATPを用いて37℃にて30分間インキュベート後、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分画した。乾燥SDSゲルを、phosphorimagerを使用して分析した。
図5.精製した非リン酸化OdhIタンパク質による菌株C.glutamicum ΔpknG ΔodhIの細胞抽出物の2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性の阻害。
図6.添加物の非存在下(No.1)、非リン酸化OdhIタンパク質の存在下(No.2)およびOdhI、PknGおよびATPの存在下(No.3)において濃縮された2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性。PknGおよびATPの存在下において、OdhIはリン酸化され、ODHCの活性を阻害せず、一方、非リン酸化OdhIタンパク質は阻害する。
図7.菌株C.glutamicum ATCC13032(野生型)およびC.glutamicum ΔodhIによる成長(A、C、E)およびグルタミン酸形成(B、D、F)をTween40 2g/lを添加(AおよびB)、エタンブタール0.5g/lを添加(CおよびD)およびビオチン限界(1μg/l)(EおよびF)を用いて比較。これらの菌株を、4%(w/v)グルコースを含むCGXII最少培地において30℃および150rpmにて培養した。成長は、600nm(OD600)時の光学密度に基づいて測定し、グルタミン酸濃度をHPLC分析により培養上清において測定した。
図1は、菌株C.glutamicum/pEKEx2(Wt)、C.glutamicum ΔpknG/pEKEx2(ΔpknG)およびC.glutamicum ΔpknG/pEKEx2−pknG(ΔpknG)/pknG)のグルタミン酸(Glu)およびグルタミン(Gln)の細胞内濃度を示す。 図2は、C.glutamicum ATCC13032(Wt)およびC.glutamicum ΔpknG突然変異体(ΔpknG)による成長(OD600)およびグルタミン酸形成を示す。 図3は、C.glutamicum ATCC13032/pJC1(野生型/pJC1)およびC.glutamicum ΔodhI/pJC1−odhI−T14A(ΔodhI/pJC1−odhI−T14A)による成長(OD600)およびグルタミン酸形成を示す。 図4は、タンパク質キナーゼGによるOdhIおよびOdhI−T15Aタンパク質のリン酸化の検出を示す。 図5は、精製した非リン酸化OdhIタンパク質による菌株C.glutamicum ΔpknG ΔodhIの細胞抽出物の2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性の阻害を示す。 図6は、添加物の非存在下(No.1)、非リン酸化OdhIタンパク質の存在下(No.2)およびOdhI、PknGおよびATPの存在下(No.3)において濃縮された2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を示す。 図7は、菌株C.glutamicum ATCC13032(野生型)およびC.glutamicum ΔodhIによる成長(A、C、E)およびグルタミン酸形成(B、D、F)をTween40 2g/lを添加(AおよびB)、エタンブタール0.5g/lを添加(CおよびD)およびビオチン限界(1μg/l)(EおよびF)を用いて比較したものを示す。

Claims (16)

  1. 伝達タンパク質により2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を低下させる、アミノ酸産生微生物においてアミノ酸を産生する方法。
  2. 微生物が桿菌、好ましくはグラム陽性桿菌、特に好ましくはコリネバクテリア科またはマイコバクテリア科あるいはストレプトマイセス科であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 微生物がコリネバクテリア属由来であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 微生物がCorynebacterium glutamicumまたはCorynebacterium efficiensであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、オルニチン、アスパラギン、アルギニン、リジン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、システインおよび/またはプロリン、好ましくはグルタミン酸および/またはグルタミン、特に好ましくはグルタミン酸の産生を高めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. アミノ酸のL−異性体の産生を高めることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 伝達タンパク質が、
    a)配列番号1に示される核酸配列を有する核酸配列、または
    b)遺伝子コードの縮重により、配列番号2に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
    c)配列番号1と少なくとも50%同一である核酸配列
    を含む核酸配列によりコードされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 伝達タンパク質がリン酸化されていないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 伝達タンパク質が14および/15位、好ましくは14位のトレオニンアミノ酸でリン酸化されていないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 伝達タンパク質がPknGタンパク質キナーゼによりリン酸化されないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 伝達タンパク質が、
    a)配列番号3に示される核酸配列を有する核酸配列、または
    b)遺伝子コードの縮重により、配列番号4に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
    c)配列番号3と少なくとも50%同一である核酸配列
    を含む核酸配列によりコードされるPknGタンパク質キナーゼによりリン酸化されないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. PknGタンパク質キナーゼ活性が低下することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. PknGタンパク質キナーゼ活性が、
    a)配列番号3に示される核酸配列を有する核酸配列、または
    b)遺伝子コードの縮重により、配列番号4に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
    c)配列番号3と少なくとも50%同一である核酸配列
    を含む核酸配列を欠失することにより低下することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 微生物を、ビオチン欠乏、界面活性剤またはペニシリンの添加、エタンブトールの添加、dtsR1遺伝子もしくは他の脂肪酸生合成の遺伝子の機能停止または、温度上昇によりグルタミン酸の過剰産生を誘発する条件下において培養することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. a)配列番号1に示される核酸配列を有する核酸配列、または
    b)遺伝子コードの縮重により、配列番号2に示されるアミノ酸配列から逆翻訳により得ることができる核酸配列、あるいは
    c)配列番号1と少なくとも50%同一である核酸配列
    を含む核酸配列によりコードされる伝達タンパク質。
  16. 微生物において2−オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ複合体活性を制御するための請求項15に記載の伝達タンパク質の使用。
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