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JP2009235838A - アスベスト除去装置 - Google Patents

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JP2009235838A JP2008085545A JP2008085545A JP2009235838A JP 2009235838 A JP2009235838 A JP 2009235838A JP 2008085545 A JP2008085545 A JP 2008085545A JP 2008085545 A JP2008085545 A JP 2008085545A JP 2009235838 A JP2009235838 A JP 2009235838A
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Setsuko Komatsu
節子 小松
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健太郎 小松
Yuichi Mukai
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Abstract

【課題】作業者の安全及び安全な作業環境が確保され、建造物内に種々の状態で存在するアスベストを確実に、かつ、効率的に除去することができるアスベスト除去装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るアスベスト除去装置は、建造物のアスベスト施工面100に密着される作業室10と、その作業室内に多関節アーム31を挿入し、その多関節アーム31の端部にドライアイス粒を前記アスベスト施工面100に吹き付けるノズル53を装着したロボット30と、ノズル53にドライアイス粒を供給するドライアイス供給手段50と、作業室10の内部を負圧に保持する吸引手段60と、アスベスト施工面100から除去されたアスベストを作業室10の外に排出する排出手段70と、作業室10及びロボット30を搭載する車両80を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物の天井面や壁面等に施工されたアスベストの剥離、除去作業を好適に行うことができるアスベスト除去装置に関する。
アスベストは、耐熱、断熱性に優れ経済性も高いことから耐火材、断熱材として多くの建造物に使用されてきたが、アスベストが人体に多大な悪影響を与えることが分かり、その使用が禁止されている。しかし、これまでに建造物に施工されたアスベストの飛散、あるいは、建造物の改造、取り壊し時のアスベストの飛散等の問題が生じ、建造物に施工されたアスベストを除去する方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1に、アスベスト粉塵発生源の隔離工程と、アスベスト粉塵発生源に対する飛散抑制剤吹き付け工程と、昇華性粒子のブラストによるアスベスト除去工程と、アスベスト除去面に対する粉塵飛散防止固化剤の吹き付け工程と、除去したアスベストの密封または固化による処理工程とを有するアスベスト除去方法が提案されている。そして、隔離工程においては、気密性あるシート材によりアスベスト粉塵発生源である壁面部分または天井部分を含む部屋または建物の全部を包囲しつつ密閉区分するとともに、この密閉区分内の空気を吸引する集塵装置により該密閉区分内部を負圧にするのがよいとされる。
特許文献2には、建物の天井、壁等の被吹付け部分に施工された吹付けアスベスト層の除去しようとする領域の外方を覆う箱形のフードと、このフード内においてアスベストを剥離させる剥離手段と、該フード内にその一端が開口し剥離されたアスベストを吸引して該フード内から除去する吸引手段とを備えた吹付けアスベスト層の除去装置であって、前記フード内での剥離作業を監視する監視装置の一部をなし該剥離作業を撮影するテレビカメラを、前記剥離手段の一部をなす噴射ノズルの先端部付近を撮影すべく該噴射ノズルの近傍に配設するとともに、該噴射ノズルとともに前記フード内を移動できるように構成した吹付けアスベスト層の除去装置が提案されている。
また、特許文献3には、建造物の壁面に設けられたアスベストを除去する装置であって、移動台車と、前記移動台車に旋回自在に設けられた多関節アームと、前記多関節アームの先端に設けられかつ前記建造物の壁面に押付けられて前記アスベストを除去する除去手段を備えた除去ヘッドと、前記移動台車に設けられかつ前記除去ヘッドによって除去されたアスベストを回収する回収部と、を備えたアスベスト除去装置が提案されている。
特開2004-305904号公報 特許第3045011号公報 特開平11-193643号公報
アスベストの除去は、アスベストが飛散しないようにアスベストの除去を行う部分、アスベスト施工領域又は建屋を隔離したうえで行われる。そして、アスベストに浸透液を散布又は注入してアスベストを湿潤化させた後、アスベストを除去し、その後残留したアスベストが飛散しないように封じ込める作業により行われることが多い。従来のアスベスト除去方法は、それらの各作業のいずれかの作業を効率的に、また、安全に行うための方法であり、それぞれに提案されている。
すなわち、特許文献1に提案された方法は、アスベスト除去作業空間を負圧に保持してドライアイス等の昇華性粒子をアスベスト施工面に吹き付けて効率的にアスベストを除去しようとする方法であるが、アスベスト作業者の安全上に問題がある。特許文献2に提案された方法は、アスベスト除去作業空間を隔離し、アスベスト除去作業をカメラで監視しながらできる方法であるが、圧縮空気を吹き付けてアスベストを剥離する方法であり、アスベストの除去が必ずしも充分にできないという問題がある。また、特許文献3に提案された方法は、多関節アームを使用して、アスベストを切削除去することができ、強力かつ複雑な作業をすることができる方法であるが、作業効率が悪いという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、作業者の安全及び作業環境の安全が確保され、建造物内に種々の状態で存在するアスベストを確実に、かつ、効率的に除去することができるアスベスト除去装置を提供することを目的とする。
本発明に係るアスベスト除去装置は、建造物のアスベスト施工面に密着される作業室と、該作業室内に多関節アームを挿入し、その多関節アームの端部にドライアイス粒を前記アスベスト施工面に吹き付けるノズルを装着したロボットと、前記ノズルにドライアイス粒を供給するドライアイス供給手段と、前記作業室内を負圧に保持する吸引手段と、前記アスベスト施工面から除去されたアスベストを前記作業室外に排出する排出手段と、前記作業室及びロボットを搭載する車両と、を有している。
上記発明において、ロボットは、その多関節アームを自動制御及び/又は遠隔操作をすることができるものであるのがよい。さらに、ロボットは、その多関節アームに自動制御及び/又は遠隔操作可能なアスベスト切削具を装着することができ、その多関節アームに自動制御及び/又は遠隔操作可能でアスベスト面に浸透液又は封じ込め液を噴出させるノズルを装着することができるものであるのがよい。
作業室は、基台と、その基台に取り付けられ伸縮可能な支柱と、その支柱の天部に取り付けられた密着枠と、該密着枠の周縁から吊り下げられ前記基台に設けられた排出口の周縁に絞り込まれた密封膜と、を有するものとすることができる。そして、その密着枠は、アスベスト密着面が凹凸に形成された弾性体から構成されるのがよい。また、作業室は、大気圧より-2〜-5Pa低い圧力に保持されているのがよく、作業室を構成する支柱は、その相互の間隔が調整可能なものであるのがよい。
車両は、遠隔操作可能なものであるのがよい。
吸引手段は、吸引された空気中の粉塵が捕集される上流側のフィルタと、微細粉塵が捕集される下流側のフィルタとからなる多段に構成された濾過手段を有するものがよい。
排出手段は、基台の下面に設けられ水平方向に移動可能なスライダであって、複数の開口部を有し、基台に設けられた排出口に一の開口部が位置合わせされるようになっているスライダと、前記一の開口部に取り付けられる脱着可能な収集袋とからなるものとすることができる。
本発明に係るアスベスト除去装置によれば、作業者の安全及び作業環境の安全が確保され、建造物内に種々の状態で存在するアスベストを確実に、かつ、効率的に除去することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について、図面を基に説明する。図1に、本発明に係るアスベスト除去装置の実施例を示す。図1に示すように、本アスベスト除去装置は、建造物のアスベスト施工面100に密着される作業室10と、その作業室内に多関節アーム31を挿入し、その多関節アーム31の端部にドライアイス粒をアスベスト施工面100に吹き付けるノズル53を装着したロボット30と、ノズル53にドライアイス粒を供給するドライアイス供給手段50と、作業室10の内部を負圧に保持する吸引手段60と、アスベスト施工面100から除去されたアスベストを作業室10の外に排出する排出手段70と、作業室10及びロボット30を搭載する車両80を有している。このアスベスト除去装置により、アスベストの飛散が防止され、アスベスト除去作業を安全に行うことができるとともに、アスベスト除去作業を効率的に行うことができる。
作業室10は、図1に示すように、基台11と、その基台11に取り付けられ伸縮可能な支柱13と、その支柱13の天部に取り付けられた密着枠20と、密着枠20の周縁から吊り下げられ基台11に設けられた排出口18の周縁に絞り込まれた密封膜25と、を有している。
基台11は、車両80に固定されており、1〜3m×1〜5mのサイズを有する。アスベストを除去する建造物のサイズ、アスベスト施工面100の形状等を考慮して適切なサイズのものが選ばれる。基台11には、除去されたアスベストを排出する排出口18が設けられている。
基台11の四隅には伸縮可能な支柱13が設けられ、その頂部に密着枠20が一体に結合されている。本例の支柱13は、入子になった多段のシリンダからなり、その内部に圧縮空気が供給されるようになっている。そして、そのシリンダの上端に負荷する圧縮力の大きさを調整することができるシリンダ長さ制御手段(図示せず)が設けられている。圧縮力を大きくすると支柱13は縮み、圧縮力を小さくすると支柱13は伸長する。このシリンダ長さ制御手段により、密着枠20を均等な力でアスベスト施工面100に密着させることができる。
支柱13の位置・間隔は調整できるようにすることができる。この場合、以下に説明する
密着枠20、密封膜25についてそれぞれの支柱13の配置に合わせたものを予め準備しておけば、各種の形態を有する建屋、アスベスト施工面100に効率的に対応することができるアスベスト除去装置を構成することができる。
密着枠20は、支柱13の頂部に結合された窓枠状の枠体21と、その枠体21の上面部に取り付けられた弾性体22からなる。弾性体22の上面部は、アスベスト施工面100の形状に合わせた形状、例えば、凹凸状に形成されており、アスベスト施工面100が、平面のみならず折板面にアスベストが施工されたような波状面であっても、弾性体22がアスベスト施工面100に密着できるようになっている。すなわち、このような弾性体22が、支柱13からの押圧力によりアスベスト施工面100に押しつけられて変形するので、作業室10からのアスベスト粉塵の漏れを防止することができる。なお、弾性体22は、例えば、ウレタンフォームから構成することができる。また、密着枠20には、以下に説明する密封膜25をガイドするガイドバー23を設けることができる。
密着枠20の周縁部には密封膜25の上端部が固定されており、密封膜25が密着枠20の周縁から吊り下げられている。密封膜25の下端部は、排出口18の周縁に固定されており、密封膜25は、密着枠20の周縁部から次第に縮径され、排出口18の周縁に絞り込まれるような形状をしている。密封膜25は、例えば、塩化ビニールシートから構成することができ、その内部を-5Paの負圧にしても充分な強度を有する。なお、密封膜25は、耐寒仕様の特殊樹脂シートが好ましい。
密封膜25は、ロボット30の多関節アーム31に固定されるアーム取付穴26を有し、このアーム取付穴26から多関節アーム31が作業室10の内部に挿入されるようになっている。アーム取付穴26は、袖形状になっており、ロボット30は、その多関節アーム31の手首に相当する部分を作業室10内に差し込んだ形態になっている。このため、作業室10内の機密性を容易に確保することができるとともに、ロボットは、その多関節アーム31の手首を自在に動かすことができ、アスベスト除去作業を確実に、かつ、安全に行うことができる。なお、アーム取付穴26と多関節アーム31との間は機密に保持されるようになっている。
密封膜25には、さらに、ドライアイス配管取付穴27、吸引配管取付穴28が設けられており、また、ノズル53の周囲を覗くのに適した位置にのぞき窓29が設けられている。ドライアイス粒を使用してアスベストを除去する作業時には、作業室内が-30〜-50℃になり、結露しやすいのでのぞき窓29は、防露処理がされているものがよい。
密封膜25により作業室10の内部を気密に保つことができるので、アスベスト施工面100にドライアイスを吹き付けてアスベストを除去する作業中でも、吸引手段60により、作業室10の内部圧を負圧にすることができる。作業室10の内部が負圧に確保されれば、アスベストの作業室10からの飛散を防止することができるが、アスベスト除去作業を安全に行うには作業室10内を-2〜-5Paの負圧にするのが好ましい。
ロボット30は、上述のように多関節アーム31を有するものであるが、作業者により多関節アーム31が自動制御でき、また、遠隔操作できるものであるのがよい。これにより、ロボット30に熟練者がアスベスト除去作業をすると同様な作業を行わせることができ、無人で、かつ、作業者には安全が確保され、アスベスト除去作業を確実に行うことができるようになる。自動制御のみで作業を行うと、アスベスト施工面100の形状や固着状態によっては必ずしも充分に除去できない場合がある。このようなことを考慮し、作業者が、アスベスト除去作業の様子をカメラにより観察し、状況判断により多関節アーム31を遠隔操作できるようになっているのがよい。
多関節アーム31は、ロボット30に熟練者の作業を行わせるには、多数の関節を有するのがよく、例えば、6関節型とすることができる。また、多関節アーム31は、その先端部に、各種の工具を容易に取り付けることができる工具取付部35を有するのがよい。本例の場合は、工具取付部35にノズル揺動治具36が取り付けられ、そのノズル揺動治具36を介して、ドライアイス粒を噴射させるノズル53と、アスベストを湿潤化するための浸透液又は封じ込めるための封じ込め液を噴射させる液ノズル57が取り付けられている。
工具取付部35には、さらに、アスベスト切削工具も取り付けられるようにするのがよい。アスベストの湿潤化が充分でなく、アスベストの硬度が高い場合もあるので、そのような場合に工具を用いてアスベストを切削除去できるようにするのがよい。
また、ロボット30は、図1に示すように、多関節アーム31の全体を、旋回手段32により自由に回転させることができ、また、昇降手段33により上下動させることができるようになっているのがよい。そして、ロボット30は車両80に搭載され、自在に移動できるようになっているのがよい。
ドライアイス供給手段50は、ドライアイス粒を貯留し、所定の圧力でノズル53にドライアイス粒を供給するドライアイス供給本体51と、ドライアイス配管52からなる。ドライアイス配管52は、ドライアイス供給本体51からドライアイス配管取付穴27を経て作業室10内に入り、ノズル53に至っている。ドライアイス粒の供給圧力は、1.4〜0.4MPaを使用することができる。しかしながら、被除去作業物の硬さ等によって適切な供給圧力が選ばれる。
吸引手段60は、作業室10から吸引された空気中の粉塵が捕集される上流側のフィルタ61と、微細粒子が捕集される下流側のフィルタ65と、吸引ポンプ68と、これらの各装置から作業室10に至る吸引配管62とからなる。吸引配管62は、密封膜25の吸引配管取付穴28に取り付けられ、吸引配管取付穴28を通じて作業室10内の空気を吸引し、作業室10内を負圧にすることができるようになっている。
図1に示す本例の吸引手段60は、上流側のフィルタ61としてバグフィルタを有し、下流側のフィルタ65としてHEPAフィルタを有している。これらのフィルタにより、作業室10から吸引される空気中に存在するほとんどの微細なアスベストを効率よく捕集することができる。なお、フィルタは、バグフィルタ、HEPAフィルタ以外に必要に応じてさらに設けることができ、他の型式のフィルタを設けることもできる。
排出手段70は、図1、図2に示すように、スライダ71と収集袋75から構成される。スライダ71は、基台11の下面に設けられており、図2に示す矢印方向(水平方向)に移動可能になっている。そして、スライダ71には、開口部73が2個設けられ、いずれかの開口部73に収集袋75が取り付けられて、排出口18に位置合わせされるようになっている。収集袋75が除去されたアスベストで一杯になると、スライダ71が移動され予め取り付けられた空の収集袋75が排出口18の位置にくるように位置合わせされる。これにより、本アスベスト除去装置においては、収集袋75を交換するために運転を停止させる必要はなく、連続運転をすることができる。また、密封膜25の形状が、排出口18に向かって縮径する形状になっているので、アスベスト施工面100から除去されたアスベストが排出口18に収集されやすくなっている。なお、本例の場合、スライダ71には、2つの開口部73が設けられているが、さらに増やすことができる。また、収集袋75の替わりに排出口18に吸引装置を連結して、除去されたアスベストを連続的に収集するようにすることができる。
車両80は、位置センサ85、接触センサ86を有し、その位置及び干渉物との距離を確認することができ、所望の遠隔操作をすることができるようになっている。なお、本例の車両80は、無限軌道型の車両を使用しており、路盤の状況に影響されず、自在に移動することができるようになっている。
本アスベスト除去装置は、上述のように、各装置が自動又は遠隔操作ができるようになっている。このため、図1に示すように、それらの各装置を制御するための制御装置40を有している。本例の場合、制御装置40が車両80に車載されているので、アスベスト除去作業の準備及び撤収を効率よく行うことができる。なお、本例の場合、ドライアイス供給手段50、吸引手段60は、別置型になっているが、これらを一体にすることができる。
また、本アスベスト除去装置は、自動又は遠隔操作ができるように各種の監視手段、例えば、ノズル53の状態を監視するカメラ95、あるいは、アスベスト除去面を監視するカメラ、車両の運行を監視するカメラを有している。また、それらのカメラからの情報、各装置の作動状態を監視するセンサからの情報、ロボット30及び車両80からの情報を表示するモニタ96を有し、ロボット30及び車両80をプログラム制御又は遠隔操作するための制御端末90を有する。
本アスベスト除去装置は、アスベストの湿潤化、除去及び封じ込めの各作業を迅速、かつ連続的に行うことができるようになっている。このため、図1に示すように、液タンク55が車両80に車載され、液ノズル57が多関節アーム31に取り付けられており、液タンク55から液配管56を通じてアスベストを湿潤化するための浸透液又は封じ込めるための封じ込め液を必要に応じて液ノズル57に供給することができるようになっている。なお、液配管56が作業室10に挿入される密封膜25との接続部分は、気密が保持されるようになっている。
以上、本発明に係るアスベスト除去装置の構成を説明した。本アスベスト除去装置は、以下のように使用される。先ず、アスベスト施工面100の状況を観察し、これに適した形状、サイズの作業室10(最適な支柱13の間隔、密着枠20等)が選ばれる。そして、アスベスト除去作業現場に本アスベスト除去装置を設置し、先ず遠隔操作によりアスベスト除去のテスト作業が行われる。
このテスト作業により、予め準備された車両80の遠隔操作の作動プログラム、ロボット30の作動プログラムが選ばれる。次に、選ばれた作動プログラムによりアスベスト除去作業を行い、作業状況を監視する。アスベスト除去作業が適切に行われていると判断された場合は、テスト作業を終え本作業に移る。しかし、作動プログラムを修正した方が好ましいと判断された場合は、ロボット30に対してティーチングを行って最適な作動プログラムを作製する。そして、アスベスト除去作業が適切に行われていると判断された時点でテスト作業を終え、本作業に移る。
なお、テスト作業においては、アスベスト湿潤化作業からアスベスト除去作業までが行われ、本作業においてはアスベスト湿潤化作業、アスベスト除去作業が行われ、最後にアスベスト封じ込め作業が行われる。このため、アスベスト封じ込め作業においては、浸透液が入っていた液タンク55Aが封じ込め液が入っている液タンク55Bに交換される。
以上、本発明に係るアスベスト除去装置について説明した。本アスベスト除去装置は、上記の実施例に限定されず、以下のような構成にすることもできる。すなわち、上記の実施例は、アスベスト施工面100が天井部分である場合であるが、本アスベスト除去装置は、アスベスト施工面100が壁面のような垂直面であっても対応することができる。この場合は、作業室10が水平移動するように構成され、密着枠20が壁面に密着される構成にされる。
また、本アスベスト除去装置は、ドライアイス粒を使用してアスベスト除去を行うのに好適に使用することができるが、ドライアイス粒以外に氷粒等を使用することもできる。また、本アスベスト除去装置は、建造物の改造、取り壊し時に有害な粉塵を発生させるアスベスト以外の断熱材等を使用したものの除去作業に対しても使用することができる。
本アスベスト除去装置を使用してアスベスト除去作業を行った。まず、ドライアイス粒の最適な吹きつけ条件を調べるため、ロードセルを設けた吹きつけ面にドライアイス粒の吹付空気圧、供給量、ノズル53と吹きつけ面との距離を種々に変えてドライアイス粒を吹きつけ、吹きつけ面にかかる圧力を測定した。試験結果を図3に示す。図3において、横軸はノズル53と吹きつけ面との距離を示し、縦軸は吹きつけ面にかかる圧力を示す。パラメータは、ドライアイス粒の吹付空気圧及び供給量である。
図3によると、ドライアイス粒の吹付空気圧は0.7MPa、供給量は60kg/hが好ましく、ノズル53と吹きつけ面との距離は200mmが好ましいことが分かる。
ドライアイス粒の吹付空気圧を0.7MPa、供給量を60kg/h、ノズル53と吹きつけ面との距離を200mmにして、面積2m×2m、高さ2.3mの天井面にロックウールとセメントとの混練材を吹き付けた模擬アスベスト施工面を用いてアスベスト除去作業を行い、作業環境における空気中の繊維状物質の測定試験を行った。アスベスト除去作業を行っている部屋は養生シートで密閉した。空気中の繊維状物質の測定試験は、JIS K3850-1(位相差顕微鏡法)に従って行った。測定時間は2時間とし、アスベスト除去作業を行っている部屋の内部(A)と、養生シートのすぐ外側の位置(B)と、養生シートから10m離れた位置(C)の三箇所で測定を行った。
空気中の繊維状物質の測定試験結果を表1に示す。表1によると、すべての試験環境において、繊維状物質の濃度は、大気汚染防止法(環境庁告示93号)に規定する吸引吸気量1L当たり10本以下とする要件を充分に満たしていることが分かる。
Figure 2009235838
本発明に係るアスベスト除去装置の構成を示す説明図である。 図1の排出手段部分の拡大図である。 ドライアイス粒の吹きつけ条件を調べた試験結果を示すグラフである。
符号の説明
10 作業室
11 基台
13 支柱
18 排出口
20 密着枠
21 枠体
22 弾性体
23 ガイドバー
25 密封膜
26 アーム取付穴
27 ドライアイス配管取付穴
28 吸引配管取付穴
29 のぞき窓
30 ロボット
31 多関節アーム
35 工具取付部
36 ノズル揺動治具
40 制御装置
50 ドライアイス供給手段
51 ドライアイス供給本体
52 ドライアイス配管
53 ノズル
55、55A、55B 液タンク
56 液配管
57 液ノズル
60 吸引手段
61 上流側のフィルタ
62 吸引配管
65 下流側のフィルタ
68 吸引ポンプ
70 排出手段
71 スライダ
73 開口部
75 収集袋
80 車両
85 位置センサ
86 接触センサ
90 制御端末
95 カメラ
96 モニタ
100 アスベスト施工面

Claims (11)

  1. 建造物のアスベスト施工面に密着される作業室と、該作業室内に多関節アームを挿入し、その多関節アームの端部にドライアイス粒を前記アスベスト施工面に吹き付けるノズルを装着したロボットと、前記ノズルにドライアイス粒を供給するドライアイス供給手段と、前記作業室内を負圧に保持する吸引手段と、前記アスベスト施工面から除去されたアスベストを前記作業室外に排出する排出手段と、前記作業室及びロボットを搭載する車両と、を有するアスベスト除去装置。
  2. ロボットは、その多関節アームを自動制御及び/又は遠隔操作をすることができるものであることを特徴とする請求項1に記載のアスベスト除去装置。
  3. ロボットは、さらに、その多関節アームに自動制御及び/又は遠隔操作可能なアスベスト切削具を装着することができるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアスベスト除去装置。
  4. ロボットは、さらに、その多関節アームに自動制御及び/又は遠隔操作可能でアスベスト施工面に浸透液又は封じ込め液を噴出させるノズルを装着することができるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  5. 作業室は、基台と、その基台に取り付けられ伸縮可能な支柱と、その支柱の天部に取り付けられた密着枠と、該密着枠の周縁から吊り下げられ前記基台に設けられた排出口の周縁に絞り込まれた密封膜と、を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  6. 密着枠は、アスベスト密着面が凹凸に形成された弾性体を有するものであることを特徴とする請求項5に記載のアスベスト除去装置。
  7. 作業室は、大気圧より-2〜-5Pa低い圧力に保持されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  8. 支柱は、その相互の間隔が調整可能なものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  9. 車両は、遠隔操作可能なものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  10. 吸引手段は、吸引された空気中の粉塵が捕集される上流側のフィルタと、微細粉塵が捕集される下流側のフィルタとからなる多段に構成された濾過手段を有するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
  11. 排出手段は、基台の下面に設けられ水平方向に移動可能なスライダであって、複数の開口部を有し、基台に設けられた排出口に一の開口部が位置合わせされるようになっているスライダと、前記一の開口部に取り付けられる脱着可能な収集袋とからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のアスベスト除去装置。
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