JP2009217121A - 広角ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1群および第2群の大型化を防止しつつ、広角化(例えば広角端での画角が70度以上)を図ることが可能な広角ズームレンズを提供する。
【解決手段】物体側より順に、正の屈折力を有する第1群10と、負の屈折力を有する第2群20と、絞りStと、第3群30と、正の屈折力を有する第4群40とを備えている。広角端から望遠端への変倍を行う際には、第1群10と第3群30とを固定とし、第2群20を光軸に沿って像側に動かすことによって変倍を行うと共に、それによる像面の補正および合焦を第4群40を光軸に沿って移動させることにより行うようになされる。第2群20は、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい凹面とされた負の第21レンズL21と、正の第22レンズL22とを少なくとも有し、第21レンズL21の少なくとも1面は非球面で構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】物体側より順に、正の屈折力を有する第1群10と、負の屈折力を有する第2群20と、絞りStと、第3群30と、正の屈折力を有する第4群40とを備えている。広角端から望遠端への変倍を行う際には、第1群10と第3群30とを固定とし、第2群20を光軸に沿って像側に動かすことによって変倍を行うと共に、それによる像面の補正および合焦を第4群40を光軸に沿って移動させることにより行うようになされる。第2群20は、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい凹面とされた負の第21レンズL21と、正の第22レンズL22とを少なくとも有し、第21レンズL21の少なくとも1面は非球面で構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、民生用ビデオカメラや監視用ビデオカメラに用いられる小型で高倍率な広角ズームレンズおよび撮像装置に関する。
近年、ビデオカメラ等に用いられるズームレンズにおいて、小型化の要請が高まってきている。一般に、民生用のビデオカメラでは、4群構成において、第1レンズ群と第3レンズ群を固定とし、第2レンズ群を光軸方向に移動させて主に変倍を行い、この変倍に伴う像面の補正および合焦を第4群において行うリアフォーカス型の4群方式のズームレンズが主流となっている。(例えば特許文献1〜4)。
このような4群方式のズームレンズでは、例えば、第1レンズ群の大きさを決定する広角端の焦点距離を可能な限り望遠側によせることで、第1レンズ群の小型化が図られている。また、特許文献1,2では、第2レンズ群の物体側に2枚の負レンズを配置することで第2レンズ群の小型化が図られている。具体的には、特許文献1では、第2レンズ群が、物体側から順に、物体側よりも像側に強い凹面を向けた負レンズ、接合された両凹レンズと正レンズによって構成されている。また、特許文献2では、第2レンズ群が、物体側から順に、像側に強い凹面を向けた負レンズ、負レンズ、正レンズの3枚の単レンズによって構成されている。
特開2006−221208号公報
特開平6−337353号公報
特開平11−23965号公報
特開平11−101941号公報
ところが、上記のような第1レンズ群および第2レンズ群の構成では、広角端における画角はせいぜい60°程度となり、例えば70°以上の更なる広角化を図ろうとすると、広角端あるいは広角端寄りの中間ズーム位置において、第1レンズ群への軸外光束の入射高が高くなってしまう。この結果、第1レンズ群のレンズ有効径の増大が避けられなくなる。
このため、第1レンズ群の大型化を防止しつつ、更なる広角化を図るためには、第2レンズ群の物体側に負の屈折力を集中させて、第2レンズ群の物体側主点の位置を物体側に近づけ、第1レンズ群と第2レンズ群の主点間隔を短くし、軸外光束の第1レンズ群を通過する高さを低くすることが必要となる。
そこで、上記特許文献1,2のようなレンズ構成において、第2レンズ群の負の屈折力を強くしようすれば、各レンズが担うパワーが大きくなるため、第2レンズ群で発生する収差が増大し、広角端から望遠端までの全領域において、高解像力を維持することが困難になってしまう。
従って、更なる広角化を図るためには、第2レンズ群に負レンズを追加して各レンズが担うパワーを分割することが必要となる。例えば、特許文献3,4には、第2レンズ群を負レンズ3枚と正レンズ1枚の4枚構成とすることで、各レンズの曲率半径を大きくして、第2レンズ群での収差を補正するズームレンズが提案されている。しかしながら、このようなレンズ構成では、広角化に限界があり、第2レンズ群の厚みが大きくなって系全体も大型化してしまうという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、第1群および第2群の大型化を防止しつつ、広角化(例えば広角端での画角が70度以上)を図ることが可能な広角ズームレンズを提供することにある。
本発明による広角ズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1群と、負の屈折力を有する第2群と、絞りと、第3群と、正の屈折力を有する第4群とを備えている。広角端から望遠端への変倍を行う際には、第1群と第3群とを固定とし、第2群を光軸に沿って像側に動かすことによって変倍を行うと共に、それによる像面の補正および合焦を第4群を光軸に沿って移動させることにより行うようになされる。第2群は、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい凹面とされた負の第21レンズと、正の第22レンズとを少なくとも有し、第21レンズの少なくとも1面は非球面で構成されている。
本発明による広角ズームレンズでは、第1群と第3群とを固定群とし、第2群を光軸に沿って移動することにより変倍が行われ、それによる像面の補正が第4群により行われる。このとき、第2群が、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい凹面とされた負の第21レンズと、正の第22レンズとを有し、第21レンズの少なくとも1面が非球面で構成されていることにより、第2群のパワーが最適化され、広角化に伴う第1群および第2群の大型化が防止されると共に、収差変動が抑制される。
また、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。これにより、第1群の有効径とレンズ径全体との小型化を実現し易くなる。但し、F2aを第2群の焦点距離、F2bを第21レンズと第22レンズの合成焦点距離とする。
1.3<F2b/F2a<1.8 ………(1)
1.3<F2b/F2a<1.8 ………(1)
さらに、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。これにより、第2群の各レンズが担うパワーが抑えられ、諸収差の補正に有利となる。但し、F21を第21レンズの焦点距離、F22を第22レンズの焦点距離とする。
2.2<F22/|F21|<3.3 ………(2)
2.2<F22/|F21|<3.3 ………(2)
また、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。これにより、第2群における諸収差の補正に有利となる。但し、ν21を第21レンズのアッベ数、ν22を第22レンズのアッベ数とする。
20<ν22−ν21<60 ………(3)
20<ν22−ν21<60 ………(3)
さらに、第21レンズの像側の面と第22レンズの物体側の面とによって構成された空気レンズが、以下の条件式(4)によって算出されるシェイプファクタにより規定されることが好ましい。これにより、諸収差の補正に有利となる。但し、Raを第21レンズの像側の面の曲率半径、Rbを第22レンズの物体側の面の曲率半径とする。
4<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(4)
4<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(4)
また、第4群の像側に、少なくとも1枚の負レンズを含むと共に、変倍の際に固定の負の第5群を備えることが好ましい。これにより、色収差の補正に有利となり、レンズ鏡銅内にゴミが入ることが防止される。
さらに、第2群が、第22レンズの像側に、物体側から順に負の第23レンズと正の第24レンズとが接合された接合レンズとを有することにより、変倍に伴う収差変動が抑制され易くなる。
本発明の撮像装置は、本発明の広角ズームレンズと、この広角ズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを備えたものである。
本発明の広角ズームレンズによれば、第1群と第3群とを固定群とし、第2群を光軸に沿って移動することにより変倍を行い、それによる像面の補正を第4群により行う4群方式のズームレンズにおいて、第2群が、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい負の第21レンズと、正の第22レンズとを有するようにし、第21レンズの少なくとも1面を非球面で構成するようにしたので、第1群および第2群の大型化を防止しつつ、広角化(例えば広角端での画角が70度以上)を図ることができる。
本発明の撮像装置によれば、上記本発明の広角ズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力するようにしたので、広角で高画質の画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1(A),(B)は、本発明の一実施の形態に係る広角ズームレンズの第1の構成例を示している。特に、図1(A)は、広角端におけるレンズ配置、図1(B)は望遠端におけるレンズ配置を示す。この構成例は、後述の第1の数値実施例(図11,図12(A),図12(B))のレンズ構成に対応している。図2(A),(B)〜図10(A),(B)は、第2〜第10の構成例を示し、後述の第2〜第10の数値実施例のレンズ構成に対応している。
図1〜図10において、符号Riは、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側(結像側)に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目の面の曲率半径を示す。符号Diは、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z1上の面間隔を示す。なお符号Diについては、変倍に伴って変化する部分の面間隔のみ符号を付す。なお、各構成例共に基本的な構成は同じなので、以下では図1に示した第1の構成例を基本にして説明する。
この広角ズームレンズは、ビデオカメラ等に用いられるものである。特に監視用ビデオカメラに好適に用いられる。この広角ズームレンズは、光軸Z1に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1群10と、負の屈折力を有する第2群20と、絞りStと、絞りStの直後に配置された第3群30と、正の屈折力を有する第4群40とを備えている。また、第4群40の像側には、さらに負の屈折力を有する第5群50が設けられている。
この広角ズームレンズの結像面には、図示しないCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子が配置される。第5群50と撮像素子との間には、例えば3CCD方式のビデオカメラに対応して、光路変換用のプリズムPが配置されている。そのほか、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、撮像面保護用のカバーガラスや、赤外線カットフィルタなどの平板状の光学部材が配置されていても良い。
図52は、この広角ズームレンズが適用されるカメラの一例を示している。このカメラは、カメラ本体1と、カメラ本体1にマウントされているカメラ用レンズ2とを備えている。カメラ本体1内には、カメラ用レンズ2によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このようなカメラにおけるカメラ用レンズ2として、本実施の形態における広角ズームレンズが適用される。
この広角ズームレンズは、広角端から望遠端への変倍を行う際には、第1群10と第3群30とを固定とし、第2群20を光軸に沿って像側に動かすことによって変倍を行うと共に、それによる像面の補正および合焦を第4群40を光軸に沿って移動させることにより行う4群方式のズームレンズである。なお、第5群50については、固定となっている。第2群20と第4群40は、広角端から望遠端へと変倍させるに従い、図1に実線で示した軌跡を描くように移動する。
第1群10は、物体側より順に、負の第11レンズL11と、正の第12レンズL12と、負の第13レンズL13および正の第14レンズL14よりなる接合レンズと、正の第15レンズL15とからなる4群5枚構成となっている。但し、図5の構成例では、負の第11レンズL11と、負の第12レンズL12と、正の第13レンズL13と、負の第14レンズL14および正の第15レンズL15よりなる接合レンズと、正の第16レンズL16とからなる5群6枚構成となっている。
第2群20は、物体側より順に、負の第21レンズL21と、正の第22レンズL22と、負の第23レンズL23および正の第24レンズL24よりなる接合レンズとからなる3群4枚構成となっている。但し、図10の構成例では、物体側より順に、負の第21レンズL21と、正の第22レンズL22と、負の第23レンズL23および正の第24レンズL24よりなる接合レンズと、正の第25レンズL25とからなる4群5枚構成となっている。
第21レンズL21は、像側の面が凹面となっており、物体側の面よりも像側の面の曲率半径が小さくなっている。具体的には、物体側よりも像側に強い凹面を向けた両凹レンズとなっている。第22レンズL22は、少なくとも1面、例えば物体側の面が非球面となっている。第23レンズL23は両凹レンズ、第24レンズL24は両凸レンズとなっている。但し、図10の構成例では、第21レンズL21は、像側に凹面を向けた負のメニスカスレンズとなっている。また、第25レンズL25は正のメニスカスレンズとなっている。
また、第2群20については、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。但し、F2aを第2群20の焦点距離、F2bを第21レンズL21と第22レンズL22の合成焦点距離とする。
1.3<F2b/F2a<1.8 ………(1)
1.3<F2b/F2a<1.8 ………(1)
さらに、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。但し、F21を第21レンズL21の焦点距離、F22を第22レンズL22の焦点距離とする。
2.2<F22/|F21|<3.3 ………(2)
2.2<F22/|F21|<3.3 ………(2)
さらに、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。但し、ν21を第21レンズL21のアッベ数、ν22を第22レンズL22のアッベ数とする。
20<ν22−ν21<60 ………(3)
20<ν22−ν21<60 ………(3)
さらに、第21レンズL21の像側の面と第22レンズL22の物体側の面とによって構成された空気レンズが、以下の条件式(4)によって算出されるシェイプファクタにより規定されることが好ましい。
4<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(4)
4<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(4)
第3群30は、例えば正の屈折力を有している。また、物体側より順に、負の第31レンズL31および正の第32レンズL32よりなる接合レンズと、正の第33レンズL33および負の第34レンズL34よりなる接合レンズと、負の第35レンズからなる3群5枚構成となっている。但し、図4および図5の構成例では、第3群の屈折力は負となっている。
第4群40は、物体側より順に、負の第41レンズL41および正の第42レンズL42よりなる接合レンズと、正の第43レンズL43とからなる2群3枚構成となっている。第5群50は、負の第51レンズL51により構成されている。
次に、以上のように構成された広角ズームレンズの作用および効果を説明する。
この広角ズームレンズでは、第1群10と第3群30とを固定群とし、第2群20を光軸に沿って移動することにより変倍が行われ、それによる像面の補正が第4群40により行われる。このとき、変倍群である第2群20において、最も物体側に配置された負の第21レンズL21の像面側に、正の第22レンズL22が配置されていることにより、負の第21レンズL21に集中的に強い負のパワーが与えられる。これにより、第2群20の物体側主点の位置がより物体側に近づけられ、広角化に伴う第1群10の大型化が防止される。
このとき、第2群20の第21レンズL21の負のパワーを大きくしすぎると、ペッツバール和が負の方向に大きくなり、像面が倒れてくる。また、変倍のための第2群20の移動により、コマ収差や非点収差が大きく変動し、それらの変動収差を補正するのが困難となる。更に広角化を図ろうとすると、第2群20を構成する各レンズが担うパワーが大きくなり過ぎて、収差補正が困難になってしまう。そこで、第2群20の第21レンズL21の少なくとも1面を非球面とすることにより、良好な像面湾曲特性が得られると共に、広角化に伴う収差変動が抑制される。また、球面の場合と比べて収差補正に際して大きな負担を掛けることができるので、第2群20のレンズ枚数を増やす必要がない。よって、変倍に伴う第2群20の大型化が防止される。さらに、第2群20において、第22レンズL22の像側に、負の第23レンズL23と正の第24レンズL24よりなる接合レンズを配置することにより、変倍に伴う収差変動を効果的に抑えることができ、収差補正に有利となる。
条件式(1)は、変倍群である第2群20の全体の焦点距離と物体側に配置された第21レンズL21および第22レンズL22の合成焦点距離との適切な関係を規定している。この条件式(1)を満足することによって、諸収差の補正を良好に行いつつ、広角化に伴う第1群10の径およびレンズ径全長の増大を抑えることができる。一般に、第1群10における有効径は、第21レンズL21と第22レンズL22の合成焦点距離が小さいほど小さくなる。ところが、本実施の形態では、第21レンズL21と第22レンズL22の合成焦点距離を小さくすると、第2群20全体の焦点距離は大きくなる傾向にある。このため、条件式(1)の下限を下回って、第21レンズL21と第22レンズL22との合成焦点距離を小さくし過ぎると、ストロークが長くなって、全長が大きくなってしまうため好ましくない。逆に、条件式(1)の上限を上回ると、第1群10の径が大きくなるため好ましくない。
条件式(2)は、第21レンズL21および第22レンズL22のそれぞれの焦点距離の適切な関係を規定している。この条件式(2)を満足することにより、各レンズが担うパワーが抑えられ、第2群20で発生する諸収差の発生や、変倍の際のコマ収差や非点収差の変動が抑制される。上述したように、第1群10の径を小さくするためには第2群20の物体側に強い負のパワーを配置する必要があるが、負の第21レンズL21の像側に正の第22レンズL22を配置することで、第22レンズL22のパワーを弱くすることによって相対的に第21レンズL21の負のパワーを強くすることができる。従って、条件式(2)の下限を上回ると、第21レンズL21と第22レンズL22からなる合成レンズでは、強い負のパワーが得られる。ところが、条件式(2)の上限を超えて、第22レンズL22のパワーを弱くしすぎると、第21レンズL21と第22レンズL22からなる合成レンズの負のパワーが大きくなりすぎ、第22レンズL22よりも後のレンズが担うパワーが大きくなり、収差補正が困難になるため好ましくない。逆に、条件式(2)の下限を下回ると、第22レンズL22が担うパワーが大きくなってしまい、変倍に伴う収差の変動が大きくなるだけでなく、第1群10の径の拡大にも繋がるため好ましくない。
条件式(3)は、第21レンズL21および第22レンズL22のそれぞれのアッベ数の適切な関係を規定している。条件式(3)の下限を上回ることで、第2群20で発生する倍率色収差を抑えることができる。この倍率色収差の補正には、条件式(3)の値が大きい方が有利であり、第22レンズL22は、より低分散側のガラスを用いることが望ましい。なお、低分散ガラスは、屈折率が低く、凸レンズを形成して同じパワーを得ようとした場合、曲率半径が小さくなってしまうので、コバを確保するためにレンズの中心厚を大きくすることが好ましい。
条件式(4)は、第21レンズL21および第22レンズL22のそれぞれの曲率半径の適切な関係を規定している。条件式(4)を満足することで、全変倍域で球面収差を良好に補正することができる。条件式(4)の下限を下回ると、第21レンズL21の曲率半径が小さくなり、望遠端での球面収差の補正が困難になるため好ましくない。条件式(4)の上限を上回ると、像面湾曲を補正するのが困難になるため好ましくない。さらに、以下の条件式(5)を満足することにより、球面収差をより良好に補正することができる。
8<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(5)
8<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(5)
また、第4群40の像側に、負の第51レンズL51を有する第5群50を配置することにより、色収差の補正に有利となり、また、レンズ鏡胴内にゴミが入ることを防止することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る広角ズームレンズによれば、4群方式のズームレンズにおいて、変倍群である第2群20の屈折力やレンズ形状などを適切に設定するようにしたので、広角化に伴う第1群および第2群の大型化を防止すると共に諸収差を良好に補正することができる。よって、ビデオカメラに用いられ、第1群および第2群の大型化を防止しつつ広角化(例えば広角端での画角が70度以上)を図ることが可能なレンズ系を実現できる。
次に、本実施の形態に係る広角ズームレンズの具体的な数値実施例について説明する。以下では、第1〜第10の数値実施例をまとめて説明する。
図11,図12(A),(B)は、図1(A),(B)に示した広角ズームレンズの構成に対応する具体的なレンズデータ(実施例1)を示している。特に図11にはその基本的なレンズデータを示し、図12(A)には非球面に関するデータを示し、図12(B)にはズームに関するデータ(変倍に伴って変動するデータ)を示す。
図11に示したレンズデータにおける面番号Siの欄には、最も物体側の構成要素の面を1番目として、像側に向かうに従い順次増加するようにして符号を付したi番目(i=1〜34)の面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1において付した符号Riに対応させて、物体側からi番目の面の曲率半径の値を示す。面間隔Diの欄についても、同様に物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸上の間隔を示す。曲率半径Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメートル(mm)である。Nejの欄には、物体側からj番目(j=1〜15)の光学要素のe線(波長546.1nm)に対する屈折率、νdjの欄には、物体側からj番目(j=1〜15)の光学要素のd線(波長587.6nm)に対するアッベ数の値を示す。
実施例1に係る広角ズームレンズは、変倍に伴って第2群20および第4群40が光軸上を移動するため、これらの各群の前後の面間隔D9,D16,D25,D30の値は可変となっている。図12(B)には、これらの面間隔D9,D16,D25,D30の変倍時のデータとして、広角端および望遠端における値を示す。また、広角端および望遠端における全系の近軸焦点距離f(mm)、Fナンバー(FNO.)、および画角2ω(ω:半画角)の値についても示す。なお、これらの値としてはe線に対するものを示す。
図11のレンズデータにおいて、面番号の左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。実施例1に係る広角ズームレンズは、第2群20における第21レンズL21の物体側の面S10と、第4群40における第43レンズL43の両面S29,S30とが非球面となっている。なお、これら非球面の曲率半径としては、光軸近傍の曲率半径の数値を示している。
図12(A)に非球面データとして示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データとしては、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数RAi,KAの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。各非球面が非球面係数RAiとして第3次〜第10次の係数RA3〜RA10を有効に用いて表されている。
Z=C・h2/{1+(1−KA・C2・h2)1/2}+ΣRAi・hi ……(A)
(i=3〜n,n:3以上の整数)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
KA:円錐定数
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
RAi:第i次の非球面係数
Z=C・h2/{1+(1−KA・C2・h2)1/2}+ΣRAi・hi ……(A)
(i=3〜n,n:3以上の整数)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
KA:円錐定数
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
RAi:第i次の非球面係数
以上の実施例1に係る広角ズームレンズと同様にして、実施例2に係る広角ズームレンズのレンズデータを図13,図14(A),(B)に示す。同様にして、実施例3に係る広角ズームレンズのレンズデータを図15,図16(A),(B)に示す。同様にして、実施例4に係る広角ズームレンズのレンズデータを図17,図18(A),(B)に示す。同様にして、実施例5に係る広角ズームレンズのレンズデータを図19,図20(A),(B)に示す。同様にして、実施例6に係る広角ズームレンズのレンズデータを図21,図22(A),(B)に示す。同様にして、実施例7に係る広角ズームレンズのレンズデータを図23,図24(A),(B)に示す。同様にして、実施例8に係る広角ズームレンズのレンズデータを図25,図26(A),(B)に示す。同様にして、実施例9に係る広角ズームレンズのレンズデータを図27,図28(A),(B)に示す。同様にして、実施例10に係る広角ズームレンズのレンズデータを図29,図30(A),(B)に示す。但し、図20(B)の実施例5のレンズデータでは、可変の面間隔D11,D18,D27,D32について示し、図30(B)の実施例10のレンズデータでは、可変の面間隔D9,D18,D27,D32について示す。
図31には、上述の条件式(1)〜(4)に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。図31から分かるように、各実施例に係る広角ズームレンズに関して、各条件式の数値範囲内となっている。
図32(A)〜図32(D)はそれぞれ、実施例1に係る広角ズームレンズにおける広角端での球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)および倍率色収差を示している。図33(A)〜図33(D)は、望遠端における同様の各収差を示している。なお、球面収差、非点収差、ディストーションとしては、546.1nm(e線)を基準波長とした収差を示す。但し、球面収差図には、波長460.0nm(一点鎖線)および波長615.0nm(点線)についての収差も示す。非点収差図には、サジタル方向(実線)およびタンジェンシャル方向(破線)の収差を示す。また、倍率色収差図には、波長460.0nm(一点鎖線)および波長615.0nm(点線)についての収差を示す。FNO.はF値、ωは半画角を示す。
同様に、実施例2に係る広角ズームレンズについての諸収差を図34(A)〜図34(D)(広角端)、および図35(A)〜図35(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例3についての諸収差を図36(A)〜図36(D)(広角端)、および図37(A)〜図37(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例4についての諸収差を図38(A)〜図38(D)(広角端)、および図39(A)〜図39(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例5についての諸収差を図40(A)〜図40(D)(広角端)、および図41(A)〜図41(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例6についての諸収差を図42(A)〜図42(D)(広角端)、および図43(A)〜図43(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例7についての諸収差を図44(A)〜図44(D)(広角端)、および図45(A)〜図45(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例8についての諸収差を図46(A)〜図46(D)(広角端)、および図47(A)〜図47(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例9についての諸収差を図48(A)〜図48(D)(広角端)、および図49(A)〜図49(D)(望遠端)に示す。同様に、実施例10についての諸収差を図50(A)〜図50(D)(広角端)、および図51(A)〜図51(D)(望遠端)に示す。
以上の各数値データおよび各収差図から分かるように、各実施例について、諸収差が良好に補正され、70°以上の広角化が実現できている。よって、監視用ビデオカメラ等に好適に用いられる小型で広画角、高解像度のズームレンズが実現できている。
なお、本発明は、上記実施の形態および各実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔および屈折率の値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
10…第1群、20…第2群、30…第3群、40…第4群、50…第5群、P…プリズム、St…絞り、Ri…物体側から第i番目のレンズ面の曲率半径、Di…物体側から第i番目と第i+1番目のレンズ面との面間隔、Z1…光軸。
Claims (8)
- 物体側より順に、正の屈折力を有する第1群と、負の屈折力を有する第2群と、絞りと、第3群と、正の屈折力を有する第4群とを備え、
広角端から望遠端への変倍を行う際には前記第1群と前記第3群とを固定とし、前記第2群を光軸に沿って像側に動かすことによって変倍を行うと共に、それによる像面の補正および合焦を前記第4群を光軸に沿って移動させることにより行うようになされ、
前記第2群が、物体側より順に、物体側よりも像側の面の曲率半径が小さい凹面とされた負の第21レンズと、正の第22レンズとを少なくとも有し、
前記第2群の第21レンズの少なくとも1面が非球面で構成されている
ことを特徴とする広角ズームレンズ。 - さらに、以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1記載の広角ズームレンズ。
1.3<F2b/F2a<1.8 ………(1)
但し、
F2a:第2群の焦点距離
F2b:第21レンズと第22レンズの合成焦点距離
とする。 - さらに、以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の広角ズームレンズ。
2.2<F22/|F21|<3.3 ………(2)
但し、
F21:第21レンズの焦点距離
F22:第22レンズの焦点距離
とする。 - さらに、以下の条件式を満足する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の広角ズームレンズ。
20<ν22−ν21<60 ………(3)
但し、
ν21:第21レンズのアッベ数
ν22:第22レンズのアッベ数
とする。 - 第21レンズの像側の面と第22レンズの物体側の面とによって構成された空気レンズが、以下の条件式によって算出されるシェイプファクタにより規定される
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の広角ズームレンズ。
4<(Rb+Ra)/(Rb−Ra)<12 ………(4)
但し、
Ra:第21レンズの像側の面の曲率半径
Rb:第22レンズの物体側の面の曲率半径
とする。 - 前記第4群の像側に、少なくとも1枚の負レンズを含むと共に、変倍の際に固定の負の第5群を備えた
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の広角ズームレンズ。 - 前記第2群は、前記第22レンズの像側に、物体側から順に負の第23レンズと正の第24レンズとが接合された接合レンズとを有する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の広角ズームレンズ。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の広角ズームレンズと、
前記広角ズームレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子と
を備えたことを特徴とする撮像装置。
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