JP2009126466A - コンソールボックス構造 - Google Patents

Abstract

【課題】主に、緊急時における反力の発生を最小限に抑え得るようにする。
【解決手段】コンソールボックス２のボックス本体３を、近接部品９の近傍に位置する脱落予定部１５と、それ以外の固設部１６とに分割し、通常使用時に、固設部１６と脱落予定部１５とが一体的に組合わされると共に、緊急時に、近接部品９に接触した脱落予定部１５が、固設部１６に対して分離脱落可能となるように構成している。
【選択図】図３

Description

この発明は、コンソールボックス構造に関するものである。

自動車などの車両には、車室内の運転席と助手席との間の部分に、センターコンソールが設置されたものが存在する（例えば、特許文献１参照）。

図６は、センターコンソール１の例であり、センターコンソール１は、通常、その後部がコンソールボックス２とされている。

このようなコンソールボックス２は、上面が開口された容器状のボックス本体３と、このボックス本体３上面の開口部４に対して開閉可能に設けられた蓋体５とを備えている。この場合、ボックス本体３は、樹脂製の一体物とされている。

より詳細な構成について説明すると、上記したボックス本体３は、図７に示すようなものであり、図８、図９に示すように、センターコンソール１の内部に収容されている。センターコンソール１の後部上面には、ボックス本体３上面の開口部４と対応する位置に、対応する開口部６が形成されている。ボックス本体３上面の開口部４は、センターコンソール１後部上面の開口部４と、ほぼ全周に亘って接続されるようになっている。上記した蓋体５は、ヒンジ部７（図６、図９参照）を介して、センターコンソール１に開閉可能に取付けられている。このヒンジ部７は、開口部４に対し、車両前後方向Ｙの後方の位置に設置されている。このヒンジ部７により、蓋体５は、上下方向Ｚで且つ車両前後方向Ｙに開閉可能とされている。

この場合、ボックス本体３の下方には、エアバッグセンサー８などの近接部品９が設置されている。

このような構成によれば、ヒンジ部７を中心として、蓋体５を開くことにより、ボックス本体３が出現するので、ボックス本体３に対する物の出し入れが可能となる。

反対に、ヒンジ部７を中心として、蓋体５を閉じることにより、ボックス本体３が隠れるので、ボックス本体３に対して物を収納することが可能となる。
特開２００５−２５４８８１

しかしながら、上記コンソールボックス構造では、ボックス本体３は、樹脂製の一体物とされていたので、緊急時に、乗員の頭部などが、上方から閉じた状態の蓋体５へ当接した場合に、ボックス本体３がエアバッグセンサーなどの近接部品９に接触することによって、大きな反力が発生するという問題があった。

上記課題を解決するために、請求項１に記載された発明は、コンソールボックスのボックス本体を、近接部品の近傍に位置する脱落予定部と、それ以外の固設部とに分割し、通常使用時に、固設部と脱落予定部とが一体的に組合わされると共に、緊急時に、近接部品に接触した脱落予定部が、固設部に対して分離脱落可能となるように構成したコンソールボックス構造を特徴としている。

請求項２に記載された発明は、上記において、前記近接部品が、ボックス本体の下方に位置するエアバッグセンサーであり、前記脱落予定部が、ボックス本体の底板構成部材であることを特徴としている。

請求項１の発明によれば、上記構成により、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、コンソールボックスのボックス本体を、近接部品の近傍に位置する脱落予定部と、それ以外の固設部とに分割したことにより、通常使用時には、固設部と脱落予定部とを一体的に組合わせて使用することが可能となると共に、緊急時には、近接部品に接触した脱落予定部が、固設部に対して分離脱落されることにより、反力の発生を最小限に抑えることが可能となる。

請求項２の発明によれば、上記構成により、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、緊急時には、エアバッグセンサーに接触した底板構成部材が、固設部に対して分離脱落されることにより、反力の発生を最小限に抑えることが可能となる。これにより、ボックス本体の下方にエアバッグセンサーを安定して設置することが可能となる。

以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。

図１〜図５は、この発明の実施例を示すものである。

なお、センターコンソールやコンソールボックスなどの構成については、図６〜図９を用いて説明したものと基本的にほぼ同様なので、必要に応じてこれらの図面を参照すると共に、これらに対する記載を以てこの実施例の説明とすることができる。この際、同一ないし均等な部分については、同一の符号を付すようにしている。但し、構成の異なる部分については、図１〜図５に拠るものとする。

まず、構成について説明する。

自動車などの車両における、車室内の運転席と助手席との間の部分に、図６に示すようなセンターコンソール１が設置される。このセンターコンソール１は、その後部がコンソールボックス２とされている。

このコンソールボックス２は、上面が開口された容器状のボックス本体３と、このボックス本体３上面の開口部４に対して開閉可能に設けられた蓋体５とを備えている。

より詳細な構成について説明すると、上記したボックス本体３は、図１、図２に示すように、前後壁部と左右壁部と底板とを有するほぼ矩形状のものとされている。そして、このボックス本体３は、図３、図４に示すように、センターコンソール１の内部に収容されている。センターコンソール１の後部上面には、ボックス本体３上面の開口部４と対応する位置に、対応する開口部６が形成されている。ボックス本体３上面の開口部４は、センターコンソール１後部上面の開口部４と、ほぼ全周に亘って接続されるようになっている。上記した蓋体５は、ヒンジ部７（図４、図６参照）を介して、センターコンソール１に開閉可能に取付けられている。このヒンジ部７は、開口部４に対し、車両前後方向Ｙの後方の位置に設置されている。このヒンジ部７により、蓋体５は、上下方向Ｚで且つ車両前後方向Ｙに開閉可能とされている。

なお、以上の構成は、上記した従来例のものとほぼ同様である。

そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、コンソールボックス２のボックス本体３を、図１〜図４のいずれかに示すように、近接部品９（図３、図４参照。以下同様）の近傍に位置する脱落予定部１５と、それ以外の固設部１６とに分割し、通常使用時に、固設部１６と脱落予定部１５とが一体的に組合わされると共に、緊急時に、近接部品９に接触した脱落予定部１５が、固設部１６に対して分離脱落可能となるように構成する。即ち、ボックス本体３を、固設部１６と脱落予定部１５とを有する樹脂製の別体物などとする。

なお、上記は、所要の作用効果を発揮するための必要最小限の構成であり、上記されていない構成については、自由度を有している。例えば、センターコンソール１や、コンソールボックス２や、ボックス本体３や、近接部品９や、脱落予定部１５や、固設部１６などの（より具体的な）構成、および、これらの相互関係、更に、これら以外の構成などについては、この段階ではまだ任意のものであって良い。また、上記構成の記載から読取ることが可能な事項については、特に具体的に記載されていない場合であっても、その範囲内に含まれる。

この場合、近接部品９とは、ボックス本体３に対して近接配置されている部品のことである。近接部品９には各種のものが考えられる。

そして、上記において、特に、近接部品９が、ボックス本体３の下方に位置するエアバッグセンサー８とされ、脱落予定部１５が、ボックス本体３の底板構成部材１７とされるようにする。

この場合、エアバッグセンサー８は、ボックス本体３の底板部分よりも全体に小さなものとされている。このエアバッグセンサー８は、フロアパネルなどの上面に固定される。一方、底板構成部材１７は、ボックス本体３の底板部分の一部を構成するものであり、ボックス本体３の底板部分よりも全体に若干小さく、且つ、エアバッグセンサー８よりも全体に若干大きくなるように構成されている。

一方、固設部１６の底板部分に対して、底板構成部材１７を取付けるための下部開口２１を形成する。この下部開口２１は、底板構成部材１７を取付けて閉口した際に、固設部１６と底板構成部材１７との両側縁部の間に、重複部２２，２３（図３参照。以下同様）が形成されるよう、底板構成部材１７よりも車幅方向Ｘに若干小さくなるようにする。この際、下部開口２１は、エアバッグセンサー８よりも車幅方向Ｘに若干大きくなるようにする。

ここでは、図１、図２、図４のいずれかに示すように、底板構成部材１７は、ボックス本体３の底板と対応する横面部分２５と、ボックス本体３の後壁の下部と対応する縦面部２６とを有する側面視ほぼＬ字状のものとされている。これに対応させて、下部開口２１および重複部２２，２３は、ボックス本体３の底板および後壁の下部における、横面部分２５および縦面部２６と相当する範囲に亘って形成されている。

更に、固設部１６に対して脱落予定部１５を分離脱落可能とするために、固設部１６と脱落予定部１５との間には、緊急時分離脱落可能組付部３０，３１が設けられる。

この場合、緊急時分離脱落可能組付部３０は、底板構成部材１７に設けた前後の差込片３２，３３と、これに対応させて固設部１６に設けた前後の差込部３４，３５とを備えている。差込片３２，３３はそれぞれ、対応する差込部３４，３５に対して、差込み得るように構成されている。即ち、差込片３２は、底板構成部材１７の横面部分２５における前縁部分に対しほぼ車両前後方向Ｙのほぼ前方へ向けて突設形成され、差込部３４は、下部開口２１の前縁部の対応する位置に開口形成されている。また、差込片３３は、底板構成部材１７の縦面部２６における後縁部分（上縁部分）に対しほぼ上下方向Ｚのほぼ下方へ向けて突設形成され、差込部３５は、下部開口２１の後縁部（上縁部）に開口形成されている。特に、後側の差込片３３は、図４に示すように、対応する差込部３５へ差込んだ時に、多少の弾性保持力を有し得るようにするために、若干、外方（後方）へ拡がるように傾斜形成されている。なお、差込片３２，３３および差込部３４，３５は、車幅方向Ｘに対して複数設けられている。

更に、緊急時分離脱落可能組付部３１は、図２に示すように、底板構成部材１７に設けた左右の爪部３６と、これに対応させて固設部１６に設けた左右の爪孔部３７とを備えている。爪部３６は、爪孔部３７に対して、挿入係止し得るように構成されている。爪部３６は、底板構成部材１７の横面部分２５における左右の縁部分に対しほぼ上下方向Ｚのほぼ下方へ向けて突設形成され、爪孔部３７は、下部開口２１の左右の縁部分に開口形成されている。即ち、爪部３６および爪孔部３７は、上記した重複部２２，２３に設けられている。なお、爪部３６は、上記した差込片３２および差込部３４を中心とする円のほぼ接線方向へ向くよう、若干前傾させて形成するのが好ましい。これに対応させて、爪孔部３７は、若干前傾状に形成された爪部３６に対して面直となるように傾けて形成するのが好ましい。そのために、爪孔部３７は、ボックス本体３の底板に対して、斜下方に張出した部分に形成させるようにしている。なお、爪部３６および爪孔部３７は、車両前後方向Ｙに対して複数設けられている。この場合、爪部３６は、いわゆる樹脂のみで一体に形成された樹脂爪であっても、表面に金属クリップ部材を取付けて成るいわゆる金属爪であっても良い。この爪部３６と爪孔部３７とによる緊急時分離脱落可能組付部３１は、固設部１６に対して脱落予定部１５が分離脱落される際の荷重を設定するための脱落荷重設定手段としての機能も有している。上記荷重は、爪部３６および爪孔部３７の大きさ、個数、配置などによって設定することができる。

次に、この実施例の作用について説明する。

ヒンジ部７を中心として、蓋体５を開くことにより、ボックス本体３が出現するので、ボックス本体３に対する物の出し入れが可能となる。

反対に、ヒンジ部７を中心として、蓋体５を閉じることにより、ボックス本体３が隠れるので、ボックス本体３に対して物を収納することが可能となる。

そして、例えば、緊急時に、乗員が、コンソールボックス２へ当接した場合に、ボックス本体３が近接部品９に接触することによって、大きな反力が発生することが考えられる。

しかし、この実施例によれば、コンソールボックス２のボックス本体３を、近接部品９の近傍に位置する脱落予定部１５と、それ以外の固設部１６とに分割したことにより、通常使用時には、固設部１６と脱落予定部１５とを一体的に組合わせて使用することが可能となると共に、緊急時には、図５に示すように、近接部品９に接触した脱落予定部１５が、固設部１６に対して分離脱落されることにより、反力の発生を最小限に抑えることが可能となる。

特に、緊急時に、乗員の頭部などが、上方から閉じた状態の蓋体５へ当接したような場合には、エアバッグセンサー８に接触した底板構成部材１７が、固設部１６に対して分離脱落されることにより、反力の発生を最小限に抑えることが可能となる。これにより、ボックス本体３の下方にエアバッグセンサー８を安定して設置することが可能となる。

より具体的には、図５に示すように、底板構成部材１７は、後側の差込片３３が差込部３５から外れると共に、左右の爪部３６が爪孔部３７から外れることにより、外れずに残る前側の差込片３２および差込部３４を中心として、上方へ回動しつつ、固設部１６から分離脱落されることとなる。

この際、脱落荷重設定手段としての左右の爪部３６および爪孔部３７によって、固設部１６に対して脱落予定部１５が分離脱落される際の荷重を設定することができるので、通常使用時に生じる突発的な荷重などによって、底板構成部材１７が固設部１６から不用意に分離脱落してしまうようなことが無く、且つ、緊急時には確実に作動するように構成することができる。

以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。

本発明の実施例のコンソールボックスに用いられるボックス本体の分解斜視図である。 図１のボックス本体を別の方向（斜下方）から見た分解斜視図である。 図１のボックス本体の、コンソールボックスに取付けられた状態の横断面図である。 図１のボックス本体の、コンソールボックスに取付けられた状態の縦断面図である。 図４の作動図である。 従来例および本発明の説明に用いたセンターコンソールの全体斜視図である。 図６のセンターコンソールの後部に設けられたコンソールボックスにおけるボックス本体の従来例を示す斜視図である。 図７のボックス本体の、コンソールボックスに取付けられた状態の横断面図である。 図７のボックス本体の、コンソールボックスに取付けられた状態の縦断面図である。

符号の説明

２ コンソールボックス
３ ボックス本体
８ エアバッグセンサー
９ 近接部品
１５ 脱落予定部
１６ 固設部
１７ 底板構成部材

Claims (2)

1. コンソールボックスのボックス本体を、近接部品の近傍に位置する脱落予定部と、それ以外の固設部とに分割し、
   通常使用時に、固設部と脱落予定部とが一体的に組合わされると共に、
   緊急時に、近接部品に接触した脱落予定部が、固設部に対して分離脱落可能となるように構成したことを特徴とするコンソールボックス構造。
2. 前記近接部品が、ボックス本体の下方に位置するエアバッグセンサーであり、
   前記脱落予定部が、ボックス本体の底板構成部材であることを特徴とする請求項１記載のコンソールボックス構造。
   

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