以下、図面に従って本発明を適用したデジタル一眼レフカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラについて背面からみた外観斜視図である。
カメラ本体200の上面にはレリーズ釦21、撮影モードダイヤル22、情報設定ダイヤル24、ストロボ200等が配置されている。レリーズ釦21は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子221(図2参照)の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
撮影モードダイヤル22は回転可能に構成された操作部材であり、撮影モードダイヤル22上に設けられた撮影モードを表す絵表示または記号を指標に合致させることにより、フルオート撮影モード(AUTO)、プログラム撮影モード(P)、絞り優先撮影モード(A)、シャッタ撮影優先モード(S)、マニュアル撮影モード(M)、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、マクロ撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード等の各撮影モードを選択することができる。
情報設定ダイヤル24は回転可能に構成された操作部材であり、情報表示画面等において、情報設定ダイヤル24の回転操作により所望の設定値やモード等を選択することができる。ストロボ50は、ポップアップ式の補助照明装置であり、図示しない操作釦を操作することにより、ストロボ200がポップアップし被写体に対して照射可能となる。
カメラ本体200の背面には、液晶モニタ26、連写/単写釦27、AFロック釦28、アップ用十字釦30U、ダウン用十字釦30D、右用十字釦30R、左用十字釦30L(これらの各十字釦30U、30D、30R、30Lを総称する際には、十字釦30と称する)、OK釦31、ライブビュー表示釦33、拡大釦34、メニュー釦37、再生釦38が配置されている。液晶モニタ26は、ライブビュー表示を行い、また、撮影済みの被写体像を再生表示し、撮影情報やメニューを表示するための表示装置である。これらの表示を行うことができるものであれば、液晶に限らない。
連写/単写釦27は、レリーズ釦21が全押しされている間は連続して撮影する連写モードと、レリーズ釦21が全押しされると、1駒、撮影する単写モードのモード切り替え用の操作部材である。AFロック釦28は、被写体のピント合わせを固定するための操作部材である。これによって、撮影対象の被写体にピント合わせAFロック釦28を操作し、ピント合わせを固定した後に、構図を変更しても撮影対象にピントの合った撮影を行うことができる。
十字釦30は液晶モニタ26上で、X方向とY方向の2次元方向にカーソルの移動を指示するための操作部材であり、また、記録媒体に記録された被写体像を再生表示するにあたって、被写体像の選択指示にも使用する。なお、アップ、ダウン、左、右用の4つの釦を設ける以外にも、タッチスイッチのように2次元上で操作方向を検出できるスイッチ等、2次元方向に操作できる操作部材に置き換えることも可能である。OK釦31は、十字釦30やコントロールダイヤル24等によって選択された各種項目を確定するための操作部材である。
ライブビュー表示釦33は、情報表示等の表示画面からライブビュー表示に切り換え、またはライブビュー表示から情報表示等の表示画面に切り換えるための操作釦である。なお、ライブビュー表示は、被写体像記録用の撮像素子221の出力に基づいて液晶モニタ26に被写体像を観察用に表示するモードであり、情報表示はデジタルカメラの撮影情報を表示設定するために液晶モニタ26に表示されるモードである。拡大釦34は、液晶モニタ26に被写体像の一部分を拡大表示するための操作部材であり、前述の十字釦30を操作することによって拡大位置を変更することができる。
メニュー釦37は、このデジタルカメラのAFモード等の各種モードを設定するためのメニューモードに切換えるための操作部材であり、このメニュー釦37の操作によってメニューモードを選択すると、液晶モニタ26にメニュー画面が表示される。メニュー画面は複数の階層構造となっており、十字釦30で各種項目を選択し、OK釦31の操作により選択を決定する。再生釦38は、撮影後に記録した被写体画像を液晶モニタ26に表示させることを指示するための操作釦である。後述するSDRAM267、記録媒体277にJPEG等の圧縮モードで記憶されている被写体の画像データを伸張して表示する。
カメラ本体200の側面には、記録媒体収納蓋40が開閉自在に取り付けられている。この記録媒体収納蓋40を開放すると、この内部に記録媒体277用の装填スロットが設けられており、記録媒体277はカメラ本体200に対して、脱着自在に装填可能となっている。
次に、図2を用いて、デジタル一眼レフカメラの電気系を主とする全体構成を説明する。本実施形態に係わるデジタル一眼レフカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200とから構成される。本実施形態では、交換レンズ100とカメラ本体200は別体で構成され、通信接点300にて電気的に接続されているが、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成することも可能である。なお、内蔵式のストロボ50の回路ブロックは図2において、省略してある。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系101はレンズ駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。レンズ駆動機構107によって駆動された撮影光学系101の焦点距離および焦点位置は、光学系位置検出機構105によって検出される。
レンズ駆動機構107、絞り駆動機構109および光学系位置検出機構105は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、レンズ駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。また、レンズCPU111は、光学系位置検出機構105によって検出された焦点距離や焦点位置情報をカメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内には、被写体像を観察光学系に反射するためにレンズ光軸に対して45度傾いた位置(下降位置、被写体像観察位置)と、被写体像を撮像素子221に導くために跳ね上がった位置(上昇位置、退避位置)との間で、回動可能な可動ミラー201が設けられている。この可動ミラー201の上方には、被写体像を結像するためのフォーカシングスクリーン205が配置され、このフォーカシングスクリーン205の上方には、被写体像を左右反転させるためのペンタプリズム207が配置されている。
このペンタプリズム207の出射側(図2で右側)には被写体像観察用の接眼レンズ(不図示)が配置され、この脇であって被写体像の観察に邪魔にならない位置に測光センサ211が配置されている。この測光センサ211は、測光処理回路241に接続され、測光センサ211の出力は、この測光処理回路241によって増幅処理やアナログ−デジタル変換等の処理がなされる。
上述の可動ミラー201の中央付近はハーフミラーで構成されており、この可動ミラー201の背面には、ハーフミラー部で透過した被写体光をカメラ本体200の下部に反射するためのサブミラー203が設けられている。このサブミラー203は、可動ミラー201に対して回動可能であり、可動ミラー201が跳ね上がっているときには(図2において破線位置)、ハーフミラー部を覆う位置に回動し、可動ミラー201が被写体像観察位置(下降位置)にあるときには、図示する如く可動ミラー201に対して開いた位置にある。
この可動ミラー201は可動ミラー駆動機構239によって駆動されている。また、サブミラー203の下方には位相差AFセンサ243が配置されており、この位相差AFセンサ243の出力は位相差AF処理回路245に接続されている。位相差AFセンサ243は、撮影光学系101によって結像される被写体像の焦点ズレ量(デフォーカス量)を測定するために、撮影光学系101の周辺光束を2光束に分離する公知の位相差AF光学系と1対のセンサとから構成されている。また、位相差AFセンサ243は、撮影画面内の複数ポイントについて、それぞれ焦点検出可能である。
可動ミラー201の後方には、露光時間制御用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ213が配置されており、このシャッタ213はシャッタ駆動機構237によって駆動制御される。シャッタ213の後方には撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。なお、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Devices)またはCMOS(Complementary
Metal Oxide Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることは言うまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、この撮像素子駆動回路223によって、撮像素子221から画像信号の読出し等が行われる。撮像素子駆動回路223は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間引き処理、拡大表示のための切り出し処理等の画像処理のための前処理を行なう。
前述のシャッタ213と撮像素子221の間には、防塵フィルタ215、圧電素子216、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217が配置されている。防塵フィルタ215の周囲には圧電素子216が固定されており、この圧電素子216は防塵フィルタ駆動回路235によって、超音波で振動する。防塵フィルタ215の付着した塵埃は、圧電素子216に発生する振動波によって、除塵される。
赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217は、被写体光束から赤外光成分と、高周波成分を除去するための光学フィルタである。防塵フィルタ215、圧電素子216、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217および撮像素子221は、塵埃等が侵入しないように気密に一体に構成されている。これら一体化された撮像素子223等は、シフト機構233によって、撮像素子223の撮像面におけるX軸方向とY軸方向に沿って、それぞれ移動させることができる。
手振れセンサ227は、カメラ本体200に加えられた手振れ等による振動を検出するセンサであり、この出力は手振れ補正回路229に接続している。手振れ補正回路229は手振れ等の振動を除去するための手振れ補正信号を生成し、手振れ補正回路229の出力は、シフト機構駆動回路231に接続されている。シフト機構駆動回路231は、手振れ補正信号を入力し、この信号に基づいて、シフト機構233を駆動する。このシフト機構233によって、カメラ本体200に加えられた手振れ等の振動を打ち消すように、撮像素子221等を移動させ、防振を行なう。
前処理回路225は、ASIC(Application Specific
Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)250内のデータバス252に接続されている。このデータバス252には、シーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)251、画像処理回路257、圧縮伸長回路259、ビデオ信号出力回路261、SDRAM制御回路265、入出力回路271、通信回路273、記録媒体制御回路275、フラッシュメモリ制御回路279、スイッチ検知回路283が接続されている。
データバス252に接続されているボディCPU251は、このデジタル一眼レフカメラの動作を制御するものである。前述の前処理回路225とボディCPU251の間には、コントラストAF回路253と、AE回路255が並列に接続されている。コントラストAF回路253は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて高周波成分を抽出し、この高周波成分に基づくコントラスト情報をボディCPU251に出力する。AE回路255は、前処理回路225から出力される画像信号に基づいて、被写体輝度に応じた測光情報をボディCPU251に出力する。
データバス252に接続された画像処理回路257は、デジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、ライブビュー表示用画像生成等の各種の画像処理を行なう。また圧縮伸長回路259はSDRAM267に記憶された画像データをJPEGやTIFF等の圧縮方式で圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方式も適用できる。
ビデオ信号出力回路261は液晶モニタ駆動回路263を介して液晶モニタ26に接続される。ビデオ信号出力回路261は、SDRAM267、記録媒体277に記憶された画像データを、液晶モニタ26に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。液晶モニタ26は、図1に示すように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。
SDRAM267は、SDRAM制御回路265を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM267は、画像処理回路257によって画像処理された画像データまたは圧縮伸長回路259によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
上述の撮像素子駆動回路223、前処理回路225、手振れ補正回路229、シフト機構駆動回路231、防塵フィルタ駆動回路235、シャッタ駆動機構237、可動ミラー駆動機構239、測光処理回路241、位相差AF処理回路245に接続される入出力回路271は、データバス252を介してボディCPU251等の各回路とデータの入出力を制御する。
レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路273は、データバス252に接続され、ボディCPU251等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。データバス252に接続された記録媒体制御回路275は、記録媒体277に接続され、この記録媒体277への画像データ等の記録及び画像データ等の読み出しの制御を行う。
記録媒体277は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、通信接点を介してハードディスクを接続可能に構成してもよい。
フラッシュメモリ制御回路279は、フラッシュメモリ(Flash Memory)281に接続され、このフラッシュメモリ235は、デジタル一眼レフカメラの動作を制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU251はこのフラッシュメモリ281に記憶されたプログラムに従ってデジタル一眼レフカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ281は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
シャッタレリーズ釦21の第1ストローク(半押し)を検出する1Rスイッチや、第2ストローク(全押し)を検出する2Rスイッチ、ライブビュー表示釦33の操作によってオンするライブビュー表示スイッチを含む各種スイッチ285は、スイッチ検出回路283を介してデータバス252に接続されている。また、各種スイッチ285としては、拡大釦34に連動する拡大スイッチ、パワースイッチ、メニュー釦37に連動するメニュースイッチ、AFロック釦28に連動するAFロックスイッチ、連写/単写釦27に連動する連写/単写スイッチや、その他の操作部材に連動するその他の各種スイッチ等を含んでいる。
次に、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの動作について図3乃至図11に示すフローチャートを用いて説明する。図3は、カメラ本体200側のボディCPU251によるパワーオンリセットの動作である。カメラ本体200に電池が装填されると、このフローがスタートし、はじめにカメラ本体200のパワースイッチがオンであるかを判定する(#1)。判定の結果、パワースイッチがオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(#3)。このスリープ状態ではパワースイッチがオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップ#5以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
ステップ#1において、パワースイッチがオンであった場合、またはステップ#3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(#5)。次に、防塵フィルタ215における塵埃除去動作を行う(#7)。これは防塵フィルタ215に固着された圧電素子216に防塵フィルタ駆動回路235から駆動電圧を印加し、超音波振動波によって塵埃等を除去する動作である。
次に、撮影モードダイヤル22等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件、およびレンズ情報の読み込みを行う(#9)。レンズ情報の読み込みは、レンズCPU111から通信回路273を介して交換レンズ100の開放絞り、焦点距離情報、レンズ識別番号等のレンズ特性情報の読み込みを行う。
続いて、測光・露光量演算を行なう(#11)。このステップでは、測光センサ211によって被写体輝度を測光し、露光量を演算し、この露光量を用いて撮影モード・撮影条件に従ってシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う。この後、撮影情報を液晶モニタ26に表示する(#13)。撮影情報としては、ステップ#9において読み込んだ撮影モード・撮影条件等と、ステップ#11において演算したシャッタ速度や絞り値の露出制御値等である。
次に、ライブビュー表示スイッチがオンか否かの判定を行なう(#15)。前述したように、撮影者がライブビュー表示で被写体像を観察する場合には、ライブビュー表示釦33を操作する。判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンの場合には、ライブビュー表示動作のサブルーチンを実行する(#31)。このライブビュー表示動作については、図4乃至図6を用いて後述する。
ステップ#15における判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンしていなかった場合には、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(#17)。再生モードは、再生釦38が操作された際に、記録媒体277に記録された静止画データを読み出して液晶モニタ26に表示するモードである。判定の結果、再生スイッチがオンの場合には、再生動作を実行する(#33)。
ステップ#17における判定の結果、再生スイッチがオンではなかった場合には、メニュースイッチがオンか否かの判定を行なう(#19)。このステップでは、メニュー釦37が操作され、メニューモードが設定されたか否かを判定する。判定の結果、メニュースイッチがオンであった場合には、液晶モニタ26にメニュー表示し、メニュー設定動作を行う(#35)。メニュー設定動作によって、AFモード、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。
AFモードとしては、シングルAF(S−AF)モードとコンティニュアスAF(C−AF)モードが設けられている。AFモードの設定は、図12に示すように、メニュー画面からAFモードの設定表示画面を選択し、この画面において、十字釦30を操作することによっていずれかのAFモードを選択し、OK釦31を操作することにより設定される。なお、AFモードとしては、シングルAFモードがデフォルト値として設定されている。
ステップ#19における判定の結果、メニュースイッチがオンでなかった場合には、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う。判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影準備と静止画像の撮影を行う撮影動作Aのサブルーチンを実行する(#37)。このサブルーチンの詳細は図7を用いて後述する。
ステップ#21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、合焦表示の消灯を行う(#22)。後述するように、コントラストAFによって合焦状態に達し、被写体にピントが合うと、図13に示すように、合焦表示311を表示する(図10の#235)。この合焦表示がなされていれば、これを消灯する。続いて、ステップ#1と同様に、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(#23)。判定の結果、パワースイッチがオンであった場合には、ステップ#9に戻り、前述の動作を繰り返す。一方、パワースイッチがオンではなかった場合には、電源供給を停止し(#25)、ステップ#3に戻り、前述のスリープ状態となる。
次に、ステップ#31のライブビュー表示動作について、図4乃至図6を用いて説明する。このサブルーチンに入ると、まず、撮影情報表示をオフする(#41)。ステップ#13において、撮影情報が液晶モニタ26に表示されるが、このステップでは、液晶モニタ26にライブビューを表示するために、この撮影情報の表示を停止する。続いて、ステップ#11と同様にして、測光・露光量演算を行なう(#43)。
次に、可動ミラー201を撮影光学系101の光軸から退避させ(#45)、シャッタ213を開放する(#47)。これらの動作によって、撮像素子221上に撮影光学系101による被写体像が結像する。続いて、ライブビュー条件初期設定を行なう(#49)。このステップでは、撮像素子221の駆動にあたっての電子シャッタスピードと感度の条件設定を行うために、ステップ#43で求めた測光・露光量の演算結果を用いて、液晶モニタ26に適切な明るさ(明度)の像を表示するための演算と設定を行う。
次に、ライブビュー表示の開始を指示する(#51)。すなわち、撮像素子221および画像処理回路257等に指示し、撮像素子221によって取得した画像データを液晶モニタ26に動画表示する。撮影者はこのライブビュー表示に基づいて撮影構図を決めることができる。なお、ライブビュー表示中に液晶モニタ26の画面輝度が一定となるように、電子シャッタ速度やISO感度等の制御を行っている。
ライブビュー表示を開始すると、次に、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち、1Rスイッチがオンであるか否かの判定を行なう(#53)。判定の結果、1Rスイッチがオンされていなかった場合には、ステップ#22と同様に、合焦表示がなされている場合には合焦表示を消灯する(#55)。
続いて、AFモードとして、コンティニュアスAFモードが設定されているか否かを判定する(#57)。判定の結果、コンティニュアスAFモードではない場合、すなわちシングルAFモードが設定されていた場合には、ステップ#77にジャンプする。一方、コンティニュアスAFモードが設定されていた場合には、コントラストAF制御を行う(#59)。
このコントラストAF制御においては、コントラストAF回路253からのコントラスト情報に基づいて、撮影光学系101が合焦状態となるように制御する。このコントラストAF制御について、詳しくは、図10を用いて後述する。なお、コンティニュアスAFモードが設定されている場合に、ライブビュー表示モードに入ると、レリーズ釦21が半押しされない状態では、ステップ#59を繰り返し通過することから、コントラストAF制御が連続的に実行される。
次に、ライブビュー表示釦33に連動するライブビュー表示スイッチがオンか否か判定する(#77)。ライブビュー表示釦33は、一度、操作されると、ライブビュー表示モードとなり、再度、操作されると、ライブビュー表示モードが解除される。ステップ#77における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#77における判定の結果、ライブビュー表示スイッチがオンではなかった場合には、再生釦38に連動する再生スイッチがオンか否かの判定を行なう(#79)。再生モードは、液晶モニタ26に記録媒体277に記録されている画像データの再生表示を行なうために、ライブビュー表示モードを終了する必要がある。ステップ#79における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#79における判定の結果、再生スイッチがオンではなかった場合には、メニュー釦37に連動するメニュースイッチがオンか否かの判定を行なう(#81)。メニュー設定モードは、液晶モニタ26にメニュー表示を行なうために、ライブビュー表示モードを終了する必要がある。ステップ#81における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#85以下において、ライブビュー表示モードを終了する。
ステップ#81における判定の結果、メニュースイッチがオンではなかった場合には、パワースイッチがオンか否かの判定を行なう(#83)。判定の結果、パワースイッチがオフであった場合には、パワーオフ処理を行なうために、まずステップ#85以下において、ライブビュー表示の終了を行なう。ステップ#83における判定の結果、オンであった場合には、ステップ#53に戻り、前述の動作を繰り返す。
ライブビュー表示の終了のために、ステップ#85に移ると、まず、合焦表示の消灯を行なう(#85)。前述したように、被写体にピントが合うと、図13に示すように、合焦表示311を表示するので、この合焦表示がなされていれば、これを消灯する。続いて、前処理回路225や画像処理回路257等にライブビュー表示の停止指示を行う(#87)。この後、シャッタ213にシャッタ閉じ動作を指示し(#89)、可動ミラー201を復帰動作(下降位置へ移動)させ(#91)、元のルーチンに戻る。
ステップ#53(図4)における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、ステップ#57と同様に、AFモードとしてコンティニュアスAFが設定されているか否かについて判定する(図6#101)。判定の結果、コンティニュアスAFモードが設定されていた場合には、ステップ#22と同様に、合焦表示311の消灯を行う(#103)。本実施形態においては、コンティニュアスAFモードが設定されている場合には、合焦表示311を表示させないようにしている。これは、コンティニュアスAFモードの際には、連続的に焦点調節がなされており、このとき、合焦状態に応じて合焦表示が点滅するのは、見苦しいからである。
ステップ#101における判定の結果、コンティニュアスAFモードではなかった場合、すなわち、シングルAFモードの場合には、合焦表示中か否かの判定を行う(#102)。前述したように、コントラストAFによって撮影光学系101が合焦状態となると、合焦表示311がなされる。シングルAFモードにおいて合焦状態に達した後に、ステップ#105において、再度、コントラストAF制御を行う必要がないことから、ステップ#102における判定の結果、合焦表示中、すなわち合焦状態に達した場合には、ステップ#107にジャンプし、ステップ#105および#106をスキップするようにしている。
ステップ#102における判定の結果、合焦表示中でなかった場合、またはコンティニュアスAFモードであって合焦表示消灯が終わると、ステップ#59と同様に、コントラストAF制御を行う(#105)。したがって、シングルAFモードが設定されている場合、レリーズ釦21が半押し、すなわち、1Rスイッチがオンとなった際に、1回、コントラストAF制御によって自動焦点調節がなされ、合焦状態に達すると、以後、ステップ#105におけるコントラストAF制御はスキップされる。
また、コンティニュアスAFモードが設定されている場合には、レリーズ釦21が半押しされる前、すなわち、1Rスイッチがオフの場合には、ステップ#53→ステップ#59→ステップ#83→ステップ#53を繰り返し実行することになり、ステップ#59においてコントラストAF制御が繰り返し実行される。また、1Rスイッチがオンとなると、ステップ#53→ステップ#101→ステップ#103→ステップ#105→ステップ#107→ステップ#53を繰り返し実行することになり、ステップ#105においてコントラストAF制御が繰り返し実行される。
ステップ#105におけるコントラストAF制御が終わると、AE情報の読み込みを行う(#106)。ステップ#43における測光は、可動ミラー201が下降位置にあったので、測光センサ211による測光を行なうことができたが、このステップでは、可動ミラー201は退避位置(上昇位置)にあり、測光センサ211による測光はできない。そこで、AE回路255の出力に基づいて、AE情報を取得する。
コントラストAFモードが設定されている場合には、ステップ#101をYesで分岐し、このステップ#106において毎回、AE情報を読み込むことができる。シングルAFモードが設定されている場合には(#101→No)、ステップ#102において合焦表示中でないと判定された場合のみ、ステップ#106において、AE情報の読み込みを行うことができる。すなわち、シングルAFモードが設定されている場合には、レリーズ釦21が半押しされた際(1Rスイッチがオン)に、1回だけAE情報の読み込みが行われる。
次に、レリーズ釦21が全押しされたか、すなわち、2Rスイッチがオンとなったかを判定する(#107)。判定の結果、オンとなっていなければ(すなわち、オフの場合)、ステップ#53に戻り、前述の動作を繰り返す。一方、オンとなっていれば、ステップ#109以下において、撮影動作を実行する。
撮影動作に入ると、まず、ライブビュー表示を停止する(#109)。続いて、シャッタ213を閉じる(#111)。ライブビュー表示中は、シャッタ213を開放し、撮像素子221の出力に基づいて被写体像を液晶モニタ26に表示していたが、撮影動作に入るためにシャッタ213を一旦閉じる。
次に、ステップ#22と同様に、合焦表示中か否かの判定を行なう(#112)。判定の結果、合焦表示中であった場合には、撮影動作に先立って、合焦表示を消灯する(#123)。判定の結果、合焦表示中ではなかった場合、またはステップ#123の合焦表示の消灯が終わると、被写体像に基づく静止画像の画像データの取得と記録を行う撮影動作Bを実行する(#125)。この撮影動作Bについては、図8を用いて後述する。撮影動作Bが終わると、ステップ#43に戻り、ライブビュー表示を再開し、前述した動作を繰り返す。
次に、図7を用いて、ステップ#37における撮影動作Aのサブルーチンについて説明する。この撮影動作Aは、通常の光学ファインダ観察状態(すなわち、非ライブビュー表示)において、レリーズ釦21が半押しされた場合に実行されるサブルーチンである。撮影動作Aのサブルーチンに入ると、まず、撮影情報表示をオフする(#131)。続いて、位相差AF制御のサブルーチンを実行する(#133)。すなわち、位相差AFセンサ243の出力に基づいて焦点ズレ方向および焦点ズレ量を求め、撮影光学系101のピント合わせを行う。このサブルーチンの詳細は、図9を用いて後述する。
位相差AFが終わると、ステップ#11と同様に測光・露光量演算を行い、シャッタ速度や絞り値等の露出制御値を求める(#135)。続いて、シャッタ釦21が全押しされたか、すなわち、2Rスイッチがオンか否かを判定する(#137)。判定の結果、2Rスイッチがオンとはなっていなかった場合には、1Rスイッチがオンか否かを判定する(#157)。判定の結果、1Rスイッチがオンではなかった場合には、撮影動作Aを終了して、元のルーチンに戻る。一方、判定の結果、1Rスイッチがオンの場合には、ステップ#137に戻り、1Rスイッチと2Rスイッチの状態を検出する待機状態となる。
ステップ#137における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影を行なうためのステップに移る。まず、可動ミラー201の退避動作(上昇位置へ移動)を行う(#139)。これによって、撮影光学系101による被写体光束が撮像素子221上に導かれ、結像する。続いて、レンズCPU111に絞込み動作を指示し(#141)、併せて絞り込み量も指示する(#143)。
これで、撮像動作に入る準備ができたので、露光動作を開始する(#145)。露光は、シャッタ213の先幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を開始する。ステップ#135で求められたシャッタ速度もしくは撮影者によって手動設定されたシャッタ速度に対応する時間が経過すると、シャッタ213の後幕の走行を開始させると共に、撮像素子221の電荷蓄積を終了する。
露光動作が終了すると、絞り開放の指示をレンズCPU111に出力する(#147)。続いて、可動ミラー201を下降位置へと復帰動作を行い(149)、撮像素子221から画像信号の読出しを行う(#151)。読み出された画像信号の画像処理を画像処理回路257等によって行ない(#153)、処理された画像データを記録媒体277に記録する(#155)。画像記録が終わると、元のルーチンに戻る。
次に、図8を用いて、ステップ#125(図6)における撮影動作Bのサブルーチンについて説明する。この撮影動作Bは、ライブビュー表示状態において、レリーズ釦21が全押しされた場合に実行されるサブルーチンである。撮影動作Bのサブルーチンに入ると、AE回路255の出力に基づいて露光量演算を行なう(#161)。
続いて、ステップ#141、#143と同様に、絞込み指示を行うと共に絞り込み量の指示を行う(#163、#165)。そして、ステップ#145と同様に、露光動作を行い(#167)、これによって、撮像素子221の出力に基づいて、被写体像の画像データを取得する。この後、ステップ#147、#151、#153、#155と同様に、絞り開放を指示し(#169)、画像信号を読出し(#171)、画像処理を行ない(#173)、記録媒体277に記録する(#175)。画像記録が終わると、元のルーチンに戻る。
次に、図9を用いて、ステップ#133(図7)における位相差AF制御のサブルーチンについて説明する。この位相差AF制御は、撮影光学系101の周辺2光束を用いて、公知の位相差方式によって撮影光学系101の焦点ズレ方向と焦点ズレ量を求める。コントラストAFにおける高精度AF(後述する第2のコントラストAFモード)と同程度の精度の高いAFを行なうことができる。
位相差AF制御のサブルーチンに入ると、まず、全ポイント焦点検出を行なう(#181)。すなわち、位相差AFセンサ243および位相差AF処理回路245によって検出可能な全ポイントについて焦点ズレ方向および焦点ズレ量(デフォーカス量)を検出する。続いて、検出した全ポイントの中から最至近距離のポイントを選択する(#183)。一般に、主要被写体は、最至近の被写体であることが最も多いことから、このような選択を行なう。
次に、選択された最至近ポイントのデフォーカス量に基づいて、合焦範囲内に入っているか否かの判定を行なう(#185)。合焦範囲内か否かの判定基準は、焦点ズレ量(デフォーカス量)が許容錯乱円に基づく合焦判定値の中に入っているか否かで判定する。判定の結果、合焦範囲内にあれば、元のルーチンに戻る。なお、この許容錯乱円径は、撮像素子221の撮像解像度、換言すれば撮像素子221のセルサイズに応じて設定される。
一方、判定の結果、合焦範囲内にない場合には、選択された測距ポイントの焦点ズレ方向および焦点ズレ量に基づいて、光学系駆動機構107によって撮影光学系101を駆動する駆動方向および駆動量の演算を行なう(#187)。そして、レンズCPU111に対して、光学系駆動機構107のレンズ駆動制御を指示すると共に(#189)、その際のレンズ駆動量および駆動方向を指示する(#191)。
ボディCPU251はレンズCPU111に向けてレンズ駆動制御の指示を出力すると、レンズCPU111からレンズ駆動完了を示す信号が入力するのを待つ(#193)。レンズ駆動が完了すると、ステップ#183において選択された測距ポイントについて、焦点検出を行なう(#195)。焦点検出が終わると、ステップ#185に戻り、合焦範囲に入るまで、前述のステップを繰り返す。
次に、図10を用いて、ステップ#59(図4)およびステップ#105(図6)におけるコントラストAF制御のサブルーチンについて説明する。このコントラストAF制御は、撮像素子221の出力に基づくコントラストAF回路253におけるコントラスト情報が最大となるように、撮影光学系101の駆動を行なう。このコントラストAF制御は、可動ミラー201が退避位置(上昇位置)にあり、位相差AFセンサ243の出力に基づく位相差AF制御を行うことができない場合に使用することができる。また、コントラストAF制御においては、高速だが合焦精度が粗い第1の合焦精度でAF制御を行う高速コントラストAF(第1のコントラストAF)と、低速だが合焦精度が高い第2の合焦精度でAF制御を行う高精度コントラストAF(第2のコントラストAF)の2つのモードを有している。
コントラストAF制御のサブルーチンに入ると第1のコントラストAFを開始し、まず、レジスタDCに1をセットする(#201)。このレジスタDCは、レンズ駆動の駆動方向を決めるために用いられるレジスタである。続いて、レンズ駆動方向として、レンズ繰り出し方向をセットする(#203)。そして、レンズ駆動量として第1所定値をセットする(#204)。この第1所定値は、図14(A)において、フォーカスレンズの繰り出し量LD1に相当し、また、図16における液晶モニタ面における許容錯乱円径φLCDに対応するデフォーカス量ΔfLCDに関連する量である。
次に、レリーズ釦21が半押しされたか、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#205)。判定の結果、1Rスイッチがオフの場合には、ステップ#207にジャンプし、1Rスイッチがオンの場合には、駆動量として第3所定値をセットし(#206)、第2のコントラストAFモードに切り替える。この第3所定値は、図14(B)において、フォーカスレンズの繰り出し量LD3に相当し、また、図16における撮像素子211の撮像面における許容錯乱円径φimgに対応するデフォーカス量Δfimgに関連する量である。
ここで、1Rスイッチの状態に応じて駆動量を変えているのは、1Rスイッチがオンとなる前、すなわち、レリーズ釦21が半押しされる前は、液晶モニタ26による表示にあたって被写体像を観察するには十分な合焦精度であればよい。しかし、レリーズ釦21が半押しされ撮影準備状態となると、このあと引き続きレリーズ釦21が全押しされ、撮影動作を行う可能性が高いことから、撮像素子221の撮像面において十分な合焦精度が必要である。そこで、レリーズ釦21が半押しされると、駆動量を第1所定値から第3所定値に変更し(第1のコントラストAF→第2のコントラストAF)、高精度の合焦精度を確保できるようにしている。
次に、コントラストAF回路253からコントラスト情報を取得する(#207)。この後、コントラスト情報が低下しているか否かの判定を行う(#208)。すなわち、前回、取得したコントラスト情報と今回取得したコントラスト情報を比較する。なお、コンティニュアスAFモードに設定され繰り返しステップ#208を実行する場合、最初にこのステップを処理する際には、前回のコントラスト情報が記憶されていないので、ここでの比較を実質的には行わず、ステップ#209に進む。
ステップ#208における判定の結果、コントラスト情報が低下していない場合には、元のルーチンに戻り、コントラストAF制御による焦点調節を行わない。一方、コントラスト情報が低下している場合には、ステップ#209以下に進み、撮影光学系101の駆動を行う。コントラスト情報が低下していない場合に、コントラストAF制御を行うと、撮影光学系101が必要以上に駆動され、被写体像が見苦しくなるからである。そこで、コントラスト情報が低下した場合のみ、コントラストAF制御によるレンズ駆動を行うようにしている。なお、コントラスト情報が所定量以上、低下した場合のみレンズ駆動を行うようにしても良い。
ステップ#208における判定の結果、コントラスト情報が低下していた場合には、レンズ駆動制御をレンズCPU111に指示すると共に(#209)、ステップ#203で設定したレンズ駆動方向、およびステップ#204またはステップ#206で設定したレンズ駆動量を送信する(#211)。これらの信号が送信されると、レンズCPU111は、光学系駆動機構107によって撮影光学系101を駆動する。設定した駆動方向および駆動量に基づく駆動制御が終了するとレンズCPU111は、ボディCPU251にレンズ駆動完了信号を送信する。
ボディCPU251はレンズ駆動完了信号を受信するのを待ち(#213)、受信すると、最新のコントラスト情報をコントラストAF回路253から取得する(#215)。続いて、前回よりもコントラストが向上したか否かを判定する(#217)。判定の結果、今回のコントラストが向上していた場合には、レジスタDCに1を加え(#219)、ステップ#209に戻り、前述のステップを繰り返す。
ステップ#217の判定の結果、前回よりもコントラストが低下していた場合には、レジスタDCの値が1か否かの判定を行う(#221)。判定の結果、レジスタDCが1の場合には、レンズ駆動方向を前回と逆にし(#223)、ステップ#209に戻り、前述のステップを繰り返す。
すなわち、初回のレンズ駆動にあたっては、駆動方向が不明のために、一旦、繰り出し方向にレンズを駆動する。駆動した結果、コントラストが向上していれば、駆動方向は正しく(合焦位置に近づいている)、一方、コントラストが低下していれば、駆動方向が逆方向(合焦位置から遠ざかっている)であることから反転する。したがって、レジスタDCが1であれば、初回の駆動と判断してステップ#223に進み駆動方向を逆転させ、一方、レジスタDCが1でなければ、コントラストがピーク位置を越したと判定してステップ#225に進む。
ステップ#221における判定の結果、レジスタDCが1ではなかった場合には、コントラストが向上する方向にレンズを駆動してきたが、ここで低下したことから、コントラストのピーク位置を通過したと判断して、駆動方向を前回と逆の方向にする(#225)。そして、レンズ駆動量として、第2所定値をセットする(#226)。レンズ駆動量としての第2所定値(フォーカスレンズの繰り出し量LD2に相当)は、図14(A)に示すように、フォーカスレンズの繰り出し量LD1の半分に相当する。コントラストのピーク位置を超えていることから、前回と今回の中間にピーク位置があると想定して、第1所定値の半分としている。
続いて、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(#227)。判定の結果、1Rスイッチがオフの場合には、ステップ#229にジャンプし、一方、1Rスイッチがオンの場合には、駆動量として第4所定値をセットし(#228)、第2のコントラストAFモードに切り替える。レンズ駆動量としての第4所定値(フォーカスレンズの繰り出し量LD4に相当)は、図14(B)、フォーカスレンズの繰り出し量LD3の半分に相当する。コントラストのピーク位置を超えていることから、前回と今回の中間にピーク位置があると想定して、第3所定値の半分としている。
ステップ#205の場合と同様に、レリーズ釦21が半押しされる前は、液晶モニタ26による表示にあたって被写体像を観察するには十分な合焦精度を確保し、一方、レリーズ釦21が半押しされ撮影準備状態となった場合には、撮像素子221の撮像面において十分な合焦精度を確保するように、駆動量を第2所定値から第4所定値に変更し(第1のコントラストAF→第2のコントラストAF)、高精度の合焦精度を確保できるようにしている。
次に、レンズCPU111にレンズ駆動制御を指示し(#229)、ステップ#225でセットしたレンズ駆動方向、およびステップ#226またはステップ#228でセットしたレンズ駆動量および駆動方向を送信する(#231)。
レンズCPU111は、レンズ駆動制御指示等を受信すると、光学系駆動機構107に対して駆動制御を開始し、第2所定値に基づく駆動量だけ駆動すると、ボディCPU251に対してレンズ駆動完了信号を送信する。ボディCPU251は、レンズ駆動完了信号の受信を待ち(#233)、完了信号を受信すると、コンティニュアスAFモードが設定されているか否かの判定を行う(#234)。
ステップ#234における判定の結果、コンティニュアスAFモードだった場合には、ステップ#241にジャンプし、一方、コンティニュアスAFモードでなかった場合には、合焦表示を行なう(#235)。これは、液晶モニタ26の表示面に、図13に示すように、合焦表示311として表示される。ここで、コンティニュアスAFモードの場合に、合焦表示311を表示しないのは、ステップ#103における合焦表示の消灯と同様に、コンティニュアスAFモードの際には、連続的に焦点調節がなされており、このとき、合焦状態に応じて合焦表示が点滅するのは、見苦しいからである。
なお、シングルAFモードの場合には、合焦表示311が表示される。この状態は、撮影には不適切であっても液晶モニタ26で被写体像を確認するのであれば、ピンボケが目立たないレベルの合焦状態であり、その合焦許容範囲は、液晶モニタ26の表示解像度、つまり液晶モニタ26の表示ドットサイズに基づく許容錯乱円径によって設定される。このため、液晶モニタ26において被写体像を観察するには十分な合焦精度となっている。
続いて、レンズCPU111に対して、レンズ位置情報要求を指示する(#241)。レンズCPU111は、レンズ位置情報を光学系位置検出機構105から取得し、ボディCPU251に送信する。ボディCPU251は、この送信されたレンズ位置情報を取得する(#243)。この後、元のルーチンに戻る。
なお、本実施形態においては、コントラストのピーク位置を通過した場合に、駆動量を半分にして逆方向に駆動していたが(#225、#226、#228)、これに限らず、例えば、3点補間法等の補間演算により、コントラストのピーク位置に移動させるようにしても良い。
次に、図14乃至図16を用いて、本実施形態におけるコントラストAFの合焦精度について説明する。図15(A)に示すように、撮像素子221の撮像面の画素として、横が3648画素、縦が2738画素とする。一方、液晶モニタ26の液晶モニタ面は、図15(B)に示すように、横が640画素、縦が320画素から構成されているとしたら、撮像素子221に比較して、許容錯乱円径は、大体1/7程度であり、LPF係数を考慮しても、大体1/4程度であることから、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCDは、
φLCD = (3648/640)*φimg/α
≒ 4*φimg
となる。
そして、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCDに相当する液晶モニタ用許容デフォーカス量ΔfLCDは、
ΔfLCD = φLCD / F
ここで、F:レンズの絞り値(FNo.)
F=D/f (D:口径、f:焦点距離)
したがって、第1のコントラストAFモードとなっている場合の合焦表示(#235)における合焦精度は、駆動量を第1所定値としており、この第1所定値として、図16(A)に示すように、第1所定値として、β*ΔfLCDを採用すれば、液晶モニタ26の許容錯乱円径φLCD程度の合焦精度を得ることができる。ここで、β≒5〜15である(βは経験値)。
一方、図15(A)に示すように、撮像素子221の撮像面(受光面)は、横が3648画素、縦が2838画素から構成されている。この撮像素子221の許容錯乱円径φimgは、
φimg = α*X
ここで、α:LPF係数(=1.5〜2)
X:セルサイズ
となる。LPF係数は、赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ217の影響による係数であることから、撮像素子221の許容錯乱円径φimgは、撮像素子の画素のサイズに、ローパスフィルタを考慮した係数を乗算することにより得られる。
そして、撮像素子221の許容錯乱円径φimgに相当する撮像用許容デフォーカス量Δfimgは、
Δfimg = φimg / F
ここで、F:レンズの絞り値(FNo.)
F=D/f (D:口径、f:焦点距離)
したがって、第2のコントラストAFモードとなっている場合の合焦表示(#235)における合焦精度は、駆動量を第2所定値としており、この第2所定値として、図14(B)に示すように、γ*Δfimgを採用すれば、撮像素子221の許容錯乱円径φimg程度の合焦精度を得ることができる。ここで、γ≒3である(γは経験値)。なお、個々で説明した画素数等は、例示であり、ここの撮影装置の設計値に応じた許容錯乱円径、デフォーカス量、駆動量を決定すればよい。なお、位相差AFにおける合焦許容範囲もΔfimgに基づいて決定されるものである。
次に、図11を用いて、交換レンズ100のレンズCPU111での動作を説明する。まず、ボディCPU251からレンズ情報要求指示がなされたか否かの判定を行なう(#301)。判定の結果、要求指示がなされている場合には、レンズ情報を送信する(#311)。ここでのレンズ情報としては、開放絞り値、最小絞り値、レンズの色バランス情報、収差情報、AFのための情報等、レンズ固有の情報であり、レンズCPU111内または図示しないEEPROM等の電気的に書き換え可能なメモリに記憶された情報である。
ステップ#301における判定の結果、レンズ情報要求指示ではなかった場合には、レンズ位置情報要求か否かの判定を行なう(#303)。判定の結果、位置情報要求であった場合には、レンズ位置情報をボディCPU251に送信する(#313)。レンズ位置情報は、光学系位置検出機構105によって検出されるので、この情報を送信する。
ステップ#303における判定の結果、位置情報要求指示ではなかった場合には、絞込み指示か否かの判定を行なう(#305)。判定の結果、絞込み指示であった場合には、続いて、ボディCPU251から送信されてくる絞込み量を受信する(#315)。絞込み量を受信すると、絞り駆動機構109によって行なわれる絞り103の絞込み駆動の制御を行う(#317)。
ステップ#305における判定の結果、絞り込み指示ではなかった場合には、絞り開放指示か否かの判定を行なう(#307)。判定の結果、絞り開放指示であった場合には、絞り駆動機構109によって行なわれる絞り103の絞り開放駆動の制御を行う(#317)。
ステップ#307における判定の結果、絞り開放指示ではなかった場合には、レンズ駆動制御指示か否かの判定を行なう(#309)。判定の結果、レンズ駆動制御指示であった場合には、続いて送信されてくるレンズ駆動量と駆動方向を受信する(#321)。レンズ駆動量と駆動方向を受信すると、レンズCPU111は光学系駆動機構107を制御して撮影光学系101の駆動制御を行う(#323)。そして、所定の駆動量を駆動すると、ボディCPU251にレンズ駆動完了信号を送信する(#325)。
上述したように、本発明の実施形態においては、コンティニュアスAFモードが設定されている場合、ライブビュー表示が開始されると(#51)、コントラストAF制御が繰り返し実行される(図4#59参照)。レリーズ釦21の半押し操作が行われてもコンティニュアスAFモードによりコントラストAF制御が繰り返し実行されるが(図6#105参照)、このとき、合焦精度を切り替えている(図10#205、#206)。このように、レリーズ釦21の半押しの前後において、合焦精度を切り替えることにより、ライブビュー表示状態で撮影する際に、タイムラグが少なく、高精度の焦点調節を行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、撮影光学系101を第1の合焦許容範囲内に導く第1のコントラストAFモードと、撮影光学系101を第1の合焦許容範囲よりも狭い第2の合焦許容範囲内に導く第2のコントラストAFモードを有し、レリーズ釦21の半押しの前後における合焦精度の切り替えは、第1コントラストAFモードから第2のコントラストAFモードに切り替えることにより行っている。このため、レリーズ釦21の半押し前は、液晶モニタ26にライブビュー表示を行うに十分な合焦精度を達成し、またレリーズ釦21の半押し後は、撮像素子221で撮影するにあたって、十分な合焦精度を確保することができる。また、レリーズ釦21の半押し前には、一応十分な合焦を達していることから、レリーズ釦21の半押し後は、迅速に第2のコントラストAFモードで高精度の合焦に達することができ、タイムラグが少なく、高精度の焦点調節を行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、合焦状態に達しているか否かについて、合焦表示(#235)がなされているかを判定していたが、合焦表示がなされなくても、フラグをセットしこれを判定する等の方法により、合焦状態に達したか否かを判定するようにしても勿論構わない。また、本実施形態においては、シングルAFやコンティニュアスAFのAFモードをメニューモードで設定していたが、これに限らず、専用の操作部材を設け、または撮影モード等と一緒に設定できるようしても勿論構わない。
また、本実施形態においては、デジタルカメラとして一眼レフタイプに適用した例を説明したが、カメラとしては所謂コンパクトカメラでもよく、また、携帯電話やPDA(携帯情報端末:Personal Digital Assistant)等の内蔵タイプのカメラでもよい。いずれにしても、本発明はライブビュー表示を行なうと共に、コントラストAF制御により焦点調節することのできるカメラ等の電子撮像装置であれば適用することができる。
21・・・レリーズ釦、22・・・撮影モードダイヤル、24・・・情報設定ダイヤル、26・・・液晶モニタ、27・・・連写/単写釦、28・・・AFロック釦、30・・・十字釦、30U・・・アップ用十字釦、30D・・・ダウン用十字釦、30R・・・右用十字釦、30L・・・左用十字釦、31・・・OK釦、33・・・ライブビュー表示釦、34・・・拡大釦、37・・・メニュー釦、38・・・再生釦、40・・・メディア装填蓋、50・・・ストロボ、100・・・交換レンズ、101・・・撮影光学系、103・・・絞り、105・・・光学系位置検出機構、107・・・光学系駆動機構、109・・・絞り駆動機構、111・・・レンズCPU、200・・・カメラ本体、201・・・可動ミラー、203・・・サブミラー、205・・・フォーカシングスクリーン、207・・・ペンタプリズム、211・・・測光センサ、213・・・フォーカルプレーンシャッタ、215・・・防塵フィルタ、216・・・圧電素子、217・・・赤外カットフィルタ・ローパスフィルタ、221・・・撮像素子、223・・・撮像素子駆動回路、225・・・前処理回路、227・・・手振れセンサ、229・・・手振れ補正回路、231・・・シフト機構駆動回路、233・・・シフト機構、235・・・防塵フィルタ駆動回路、237・・・可動ミラー駆動機構、241・・・測光処理回路、243・・・位相差AFセンサ、245・・・位相差AF処理回路、250・・・ASIC、251・・・シーケンスコントローラ(ボディCPU)、252・・・データバス、253・・・コントラストAF回路、255・・・AE回路、257・・・画像処理回路、259・・・圧縮伸長回路、261・・・ビデオ信号出力回路、263・・・液晶モニタ駆動回路、265・・・SDRAM検知回路、267・・・SDRAM、271・・・入出力回路、273・・・通信回路、275・・・記録媒体制御回路、277・・・記録媒体、279・・・フラッシュメモリ制御回路、281・・・フラッシュメモリ、283・・・スイッチ検知回路、285・・・各種スイッチ、300・・・通信接点、311・・・合焦表示