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JP2008053843A - 動画記録可能なデジタルカメラ - Google Patents

動画記録可能なデジタルカメラ Download PDF

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JP2008053843A
JP2008053843A JP2006225696A JP2006225696A JP2008053843A JP 2008053843 A JP2008053843 A JP 2008053843A JP 2006225696 A JP2006225696 A JP 2006225696A JP 2006225696 A JP2006225696 A JP 2006225696A JP 2008053843 A JP2008053843 A JP 2008053843A
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Abstract

【課題】使い易く、かつ高画質の動画像を取得可能なデジタルカメラを提供する。
【解決手段】撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力するCCD221と、撮影レンズの光路内に進退可能な可動ハーフミラー201と、可動ハーフミラー201が撮影光路に進出した状態において、上記ハーフミラーによって反射された被写体光束に基づいて位相差法にて測距するための測距/測光センサ217を具備しており、動画像を取得する際に絞り値(次回AV)とシャッタ速度(次回TV)を設定するにあたって(S217、S219)、測距/測光センサ217における位相差測距による検出動作に適した絞り値の範囲内(開放絞り値〜AVa)に設定する(S207〜S213)。
【選択図】 図6

Description

本発明は、動画撮影機能を有するデジタルカメラに関する。
デジタルカメラの中には、静止画撮影のみならず、動画像を記録できるものも多い。例えば、特許文献1にはクイックリターンミラー(可動ミラー)を撮影光路外に退避させ、フォーカルプレーンシャッタをバルブ状態に維持して動画撮影を行うデジタル一眼レフカメラが開示されている。しかし、この特許文献1に開示された一眼レフカメラでは、動画撮影時は可動ミラーを撮影光路外に退避させるため、従来の一眼レフカメラに一般的に採用されているTTL(Trough The Lens)位相差AF(Auto Focus)による測距ができないという欠点があった。ただし、この欠点は、特許文献2に開示されているように、可動ミラーをハーフミラーで構成し、撮影光学系を通過した被写体光束を撮像素子と位相差AFセンサの両方に導くようにすれば、一応解決することができる。
特開昭59−201029号公報 特開2002−6208号公報
ところで、TTL位相差AFの場合、撮影レンズの周辺光束を用いて検出を行っているため、絞りを絞り込んだ状態、または開放Fナンバーの大きいレンズ(暗いレンズ)では、安定的な測距精度をえることができない。したがって、撮影光路内にハーフミラーを配置することで動画撮影と位相差AFを両立させたデジタルカメラにおいて、被写体が高輝度の際に絞りを絞り込んでしまうと測距精度が低下してしまい、ピントがずれた動画になってしまう。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、使い易く、かつ高画質の動画像を取得可能な動画記録可能なデジタルカメラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係わる動画記録可能なデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記被写体像信号に基づいて、上記撮影レンズの絞り値、および上記撮像手段の撮像条件を更新する設定手段と、上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を記録する記録手段と、上記撮影レンズの光路内に進退可能なハーフミラーと、このハーフミラーが上記光路に進出した状態において、上記ハーフミラーによって反射された被写体光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段を具備しており、上記設定手段は、上記撮影レンズの絞り値を上記焦点検出手段による検出動作に適した範囲内で設定する。
第2の発明に係わる動画記録可能なデジタルカメラは、上記第1の発明において、上記設定手段は、上記撮影レンズの開放絞り値から所定絞り値の範囲内で設定する。
また、第3の発明に係わる動画記録可能なデジタルカメラは、上記所定値は、上記焦点検出手段の検出精度に応じて決定される。
さらに、第4の発明に係わる動画記録可能なデジタルカメラは、上記設定手段は、上記被写体像信号に基づいて演算された上記絞り値が上記所定絞り値の範囲内とならない場合には、絞り値を上記所定絞り値として上記撮像手段の撮像条件を再演算する。
第5の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記撮影レンズの光路内に進退可能なハーフミラーと、このハーフミラーが上記光路に進出した状態において、上記ハーフミラーによって反射された被写体光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段と、上記撮影レンズ内に設けられ、被写体光量を調節する絞りと、この絞りの絞り値を上記焦点検出手段による検出動作に適した範囲内で制御する絞り制御手段を具備する。
第6の発明に係わるデジタルカメラは、上記第5の発明において、上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を記録する記録手段を具備し、上記動画像の記録の際に上記絞り制御手段は開放絞りから測距可能絞り値の範囲内で制御する。
第7の発明に係わるデジタルカメラは、上記第5の発明において、上記被写体像信号を静止画モードまたは動画モードで記録する記録手段を具備し、上記動画モードで記録する際には、開放絞り値から測距可能絞り値の範囲内で制御する。
第8の発明に係わるデジタルカメラは、上記第5の発明において、上記被写体像信号に基づいて動画像で被写体像を表示する表示手段を具備し、上記動画像の表示の際に上記絞り制御手段は検出に適した範囲内に制御する。
第9の発明に係わるデジタルカメラは、上記第5の発明において、さらに、上記被写体像信号に基づいて動画像で被写体像を表示する表示手段を具備し、撮影準備動作に入る前では、上記絞り制御手段は上記開放絞り値に設定し、撮影準備動作後は、上記絞り制御手段は上記開放絞り値から検出に適した範囲内で制御し、上記動画像を表示する。
第10の発明に係わるデジタルカメラは、撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、上記被写体像信号に基づいて、上記撮影レンズの絞り値、および上記撮像手段の撮像条件を設定する設定手段と、上記撮影レンズの周辺光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段を具備しており、上記設定手段は、上記撮影レンズの絞り値を開放絞り値から測距可能絞り値の範囲内で設定する。
本発明によれば、撮影レンズの絞り値を焦点検出手段による検出動作に適した範囲内で設定するようにしたので、使い易く、かつ高画質の動画像を取得可能なデジタルカメラを提供することができる。
以下、図面に従って本発明を適用したデジタルカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。このデジタルカメラは、撮影レンズによって形成される被写体像を撮像素子上に結像させ、この撮像素子の出力に基づいて被写体像観察用として液晶モニタ等の表示装置に動画像を表示する所謂スルー画表示機能(ライブビュー表示機能、電子ファインダ機能とも言う)を有している。また、撮影者からの撮影指示に応じて静止画像を取得し、記録媒体に記録可能である。さらに、撮影者からの撮影指示に応じて動画像を取得し、記録媒体に記録可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの電気系を主とするブロック図である。レンズ鏡筒10はカメラ本体20の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。マウント開口部を介してレンズ鏡筒10内のレンズ101a、101b等からなる撮影レンズによる被写体光束がカメラ本体20内に導かれる。本実施形態では、レンズ鏡筒10とカメラ本体20は別体で構成され、通信接点300を介して電気的に接続されている。また、カメラ本体20に設けた着脱検知スイッチ259によって着脱状態を検出可能となっている。
レンズ鏡筒10の内部には、焦点調節および焦点距離調節用のレンズ101a、101bと、開口量を調節するための絞り103が配置されている。レンズ101aおよびレンズ101bは光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動されるよう接続されている。光学系駆動機構107、絞り駆動機構109はそれぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体20に接続されている。レンズCPU111はレンズ鏡筒10内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り制御を行う。
カメラ本体20内のミラーボックス内には、レンズ101a、101bを通過した光束の一部を透過する特性を有する可動の反射ミラー(便宜上、可動ハーフミラーという)201が配置されている。この可動ハーフミラー201は、可動ミラー駆動機構215によって駆動され、回動軸201aを中心に紙面垂直方向の軸に沿って回動可能である。可動ハーフミラー201がレンズ101a、101bの光路に対して45度に傾いた位置(図1において実線の位置)にあるときには、被写体光束の一部(例えば、30%)が反射され、カメラ本体20の底部に設けられた測距/測光センサ217に導かれる。また被写体光束の残り(例えば70%)は、可動ハーフミラー201を透過してCCD221の方向に導かれる。
そして、可動ハーフミラー201がレンズ101a、101bの光路と略平行で、被写体光束を遮らない退避位置(図1において二点鎖線の位置)にあるときには、被写体光束の全部がCCD221に導かれる。この可動ハーフミラー201の構造については、図2を用いて後述する。なお、本実施形態においては、可動ハーフミラー201の回動中心は、ミラーボックス内の下側であったが、これに限らず、上側でも良く、また左右のいずれかに紙面に対して平行な回動中心にしても勿論構わない。また、可動ハーフミラー201の回動中心は、CCD221側に配置したが、これに限らず、マウント開口部側に配置しても勿論構わない。さらに、本実施形態においては、ハーフミラーの反射率と透過率はそれぞれ30%と70%であるが、この比率に限られず、適宜変更できる。
カメラ本体20内のミラーボックスの底部であって、可動ハーフミラー201によって反射された光束が導かれる位置に測距/測光センサ217が配置されている。この測距/測光センサ217は測距用のセンサと測光センサから構成されており、測光センサは被写体像を分割して測光する多分割測光素子で構成されている。また、測距センサはTTL位相差法によって測距するためのセンサである。測距/測光センサ217の出力は測距/測光処理回路219に送られる。測距/測光処理回路219は、測光センサの出力に基づいて評価測光値を出力し、また測距センサの出力に基づいて、レンズ101、101bによって結像される被写体像の焦点ズレ量を測定する。なお、測距センサと測光センサは別体に構成しても、一体に構成しても良い。
可動反射ミラー201の後方、かつレンズ101a、101bの光軸上であって、撮影光路上には、露光時間制御およびCCD221の遮光用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ203が配置されており、このシャッタ203はシャッタ駆動機構213によって駆動制御される。シャッタ203の後方には防塵フィルタ205が配置されており、これは、カメラ本体20のマウント開口部や本体内部で発生した塵埃がCCD221や光学素子に付着して塵埃の影が被写体像に写しこまれ、見苦しくなることを防止するためのフィルタである。
防塵フィルタ205の周縁部の全周または一部に圧電素子207が固着され、この圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211に接続され、この回路によって駆動される。圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211によって、防塵フィルタ205が所定の超音波で振動するよう駆動され、その振動を利用して防塵フィルタ205の前面に付着した塵埃を除去する。なお、CCD等の撮像素子自体もしくは撮像素子の前面側に配設された光学素子に付着した塵埃を除去できるものであれば、本実施形態のような超音波振動を利用したものに限らず、空気ポンプ等を利用して空気流によって吹き飛ばすものや、静電気を利用して塵埃を集塵して除去するもの等、種々の方法に適宜、置き換えても勿論構わない。
防塵フィルタ205の後方には、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタ209が配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローパスフィルタ210が配置されている。そして、光学的ローパスフィルタ210の後方には、撮像素子としてのCCD221が配置されており、レンズ101a、101bによって結像される被写体像を電気信号に光電変換する。これらの防塵フィルタ205、赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210およびCCD221は、図示しない密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がこのパッケージ内に侵入しないように構成されている。なお、本実施形態では撮像素子としてCCDを用いているが、これに限らずCMOS(Complementary Metal Oxide
Semiconductor)等の二次元撮像素子を使用できることはいうまでもない。
CCD221は撮像素子駆動回路223に接続され、入出力回路239からの制御信号によって駆動制御される。撮像素子駆動回路223によって、CCD221から出力された光電アナログ信号が増幅され、アナログデジタル変換(AD変換)される。撮像素子駆動回路223はASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)262内の画像処理回路227に接続され、この画像処理回路227によってデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、スルー画像処理、記録媒体記録用の動画像処理といった各種の画像処理がなされる。画像処理回路227は、データバス261に接続されている。このデータバス261には、画像処理回路227の他、後述するシーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称す)229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検出回路253が接続されている。
データバス261に接続されているボディCPU229は、このデジタルカメラの動作を制御するものである。またデータバス261に接続されている圧縮伸張回路231はSDRAM238に記憶された画像データをJPEGやMJPEG等の静止画用や動画用の圧縮形式で圧縮するための回路である。なお、画像圧縮はJPEGやMJPEGに限らず、他の圧縮方法も適用できる。データバス261に接続されたビデオ信号出力回路233は液晶モニタ駆動回路235を介して背面液晶モニタ26とファインダ内液晶モニタ29(図中F内液晶モニタと略記)に接続される。ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238、または記録媒体245に記憶された画像データを、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶モニタ29に表示するためのビデオ信号に変換するための回路である。
背面液晶モニタ26はカメラ本体20の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶に限らず他の表示装置でも構わない。ファインダ内液晶モニタ29は、ファインダ接眼部を介して撮影者によって観察できる位置に配置されており、背面液晶モニタ26と同様、液晶に限らず他の表示装置でも構わない。なお、被写体像の観察として背面液晶モニタ26のみとし、ファインダ接眼部およびファインダ内液晶モニタ29を省略することも可能である。
SDRAM238は、SDRAM制御回路237を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路231によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。上述の防塵フィルタ駆動回路211、シャッタ駆動機構213、可動ミラー駆動回路215、測距/測光処理回路219、撮像素子駆動回路223に接続される入出力回路239は、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。レンズCPU111と通信接点300を介して接続された通信回路241は、データバス261に接続され、ボディCPU229等とのデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記録媒体245に接続され、この記録媒体245への画像データ等の記録の制御を行う。記録媒体245は、xDピクチャーカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)またはメモリスティック(登録商標)等の書換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体20に対して着脱自在となっている。その他、マイクロドライブ(登録商標)などの様なハードディスクユニットや無線通信ユニットを接続可能に構成してもよい。
データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ(Flash Memory)249に接続され、このフラッシュメモリ249は、カメラのフローを制御するためのプログラムが記憶されており、ボディCPU229はこのフラッシュメモリ249に記憶されたプログラムに従ってデジタルカメラの制御を行う。なお、フラッシュメモリ249は、電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
カメラ本体20やレンズ鏡筒10のパワー供給の制御を行うためのパワースイッチレバーに連動してオン・オフするパワースイッチ257と、シャッタレリーズ釦に連動するスイッチ、再生モードを指示する再生釦に連動するスイッチ、背面液晶モニタ26の画面でカーソルの動きを指示する十字釦に連動するスイッチ、撮影モードを指示するモードダイヤルに連動するスイッチ、選択された各モード等を決定するOK釦に連動するOKスイッチ、着脱検知スイッチ259等の各種スイッチ255は、スイッチ検出回路253を介してデータバス261に接続されている。
なお、レリーズ釦は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。この第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンによりカメラは焦点検出、撮影レンズのピントあわせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより撮像素子としてのCCD221の出力に基づいて被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
次に、図2を用いて、可動ハーフミラー201の駆動手段および退避手段について説明する。被写体光束の一部を透過し一部を反射するハーフミラー401はミラー枠403によって保持される。このミラー枠403は孔403aに介挿される軸411の回りに回動自在であり、図1の回動軸201aは、軸411の中心軸となる。カメラ本体20に固定されたピン409とミラー枠403に植設された駆動ピン405の間には開きバネ407の両端がそれぞれ係合しており、この開きバネ407のコイル部分は軸411に巻装されている。この開きバネ407のバネ力によって、ミラー枠403は図中反時計方向(矢印A方向)に付勢力を受けている。駆動ピン405と係止レバー413の一端が係合しており、この係止レバー413の他端に植設されたカムピン415はミラー用カム417に係接している。
係止レバー413は回動中心が不図示のミラーボックスに軸支されており、駆動ピン405を介して開きバネ407のバネ力によって図中反時計方向(矢印B方向)に付勢力を受けている。よって、係止レバー413のカムピン415がミラー用カム417のカム面に圧接している。ミラー用カム417のカム面は回転中心からの半径方向の長さが変化するように形成されている。すなわち、カム面上の係止位置417aでは回転中心からの距離が長くなるように形成され、係止解除位置417bでは係止位置417aに比して回転中心からの距離が短くなるように形成されている。そして図中反時計回り方向に係止位置417aから係止解除位置417bへと段差417cをもってカム面が形成され、係止解除位置417bから係止位置417aへと滑らかに変位するようにカム面が形成される。
ミラー用カム417の係止位置417aがカムピン415と当接する位置にあるとき、係止レバー413はミラー用カム417により矢印B方向の回動が規制されていることから、ミラー枠403を反射位置に保持する。この状態から、段差417cを経て係止解除位置417bがカムピン415と当接する位置へとミラー用カム417を図中時計回りに回動させると、係止レバー413の矢印B方向への回動が可能となる。よって開きバネ407の付勢力により、ミラー枠403が矢印A方向へと回動して退避位置へと変位する。なお、ミラー用カム417は図示しないモータによって回転駆動される。
このように可動ハーフミラー201を撮影光路内の反射位置(図2中実線で示す位置)へと駆動させる駆動手段は、ミラー用カム417、係止レバー413などを含む。また可動ハーフミラー201を撮影光路外の退避位置(図2中二点鎖線で示す位置)へと駆動する退避手段は、開きバネ407を含んでいる。なお、駆動手段や退避手段は、このような構成に限らず、可動ハーフミラー201を駆動できれば他の構成でも良い。
このように可動ハーフミラー201は構成されているので、図示しないモータにより、カムピン415が係止解除位置417bに接する位置に駆動されたときには、ミラー枠403および係止レバー413が開きバネ407の付勢力によって、矢印B方向に回動し、ミラー枠403は、図中、二点鎖線のように退避位置となる。この状態で、モータによってミラー用カム417を回動させ係止位置417aがカムピン415と接する位置になると、係止レバー413は時計方向(矢印B方向と逆方向)に回動され、開きバネ407の付勢力に抗して駆動ピン405を介しミラー枠403を時計方向(矢印A方向と逆方向)に回動させ、図中、実線の如き反射位置に位置させる。
次に、本発明の一実施形態におけるデジタルカメラの動作について図3乃至図6に示すフローチャートを用いて説明する。図3に示すパワーオンリセットのフローに入ると、カメラ本体20のパワースイッチ257がオンとなったかを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、ステップS5に進み、低消費電力の状態であるスリープ状態となる。このスリープ状態ではパワースイッチ257がオンとなった場合のみに割り込み処理を行い、ステップS7以下においてパワースイッチオンのための処理を行う。パワースイッチがオンとなるまでは、パワースイッチ割り込み処理以外の動作を停止し、電源電池の消耗を防止する。
ステップS1において、パワースイッチ257がオンであった場合には、ステップS3に進み、着脱スイッチ259がオフか否かを判定する。前述したように着脱検知スイッチ259は、レンズ鏡筒10がカメラ本体20から外されると、オフとなるスイッチである。オフであった場合、すなわちレンズ鏡筒10が離脱していた場合には、後述するステップS67に進む。これは、レンズ鏡筒10が離脱している状態でカメラ本体20のパワースイッチレバーが操作され、パワーオンとなった場合に、レンズ離脱時と同様な処理をするためである。ステップS3において、着脱スイッチ259がオンであった場合には、ステップS7以下に進み、パワースイッチオンのための処理を行う。
ステップS7では、可動ハーフミラー201の復帰を行う。これは、パワースイッチ257がオフの状態では、可動ハーフミラー201は撮影光路から退避した位置にあるが(図1において二点鎖線の状態)、レンズ鏡筒10からの被写体光束を測距/測光センサ217に導き、必要に応じて測光および測距を行うためである。ステップS9では、防塵フィルタ205における塵埃除去動作を行う。これは防塵フィルタ205に固着された圧電素子207に防塵フィルタ駆動回路211から駆動電圧を印加し、前述したように超音波振動によって塵埃等を除去する動作である。続いて、シャッタ駆動回路213によってシャッタ203の開放動作を行う(S11)。
これによって、可動ハーフミラー201を透過した被写体光束は、シャッタ203によって遮られないので、CCD221上に被写体像が結像される。このCCD221によって撮像された画像データを用いて背面液晶モニタ26に被写体像を動画表示するスルー画表示の開始をするためにスルー画条件の初期設定を行う(S13)。スルー画条件の初期設定は、CCD221の電子シャッタ速度TVとISO感度SVのデフォルト値を設定する。また、スルー画表示を行う際のフレームレートの設定(本実施形態では30fps)も行う。ここで、設定されたフレームレートに従って背面液晶モニタ26等に表示されるように、CCD221での読み出しや画像処理回路227・ビデオ信号出力回路233・液晶モニタ駆動回路235等の処理がなされる。これでスルー画表示の準備ができたので、スルー画開始を指示する(S15)。なお、スルー画表示動作の制御はこの開始指示を受けて画像処理回路227にて行われる。このとき絞り103の絞り値は、開放絞り値に設定されている。
次に、図示しないモードダイヤル等によって設定されたプログラム撮影モード等の静止画撮影用の撮影モードや動画撮影モード等の撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件の読み込みを行う(S17)。そして、レンズCPU111と通信を行い、レンズ鏡筒10の撮影レンズの設定されている焦点距離、ワイド側焦点距離、テレ側焦点距離、現在の設定ピント位置、至近距離、開放絞り値等の種々のレンズデータの読み込みを行う(S19)。
続いて、狙いとする適正露光量となる露出値EVで動画の画像データを取得できるようにし、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に適切な明るさ(明度)の像を表示するためのスルー画条件設定を行う(S21)。このステップでは、CCD221の駆動にあたっての電子シャッタスピードTVとISO感度SVの条件設定を行うものであって、最初はステップS13で初期設定した値を用い、狙いの画像明度となるように、電子シャッタスピードTVとISO感度SVの調整を行う。詳細は図4のフローチャートを用いて後述する。
次に、ステップS23に進み、再生モードか否かの判定を行う。この再生モードは、再生釦が操作された際に、記録媒体245に記録された画像データを読み出して背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に表示するモードである。判定の結果、再生モードが設定された場合には、ステップS41に進み、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示する。そのあと、シャッタ203の閉じ動作を行ってから(S43)、記録媒体245に記録されている画像データを読出し、圧縮伸張回路231にて画像データを伸張し、ビデオ信号出力回路233および液晶モニタ駆動回路235を介して、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に静止画または動画を再生表示する(S45)。再生動作中にレリーズ釦の半押し等、他の手動操作がなされた場合には、再生動作を終了してステップS9に戻り、前述の動作を繰り返す。
ステップS23に戻り、再生モードが設定されていなかった場合には、ステップS25に進み、メニューモードが設定されているか否かを判定する。これは、メニュー釦が操作され、メニューモードが設定されているか否かを判定する。判定の結果、メニューモードが設定されていた場合には、再生モードが設定されていた場合と同様に、スルー画停止指示が出力され(S47)、シャッタ203に閉じ指令を出力する(S49)。この後、メニュー設定動作を行う(S51)。メニュー設定動作によって、ホワイトバランス、ISO感度設定、ドライブモードの設定等、各種の設定動作を行うことができる。メニュー設定動作が終了すると、ステップS9に戻り、前述の動作を繰り返す。
ステップS25に戻り、判定の結果、メニューモードが設定されていなかった場合には、ステップS27に進み、レリーズ釦が半押しされたか、すなわち1Rスイッチがオンか否かの判定を行う。判定の結果、1Rがオンであった場合には、ステップS53に進み、ステップS17で読み込んだ撮影モードが動画モードであったか否かの判定を行う。判定の結果、動画モードであった場合には、ステップS55に進み動画撮影動作のサブルーチンを実行し、動画モードでなかった場合、すなわち静止画モードであった場合には、ステップS57に進み静止画撮影動作のサブルーチンを実行する。動画撮影動作のサブルーチンの詳細は図5を用いて後述する。動画撮影動作のサブルーチンが終了すると、ステップS17に戻り、また静止画撮影動作のサブルーチンが終了すると、ステップS9に戻り、それぞれ前述のステップを繰り返す。
ステップS27に戻り、判定の結果、1Rスイッチがオフであった場合には、ステップS29に進み、ステップS3と同様に、着脱検知スイッチ259がオフか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱されると、再生モードにおけるステップS41およびS43と同様に、スルー画停止指示を出力し(S61)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S63)。この後、可動ハーフミラー201の退避動作を行う(S65)。退避動作は、前述したように、モータを駆動してミラー用カム417を回動させ、開きバネ407の付勢力によってミラー枠403を撮影光路から退避した位置に回動させることにより行う(図1および図2の二点鎖線の位置)。
可動ハーフミラー201の退避動作が終わると、またはステップS3で着脱検知スイッチ259がオフであると判定された場合(すなわち、レンズ鏡筒10が離脱している場合)には、ステップS67に進み、着脱検知スイッチ259がオンか否かを判定する。ステップS29において、レンズ鏡筒10が離脱されたことを検出した後、レンズ鏡筒10が再び装着されたか否かを判定するものである。判定の結果、装着されていた場合には、ステップS71に進み、可動ハーフミラー201を復帰させる。これは、前述したように、モータを駆動してミラー用カム417を回動させ、開きバネ407の付勢力に抗して、カム面によって係止レバー413を時計方向に回動させ、ミラー枠403をレンズ101a、101bの光路中に介挿させる。可動ハーフミラー201の復帰が終わると、ステップS9に戻り、前述のステップを繰り返す。
ステップS67に戻り、着脱検知スイッチ259がオフであった場合には、ステップS69に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。レンズ鏡筒10が離脱され、パワースイッチ257がオンの場合には、各種操作釦が操作されても、マウント開口部が開放のままなので、誤動作防止の観点から、カメラ動作を行わないようにしている。そのため、ステップS67にてレンズ鏡筒10の装着状態と、ステップS69においてパワースイッチレバーの操作状態の判定を繰り返し行う待機状態となる。ステップS67において、パワースイッチ257がオフと判定されると、ステップS5に戻り、スリープ状態になる。なお、ステップS67において、レンズ鏡筒10が離脱されたままであることを検出した場合に、ステップS69の判定を省略して、ステップS5に進みスリープ状態としてもよく、また、ステップS9に進み、各種操作釦による操作に基づく動作を行う等の変形は可能である。
ステップS29に戻り、判定の結果、着脱検知スイッチ259がオン、すなわちレンズ鏡筒10がカメラ本体に装着されていた場合には、ステップ31に進み、パワースイッチ257がオンか否かを判定する。判定の結果、オンであった場合には、ステップS17に戻り、前述のステップを繰り返す。ステップS15において、スルー画表示が開始された後、ステップS23以降において各種操作釦等が操作されない限り、可動ハーフミラー201を透過した被写体光束は、シャッタ203によって妨げられないので、CCD221上に被写体像が結像し、このCCD221によって撮像された画像データが背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶29に動画像としてスルー画表示される。ステップS31において、パワースイッチ257がオフと判定された場合には、ステップS41、S43と同様に、画像処理回路227に対してスルー画表示を停止するよう指示し(S33)、シャッタ203の閉じ動作を行う(S35)。この後、前述のステップS65と同様にして、可動ハーフミラー201の退避動作を行った後(S37)、ステップS5に戻りスリープ状態となる。
次に、ステップS21のスルー画条件設定のサブルーチンについて、図4を用いて説明する。スルー画条件設定のサブルーチンに入ると、まず、狙いの画像明度(所定値)と前回撮像時の画像明度との差ΔEVを算出する(S81)。これは、背面液晶モニタ26等において、その画面での画像明度が狙いの画像明度と同等の露出値EV(ここでEV=TV−SV(TVは電子シャッタ速度のアペックス値、SVはISO感度相当のアペックス値))と、前回背面液晶モニタ26で表示した際のEV値との差ΔEVである。
続いて、開放絞り値AV0と、前回背面液晶モニタ26に表示した画像を取得した際の電子シャッタ速度TVと、ステップS81で求めた画像明度の差ΔEVを用いて、適正EV値を、AV0+前回TV−ΔEVの演算式から求める(S83)。ここで、開放絞り値AV0を用いて演算しているのは、スルー画表示している際は絞り103は開放絞り値に設定されているからである。この演算に引き続き、次回の電子シャッタ速度(次回TV値)を、ステップS85で求めた適正EV値と、開放絞り値AV0を用いて、適正EV−AV0の演算式から求める(S85)。ここで、求めた次回TV値でCCD221を制御するように撮像素子駆動回路223に指示を出力する(S87)。このように、本サブルーチンにおいては、狙いの画像明度と前回画像の明度の差(ΔEV)に応じて、電子シャッタ速度TVを変化させて、いつも一定の画像明度となるように調整している。また、次回TVの演算値が設定範囲を越えた場合には、電子シャッタ速度TVとISO感度SVの両方を制御すれば良い。
次に、ステップS55の動画撮影動作のサブルーチンについて図5を用いて説明する。このサブルーチンは前述したように、動画撮影モードが選択されているときに、レリーズ釦の半押しがなされると実行される。まず、画像処理条件の設定を行う(S101)。これによって、画像処理回路227、圧縮伸張回路231等に動画モードであることを指示すると共に、画像サイズや圧縮率等も指示し、これによって、画像処理回路227は、動画に適した画像処理を行い、圧縮伸張回路231は動画に適した圧縮を行う。
続いて、測距動作を行い、この測距結果に基づいて撮影レンズを合焦位置に駆動する位相差AFのサブルーチンを実行する(S103)。測距にあたっては、測距/測光センサ217内の測距センサが可動ハーフミラー201によって反射された被写体光束を受光し、この測距センサの出力を用いて測距/測光処理回路219やボディCPU229等はTTL位相差法によってレンズ101a、101bの焦点ズレ方向と焦点ズレ量を検出する。この検出された焦点ズレ方向および焦点ズレ量に基づいて、ボディCPU229はレンズCPU111を介して、光学系駆動機構107によってピント位置にレンズ101a、101bを駆動する。
測距・合焦駆動を行う位相差AFが終わると、動画条件設定を行い、狙いとする露出値EVとなるように、電子シャッタ速度TVおよび絞り値AVの設定を行う。絞り値AVの設定にあたっては、位相差AFにおける測距精度を確保できるような絞り値となるようにしている。この動画条件設定については、図6を用いて後述する。動画条件設定が終わると、次に、レリーズ釦の全押し操作がなされているか、すなわち2Rがオンか否かについて判定する(S107)。判定の結果、オフであった場合には、ステップS109に進み、1Rがオンか否かの判定を行う。レリーズ釦の半押し動作で、この動画撮影動作のサブルーチンにジャンプしてきて、レリーズ釦が半押しのままの場合には、ステップS103〜S109をループし、繰り返し判定を行う待機状態となる。この間、位相差AFと動画条件設定を行っている。このため、レリーズ釦を半押しのまま、被写体輝度の異なる被写体にカメラを向けた場合でも、背面液晶モニタ26等において一定の画面明度となるように調整される。また、位相差AFを繰り返し行っているので、フレーミングを変更したり、被写体が移動したりした場合であっても、ピント合わせが自動的になされる。レリーズ釦から手が離れ、1Rがオフとなると、ステップS109からパワーオンリセットのステップS9に戻る。
ステップS107において、判定の結果、2Rスイッチがオンであった場合、すなわちレリーズ釦が全押しされた場合には、動画像取得のための撮像動作に移り、ステップS111に進み、動画記録開始の指示を出す。動画記録が開始されると、CCD221は設定された電子シャッタ速度TVで撮像し、CCD221から出力される被写体像信号は画像処理回路227で処理され、圧縮伸張回路231によって1フレーム毎にJPEGで圧縮処理され、この処理された画像データはSDRAM238に格納される。
次に、ステップS113に進み、バッファメモリとして使用されているSDRAM238の記憶容量がフルになっているか否かの判定を行う。判定の結果、フルになっていなければ、ステップS115に進み、2Rスイッチがオンか否か、すなわち撮影者によってレリーズ釦が全押しされ、動画撮影が継続されているか否かの判定を行う。判定の結果、2Rスイッチがオンであれば、ステップS131に進み、ステップS103と同様に位相差AFを行い、求められた焦点ズレ方向と焦点ズレ量をレンズCPU111に出力し、光学系駆動機構107によって1回だけレンズ駆動を実行する。位相差AFのサブルーチンが終了すると、続いてステップS105と同様に動画条件設定を行う(S133)。動画記録中に、被写体輝度等が変化することがあり、この場合でも適正露光となるように、電子シャッタ速度TVおよび絞り値AVを調整している。動画条件の設定が終了すると、前述のステップS113に戻り、これらのステップを繰り返す。
ステップS113とS115に戻り、画像データが記録されているSDRAM238の記憶容量がフルになるか、または2Rスイッチがオフすなわち撮影者がレリーズ釦から手を離し撮影を停止すると、ステップS117に進み、記録停止を指示する。続いて、絞り103を開放状態にすべく、レンズCPU111に絞り開放の指示を送る(S119)。この後、SDRAM238に記憶されているフレーム毎のJPEG形式の画像データを基に動画用のMJPEG(Motion JPEG)形式の動画ファイルを生成する(S121)。この生成された動画ファイルを、記録媒体制御回路243を介して記録媒体245に記録する(S123)。この動画ファイル記録が終わるとパワーオンリセットのルーチン中のステップS17に戻り、前述のステップを繰り返す。
次に、図6を用いてステップS105およびS133における動画条件設定のサブルーチンについて説明する。このサブルーチンは、動画取得あたって適正露光量となるように絞り値AVと電子シャッタ速度TVを設定するものである。このルーチンに入ると、まず、狙いの画像明度(所定値)と前回画像の明度の差(ΔEV)の算出を行う(S201)。すなわち、適正露光量となるEV相当値と、前回、背面液晶モニタ26に表示したときの明度(露光量相当値のEV)との差分を演算する。次に、この差分を前回の露光量(すなわち、前回AV+前回TV)から減算し、適正露光量(適正EV)を求める(S203)。
続いて、この求められた適正EVから、次回の絞り値AVと電子シャッタ速度TVを算出する(S205)。EV=AV+TVであることから、絞り値AVと電子シャッタ速度TVの加算値が、ステップS203で求めた適正EVとなるように、AVとTVを決めれば良い。次に、ステップS205で求められた次回AVが開放絞り値AV0(開放Fナンバー、例えば、AV0=3)より小さいか、すなわち、次回AVが開放絞り値AV0よりもさらに開いた絞り値となっているかを判定する(S207)。
判定の結果、次回AVが開放絞り値AV0よりも小さい場合には、実現不可能な絞り値であることから、ステップS211に進み、次回AVを開放絞り値AV0とする。一方、判定の結果、次回AVが開放絞り値AV0より大きい場合には、ステップS209に進み、位相差AFで測距可能な絞り値(Fナンバー、例えば、AVa=5)であるかを判定する。位相差AFモードにおける測距は、撮影レンズを通過する2つの周辺光束を用いて、三角測距を利用して行う。このため位相差AFを行う際に測距精度を確保できる絞り値AVaより開いた絞り値となっているかの判定を行っている。
測距可能絞り値AVaについて、位相差AFの測距原理を説明する図8を用いて説明する。被写体面501上の一点から出た被写体光は、撮影レンズ505中に配置された絞り505の開口部を通り、撮像面507上に結像する。なお、図8では撮影レンズ505が合焦状態を示しているので、撮像面507上の一点に結像しているが、合焦状態ではない場合には、結像点は撮像面507より前側または後側となる。撮像面507を通過した被写体光束はコンデンサレンズ509によって集光され、絞りマスク511およびセパレータレンズ513によって撮影レンズ505の周辺2光束421、423に分離され、測距センサとしての受光素子515上に再結像される。位相差AFによる測距は、受光素子515上の2つの像間隔を求めることにより、撮影レンズ505の焦点ズレ量と焦点ズレ方向を検出することができる。
絞り503が開放状態から絞り込まれ、図8(A)に示すように上側被写体光束521と下側被写体光束523にぎりぎり遮らない絞り値(例えば、F5.6程度)では周辺光束は、受光素子515上に到達し、精度の高い位相差測距を行うことができる。しかしながら、さらに絞り込まれ、図8(B)に示すように上側被写体光束521および下側被写体光束523を遮る位置まで絞り込むと、受光素子515上には周辺光束が到達せず、位相差測距を行うことができない。測距可能絞り値AVaは、図8(A)と図8(B)に示す絞り503の中間の絞り値であり、測距が可能な程度の被写体光束が受光素子515上に到達する絞り値である。測距可能絞り値AVaとしては、例えば、図8(A)における絞り値から、0.5段程度絞り込んだ値である。
ステップS209に戻り、判定の結果、次回AVが測距可能絞り値AVaよりも大きかった場合には、次回AVが測距可能絞り値より絞り込まれ測距精度が確保されないことから、ステップS213に進み、次回AVを測距可能絞り値AVaとする。このステップS213またはステップS211において、次回AVが変更された場合には、次にステップS215に進み、適正EV−次回AVから次回TVを演算により求める。これは、ステップS205において次回TVを求めたが、ステップS213において次回AVが変更されたために、変更された次回AVに基づいて次回TVを再演算している。このように、本実施形態においては、位相差AFの精度を保てる絞り値で絞り103の制御を行い、これに合わせて適正露光となるシャッタ速度でCCD221の電子シャッタの制御を行っている。このため、位相差AFの精度を維持しつつ、適正露光を得ることができる。
ステップS215における演算が終了すると、またはS209における判定の結果、次回AVが測距可能AVaより小さかった場合には、ステップS217に進み、算出されたTV値を撮像素子駆動回路223に指示する。この指示された電子シャッタ速度TVに従って、CCD221の電子シャッタ速度の制御が行われる。続いて、ステップS219において、求められた次回絞り値AVを、レンズCPU111に指示し、絞り103の制御を行う。AV値の設定が終わると元のルーチンに戻る。
なお、本実施形態においては、動画条件設定にあたっては、CCD221における電子シャッタ速度TVと絞り値AVの2つを調節することにより適正露出を得るようにしていたが、これに限らず、ISO感度SVも変更しても良い。変更にあたっては、手振れシャッタ速度よりも低速TVとなった際にISO感度を高感度となるように変更するようにしても良い。また、画素加算を行うことようにしても勿論構わない。画素加算は、隣接する4画素、9画素、または16画素の出力でもって1画素分の出力とすることにより、低輝度であっても実質的な光量を増加させ、適正露光とすることができる。
次に、本実施形態における画像に関するデータの処理の流れを、図7を用いて説明する。CCD221から出力された画像信号は、画像処理回路227によって画像処理(301)される。そして画像処理回路227は処理した画像信号を用いて、画像サイズの変更処理(303)を行う。なお、画像サイズは静止画と動画で、それぞれ適したサイズとなるようにしている。
画像サイズ変更処理された画像データは、次に圧縮伸張回路231に送られ、JPEG圧縮処理(305)が行われる。JPEG圧縮処理された画像データは、静止画撮影が選択されている場合には、単一データ蓄積(307)でSDRAM238に格納される。そしてシーケンスコントローラはSDRAM238に格納されたJPEGデータに基づいてJPEGファイルを作成する(311)。
一方、動画撮影が選択されている場合には、ステップS111における動画記録開始に応じて、SDRAM238にJPEG圧縮処理(305)がなされた画像データが逐次格納される。そして、ステップS117における動画記録停止に応じて、JPEG形式の画像データの格納を停止し、シーケンスコントローラは動画用の圧縮形式であるMJPEGに従って動画圧縮を行い、MJPEGファイルを作成する(313)。次に、ステップS123における動画ファイル記録に応じて、MJPEGファイルまたはJPEGファイルを記録媒体245に記録する。
以上、詳述したように本実施形態においては、位相差AFで測距するにあたって、撮影レンズの絞り値を測距検出可能な範囲の絞り値にするようにしている。すなわち、ステップS209において、測距可能絞り値AVaと次回AVとを比較し、次回AVが測距可能AVaより絞り込んだ値となる場合には、測距可能絞り値AVaで測距を行うようにしている。このため高精度の測距精度を確保しつつ、適正露光とすることができる。単に開放絞りで測距する場合と比較し、高輝度側に適正露光を得ることのできる範囲を広くすることができる。
また、本実施形態においては、スルー画表示中や動画撮影中において、上述のように撮影レンズの絞り値を位相差AFの検出可能な範囲としているので、高精度の測距かつ適正露光で、スルー画表示や動画記録を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、動画撮影動作に入ると、1Rスイッチがオンとなっている限り、すなわちレリーズ釦が半押し状態である限り、図6の動画条件設定を実行することにより、開放絞り値AV0から測距可能絞り値AVaの範囲内で絞りを制御するようにしている。このため、レリーズ釦が全押しされ、動画記録が開始された場合には、直ちに適正露光で動画を記録することができる。
さらに、本実施形態においては、カメラの作動時に可動ハーフミラー201を撮影光路中に介挿し、被写体光束の一部を測距/測光センサ217に反射させているので、スルー画表示中にレリーズ釦21が半押しされ、1Rがオンとなったとき、直ちに測光や測距をスルー画表示と並行して行うことができ便利である。
なお、本実施形態においては、撮像素子としてのCCD221は可動ハーフミラー201の透過光を受光し、測距/測光センサ217は可動ハーフミラー201の反射光を受光していたが、これとは逆にCCD221は反射光を、測距/測光センサ217は透過光を受光するように構成しても良い。
また、本実施形態においては、静止画と動画の両方を選択的に記録可能なデジタルカメラであったが、これに限らず、静止画のみや動画のみのように、いずれか一方を記録することが可能なデジタルカメラであっても良い。さらに、本実施形態においては、レリーズ釦の半押しがなされた撮影準備状態において、絞り値を開放絞りから測距可能絞り値の範囲内に制御するようにしているが、レリーズ釦の半押し以前のスルー画表示でも同様にしても勿論構わない。
本実施形態においては、本発明を一般的なデジタルカメラに適用したものであったが、これに限らず、携帯等の各種装置内のデジタルカメラでもよく、また顕微鏡、双眼鏡等の各種装置に取り付けられる専用デジタルカメラにも適用できることは勿論である。撮影対象を記録することのできるカメラであれば、本発明を適用することができる。
本発明を適用した一実施形態におけるデジタルカメラの電気系の全体構成を示すブロック図である。 本発明を適用した一実施形態における可動反射ミラーの構造を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態におけるパワーオンリセットの動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるスルー画条件設定の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における動画撮影動作のフローチャートである。 本発明の一実施形態における動画条件設定のフローチャートである。 本発明の一実施形態におけるデータの処理を示す流れ図である。 位相差AFの測距原理を説明する図であり、(A)は絞りが位相差測距に使用する周辺光束を妨げない場合を示し、(B)は絞りが周辺光束を妨げている場合を示す。
符号の説明
10 レンズ鏡筒
20 カメラ本体
26 背面液晶モニタ
29 ファインダ内液晶モニタ
101a、101b レンズ
103 絞り
111 レンズCPU
201 可動ハーフミラー
203 シャッタ
215 可動ミラー駆動機構
217 測距/測光センサ
219 測距/測光処理回路
221 CCD
223 撮像素子駆動回路
227 画像処理回路
229 ボディCPU
231 圧縮伸張回路
238 SDRAM
241 通信回路
243 記録媒体制御回路
245 記録媒体
257 パワースイッチ

Claims (10)

  1. 撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、
    上記被写体像信号に基づいて、上記撮影レンズの絞り値、および上記撮像手段の撮像条件を更新する設定手段と、
    上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を記録する記録手段と、
    上記撮影レンズの光路内に進退可能なハーフミラーと、
    このハーフミラーが上記光路に進出した状態において、上記ハーフミラーによって反射された被写体光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、
    この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段と、
    を具備しており、
    上記設定手段は、上記撮影レンズの絞り値を上記焦点検出手段による検出動作に適した範囲内で設定することを特徴とする動画記録可能なデジタルカメラ。
  2. 上記設定手段は、上記撮影レンズの開放絞り値から所定絞り値の範囲内で設定することを特徴とする請求項1に記載の動画記録可能なデジタルカメラ。
  3. 上記所定値は、上記焦点検出手段の検出精度に応じて決定されることを特徴とする請求項2に記載の動画記録可能なデジタルカメラ。
  4. 上記設定手段は、上記被写体像信号に基づいて演算された上記絞り値が上記所定絞り値の範囲内とならない場合には、絞り値を上記所定絞り値として上記撮像手段の撮像条件を再演算することを特徴とする請求項1に記載の動画記録可能なデジタルカメラ。
  5. 撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、
    上記撮影レンズの光路内に進退可能なハーフミラーと、
    このハーフミラーが上記光路に進出した状態において、上記ハーフミラーによって反射された被写体光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、
    この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段と、
    上記撮影レンズ内に設けられ、被写体光量を調節する絞りと、
    この絞りの絞り値を上記焦点検出手段による検出動作に適した範囲内で制御する絞り制御手段と、
    を具備したことを特徴とするデジタルカメラ。
  6. さらに上記被写体像信号に基づいて被写体の動画像を記録する記録手段を具備し、上記動画像の記録の際に上記絞り制御手段は開放絞りから測距可能絞り値の範囲内で制御することを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
  7. さらに、上記被写体像信号を静止画モードまたは動画モードで記録する記録手段を具備し、上記動画モードで記録する際には、開放絞り値から測距可能絞り値の範囲内で制御することを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
  8. さらに、上記被写体像信号に基づいて動画像で被写体像を表示する表示手段を具備し、上記動画像の表示の際に上記絞り制御手段は検出に適した範囲内に制御することを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
  9. さらに、上記被写体像信号に基づいて動画像で被写体像を表示する表示手段を具備し、撮影準備動作に入る前では、上記絞り制御手段は上記開放絞り値に設定し、撮影準備動作後は、上記絞り制御手段は上記開放絞り値から検出に適した範囲内で制御し、上記動画像を表示することを特徴とする請求項5に記載のデジタルカメラ。
  10. 撮影レンズを通過した被写体光束を受光して被写体像信号を出力する撮像手段と、
    上記被写体像信号に基づいて、上記撮影レンズの絞り値、および上記撮像手段の撮像条件を設定する設定手段と、
    上記撮影レンズの周辺光束に基づいて位相差法式にて上記撮影レンズの焦点ずれ量を検出する焦点検出手段と、
    この焦点検出手段の検出結果に基づいて上記撮影レンズの合焦動作を行う焦点調節手段と、
    を具備しており、
    上記設定手段は、上記撮影レンズの絞り値を開放絞り値から測距可能絞り値の範囲内で設定することを特徴とするデジタルカメラ。
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