JP2009084484A - 低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 - Google Patents
低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009084484A JP2009084484A JP2007257702A JP2007257702A JP2009084484A JP 2009084484 A JP2009084484 A JP 2009084484A JP 2007257702 A JP2007257702 A JP 2007257702A JP 2007257702 A JP2007257702 A JP 2007257702A JP 2009084484 A JP2009084484 A JP 2009084484A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorine
- containing elastomer
- wax
- elastomer composition
- crosslinking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】含フッ素エラストマーおよびワックスを含む含フッ素エラストマー組成物であって、ワックスの含有量が含フッ素エラストマー100質量部に対して、3〜10質量部である含フッ素エラストマー組成物に関する。
【選択図】図1
Description
架橋した含フッ素エラストマーを加熱処理し、残存するワックスを除去する工程(B)を含む成形品の製造方法にも関する。
式(1):
式(5):
などがあげられる。これらの中でも、耐薬品性、耐熱性、耐プラズマ性という点から、式(1)もしくは式(2)で示される2元共重合体エラストマー、または式(3)で示される3元共重合体エラストマーを用いるのが好ましい。
(1)ビニリデンフルオライド(VdF)/TFE(0〜100/100〜0)、特にVdF/TFE(70〜99/30〜1)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリビニリデンフルオライド(PVdF);
(2)エチレン/TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)(6〜43/40〜81/10〜30)、3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−1/PAVE(40〜60/60〜40);
(3)TFE/CF2=CF−Rf 1(非エラストマー性を示す組成範囲、すなわち、CF2=CF−Rf 1が15モル%以下。式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基));
(4)VdF/TFE/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)(50〜99/30〜0/20〜1);
(5)VdF/TFE/HFP(60〜99/30〜0/10〜1);
(6)エチレン/TFE(30〜60/70〜40);
(7)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE);
(8)エチレン/CTFE(30〜60/70〜40)
などがあげられる。これらのうち、耐薬品性と耐熱性の点から、特にPTFEおよびTFE/CF2=CF−Rf 1の非エラストマー性の共重合体が好ましい。
・G−702:ポリオール架橋剤を含む2元系フッ素ゴム(ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン=78/22モル%)。(ポリオール架橋剤の含有量が低濃度である品種)
・G−717:ポリオール架橋剤を含む2元系フッ素ゴム(ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン=78/22モル%)。(ポリオール架橋剤の含有量が中濃度である品種)
・MA−150:高活性酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製)
・CALDIC♯2000:水酸化カルシウム(近江化学工業(株)製)
・N990:MTカーボンブラック(CANCARB LTD製)
・ACP♯617A:低分子ポリエチレンワックス(数平均分子量:約2000、比重:約0.9)(Allied Corporation製)
・SP−0145:パラフィンワックス(数平均分子量:約500、比重:約0.8)(日本精鑞株式会社製)
・カルナバワックス1号:カルナバワックス(比重:約1.0)(東洋ペトロライト株式会社製)
・TYW−3:米ぬかワックス(比重:約1.0)(東京油脂工業株式会社製)
・ステアリン酸:試薬1級(比重:約0.8)(関東化学株式会社製)
・ステアリン酸ナトリウム:試薬1級(比重:約1.0)(片山化学工業株式会社製)
・ダイヤミッドL−200:エルカ酸アミド(比重:約0.9)(日本化成工業株式会社製)
G−702を300g、充填剤としてACP♯617Aを9g(組成物中、5体積%)、MA−150を9g、CALDIC♯2000を18gおよびMTカーボンブラックを9g混合し、オープンロールにて混練して架橋可能な含フッ素エラストマー組成物を調製した。表1に配合比を示す。
各架橋用組成物についてJSR型キュラストメーターII型により、170℃にて架橋曲線を求め、最低トルク(ML)、最大トルク(MH)、誘導時間(T10)および最適架橋時間(T90)を求めた。
テストシート作成時、金型からの離型性を評価した。
◎・・・金型を開けた時、すでに離型
○・・・エアーガンで吹くことで容易に離型
△・・・エアーガンで吹くことで何とか離型
×・・・エアーガンで吹くだけでは離型しない
バフ磨きで鏡面仕上げされたSUS316板上に、テストシートから切り出した被験サンプル(20mm×15mm×2mm)を置き、室温で、荷重:700g/cm2下で10分間放置した後、手で引き剥がし、固着度合いを観察した。
◎・・・全く固着していない
○・・・わずかに粘着がある
△・・・粘着はあるが容易に剥離する
×・・・明らかに粘着している
図1に示すように、バフ磨きで鏡面仕上げされた2枚のSUS316板1の間に、テストシートから切り出した被験サンプル2(20mm×15mm×2mm)を置き、100℃、荷重3:700g/cm2下で1時間放置した。その後、荷重3を加えた状態のまま、室温まで放冷した後、図2に示すように、SUS316板1をせん断方向4に10mm/minの速度で引っ張り、固着強度(180度、せん断剥離)を測定した。
ワックス添加部数をW1、熱処理時の重量減少率を△W1、ワックスを配合していない(比較例1または2)時の熱処理時の重量減少率を△W2としたとき、ワックス除去率は
ワックス除去率(%)=(△W1−△W2)/(W1/トータル部数)
JIS K6301に準じてテストシートの常態(25℃)での100%引張応力、引張強さ、伸びおよび硬さ(SHORE、A)を測定した。
充填剤としてACP♯617Aを15g(組成物中、9体積%)配合した以外は、実施例1と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aを24g(組成物中、14体積%)配合した以外は、実施例1と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
G−717を300g、充填剤としてACP♯617Aを15g(組成物中、8体積%)、MA−150を9g、CALDIC♯2000を18gおよびMTカーボンブラックを60g混合し、オープンロールにて混練して架橋可能な含フッ素エラストマー組成物を調製した。表1に配合比を示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてSP−0145を15g(組成物中、8体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてカルナバワックス1号を15g(組成物中、7体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてTYW−3を15g(組成物中、7体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてステアリン酸を15g(組成物中、8体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてステアリン酸ナトリウムを15g(組成物中、7体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表2に示す。
充填剤としてACP♯617Aに代えてL−200を15g(組成物中、7体積%)配合した以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表2に示す。
充填剤としてACP♯617Aを配合しなかった以外は、実施例1と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表1に示す。
充填剤としてACP♯617Aを3g(組成物中、2体積%)配合した以外は、実施例1と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表2に示す。
充填剤としてACP♯617Aを配合しなかった以外は、実施例4と同様の方法にて、成形物を作製した。評価結果を表2に示す。
2 被験サンプル
3 荷重
4 せん断方向
Claims (9)
- 含フッ素エラストマーおよびワックスを含む含フッ素エラストマー組成物であって、ワックスの含有量が含フッ素エラストマー100質量部に対して、3〜10質量部である含フッ素エラストマー組成物。
- 含フッ素エラストマーおよびワックスを含む含フッ素エラストマー組成物であって、ワックスの含有量が含フッ素エラストマー組成物中、5〜30体積%である含フッ素エラストマー組成物。
- ワックスの融点が50〜130℃である請求項1または2記載の含フッ素エラストマー組成物。
- ワックスが炭素数13〜500の炭化水素基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
- 含フッ素エラストマーおよびワックスを含む含フッ素エラストマー組成物における含フッ素エラストマーを架橋する工程(A)および
架橋した含フッ素エラストマーを加熱処理し、残存するワックスを除去する工程(B)を含む成形品の製造方法。 - 工程(A)における含フッ素エラストマーを架橋する温度が130〜200℃である請求項5記載の成形品の製造方法。
- 工程(B)における加熱温度が180〜300℃である請求項5または6記載の成形品の製造方法。
- 工程(B)における加熱処理において、架橋した含フッ素エラストマー中に残存するワックスが20〜100%除去される請求項5〜7のいずれかに記載の成形品の製造方法。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007257702A JP5315657B2 (ja) | 2007-10-01 | 2007-10-01 | 低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007257702A JP5315657B2 (ja) | 2007-10-01 | 2007-10-01 | 低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009084484A true JP2009084484A (ja) | 2009-04-23 |
JP5315657B2 JP5315657B2 (ja) | 2013-10-16 |
Family
ID=40658324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007257702A Expired - Fee Related JP5315657B2 (ja) | 2007-10-01 | 2007-10-01 | 低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5315657B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014185237A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Daikin Ind Ltd | フッ素ゴム組成物 |
WO2016084862A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 旭硝子株式会社 | フッ素ゴム組成物及びフッ素ゴム架橋物品 |
WO2019230830A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | Nok株式会社 | パーオキサイド架橋性フッ素ゴム組成物 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5244896B2 (ja) * | 1975-10-07 | 1977-11-11 | ||
JPH02117944A (ja) * | 1988-10-27 | 1990-05-02 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ゴム組成物 |
JPH02281062A (ja) * | 1989-04-21 | 1990-11-16 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ゴム組成物 |
JP2006143977A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-08 | Nok Corp | フッ素ゴム組成物 |
-
2007
- 2007-10-01 JP JP2007257702A patent/JP5315657B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5244896B2 (ja) * | 1975-10-07 | 1977-11-11 | ||
JPH02117944A (ja) * | 1988-10-27 | 1990-05-02 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ゴム組成物 |
JPH02281062A (ja) * | 1989-04-21 | 1990-11-16 | Japan Synthetic Rubber Co Ltd | ゴム組成物 |
JP2006143977A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-08 | Nok Corp | フッ素ゴム組成物 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014185237A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Daikin Ind Ltd | フッ素ゴム組成物 |
WO2016084862A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 旭硝子株式会社 | フッ素ゴム組成物及びフッ素ゴム架橋物品 |
WO2019230830A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | Nok株式会社 | パーオキサイド架橋性フッ素ゴム組成物 |
JPWO2019230830A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2021-04-22 | Nok株式会社 | パーオキサイド架橋性フッ素ゴム組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5315657B2 (ja) | 2013-10-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5533655B2 (ja) | フッ素ゴム架橋成形体の製造方法 | |
JP5099253B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物及び成形品 | |
EP2966122B1 (en) | Acrylonitrile butadiene rubber composition, acrylonitrile butadiene rubber molded article, and method for producing same | |
KR101537179B1 (ko) | 불소 고무 성형품 | |
WO2013046933A1 (ja) | 架橋性フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム成形品及びその製造方法 | |
JP4840138B2 (ja) | 含フッ素エラストマー組成物およびそれからなる成形品 | |
JPWO2005050069A1 (ja) | 表面コーティングされたシール材 | |
WO2017145920A1 (ja) | フッ素ゴム組成物及び成形品 | |
JP4655934B2 (ja) | パーフルオロエラストマーシール材 | |
JP2011012212A (ja) | フッ素ゴム成形品の製造方法及びフッ素ゴム成形品 | |
JP5315657B2 (ja) | 低固着性含フッ素エラストマー組成物およびその成形品 | |
JP5298517B2 (ja) | 含フッ素成形品およびその製造方法 | |
JP2018009109A (ja) | フッ素ゴム架橋物及びフッ素ゴム組成物 | |
JP5494841B2 (ja) | アクリルゴム組成物、アクリルゴム成形品及びその製造方法 | |
JP6163809B2 (ja) | フッ素ゴム組成物 | |
JP2008273199A (ja) | シール材 | |
JP2013056979A (ja) | 架橋性フッ素ゴム組成物、及び、フッ素ゴム成形品 | |
JP4617790B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
JP2020007455A (ja) | 含フッ素ポリマーを含有する組成物 | |
JP2007277348A (ja) | フッ素樹脂組成物の製造方法および該製造方法から得られるフッ素樹脂組成物 | |
JP3709483B2 (ja) | 含フッ素グラフトまたはブロックポリマー | |
WO2019163693A1 (ja) | 複合ゴム成形品 | |
JP2013067774A (ja) | 架橋性フッ素ゴム組成物、及び、フッ素ゴム成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20100514 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100705 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20101020 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20101021 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120918 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130405 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130611 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130624 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |