JP2009074010A - カラーフィルタ用インクジェットインク組成物、及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも有機顔料、分散剤、バインダー成分、及び溶剤からなり、分散剤の主成分としてアミン系樹脂型分散剤を含有し、バインダー成分の主成分としてメラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有する熱硬化型組成物であること。メラミン樹脂は前記化学式(1)で表される構造単位を有するメラミン樹脂、エポキシ樹脂は前記化学式(2)で表される構造単位を有するビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂であること。
【選択図】なし
Description
このカラーフィルタは、通常赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の着色画素で構成され、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの着色画素に対応する電極をオン・オフさせることで液晶がシャッタとして作動し、白色光が赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの着色画素を通過してカラー表示が行われる。
さらに他の方法としては、顔料を分散させた熱硬化性樹脂をインクとして用い、赤(R)、緑(G)、青(B)の印刷を3回行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
この方式は、透明な被染色層を染料インクで染め付けるため、散乱の少ない透明度の高いカラ−フィルタが得られるが、その反面、被染色層を形成した後に染料インクを用いて染め付けるため染料の熱による昇華、および溶剤による溶出が起こりやすく、高い耐熱性、耐薬品性が得にくい。
しかし、色仕様および/またはカラー液晶表示装置の方式によっては、インクの組成が著しく制限され、上記方法で調製されるインクジェット用インクの耐熱性、耐薬品性は、未だ不十分であり、例えば、顔料分散法における耐熱性および耐薬品性は実現していない。
:70〕〜〔10:90〕)の割合であることを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク組成物である。
前記化学式(1)で表される構造単位は、N末端として−NH2 、−NH(ROH)、−N(ROH)2 、−NH(ROR´)、−N(ROR´)2 、(ここで、R、R´は鎖状または環状アルキル基)等アルコ−ルまたはエ−テルを付加したものが使用できる。この場合、加熱により末端のアルコ−ルまたはエ−テルが他のOH基との間で縮合反応を起こし架橋するため、画素画素の描画後に熱架橋することで緻密に架橋された膜を得ることができる。化学式(1)に表される構造単位は1分子中に最大3個の架橋点を有するため、高度に架橋された膜は非常に高い耐熱性と耐薬品性を有する。
分散剤の主成分としてアミン系樹脂型分散剤を含有するため、化学式(2)で表される構造単位を持つ該エポキシ樹脂と共にインク化することにより、熱硬化させる際において、該アミン系樹脂型分散剤は、該エポキシ樹脂の硬化剤としても働く。より緻密な架橋を得たい場合は、適切な硬化剤の存在下でさらにエポキシ樹脂を硬化させることもできる。
含む化合物とを同時にインク中に存在させることによって、化学式(1)で表される構造単位の−NH2 、−NH(ROH)と化学式(2)で表される構造単位のエポキシ基との縮合反応によって得られた着色画素は、高度に架橋されており、且つ熱収縮が小さいため、該着色画素そのものの耐熱性だけでなく、該着色画素上に塗布または蒸着し加熱することによって成膜されたオーバーコート層、偏光膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜等との密着性が良い。
一方、化学式(2)で表される構造単位を持つ化合物を単独で用いた場合は、単独では架橋密度を向上させることが難しく、溶剤耐性が低下する。従って、特に、着色画素に直接ITOを成膜する方式のカラーフィルタにおいては、ITOクラック対策として、化学式(1)で表される構造単位を含む化合物と、化学式(2)で表される構造単位を含む化合物との併用は、非常に効果的である。
しかし、顔料および染料自身が化学式(1)記載の構造と親和性が良くなくても、界面活性剤を少量添加することでブラックマトリクス樹脂中に微分散することが出来る。添加する界面活性剤の量としてはなるべく少ない方が望ましく、分散される顔料の構造によって適正量を選択するのがよい。通常は全固形分に対して30〜1重量%の範囲で選択される。
使用する溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。上記溶剤は、二種類以上を混合して用いることもできる。
ルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチルなどを例示することができる。これらの溶剤は、顔料の分散性、分散安定性も比較的良好であり、3-メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のような従来から顔料分散体の調製に用いられている溶剤と混合し或いは混合せずそのまま分散溶剤として用い、顔料分散体を調製することができる。
1.着色組成物の作製
カラーフィルタ作製に用いる着色組成物は、赤色顔料として、C.I.Pigment Red 254(「
イルガフォーレッドB−CF」:チバ・スペシャルティケミカルズ社製)、緑色顔料として(「リオノールグリーン6YK」:東洋インキ製造製)、青色顔料として、C.I.Pigment Blue 15;6(「ヘリオゲンブルー」:BASF社製)を用い、下記表1に示す処方でビーズミル分散により十分混連錬し、赤色顔料分散液(組成物1)、緑色着色組成物(組成物2)及び青色顔料分散液(組成物3)を作製した。
このようにして得た顔料分散液(顔料分散ペースト)に下記表2に示す処方で、熱硬化性樹脂1、熱硬化性樹脂2、及び有機溶剤を加えて良く攪拌し、15種のカラーフィルタ用インク組成物を(インクA〜O)を作製した。
ガラス基板上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、12pl、180dpiヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により前記赤色(R)(組成物1)、緑色(G)(組成物2)、青色(B)(組成物3)各色のインク組成物を吐出し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素パタ−ン(着色画素)を描画した。その後、130℃で3分乾燥させた後240℃で20分加熱してメラミン樹脂とエポキシ樹脂を架橋し、カラーフィルタ試料を得た。
上記カラーフィルタ試料について、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色画素の耐熱性および耐薬品性を評価した。耐熱性については上記カラーフィルタ試料を250℃で1時間加熱、対薬品性については酸、アルカリ、および有機溶剤に30分浸漬し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色画素の膜厚の変化、色度の変化および表面状態の変化を観察し、下記の基準で評価した。それらの結果を下記表3に示す。
○:良好−−−ひび割れ、表面荒れ等の異常なし
△:概ね良好−−判定が難しいごく僅かなひび割れ、表面荒れ等の異常がある
×:不良−−−ひび割れ、表面荒れ等の異常がある
上記表3から、以下のことが明らかである。即ち、前記化学式(1)で表される構造単位を有するメラミン樹脂、及び前記化学式(2)で表される構造単位を有するビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂を、重量比で、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=30:70から10:90の割合で含有する赤(R)のインク組成物(インクA)、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=50:50から20:75の割合で含有する緑(G)のインク組成物(インクF、インクH)、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=75:25から50:50の割合で含有する青(B)のインク組成物(インクL、インクK)から作製されたカラーフィルタは、空気中において250℃で1時間加熱しても変色せず、このときの膜厚変化率も小さく、また、有機溶媒、酸、アルカリにも十分な耐性を有している。
表2におけるインクB、インクGが比較例1である。メラミン樹脂:エポキシ樹脂=70:30の割合で含有する赤(R)のインク組成物(インクB)、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=75:25の割合で含有する緑(G)のインク組成物(インクG)の場合には、メラミン樹脂の熱収縮率が大きいため、空気中において250℃で1時間加熱すると、膜厚が著しく減少した。さらに、膜が堅固であるため伸縮に対し柔軟性がなく、有機溶剤への浸漬により膜が膨潤しひび割れが発生した。ただし、全固形分中の架橋成分自体が少ない
場合(インクG)は、有機溶剤への浸漬によるひび割れは確認されなかった。
表2におけるインクMが比較例2である。メラミン樹脂:エポキシ樹脂=25:75の割合で含有する青(B)のインク組成物(インクM)の場合には、耐熱膜変化率は小さいが、加熱によるエポキシ樹脂の若干の黄変が大きく影響し、色度変化が非常に大きくなった。さらに有機溶剤への浸漬により膜成分が僅かに溶解した。
表2におけるインクD、インクI、インクNが比較例3である。メラミン樹脂のみを架橋成分として添加した赤(R)のインク組成物(インクD)、緑(G)のインク組成物(インクI)、青(B)のインク組成物(インクN)から作製されたカラーフィルタは、架橋密度が高いため、有機溶剤、酸、アルカリ耐性は良好であるが、空気中において250℃で1時間加熱すると膜厚が著しく減少した。さらに、赤(R)のインク組成物(インクD)に関しては、有機溶剤への浸漬により、ひび割れが発生した。
表2におけるインクE、インクJ、インクOが比較例4である。エポキシ樹脂のみを架橋成分として添加した赤(R)のインク組成物(インクE)、緑(G)のインク組成物(インクJ)、青(B)のインク組成物(インクO)から作製されたカラーフィルタは、硬化が不十分であるため有機溶剤への浸漬により膜が溶解し色度が著しく変化した。また、エポキシ樹脂は膜収縮率が比較的小さい樹脂であり、空気中において250℃で1時間加熱した時の膜厚変化率は比較的小さい。しかし、赤(R)、青(B)においては、メラミンとエポキシを上記実施例記載の割合で含有するインク組成物に比べ、予想に反し耐熱膜変化率までもが僅かに劣っていた。
表2におけるインクCが比較例5である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂をノボラック型エポキシ樹脂に置き換えた赤(R)のインク組成物(インクC)の場合は、高度に架橋された膜が得られ、有機溶剤、酸、アルカリに対する色度変化は小さいが、空気中において250℃で1時間加熱するとひび割れが発生した。さらに、有機溶剤への浸漬により膜が膨潤しひび割れが発生した。
Claims (7)
- インクジェット方式によるカラーフィルタの製造に用いるインク組成物であって、少なくとも有機顔料、分散剤、バインダー成分、及び溶剤からなり、前記分散剤の主成分としてアミン系樹脂型分散剤を含有し、前記バインダー成分の主成分としてメラミン樹脂及びエポキシ樹脂を含有する熱硬化型組成物であることを特徴とするカラーフィルタ用インクジェットインク組成物。
- 前記化学式(1)で表される構造単位を有するメラミン樹脂と、前記化学式(2)で表される構造単位を有するビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂は、重量比で、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=(〔75:25〕〜〔10:90〕)の割合で含有することを特徴とする請求項2記載のカラーフィルタ用インクジェットインク組成物。
- 前記重量比は、赤(R)インク組成物では、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=(〔30:70〕〜〔10:90〕)の割合であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用インクジェットインク組成物。
- 前記重量比は、緑(G)インク組成物では、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=(〔50:50〕〜〔25:75〕)の割合であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用インクジェットインク組成物。
- 前記重量比は、青(B)インク組成物では、メラミン樹脂:エポキシ樹脂=(〔75:25〕〜〔50:50〕)の割合であることを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタ用インクジェットインク組成物。
- 着色画素上に直接ITO膜を成膜したカラ−フィルタであって、前記着色画素の形成に請求項2〜請求項6のいづれか1項に記載のカラーフィルタ用インクジェットインク組成物を用いたことを特徴とするカラーフィルタ。
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