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JP2008305698A - 電池用不織布基板、およびそれを用いた電池用電極および電池 - Google Patents

電池用不織布基板、およびそれを用いた電池用電極および電池 Download PDF

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JP2008305698A
JP2008305698A JP2007152489A JP2007152489A JP2008305698A JP 2008305698 A JP2008305698 A JP 2008305698A JP 2007152489 A JP2007152489 A JP 2007152489A JP 2007152489 A JP2007152489 A JP 2007152489A JP 2008305698 A JP2008305698 A JP 2008305698A
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nickel
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fiber
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JP2007152489A
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Kazuki Okuno
一樹 奥野
Masahiro Kato
真博 加藤
Katsuji Emura
勝治 江村
Tetsuo Sakai
哲男 境
Tsutomu Iwaki
勉 岩城
Masaru Yao
勝 八尾
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Electric Industries Ltd
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
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Abstract

【課題】本発明は、空隙率が高く、かつ引っ張り強度の大きい電池用電極基板を提供し、もって電池容量が大きく、電池電圧の高い電池を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂からなる不織布の繊維表面にニッケルを含む金属を被覆した電池用電極基板であって、その空隙率が90%以上98%以下であり、なおかつ基板の引っ張り強度が長手方向20N/cm以上、幅方向10N/cm以上であることを特徴とする電池用電極基板である。前記被覆されたニッケルを含有した金属量の目付量は、150〜350g/m2であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ二次電池などに用いられる電池用電極基板に関するものである。
これまでに開発されてきたアルカリ二次電池などに用いられる、不織布にニッケルを被覆して作製される集電体としては、例えば以下のようなものがある。
特許文献1では、ウェブに水流交絡処理を施した後に無電解ニッケルめっきを施すことを特徴としたニッケルめっき不織布電極の製造方法を提案し、これによって有機溶剤系の接着剤を使用することなく引っ張り強度特性を向上させ、かつ繊維の抜けを抑えることができるとしている。
特許文献2では、スルホン化処理等の表面処理を施した不織布材にニッケルめっきしたものをアルカリ二次電池用集電材に適用している。樹脂製不織布を芯材として残すことで柔軟性と強度を確保することができるとされている。
特許文献3では、不織布表面のめっき量を断面積で規定することで高容量かつハイレート充放電が可能な集電材を開示している。
特許文献4では、不織布の表面にニッケルめっきを施し、単位体積当りの比表面積が0.13m2/cm3〜0.35m2/cm3である集電材に粘度が0.3Pa.s以下の活物質ペーストを充填し乾燥して得ることを特徴としている。これにより高出力化が可能なアルカリ電池が得られるとしている。
しかしながら、このような従来の集電体は、いずれもポリオレフィン系繊維からなる不織布にニッケルめっきを施し、引っ張り強度を向上させているが、基材の空隙率を充分に高くできなかったため、高容量の電池を提供するには至っていなかった。
また、不織布の表面にめっきした基材の場合、熱処理することができないので、めっきされたニッケルは硬いものとなる。そのため、ニッケルの引っ張り伸び率が小さく、基材の引っ張り強度が小さい場合は電極作製時の圧延工程で表面のニッケルが損傷(割れ・剥離)しやすく、ニッケルが損傷した結果、電気抵抗が上がり、電池の電圧が低くなって、電池容量も小さくなるという問題を有していた。
特開平5−290838号公報 特開2001−313038号公報 特開2003−109600号公報 特開2005−347177号公報
本発明は、空隙率が高く、かつ引っ張り強度の大きい電池用電極基板を提供し、もって電池容量が大きく、電池電圧の高い電池を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電池用電極基板及びこれを用いた電池用電極並びに電池に、以下の(1)〜(5)の構成を採用する事が有効であることを見出した。
(1)樹脂からなる織布又は不織布の繊維表面にニッケルを含有した金属を被覆することにより形成された電池用電極基板であって、その空隙率が90%以上98%以下であり、なおかつ基板の引っ張り強度が長手方向20N/cm以上、幅方向10N/cm以上であ
ることを特徴とする電池用電極基板。
(2)前記樹脂からなる織布又は不織布の繊維が芯鞘構造をしており、芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンから成る繊維であり、その繊維の総重量に対するPEの重量比が30%以上90%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の電池用電極基板。
(3)前記被覆されたニッケルを含有した金属量の目付量が、150〜350g/m2
あることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の電池用電極基板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の電池用電極基板に、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤が担持され、不織布長手方向にロール圧延されていることを特徴とする電池用電極。
(5)上記(4)に記載の電池用電極を使用したことを特徴とする電池。
本発明に係る電池用電極基板は、樹脂からなる織布又は不織布の繊維表面にニッケルを含む金属が被覆されていることを特徴とする。樹脂は特に限定されないが、本発明に係る電池用電極基板をアルカリ電池に使用する場合には、強アルカリ中で溶出や分解の無い材質であることが必要であるから、ポリオレフィンであることが好ましい。
本発明に係る電池用電極基板は、空隙率が90%以上98%以下であり、なおかつ基板の引っ張り強度が長手方向20N/cm以上、幅方向10N/cm以上であることを特徴とする。
空隙率が90%未満であると、活物質の充填量が少なくなり電池容量が少なくなるため好ましくない。また、空隙率が98%超であると基板の強度特性が低下し、後述する電極作製時の圧延工程で表面のニッケルが損傷(割れ・剥離)しやすくなる。ニッケルが損傷すると、電気抵抗があがり、電池の電圧が低くなり、電池容量も小さくなるため好ましくない。このため、電池用電極基板の空隙率は90〜98%であることが好ましい。より好ましくは93%以上97%以下である。なお、空隙率とは、不織布全体の容積に対する空孔の百分率をいう。
電池用電極基板の空隙率は、織布又は不織布の繊維の目付け量によって調節することが可能である。例えば、織布又は不織布の繊維目付け量を10g/m2以上130g/m2以下とすることにより、空隙率を90%以上98%以下にすることができる。繊維目付け量が大きいと引っ張り強度は増すが、空隙率が小さくなるため、電池容量も小さくなり好ましくない。このため、繊維目付け量のより好ましい値は60g/m2以下である。
基板の引っ張り強度は長手方向において20N/cm以上、幅方向において10N/cmであると、電極作製時の圧延工程に置いて不織布表面の金属膜への損傷を最小にでき、電気抵抗の増加を抑えることができるため好ましい。
このような引っ張り強度の良好な電池用電極基板は、繊維の融着成分の量及び繊維目付け量を調整することにより得ることができる。例えば、低融点のポリエチレン(以下、PEとも記す)を鞘とし、ポリエチレンより高融点のポリプロピレン(以下、PPとも記す)を芯とした、芯鞘繊維を使用することによりPEのみ溶融する条件で熱処理をして基材の引っ張り強度を調整することが可能となる。引っ張り強度を確保する観点から、繊維目付け量のより好ましい値は30g/m2以上である。PE重量比は30%以上とすること
が好ましい。PE重量比が30%未満であると引っ張り強度が低下し、逆に、PE重量比が90%をこえると不織布がうすくなり、空隙率が下がって電池容量が低下する。このため、PE重量比は30〜90%であることが好ましい。より好ましくは、50〜90%、更に好ましくは70〜90%である。なお、基板の引っ張り強度は後述するように熱処理以外の方法によっても調整することが可能である。
長手方向と幅方向の引っ張り強度の調整は、例えば不織布を作製する際に繊維のそろい具合を変えることにより行うことができる。繊維のそろい具合は例えば不織布を作製する際のラインスピードを変更することにより調整することが可能である。
本発明に係る電池用電極基板は、被覆されたニッケルを含む金属量が150〜350g/m2であることを特徴とする。150g/m2未満であると、電極基板の電気抵抗が高くなり電池電圧が低下するため好ましくない。また350g/m2超であると、空隙率が小
さくなり電池容量が低下するため好ましくない。このため、被覆されたニッケルを含む金属量は150〜350g/m2であることが好ましい。より好ましくは200〜250g
/m2である。
本発明に係る電池用電極基板は、空隙率が90%以上であるため、活物質を充分に充填でき、電池容量を大きくすることができる。また、不織布を使用した基板では加熱することができないため、不織布繊維を被覆する金属が硬く、加工に弱いという問題に対しても、基材の引っ張り強度が大きいため、加工時の伸びを抑えて、金属膜の割れ・剥離を抑制することができるという効果を奏する。
織布又は不織布を構成する繊維は、耐アルカリ性の繊維であれば特に限定されないが、ポリオレフィン系繊維やポリアミド樹脂系繊維が好ましい例として挙げられる。これらの繊維は、すでに電池のセパレーターとして使用されている実績があり、20〜35重量%KOH水溶液と接触しても繊維が溶解しないため物性の変化がなく、耐アルカリ性に優れるとともに安価であり汎用性が高いものである。
ポリオレフィン系繊維を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン−プロピレンコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー等が挙げられる。ポリオレフィン系繊維としては、これらの樹脂の一種からなるもの又は2種以上からなる複合繊維を挙げることができる。ポリアミド樹脂系繊維を構成する樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6とナイロン12との共重合体等が挙げられる。ポリアミド樹脂系繊維としては、これらの樹脂の一種からなるもの又は2種以上からなる複合繊維を挙げることができる。
織布又は不織布がポリオレフィン系繊維からなる場合、前記の例示の中でも、耐アルカリ性及び耐酸性に優れるポリエチレン又はポリプロピレンからなる繊維、又はポリエチレン及びポリプロピレンを組合せた複合繊維が好ましい。特に、ポリプロピレンからなる芯の周囲をポリエチレンからなる鞘で覆った芯鞘型複合繊維は、耐アルカリ性と強度特性を同時に満たすことができるので好適である。
不織布は、例えば、不織布を構成する繊維のウエブを形成した後、繊維同士を結合することにより製造することができる。繊維のウエブは、カード法やエアレイ法、又は紡糸状態から連続的にシート化するメルトブロー法やスパンボンド法のような乾式法、或いは繊維を水に分散し、それを抄きとる湿式法等により製造することができる。
繊維同士の結合方法としては、非常に細かい高圧の水ジェットを衝撃的に与える水流交絡処理、ニードルパンチによる交絡処理、繊維をその軟化点以上、熱分解温度未満に加熱して、繊維を互いの接触点で局部的に融着させる熱処理等の方法を例示できる。前記交絡処理及び熱処理の一方のみでもよいが、交絡処理を行った後に熱処理を行うと、得られる不織布の強度特性が向上するので好適である。又、前記交絡処理及び熱処理により、空隙率を適正な値に調整することもできる。なお、繊維としてポリプロピレンの周囲がポリエチレンで覆われている前記の芯鞘型複合繊維を用いた場合、熱処理の温度は110〜140℃であることが好ましい。
織布又は不織布とニッケルの被覆層との密着度を向上するために、繊維表面の親水化処理を行ってもよい。親水化処理としては、フッ素処理、コロナ放電処理、スルホン化処理、ビニルモノマーのグラフト重合、親水性樹脂による処理、又は界面活性剤処理等を挙げることができる。
本発明の電池用電極基板は、前記織布又は不織布を構成する繊維表面にニッケルを含む金属を被覆することにより、得ることができる。被覆の方法としては、無電解メッキやスパッタリング法により織布又は不織布の繊維の表面にニッケルの層を形成し表面を導電化した後電解メッキを行う方法等が挙げられる。
スパッタリングや無電解メッキは、一般的なスパッタリングや無電解メッキと同様な条件により行うことができる。例えば、無電解メッキは、織布又は不織布を触媒付与槽に浸漬して触媒付与を行い、次いでメッキ槽へ浸漬してメッキする(無電解メッキ工程)方法により行うことができる。触媒付与は、例えば、塩化第一錫の塩酸水溶液で織布又は不織布を処理した後に塩化パラジウムの塩酸水溶液で触媒化する方法により行うことができる。無電解メッキ工程は、例えば、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル塩を含有する水溶液に織布又は不織布を浸し、ニッケルをヒドラジン誘導体等の還元剤にて還元する方法により行うことができる。
電解メッキは、例えば、ワット浴、塩化浴、スルファミン酸浴等のメッキ浴を用いて行われる。前記の無電解メッキやスパッタリングにより繊維の表面が導電化された織布又は不織布をメッキ浴に浸し、織布又は不織布を陰極に、ニッケル対極板を陽極に接続して直流或いはパルス断続電流を通電させることにより、無電解メッキやスパッタリングにより形成されたニッケルを含む金属層上に、さらにニッケルを含む金属の被覆を形成することができる。ニッケルを含む金属は、ニッケル単体でも良いし、クロム、銅、鉄、コバルト、チタン、亜鉛、アルミニウムの中から選ばれる一種類以上の金属とニッケルとの合金あるいは混合状態でもよい。
ニッケルを含む金属の目付量としては、150g/m2〜350g/m2の範囲が好ましい。ここで、ニッケルを含む金属の目付量とは、無電解メッキやスパッタリング、電解メッキ等により被覆されるニッケルを含む金属の重量(g)を電池用電極基板の面積で除したものであり、電池用電極基板の単位面積当たりのニッケルを含む金属被覆量を意味する。ニッケルを含む金属の目付量が150g未満であると、この電池用電極基板の電気伝導度が低下してこれを用いて製造された電極の集電特性が低下する傾向がある。集電特性が低下すると利用率が低下しやすくなり、特に電池の放電時の電流率が高い場合(ハイレート放電)この問題が顕著である。又、ニッケルを含む金属量の目付量を150g/m2
上とすることにより、繊維量に対するニッケルを含む金属量が多くなるので、得られた電池用電極基板は溶接性に優れこの点でも好ましい。
電池用電極基板の電気伝導度はニッケルを含む金属量の目付量が増大する程向上する傾向があるが、350g/m2を越えてニッケルを含む金属量の目付量を増大しても電気伝
導度はそれほど向上しないうえ、基材の空隙率が下がって電池容量が低下するので、350g/m2以下が好ましい。
本発明は、前記の電池用電極基板に加えて、この電池用電極基板に、活物質を充填してなることを特徴とする電池用電極を提供する。活物質としては水酸化ニッケルを主体とするものを用いることができるが、この活物質は、主成分の水酸化ニッケルの他に、水酸化コバルト、オキシ水酸化コバルト、一酸化コバルト、水酸化亜鉛等の他の成分を含むものでもよい。活物質の充填は、水酸化ニッケルを主体とする成分を含むペーストに、前記のようにして調厚した電池用電極基板を浸漬して圧力を加え、電池用電極基板の表面よりペーストを圧入する方法や、該ペーストを電池用電極基板の表面に吹き付ける方法等により行うことができる。このようにして、電池用電極基板の空隙に活物質を含むペーストを充
填した後、通常、乾燥及びロール圧延を行い、電池用電極(正極)を得ることができる。この電池用電極(正極)には、さらに必要により、集電用外部端子が設けられる。
電池用電極の製造において、電池用電極基板は、切り揃え等により電池用電極の形状とされるが、この工程は、ペーストの圧入前に行ってもよく、乾燥及びロール圧延後に行ってもよく、両方において行ってもよい。
ロール圧延はローラープレス等を用いて行われる。ロール圧延により電池用電極はさらに所定の厚さに圧縮されて平滑化した電極平面を有する電池用電極を得ることができる。
本発明は、さらに、この電池用電極を用いることを特徴とするアルカリ二次電池を提供する。本発明のアルカリ二次電池は、前記の電池用電極からなる正極、負極及びセパレーターよりなる発電体、並びに電解質を、電池容器に密封して形成することができる。
負極、電解質や電池容器としては、従来のアルカリ二次電池に使用されているものと同様なものを用いることができる。例えば、負極としては、水素を含んだ水素吸蔵合金を用いた電極が例示され、電解質としては水酸化カリウム水溶液を例示することができる。セパレーターは、負極と正極間の短絡を防止しかつ電解質を保持するものであるが、このセパレーターとしても、従来のアルカリ二次電池に使用されているものと同様なもの、例えば、親水化処理したポリオレフィン繊維製の不織布を用いることができる。
本発明のアルカリ二次電池の構造も、従来のアルカリ二次電池と同様なものとすることができる。例えば、前記の正極、負極及びセパレーターを帯状の形状とし、これらを重ね合わせた後、ロール状に捲回してロール状の発電体を形成し、このロール状の発電体を円筒状の電池容器に収納した構造を挙げることができる。角柱状の電池容器を用い、正極、負極及びセパレーターを重ね合わせた帯を、電池容器の断面形状に適合するように捲回した発電体からなるもの、角柱状の電池容器を用い、正極、負極及びセパレーターを重ね合わせた帯を蛇腹状に重ね合わせた発電体からなるものも、例示することができる。本発明の電池用電極基板は、機械的強度や柔軟性に優れるので、捲回や蛇腹状の重ね合せの際に破損して電池の特性を低下する問題が生じにくい。
表1に示す実施例1〜比較例5のように繊維の繊度、PE比、繊維目付量及び繊維のそろい具合を変更して、引っ張り強度の異なる不織布を作製した。この不織布にスパッタリングによりニッケルを被覆し、さらに電気めっきを行って総ニッケル目付量が200g/m2になるように電池用集電体を作製した。不織布の厚さは1.6mmとした。
この集電体に水酸化ニッケルを主体とする活物質ペーストを充填した後80℃で乾燥し、ロールプレスにて加圧して電極とした。
以下に、上記方法で作製した電極基材の繊維目付量、繊度、PE比、空隙率、引っ張り強度、電極の容量密度、電極の電気抵抗を測定した結果を表1にまとめる。
空隙率は電極基材の繊維目付重量と金属目付重量および、繊維密度と金属密度から基材の材料体積を求め、基材の見かけ体積に対する空隙の体積の割合として求めた。
引っ張り強度は、基材の幅方向・長手方向共に幅10mm長さ150mmの基材をチャックスパン100mmで引っ張り、基材が破断したときの強度を測定した。
電極容量密度は、活物質充填重量から容量を計算し、その値を電極の面積で割って求めた。
電気抵抗は電極の長手方向・幅方向共に4端子法で測定した。
Figure 2008305698
比較例1、2及び3は基材の引っ張り強度が低く、電極にした際の電気抵抗が高い。また、比較例4は引っ張り強度が強く電気抵抗も低いものの、空隙率が低く電池容量が小さい。また、比較例5は空隙率が高いが引っ張り強度が弱く、電気抵抗が大きい。
以上より、本発明によれば高容量で電気抵抗の小さい電池用の基材および電極を提供することができる。

Claims (5)

  1. 樹脂からなる織布又は不織布の繊維表面にニッケルを含有した金属を被覆することにより形成された電池用電極基板であって、その空隙率が90%以上98%以下であり、なおかつ基板の引っ張り強度が長手方向20N/cm以上、幅方向10N/cm以上であることを特徴とする電池用電極基板。
  2. 前記樹脂からなる織布又は不織布の繊維が芯鞘構造をしており、芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンから成る繊維であり、その繊維の総重量に対するPEの重量比が30%以上90%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電池用電極基板。
  3. 前記被覆されたニッケルを含有した金属量の目付量が、150〜350g/m2である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池用電極基板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一に記載の電池用電極基板に、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤が担持され、不織布長手方向にロール圧延されていることを特徴とする電池用電極。
  5. 請求項4に記載の電池用電極を使用したことを特徴とする電池。

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