JP2008201168A - 操舵システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも操舵トルクに応じて、ベース信号DTを演算するベース信号演算部51と、電動機4の角速度もしくは転舵速度に応じて、ダンパ補償信号を演算するダンパ補償信号演算部52と、ステアリング系の慣性や粘性を補償するイナーシャ補償信号演算部53とを備え、ダンパ補償信号およびイナーシャ補償信前記ベース信号を補償して定められた目標信号IM1によって前記電動機が駆動され、操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置110の操舵制御装置であって、前輪操舵車両における前輪の基準セルフアライニングトルクと全輪操舵車両における前輪のセルフアライニングトルクの差分を操舵トルクの手応え感として運転手に付与するように補助トルクの目標信号を補償する。
【選択図】図5
Description
このような、電動パワーステアリング装置の電動機としてブラシレスモータを用いたものが特許文献3に開示されている。
また、特許文献4には、操向ハンドルの操作角と車速にもとづいて、全走行輪を独立して作動制御する全輪独立操舵装置の技術が開示されている。
しかしながら、操向ハンドルの操作角または前輪の転舵角と、車速とにもとづいて後輪のトー角を作動制御させるトー角変更装置と、電動パワーステアリング装置とを組合わせた操舵システムの場合、前輪操舵機能だけの車両における電動パワーステアリング装置の操舵トルクの手応え感に慣れた運転者が、前記操舵システムの車両における電動パワーステアリング装置の操舵トルクの手応え感に違和感を感じる恐れがある。
また、請求項3および請求項4に記載の発明によれば、トー角変更装置が異常状態となり、例えば、後輪のトー角が固着した場合に、操舵トルクの手応え感の変化でトー角変更装置の異常状態を運転者に容易に感じさせる操舵システムを提供することができる。
本発明の実施形態を図1から図8を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る操舵システムを適用した4輪車両の全体概念図であり、図2は電動パワーステアリング装置の構成図である。
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)3bによって連結され、また、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。
なお、ピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングギアボックス6に支持されている。
すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構が構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されてているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラック歯8aとタイロッド9、9などにより、ステアリング系が構成されている。
ここで、ωは電動機4の角速度であり、TMは電動機4の発生トルクである。また、発生トルクTMと実際に出力として取り出すことができる出力トルクTM *との関係は、次式(1)によって表現される。
TM *=TM−(cmdθm/dt+Jmd2θm/dt2)i2 ・・・・(1)
ここで、iはウォームギア5aとウォームホイールギア5bとの減速比である。
(1)式より、出力トルクTM *と電動機回転角θmとの関係は、電動機4の回転子の慣性モーメントJmと粘性係数cmとによって規定され、車両特性や車両状態に無関係である。
Tp=Ts+AH
=Ts+kA(VS)×Ts ・・・・・・・(2)
これより、操舵トルクTsは、次式(3)のように表現される。
Ts=Tp/(1+kA(VS)) ・・・・・・・(3)
そして、操舵システム100の電動機操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110の機能部である電動機4を駆動制御する後記する電動パワーステアリング制御部130a(図5参照)を有している。
また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU、IV、IW)を検出する機能を備えている。
レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θmを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
差動増幅回路21は、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁歪膜の透磁率変化の差分を増幅し、トルク信号Tを出力するものである。
操舵制御ECU130の機能構成については、電動パワーステアリング装置110の制御とトー角変更装置120L、120Rの制御とまとめて後記する。
次に、図3、図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は左後輪側のトー角変更装置を示す平面図、図4はトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
トー角変更装置120L、120Rは、車両の左右の後輪2L、2Rにそれぞれ取り付けられるものであり、図3では、左後輪2Lを例にとりトー角変更装置120Lを示している。トー角変更装置120Lは、アクチュエータ30、トー角変更制御装置(以下、トー角変更制御ECUと称する)37を備えている。
なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。ちなみに、操舵制御ECU130とトー角変更制御ECU37、37は本発明の操舵制御装置を構成している。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、ほぼ鉛直方向の回動軸13cを介して連結されて構成されている。これにより、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータやブラシレスモータなどで構成されている。そして、コイルの巻線温度を検出する温度センサ31aを有し、トー角変更制御ECU37の後記する自己診断部81d(図8参照)に検出温度信号を入力する。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)などが組み合わされて構成されている。ここで、自己診断部81d、温度センサ31aは本発明の異常検出手段を構成する。
送りねじ部35は、減速機構33および電動機31とともに細長形状のほぼ円筒形状のケース本体34内に収容されている。また、ケース本体34の送りねじ部35側にはブーツ36がケース本体34の端部とロッド35aの端部との間を蓋うように取り付けられており、ケース本体34の端部から露出したロッド35aの外周面に埃や異物が付着したり、ケース本体34の内部に外部から埃や異物や水が侵入しないようなっている。
例えば、ダブルウイッシュボーン式サスペンションのサイドロッドや、ストラット式サスペンションのサイドロッドに前記アクチュエータ30を組み込むことによっても実現できる。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリなどの電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23にも前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される(図示せず)。
次に、図5、図6を参照しながら操舵制御ECUの機能を説明する。
図5は操舵システムの操舵制御ECUとトー角変更装置の概略制御機能構成図である。図6はベース信号演算部およびダンパ補償信号演算部の特性を示す図である。
図5に示すように操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110(図1および図2参照)を制御する電動パワーステアリング制御部130aと、本発明の特徴である後輪2L、2Rの目標トー角を演算したり、前記電動パワーステアリング制御部130aに出力する後記するセルフアライニングトルクの差分の補償値を演算したりする後輪トー角制御部130bを備えている。
まず、図5、図6を参照しながら適宜図2を参照して電動パワーステアリング制御部130aについて説明する。
電動パワーステアリング制御部130aは、ベース信号演算部(補助トルク算出手段)51と、ダンパ補償信号演算部(補助トルク算出手段)52と、イナーシャ補償信号演算部(補助トルク算出手段)53と、Q軸(トルク軸)PI制御部54と、D軸(磁極軸)PI制御部55と、2軸3相変換部56と、PWM変換部57と、3相2軸変換部58と、電動機速度算出部67と、励磁電流生成部59とを備えている。
また、一般に車両は、走行速度に応じて路面の負荷(路面反力)が異なるため、車速信号VSによりゲインが調整される。車速ゼロの据え切り操作時が最も負荷が重く中低速では比較的負荷が軽くなる。このため、ベース信号演算部51は、車速VSが大きく高速になるにしたがってゲイン(G1、G2)を低く、かつ、不感帯N1を大きく設定して、マニュアルステアリング領域を大きくとって路面情報を運転者に与える。すなわち、車速VSの増大に応じてしっかりとした操舵トルクTsの手応え感が付与される。このとき、マニュアルステアリング領域においてもイナーシャ補償がなされることが必要である。
このバックアップテーブル51bでも、図6の(a)に示すようなトルク信号Tと車速信号VSの関数であるが、図6の(a)において同じ車速に対するゲイン(G1、G2)の値を小さくしたもので、ベーステーブル51aとは格段にゲイン(G1、G2)の値に差があり、補助トルクが小さく運転員に異常を感じさせるような設定である。
図6(b)は、ダンパテーブル52aの特性関数を示す図であり、電動機4の角速度ωが増加するほど補償値Iが直線的に増加し、所定速度で補償値Iが急激に増加する特性を備えている。また、車速信号VSの値が高いほど、ゲインを大きくして電動機4の角速度速度、すなわち、転舵速度に応じて電動機4の出力トルクTM *を減衰させている。言い換えれば、電動機4に大きな電流が供給されて角速度ωが速くなると、電動機4の慣性によって直ぐには角速度ωが低下しない。この現象を回避するために、ダンパ補償信号演算部52は、電動機4の角速度を抑制制御している。このステアリングダンパ効果により、操向ハンドル3の収斂性を向上させ、車両特性を安定化させることができる。
なお、ベース信号演算部51とダンパ補償信号演算部52と加算器61とでアシスト制御が行われる。
また、FF(Front engine Front wheel drive)やFR(Front engine Rear wheel drive)車、RV(Recreation Vehicle)やセダンなどの車両特性や車速、路面などの車両状態によって異なる操舵特性に対して、実用上十分な特性が付与される。
加算器(差分補償手段)63は、出力信号IM1に対して、後記するセルフアライニングトルク補償演算部72から出力されるセルフアライニングトルクの差分の補償値を入力されて減算し、加算器64に出力信号IM2を出力する。
セルフアライニングトルク補償演算部72の詳細な説明は後記する。
加算器65は、励磁電流生成部59の出力信号からD軸電流IDを減算するものである。D軸(磁極軸)PI制御部55は、加算器65の出力信号が減少するようにPI帰還制御を行う。
なお、2軸3相変換部56およびPWM変換部57は、電動機4の角度信号θが入力され、回転子の磁極位置に応じた信号が出力される。
次に、図5、図7を参照しながら後輪トー角制御部130bについて説明する。図5に示すように後輪トー角制御部130bは、前輪転舵角演算部68、目標トー角演算部71、セルフアライニングトルク補償演算部72、トー角変更制御診断部73を有する。
目標トー角演算部71は、車速信号VSと、転舵角δとその転舵角δを微分した転舵角速度(これは電動機4の角速度ωに比例するので容易に求めることができる)とから後輪2L、2Rのそれぞれの目標トー角αTL、αTRを生成し、左右の後輪2L、2Rのそれぞれのトー角変更を制御するトー角変更制御ECU37、37に目標トー角αTL、αTRを入力する(図8参照)。この目標トー角αTL、αTR生成は、予め左右の後輪2L、2Rごとに設定されたトー角テーブル71aを転舵角δ、転舵角δの角速度δ’、車速VSにもとづいて参照することによって行なわれる。
例えば、次式(4)、(5)のように設定される。
αTL=KL(VS,δ’,δ)・δ ・・・・(4)
αTR=KR(VS,δ’,δ)・δ ・・・・(5)
ここで、KL(VS)、KR(VS)は車速VS、転舵角δおよび転舵角の角速度δ’に依存する前後輪操舵比であり、後輪の目標トー角αTL、αTRが、車速が所定の低速の範囲では、転舵角δに応じて後輪2L、2Rが逆位相に、小回りがしやすいように各後輪の目標トー角αTL、αTRが生成される。
しかし、前記所定の低速の範囲を超える高速の範囲で、転舵角の角速度δ’の絶対値が所定の値を超えるか、または、転舵角δが左右の所定の範囲を超える大きな転舵角δの場合は、転舵角δに応じた逆位相に各後輪の目標トー角αTL、αTRが設定される。
なお、目標トー角演算部71で生成される目標トー角αTL、αTRは、旋回安定性の観点から必ずしもアッカーマン・ジャントのジオメトリに従う必要はない。また、転舵角δが0°のとき目標トー角αTL、αTRが、それぞれ、例えば、2°のトーインの設定になっていても良い。
算出された横すべり角βはセルフアライニングトルク算出部72bに入力され、算出された基準ヨーレートγ*と基準横すべり角β*は基準セルフアライニングトルク算出部72cに入力される。
(T* SAT−TSAT,RTC)×k ・・・・・・・・・(10)
ここで、kは係数であり、チューニングパラメータである。
式(10)で算出されたセルフアライニングトルクの差分の補償値が、加算器63に入力される。
なお、係数Cは所定の一定値でも良いし、車速VSなどに依存して変化する所定の変数でも良い。例えば、ベース信号演算部51においてベース信号DTを生成するときに、トルク信号Tと車速信号VSに応じて、ゲインG1、G2を変化させているのに対応させて、係数Cをトルク信号Tと車速VSに応じて(つまり、ゲインで)設定すると、セルフアライニングトルクが補助トルクと同一ゲインで補償されるので、都合が良い。
次に、図8を参照しながらトー角変更制御ECUの詳細な構成を説明する。図8はトー角変更装置のトー角変更制御ECUの制御機能のブロック構成図である。
図8に示すように、トー角変更制御ECU37はアクチュエータ30を駆動制御する機能を有し、制御部81と電動機駆動回路83とで構成されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
一方(右後輪2R側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130から通信線を介して入力される後輪2Rの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Rのトー角αRとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
他方(左後輪2L側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130から通信線を介して入力される後輪2Lの目標トー角αTLと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Lのトー角αLとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
このように目標電流算出部81aにおいて目標トー角αTL、αTRに対して現在のトー角αL、αRをフィードバックして、目標電流信号を補正することにより、後輪2L(または2R)の転舵に要する電流値が車速VS、路面環境、車両の運動状態、タイヤの磨耗状態などによって変化するのをフィードバックして、目標のトー角αTL、αTRに速やかに設定することができる。
例えば、自己診断部81dは、温度センサ31aの信号が所定値を超える場合は、電動機31の巻線温度異常と判断し、所定の目標トー角αSL(または目標トー角αSR)、例えば、0°を目標電流算出部81aに入力する。ここで、目標トー角αSLは異常検知時の左後輪2Lに対する目標トー角であり、目標トー角がαSRは異常検知時の右後輪2Rに対する目標トー角である。
つまり、自身のトー角変更制御ECU37に対応するトー角変更装置120L(またはトー角変更装置120R)が健全に作動しているか否かを示す信号を受信して監視しているとともに、他方のトー角変更制御ECU37に対応するトー角変更装置120R(またはトー角変更装置120L)が健全に作動しているか否かを示す信号を監視し、いずれかの側が異常である場合は、両方のトー角変更制御ECU37、37は所定の同一モードの対処をする。
そして、自己診断部81dは、異常検知信号をトー角変更制御診断部73に送る。
また、ベース信号演算部51において参照するベーステーブル51aを、操舵システム100を適用した車両と、前輪操舵機能だけの車両とで別個に作成する必要が無く、従来の前輪操舵機能だけの車両と同じベーステーブル51aとすることができ、操舵システム100を適用した車両に対するベースデータ51aの制御データの作成の手間が省略できる。
図9は操舵システム100を適用した車両に対するものであり、(a)は操向ハンドルの操作角θHの時間変化、(b)は車両のヨーレートγ(deg/s)の時間変化、(c)は車両の横すべり角β(deg)の時間変化、(d)は横加速度GS(G)の時間変化である。
図10は前輪操舵機能のみの車両に対するものであり、(a)は操向ハンドルの操作角θHの時間変化、(b)は車両のヨーレートγ(deg/s)の時間変化、(c)は車両の横すべり角β(deg)の時間変化、(d)は横加速度GS(G)の時間変化である。
操舵システム100を適用した車両は、前輪1L、1Rの転舵角δに対し後輪2L、2Rのトー角が逆位相に設定されるので、小回りができヨーレートγ、横すべり角β、横加速度GSも前輪転舵機能のみの車両よりも大きくなる。従って、キングピン軸回りの復元モーメントもこれに対応して、図11の曲線aに示すように操舵システム100を適用した車両のモーメントの方が、曲線bに示す前輪操舵機能のみの車両のモーメントよりも大きくなる。従って、そのようなより大きい復元モーメントに対応した操舵トルクの手応え感を運転者に与えるように、曲線aと曲線bの復元モーメントの差分に相当する補償値をセルフアライニングトルク補償演算部72が算出して加算器63にて減算させる。このようにすることにより、ベース信号演算部51が曲線bに対応するような前輪操舵機能のみの車両に対する補助トルクの目標値を出力していても、セルフアライニングトルク補償演算部72と加算器63により、全輪操舵機能の車両に適した補助トルクの目標信号とすることができる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施の形態では前輪1L、1Rの転舵角δを取得するために電動機4の回転角信号θにもとづいて前輪転舵角演算部68が算出するものとしたが、転舵角センサを転舵機構に設けて直接検出することにしても良いし、ピニオン軸7に操作角センサを設けて、操向ハンドル3の操作角信号から換算するようにしても良い。
(2)また、セルフアライニングトルク算出部72b、基準セルフアライニングトルク算72cでは、式(6)〜(9)を用いてシャフト3c周りのセルフアライニングトルクと基準セルフアライニングトルクを算出することとしたがそれに限定されるものではない。
予め、実車で計測して、車速VS、転舵角δ、ヨーレートγ、横加速度GSを入力パラメータとした計算モデルを構築し、その計算モデルからセルフアライニングトルクと基準セルフアライニングトルクを算出するようにしても良い。この計算モデルはニューラルネットワークなどの非線形モデルでも良いし、伝達関数のような線形モデルでも良い。
(3)また、ベーステーブル51aからバックアップテーブル51bに切り換わるときのゲインの変化度合いを固定にせず、後輪の異常状態時の目標トー角αS(αSL、αSR)の値の基準値、例えば、0°とか0.5°トーインの値との較差に依存して、較差が大きいほどアシスト量を減じる(ゲインG1、G2を減じる)ようにしても良い。
(4)前記実施形態における電動パワーステアリング制御部130aは、目標電流を設定して電動機4に流す電流を制御したが、電動機4に印加される電圧を目標電圧に設定することもでき、電動機4が出力するトルクを目標トルクに設定して、電動機4に流す電流を制御することもできる。この目標電圧あるいは目標トルクも目標信号に含まれる。
2L、2R 後輪
3 操向ハンドル
4 電動機
25 レゾルバ
30 アクチュエータ
31 電動機
31a 温度センサ(異常検知手段)
33 減速機構
35 送りねじ部
37 トー角変更制御ECU(操舵制御装置)
38 ストロークセンサ
51 ベース信号演算部(補助トルク算出手段)
51a ベーステーブル(第1のテーブル)
51b バックアップテーブル(第2のテーブル)
52 ダンパ補償信号演算部(補助トルク算出手段)
53 イナーシャ補償信号演算部(補助トルク算出手段)
54 Q軸(トルク軸)PI制御部
63 加算器(差分補償手段)
67 電動機速度算出部
68 前輪転舵角演算部
71 目標トー角演算部
71a トー角テーブル
72 セルフアライニングトルク補償演算部
72a 運動パラメータ算出部(復元トルク算出手段、基準復元トルク算出手段)
72b セルフアライニングトルク算出部(復元トルク算出手段)
72c 基準セルフアライニングトルク算出部(基準復元トルク算出手段)
72d セルフアライニングトルク差分算出部(差分補償手段)
73 トー角変更制御診断部
81 制御部
81a 目標電流算出部
81c 電動機制御信号生成部
81d 自己診断部(異常検知手段)
83 電動機駆動回路
100 操舵システム
110 電動パワーステアリング装置
120L、120R トー角変更装置
130 操舵制御ECU(操舵制御装置)
130a 電動パワーステアリング制御部
130b 後輪トー角制御部
SGS 横加速度センサ
ST トルクセンサ
SY ヨーレートセンサ
SV 車速センサ
Claims (4)
- 少なくとも操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置と、少なくとも前輪の転舵角および車速にもとづいて左右の後輪のトー角を変更可能とするトー角変更装置と、前記電動パワーステアリング装置および前記トー角変更装置を制御する操舵制御装置とを備える操舵システムにおいて、
前記操舵制御装置は、
前記補助トルクの目標値を算出する補助トルク算出手段を有し、該補助トルク算出手段から出力される前記電動機を駆動する目標信号を、前記前輪に発生する第1のセルフアライニングトルクと前輪操舵機能だけの車両と想定した場合において前記前輪に発生する第2のセルフアライニングトルクとの差分を補償して前記目標信号として出力することを特徴とする操舵システム。 - 前記操舵制御装置は、
車両の少なくともヨーレート、車速、横すべり角および前輪の転舵角にもとづいて、前記第1のセルフアライニングトルクを算出する復元トルク算出手段と、車両の少なくとも車速および前輪の転舵角にもとづいて、前記第2のセルフアライニングトルクを算出する基準復元トルク算出手段と、
前記第1のセルフアライニングトルクと前記第2のセルフアライニングトルクとの差分を算出して、前記目標信号を補償する差分補償手段と、を
有することを特徴とする請求項1に記載の操舵システム。 - 少なくとも操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置と、少なくとも前輪の転舵角および車速にもとづいて左右の後輪のトー角を変更可能とするトー角変更装置と、前記電動パワーステアリング装置および前記トー角変更装置を制御する操舵制御装置とを備える操舵システムにおいて、
前記操舵制御装置は、
前記補助トルクの目標値を算出する補助トルク算出手段と、前記トー角変更装置の異常状態を検知する異常検知手段と、を有し、
前記補助トルク算出手段は、前記トー角変更装置が通常状態の場合の前記補助トルクを算出するための第1のテーブルと、前記トー角変更装置が異常状態の場合の前記補助トルクを算出する第2のテーブルとを有し、
前記異常検知手段が前記トー角変更装置の異常状態を検知したとき、前記補助トルク算出手段は、前記第1のテーブルから前記第2のテーブルに切り換えて、操舵トルクの手応え感が大きくなるように前記目標値を算出することを特徴とする操舵システム。 - 前記操舵制御装置は、前記トー角変更装置の異常状態を検知する異常検知手段を有し、
前記補助トルク算出手段は、前記トー角変更装置が通常状態の場合の前記補助トルクを算出する第1のテーブルと、前記トー角変更装置が異常状態の場合の前記補助トルクを算出する第2のテーブルとを有し、
前記異常検知手段が前記トー角変更装置の異常状態を検知したとき、前記補助トルク算出手段は、前記第1のテーブルから前記第2のテーブルに切り換えて、操舵トルクの手応え感が大きくなるように前記目標値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操舵システム。
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