JP4359317B2 - 操舵システム - Google Patents
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そこで、トー角変更装置に異常を生じた場合に、特許文献2に記載のように操舵トルクを正常時に比して大きな値とし、運転者に異常発生を報知する技術を組み合わせることが考えられる。しかし、トー角変更装置の異常を検知して、操舵トルクを急変させることは、運転者に戸惑いを感じさせることになる。
本発明の実施形態を図1から図8を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態に係る操舵システムを適用した4輪車両の全体概念図であり、図2は電動パワーステアリング装置の構成図である。
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自在継手)3bによって連結され、また、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラック歯8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。また、ラック軸8の車幅方向の移動量から前輪1L、1Rの向きを検出する前輪転舵角センサSSが転舵機構に設けられている。
なお、ピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングギアボックス6に支持されている。
すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構が構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されてているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラック歯8aとタイロッド9、9などにより、ステアリング系が構成されている。
ここで、ωは電動機4の角速度であり、TMは電動機4の発生トルクである。また、発生トルクTMと実際に出力として取り出すことができる出力トルクTM *との関係は、次式(1)によって表現される。
TM *=TM−(cmdθm/dt+Jmd2θm/dt2)i2 ・・・・(1)
ここで、iはウォームギア5aとウォームホイールギア5bとの減速比である。
(1)式より、出力トルクTM *と電動機回転角θmとの関係は、電動機4の回転子の慣性モーメントJmと粘性係数cmとによって規定され、車両特性や車両状態に無関係である。
Tp=Ts+AH
=Ts+kA(VS)×Ts ・・・・・・・(2)
これより、操舵トルクTsは、次式(3)のように表現される。
Ts=Tp/(1+kA(VS)) ・・・・・・・(3)
そして、操舵システム100の操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110の機能部である電動機4を駆動制御する後記する電動パワーステアリング制御部130a(図5参照)を有している。
また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU、IV、IW)を検出する機能を備えている。
レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θmを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
差動増幅回路21は、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁歪膜の透磁率変化の差分を増幅し、トルク信号Tを出力するものである。
操舵制御ECU130の機能構成については、電動パワーステアリング装置110の制御とトー角変更装置120L、120Rの制御とまとめて後記する。
次に、図3、図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は左後輪側のトー角変更装置を示す平面図、図4はトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
トー角変更装置120L、120Rは、車両の左右の後輪2L、2Rにそれぞれ取り付けられるものであり、図3では、左後輪2Lを例にとりトー角変更装置120Lを示している。トー角変更装置120Lは、アクチュエータ30、トー角変更制御装置(以下、トー角変更制御ECUと称する)37を備えている。
なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。ちなみに、操舵制御ECU130とトー角変更制御ECU37、37は本発明の操舵制御装置を構成している。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、ほぼ鉛直方向の回動軸13cを介して連結されて構成されている。これにより、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータやブラシレスモータなどで構成されている。そして、コイルの巻線温度を検出する温度センサ31aを有し、トー角変更制御ECU37の後記する自己診断部81d(図8参照)に検出温度信号を入力する。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)などが組み合わされて構成されている。ここで、自己診断部81d、温度センサ31aは本発明の異常検出手段を構成する。
送りねじ部35は、減速機構33および電動機31とともに細長形状のほぼ円筒形状のケース本体34内に収容されている。また、ケース本体34の送りねじ部35側にはブーツ36がケース本体34の端部とロッド35aの端部との間を蓋うように取り付けられており、ケース本体34の端部から露出したロッド35aの外周面に埃や異物が付着したり、ケース本体34の内部に外部から埃や異物や水が侵入しないようになっている。
例えば、ダブルウイッシュボーン式サスペンションのサイドロッドや、ストラット式サスペンションのサイドロッドに前記アクチュエータ30を組み込むことによっても実現できる。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリなどの電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23にも前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される(図示せず)。
次に、図5、図6を参照しながら操舵制御ECUの機能を説明する。
図5は操舵システムの操舵制御ECUとトー角変更装置の概略制御機能構成図である。図6はベース信号演算部およびダンパ補償信号演算部の特性を示す図である。
図5に示すように操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110(図1および図2参照)を制御する電動パワーステアリング制御部130aと、後輪2L、2Rの目標トー角を演算する後輪トー角制御部130bを備えている。
まず、図5、図6を参照しながら適宜図2を参照して電動パワーステアリング制御部130aについて説明する。
電動パワーステアリング制御部130aは、ベース信号演算部(補助トルク算出手段)51と、ダンパ補償信号演算部(補助トルク算出手段)52と、イナーシャ補償信号演算部(補助トルク算出手段)53と、Q軸(トルク軸)PI制御部54と、D軸(磁極軸)PI制御部55と、2軸3相変換部56と、PWM変換部57と、3相2軸変換部58と、電動機速度算出部67と、励磁電流生成部59とを備えている。
図6の(b)は、ダンパテーブル52aの特性関数を示す図であり、電動機4の角速度ωが増加するほど補償値Iが直線的に増加し、所定速度で補償値Iが急激に増加する特性を備えている。また、車速信号VSの値が高いほど、ゲイン(G3、G5)を大きくして電動機4の角速度、すなわち、転舵速度に応じて電動機4の出力トルクTM *を減衰させている。言い換えれば、電動機4に大きな電流が供給されて角速度ωが速くなると、電動機4の慣性によって直ぐには角速度ωが低下しない。この現象を回避するために、ダンパ補償信号演算部52は、電動機4の角速度を抑制制御している。このステアリングダンパ効果により、操向ハンドル3の収斂性を向上させ、車両特性を安定化させることができる。
なお、ベース信号演算部51とダンパ補償信号演算部52と加算器61とでアシスト制御が行われる。
また、イナーシャ補償信号演算部53は、電動機4の回転子の慣性による応答性の低下を補償している。言い換えれば、電動機4は正回転から逆回転に、または、逆回転から正回転に回転方向を切り替える際、慣性によってその状態を持続させようとするので直ぐには回転方向が切り替わらない。そこで、イナーシャ補償信号演算部53は、電動機4の回転方向の切り替わりが操向ハンドル3の回転方向が切り替わるタイミングに一致するように制御している。このようにして、イナーシャ補償信号演算部53は、ステアリング系の慣性や粘性による操舵の応答遅れを改善してすっきりした操舵フィーリングを付与している。
また、FF(Front engine Front wheel drive)やFR(Front engine Rear wheel drive)車、RV(Recreation Vehicle)やセダンなどの車両特性や車速、路面などの車両状態によって異なる操舵特性に対して、実用上十分な特性が付与される。
異常時補助トルク制限部63は、入力された加算器62の出力信号IM1に対して、後記するトー角変更制御診断部73から補正指令信号が入力されたとき、図7に示すようにそのときの入力されている信号IM1に対して時間的に変化させて所定の補正量ΔIMだけ信号IM1を低下させ、加算器64に出力信号IM2を出力する。
この補正量ΔIMは、信号IM1の一定割合、例えば、80%とする。もともと信号IM1は、左右転舵時で電流が正負となるので、入力される信号IM1の正負に限らず入力された値の80%に減じることで補助トルクを運転者に分かるように低下させる。
異常時補助トルク制限部63は、トー角変更制御診断部73から補正指令信号が入力されていない場合は、入力された信号IM1をそのまま出力信号IM2として加算器64に出力する。
加算器65は、励磁電流生成部59の出力信号からD軸電流IDを減算するものである。D軸(磁極軸)PI制御部55は、加算器65の出力信号が減少するようにPI帰還制御を行う。
なお、2軸3相変換部56およびPWM変換部57は、電動機4の角度信号θが入力され、回転子の磁極位置に応じた信号が出力される。
次に、図5を参照しながら後輪トー角制御部130bについて説明する。図5に示すように後輪トー角制御部130bは、目標トー角演算部71、トー角変更制御診断部73を有する。
目標トー角演算部71は、車速信号VSと、転舵角δと転舵角速度δ’(これは転舵角δを時間微分して容易に求めることができる)とから後輪2L、2Rのそれぞれの目標トー角αTL、αTRを生成し、左右の後輪2L、2Rのそれぞれのトー角変更を制御するトー角変更制御ECU37、37に目標トー角αTL、αTRを入力する(図8参照)。この目標トー角αTL、αTR生成は、予め左右の後輪2L、2Rごとに設定されたトー角テーブル71aを転舵角δ、転舵角速度δ’、車速VSにもとづいて参照することによって行なわれる。
例えば、次式(4)、(5)のように設定される。
αTL=KL(VS,δ’,δ)・δ ・・・・(4)
αTR=KR(VS,δ’,δ)・δ ・・・・(5)
ここで、KL(VS)、KR(VS)は車速VS、転舵角δおよび転舵角速度δ’に依存する前後輪操舵比であり、後輪の目標トー角αTL、αTRが、車速が所定の低速の範囲では、転舵角δに応じて後輪2L、2Rが逆位相に、小回りがし易いように各後輪の目標トー角αTL、αTRが生成される。
しかし、前記所定の低速の範囲を超える高速の範囲で、転舵角速度δ’の絶対値が所定の値を超えるか、または、転舵角δが左右の所定の範囲を超える大きな転舵角δの場合は、転舵角δに応じた逆位相に各後輪の目標トー角αTL、αTRが設定される。
なお、目標トー角演算部71で生成される目標トー角αTL、αTRは、旋回安定性の観点から必ずしもアッカーマン・ジャントのジオメトリに従う必要はない。また、転舵角δが0°のとき目標トー角αTL、αTRが、それぞれ、例えば、2°のトーインの設定になっていても良い。
次に、図8を参照しながらトー角変更制御ECUの詳細な構成を説明する。図8はトー角変更装置のトー角変更制御ECUの制御機能のブロック構成図である。
図8に示すように、トー角変更制御ECU37はアクチュエータ30を駆動制御する機能を有し、制御部81と電動機駆動回路83とで構成されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
一方(右後輪2R側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130から通信線を介して入力される後輪2Rの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Rのトー角αRとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
他方(左後輪2L側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130から通信線を介して入力される後輪2Lの目標トー角αTLと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Lのトー角αLとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
このように目標電流算出部81aにおいて目標トー角αTL、αTRに対して現在のトー角αL、αRをフィードバックして、目標電流信号を補正することにより、後輪2L(または2R)の転舵に要する電流値が車速VS、路面環境、車両の運動状態、タイヤの磨耗状態などによって変化するのをフィードバックして、目標のトー角αTL、αTRに速やかに設定することができる。
なお、目標電流算出部81aにおいて、フィードフォワード制御も加えて、応答性を高めても良い。
例えば、自己診断部81dは、温度センサ31aの信号が所定値を超える場合は、電動機31の巻線温度異常(巻線温度高モード)と判断し、所定の実トー角αSL(または実トー角αSR)、例えば、0°を目標電流算出部81aに入力する。ここで、実トー角αSLは異常検知時の左後輪2Lに対して注入されて実現した実トー角であり、実トー角αSRは異常検知時の右後輪2Rに対して注入されて実現した実トー角である。
つまり、自身のトー角変更制御ECU37に対応するトー角変更装置120L(またはトー角変更装置120R)が健全に作動しているか否かを示す信号を受信して監視しているとともに、他方のトー角変更制御ECU37に対応するトー角変更装置120R(またはトー角変更装置120L)が健全に作動しているか否かを示す信号を監視し、いずれかの側が異常である場合は、両方のトー角変更制御ECU37、37は所定の同一モードの対処をする。
そして、各自己診断部81dは、異常状態検知信号と、異常を検知して前記対処したモードの信号と、所定の実トー角αSL(または所定の実トー角αSR)をトー角変更制御診断部73に送る。
ステップS11では、車速VS、左右のトー角変更制御ECU37の自己診断部81dからの異常状態検知信号および所定の実トー角αSL、αSRを随時読み込む。
ステップS12では、異常状態検知信号を受信したか否かをチェックする(異常検知?)。異常検知の場合(Yes)はステップS13へ進み、異常を検知していない場合(No)は一つの周期内の処理を終了する。
ちなみに、車速Vlowは、十分低速な車速であり、補助トルクの急激な、例えば、80%カットのような低下に対して、車両走行中に運転者が操舵力の急変に戸惑っても車両の走行に影響を与えない車速である。例えば、最徐行時の時速10km/hrのような車速である。
したがって、走行中の急な補助トルクの急激な低減による運転者の戸惑いを防止できる。
このとき、時間的な遅れを持って補助トルクを低減させるので、急激な補助トルクの低減に運転者が驚かないようにすることができる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態における電動パワーステアリング制御部130aは、目標電流を設定して電動機4に流す電流を制御したが、電動機4に印加される電圧を目標電圧に設定することもでき、電動機4が出力するトルクを目標トルクに設定して、電動機4に流す電流を制御することもできる。この目標電圧あるいは目標トルクも目標信号に含まれる。
(2)本実施の形態では、トー角変更制御診断部73が補正指令信号を異常時補助トルク制限部63に出力し、異常時補助トルク制限部63において電流目標値IM2を低下させることとしたがそれに限定されない。
図10に示すようにPWM変換部57の下流側にリレースイッチ60を配して、トー角変更制御診断部73からの指令によりリレースイッチ60をオフにして、補助トルクをカットする構成としても良い。
(3)本実施の形態では、図6の(a)に示すように、ベース信号演算部51において車速VSをパラメータとしてトルク信号Tから出力トルクTM *の目標信号IM1の基準となるベース信号DTを算出することとしていたがそれに限定されるものではない。操舵制御ECU130に操向ハンドル3に設けられた操作角センサからの操作角信号と、車体に設けられたヨーレートセンサからのヨーレート信号とを入力し、車速VSと操作角にもとづいてあらかじめ決められた規範ヨーレートを算出し、規範ヨーレートと実際のヨーレートの差分にもとづいて、操向ハンドル130への反力をフィードバック制御する電動パワーステアリング装置にも適用可能である。
2L、2R 後輪
3 操向ハンドル
4 電動機
25 レゾルバ
30 アクチュエータ
31 電動機
31a 温度センサ(異常検知手段)
33 減速機構
35 送りねじ部
37 トー角変更制御ECU(操舵制御装置)
38 ストロークセンサ
51 ベース信号演算部(補助トルク算出手段)
51a ベーステーブル
51b バックアップテーブル
52 ダンパ補償信号演算部(補助トルク算出手段)
53 イナーシャ補償信号演算部(補助トルク算出手段)
54 Q軸(トルク軸)PI制御部
60 リレースイッチ
61、62 加算器
63 異常時補助トルク制限部
67 電動機速度算出部
71 目標トー角演算部
71a トー角テーブル
73 トー角変更制御診断部
81 制御部
81a 目標電流算出部
81c 電動機制御信号生成部
81d 自己診断部(異常検知手段)
83 電動機駆動回路
100 操舵システム
110 電動パワーステアリング装置
120L、120R トー角変更装置
130 操舵制御ECU(操舵制御装置)
130a 電動パワーステアリング制御部
130b 後輪トー角制御部
SS 前輪転舵角センサ
ST トルクセンサ
SV 車速センサ
Claims (5)
- 少なくとも操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置と、少なくとも前輪の転舵角および車速にもとづいて左右の後輪のトー角を変更可能とするトー角変更装置と、前記電動パワーステアリング装置および前記トー角変更装置を制御する操舵制御装置とを備える操舵システムにおいて、
前記トー角変更装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記補助トルクの目標値を算出する補助トルク算出手段と、を有し、
前記異常検知手段から異常状態検知信号を受信した場合、さらに、車速が所定値以下のときに、前記算出された補助トルクの目標値を低下させることを特徴とする操舵システム。 - 少なくとも操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置と、少なくとも前輪の転舵角および車速にもとづいて左右の後輪のトー角を変更可能とするトー角変更装置と、前記電動パワーステアリング装置および前記トー角変更装置を制御する操舵制御装置とを備える操舵システムにおいて、
前記トー角変更装置の異常状態を検知する異常検知手段と、
前記補助トルクの目標値を算出する補助トルク算出手段と、を有し、
前記トー角変更装置は、前記異常検知手段が異常状態を検知したとき、異常状態に応じて左右両方の後輪のトー角を固定し、
前記操舵制御装置は、前記異常検知手段から異常状態検知信号を受信した場合、さらに、車速が所定値以下で、かつ、左右の後輪の前記異常状態に応じて固定されたトー角の少なくとも一方がトーアウトを示しているときに、前記算出された補助トルクの目標値を低下させることを特徴とする操舵システム。 - 少なくとも操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置と、少なくとも前輪の転舵角および車速にもとづいて左右の後輪のトー角を変更可能とするトー角変更装置と、前記電動パワーステアリング装置および前記トー角変更装置を制御する操舵制御装置とを備える操舵システムにおいて、
前記トー角変更装置の異常状態を検知する異常検知手段を有し、
前記異常検知手段から異常状態検知信号を受信した場合、前記補助トルクを0とすることを特徴とする操舵システム。 - 前記異常検知手段から前記異常状態検知信号を受信した場合、さらに、車速が所定値以下のときに、前記補助トルクを0とすることを特徴とする請求項3に記載の操舵システム。
- 前記トー角変更装置は、前記異常検知手段が異常状態を検知したとき、異常状態に応じて左右両方の後輪のトー角を固定し、
前記操舵制御装置は、前記異常検知手段から前記異常状態検知信号を受信した場合、さらに、車速が所定値以下で、かつ、左右の後輪の前記異常状態に応じて固定されたトー角の少なくとも一方がトーアウトを示しているときに、前記補助トルクを0とすることを特徴とする請求項3に記載の操舵システム。
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