JP2009126467A - 車両の後輪トー角左右独立制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、直進加速時において左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプリットミュー路においても、車両の直進性を保持する制御を行える車両の後輪トー角左右独立制御装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、後車軸の左右輪2R、2Lのトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段142と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合に路面の摩擦係数が大きい方の後輪2R、2Lをトーインとするトー角修正制御手段143とを具備している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、後車軸の左右輪2R、2Lのトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段142と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合に路面の摩擦係数が大きい方の後輪2R、2Lをトーインとするトー角修正制御手段143とを具備している。
【選択図】図1
Description
本発明は、四輪自動車において後軸の左右の車輪のトー角を独立に制御可能な車両の後輪トー角左右独立制御装置に関する。
従来の車輪のトー角変更装置として、下記特許文献1および特許文献2に記載されているものが知られている。
特開2007−186099号公報(段落0008から0011、図1等)
特開2007-210456号公報(図5、図7、図8等)
しかしながら、特許文献1および特許文献2のトー角変更装置においては、直進加速時において左右の車輪の路面状態、すなわち、路面の摩擦係数(以下、路面ミューと称する)が異なる所謂スプリットミュー路での制御を行うことができないという問題がある。
上記実状に鑑み、本発明は、直進加速時において左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプリットミュー路においても、車両の直進性を保持する制御を行える車両の後輪トー角左右独立制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため請求項1の発明は、後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合に路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、を具備している。
請求項1に係る発明によれば、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプリットミュー路においても直進性を保持するように制御を行うことができる。この請求項1に係る発明は、発生するヨーモーメントを打ち消すように片方の後輪のトー角を変更しトーインとし、直進性を向上させる。
また、路面の摩擦係数が小さい方の後輪のアクチュエータを駆動する必要がなく、消費電流を低減することができる。
また、路面の摩擦係数が小さい方の後輪のアクチュエータを駆動する必要がなく、消費電流を低減することができる。
請求項2の発明は、後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合に両方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、を具備している。
請求項2に係る発明によれば、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプリットミュー路においても直進性を保持するように制御を行うことができる。この請求項2に係る発明は、両方の後輪のトー角を変更しトーインとし、本質的な直進性を向上させることで、発生するヨーモーメントの影響を小さくする。
また、両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態に変化が生じても、安定して直進性を保持することができる。
また、両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態に変化が生じても、安定して直進性を保持することができる。
請求項3の発明は、後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合に、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするか、或いは、両方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合、トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとするように切換え、或いは、トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように切換える切換制御手段と、を具備している。
請求項3に係る発明によれば、直進加速時において路面状態の差が検出された場合、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするか、或いは、両方の後輪をトーインとするか何れかに切換えて車両の直進性を保持するので、直進加速時における直進性保持の制御がより柔軟に行え、直進性保持の制御性能が高い。
本発明によれば、直進加速時において左右の車輪の路面状態(路面の摩擦係数等)が異なるスプリットミュー路においても、車両の直進性を保持する制御を行える。
次に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明の実施形態1に係るトー角左右独立制御装置を含む操舵システムを備えた四輪自動車の上面視の全体概念図である。図2は、本発明の実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。本発明の実施形態1に係る四輪自動車は、リミットスリップデフ(LSD)機能またはトラクションコントロール(TC)機能を有するものである。
<<実施形態1>>
図1は、本発明の実施形態1に係るトー角左右独立制御装置を含む操舵システムを備えた四輪自動車の上面視の全体概念図である。図2は、本発明の実施形態1に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。本発明の実施形態1に係る四輪自動車は、リミットスリップデフ(LSD)機能またはトラクションコントロール(TC)機能を有するものである。
図1に示すように、操舵システム100は、電動パワーステアリング装置110(詳細は、図2参照)と、トー角変更装置120L、120Rと、操舵制御装置(以下、操舵制御ECUと称する)130と、操作角センサ(前輪操舵状態量取得手段)SHと、車速センサ(車速取得手段)SVと、を具備している。電動パワーステアリング装置110は、前輪1L、1Rを操舵させる操向ハンドル3による操舵のための運転者の操作を、電動機4で補助する。トー角変更装置120L、120Rは、操向ハンドル3の操作角θHと車速とに応じて、後輪2L、2Rのトー角をそれぞれ独立にアクチュエータ30によって変更させる。操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110およびトー角変更装置120L、120Rを制御する。なお、電動パワーステアリング装置110は、必須の構成ではない。
また、操舵システム100は、車輪速センサ141a、141b、141c、141dと、路面状態差検出部(路面状態差検出手段)142と、トー角修正制御部(トー角修正制御手段)143と、を具備している。車輪速センサ141a、141b、141c、141dは、前輪1R、1Lおよび後輪2R、2Lの回転速を検出して車輪速信号を生成して路面状態差検出部142に与える。路面状態差検出部142は、車輪速センサ141a、141b、141c、141dからの車輪速信号にもとづいて直進加速時における左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出して、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差が所定値以上であるときに路面状態差信号を生成してトー角修正制御部143に与える。トー角修正制御部143は、路面状態差検出部142からの面状態差信号に基づいてトー角修正信号を生成してトー角変更装置120L、120Rを制御するトー角変更制御装置(以下、トー角変更制御ECUと称する)37に与える。なお、左右の路面ミューの検出は、種々の方法を適用することができる。
車輪速センサ141a、141b、141c、141dと、路面状態差検出部(路面状態差検出手段)142と、トー角修正制御部(トー角修正制御手段)143と、目標トー角演算部71(図5参照)と、トー角変更装置120L、120Rとは、本発明の実施形態1に係るトー角左右独立制御装置を構成している。
(電動パワーステアリング装置110)
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように、操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自由継手)3bによって連結されている。
また、電動パワーステアリング装置110は、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aが、車幅方向に往復移動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端部にはタイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。このように、ラック歯8aを備えたラック軸8、タイロッド9、9等は転舵機構を構成している。
なお、ピニオン軸7は、その上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングボックス6に支持されている。
電動パワーステアリング装置110は、図2に示すように、操向ハンドル3が設けられたメインステアリングシャフト3aと、シャフト3cと、ピニオン軸7とが、2つのユニバーサルジョイント(自由継手)3bによって連結されている。
また、電動パワーステアリング装置110は、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aが、車幅方向に往復移動可能なラック軸8のラック歯8aに噛合し、ラック軸8の両端部にはタイロッド9、9を介して左右の前輪1L、1Rが連結されている。この構成により、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。このように、ラック歯8aを備えたラック軸8、タイロッド9、9等は転舵機構を構成している。
なお、ピニオン軸7は、その上部、中間部、下部を軸受3d、3e、3fを介してステアリングボックス6に支持されている。
また、電動パワーステアリング装置110は、操向ハンドル3による運転者の操舵力を軽減するための補助操舵力を、供給する電動機4を備えている。この電動機4の出力軸に設けられたウォームギア5aは、ピニオン軸7に設けられたウォームホイールギア5bに噛合している。すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとは、減速機構を構成している。
また、電動機4の回転子と電動機4に連結されているウォームギア5aおよびウォームホイールギア5b、ピニオン軸7およびラック歯8a有するラック軸8、タイロッド9、9等は、ステアリング系を構成している。
また、電動機4の回転子と電動機4に連結されているウォームギア5aおよびウォームホイールギア5b、ピニオン軸7およびラック歯8a有するラック軸8、タイロッド9、9等は、ステアリング系を構成している。
電動機4は、複数の界磁コイルを備えた固定子(図示せず)とこの固定子の内部で回動する回転子(図示せず)からなる3相ブラシレスモータであり、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換し、補助操舵力の駆動源となっている。
また、電動パワーステアリング装置110は、電動機4を駆動する電動機駆動回路23と、電動機4の回転角を検出するレゾルバ25と、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクを検出するトルクセンサSTと、ピニオン軸7の回転角を検出する操作角センサSHと、トルクセンサSTの出力を増幅する差動増幅回路21と、車両の速度(車速)を検出する車速センサSVとを備えている。
そして、図1に示す操舵システム100の操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110の駆動源である電動機4を駆動制御する後記の電動パワーステアリング制御部130a(図5参照)を有している。なお、図5は、本発明の実施形態1に係る操舵システムの操舵制御ECUとトー角左右独立制御装置の概略制御機能構成図である。
そして、図1に示す操舵システム100の操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110の駆動源である電動機4を駆動制御する後記の電動パワーステアリング制御部130a(図5参照)を有している。なお、図5は、本発明の実施形態1に係る操舵システムの操舵制御ECUとトー角左右独立制御装置の概略制御機能構成図である。
電動機駆動回路23は、例えば、3相のEFTブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、電動パワーステアリング制御部130aからのDUTY(DU、DV、DW)信号を用いて、矩形波電圧を生成し、電動機4を駆動するものである。
また、電動機駆動回路23は、図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流を検出する機能を備えている。
また、電動機駆動回路23は、図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流を検出する機能を備えている。
車速センサSV(図1参照)は、車両の車速を単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速信号VSを出力する。
操舵制御ECU130の機能構成については、電動パワーステアリング装置110の制御と、トー角変更装置120L、120Rの制御とをまとめて後記する。
操舵制御ECU130の機能構成については、電動パワーステアリング装置110の制御と、トー角変更装置120L、120Rの制御とをまとめて後記する。
(トー角変更装置120L、120R)
次に、図3および図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は、本発明の実施形態1に係る左後輪側のトー角変更装置の一部断面を含む平面図である。図4は、本発明の実施形態1に係るトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
次に、図3および図4を参照しながらトー角変更装置の構成を説明する。
図3は、本発明の実施形態1に係る左後輪側のトー角変更装置の一部断面を含む平面図である。図4は、本発明の実施形態1に係るトー角変更装置のアクチュエータの構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、トー角変更装置120L、120Rは、車両の左右の後輪2L、2Rにそれぞれ取り付けられるものであり、図3では、左後輪2Lを例にとりトー角変更装置120Lを示している。トー角変更装置120Lは、アクチュエータ30と、トー角変更制御装置(以下、トー角変更制御ECUと称する)37とを備えている。
なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。
なお、図3は、左側の後輪2Lのみを示しているが、右側の後輪2Rについても同様(対称)にして取り付けられている。
図3に示すように、ほぼ車幅方向に延びるクロスメンバ12の車幅方向端部が、車体のリアサイドフレーム11に弾性支持されている。そして、ほぼ車体前後方向に延びるトレーリングアーム13の前端がクロスメンバ12の車幅方向端部の近くで支持されており、トレーリングアーム13の後端には、後輪2Lが固定されている。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、ほぼ鉛直方向に延在する回動軸13cを介して連結されて構成されている。この構成により、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
トレーリングアーム13は、クロスメンバ12に装着される車体側アーム13aと、後輪2Lに固定される車輪側アーム13bとが、ほぼ鉛直方向に延在する回動軸13cを介して連結されて構成されている。この構成により、トレーリングアーム13が車幅方向へ変位することが可能となっている。
アクチュエータ30は、その一端が車輪側アーム13bの回動軸13cより前方側にある前端部に、ブッシュ16を介して取り付けられ、その他端がクロスメンバ12にブッシュ17を介して取り付けられている。
図4に示すように、アクチュエータ30は、電動機31、減速機構33、送りねじ部35等を備えて構成されている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータおよびブラシレスモータ等で構成されている。そして、電動機31は、コイルの巻線温度を検出する温度センサ31aを有しており、該温度センサ31aから、トー角変更制御ECU37の後記する自己判断部81d(図6参照)に検出信号を与える。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)等が組み合わされて構成されている。
電動機31は、正逆両方向に回転可能なブラシモータおよびブラシレスモータ等で構成されている。そして、電動機31は、コイルの巻線温度を検出する温度センサ31aを有しており、該温度センサ31aから、トー角変更制御ECU37の後記する自己判断部81d(図6参照)に検出信号を与える。
減速機構33は、例えば、2段のプラネタリギア(図示せず)等が組み合わされて構成されている。
送りねじ部35は、円筒形状に形成されたロッド35aと、このロッド35aの内部に挿入されて円筒形状を有し内周側にスクリュー溝35bが形成されたナット35cと、スクリュー溝35bと噛合してロッド35aを軸方向に移動可能に支持するスクリュー軸35dと、を備えて構成されている。
送りねじ部35は、減速機構33および電動機31とともに細長形状のほぼ円筒刑状のケ−ス本体34の内部に収容されている。また、ケース本体34の送りねじ部35の側にはブーツ36がケース本体34の端部とロッド35aの端部との間を蓋うように取り付けられており、ケース本体34の端部から露出したロッド35aの外表面に埃および異物が付着したり、ケース本体34の内部に外部から埃および異物が侵入しないように構成されている。
送りねじ部35は、減速機構33および電動機31とともに細長形状のほぼ円筒刑状のケ−ス本体34の内部に収容されている。また、ケース本体34の送りねじ部35の側にはブーツ36がケース本体34の端部とロッド35aの端部との間を蓋うように取り付けられており、ケース本体34の端部から露出したロッド35aの外表面に埃および異物が付着したり、ケース本体34の内部に外部から埃および異物が侵入しないように構成されている。
減速機構33の一端が電動機31の出力軸と連結され、減速機構33の他端がスクリュー軸35dと連結されている。電動機31からの動力が、減速機構33を介してスクリュー軸35dに伝達されてスクリュー軸35dが回転することで、ロッド35aがケース本体34に対して図示左右方向(軸方向)に移動し、アクチュエータ30が、伸縮自在に動作するようになっている。スクリュー軸35dとナット35cのスクリュー溝35bとの噛合の摩擦力により、電動機31が駆動されていない状態においても、後輪2L、2Rのトー角が一定に保持される。
また、アクチュエータ30には、その伸縮量、すなわちロッド35aの位置を検出するストロークセンサ38が設けられている。このストロークセンサ38は、例えば、マグネットが内蔵され、磁界の変化を検知してロッド35aの位置を検出している。このように、ストロークセンサ38を用いて位置を検出することにより、後輪2L、2Rのトーイン、トーアウトの舵角(トー角)を個別に高精度に検出できるようになっている。
このように構成されたアクチュエータ30は、ロッド35aの先端に設けられたブッシュ16がトレーリングアーム13の車輪側アーム13b(図3参照)に回動自在に連結され、ケース本体34の基端(図4において右側の端)に設けられたブッシュ17がクロスメンバ12(図3参照)に回動自在に連結されている。電動機31の動力によってスクリュー軸35dが回転してロッド35aが図4の左方向へ伸びると、車輪側アーム13bが車幅方向外側(図3の左方向)に押圧されて、後輪2Lが左方向(反時計廻りの向き)に旋回する。また、ロッド35aが図4の右方向へ縮むと、車輪側アーム13bが車幅方向内側(図3の右方向)に引かれて、後輪2Lが右方向(時計廻りの向き)に旋回する。
なお、アクチュエータ30のブッシュ16が取り付けられる場所は、ナックルなど後輪2Lのトー角を変更できる位置であれば、車輪側アーム13bに限定されるものではない。また、本実施形態1において、トー角変更装置120L、120Rは、セミトレーリングアーム型の独立懸架方式のサスペンションに対して適用した場合の例で示したが、これに限定されるものでなく、他の懸架方式のサスペンションにも適用できる。
例えば、ダブルウイッシュボーン式のサスペンションのサイドロッドや、ストラット式サスペンションのサイドロッドに前記アクチュエータ30を組み込むことによっても実現できる。
例えば、ダブルウイッシュボーン式のサスペンションのサイドロッドや、ストラット式サスペンションのサイドロッドに前記アクチュエータ30を組み込むことによっても実現できる。
また、アクチュエータ30には、トー角変更制御ECU37が一体に取り付けられている。トー角変更制御ECU37は、アクチュエータ30のケース本体30に固定され、ストロークセンサ38、温度センサ31aが、コネクタ等を介して接続されている。また、左右のトー角変更制御ECU37、37同士の間と、トー角変更制御ECU37、37と操舵制御ECU130(図3参照)との間とは、それぞれ電気的に接続されている。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリ等の電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23(図5参照)にも、前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される。
トー角変更制御ECU37には、車両に搭載された図示しないバッテリ等の電源から電力が供給される。また、操舵制御ECU130、電動機駆動回路23(図5参照)にも、前記とは別系統でバッテリなどの電源から電力が供給される。
(操舵制御ECU130)
次に、図5を参照しながら操舵制御ECU130の機能を説明する。
操舵制御ECU130は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路等から構成されている。
図5に示すように、操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110を制御する電動パワーステアリング制御部130aと、後輪2L、2Rのトー角の目標値を演算する目標トー角演算部(目標トー角演算手段)71を備えている。
次に、図5を参照しながら操舵制御ECU130の機能を説明する。
操舵制御ECU130は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路等から構成されている。
図5に示すように、操舵制御ECU130は、電動パワーステアリング装置110を制御する電動パワーステアリング制御部130aと、後輪2L、2Rのトー角の目標値を演算する目標トー角演算部(目標トー角演算手段)71を備えている。
(電動パワーステアリング制御部130a)
電動パワーステアリング制御部130aは、特開2002−59855号公報の図2に記載されているような電動機4を駆動制御するための目標電流信号を設定し、その信号をイナーシャ補正し、さらにダンピング補正し、補正された目標電流で電動機駆動回路23の出力電流をフィードバック制御して、電動機駆動回路23にDUTY(DU、DV、DW)信号を出力する。
電動パワーステアリング制御部130aは、特開2002−59855号公報の図2に記載されているような電動機4を駆動制御するための目標電流信号を設定し、その信号をイナーシャ補正し、さらにダンピング補正し、補正された目標電流で電動機駆動回路23の出力電流をフィードバック制御して、電動機駆動回路23にDUTY(DU、DV、DW)信号を出力する。
(目標トー角演算部71)
次に、図5を参照しながら目標トー角演算部71について説明する。
目標トー角演算部71は、車速信号VSと、操向ハンドル3の操作角θHとから左右の後輪2L、2Rのそれぞれ目標トー角αTL、αTRを生成し、左右の後輪2L、2Rのそれぞれのトー角変更を制御するトー角変更制御ECU37、37に目標トー角αTL、αTRを入力する。この目標トー角αTL、αTRの生成は、予め左右の後輪2L、2Rごとに設定されたトー角テーブル71aを、操作角θH、操作角θHの角速度ωH、車速VSとに基づき参照することによって行われる。
次に、図5を参照しながら目標トー角演算部71について説明する。
目標トー角演算部71は、車速信号VSと、操向ハンドル3の操作角θHとから左右の後輪2L、2Rのそれぞれ目標トー角αTL、αTRを生成し、左右の後輪2L、2Rのそれぞれのトー角変更を制御するトー角変更制御ECU37、37に目標トー角αTL、αTRを入力する。この目標トー角αTL、αTRの生成は、予め左右の後輪2L、2Rごとに設定されたトー角テーブル71aを、操作角θH、操作角θHの角速度ωH、車速VSとに基づき参照することによって行われる。
(トー角変更制御ECU37)
次に、図6を参照しながらトー角変更制御ECU37の詳細な構成を説明する。図6は、本発明の実施形態1に係るトー角変更装置120L、120Rのトー角変更制御ECU37の制御機能のブロック構成図である。
図6に示すように、トー角変更制御ECU37は、アクチュエータ30を稼動させる電動機31を駆動制御する機能を有し、制御部81と電動機駆動回路83とで構成されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
次に、図6を参照しながらトー角変更制御ECU37の詳細な構成を説明する。図6は、本発明の実施形態1に係るトー角変更装置120L、120Rのトー角変更制御ECU37の制御機能のブロック構成図である。
図6に示すように、トー角変更制御ECU37は、アクチュエータ30を稼動させる電動機31を駆動制御する機能を有し、制御部81と電動機駆動回路83とで構成されている。また、各トー角変更制御ECU37は、操舵制御ECU130と通信線を介して接続され、他方のトー角変更制御ECU37とも通信線を介して接続されている。
制御部81は、CPU、RAM、ROM等を備えるマイクロコンピュータおよび周辺回路等から構成されており、目標電流算出部81a、電動機制御信号生成部81c、自己診断部(異常検知手段)81dを有している。
一方(右後輪2Rの側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130からの通信線を介して入力される車速VSと、操作角θHと、後輪2Rの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Rのトー角αRとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
他方(左後輪2Lの側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130からの通信線を介して入力される車速VSと、操作角θHと、後輪2Lの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Lのトー角αLとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
一方(右後輪2Rの側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130からの通信線を介して入力される車速VSと、操作角θHと、後輪2Rの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Rのトー角αRとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
他方(左後輪2Lの側)のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aは、操舵制御ECU130からの通信線を介して入力される車速VSと、操作角θHと、後輪2Lの目標トー角αTRと、ストロークセンサ38から得られる現在の後輪2Lのトー角αLとにもとづいて、目標電流信号を算出して、電動機制御信号生成部81cに出力する。
ここで、目標電流信号とは、アクチュエータ30を所望の速度で所望の作動量(後輪2L、2Rを所望のトー角αTL、αTRにする伸縮量)に設定するのに必要な電流信号である。
このように、目標電流算出部81aにおいて目標トー角に対して現在のトー角をフィードバックして、目標電流信号を補正することにより、後輪2L(または2R)の転舵に要する電流値が車速VS、路面環境、車両の運動状態、タイヤの摩耗状態などによって変化するのをフィードバックして、目標のトー角の所望のトー角の変化速度で設定制御することができる。
このように、目標電流算出部81aにおいて目標トー角に対して現在のトー角をフィードバックして、目標電流信号を補正することにより、後輪2L(または2R)の転舵に要する電流値が車速VS、路面環境、車両の運動状態、タイヤの摩耗状態などによって変化するのをフィードバックして、目標のトー角の所望のトー角の変化速度で設定制御することができる。
電動機制御信号生成部81cは、目標電流算出部81aから目標電流が入力され、電動機駆動回路83に電動機制御信号を出力する。この電動機制御信号は、電動機31に供給する電流値と電流を流す方向を含む信号である。電動機駆動回路83は、FET(Field Effect Transistor)のブリッジ回路等で構成され、電動機制御信号にもとづいて電動機31に電動機電流を供給する。
また、図6に示すように、自己診断部81dは、自身が属する側のトー角変更装置120Lまたは120Rのストロークセンサ38の位置信号や電動機駆動回路83のホール素子からの検出信号、温度センサ31aからの温度信号、目標電流算出部81aの状態監視に基づき、異常状態を検出したか否かを判定する。
(路面状態差検出部142)
次に、図1および図5を参照しながら路面状態差検出部を詳細に説明する。
路面状態差検出部142は、車輪速センサ141a、141b、141c、141dからの車輪速信号に基づいて直進加速時における左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出して、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差が所定値以上であるときに路面状態差信号を生成してトー角修正制御部143に与える。このときに、路面状態差検出部142は、駆動される前輪1L、1Rおよび後輪2L、2Rの車輪速センサ141a、141b、141c、141dからの車輪速信号に基づいて左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出する。
次に、図1および図5を参照しながら路面状態差検出部を詳細に説明する。
路面状態差検出部142は、車輪速センサ141a、141b、141c、141dからの車輪速信号に基づいて直進加速時における左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出して、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差が所定値以上であるときに路面状態差信号を生成してトー角修正制御部143に与える。このときに、路面状態差検出部142は、駆動される前輪1L、1Rおよび後輪2L、2Rの車輪速センサ141a、141b、141c、141dからの車輪速信号に基づいて左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出する。
なお、路面状態差検出部142は、ヨーレートセンサSYおよび横加速度センサSGSからの信号を受けて、ヨーレートおよび横加速度の向きにより旋回外側または旋回内側の判断により左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出するようにしてもよい。
(トー角修正制御部143)
次に、図5および図6を参照しながらトー角修正制御部を詳細に説明する。
トー角修正制御部143は、路面状態差検出部142からの面状態差信号に基づいてトー角修正信号を生成して、該トー角修正信号をトー角変更装置120L、120Rのトー角変更制御ECU37に与える。
次に、図5および図6を参照しながらトー角修正制御部を詳細に説明する。
トー角修正制御部143は、路面状態差検出部142からの面状態差信号に基づいてトー角修正信号を生成して、該トー角修正信号をトー角変更装置120L、120Rのトー角変更制御ECU37に与える。
このときに、トー角修正制御部143は、路面状態差検出部142により路面状態の差が検出されたときに、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするトー角修正制御信号を生成して、トー角変更制御ECU37のいずれかの目標電流算出部81a(図6参照)に与える。
目標電流算出部81aは、トー角修正制御部143からのトー角修正制御信号を受けたときに路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように算出する。この目標電流算出部81aの算出値に基づいて、トー角変更制御ECU37は、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように制御する。
目標電流算出部81aは、トー角修正制御部143からのトー角修正制御信号を受けたときに路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように算出する。この目標電流算出部81aの算出値に基づいて、トー角変更制御ECU37は、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように制御する。
なお、路面状態差検出部142(図5参照)が、ヨーレートセンサSYおよび横加速度センサSGS(図1参照)からの信号を受けて、ヨーレートおよび横加速度の向きにより旋回外側または旋回内側の判断により左右の車輪の路面状態(路面ミュー)の差を検出するように構成されている場合には、トー角修正制御部143は、旋回外側であると判定した側を路面の摩擦係数が大きい方と判定して、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするトー角修正制御信号を生成して、トー角変更制御ECU37のいずれかの目標電流算出部81aに与える。
(路面状態差検出部142およびトー角修正制御部143の動作のフロー)
次に、路面状態差検出部142およびトー角修正制御部143の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図7は、実施形態1に係る路面状態差検出部およびトー角修正制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST11において、操作角センサSH、車輪速センサ141a、141b、141c、141d等の情報を基に路面状態差検出部142は、直進時であるか否かを判断する。
ステップST11において直進時でないと判断されたときは(ステップST11においてNo)、ステップST11に移行する。
一方、ステップST11において直進時であると判断されたときは(ステップST11においてYes)、ステップST12において、路面状態差検出部142は、加速時であるか否かを判断する。
ステップST12において加速時でないと判断されたときは(ステップST12においてNo)、ステップST11に移行する。
一方、ステップST12において加速時であると判断されたときは、ステップST13において、路面状態差検出部142は、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断する。
次に、路面状態差検出部142およびトー角修正制御部143の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図7は、実施形態1に係る路面状態差検出部およびトー角修正制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST11において、操作角センサSH、車輪速センサ141a、141b、141c、141d等の情報を基に路面状態差検出部142は、直進時であるか否かを判断する。
ステップST11において直進時でないと判断されたときは(ステップST11においてNo)、ステップST11に移行する。
一方、ステップST11において直進時であると判断されたときは(ステップST11においてYes)、ステップST12において、路面状態差検出部142は、加速時であるか否かを判断する。
ステップST12において加速時でないと判断されたときは(ステップST12においてNo)、ステップST11に移行する。
一方、ステップST12において加速時であると判断されたときは、ステップST13において、路面状態差検出部142は、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断する。
ステップST13において駆動輪の車輪速に左右差がないと判断されたときは(ステップST13においてNo)、ステップST11に移行する。
一方、ステップST13において駆動輪の車輪速に左右差があると判断されたときは、ズテップST14において、路面状態差検出部142は、車輪速の小さい側またはヨーレートおよび横加速度の向きから旋回外側と判定した側を路面の摩擦係数が大きい方と判定する。次に、ステップST15において、トー角修正制御部143は、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとする。
一方、ステップST13において駆動輪の車輪速に左右差があると判断されたときは、ズテップST14において、路面状態差検出部142は、車輪速の小さい側またはヨーレートおよび横加速度の向きから旋回外側と判定した側を路面の摩擦係数が大きい方と判定する。次に、ステップST15において、トー角修正制御部143は、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとする。
本発明の実施形態1によれば、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプレットミュー路においても直進性を保持するように制御を行うことができる。
また、路面の摩擦係数が小さい方の後輪のアクチュエータを駆動する必要がなく、消費電流を低減することができる。
すなわち、本実施形態1のように、直進加速時に、路面ミューの低い側の駆動輪にブレーキ制御を行うLSDやTCを搭載する車両は、駆動力の差によりヨーモーメントが発生するが、路面ミューの高い側の片方の駆動輪をトーインとすることで、これを打ち消して直進性を向上させることができる。
また、路面の摩擦係数が小さい方の後輪のアクチュエータを駆動する必要がなく、消費電流を低減することができる。
すなわち、本実施形態1のように、直進加速時に、路面ミューの低い側の駆動輪にブレーキ制御を行うLSDやTCを搭載する車両は、駆動力の差によりヨーモーメントが発生するが、路面ミューの高い側の片方の駆動輪をトーインとすることで、これを打ち消して直進性を向上させることができる。
<<実施形態2>>
次に、本発明の実施形態2について図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の実施形態2に係る操舵システムの操舵制御ECUとトー角左右独立制御装置の概略制御機能構成図である。
図8に示す本発明の実施形態2に係る操舵システムは、図5に示す本発明の実施形態1において、トー角修正制御部143の代わりにトー角修正制御部201を具備するものである。本発明の実施形態2に係る操舵システムのトー角修正制御部201以外の構成は、図5に示す本発明の実施形態1と同じであるので、その説明を省略する。
次に、本発明の実施形態2について図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の実施形態2に係る操舵システムの操舵制御ECUとトー角左右独立制御装置の概略制御機能構成図である。
図8に示す本発明の実施形態2に係る操舵システムは、図5に示す本発明の実施形態1において、トー角修正制御部143の代わりにトー角修正制御部201を具備するものである。本発明の実施形態2に係る操舵システムのトー角修正制御部201以外の構成は、図5に示す本発明の実施形態1と同じであるので、その説明を省略する。
トー角修正制御部201は、路面状態差検出部142からの面状態差信号にもとづいてトー角修正信号を生成してトー角変更装置120L、120Rのトー角変更制御ECU37に与える。
このときに、トー角修正制御部201は、路面状態差検出部142により路面状態の差が検出されたときに、両方の後輪をトーインとするトー角修正制御信号を生成して、両方のトー角変更制御ECU37の目標電流算出部81aに与える。
目標電流算出部81aは、トー角修正制御部201からのトー角修正制御信号を受けたときに両方の後輪2L、2Rをトーインとするように算出する。この目標電流算出部81aの算出値にもとづいて、トー角変更制御ECU37は、両方の後輪2L、2Rをトーインとするように制御する。
目標電流算出部81aは、トー角修正制御部201からのトー角修正制御信号を受けたときに両方の後輪2L、2Rをトーインとするように算出する。この目標電流算出部81aの算出値にもとづいて、トー角変更制御ECU37は、両方の後輪2L、2Rをトーインとするように制御する。
(路面状態差検出部142およびトー角修正制御部201の動作のフロー)
次に、路面状態差検出部142およびトー角修正制御部201の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。なお、図9は、実施形態2に係る路面状態差検出部およびトー角修正制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST21において、操作角センサSH、車輪速センサ141a、141b、141c、141d等の情報を基に路面状態差検出部142は、直進時であるか否かを判断する。
ステップST21において直進時でないと判断されたときは(ステップST21においてNo)、ステップST21に移行する。
一方、ステップST21において直進時であると判断されたときは(ステップST21においてYes)、ステップST22において、路面状態差検出部142は、加速時であるか否かを判断する。
ステップST22において加速時でないと判断されたときは(ステップST22においてNo)、ステップST21に移行する。
一方、ステップST22において加速時であると判断されたときは(ステップST22においてYes)、ステップST23において、路面状態差検出部142は、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断する。
なお、路面状態差検出部142は、前記したように、ヨーレートセンサSYおよび横加速度センサSGSからの信号を受けて、ヨーレートおよび横加速度の向きにより、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断してもよい。
次に、路面状態差検出部142およびトー角修正制御部201の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。なお、図9は、実施形態2に係る路面状態差検出部およびトー角修正制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
ステップST21において、操作角センサSH、車輪速センサ141a、141b、141c、141d等の情報を基に路面状態差検出部142は、直進時であるか否かを判断する。
ステップST21において直進時でないと判断されたときは(ステップST21においてNo)、ステップST21に移行する。
一方、ステップST21において直進時であると判断されたときは(ステップST21においてYes)、ステップST22において、路面状態差検出部142は、加速時であるか否かを判断する。
ステップST22において加速時でないと判断されたときは(ステップST22においてNo)、ステップST21に移行する。
一方、ステップST22において加速時であると判断されたときは(ステップST22においてYes)、ステップST23において、路面状態差検出部142は、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断する。
なお、路面状態差検出部142は、前記したように、ヨーレートセンサSYおよび横加速度センサSGSからの信号を受けて、ヨーレートおよび横加速度の向きにより、駆動輪の車輪速に左右差があるか否かを判断してもよい。
ステップST23において駆動輪の車輪速に左右差がないと判断されたときは(ステップST23においてNo)、ステップST21に移行する。
一方、ステップST23において駆動輪の車輪速に左右差があると判断されたときは(ステップST23においてYes)、ステップST24において、トー角修正制御部201は、両方の後輪2L、2Rをトーインとする。
一方、ステップST23において駆動輪の車輪速に左右差があると判断されたときは(ステップST23においてYes)、ステップST24において、トー角修正制御部201は、両方の後輪2L、2Rをトーインとする。
本発明の実施形態2によれば、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプレットミュー路においても直進性を保持するように制御を行うことができる。
また、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態に変化が生じても、安定して直進性を保持することができる。
前記した実施形態1と同様、LSDやTCを搭載した車両では、直進加速時に低路面ミュー側の駆動輪にブレーキ制御を行うため、ヨーモーメントが発生するが、左右の両輪ともトーインとすることで、本質的に直進性が向上し、発生するヨーモーメントの影響を低くすることができる。
また、直進加速時において路面状態の差が検出されたときに両方の後輪をトーインとするため、左右の車輪の路面状態に変化が生じても、安定して直進性を保持することができる。
前記した実施形態1と同様、LSDやTCを搭載した車両では、直進加速時に低路面ミュー側の駆動輪にブレーキ制御を行うため、ヨーモーメントが発生するが、左右の両輪ともトーインとすることで、本質的に直進性が向上し、発生するヨーモーメントの影響を低くすることができる。
<<変形形態>>
実施形態1において、摩擦係数の大きい方の後輪をトーインとすることで直進性が向上しない場合は、制御を実施形態2のものに切り替えて、両方の後輪をトーインとするようにしてもよい。
実施形態2についても同様で、両方の後輪をトーインとすることで直進性が向上しない場合は、制御を実施形態1のものに切り替えて、摩擦係数の大きい方の後輪をトーインとするようにしてもよい。
実施形態1において、摩擦係数の大きい方の後輪をトーインとすることで直進性が向上しない場合は、制御を実施形態2のものに切り替えて、両方の後輪をトーインとするようにしてもよい。
実施形態2についても同様で、両方の後輪をトーインとすることで直進性が向上しない場合は、制御を実施形態1のものに切り替えて、摩擦係数の大きい方の後輪をトーインとするようにしてもよい。
すなわち、路面状態差検出手段により路面状態の差が検出された場合、トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとするように切換え、或いは、トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように切換える切換制御手段を具備する構成にすることも可能である。
変形形態によれば、直進加速時において路面状態の差が検出された場合、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするか、或いは、両方の後輪をトーインとするか何れかに切換えて車両の直進性を保持するので、直進加速時における直進性保持の制御がより柔軟に行え、直進性保持の制御性能が高い。
また、操舵角θHの代わりに、前輪1R、1Lの転舵角δで旋回状態を判定しても良い。この場合、前輪1R、1Lの転舵角δを検出するセンサを、前輪1R、1Lの転舵を制御するアクチュエータなどに備えて用いるようにし、目標電流算出部81aにおいても前輪1R、1Lの転舵角δを用いて目標電流値を算出するようにしても良い。旋回状態を判定には、横加速度センサSGSまたはヨーレートセンサSYを設けて、所定の横加速度または所定のヨーレートを超える値が検出された場合にほぼ直進状態ではない、といった具合にしても良い。
また、上記実施形態は、目標電流を設定して電動機31に流す電流を制御したが、電動機31に印加される電圧を目標電圧に設定することもでき、電動機31に流す電流を制御することもできる。
また、上記実施形態において、左右のトー角変更装置120L、120Rは個別のトー角変更制御ECU37を有するものとした、若しくは、操舵制御ECU130とも別個に設けるものとしたがそれに限定されるものではない。例えば、この3つのECUの機能のCPUで構成する部分を1つのCPUで対応する構成としても良いし、2つのトー角変更制御ECU37の機能のCPUで構成する部分を1つのCPUで対応する構成としても良い。
また、車速センサSVなしで、車輪速センサ141a、141b、141c、141dから車体速を作ってもよい。
本発明は、直進加速時において左右の車輪の路面状態(路面ミュー)が異なるスプレットミュー路での直進性を保持する制御が可能な効果を奏し、車両に幅広く適用可能である。
1R 右前輪
1L 左前輪
2R 右後輪
2L 左後輪
30 アクチュエータ(トー角修正制御手段)
31 電動機(トー角修正制御手段)
33 減速機構(トー角修正制御手段)
35 送りねじ部(トー角修正制御手段)
37 トー角変更制御ECU(トー角修正制御手段)
38 ストロークセンサ(トー角修正制御手段)
71 目標トー角演算部(トー角修正制御手段)
81 制御部(トー角修正制御手段)
83 電動機駆動回路(トー角修正制御手段)
120L、120R トー角変更装置(トー角修正制御手段)
130 操舵制御ECU(トー角修正制御手段)
141a、141b、141c、141d 車輪速センサ(路面状態差検出手段)
142 路面状態差検出部(路面状態差検出手段)
143、201 トー角修正制御部(トー角修正制御手段)
SFS 前輪転舵角センサ(路面状態差検出手段)
SH 操作角センサ(路面状態差検出手段)
SGS 横加速度センサ(路面状態差検出手段)
SV 車速センサ(路面状態差検出手段)
SY ヨーレートセンサ(路面状態差検出手段)
1L 左前輪
2R 右後輪
2L 左後輪
30 アクチュエータ(トー角修正制御手段)
31 電動機(トー角修正制御手段)
33 減速機構(トー角修正制御手段)
35 送りねじ部(トー角修正制御手段)
37 トー角変更制御ECU(トー角修正制御手段)
38 ストロークセンサ(トー角修正制御手段)
71 目標トー角演算部(トー角修正制御手段)
81 制御部(トー角修正制御手段)
83 電動機駆動回路(トー角修正制御手段)
120L、120R トー角変更装置(トー角修正制御手段)
130 操舵制御ECU(トー角修正制御手段)
141a、141b、141c、141d 車輪速センサ(路面状態差検出手段)
142 路面状態差検出部(路面状態差検出手段)
143、201 トー角修正制御部(トー角修正制御手段)
SFS 前輪転舵角センサ(路面状態差検出手段)
SH 操作角センサ(路面状態差検出手段)
SGS 横加速度センサ(路面状態差検出手段)
SV 車速センサ(路面状態差検出手段)
SY ヨーレートセンサ(路面状態差検出手段)
Claims (3)
- 後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、
直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、
前記路面状態差検出手段により前記路面状態の差が検出された場合に路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、
を具備することを特徴とする車両の後輪トー角左右独立制御装置。 - 後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、
直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、
前記路面状態差検出手段により前記路面状態の差が検出された場合に両方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、
を具備することを特徴とする車両の後輪トー角左右独立制御装置。 - 後車軸の左右輪のトー角を各々独立に制御可能である車両の後輪トー角左右独立制御装置であって、
直進加速時において左右の車輪の路面状態の差を検出する路面状態差検出手段と、
前記路面状態差検出手段により前記路面状態の差が検出された場合に、路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするか、或いは、両方の後輪をトーインとするトー角修正制御手段と、
前記路面状態差検出手段により前記路面状態の差が検出された場合、前記トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、前記トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとするように切換え、或いは、前記トー角修正制御手段により両方の後輪をトーインとしても直進性が向上しないときには、前記トー角修正制御手段により路面の摩擦係数が大きい方の後輪をトーインとするように切換える切換制御手段と、
を具備することを特徴とする車両の後輪トー角左右独立制御装置。
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- 2007-11-27 JP JP2007306513A patent/JP2009126467A/ja active Pending
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