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JP2008285419A - トリフルオロメタンスルホニルフロリドの製造方法 - Google Patents

トリフルオロメタンスルホニルフロリドの製造方法 Download PDF

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譲 森野
Yoshinori Tateishi
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Abstract

【課題】従来の製造法に比べて短工程で、高収率かつ高純度でトリフルオロメタンスルホニルフロリドを効率良く製造できる工業的に有利な製造方法を提供する。
【解決手段】トリフルオロメタンスルホン酸無水物((CF3SO22O)に、金属フッ化物(MF)を反応させることを特徴とする、トリフルオロメタンスルホニルフロリド(CF3SO2F)の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機合成や医農薬、電気電子材料分野における中間体の製造原料およびフッ素化試剤として有用なトリフルオロメタンスルホニルフロリドの製造方法に関する。
トリフルオロメタンスルホニルフロリドを初めとする、含フッ素アルカンスルホニルフロリドの製造方法として、電気化学的フッ素化する方法が従来から知られている。例えば、特許文献1には、無水フッ酸中でメタンスルホニルクロリド(CH3SO2Cl)を電解フッ素化させて製造する方法が開示されている。また、特許文献2においては、無水フッ化水素の存在下で、α,β-ジフルオロアルカン-β-スルトン、及び対応するα-ハロカルボニルフルオロアルカンスルホニルハロゲン化物の電気化学的フッ素化より得られる反応が開示されている。これらの方法においては、例えば特許文献1では約20vol%のトリフルオロメタンスルホニルフロリドと約80vol%の水素との混合ガスが電解槽より発生するため、多くの水素から目的物を単離し高純度に精製する必要があることや、これらの電気化学的フッ素化に伴い、大規模な電解反応設備を必要とする為、コストが高くなる問題点があった。
そこで、電気化学的フッ素化を用いない手法として、以下に挙げられる方法で製造がなされてきた。例えば、特許文献3において、パーフルオロオレフィンを出発原料として、無水硫酸と反応させ、パーフルオロアルカンスルトンを経由した後、加水分解させてモノヒドロパーフルオロアルカンスルホニルフルオリド(Rf−CHF−SO2F)に誘導させ、続いてフッ素又はフッ素を含むガスと反応させることによりパーフルオロアルカンスルホニルフルオリド(Rf−CF2−SO2F)を製造する方法が、また特許文献4では、アルカンスルホニルフロリドとフッ素を含むガスと反応させることで、ペルフルオロアルカンスルホニルフロリド又はヒドロフルオロアルカンスルホニルフロリドを製造する方法が開示されている。
また、非特許文献1では、ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物に、金属フッ化物を無溶媒で反応させることにより、対応するスルホニルフロリドを得る方法が開示されている。
米国特許第2732398号明細書 特表平8−512095号公報 国際公開第2004−096759号公報 特開2003−206272号公報 G.V.D.Tiers、J.Org.Chem.,28巻、1244−1246頁、1963年
特許文献3の方法は、該目的物が88%と良好に得られることから、好ましい製造方法であるが、一方で多段階の工程を要するため、合成方法は煩雑となり、工業的に製造する上ではいくぶん難がある。また、特許文献4の方法は、ペルフルオロカーボンを溶媒として用い、さらにフッ素化剤と混合させた状態で反応させなければならず、また、得られるペルフルオロアルカンスルホニルフロリドが非常に低収率であるため、工業的に採用するのは難しい。
また、非特許文献1では原料として無溶媒反応の為、反応が進行するに従って結晶が析出し攪拌が困難になるため、スケールアップをする場合や工業的な製造に用いるのにはいくぶん難があった。
このように、従来技術において、反応収率や反応の制御のしやすさ、得られる製品の純度、工程の頻雑さ等の点で必ずしも満足のできるものではなかったことから、本発明は、高純度のトリフルオロメタンスルホニルフロリドを、入手容易な原料を用い、簡便かつ高収率で、工業的規模で製造できる方法の確立が望まれていた。
本発明者らはかかる問題点に鑑み、トリフルオロメタンスルホニルフロリドを工業的に容易に製造する方法につき、鋭意検討を行った。その結果、トリフルオロメタンスルホン酸無水物((CF3SO22O)に、穏和な条件下、金属フッ化物(MF)を反応させることで、高純度の該目的物が得られることを見出し、本発明を完成した。
従来技術の電気化学的フッ素化を用いた方法では、副生物が発生する為に大掛かりな付帯設備が必要である場合があることや、反応設備に大きな投資が必要になる場合があった。また、ペルフルオロアルキルスルホン酸無水物を無溶媒で金属フッ化物を反応させた場合も同様に、攪拌が困難になるため反応設備に大きな投資が必要になる場合があり工業的な製造法としてはいくぶん難があった。
それに比べて本発明では、入手が容易なトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用い、1段階でかつ高収率で該目的物を製造できることとなった。反応系中で結晶が析出せずに攪拌が容易であり、きわめて簡便な方法である。
また、本発明では、溶媒に水を用いることで反応が良好に進行し、高収率で該目的物を得るという、工業的規模で製造する上できわめて有用な知見を得た。本発明者らは溶媒として水を用いた場合、原料であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物が、金属フッ化物とではなく水と反応し、加水分解を起こしてしまい、当該目的物を得ることが困難であることを当初予想していた。しかしながら、実際に加水分解は起こらずに、金属フッ化物と優先的に反応して該目的物を良好に得られるという、驚くべき知見を得た。
さらに、本発明の目的物であるトリフルオロメタンスルホニルフロリドは、沸点が非常に低く(沸点−21℃)、室温で気体(ガス)として存在する。そこで本発明者らは反応後に生成した気体を、0℃未満、具体的には−20〜−30℃に冷却したコンデンサーに流通させたのちに、気体を捕集することにより、容易に高純度のトリフルオロメタンスルホニルフロリドを得ることができ、蒸留等の精製操作を必要としないという知見も得た。
このように、本発明は工業的にも実施可能であり、従来技術よりも高い収率で目的物を製造することができる。特に大規模な設備を必要としないため、効率よく製造でき、かつ精製操作も特に必要としないことから、高い生産性で目的とするトリフルオロメタンスルホニルフロリドを製造できることとなった。
すなわち本発明は、[発明1]−[発明5]に記載する、トリフルオロメタンスルホニルフロリドの製造方法を提供する。
[発明1]トリフルオロメタンスルホン酸無水物((CF3SO22O)に、金属フッ化物(MF)を反応させることを特徴とする、トリフルオロメタンスルホニルフロリド(CF3SO2F)の製造方法。
[発明2]金属フッ化物が、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化ルビジウム(RbF)、又はフッ化セシウム(CsF)である、発明1に記載の方法。
[発明3]トリフルオロメタンスルホン酸無水物に、金属フッ化物を反応させる際、溶媒として水を共存させることにより行うことを特徴とする、発明1又は2に記載の方法。
[発明4]反応を行う際の温度が−5〜90℃であることを特徴とする、発明1乃至3の何れかに記載の方法。
[発明5]金属フッ化物の量が、トリフルオロメタンスルホン酸無水物1モルに対し0.1〜100モルであることを特徴とする、発明1乃至4の何れかに記載の方法。
本発明によれば、入手が容易なトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて、従来の製造法に比べて短工程で、高選択率かつ高純度でトリフルオロメタンスルホニルフロリドを効率良く製造できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物に、金属フッ化物を反応させることによりトリフルオロメタンスルホニルフロリドを製造する方法である。以下にスキームとして示す。
本発明の原料であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物は、特許文献1や特開2002−088050に記載の方法等、従来公知の方法で当業者が容易に製造できる。
本発明で用いる金属フッ化物について、金属とはアルカリ金属のことであり、アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)が挙げられる。
金属フッ化物の具体的な化合物は、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウムであるが、これらのうち、比較的入手が容易であることから、フッ化ナトリウム、フッ化カリウムが好ましく用いられる。これらのフッ化物は単独、又は2種類以上を混合して使用することもできる。
金属フッ化物の量はトリフルオロメタンスルホン酸無水物1モルに対して通常、0.1〜100モルであり、好ましくは1〜50モル、より好ましくは1〜25モルである。1モルより少ないと反応収率が低下する原因となる。また、10モルを超える量の金属フッ化物を用いても反応の進行について問題はないが、反応速度や収率の点でも特にメリットはない。
また、本発明は反応系内に溶媒を共存させて反応を行うこともできる。ここで溶媒とは、本発明の反応に直接関与しない不活性なもののことを言う。具体的な溶媒としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、フェノール等のアルコール系、ジメチルスルホキシド、そして水等が挙げられる。その中でもn−ヘプタン、トルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびジメチルスルホキシドが好ましく、特にトルエン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、及びエタノールがより好ましい。これらの反応溶媒は単独または組み合わせて使用することができる。
溶媒の量は、試薬が十分量溶解し、反応が円滑に進行するように、当業者によって最適化できるが、トリフルオロメタンスルホン酸無水物1gに対し、溶媒の量は通常0.1g〜10gであり、好ましくは0.8〜8g、さらに好ましくは1〜6gである。
また、本発明において、溶媒として水を共存させることにより、高純度かつ高収率で当該目的物を得る知見を得た。例えば、実施例1−2において、溶媒として水を用いることにより、高純度(純度99%以上)かつ高収率(88−91%)でトリフルオロメタンスルホニルフロリドを得ることは特に好ましい態様の一つである。
このように、本発明の工業的な製造方法を考えた場合、水を溶媒とした方法でも充分反応が進行し、好適に目的物を得ることができる。
本発明において反応溶媒として水を用いる場合、金属フッ化物の種類により溶解度が異なるため、それに応じて水の量が大きく変動する。本反応を実施する際、反応を効率良く進行させる程度に、当業者が水の量を適宜調整することができる。
例えば、金属フッ化物としてフッ化カリウムを用いた場合、水溶液の濃度を、通常15%〜50%、好ましくは20%〜40%、より好ましくは25%〜35%となるように水を加えると良い。ここで、水の量が多いとき、反応速度の低下を起こす原因となり、水の量が少ないとフッ化カリウムが溶解せずに析出する原因となるので好ましくない。
この場合、水の量はフッ化カリウム1gに対して、0.5g〜10gの範囲で加えることで、上述の濃度を達成することができる。本実施例において、フッ化カリウム1gに対して、水を1〜6gの範囲で加えることは好ましい態様の一つである。
反応温度は−5℃〜90℃の範囲で可能であるが、−5℃〜70℃が冷却の負荷がかからず、温度制御も容易であるから、好ましい。中でも、0℃〜60℃の範囲で反応を行うことは、冷却の負荷がかからず温度制御も容易であることからも、本発明の特に好ましい態様である。−5℃未満であると、反応の変換率が低下したりする一方、例えば溶媒として水を用いた場合は、反応系中に水を多量に存在すると固化することがあることから、好ましくない。一方、90℃を超えると原料であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物が気化しやすくなり、金属フッ化物とうまく反応しないことから好ましくない。
反応時間については、特に制限はないが、ガスクロマトグラフィー等の手法によって、原料の消費が十分に進み、反応が進行しないことを確認してから終了するのが望ましく、当業者が適宜調整することができる。さらに、本反応を実施する際、反応を効率良く進行させるために攪拌するのが好ましい。
反応圧力については特に制限はなく、常圧(大気圧)、加圧、又は減圧条件下で反応を行うことができる。本発明の目的物であるトリフルオロメタンスルホニルフロリドの沸点が非常に低く(−23℃)、室温で気体(ガス)として存在する。上述した反応系内の温度範囲で本発明を実施した場合、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と金属フッ化物が反応した直後に目的物が反応系内で発生する。このため、耐圧反応容器を用いて反応系を密閉させ、加圧条件下で反応を行うことも可能である。
また、減圧条件下で反応を行うことも可能である。本発明では、上述したように目的物が気体として発生するために、反応系内の圧力が高くなることがある。そこで、耐圧反応容器を用い、反応系内を予め減圧させた後に、反応試剤を加えることで、圧力がそれほど高くない状態で反応を行うことも可能である。
また、常圧(大気圧)下で反応を行うことも可能である。本発明では発生した気体(トリフルオロメタンスルホニルフロリド)を、トリフルオロメタンスルホニルフロリドの沸点以下に冷却したコンデンサー(凝縮器。冷却器とも言う)に流通させながら反応器に戻しながら反応を行う(この操作を還流とも言う)のと同時に、所定の圧力に達したときに、コンデンサーの一部を開放させてコンデンサーに流通させた気体の一部を捕集器で捕集することにより、反応容器全体の圧力がほとんど上がらずに反応を行うことができる。このことから、本発明は常圧(大気圧)でも十分に実施することができる。
本発明で用いられる反応器は、常圧で反応を行う際、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂等を使用することができる。また、加圧下で反応を行う際、圧力に耐えるものであれば材質に特に制限はなく、ステンレス鋼、ハステロイ、モネルなどの金属製容器などを用いることができる。
本発明の目的物であるトリフルオロメタンスルホニルフロリドは、上述したように室温で気体として存在するため、反応後に得られた気体を、コンデンサーに流通させた後、該気体を捕集容器で捕集することで、蒸留等の精製操作を必要とせずに高純度のトリフルオロメタンスルホニルフロリドを得ることができる。
例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、水、フッ化カリウムを加えた後、発生した気体を−30℃に冷却したコンデンサーに流通させ、流通させた気体を再び反応容器に戻しながら反応液を室温まで昇温させて還流させる。その還流操作を行う一方で、コンデンサーの一部を開放させ、コンデンサーに流通させた気体の一部を捕集器で捕集する。反応終了後、コンデンサー温度を−20℃程度に昇温して、気体の残りを全て捕集容器で捕集することで、蒸留操作を必要とせずに高純度のトリフルオロメタンスルホニルフロリドを得ることができる(後述の実施例参照)。このように、蒸留操作を必要としないことは、本発明を実施する上で特に好ましい態様の一つである。
なお、本発明では、連続的、又は半連続的もしくはバッチ式で行っても良く、当業者が適宜調整することができる。
このようにして、簡便な方法で高純度のトリフルオロメタンスルホニルフロリドを得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるものではない。ここで、組成分析値の「%」とは、反応混合物を直接ガスクロマトグラフィー(GC、特に記述のない場合、検出器はTCD)によって測定して得られた組成の「面積%」を表す。
撹拌器、還流管、温度計を備えた硝子製の反応器(500ml)に水70gを投入し、攪拌しながら、フッ化カリウム37.2g(0.640mol)を加え5℃に冷却した。次にトリフルオロメタンスルホン酸無水物120.5g(0.427mol)を攪拌しながら10分間かけて滴下した(その間、反応液の内温は5〜20℃に維持した)。滴下と同時に気体が発生し還流管の先からその気体を液体アルゴンで冷却されたステンレス製ボンベ(200ml)に捕集した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の滴下が終了した時点で気体の捕集を中止した。ステンレス製ボンベには59.1gの気体が捕集された。ガスクロマトグラフィーにより、この気体の組成を分析したところ、トリフルオロメタンスルホニルフロリドの純度は99.9%であった(0.389mol)(単離収率91%)。
撹拌器、還流管、温度計を備えたステンレス製の反応器(500ml)とステンレス製ボンベ(200ml)を四フッ化エチレン樹脂製のチューブで接続した後、反応器にフッ化カリウム50.2g(0.864mol)を加え系内を600Paまで減圧し水102gを吸引させながら反応器へ投入し5℃に冷却した。次に攪拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物145.4g(0.515mol)を30分かけて滴下した(その間、反応液の内温は5〜18℃に維持した)。滴下と同時に気体が発生し還流管の先からその気体をアセトン−ドライアイス溶液で冷却されたステンレス製ボンベ(200ml)に捕集した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の滴下が終了した時点で気体の捕集を中止した。ステンレス製ボンベには69.0gの気体が捕集された。ガスクロマトグラフィーにより、この気体の組成を分析したところ、トリフルオロメタンスルホニルフロリドの純度は99.9%であった(0.454mol)(単離収率88%)。
撹拌器、還流管、温度計を備えたステンレス製の反応器(500ml)とステンレス製ボンベ(200ml)を四フッ化エチレン樹脂製のチューブで接続した後、反応器にフッ化カリウム29.1g(0.501mol)を加え系内を600Paまで減圧しアセトニトリル144gを吸引させながら反応器へ投入し5℃に冷却した。次に攪拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物139.2g(0.493mol)を30分かけて滴下した(その間、反応液の内温は5〜18℃に維持した)。滴下と同時に気体が発生し還流管の先からその気体をアセトン−ドライアイス溶液で冷却されたステンレス製ボンベ(200ml)に捕集した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の滴下が終了した時点で気体の捕集を中止した。ステンレス製ボンベには43.6gの気体が捕集された。ガスクロマトグラフィーにより、この気体の組成を分析したところ、トリフルオロメタンスルホニルフロリドの純度は99.8%であった(0.287mol)(単離収率58%)。

Claims (5)

  1. トリフルオロメタンスルホン酸無水物((CF3SO22O)に、金属フッ化物(MF)を反応させることを特徴とする、トリフルオロメタンスルホニルフロリド(CF3SO2F)の製造方法。
  2. 金属フッ化物が、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、フッ化ルビジウム(RbF)、又はフッ化セシウム(CsF)である、請求項1に記載の方法。
  3. トリフルオロメタンスルホン酸無水物に、金属フッ化物を反応させる際、溶媒として水を共存させることにより行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 反応を行う際の温度が−5〜90℃であることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
  5. 金属フッ化物の量が、トリフルオロメタンスルホン酸無水物1モルに対し0.1〜100モルであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
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