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JPH06263715A - 高純度メタンスルホニルフロライドの製造法 - Google Patents

高純度メタンスルホニルフロライドの製造法

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Publication number
JPH06263715A
JPH06263715A JP302094A JP302094A JPH06263715A JP H06263715 A JPH06263715 A JP H06263715A JP 302094 A JP302094 A JP 302094A JP 302094 A JP302094 A JP 302094A JP H06263715 A JPH06263715 A JP H06263715A
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JP
Japan
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fluoride
methanesulfonyl
reaction
distillation
methanesulfonyl fluoride
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JP302094A
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JP2845745B2 (ja
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Kenji Fujii
健司 藤井
Tamio Nakamura
民夫 中村
Yoshiyuki Kobayashi
義幸 小林
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】医農薬の中間体あるいはトリフルオロメタンス
ルホン酸の製造原料として有用なメタンスルホニルフロ
ライドを高收率で製造する。 【構成】メタンスルホニルクロライドとフッ化物および
水との反応で得られた生成物をメタンスルホニルクロラ
イドに対し0.7重量倍以上の水の存在下、蒸留により
分離し、留分を二相分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医農薬の中間体あるいは
トリフルオロメタンスルホン酸(CF3 SO 3 H)の製
造原料として有用な物質であるメタンスルホニルフロラ
イドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその解決しようとする課題】トリフルオ
ロメタンスルホン酸は電解フッ素化法により製造されて
いるが、原料としてはメタンスルホニルクロライドを用
いるよりメタンスルホニルフロライドを用いた方が電流
効率が高く、収量が増加する。また塩素の発生が抑えら
れるという利点もある。
【0003】メタンスルホニルフロライドの製造法とし
ては次の様な方法が一般に知られている。フッ化カリウ
ム、フッ化ナトリウムのような金属フッ化物とメタンス
ルホニルクロライドを混合し、さらに反応溶媒として水
を加えて反応を行う。
【0004】 CH3 SO2 Cl+KF → CH3 SO2 F+KCl 反応が終了した時点で蒸留または濾過分液操作により生
成物を分離することによりメタンスルホニルフロライド
を得る。
【0005】この反応においては、原料であるメタンス
ルホニルクロライド及び生成物であるメタンスルホニル
フロライドが加水分解性をもつ、またメタンスルホニル
フロライドは水に若干溶解性があるため、この反応に加
える水の量は反応速度を考慮した最低限の量で行われる
のが一般的である。
【0006】そのため、反応生成物から目的物のメタン
スルホニルフロライドを回収する方法として蒸留法をと
る場合、十分な収率を得ることができなかった。一方、
反応後濾過分液によりメタンスルホニルフロライドを得
ることもできるが分液品中には水以外に副生成物である
塩等が混入しているため、後工程の精製工程での処理が
煩雑になる等の問題を有している。
【0007】脱水精製の方法としては、Na2 SO4
ゼオライトのような一般的な脱水剤を用いる方法が知ら
れている。しかしながら、これらの方法では、脱水剤の
処理またはメタンスルホニルフロライドの毒性等の問題
からの取扱い難さにより量産化が困難となっていた。
【0008】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者らは、メ
タンスルホニルフロライドを容易にかつ収率よく得る方
法について鋭意検討の結果、従来収率向上の意味からは
その添加量が少ない方がよいと考えられていた水を逆に
ある程度以上存在させた系で反応生成物を蒸留すること
により高い収率でメタンスルホニルフロライドを得るこ
とができることを見いだし本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、メタンスルホニルクロ
ライドとフッ化物および水との反応により得られた生成
物をメタンスルホニルクロライドに対して0.7重量倍
以上の水の存在下蒸留し、留分を二相分離したのちメタ
ンスルホニルフロライドを回収することを特徴とするメ
タンスルホニルフロライドの製造法である。
【0010】本発明においては、メタンスルホニルクロ
ライドに対してフッ化物は1〜3倍当量好ましくは1〜
1.5倍当量の範囲が好ましい。フッ化物が当量より少
ない場合、反応速度は非常に遅くなるとともに未反応の
メタンスルホニルクロライドが残留する。またこの範囲
を越えても特に利点はなく、経済的ではない。
【0011】本発明において使用するフッ化物として
は、KF、NaF等のアルカリ金属フッ化物、KF・n
HF、NaF・nHF等の酸性アルカリ金属フッ化物、
NH4F、(NH4 2 SiF6 、H2 SiF6 、Na
2 SiF6 、HFまたは前記物質の混合物が使用でき、
特にアルカリ金属フッ化物が好ましい。反応速度の面か
らはKFが、また経済性の面からはNaF、Na2 Si
6 が好ましい。これらフッ化物の種類によって反応条
件、特に水の好ましい添加量が異なってくる。この反応
には反応溶媒として水を使用するものであるが、フッ化
物は反応系で溶解した状態で反応が進行する。従って溶
解度の小さいフッ化物を使用する場合、反応に要するフ
ッ素源がメタンスルホニルクロライドに対して全体とし
て十分に存在していても溶解していないフッ素源は反応
に寄与しないため反応時間を短くしようとすれば水の添
加量を多くする必要がある。NaFの場合ではNaFに
対して2.0〜10.0倍重量の範囲が好ましい。
【0012】この範囲未満では、反応時間が長くなると
ともに、次段での蒸留操作においてメタンスルホニルフ
ロライドの回収率が低下する。またこの範囲を越えても
特に回収率に変化はなく、装置効率等を考慮すればこの
範囲が好ましい。
【0013】一方でKF等水に十分溶解性があり、反応
速度が早い物質を用いる場合反応に用いる水の量は少量
で構わない。反応温度は、室温から60℃までの範囲が
好ましく、60℃を越えると加水分解により収率が低下
する。
【0014】本発明においては、反応生成物を蒸留によ
りメタンスルホニルフロライドを回収するものである
が、この時メタンスルホニルフロライドと水はその蒸気
圧比で留出する。従ってこの意味から蒸留時における水
の添加量がメタンスルホニルフロライドの回収率に著し
く影響を与えるものである。この水の添加は反応が終了
した時点でも構わないが反応速度の関係から反応前に加
える方が好ましい。添加量はメタンスルホニルクロライ
ドに対して0.7重量倍以上必要である。特に、上限に
ついては限定されないが、経済性の面から3.0重量倍
以下が好ましい。
【0015】加える水の量が少ない場合、蒸留時におい
て副生成物である塩等が析出し、熱効率が悪くなり、蒸
留効率が悪くなる。また伝熱方式がコイル式の反応器を
使用する場合高沸点の生成物が残留するなど反応器の形
式も考慮する必要がある。
【0016】本発明においては、蒸留は加水分解を抑制
する点から減圧下でおこなうことが好ましく、通常、5
0〜100Torr以下の圧力でおこなう。50Tor
r以下では、逆に低くなりすぎて凝縮器でのロスが生じ
る。
【0017】使用する反応器は特に限定はしないが反応
を促進させるため原料を混合できるものが好ましい。例
えば、攪拌機付きのジャケット方式の反応槽(材質:テ
フロンコーティングしたSS材など)を用いることがで
きる。
【0018】留出したメタンスルホニルフロライドと水
は二相に分かれておりメタンスルホニルフロライドは下
層側となる。この分液操作は目視、電導度等の測定によ
り容易に行うことができる。また分液した水相中にはメ
タンスルホニルフロライドが溶解しており収率低下の要
因となっていたが、この水相を次の反応に使用すること
より水相に溶解しているメタンスルホニルフロライドを
回収することができる。
【0019】本発明で得られるメタンスルホニルフロラ
イドの不純物は水のみであり後工程である精製工程を容
易にする。すなわち脱水工程を蒸留で行い初留を20重
量%程度除くことにより目的とする精製品を得ることが
できる。初留品は次バッチの反応工程(蒸留分離工程)
または分液工程にサイクルさせることにより回収でき
る。このように精製工程を蒸留という簡易な方法でしか
も効率よく行うことができる。
【0020】なおメタンスルホニルクロライドとフッ化
物と水の反応において反応条件によっては若干のメタン
スルホニルクロライドが残存する場合もあるが本発明に
よる蒸留による分離法ではメタンスルホニルフロライド
及びメタンスルホニルクロライドの混合物であっても十
分その目的を達成できる。この場合反応後、蒸留により
メタンスルホニルクロライド、メタンスルホニルフロラ
イド、水が留出する事になる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
かかる実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 ジャッケト式の反応槽(1m3 )にメタンスルホニルク
ロライド140kg、フッ化ナトリウム60kg(1.
2倍当量)、水420kg(3.0重量倍)を加えよく
混合し反応させた。反応温度50℃、4時間で反応は終
了した。反応後、60Torr、50℃で単蒸留を行
い、メタンスルホニルフロライドを留出させた。メタン
スルホニルフロライドの留出が認められなくなるまで蒸
留を行った。蒸留後、目視にて二相を分液し、下層側に
あるメタンスルホニルフロライド113Kgを得た。収
率94.2%であった。上層側の水相75kg中にメタ
ンスルホニルフロライドは5.0kg含まれていた。下
層側のメタンスルホニルフロライドを再び60Tor
r、50℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カ
ット20重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロラ
イド中の水分率は150ppmとなり、脱水精製品90
kgを得た。
【0023】実施例2 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム120kg(1.2倍当
量)、水420kg(1.5重量倍)を加えよく混合し
反応させた。反応温度50℃、4時間で反応は終了し
た。反応後、60Torr、50℃で単蒸留を行い、メ
タンスルホニルフロライドを留出させた。メタンスルホ
ニルフロライドの留出が認められなくなるまで蒸留を行
った。蒸留後、目視にて二相を分液し、下層側にあるメ
タンスルホニルフロライド225Kgを得た。収率9
4.0%であった。上層側の水相140kg中にメタン
スルホニルフロライドは9.5kg含まれていた。下層
側のメタンスルホニルフロライドを再び60Torr、
50℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット
18重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド
中の水分率は250ppmとなり、脱水精製品180k
gを得た。
【0024】実施例3 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム115Kg(1.1倍当
量)、水300kgにさらに実施例2で分液した水相1
40kg(計430Kg:1.5重量倍)を加え、反応
温度50℃、4時間で反応を行った。反応後、60To
rr、50℃で単蒸留を行い、分液後、下層側にあるメ
タンスルホニルフロライド233kgを得た。収率9
7.2%であった。上層側の水層145kg中にメタン
スルホニルフロライドは9.8kg含まれていた。下層
側のメタンスルホニルフロライドを再び60Torr、
50℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット
18重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド
中の水分率は250ppmとなり、脱水精製品190k
gを得た。
【0025】実施例4 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム120Kg(1.2倍当
量)、水200kg(0.7重量倍)を加え、反応温度
50℃、4時間で反応を行った。反応後、60Tor
r、50℃で単蒸留を行い、分液後、下層側にあるメタ
ンスルホニルフロライド224kgを得た。収率93.
4%であった。上層側の水層140kg中にメタンスル
ホニルフロライドは9.5kg含まれていた。下層側の
メタンスルホニルフロライドを再び60Torr、50
℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット18
重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド中の
水分率は250ppmとなり、脱水精製品180kgを
得た。
【0026】比較例1 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム120Kg(1.2倍当
量)、水185kg(0.65重量倍)を加え、反応温
度50℃、4時間で反応を行った。反応後、60Tor
r、50℃で単蒸留を行い、分液後、下層側にあるメタ
ンスルホニルフロライド192kgを得た。収率80.
0%であった。上層側の水層130kg中にメタンスル
ホニルフロライドは8.8kg含まれていた。下層側の
メタンスルホニルフロライドを再び60Torr、50
℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット18
重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド中の
水分率は250ppmとなり、脱水精製品155kgを
得た。
【0027】比較例2 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム115Kg(1.1倍当
量)、水170kg(0.6重量倍)を加え、反応温度
50℃、4時間で反応を行った。反応後60Torr、
50℃で単蒸留を行いメタンスルホニルフロライド18
9kgを得た。収率79.0%であった。上層側の水層
130kg中にメタンスルホニルフロライドは8.7k
g含まれていた。下層側のメタンスルホニルフロライド
を再び60Torr、50℃で単蒸留を行い、脱水精製
を行った。初留カット18重量%で、反応槽内のメタン
スルホニルフロライド中の水分率は250ppmとな
り、脱水精製品154kgを得た。
【0028】実施例5 ジャッケト式の反応槽(1m3 )にメタンスルホニルク
ロライド140kg、フッ化カリウム76kg(1.1
倍当量)、水420kg(3.0重量倍)を加えよく混
合し反応させた。反応温度50℃、4時間で反応は終了
した。反応後、60Torr、50℃で単蒸留を行い、
メタンスルホニルフロライドを留出させた。メタンスル
ホニルフロライドの留出が認められなくなるまで蒸留を
行った。蒸留後、目視にて二相を分液し、下層側にある
メタンスルホニルフロライド113Kgを得た。収率9
4.0%であった。上層側の水相75kg中にメタンス
ルホニルフロライドは5.1kg含まれていた。下層側
のメタンスルホニルフロライドを再び60Torr、5
0℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット1
8重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド中
の水分率は250ppmとなり、脱水精製品90kgを
得た。
【0029】実施例6 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化カリウム156kg(1.1倍当
量)、水420kg(1.5重量倍)を加えよく混合し
反応させた。反応温度50℃、4時間で反応は終了し
た。反応後、60Torr、50℃で単蒸留を行い、メ
タンスルホニルフロライドを留出させた。メタンスルホ
ニルフロライドの留出が認められなくなるまで蒸留を行
った。蒸留後、目視にて二相を分液し、下層側にあるメ
タンスルホニルフロライド227Kgを得た。収率9
4.8%であった。上層側の水相140kg中にメタン
スルホニルフロライドは9.5kg含まれていた。下層
側のメタンスルホニルフロライドを再び60Torr、
50℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。初留カット
18重量%で、反応槽内のメタンスルホニルフロライド
中の水分率は250ppmとなり、脱水精製品186k
gを得た。
【0030】実施例7 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化カリウム156Kg(1.1倍当
量)、水150kgを加え、反応温度50℃、4時間で
反応を行った。反応後、水を50kg(計200kg:
0.7重量倍)加えた後に60Torr、50℃で単蒸
留を行いメタンスルホニルフロライド228kgを得
た。収率95.2%であった。上層側の水相140kg
中にメタンスルホニルフロライドは9.5kg含まれて
いた。下層側のメタンスルホニルフロライドを再び60
Torr、50℃で単蒸留を行い、脱水精製を行った。
初留カット18重量%で、反応槽内のメタンスルホニル
フロライド中の水分率は250ppmとなり、脱水精製
品187kgを得た。
【0031】比較例3 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化カリウム156Kg(1.1倍当
量)、水185kg(0.65重量倍)を加え、反応温
度50℃、4時間で反応を行った。反応後、60Tor
r、50℃で単蒸留を行いメタンスルホニルフロライド
201kgを得た。収率84.0%であった。上層側の
水相135kg中にメタンスルホニルフロライドは9.
1kg含まれていた。下層側のメタンスルホニルフロラ
イドを再び60Torr、50℃で単蒸留を行い、脱水
精製を行った。初留カット18重量%で、反応槽内のメ
タンスルホニルフロライド中の水分率は250ppmと
なり、脱水精製品164kgを得た。
【0032】比較例4 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化カリウム156Kg(1.1倍当
量)、水170kg(0.6重量倍)を加え、反応温度
50℃、4時間で反応を行った。反応後、60Tor
r、50℃で単蒸留を行いメタンスルホニルフロライド
199kgを得た。収率83.0%であった。上層側の
水相135kg中にメタンスルホニルフロライドは9.
2kg含まれていた。下層側のメタンスルホニルフロラ
イドを再び60Torr、50℃で単蒸留を行い、脱水
精製を行った。初留カット20重量%で、反応槽内のメ
タンスルホニルフロライド中の水分率は180ppmと
なり、脱水精製品159kgを得た。
【0033】実施例8 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム115Kg(1.1倍当
量)、水420kg(1.5重量倍)を加え、反応温度
50℃、4時間で反応を行った。蒸留後、目視にて二相
を分液し、下層側にあるメタンスルホニルフロライド2
27kgを得た。留出したメタンスルホニルフロライド
中の水分、純度を分析したところ、水分:1.2%、純
度:98.8%であり、収率93.5%であった。上層
側の水層150kg中にメタンスルホニルフロライドは
10.2kg含まれていた。下層側のメタンスルホニル
フロライドを再び60Torr、50℃で単蒸留を行
い、脱水精製を行った。初留カット20重量%で、反応
槽内のメタンスルホニルフロライド中の水分率は150
ppmとなり、脱水精製品182kgを得た。なお、初
留カットした留分45.4kg中にメタンスルホニルフ
ロライドは42.7kg含まれていた。
【0034】実施例9 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、フッ化ナトリウム115Kg(1.1倍当
量)、水300kgにさらに実施例8で分液した水相1
50kg(メタンスルホニルフロライド10.2kg含
む)および脱水精製工程の初留カット留分45.4kg
(メタンスルホニルフロライド42.7kg含む)を加
え(計水443Kg:1.6重量倍)、反応温度50
℃、4時間で反応を行った。
【0035】反応後、60Torr、50℃で単蒸留を
行い、分液後、下層側にあるメタンスルホニルフロライ
ド277.6kgを得た。留出したメタンスルホニルフ
ロライド中の水分、純度を分析したところ、水分:1.
0%、純度:99.0%であった。上層側の水層150
kg中にメタンスルホニルフロライドは10.3kg含
まれていた。なお、反応時に循環回収した脱水精製工程
の初留品に含まれるメタンスルホニルフロライド42.
7kgを除いた収率は、96.8%であった。
【0036】実施例10 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、ケイフッ化ナトリウム115Kg(1.5
倍当量)、水420kg(1.5重量倍)を加え、反応
温度50℃、4時間で反応を行った。反応後、60To
rr、50℃で単蒸留を行いメタンスルホニルフロライ
ド228kgを得た。収率95.1%であった。上層側
の水相140kg中にメタンスルホニルフロライドは
9.5kg含まれていた。下層側のメタンスルホニルフ
ロライドを再び60Torr、50℃で単蒸留を行い、
脱水精製を行った。初留カット18重量%で、反応槽内
のメタンスルホニルフロライド中の水分率は250pp
mとなり、脱水精製品187kgを得た。
【0037】比較例5 実施例1と同様の装置に、メタンスルホニルクロライド
280kg、ケイフッ化ナトリウム115Kg(1.5
倍当量)、水170kg(0.6重量倍)を加え、反応
温度50℃、4時間で反応を行った。反応後、60To
rr、50℃で単蒸留を行いメタンスルホニルフロライ
ド194kgを得た。収率81.1%であった。上層側
の水相130kg中にメタンスルホニルフロライドは
8.8kg含まれていた。下層側のメタンスルホニルフ
ロライドを再び60Torr、50℃で単蒸留を行い、
脱水精製を行った。初留カット18重量%で、反応槽内
のメタンスルホニルフロライド中の水分率は250pp
mとなり、脱水精製品159kgを得た。
【0038】
【発明の効果】本発明により、医農薬の中間体やトリフ
ルオロメタンスルホン酸の製造原料として有用なメタン
スルホニルフロライドを、容易に高純度かつ高收率で製
造することを可能にした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタンスルホニルクロライド(CH3
    2 Cl)とフッ化物および水との反応により得られた
    生成物をメタンスルホニルクロライドに対して0.7重
    量倍以上の水の存在下、蒸留により分離し、留分を二相
    分離したのちメタンスルホニルフロライド(CH3 SO
    2 F)を回収することを特徴とするメタンスルホニルフ
    ロライドの製造法。
  2. 【請求項2】 フッ化物が、アルカリ金属フッ化物、酸
    性アルカリ金属フッ化物、NH4 F、(NH4 2 Si
    6 、H2 SiF6 、Na2 SiF6 、HFであること
    を特徴とする請求項1記載のメタンスルホニルフロライ
    ドの製造法。
  3. 【請求項3】 水を含むメタンスルホニルフロライドを
    蒸留により不純物を留分として分離することを特徴とす
    る請求項1記載のメタンスルホニルフロライドの製造
    法。
JP302094A 1993-01-18 1994-01-17 高純度メタンスルホニルフロライドの製造法 Expired - Fee Related JP2845745B2 (ja)

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